JP6728733B2 - 蒸着マスクの製造方法および蒸着マスク - Google Patents

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Description

本発明は、複数の貫通孔が形成された蒸着マスク、および、めっき処理を利用して蒸着マスクを製造する方法に関する。
近年、スマートフォンやタブレットPC等の持ち運び可能なデバイスで用いられる表示装置に対して、高精細であること、例えば画素密度が400ppi以上であることが求められている。また、持ち運び可能なデバイスにおいても、ウルトラフルハイビジョンに対応することへの需要が高まっており、この場合、表示装置の画素密度が例えば800ppi以上であることが求められる。
応答性の良さ、消費電力の低さやコントラストの高さのため、有機EL表示装置が注目されている。有機EL表示装置の画素を形成する方法として、所望のパターンで配列された貫通孔を含む蒸着マスクを用い、所望のパターンで画素を形成する方法が知られている。具体的には、はじめに、有機EL表示装置用の基板に対して蒸着マスクを密着させ、次に、密着させた蒸着マスクおよび基板を共に蒸着装置に投入し、有機材料などの蒸着を行う。この場合、高い画素密度を有する有機EL表示装置を精密に作製するためには、蒸着マスクの貫通孔の位置や形状を設計に沿って精密に再現することや、蒸着マスクの厚みを小さくすることが求められる。
蒸着マスクの製造方法としては、例えば特許文献1に開示されているように、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチングによって金属板に貫通孔を形成する方法が知られている。例えば、はじめに、金属板の第1面上に第1レジストパターンを形成し、また金属板の第2面上に第2レジストパターンを形成する。次に、金属板の第1面のうち第1レジストパターンによって覆われていない領域をエッチングして、金属板の第1面に第1凹部を形成する。その後、金属板の第2面のうち第2レジストパターンによって覆われていない領域をエッチングして、金属板の第2面に第2凹部を形成する。この際、第1凹部と第2凹部とが通じ合うようにエッチングを行うことにより、金属板を貫通する貫通孔を形成することができる。なお金属板の第1面とは、有機EL表示装置用の基板(以下、有機EL基板とも称する)と対向する蒸着マスクの第1面を構成するようになる面のことである。また金属板の第2面とは、蒸着材料を保持するるつぼなどの蒸着源側に位置する蒸着マスクの第2面を構成するようになる面のことである。
ところでエッチング工程において、金属板の浸食は、金属板の法線方向のみに進むのではなく、金属板の板面に沿った方向にも進んでいく。すなわち、金属板のうちレジストパターンによって覆われている部分においても、金属板の浸食が少なくとも部分的に生じる。従って、エッチングを用いた方法においては、レジストパターンのとおりに金属板に貫通孔を形成することができず、このため蒸着マスクの貫通孔の形状を設計に沿って精密に再現することは困難である。また、金属面の第1面側と第2面側とで貫通孔の寸法が異なる場合など、貫通孔が複雑な形状を有する場合は、実際に作製される蒸着マスクの貫通孔の、設計に対する再現性がさらに低下してしまう。
またエッチングを用いて蒸着マスクを製造する場合、金属板の法線方向におけるエッチングが完了するまでの時間の長短に応じて、金属板の板面に沿った方向における金属板の浸食の程度が変化する。すなわち、金属板の厚みに応じて、貫通孔の形状が変動する。このため、金属板の厚み、すなわち蒸着マスクの厚み、および貫通孔の形状の両者を精密に再現することは容易ではない。
蒸着マスクの製造方法としては、上述のエッチングを用いた方法以外にも、例えば特許文献2に開示されているように、めっき処理を利用して蒸着マスクを製造する方法が知られている。例えば特許文献2に記載の方法においては、はじめに、導電性を有する母型板を準備する。次に、母型板の上に、所定の隙間を空けてレジストパターンを形成する。このレジストパターンは、蒸着マスクの貫通孔が形成されるべき位置に設けられている。その後、レジストパターンの隙間にめっき液を供給して、電解めっき処理によって母型板の上に金属層を析出させる。その後、金属層を母型板から分離させることにより、複数の貫通孔が形成された蒸着マスクを得ることができる。
めっき処理を利用して蒸着マスクを製造する方法によれば、レジストパターンのとおりに金属板に貫通孔を形成することができる。すなわち、蒸着マスクの貫通孔の位置や形状を設計に沿って精密に再現することができる。また、めっき処理を継続する時間を調整することにより、蒸着マスクの貫通孔の位置や形状とは独立に、蒸着マスクの厚みを設定することができる。
特許第5382259号公報 特開2001−234385号公報
蒸着工程においてシャドーが発生することを抑制したり、有機EL基板に付着する蒸着材料の面積、形状や厚みを精密に制御したりするためには、蒸着マスクの貫通孔の形状や寸法が位置に応じて変化することが必要になることがある。例えば上述の特許文献1においては、蒸着マスクの第1面側における貫通孔の開口寸法が、第2面側における貫通孔の開口寸法よりも小さくなっている例が示されている。しかしながら、特許文献2に記載の方法によっては、このような複雑な形状を有する貫通孔が形成された蒸着マスクを作製することはできない。
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、複雑な形状を有する貫通孔が形成された蒸着マスクを、めっき処理を利用して製造する方法を提供することを目的とする。
