JP2005175927A - 弾性表面波素子の製造方法 - Google Patents

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Hidefumi Nakanishi
秀文 中西
Kenji Sakaguchi
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Abstract

【課題】 ウエハ上に複数の弾性表面波素子の電極をフォトリソグラフィ−リフトオフにより形成するに際し、レジスト層の剥離を容易に行うことがきるとともに、電極の損傷が生じ難い、弾性表面波素子の製造方法を提供する。
【解決手段】 圧電体よりなるウエハ1上に、複数の弾性表面波素子の各電極構造に対応した開口部を有するようにパターニングされたレジスト層を形成し、レジスト層を覆うようにウエハ1上に金属膜を形成し、レジスト層状の金属膜をリフトオフし、開口部に付与されている金属膜により複数の弾性表面波素子の電極構造を形成する弾性表面波素子の製造方法において、レジスト層には、隣接する弾性表面波素子構成領域A1,A2間及びA1,A3間において、連ねられるように、レジスト層2Aがパターニングされる弾性表面波素子の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、弾性表面波共振子や弾性表面波フィルタなどの弾性表面波素子の製造方法に関し、より詳細にはフォトリソグラフィによりウエハ上において電極を形成する工程が改良された弾性表面波素子の製造方法に関する。
従来より、弾性表面波素子の製造に際し、フォトリソグラフィ技術を用いた電極形成方法が知られている。例えば、下記の特許文献1には、図10(a)〜(f)に示す電極形成方法が開示されている。特許文献1に記載の製造方法では、まず、図10(a)に示すように、圧電体よりなるウエハ101が用意される。
次に、図10(b)に示すように、ウエハ101の上面の全面に、フォトレジスト102が形成される。そして、図10(c)に示すように、フォトレジスト102の上面に、開口部103aを有するマスク103が載置され、360nm以下の波長を持つ紫外光により露光が行われる。
しかる後、現像を行うことにより、図10(d)に示すように、パターニングされたレジスト層102Aが形成される。次に、全面に金属膜104を形成する(図10(e))。最後に、図10(f)に示すように、レジスト層102A上の金属膜をリフトオフ法により除去することにより、電極としてパターニングされた金属膜104Aが形成される。
上記電極形成方法はウエハ状態で行われ、しかる後、ウエハ101が、個々の弾性表面波素子単位に分割される。
特開平5−37275号公報
特許文献1に記載のように、ウエハ状態で複数の弾性表面波素子の電極をリフトオフ法により形成した場合、以下のような問題があった。
すなわち、従来、ウエハ上において複数の弾性表面波素子を構成するために、例えば図11に示す電極パターン111が形成されていた。この電極パターン111では、複数の弾性表面波素子構成部分がマトリックス状に配置されている。すなわち、図11の縦方向に延びる金属パターン112,112,112と、横方向に延びる金属膜パターン113,113,113に沿ってウエハが最終的に分割され、個々の弾性表面波素子が構成される。この金属膜パターン112,113は、分割に際し、ダイシングにより除去される部分に相当する。このように、隣接する弾性表面波素子構成部分が、金属膜パターン112,113で区画されていた。
他方、上記電極パターン111を形成するに際しては、個々の弾性表面波素子が構成される領域ごとにレジストパターンが分割されて形成されることとなる。そのため、電極を構成する金属材料の応力が大きい場合には、レジストを剥離するに際し、レジストの一部が剥離し難いことがあった。
