JP5607312B2 - 蒸着マスク及びその製造方法 - Google Patents
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Description
図1はこの発明の実施例1における蒸着マスクを補強用枠体とマスク本体とに分解して示す斜視図、図2は蒸着マスクの補強用枠体を示す平面図、図3は図2の補強用枠体のA部を拡大して示す図、図4は蒸着マスクの一次マスク本体の製造工程を示す平面図、図5は蒸着マスクの一次マスク本体の製造工程を示す図4のB−B線に沿った縦断面図、図6はこの発明の実施例1における蒸着マスクの製造工程を示す縦断面図、図7はこの発明の実施例1における蒸着マスクの一次マスク本体と補強用枠体の一体化工程を示す縦断面図である。
先ず、図5(a)に示すように、導電性を有する母材8の表面に通常のフォトレジスト法を用いて、多数の蒸着通過孔5に対応するレジスト層9を有するパターンレジストを形成するとともに、一次マスク本体2aの外周部を取り囲む枠状レジスト層10を形成する。そして、上記母材8を電鋳槽に入れて、母材8の表面のレジスト層9及び枠状レジスト層10以外の部分にニッケル合金等の電着金属を電鋳して、一次マスク本体2aとなる金属層11を形成する。次に、図5(b)に示すように、多数の蒸着通過孔5に対応するレジスト層9を有するパターン領域4の表面側(金属成長側)にパターン領域よりも大きい目隠し用レジスト12と枠状レジスト層10の上に別の枠状レジスト層10aをラミネートすることにより、図4に示すような一次マスク本体2aを作製する。なお、図5(a)、図5(b)の縦断面図は模式図であり、実際の縮尺関係を表わしたものではない。また、金属層11を形成後にめっき面より突出したレジストがある時は研磨により金属層11と略同一の厚さにするか、レジストを剥離しても良い。また、めっき工程前に母材表面とマスク本体2の表面の活性化、また、ストライクニッケルおよびめっき面の粗いめっき等で密着性向上の処理を施しても良い。
図6(a)は、図5(a)に相当するもので、母材8の表面に多数の蒸着通過孔5に対応するレジスト層9を有する9個のパターン領域4を形成している。図6(b)は、図5(b)に相当するもので、多数の蒸着通過孔5に対応するレジスト層9を有するパターン領域4の表面側(金属成長側)にパターン領域よりも大きい目隠し用レジスト12を9個ラミネートすることにより作製された一次マスク本体2aである。また、図6(c)は、エッチング法により作製された補強用枠体3であり、内部には9個の開口6が設けられ、その全面に接合用小孔7が多数設けられている。図6(d)は、図6(b)の一次マスク本体2aの表面に図6(c)の補強用枠体3を重合載置して位置合わせする工程を示している。図6(e)は、一次マスク本体2aと補強用枠体3を重合載置して位置合わせした後、補強用枠体3に多数設けた接合用小孔7を利用して略20μmめっきが行われ、金属めっき層13により一次マスク本体2aと補強用枠体3との間を一体化接合する工程を示している。なお、この一体化接合工程の詳細は、図7で後述する。金属めっき層13は、補強用枠体3の接合用小孔7周辺及びそれを通して一次マスク本体2aの上面がめっきされるだけでなく、補強用枠体3の上面部及び両側面部にもめっき形成されるので、接合強度がより一層向上する。最後に、図6(f)は、母材8とレジスト9、10を剥離することにより、この発明の蒸着マスク1が完成する。レジストの剥離は一次マスク本体2aのめっき終了後に剥離しても良い。また、接合時のめっき厚さは1〜100μm程度で、めっき時間及び強度を考慮すると10〜30μmが良く、必要接合強度及びめっき時間等を鑑みてめっき厚さを変えても良い。また、小孔の径がめっき厚さの2倍以下の場合は孔全体にめっきが埋まることになる。
図6(d)に示す一次マスク本体2aの表面に補強用枠体3を重合載置して位置合わせした後、図7(a)に示すように、一次マスク本体2aの母材8の下面にスポンジ14を敷き、上から補強用枠体3、一次マスク本体2a、スポンジ14の順に配置し、一次マスク本体2aの母材に通電用銅テープ(導電性テープ)20を貼り付ける。これらを非導電性の紗16を貼ったアルミ枠15の非導電性の紗16により上下方向から挟む。挟んだ後に導電性テープ20をアルミ枠15に接合させて導電をとり、次に、図7(b)に示すように、非導電性の紗16の上下一対のアルミ枠15を重合させて粘着テープ17等で締結固定する。そして、上方向(矢印方向)からめっきを略20μmかけて行くものである。これにより、図6(e)に示すように、補強用枠体3に多数設けた接合用小孔7を利用してめっきが行われ、金属めっき層13により一次マスク本体2aと補強用枠体3との間を接合する。なお、金属めっき層13は、補強用枠体3の接合用小孔7周辺及びそれを通して一次マスク本体2aの上面がめっきされるだけでなく、補強用枠体3の上面部及び両側面部にもめっき形成されるので、接合強度がより一層向上する。
2 マスク本体
2a 一次マスク本体
3 補強用枠体
4 パターン領域
5 蒸着通過孔
6 開口
7 接合用小孔
7a 半円状の小孔
8 母材
9 レジスト層
10、10a 枠状レジスト層
11 一次マスク本体となる金属層
12 目隠し用レジスト
13 金属めっき層
14 スポンジ
15 アルミ枠
16 非導電性の紗
17 粘着テープ
18 めっき治具
20 通電用銅テープ
Claims (9)