第1の本発明は、複数の貫通孔が形成された蒸着マスクを製造する蒸着マスク製造方法であって、絶縁性を有する基板上に所定のパターンで第1開口部が設けられた第1金属層を形成する第1成膜工程と、前記第1開口部に連通する第2開口部が設けられた第2金属層を前記第1金属層上に形成する第2成膜工程と、前記第1金属層および前記第2金属層の組み合わせ体を前記基板から分離させる分離工程と、を備え、前記第2成膜工程は、前記基板上および前記第1金属層上に、光硬化性樹脂を含むレジスト膜を設ける工程と、前記基板のうち前記レジスト膜が設けられている側とは反対の側から前記基板に入射させた光を前記レジスト膜に照射して、前記レジスト膜を露光する露光工程と、前記レジスト膜を現像して、前記第1金属層上に形成された隙間を有するレジストパターンを形成する現像工程と、前記レジストパターンの前記隙間において前記第1金属層上に前記第2金属層を析出させるめっき処理工程と、を含む、蒸着マスク製造方法である。
第1の本発明による蒸着マスクの製造方法において、前記基板上には、前記第1金属層に対応するパターンを有する導電性パターンが形成されており、前記第1成膜工程は、前記基板上において前記導電性パターン上に前記第1金属層を析出させるめっき処理工程を含んでいてもよい。
第1の本発明による蒸着マスクの製造方法において、前記第1成膜工程の前記めっき処理工程は、前記導電性パターンに電流を流すことによって前記導電性パターン上に前記第1金属層を析出させる電解めっき処理工程を含んでいてもよい。
第1の本発明による蒸着マスクの製造方法において、前記第2成膜工程の前記めっき処理工程は、前記第1金属層に電流を流すことによって前記第1金属層上に前記第2金属層を析出させる電解めっき処理工程を含んでいてもよい。
第1の本発明による蒸着マスクの製造方法において、前記第1金属層のうち前記第2金属層に接続される部分の厚みは、5μm以下であってもよい。
第1の本発明による蒸着マスクの製造方法において、前記第2金属層の厚みは、3〜50μmの範囲内、より好ましくは3〜30μmの範囲内、さらに好ましくは3〜25μmの範囲内であってもよい。
第1の本発明による蒸着マスクの製造方法において、前記第1成膜工程において、前記第1金属層は、前記蒸着マスクの第1面側に形成され、前記第2成膜工程において、前記第2金属層は、前記蒸着マスクの第2面側に形成され、前記第1面における前記第1金属層の前記第1開口部および前記第2面における前記第2金属層の前記第2開口部はいずれも、複数の線状部を結合させることによって形成される輪郭を有していてもよい。
第2の本発明は、第1面から第2面に至る複数の貫通孔が形成された蒸着マスクであって、前記第1面側に位置し、所定のパターンで第1開口部が設けられた第1金属層と、前記第2面側に位置し、前記第1開口部に連通する第2開口部が設けられた第2金属層と、を備え、前記第2金属層は、前記蒸着マスクの法線方向に沿って前記蒸着マスクを見た場合に、前記第2開口部の輪郭が前記第1開口部の輪郭を囲うよう構成されており、前記第1面における前記第1開口部の輪郭および前記第2面における前記第2開口部の輪郭はいずれも、複数の線状部を結合させることによって形成されており、前記蒸着マスクの法線方向に沿って前記蒸着マスクを見た場合に、前記第1開口部の隣接する2つの前記線状部が繋げられる結合部と、前記第2開口部の隣接する2つの前記線状部が繋げられる結合部との間の最短距離が、前記第1開口部の前記線状部の中間点と前記第2開口部の前記線状部の中間点との間の距離よりも小さくなっている、蒸着マスクである。
第2の本発明による蒸着マスクにおいて、前記第1面における前記第1開口部の輪郭および前記第2面における前記第2開口部の輪郭はいずれも、複数の直線状の前記線状部を結合させることによって形成される多角形状になっていてもよい。
第2の本発明による蒸着マスクにおいて、前記第1面における前記第1開口部の輪郭および前記第2面における前記第2開口部の輪郭は、曲線状の前記線状部を含んでいてもよい。
第3の本発明は、複数の貫通孔が形成された蒸着マスクを製造する蒸着マスク製造方法であって、遮光性を有する所定の遮光性パターンが形成された基板を準備する工程と、前記基板上に、所定のパターンで前記貫通孔が設けられた金属層を形成する成膜工程と、前記金属層を前記基板から分離させる分離工程と、を備え、前記成膜工程は、前記基板の面のうち前記遮光性パターンが形成された側の面上に、光硬化性樹脂を含むレジスト膜を設ける工程と、前記基板のうち前記レジスト膜が設けられている側とは反対の側から前記基板に入射させた光を前記レジスト膜に照射して、前記レジスト膜を露光する露光工程と、前記レジスト膜を現像して、前記遮光性パターン上に形成された隙間を有するレジストパターンを形成する現像工程と、前記レジストパターンの前記隙間において前記遮光性パターン上に前記金属層を析出させるめっき処理工程と、を含む、蒸着マスク製造方法である。
第3の本発明による蒸着マスクの製造方法において、前記基板に形成された前記遮光性パターンは、遮光性および導電性を有する導電性パターンであり、前記成膜工程の前記めっき処理工程は、前記導電性パターンに電流を流すことによって前記導電性パターン上に前記金属層を析出させる電解めっき処理工程を含んでいてもよい。
第3の本発明による蒸着マスクの製造方法において、前記貫通孔のうち前記蒸着マスクの第1面上に位置する部分を第1開口部と称し、前記貫通孔のうち前記蒸着マスクの第2面上に位置する部分を第2開口部と称する場合、前記金属層の前記第1開口部および前記第2開口部はいずれも、複数の線状部を結合させることによって形成される輪郭を有していてもよい。