通常、リフトオフ法によりレジストを剥離する場合には、ウエハを剥離液に浸漬した状態で、ウエハを揺動する。ところが、金属膜の応力が大きい場合には、図12のハッチングを付して示す領域Aでレジストが剥離しないことがあった。なお、図12においては、ウエハ110の平面図が示されており、該ウエハ110の上面において前述した電極パターン111が形成される前のレジスト及びレジスト上に金属膜が付与されている状態が示されている。そして、図12では、この状態からリフトオフによりレジスト層115が部分的に剥離されている状態が略図的に示されている。すなわち、揺動処理を行ったとしてもレジスト層115のみが剥離し、残りのレジスト層が剥離し難いことがあった。この場合には、従来、さらに超音波を印加することにより残存しているレジスト層の剥離が行われていた。
しかしながら、超音波を加えた場合には、図10(e)に示されているレジスト層102A上の金属膜104Bが超音波により加速され、電極として残っている金属膜部分に衝突し、電極が損傷するという問題があった。
従来、個々の弾性表面波素子が構成される領域において形成されるレジストパターンがウエハ上において独立していた。これは、以下の理由による。ダイシングにより切断される部分である金属膜パターン112,113上にレジスト層を設け、ウエハ上で隣接する弾性表面波素子のレジストパターンを接続した場合を考える。この場合、電極膜を構成する金属材料として特に、最下層にNiCr膜のような応力の大きな金属膜を用いると、該金属膜の応力により、レジストがウエハのある部分で裂けるという問題があった。そこで、上記のように、各弾性表面波素子構成領域毎にレジストパターンを独立させ、金属膜の応力による影響を防止していた。
なお、NiCr膜を用いた電極構成では、通常、密着層として、200nm程度のNiCr膜上に、主電極層として840nm程度のAlCu金属膜が形成されていた。
他方、個々の弾性表面波素子の電極に対応するレジストパターン開口部以外の部分では、ウエハ上においてレジストパターンが繋がっている場合には、リフトオフに際しての剥離液が浸透し難い。従って、剥離に長時間を要するという問題があった。さらに、電極を構成している金属膜の応力が大きい場合には、上述したように、レジストパターン上に形成されている金属膜部分の応力により、レジストパターンが変形したり、裂けたりするという問題があった。
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、レジストパターンの変形や裂けを生じることなく弾性表面波素子の電極の損傷を招くことなく、リフトオフ法により容易にレジスト層及びレジスト層状の金属膜部分を除去し得る工程を備えた弾性表面波素子の製造方法を提供することにある。
本発明に係る弾性表面波素子の製造方法は、圧電体よりなるウエハを用意する工程と、前記ウエハ上に構成される複数の弾性表面波素子の各電極構造に対応した開口部を有するようにパターニングされたレジスト層を形成する工程と、前記レジスト層を覆うようにウエハ上に金属膜を形成する工程と、前記レジスト層上の金属膜をリフトオフし、前記開口部に付与されている金属膜により複数の弾性表面波素子の電極構造を形成する工程とを備え、前記パターニングされたレジスト層がウエハ上において、少なくとも一方向に隣接する弾性表面波素子構成領域間で繋げられていることを特徴とする。
本発明に係る弾性表面波素子の製造方法のある特定の局面では、前記レジスト層の形成が、前記ウエハ上にフォトレジストを全面に付与する工程と、該フォトレジストにマスクを介して光を照射する工程と、光照射後に現像し、前記開口部を有するようにパターニングされたレジスト層を得る工程とが備えられる。
本発明に係る弾性表面波素子の製造方法のさらに他の特定の局面では、前記リフトオフにより前記レジスト層状の金属膜を除去するに際し、剥離液中に前記ウエハを浸漬した状態でウエハの揺動処理が行われる。
本発明に係る製造方法のさらに別の特定の局面では、金属膜として、複数の金属膜が積層された積層金属膜が形成される。
本発明に係る弾性表面波素子の製造方法のさらに他の特定の局面では、前記複数の金属膜が、主電極層と、主電極層の下地層として形成されており、主電極層よりもウエハに対する密着性に優れた密着層とを備える。