- 多数の蒸着通過孔からなる蒸着パターンがパターン領域内に形成された蒸着マスクの下部を構成する薄板状のマスク本体と、
前記マスク本体の上部全面に重ね合わされ、前記マスク本体のパターン領域に対応する位置に該パターン領域よりも大きい寸法の開口が設けられ、全面に接合用小孔が多数設けられた低熱膨張係数の材質からなる蒸着マスクの上部を構成する補強用枠体と、
前記補強用枠体の上面部、前記パターン領域よりも大きい寸法の開口の内壁及び前記接合用小孔の内壁と前記マスク本体の上面部にめっきにより形成され、前記マスク本体と補強用枠体との間を一体的に接合する金属めっき層と、
を備えたことを特徴とする蒸着マスク。 - 補強用枠体の開口の隅角部には、皺防止用のアール(R)部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の蒸着マスク。
- 補強用枠体の接合用小孔は、全面に多数設けられていることを特徴とする請求項1記載の蒸着マスク。
- 補強用枠体の接合用小孔の形状は、円形状、楕円形又は三角、四角、六角等の多角形状であることを特徴とする請求項3記載の蒸着マスク。
- 補強用枠体の外周部に位置する接合用小孔は、その一部が外側に開放されて前記補強用枠体の外周部がギザギザ状にされていることを特徴とする請求項4記載の蒸着マスク。
- マスク本体の外形形状と補強用枠体の外形形状を同一寸法にしたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の蒸着マスク。
- 多数の蒸着通過孔からなる蒸着パターンがパターン領域内に形成された蒸着マスクの下部を構成する薄板状のマスク本体と、前記マスク本体の上部全面に重ね合わされ、前記マスク本体のパターン領域に対応する位置に該パターン領域よりも大きい寸法の開口が設けられ、全面に接合用小孔が多数設けられた低熱膨張係数の材質からなる蒸着マスクの上部を構成する補強用枠体と、前記補強用枠体の上面部、前記パターン領域よりも大きい寸法の開口の内壁及び前記接合用小孔の内壁と前記マスク本体の上面部にめっきにより形成され、前記マスク本体と補強用枠体との間を一体的に接合する金属めっき層とを備えた蒸着マスクの製造方法であって、
導電性を有する母材の表面にフォトリソグラフィ法を用いて、多数の蒸着通過孔に対応するレジスト層を有するパターンレジストを形成し、前記母材のレジスト層以外の部分に電着金属を電鋳して一次マスク本体となる金属層を形成する工程と、
前記蒸着通過孔に対応するレジスト層を有するパターン領域の表面側に該パターン領域よりも大きい目隠し用及び補強用枠体の位置決め用の開口部を設けたレジストをラミネートする工程と、
前記一次マスク本体の表面に前記補強用枠体を載置して位置合わせする工程と、
前記補強用枠体側からめっきを行い、前記補強用枠体の上面部、前記パターン領域よりも大きい寸法の開口の内壁及び前記接合用小孔の内壁と前記マスク本体の上面部にめっきを形成し、前記一次マスク本体と補強用枠体との間を金属めっき層により一体的に接合する工程と、
一体化された前記一次マスク本体と補強用枠体を前記母材から剥離するとともに、前記一次マスク本体のレジスト層及び目隠し用レジストを剥離する工程と、
を備えたことを特徴とする蒸着マスクの製造方法。 - 多数の蒸着通過孔からなる蒸着パターンがパターン領域内に形成された蒸着マスクの下部を構成する薄板状のマスク本体と、前記マスク本体の上部全面に重ね合わされ、前記マスク本体のパターン領域に対応する位置に該パターン領域よりも大きい寸法の開口が設けられ、全面に接合用小孔が多数設けられた低熱膨張係数の材質からなる蒸着マスクの上部を構成する補強用枠体と、前記補強用枠体の上面部、前記パターン領域よりも大きい寸法の開口の内壁及び前記接合用小孔の内壁と前記マスク本体の上面部にめっきにより形成され、前記マスク本体と補強用枠体との間を一体的に接合する金属めっき層とを備えた蒸着マスクの製造方法であって、
導電性を有する母材の表面にフォトリソグラフィ法を用いて、多数の蒸着通過孔に対応するレジスト層を有するパターンレジストを形成するとともに、前記マスク本体の外周部を取り囲む枠状レジスト層を形成し、前記母材のレジスト層及び枠状レジスト層以外の部分に電着金属を電鋳して一次マスク本体となる金属層を形成する工程と、
前記蒸着通過孔に対応するレジスト層を有するパターン領域の表面側に該パターン領域よりも大きい目隠し用レジストをラミネートする工程と、
前記一次マスク本体の表面に前記補強用枠体を載置して位置合わせする工程と、
前記補強用枠体側からめっきを行い、前記補強用枠体の上面部、前記パターン領域よりも大きい寸法の開口の内壁及び前記接合用小孔の内壁と前記マスク本体の上面部にめっきを形成し、前記一次マスク本体と補強用枠体との間を金属めっき層により一体的に接合する工程と、
一体化された前記一次マスク本体と補強用枠体を前記母材から剥離するとともに、前記一次マスク本体のレジスト層、枠状レジスト層及び目隠し用レジストを剥離する工程と、
を備えたことを特徴とする蒸着マスクの製造方法。 - 一次マスク本体の表面に補強用枠体を載置して位置合わせする工程は、一次マスク本体の母材の下面にスポンジを敷き、上から補強用枠体、一次マスク本体、スポンジの順に配置し、これらを非導電性の紗を貼った枠で挟み、上下一対の枠を締結固定して、上方向からめっきすることを特徴とする請求項7又は請求項8記載の蒸着マスクの製造方法。
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