JP2005178392A - プリンタヘッドの調整機構 - Google Patents

Abstract

【課題】プリンタにおけるプリントヘッドの最大６自由度における位置調整のための装置および方法を提供する。
【解決手段】位置調整機構１０は、突起リップ２２を有しており、この上に、プリントヘッドが固定される。さらに、Ｚ方向に延在している複数の調整ねじ３４，３６，３８と、Ｙ方向に延在している複数の調整ねじ４６，４８と、Ｘ方向に延在している調整ねじ６０と、を有している。これらの各調整ねじを操作することによって、プレート１２、ひいてはプリントヘッドを、Ｘ方向、Ｙ方向、Ｚ方向の各方向に平行移動させることができるばかりではなく、Ｘ軸、Ｙ軸、Ｚ軸の各々を中心として回転させることができることで、６自由度全てにおいて可能な位置調整が実現される。
【選択図】図１

Description

本発明は、一回の動作で全幅印刷を達成するために、交互に配置した複数のプリントヘッドを用いるダイレクトマーキングシステムに関する。特に、本発明は、各プリントヘッドにおいて、最大６つの自由度全てに調整を施す手段を提供することによって、プリンタにおける複数のプリントヘッドを、６つ以下の自由度において位置調整するための装置および方法に関する。

プリントヘッドの位置調整不良が、例えば、不十分な製造公差、プリンタにおけるプリントヘッドおよび関連部品の熱膨張、プリントヘッドの振動等に起因して生じる場合がある。従って、各プリントヘッドを、高画質を可能にするのに十分な精度で位置調整することが求められている。

プリンタにおけるプリントヘッドの位置調整のためのいくつかの装置が知られている。例えば、スモレンスキ（Smolenski）に付与された米国特許第６，０６８，４１５号明細書には、ばね荷重がかけられており、垂直方向および水平方向の両方向に浮動することが可能となっているプリントヘッドが開示されている。また、スモレンスキは、プリントヘッドを、比較的短い高剛性旋回アーム上に配置することを開示している。

オメラ（O'Mera）らに付与された米国特許第６，２９８，７８３号明細書には、支持フレーム上に、例えば、サーマルプリントヘッドのような位置調整可能な部品を取り付けるための位置調整装置が開示されている。プリントヘッドは、支持フレーム上の旋回軸を中心とする基準面に対して、支持フレーム上において調整可能であるとともに、その基準面に対して横方向にも調整可能である。

いくつかの知られているプリントヘッドの位置調整のための機構では、単独で調整可能なプリントヘッドの平行移動および回転の自由度の数が限られている。これが不都合であるのは、位置調整不良が、６つの自由度（平行移動および回転）のいずれにおいてであっても生じるおそれがあるからである。既存の技術のなかには、自由度を１つ増やすごとに、追加の位置調整機構を１つ用いるものもある。しかしながら、これでは、結果として、位置調整機構の設置面積が広くなり、部品数が増え、従って、熱膨張および振動が増えることになり、さらには、プリントヘッドの位置調整不良につながる。

米国特許第６，０６８，４１５号明細書 米国特許第６，２９８，７８３号明細書

例えば、高画質を可能にするのに十分な精度を備えた、６つ以下の自由度全てにおけるプリントヘッドの位置調整機構に対する必要がある。

また例えば、複数のプリントヘッドを、互いに対して位置調整するとともに、印刷媒体に対して位置調整することができるプリントヘッドの位置調整機構に対する必要がある。

また例えば、交互に配置した複数のプリントヘッドを位置調整することができる位置調整機構に対する必要がある。

また例えば、より小型の位置調整機構に対する必要がある。

上述の課題のうちの少なくとも一つを解決する利点およびその他の利点が、本発明の様々な実施の形態によって実現される。

本発明の好適な態様である位置調整装置は、複数のプレートから構成されており、これらは、共に、ばね荷重がかけられている。複数の調整ねじを用いて、各プレートを、互いに対して移動させることによって、６つの自由度のいずれであっても、単独で、プリントヘッドを調整することが可能となる。

具体例としての各実施の形態において、例えば、プリントヘッドを、最大６つの自由度において位置調整することができる。

具体例としての各実施の形態において、例えば、プリンタのための交互に配置した複数のプリントヘッドのアセンブリに必要とされる位置調整機構の数をできるだけ少なくすることによって、プリントヘッドの熱膨張を低減することができる。