本発明に係る弾性表面波素子の製造方法の別の他の特定の局面では、前記密着層の下地に設けられており、前記密着層よりも柔らかい金属材料からなる応力緩和層をさらに備えられる。
本発明に係る弾性表面波素子の製造方法のさらに別の特定の局面では、前記主電極層がAlまたはAl合金からなり、前記密着層がNiCrあるいはTiからなり、前記応力緩和層がAlCuからなる。
本発明に係る弾性表面波素子の製造方法では、上記フォトレジストとしては、ポジ型またはネガ型のフォトレジストのいずれが用いられてもよい。また、好ましくは、前記フォトレジストへの露光が、前記ウエハ上の複数の領域に分けて行われる。
本発明に係る弾性表面波素子の製造方法では、リフトオフ法によりウエハ上に複数の弾性表面波素子の電極構造を形成するに当り、パターニングされたレジスト層が、少なくとも一方向に隣接している弾性表面波素子構成領域間で繋げられており、すなわち、複数の弾性表面波素子が構成される領域に設けられている各レジスト層部分が繋げられている。そのため、リフトオフに際しウエハを剥離液に浸漬し、揺動した場合、該レジスト層がウエハ上から容易にかつ確実に剥離される。
しかも、隣接する弾性表面波素子を分断する部分においてレジスト層部分が繋げられているため、応力の大きな金属膜を電極構成材料の少なくとも一部に用いたとしてもレジスト層の変形や剥離が生じ難い。
従って、レジスト層の変形や裂けを招くことなく、かつ弾性表面波素子の電極構造に損傷を与えることなく、レジスト層及びレジスト層上の金属膜部分をリフトオフ法により確実かつ容易に除去することができる。
特に、リフトオフに際し、ウエハを揺動し、剥離が進行していくと、先に剥離している部分の自重によりさらに剥離が進行する。従って、成膜後の応力が小さい電極、あるいは多層化等により膜厚が厚くなった電極を用いた場合にも、リフトオフが容易に行われ得る。
本発明において、レジスト層の形成が、ウエハ上にフォトレジストを全面に付与し、フォトレジストにマスクを介して光を照射し、光照射後に現像し、それによって開口部及び第2の開口部を有するようにパターニングされたレジスト層を得る場合には、従来のフォトレジストグラフィ技術を用いて容易にパターニングされたレジスト層を形成することができる。
本発明においてリフトオフによりレジスト層上の金属膜を除去するに際し、剥離液中にウエハを浸漬した状態でウエハを揺動した場合には、レジストの剥離をより一層速やかに行うことができる。
金属膜として、複数の金属膜が積層された積層膜を用いた場合には、複数の金属膜の種類を選択することにより電極のウエハへの密着を高めたり、電気抵抗が低い金属膜を用いたりすることにより、電気的及び機械的に優れた特性を備えた弾性表面波素子を提供することができる。
複数の金属膜が主電極層と、主電極層の下地層として形成されており、主電極層よりウエハに対する密着性に優れた密着層を備える場合には、密着層によりウエハに対する密着強度に優れた電極を形成することができる。
密着層の下地に設けられており、密着層よりも柔らかい金属材料からなる応力緩和層を電極がさらに備える場合には、バンプ接合時のウエハの損傷を抑制することができ、弾性表面波素子の生産性を高めることができる。
主電極層がAlまたはAl合金からなり、密着層がNiCrからなり、応力緩和層がAlCuからなる場合には、NiCrによりウエハへの電極の密着性が高められ、さらにAlCuによりバンプ接合時のウエハの損傷が抑制され、AlまたはAl合金からなる主電極層により十分な低抵抗の電極を構成することができる。
フォトレジストとしては、ポジ型またはネガ型のいずれのフォトレジストを用いてもよい。フォトレジストへの露光が、ウエハ上の複数の領域に分けて行われる場合には、大きなウエハを用いた場合であっても、本発明に従って、確実にフォトレジストを露光し、現像し、パターニングされたレジスト層を容易に形成することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