第4の本発明は、第1面から第2面に至る複数の貫通孔が形成された蒸着マスクであって、所定のパターンで前記貫通孔が形成された金属層を備え、前記貫通孔のうち前記第1面上に位置する部分を第1開口部と称し、前記貫通孔のうち前記第2面上に位置する部分を第2開口部と称する場合、前記貫通孔は、前記蒸着マスクの法線方向に沿って前記蒸着マスクを見た場合に、前記第2開口部の輪郭が前記第1開口部の輪郭を囲うよう構成されており、前記第1開口部の輪郭および前記第2開口部の輪郭はいずれも、複数の線状部を結合させることによって形成されており、前記蒸着マスクの法線方向に沿って前記蒸着マスクを見た場合に、前記第1開口部の隣接する2つの前記線状部が繋げられる結合部と、前記第2開口部の隣接する2つの前記線状部が繋げられる結合部との間の最短距離が、前記第1開口部の前記線状部の中間点と前記第2開口部の前記線状部の中間点との間の距離よりも小さくなっている、蒸着マスクである。
第4の本発明による蒸着マスクにおいて、前記第1開口部の輪郭および前記第2開口部の輪郭はいずれも、複数の直線状の前記線状部を結合させることによって形成される多角形状になっていてもよい。
第4の本発明による蒸着マスクにおいて、前記第1開口部の輪郭および前記第2開口部の輪郭は、曲線状の前記線状部を含んでいてもよい。
第1の本発明において、蒸着マスクは、所定のパターンで第1開口部が設けられた第1金属層と、第1開口部に連通する第2開口部が設けられた第2金属層と、を備えている。
このため、蒸着マスクの貫通孔に、第1金属層の第1開口部によって画定される形状、および、第2金属層の第2開口部によって画定される形状の両方を付与することができる。
従って、複雑な形状を有する貫通孔を形成することができる。また第1の本発明において、第2金属層を第1金属層上に形成する第2成膜工程は、基板上および基板上に形成された第1金属層上に、光硬化性樹脂を含むレジスト膜を設ける工程と、基板のうちレジスト膜が設けられている側とは反対の側から基板に入射させた光をレジスト膜に照射して、レジスト膜を露光する露光工程と、レジスト膜を現像して、第1金属層上に形成された隙間を有するレジストパターンを形成する現像工程と、レジストパターンの隙間にめっき液を供給して、第1金属層上に第2金属層を析出させるめっき処理工程と、を含んでいる。この場合、基板上に形成された第1金属層が、レジスト膜に照射される光を部分的に遮光する露光マスクとして機能する。このため、レジストパターンの隙間を、第1金属層上に正確に形成することができる。従って、第2金属層を、第1金属層に対して高い位置精度で形成することができる。このことにより、複雑な形状を有する貫通孔を精密に形成することができる。
第2の本発明において、蒸着マスクは、所定のパターンで第1開口部が設けられた第1金属層と、第1開口部に連通する第2開口部が設けられた第2金属層と、を備えている。
このため、蒸着マスクの貫通孔に、第1金属層の第1開口部によって画定される形状、および、第2金属層の第2開口部によって画定される形状の両方を付与することができる。
従って、複雑な形状を有する貫通孔を形成することができる。また第2の本発明において、第1開口部の輪郭および第2開口部の輪郭はいずれも、複数の線状部を結合させることによって形成されている。また、第1開口部の隣接する2つの線状部が繋げられる結合部と、第2開口部の隣接する2つの線状部が繋げられる結合部との間の最短距離は、第1開口部の線状部の中間点と第2開口部の線状部の中間点との間の距離よりも小さくなっている。このため、第1開口部の輪郭と第2開口部の輪郭との間の距離が位置に依らず一定である場合に比べて、第2金属層のうち複数の第2開口部の結合部に接する部分の面積を増大させることができる。従って、第2開口部が設けられる側における蒸着マスクの強度を高めることができる。
第3の本発明において、所定のパターンで前記貫通孔が設けられた金属層を形成する成膜工程は、所定の遮光性パターンが形成された基板上に、光硬化性樹脂を含むレジスト膜を設ける工程と、基板のうち前記レジスト膜が設けられている側とは反対の側から前記基板に入射させた光を前記レジスト膜に照射して、前記レジスト膜を露光する露光工程と、レジスト膜を現像して、遮光性パターン上に形成された隙間を有するレジストパターンを形成する現像工程と、レジストパターンの隙間にめっき液を供給して、遮光性パターン上に金属層を析出させるめっき処理工程と、を含んでいる。この場合、金属層を析出させる際に土台となる遮光性パターンが、レジスト膜に照射される光を部分的に遮光する露光マスクとして機能する。このため、レジストパターンの隙間を、遮光性パターン上に正確に形成することができる。従って、高い位置精度で形成された貫通孔を有する蒸着マスクを提供することができる。
第4の本発明において蒸着マスクの第1面側における貫通孔の第1開口部の輪郭、および、蒸着マスクの第2面側における貫通孔の第2開口部の輪郭はいずれも、複数の線状部を結合させることによって形成されている。また、第1開口部の隣接する2つの線状部が繋げられる結合部と、第2開口部の隣接する2つの線状部が繋げられる結合部との間の最短距離は、第1開口部の線状部の中間点と第2開口部の線状部の中間点との間の距離よりも小さくなっている。このため、第1開口部の輪郭と第2開口部の輪郭との間の距離が位置に依らず一定である場合に比べて、第2金属層のうち複数の第2開口部の結合部に接する部分の面積を増大させることができる。従って、第2面側における蒸着マスクの強度を高めることができる。