具体例としての各実施の形態において、例えば、プリントヘッドに対して、より中央に配置することが可能な、より小型の位置調整機構によって、プリントヘッドの振動を低減することができる。

具体例としての各実施の形態において、例えば、プリンタにおける異なる部品の振動および熱膨張を低減することによって、プリンタの長寿命化を達成することができる。

具体例としての各実施の形態において、例えば、プリントヘッドの向上した位置調整機構によって、印刷品質の向上を達成することができる。

本明細書において用いる６自由度とは、Ｘ軸、Ｙ軸、およびＺ軸を基準とした平行移動および回転の自由度の各々を指す。すなわち６自由度には、（１）Ｘ方向における平行移動、（２）Ｙ方向における平行移動、（３）Ｚ方向における平行移動、（４）Ｘ軸を中心とする回転、（５）Ｙ軸を中心とする回転、（６）Ｚ軸を中心とする回転、が含まれる。

図１および図２に、本発明の位置調整機構１０を示す。位置調整機構には、前面１４および後面１６を有するプレート１２を含む。複数の突起１８が、プレート１２の前面１４上に配置されている。複数の突起１８のうちの２つが、各々、プレート１２の反対側の側部に配置されており、プレート１２の前面１４から延在している。プレート１２における開口部２０が、少なくともこれら２つの突起１８の各々の下方に配置されている。開口部２０によって、位置調整機構の総質量を減少させることが可能となるばかりではなく、位置調整機構および／または内部に位置調整機構を配置する印刷装置の異なる部品を収容するように設計することができる。

プレート１２は、突起リップ２２を有しており、この上に、プリントヘッド（図示せず）を固定することが可能である。リップ２２は、望ましくは、溝または凹部２４を有することが可能であり、この上において、プリントヘッドは、位置調整機構１０の実質的に中央となる位置において、プレート１２に固定することが可能である。従って、プレート１２を位置調整することによって、その上に固定されたプリントヘッドを、６つの異なる自由度において位置調整することができる。

プレート１２の後面１６は、固定プレート２８の面２６に対してＺ方向にずれている。このプレート１２を、固定プレート２８に対してずらしたときに、この固定プレート２８の面２６上の突出部３０が、プレート１２の２つの突起１８の下方にある開口部２０の各々を貫通して、またはそのなかに入り込んで延在する。

プレート１２は、プレート１２と固定プレート２８との間に連結されたばね３２によって、固定プレート２８の面２６に対してずらされている。３つの独立した調整ねじ３４，３６，３８が、ねじ切りされた穴（図示せず）によって固定プレート２８に固定されている。調整ねじ３４，３６，３８は、固定プレート２８とプレート１２との間に延在する。ばね３２による荷重によって、調整ねじ３４，３６，３８に逆らう方向の力が、プレート１２に加えられている。

調整ねじ３４，３６，３８の回転が、結果として、それぞれ、調整点４０，４２，４４におけるＺ方向のプレートの平行移動となる。Ｚ方向においてプリントヘッドを均一に調整するためには、３つの調整ねじ３４，３６，３８を全て、同一の方向（すなわち、時計方向または反時計方向のいずれか一方の方向）に同等量、回転させることによって、そのプリントヘッドが取り付けられているプレート１２を調整する必要がある。

調整ねじ３４，３６，３８は、互いとの関係において直角に配置され、かつ、同一の直交断面のなかに配置されることが望ましい。また、調整ねじ３４，３６，３８の各々を、調整時における回転（すなわち、ねじの回転）を可能にするのに十分な程度、間隔をあけて配置することによって、Ｘ軸および／またはＹ軸を中心とするプレート１２（ひいてはプリントヘッド）の独立した回転が可能となる。さらに具体的には、調整ねじ３６，３８は、望ましくは、それぞれ、２つの別々の突起１８に隣接しており、それらの内側に通じており、かつ同一の水平面のなかに配置される一方で、調整ねじ３４は、調整ねじ３６との関係において直角に配置され、かつ調整ねじ３６と同一の垂直断面のなかに配置される。従って、例えば、Ｘ軸を中心としてプリントヘッドを回転させるためには、調整ねじ３６，３８を均一に回転させることになるであろう一方で、調整ねじ３４は、引き続き固定されたままである。Ｙ軸を中心としてプリントヘッドを回転させるためには、調整ねじ３８を回転させることになるであろう一方で、調整ねじ３４，３６は、引き続き固定されたままである。