本発明に係る弾性表面波素子の製造に際しては、まず、圧電体よりなるウエハが用意される。次に、ウエハ上に構成される複数の弾性表面波素子の各電極構造に対応した開口部を有するようにパターニングされたレジスト層が形成される。すなわち、図2(a)に略図的部分切欠正面断面図で示すように、パターニングされたレジスト層2Aが形成される。このレジスト層2Aの形成は、ウエハ1の上面にレジスト層を全面に付与し、しかる後フォトマスクを通して、光を照射し、光照射後に現像することにより行われる。この場合、レジスト層2Aを構成するための上記レジストとしては、ポジ型フォトレジストまたはネガ型フォトレジストを適宜用いることができる。すなわち、レジスト層2Aの形成は、図10(a)〜(d)に示した従来法と同様にして行われる。
次に、図2(b)に示すように、レジスト層2Aを覆うように、ウエハ1上に全面に金属膜3を形成する。金属膜3は、ウエハ1上に直接付着している金属膜部分3Aと、レジスト層2A上に位置している金属膜部分3Bとを有することになる。
すなわち、金属膜部分3Aは、レジスト層2Aに設けられた開口部2a内に形成されている。
次に、図2(c)に示すように、リフトオフ法によりレジスト層2Aが、レジスト層2A上の金属膜部分3Bとともにリフトオフされる。従って、図3に示すように、ウエハ1上に金属膜部分3Aからなる電極が形成される。
本実施形態では、この電極3Aの形成に際して用いられる、パターニングされたレジスト層2Aが、少なくとも一方向に隣接する弾性表面波素子構成領域を繋げるように形成されていることを特徴とする。これを、図1(a)及び(b)を参照して説明する。
図1(a)は、ウエハ1の上面に最終的に形成される電極パターン及びレジスト層を示す模式的平面図である。ウエハ1上においては、図11に示した従来の製造方法における電極パターン111と同様に、電極パターン11が形成されている。また、ウエハ1上においては、電極パターン11が設けられている部分以外の領域には、多点のハッチングオフして示すパターニングされたレジスト層2Aが形成されている。なお、実際の電極形成方法では、レジスト層2A上に図2(b)に示したように、金属膜部分3Aが積層されているが、図1では、レジスト層2Aの平面形状を示すために、金属膜部分3Bの図示は省略されている。
電極パターン11は、マトリックス状に個々の弾性表面波素子の電極構造が連ねられた構造を有する。すなわち、図1(b)において、1つの弾性表面波素子の電極構造が取り出して図示されているが、ここでは、略図的にインターデジタル電極構成部分12aと、反射器構成部分12b,12cとを有する弾性表面波共振子の電極が形成されている。なお、図1(a),(b)では、インターデジタル電極12a及び反射器12b,12cの具体的な複数本の電極指等は図示されておらず、略図的にインターデジタル電極12a及び反射器12b,12cが形成される電極部分がハッチングを付して示されている。
また、図1(a),(b)において、金属膜パターン13a,13bは、各弾性表面波素子の電極構造を取り囲む金属膜パターンであり、最終的にダイシングに際し切断され、除去される部分に相当する。
すなわち、図1(a)に示されている電極パターン11では、個々の弾性表面波素子の電極構造を囲むように独立した金属膜パターン13a,13bが設けられている。金属膜パターン13aは、図1(a)において横方向に延び、隣接する弾性表面波素子構成用電極間において、金属膜パターン13a,13a間に、レジスト層が存在する開口部X1が存在する。
他方、金属膜パターン13aと、レジスト層が存在する開口部Y1を介して、金属膜パターン13bの縦方向に延びる部分が配置されている。金属膜パターン13bは、縦方向に延びる部分と、該縦方向に延びる部分の端部から直交するように延ばされており、金属膜パターン13aと平行に延びる部分とを有する。
金属膜パターン13bの金属膜パターン13aと平行に延びる部分の端部は、レジスト層が存在する開口部X2を介して、隣接する金属膜パターン部分13bと隔てられている。
なお、図1(b)において、ハッチングは付されていないが、実線で示す金属膜パターン14a〜14dは、弾性表面波素子上において設けられる配線電極部分に相当する。この部分においても、現実には、細い金属膜が形成されている。