図1は、本発明の実施の形態において、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の一例を示す概略平面図。 図2は、図1に示す蒸着マスク装置を用いて蒸着する方法を説明するための図。 図3Aは、図1に示された蒸着マスクを示す部分平面図。 図3Bは、図3Aに示す第1開口部および第2開口部の輪郭を拡大して示す図。 図4は、図3AのIV−IV線に沿った断面図。 図5は、図4に示す蒸着マスクの第1金属層および第2金属層の一部を拡大して示す断面図。 図6は、導電性パターンが形成された基板を示す断面図。 図7Aは、導電性パターン上に第1金属層を析出させる第1めっき処理工程を示す断面図。 図7Bは、図7Aの第1金属層を示す平面図。 図8は、基板上および第1金属層上にレジスト膜を設ける工程を示す断面図。 図9は、レジスト膜を露光する露光工程を示す断面図。 図10Aは、基板上および第1金属層上に形成されたレジストパターンを示す断面図。 図10Bは、図10Aのレジストパターンを示す平面図。 図11は、第1金属層上に第2金属層を析出させる第2めっき処理工程を示す断面図。 図12は、レジストパターンを除去する除去工程を示す図。 図13Aは、第1金属層および第2金属層の組み合わせ体をパターン基板から分離させる分離工程を示す図。 図13Bは、図13Aの蒸着マスクを第2面側から見た場合を示す平面図。 図14は、本発明の実施の形態の第1の変形例において、基板上に第1金属層を形成する第1成膜工程を示す断面図。 図15は、本発明の実施の形態の第1の変形例において、レジスト膜を露光する露光工程を示す断面図。 図16は、本発明の実施の形態の第1の変形例において、基板上および第1金属層上に形成されたレジストパターンを示す断面図。 図17は、本発明の実施の形態の第1の変形例において、第1金属層上に第2金属層を析出させる第2めっき処理工程を示す断面図。 図18は、本発明の実施の形態の第1の変形例における蒸着マスクを示す断面図。 図19は、本発明の実施の形態の第2の変形例において、遮光性を有する導電性パターンが形成された基板上にレジスト膜を設ける工程を示す断面図。 図20は、本発明の実施の形態の第2の変形例において、レジスト膜を露光する露光工程を示す断面図。 図21は、本発明の実施の形態の第2の変形例において、基板上に形成されたレジストパターンを示す断面図。 図22は、本発明の実施の形態の第2の変形例において、遮光性を有する導電性パターン上に金属層を析出させるめっき処理工程を示す断面図。 図23Aは、本発明の実施の形態の第2の変形例における蒸着マスクを示す断面図。 図23Bは、図23Aの蒸着マスクを第2面側から見た場合を示す平面図。 図24は、貫通孔の第1開口部の形状の一変形例を示す図。 図25は、貫通孔の第1開口部の形状の一変形例を示す図。 図26は、貫通孔の第1開口部の形状の一変形例を示す図。 図27は、貫通孔の第1開口部の形状の一変形例を示す図。 図28は、貫通孔の第1開口部の形状の一変形例を示す図。 図29は、貫通孔の第1開口部の形状の一変形例を示す図。 図30は、貫通孔の第1開口部の形状の一変形例を示す図。 図31は、貫通孔の第1開口部の形状の一変形例を示す図。 図32は、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の変形例を示す図。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1〜図32は、本発明による一実施の形態およびその変形例を説明するための図である。以下の実施の形態およびその変形例では、有機EL表示装置を製造する際に有機材料を所望のパターンで基板上にパターニングするために用いられる蒸着マスクの製造方法を例にあげて説明する。ただし、このような適用に限定されることなく、種々の用途に用いられる蒸着マスクの製造方法に対し、本発明を適用することができる。
なお本明細書において用いる、形状や幾何学的条件および物理的特性並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」、「同等」等の用語や長さや角度並びに物理的特性の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
(蒸着マスク装置)
まず、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の一例について、図1〜図4を参照して説明する。ここで、図1は、蒸着マスクを含む蒸着マスク装置の一例を示す平面図であり、図2は、図1に示す蒸着マスク装置の使用方法を説明するための図である。図3Aは、蒸着マスクを第1面の側から示す平面図であり、図4は、図3AのIV−IV線に沿った断面図である。
図1及び図2に示された蒸着マスク装置10は、平面視において略矩形状の形状を有する複数の蒸着マスク20と、複数の蒸着マスク20の周縁部に取り付けられたフレーム15と、を備えている。各蒸着マスク20には、蒸着マスク20を貫通する複数の貫通孔25が設けられている。この蒸着マスク装置10は、図2に示すように、蒸着マスク20が蒸着対象物である基板、例えば有機EL基板92の下面に対面するようにして蒸着装置90内に支持され、有機EL基板92への蒸着材料の蒸着に使用される。
蒸着装置90内では、不図示の磁石からの磁力によって、蒸着マスク20と有機EL基板92とが密着するようになる。蒸着装置90内には、蒸着マスク装置10の下方に、蒸着材料(一例として、有機発光材料)98を収容するるつぼ94と、るつぼ94を加熱するヒータ96とが配置されている。るつぼ94内の蒸着材料98は、ヒータ96からの加熱により、気化または昇華して有機EL基板92の表面に付着するようになる。上述したように、蒸着マスク20には多数の貫通孔25が形成されており、蒸着材料98はこの貫通孔25を介して有機EL基板92に付着する。この結果、蒸着マスク20の貫通孔25の位置に対応した所望のパターンで、蒸着材料98が有機EL基板92の表面に成膜される。図2において、蒸着マスク20の面のうち蒸着工程の際に有機EL基板92と対向する面(以下、第1面とも称する)が符号20aで表されている。また、蒸着マスク20の面のうち蒸着材料98の蒸着源(ここではるつぼ94)側に位置する面(以下、第2面とも称する)が符号20bで表されている。