プリントヘッドのＹ方向における位置調整は、２つの独立した調整ねじ４６，４８によって達成される。調整ねじ４６，４８は、望ましくは、それぞれ、調整ねじ３４，３６，３８の各々に対して直角に配置することができる。調整ねじ４６，４８は、プレート１２の反対側の端部５２，５４において、ねじ切りされた穴（図示せず）によって、プレート１２の上部面５０またはプレート１２の下部面５１に固定される。調整ねじ４６，４８の各々は、プレート１２を固定プレート２８に対してずらしたときに、プレート１２を貫通して、プレート１２の２つの突起１８の下方にある開口部２０の各々のなかに入り込んで、かつ固定プレート２８の面２６上の突出部３０のなかに入り込んで延在する。２つの圧縮ばね５６によって、２つの突起１８の下方にある開口部２０の各々における下部５８が、調整ねじ４６，４８の各々における先端部（図示せず）に対してずらされている。

調整ねじ４６，４８の回転が、結果として、Ｙ方向におけるプレート１２の平行移動となる。Ｙ方向においてプレート１２を均一に調整するためには、調整ねじ４６，４８を両方とも、同等量、同一の方向に回転させる一方で、調整ねじ３４，３６，３８を固定された状態に保つ必要がある。

また、調整ねじ４６，４８の回転が、結果として、Ｚ軸を中心とするプレート１２の回転となる。Ｚ軸を中心としてプレート１２を回転させるためには、調整ねじ４６，４８のいずれか一方を回転させる一方で、調整ねじ３４，３６，３８を固定された状態に保つことができる。

プリントヘッドのＸ方向における位置調整は、調整ねじ６０によって達成される。調整ねじ６０は、望ましくは、調整ねじ３４，３６，３８，４６，４８の各々に対して直角に配置することができる。調整ねじ６０は、固定プレート２８において、ねじ切りされた穴（図示せず）によって、固定プレート２８の側部６２に固定される。調整ねじ６０は、固定プレート２８を貫通して、固定プレート２８に配置された窓６４のなかに入り込んで、かつプレート１２の後面１６から延在するもう１つの突起１９を貫通して、またはそのなかに入り込んで延在する。窓６４の壁部６８から調整ねじ６０の先端部（図示せず）まで延在するもう１つの圧縮ばね６６によって、プレート１２は、調整ねじ６０に逆らうようにずらされる。

Ｘ方向における調整は、調整ねじ６０の回転によって達成される。

また、本明細書に記載されたような調整ねじ３４，３６，３８，４６，４８，６０によれば、プリントヘッドの平行移動および／または回転が可能となるのではあるが、調整ねじ３４，３６，３８，４６，４８，６０の各々を、固定された状態のままとなるように設計することもできる。従って、調整ねじ３４，３６，３８，４６，４８，６０のいずれが、固定された状態のままとなる、例えば、ロッドまたはその他の固定された物体であってもよい。

さらに、位置調整機構を、６つの調整ねじ３４，３６，３８，４６，４８，６０よりも数が少ない調整ねじで構成して、それによって、６自由度全てよりも少ない自由度における平行移動および回転をもたらすことができるということが想定されている。代替的に、６つの調整ねじ３４，３６，３８，４６，４８，６０またはその６つよりも数が少ない調整ねじは、本発明の意図された範囲を超えることなく、互いに対して、様々な角度および方向に配置することができる。

図１および図２を参照して説明されたような位置調整機構１０は、プリントヘッドの調整が必要とされるダイレクトマーキングプリントエンジンのうちのプリンタに用いることが可能である。さらに、複数の位置調整機構１０を、そのプリンタに組み込んで、複数のプリントヘッドに対応することもできる。

図３〜図５に、プリンタにおける異なる部品に取り付けられた複数の位置調整機構１０を示す。図３には、フレーム１０４に取り付けられた第１の位置調整機構１００および第２の位置調整機構１０２を示す。プリントヘッドアセンブリ１０６が、上述したような第２の位置調整機構１０２に取り付けられたプリントヘッド１０８とともに図示されている。ここで、第１の位置調整機構１００および第２の位置調整機構１０２によって、同一のプリンタにおける複数のプリントヘッドの相対的な位置調整が可能となる。