図1(a)から明らかなように、本実施形態では、最終的にウエハの上面に電極パターン11が形成されるが、ここでは、個々の弾性表面波素子を構成している電極構造を取り囲む金属膜パターン13a,13bは繋がっていない。すなわち、隣接する弾性表面波素子の電極構造は、レジスト層が存在する開口部X1,X2,Y1を介して分離されている。
従って、図2(a)〜(c)及び図3を参照して説明した製造方法により電極パターン11を形成するに当たっては、図1(a)に示すようにパターニングされたレジスト層2Aが形成されることになる。言い換えれば、図1(a)に示した電極が形成されていない部分にレジスト層2Aが形成される。
従って、レジスト層2Aは、隣接する弾性表面波素子構成領域間において繋げられている。言い換えれば、開口部X1,X2,Y1においてもレジスト層が存在するため、隣接する弾性表面波素子を分断する部分において両側のレジスト層が繋げられることになる。
よって、本実施形態の製造方法では、ウエハ1上において複数の弾性表面波素子の電極構造が上記フォトリソグラフィ/リフトオフ法によって形成されるが、個々の弾性表面波素子構成領域において設けられたレジスト層が繋げられているため、リフトオフにより、レジスト層2A上の金属膜をレジスト層2Aとともに除去するに際し、レジスト層2Aを容易にかつ確実に除去することができる。
すなわち、レジスト層及びレジスト層上の金属膜をリフトオフ法により除去する際には、例えば、剥離液中にウエハが浸漬され、その状態でウエハが揺動される。本実施形態では、個々の弾性表面波素子構成領域間においてレジスト層が繋がっているため、レジスト層の剥離が進行した場合、繋がっているレジスト層が徐々に剥離していき、図4に略図的に示すように、ウエハ1からレジスト層2Aが円滑に剥離され得る。
なお、図4では、レジスト層2Aは、ウエハ1のある領域の全面を覆うように形成され、該レジスト層2Aが全面的に剥離されるように図示されているが、現実には、図1(a)の電極パターン11が形成されている部分上にはレジスト層は存在しない。
上記のように、本実施形態では、ウエハ1上において、レジスト層2Aが隣接する弾性表面波素子構成部分間において繋げられているため、レジスト層2Aが無理なくウエハ1の上面から剥離され、レジスト層が部分的にウエハ1上に残存し難い。
なお、本実施形態では、レジスト層2Aが容易に剥離され得るため、応力の大きな金属膜を用いて電極を構成することができる。これを、図5を参照して説明する。
図5は、ウエハ1上に形成されている電極としての金属膜部分3Aの一例を示す部分切欠正面断面図である。金属膜部分3Aは、応力緩和層21、密着層22及び主電極層23及び易バンプ結合層24をこの順序で積層した構造を有する。応力緩和層21は、金属膜部分3Aに金属バンプを接合した際のウエハ1の損傷を防止するために設けられている。このような応力緩和層21を構成する金属としては、主電極層23よりも柔らかい適宜の金属材料を用いることができる。本実施形態では、応力緩和層21は、AlCuからなり、例えば、500nm程度の厚みとされる。
密着層22は、金属膜部分3Aのウエハ1への密着性を高めるために設けられている。密着層22を構成する金属は、主電極層23よりもウエハ1に対する密着性が優れている限り、特に限定されず、本実施形態では、NiCrからなり、その厚さは200nmとされている。
主電極層23は、金属膜部分3Aを電極として動作させ得るのに十分な低抵抗の金属材料で構成される。このような金属材料としては特に限定されないが、例えば、Al、Al合金、Agなどの適宜の低抵抗の金属を挙げることができ、本実施形態では、AlCuからなり、その厚さは740nmとされている。
また、易バンプ接合層24は、主電極層23よりもAuなどからなるバンプを個々に接合し得る適宜の金属からなり、本実施形態では、Alからなりその厚みは400nmとされている。
なお、金属膜部分3Aとは異なり、密着層22よりも上部を全てAlにより構成した場合には、Auからなるバンプが接合されると、NiCrからなる密着層までAuが拡散してくる。そのため、Au−Al合金化による体積膨張により大きな応力が生じ、バンプ接合部の下方においてウエハ1にクラックが生じるおそれがある。