上述したように、本実施の形態では、貫通孔25が各有効領域22において所定のパターンで配置されている。なお、カラー表示を行いたい場合には、貫通孔25の配列方向(前述の一方向)に沿って蒸着マスク20(蒸着マスク装置10)と有機EL基板92とを少しずつ相対移動させ、赤色用の有機発光材料、緑色用の有機発光材料および青色用の有機発光材料を順に蒸着させていってもよい。
なお、蒸着マスク装置10のフレーム15は、矩形状の蒸着マスク20の周縁部に取り付けられている。フレーム15は、蒸着マスク20が撓んでしまうことがないように蒸着マスク20を張った状態に保持する。蒸着マスク20とフレーム15とは、例えばスポット溶接により互いに対して固定されている。
ところで蒸着処理は、高温雰囲気となる蒸着装置90の内部で実施される場合がある。
この場合、蒸着処理の間、蒸着装置90の内部に保持される蒸着マスク20、フレーム15および有機EL基板92も加熱される。この際、蒸着マスク20、フレーム15および有機EL基板92は、各々の熱膨張係数に基づいた寸法変化の挙動を示すことになる。この場合、蒸着マスク20やフレーム15と有機EL基板92の熱膨張係数が大きく異なっていると、それらの寸法変化の差異に起因した位置ずれが生じ、この結果、有機EL基板92上に付着する蒸着材料の寸法精度や位置精度が低下してしまう。このような課題を解決するため、蒸着マスク20およびフレーム15の熱膨張係数が、有機EL基板92の熱膨張係数と同等の値であることが好ましい。例えば、有機EL基板92としてガラス基板が用いられる場合、蒸着マスク20およびフレーム15の主要な材料として、ニッケルを含む鉄合金を用いることができる。例えば、34〜38質量%のニッケルを含むインバー材や30〜34質量%のニッケルに加えてさらにコバルトを含むスーパーインバー材などの鉄合金や、38〜54質量%のニッケルを含む低熱膨張Fe−Ni系めっき合金などを、蒸着マスク20を構成する後述する第1金属層32および第2金属層37の材料として用いることができる。なお本明細書において、「〜」という記号によって表現される数値範囲は、「〜」という符号の前後に置かれた数値を含んでいる。例えば、「34〜38質量%」という表現によって画定される数値範囲は、「34質量%以上かつ38質量%以下」という表現によって画定される数値範囲と同一である。
なお蒸着処理の際に、蒸着マスク20、フレーム15および有機EL基板92の温度が高温には達しない場合は、蒸着マスク20およびフレーム15の熱膨張係数を有機EL基板92の熱膨張係数と同等の値にする必要は特にない。この場合、蒸着マスク20を構成する後述する第1金属層32および第2金属層37の材料として、上述のニッケルを含む鉄合金以外の様々な材料を用いることができる。例えば、クロムを含む鉄合金、ニッケル、ニッケル−コバルト合金などを用いることができる。クロムを含む鉄合金としては、例えば、いわゆるステンレスと称される鉄合金を用いることができる。
(蒸着マスク)
次に、蒸着マスク20について詳細に説明する。図1に示すように、本実施の形態において、蒸着マスク20は、平面視において略四角形形状、さらに正確には平面視において略矩形状の輪郭を有している。蒸着マスク20は、規則的な配列で貫通孔25が形成された有効領域22と、有効領域22を取り囲む周囲領域23と、を含んでいる。周囲領域23は、有効領域22を支持するための領域であり、基板へ蒸着されることを意図された蒸着材料が通過する領域ではない。例えば、有機EL表示装置用の有機発光材料の蒸着に用いられる蒸着マスク20においては、有効領域22は、有機発光材料が蒸着して画素を形成するようになる有機EL基板92の表示領域となる区域に対面する、蒸着マスク20内の領域のことである。ただし、種々の目的から、周囲領域23に貫通孔や凹部が形成されていてもよい。図1に示された例において、各有効領域22は、平面視において略四角形形状、さらに正確には平面視において略矩形状の輪郭を有している。なお図示はしないが、各有効領域22は、有機EL基板92の表示領域の形状に応じて、様々な形状の輪郭を有することができる。例えば各有効領域22は、円形状の輪郭を有していてもよい。
図示された例において、蒸着マスク20の複数の有効領域22は、蒸着マスク20の長手方向と平行な一方向に沿って所定の間隔を空けて一列に配列されている。図示された例では、一つの有効領域22が一つの有機EL表示装置に対応するようになっている。すなわち、図1に示された蒸着マスク装置10(蒸着マスク20)によれば、多面付蒸着が可能となっている。
図3Aに示すように、図示された例において、各有効領域22に形成された複数の貫通孔25は、当該有効領域22において、互いに直交する二方向に沿ってそれぞれ所定のピッチで配列されている。この貫通孔25の形状などについて、図3Aおよび図4を参照して更に詳述する。
図3Aおよび図4に示すように、蒸着マスク20は、所定のパターンで第1開口部30が設けられた第1金属層32と、第1開口部30に連通する第2開口部35が設けられた第2金属層37と、を備えている。第2金属層37は、第1金属層32よりも蒸着マスク20の第2面20b側に配置されている。図4に示す例においては、第1金属層32が蒸着マスク20の第1面20aを構成し、第2金属層37が蒸着マスク20の第2面20bを構成している。
本実施の形態においては、第1開口部30と第2開口部35とが互いに連通することにより、蒸着マスク20を貫通する貫通孔25が構成されている。この場合、蒸着マスク20の第1面20a側における貫通孔25の開口寸法や開口形状は、第1金属層32の第1開口部30によって画定される。一方、蒸着マスク20の第2面20b側における貫通孔25の開口寸法や開口形状は、第2金属層37の第2開口部35によって画定される。言い換えると、貫通孔25には、第1金属層32の第1開口部30によって画定される形状、および、第2金属層37の第2開口部35によって画定される形状の両方が付与されている。