もう１つの実施の形態において、プリンタにおける異なる部品を、複数の位置調整機構のための固定プレートとして用いる場合もある。図４〜図７を参照すると、プレート１１０（上述した位置調整機構１０のプレート１２に対応する）が、フレーム１１２（上述した位置調整機構１０の固定プレート２８に対応する）に対してずらされる場合もある。フレーム１１２は、画像形成装置における金属板、鋳造物、またはいずれの固定された物体であってもよい。調整ねじ１１４，１１６，１１８によって、それぞれ、調整ねじ６０、調整ねじ４６，４８、調整ねじ３４，３６，３８について上述したような６自由度におけるプリントヘッドの調整を可能にすることができる。

本発明の位置調整機構は、各プリントヘッドを手動で調整するために用いたり、各プリントヘッドを人間の介入なしに自動的に調整するためのモータとともに用いたりすることができるということが想定されている。

さらに、本発明の位置調整機構によれば、プリントヘッドを、位置調整機構の質量中心に対して、より近くに取り付けることによって、プリントヘッドおよび位置調整機構の振動を低減することが可能となる。

その上さらに、この位置調整機構によれば、プリントヘッドを６つの異なる自由度において位置調整するために必要とされる部品数を減らすことによって、熱膨張を低減することが可能となる。異なる部品の熱膨張および振動を低減することによって、プリンタにおける各部品の寿命を延ばすとともに、プリントヘッドを、再度、位置調整する必要を低下させることができる。

さらに、本発明の位置調整機構によれば、印刷品質の向上が可能となる。

プレート１２および固定プレート２８のみならず、本明細書において述べた位置調整機構のその他の部品も、どのような形状または寸法であってもよく、本明細書において例示された形状は、本明細書において述べた本発明の実施の形態を限定しようとするものではない。

本発明のプリントヘッドのための位置調整機構は、例えば、プリンタ、コピー機、ファックス装置等とともに、様々な異なる環境において用いることができるということが想定されている。

特定の具体的な実施の形態について、添付の図面において図示するとともに、詳細に説明してきたが、当業者であれば、本発明は、説明された実施の形態に限定されるものではなく、上述した本発明の例示された実施の形態およびその他の実施の形態において、本発明の広義の発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正を加えることができるということが認識されるはずである。従って、本発明は、開示された個々の実施の形態または構成に限定されず、むしろ特許請求の範囲に定義された本発明の範囲および精神の範囲内に含まれるあらゆる変更、手直し、または修正を包含しようとするものであるということは言うまでもない。

プリントヘッドのための位置調整機構を示す正面図である。 プリントヘッドのための位置調整機構を示す背面図である。 単一のプリンタのためのプリントヘッドを備えた複数の位置調整機構を示す図である。 単一のプリンタのためのプリントヘッドを備えた複数の位置調整機構の１つの実施の形態を示す正面図である。 単一のプリンタのためのプリントヘッドを備えた複数の位置調整機構の１つの実施の形態を示す背面図である。 単一のプリンタのためのプリントヘッドを備えた複数の位置調整機構の１つの実施の形態を示す正面図である。 単一のプリンタのためのプリントヘッドを備えた複数の位置調整機構の１つの実施の形態を示す背面図である。

符号の説明

１０ 位置調整機構、１２ プレート、１４ 前面、１６ 後面、１８ 突起、２０ 開口部、２２ リップ、２４ 凹部、２６ 面、２８ 固定プレート、３０ 突出部、３２ ばね、３４，３６，３８ 調整ねじ、４０，４２，４４ 調整点、４６，４８ 調整ねじ、５０ 上部面、５１ 下部面、６０ 調整ねじ、１００，１０２ 位置調整機構、１０４ フレーム、１０６ プリントヘッドアセンブリ、１０８ プリントヘッド、１１０ プレート、１１２ フレーム、１１４，１１６，１１８ 調整ねじ。

Claims (1)

1. プリンタにおけるプリントヘッドの調整機構であって、
   前記プリントヘッドが固定される支持体と、
   前記支持体に対向する固定プレートと、
   実質的に第１の方向に延びており、前記支持体を前記固定プレートに連結させる複数の第１のねじまたはロッドと、
   実質的に第２の方向に延びており、前記支持体を前記固定プレートに連結させる複数の第２のねじまたはロッドと、
   実質的に第３の方向に延びており、前記固定プレートを前記支持体に連結させる第３のねじまたはロッドと、
   を備える調整機構。
   
   

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