これに対して、本実施形態では上記密着層22の上方に、AlCuからなる主電極層23が形成されているため、並びに応力緩和層21が設けられているため、バンプ接合部分の下方におけるウエハ1のクラックを効果的に抑制することができる。
また、上記のように、応力緩和層21を設けた場合、応力の大きなNiCrからなる密着層22からの応力が、電極形成工程においてレジスト層2Aに直接付与されることが防止される。そのため、前述した実施形態のように、隣接する弾性表面波素子構成部分におけるレジスト層が繋げられていたとしても、レジストの裂けが抑制される。
なお、応力緩和層を構成するAlCu合金においては、Cuの含有割合は10重量%程度とされ、該AlCu合金は、バンプ接合時の衝撃を緩和するのに十分な柔らかさを有するように構成されている。
上記のように、上述した実施形態では、ウエハ1上に複数の弾性表面波素子がマトリックス状に形成される構成において、電極形成に際してのレジスト層2Aが、全ての隣接する弾性表面波素子構成領域間で繋がるように配置されているため、レジスト層の塗布に際しての剥離を容易にかつ確実に行うことができる。このような効果は、少なくとも一方向に隣接している弾性表面波素子構成領域間においてレジスト層が接続されていればよい。従って、本発明で形成されるウエハ上の電極パターンは、図1に示した電極パターン11に限定されるものではない。例えば、図6〜図9に示す変形例の電極パターン31,41,51,61をウエハ上に形成してもよい。
図6に示す電極パターン31では、周囲が矩形枠状の金属膜パターン32で囲まれているが、隣接する弾性表面波素子構成領域、例えば弾性表面波素子構成領域A1とA2との間においては、連続している開口部X3が形成されており、弾性表面波素子構成領域A1と弾性表面波素子構成領域A3との間では、開口部Y3が設けられている。このように、電極パターン31においても、隣接する弾性表面波素子の電極構造を形成するに際し、レジスト層が上記開口部X3,Y3に存在しているので、隣接する弾性表面波素子構成領域に設けられるレジストが、連ねられることになる。従って、図1に示した電極パターン11の場合と同様に、レジスト層をリフトオフに際し確実に剥離することができる。
同様に、図7に示す電極パターン41においては、隣接する弾性表面波素子構成領域A1,A2間に開口部X4が、設けられている。また、縦方向においては、金属膜パターン42の縦方向に延びる金属膜パターン部分42aの先端と、隣接する金属膜パターン42との間に開口部Y4が設けられている。
図8に示す金属膜パターン51では、隣接する弾性表面波素子構成領域A1,A2間に、開口部X5が、弾性表面波素子構成領域A1,A3間において開口部Y5が設けられている。
さらに、図9に示す電極パターン61では、全ての弾性表面波素子構成領域を囲むように矩形枠上の金属膜パターン62が設けられているものの、隣接する弾性表面波素子構成領域A1,A2間及び弾性表面波素子構成領域A1,A3間には、開口部Zが設けられている。
従って、図7〜図9に示した電極パターン41,51,61を形成する際においても、上述した開口部X4,Y4,X5,Y5及びZにおいてレジスト層が存在し、少なくとも一つの方向において隣接している弾性表面波素子構成領域間においてレジスト層が繋げられることになる。
図6〜図9に示した各変形例の電極パターンから明らかなように、本発明においては、ウエハ上に形成される電極パターンの形状は種々変更することができる。