図3Aに示すように、貫通孔25を構成する第1開口部30は、平面視において、すなわち蒸着マスク20の法線方向に沿って蒸着マスク20の貫通孔25を見た場合に、複数の直線状の線状部30aを結合させることによって形成される多角形状の輪郭を有している。同様に第2開口部35は、平面視において、複数の直線状の線状部35aを結合させることによって形成される多角形状の輪郭を有している。図3Aにおいて、符号30bは、第1開口部30の隣接する2つの線状部30aが繋げられる結合部を表している。同様に符号35bは、第2開口部35の隣接する2つの線状部35aが繋げられる結合部を表している。図3Aに示すように、第1開口部30および第2開口部35は、蒸着マスク20の法線方向に沿って蒸着マスク20を見た場合に、第2開口部35の輪郭が第1開口部30の輪郭を囲うよう構成されている。
本実施の形態においては、第1開口部30および第2開口部35が、四角形状、より具体的には正方形状になっている例が示されている。また第1開口部30や第2開口部35は、六角形状や八角形状など、その他の多角形状になっていてもよい。なお「多角形状」とは、上述の結合部30bや結合部35bが角張った形状になっている場合だけでなく、結合部30bや結合部35bが丸められた形状になっている場合をも含む概念である。また図示はしないが、第1開口部30や第2開口部35は、円形状になっていてもよい。また、平面視において第2開口部35が第1開口部30を囲う輪郭を有する限りにおいて、第1開口部30の形状と第2開口部35の形状が相似形になっている必要はない。
以下、第1開口部30の線状部30aおよび結合部30b、並びに第2開口部35の線状部35aおよび結合部35bについて、図3Aに加えて図3Bを参照して説明する。図3Bは、図3Aに示す第1開口部および第2開口部の輪郭を拡大して示す図である。図3Bにおいて、符号φは、多角形状の第1開口部30における内角を示す。
本実施の形態において、第1開口部30の線状部30aは、直線状に延びている。この場合、第2開口部35の線状部35aは、図3Bに示すように、第2開口部35の輪郭のうち、対応する第1開口部30の線状部30aの一端および他端において線状部30aに直交する2本の直線Lrの間に位置する部分として定義され得る。また、第2開口部35の結合部35bは、線状部30aに直交する直線Lrよりも外側に位置する部分として定義され得る。
以下、第1開口部30の輪郭および第2開口部35の輪郭についてさらに詳細に説明する。図3Aおよび図3Bにおいて、平面視における、第1開口部30の線状部30aの中間点P1と第2開口部35の線状部35aの中間点P2との間の距離が、符号d1で表されている。また、平面視における、第1開口部30の結合部30bと第2開口部35の結合部35bとの間の最短距離が、符号d2で表されている。好ましくは、最短距離d2が距離d1よりも小さくなるよう、第1開口部30および第2開口部35が構成されている。例えば、距離d1から最短距離d2を引いた値は、0μmよりも大きく、かつ5μm以下の値になっている。このことは、第1開口部30の輪郭と第2開口部35の輪郭との間の距離が位置に依らず一定である場合に比べて、第2金属層37のうち複数の第2開口部35の結合部35bに接する部分の面積を増大させることができる。このことは、第2面20b側における蒸着マスク20の強度を増大させるという効果をもたらすことができる。
例えば上述のように、蒸着マスク20を用いて蒸着工程を実施する際、蒸着マスク20は、蒸着マスク20が撓んでしまうことがないよう、フレーム15によって張られた状態で保持される。この場合、蒸着マスク20に加えられる張力に起因して蒸着マスク20に発生する応力は一般に、第1開口部30の線状部30aが繋げられる結合部30bや、第2開口部35の線状部35aが繋げられる結合部35bに集中すると考えられる。この場合であっても、本実施の形態によれば、最短距離d2を小さく設定することによって、第2金属層37のうち複数の第2開口部35の結合部35bに接する部分の面積がより大きく確保されている。従って、第2開口部が設けられる側における蒸着マスクの強度を高めることができる。例えば、第2開口部35の結合部35bなどが、蒸着マスク20に加えられる張力に基づいて破損してしまうことを抑制することができる。
好ましくは、第2開口部35の結合部35bは、丸められた形状、例えば湾曲した形状を有している。すなわち結合部35bにおいて、第2開口部35の隣接する2つの線状部35aが滑らかに繋げられている。このため、蒸着マスク20を用いて蒸着工程を実施する際、第2開口部35の結合部35bに応力が集中してしまうことを抑制することができる。このことによっても、第2開口部35の結合部35bが、蒸着マスク20に加えられる張力に基づいて破損してしまうことを抑制することができる。第1開口部30の結合部30bも同様に、好ましくは、丸められた形状、例えば湾曲した形状を有している。
次に蒸着マスク20の断面構造について詳細に説明する。図4において、符号41は、第1金属層32と第2金属層37とが接続される接続部を表している。なお図4においては、第1金属層32と第2金属層37とが接している例を示したが、これに限られることはなく、第1金属層32と第2金属層37との間にその他の層が介在されていてもよい。
例えば、第1金属層32と第2金属層37との間に、第1金属層32上における第2金属層37の析出を促進させるための触媒層が設けられていてもよい。
図5は、図4の第1金属層32および第2金属層37の一部を拡大して示す図である。