(a)及び(b)は、本発明の一実施形態において、ウエハ上に形成される電極パターン及びパターニングされたレジスト層と、一つの弾性表面波素子構成領域上に構成される電極パターンとを拡大して示す平面図。 (a)〜(c)は、本発明の一実施形態においてウエハ上に電極を構成するための各部分切欠正面断面図。 図2(a)〜(c)の工程を経て得られたウエハ上に形成された金属膜を説明するための部分切欠正面断面図。 発明の一実施形態においてレジスト層2をウエハ1から剥離する工程を説明するための略図的斜視図。 本発明の一実施形態において形成される電極構造を説明するための部分切欠拡大正面断面図。 本発明の弾性表面波素子の製造方法の第1の変形例において形成されるウエハ上の電極パターンを示す模式的平面図。 本発明の弾性表面波素子の製造方法の第2の変形例において形成されるウエハ上の電極パターンを示す模式的平面図。 本発明の弾性表面波素子の製造方法の第3の変形例において形成されるウエハ上の電極パターンを示す模式的平面図。 本発明の弾性表面波素子の製造方法の第4の変形例において形成されるウエハ上の電極パターンを示す模式的平面図。 (a)〜(f)は、従来の弾性表面波素子の電極を形成する工程を説明するための各部分切欠正面断面図。 従来の弾性表面波素子の製造方法において、ウエハ上に形成される電極パターンを説明するための模式的平面図。 従来の弾性表面波素子の製造方法において、レジスト層を剥離する場合の問題点を説明するための模式的平面図。
符号の説明
1…ウエハ
2…レジスト層
2A…レジスト層
2a…開口部
3…金属膜
3A…電極を構成する金属膜部分
3B…金属膜部分
11…電極パターン
12a…インターデジタル電極
12b,12c,13…反射器
13a,13b…金属膜パターン
14a〜14d…金属膜パターン
X1,X2,X3,X4…開口部
Y1,Y2,Y3,Y4…開口部
21…応力緩和層
22…密着層
23…主電極層
24…易パンプ接合層
31…電極パターン
32…金属膜パターン
41…電極パターン
42a,42b…金属膜パターン
51…電極パターン
61…電極パターン
62…金属膜パターン

Claims (9)

  1. 圧電体よりなるウエハを用意する工程と、
    前記ウエハ上に構成される複数の弾性表面波素子の各電極構造に対応した開口部を有するようにパターニングされたレジスト層を形成する工程と、
    前記レジスト層を覆うようにウエハ上に金属膜を形成する工程と、
    前記レジスト層上の金属膜をリフトオフし、前記開口部に付与されている金属膜により複数の弾性表面波素子の電極構造を形成する工程とを備え、
    前記パターニングされたレジスト層がウエハ上において、少なくとも一方向に隣接する弾性表面波素子構成領域間で繋げられていることを特徴とする、弾性表面波素子の製造方法。
  2. 前記レジスト層の形成が、前記ウエハ上にフォトレジストを全面に付与する工程と、該フォトレジストにマスクを介して光を照射する工程と、光照射後に現像し、前記開口部を有するようにパターニングされたレジスト層を得る工程とを備える請求項1に記載の弾性表面波素子の製造方法。
  3. 前記リフトオフにより前記レジスト層上の金属膜を除去するに際し、剥離液中に前記ウエハを浸漬した状態でウエハを揺動することを特徴とする、請求項1または2に記載の弾性表面波素子の製造方法。
  4. 前記金属膜として、複数の金属膜が積層された積層膜を形成する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性表面波素子の製造方法。
  5. 前記複数の金属膜が、主電極層と、主電極層の下地層として形成されており、主電極層よりもウエハに対する密着性に優れた密着層とを備える、請求項4に記載の弾性表面波素子の製造方法。
  6. 前記密着層の下地に設けられており、前記密着層よりも柔らかい金属材料からなる応力緩和層をさらに備える請求項5に記載の弾性表面波素子の製造方法。
  7. 前記主電極層がAlまたはAl合金からなり、前記密着層がNiCrあるいはTiからなり、前記応力緩和層がAlCuからなる、請求項6に記載の弾性表面波素子の製造方法。
  8. 前記フォトレジストは、ポジ型またはネガ型のフォトレジストである請求項2に記載の弾性表面波素子の製造方法。
  9. 前記フォトレジストへの露光が、前記ウエハ上の複数の領域に分けて行われる請求項1〜8のいずれか1項に記載の弾性表面波素子の製造方法。
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