図5に示すように、蒸着マスク20の第2面20bにおける第2金属層37の幅M2は、蒸着マスク20の第1面20aにおける第1金属層32の幅M1よりも小さくなっている。言い換えると、第2面20bにおける貫通孔25(第2開口部35)の開口寸法S2は、第1面20aにおける貫通孔25(第1開口部30)の開口寸法S1よりも大きくなっている。以下、このように第1金属層32および第2金属層37を構成することの利点について説明する。
蒸着マスク20の第2面20b側から飛来する蒸着材料98は、貫通孔25の第2開口部35および第1開口部30を順に通って有機EL基板92に付着する。有機EL基板92のうち蒸着材料98が付着する領域は、第1面20aにおける貫通孔25の開口寸法S1や開口形状によって主に定められる。ところで、図4において第2面20b側から第1面20aへ向かう矢印L1で示すように、蒸着材料98は、るつぼ94から有機EL基板92に向けて蒸着マスク20の法線方向Nに沿って移動するだけでなく、蒸着マスク20の法線方向Nに対して大きく傾斜した方向に移動することもある。ここで、仮に第2面20bにおける貫通孔25の開口寸法S2が第1面20aにおける貫通孔25の開口寸法S1と同一であるとすると、蒸着マスク20の法線方向Nに対して大きく傾斜した方向に移動する蒸着材料98の多くは、貫通孔25を通って有機EL基板92に到達するよりも前に、貫通孔25の第2開口部35の壁面36に到達して付着してしまう。従って、蒸着材料98の利用効率を高めるためには、第2開口部35の開口寸法S2を大きくすること、すなわち第2金属層37の幅M2を小さくすることが好ましいと言える。
図4において、第2金属層37の端部38および第1金属層32の端部33を通る直線L1が、蒸着マスク20の法線方向Nに対してなす最小角度が、符号θ1で表されている。斜めに移動する蒸着材料98を、第2開口部35の壁面36に到達させることなく可能な限り有機EL基板92に到達させるためには、角度θ1を大きくすることが有利となる。角度θ1を大きくする上では、第1金属層32の幅M1に比べて第2金属層37の幅M2を小さくすることが有効である。また図から明らかなように、角度θ1を大きくする上では、第1金属層32の厚みT1や第2金属層37の厚みT2を小さくすることも有効である。ここで「第1金属層32の厚みT1」は、第1金属層32のうち第2金属層37に接続される部分における厚みを意味している。なお第2金属層37の幅M2、第1金属層32の厚みT1や第2金属層37の厚みT2を過剰に小さくしてしまうと、蒸着マスク20の強度が低下し、このため搬送時や使用時に蒸着マスク20が破損してしまうことが考えられる。例えば、蒸着マスク20をフレーム15に張設する際に蒸着マスク20に加えられる引張り応力によって、蒸着マスク20が破損してしまうことが考えられる。これらの点を考慮すると、第1金属層32および第2金属層37の寸法が以下の範囲に設定されることが好ましいと言える。これによって、上述の角度θ1を例えば45°以上にすることができる。
・第1金属層32の幅M1:5〜25μm
・第2金属層37の幅M2:2〜20μm
・蒸着マスク20の厚みT0:5〜50μm
・第1金属層32の厚みT1:5μm以下
・第2金属層37の厚みT2:2〜50μm、より好ましくは3〜50μm、さらに好ましくは3〜30μm、さらに好ましくは3〜25μm
表1に、5インチの有機EL表示装置において、表示画素数、および表示画素数に応じて求められる、第1金属層32および第2金属層37の寸法の値の例を示す。なお「FHD」は、Full High Definitionを意味し、「WQHD」は、Wide Quad High Definitionを意味し、「UHD」は、Ultra High Definitionを意味している。
Figure 0006728733
次に、第1金属層32の形状についてより詳細に説明する。仮に図5において点線で示すように、端部33において第1金属層32が、第2面20b側へ向かって大きく切り立った形状を有している場合、貫通孔25の第2開口部35を通過した後の蒸着材料98の多くが第1金属層32の壁面31に到達して付着してしまうことが考えられる。このような、端部33近傍における第1金属層32への蒸着材料98の付着を抑制するため、図5に示すように、第1金属層32は、端部33およびその近傍において、第1金属層32のうち第2金属層37に接続される部分における厚みT1よりも小さな厚みを有することが好ましい。例えば図5に示すように、第1金属層32の厚みが、第1金属層32のうち第2金属層37に接続される部分から端部33に向かうにつれて単調に減少していることが好ましい。このような第1金属層32の形状は、後述するように、めっき処理によって第1金属層32を形成することによって実現され得る。
図5において、符号θ2は、第1金属層32の壁面31への接平面L2と蒸着マスク20の法線方向Nとが端部33において成す角度を表している。貫通孔25の第2開口部35を通過した後の蒸着材料98が第1金属層32の壁面31に付着することを抑制する上では、角度θ2を0°よりも大きくすることも有効である。好ましくは、角度θ2は、30°以上になっており、より好ましくは45°以上になっている。このような角度θ2も、めっき処理によって第1金属層32を形成することによって実現され得る。なお「壁面31」とは、第1金属層32の面のうち第1開口部30を画成する面のことである。上述の「壁面36」も同様に、第2金属層37の面のうち第2開口部35を画成する面のことである。
次に、第2金属層37の形状についてより詳細に説明する。好ましくは、図5に示すように第2金属層37は、第1面20a側から第2面20b側に向かうにつれて先細になる形状を有している。このため、第2面20bにおける貫通孔25の開口寸法S2は、第1金属層32と第2金属層37との接続部41における貫通孔25の寸法S0よりも大きくなっている。
上述の角度θ1は、第1面20aにおける第1金属層32の幅M1と第2面20bにおける第2金属層37の幅M2との関係に基づいて決定される。言い換えると、上述の角度θ1は、第1面20aにおける貫通孔25の開口寸法S1と第2面20bにおける貫通孔25の開口寸法S2との関係に基づいて決定される。すなわち、上述の角度θ1は、第1金属層32と第2金属層37との接続部41における貫通孔25の寸法S0の影響は受けない。一方、接続部41における貫通孔25の寸法S0が小さくなるほど、第2金属層37の体積は大きくなり、この結果、蒸着マスク20の強度が増加する。従って、第2金属層37が、第1面20a側から第2面20b側に向かうにつれて先細になる形状を有することは、第2金属層37の体積を十分に確保しながら、角度θ1を効率的に大きくすることができることを意味している。
(蒸着マスクの製造方法)
次に、以上のような構成からなる蒸着マスク20を製造する方法について、図6〜図13Bを参照して説明する。
(第1成膜工程)
はじめに、絶縁性を有する基板51上に所定のパターンで第1開口部30が設けられた第1金属層32を形成する第1成膜工程について説明する。まず図6に示すように、絶縁性を有する基板51を準備する。基板51には、第1金属層32に対応するパターンを有し、かつ導電性を有する導電性パターン52が形成されている。絶縁性および適切な強度を有する限りにおいて、基板51を構成する材料や基板51の厚みが特に限られることはない。例えば基板51を構成する材料として、ガラスや合成樹脂などを用いることができる。
導電性パターン52を構成する材料としては、金属材料や酸化物導電性等の導電性を有する材料が適宜用いられる。金属材料の例としては、例えばクロムや銅などを挙げることができる。好ましくは、後述するレジストパターン55に対する高い密着性を有する材料が、導電性パターン52を構成する材料として用いられる。例えばレジストパターン55が、アクリル系光硬化性樹脂を含むレジスト膜など、いわゆるドライフィルムと称されるものをパターニングすることによって作製される場合、導電性パターン52を構成する材料として、ドライフィルムに対する高い密着性を有する銅が用いられることが好ましい。
後述するように、導電性パターン52の上には、導電性パターン52を覆うように第1金属層32が形成され、この第1金属層32はその後の工程で導電性パターン52から分離される。このため、第1金属層32のうち導電性パターン52と接する側の面の上には、通常、導電性パターン52の厚みに対応する窪みが形成される。この点を考慮すると、電解めっき処理に必要な導電性を導電性パターン52が有する限りにおいて、導電性パターン52の厚みは小さい方が好ましい。例えば導電性パターン52の厚みは、50〜500nmの範囲内になっている。
次に、導電性パターン52が形成された基板51上に第1めっき液を供給して、導電性パターン52上に第1金属層32を析出させる第1めっき処理工程を実施する。例えば、導電性パターン52が形成された基板51を、第1めっき液が充填されためっき槽に浸す。これによって図7Aに示すように、基板51上に、所定のパターンで第1開口部30が設けられた第1金属層32を得ることができる。図7Bは、基板51上に形成された第1金属層32を示す平面図である。
なおめっき処理の特性上、図7Aに示すように、第1金属層32は、基板51の法線方向に沿って見た場合に導電性パターン52と重なる部分だけでなく、導電性パターン52と重ならない部分にも形成され得る。これは、導電性パターン52の端部53と重なる部分に析出した第1金属層32の表面にさらに第1金属層32が析出するためである。この結果、図7Aに示すように、第1金属層32の端部33は、基板51の法線方向に沿って見た場合に導電性パターン52と重ならない部分に位置するようになり得る。一方、金属の析出が厚み方向でなく基板51の板面方向に進んだ分だけ、端部33における第1金属層32の厚みは、中央部における厚みに比べて小さくなる。例えば図7Aに示すように、第1金属層32の中央部から端部33に向かうにつれて第1金属層32の厚みが少なくとも部分的に単調に減少する。この結果、上述の角度θ2が、0°よりも大きな値になる。
図7Aにおいて、第1金属層32のうち導電性パターン52と重ならない部分の幅が符号wで表されている。幅wは、例えば0.5〜5.0μmの範囲内になる。導電性パターン52の寸法は、この幅wを考慮して設定される。幅wの上限である5.0μmという値は、例えば第1金属層32の厚みT1が5.0μmの場合に設定される。
導電性パターン52上に第1金属層32を析出させることができる限りにおいて、第1めっき処理工程の具体的な方法が特に限られることとはない。例えば第1めっき処理工程は、導電性パターン52に電流を流すことによって導電性パターン52上に第1金属層32を析出させる、いわゆる電解めっき処理工程として実施されてもよい。若しくは、第1めっき処理工程は、無電解めっき処理工程であってもよい。なお第1めっき処理工程が無電解めっき処理工程である場合、導電性パターン52上には適切な触媒層が設けられる。
電解めっき処理工程が実施される場合にも、導電性パターン52上に触媒層が設けられていてもよい。
用いられる第1めっき液の成分は、第1金属層32に求められる特性に応じて適宜定められる。例えば第1金属層32が、ニッケルを含む鉄合金によって構成される場合、第1めっき液として、ニッケル化合物を含む溶液と、鉄化合物を含む溶液との混合溶液を用いることができる。例えば、スルファミン酸ニッケルを含む溶液と、スルファミン酸鉄を含む溶液との混合溶液を用いることができる。めっき液には、マロン酸やサッカリンなどの添加剤が含まれていてもよい。
(第2成膜工程)
次に、第1開口部30に連通する第2開口部35が設けられた第2金属層37を第1金属層32上に形成する第2成膜工程を実施する。まず図8に示すように、基板51および第1金属層32上に、光硬化性樹脂を含むレジスト膜54を設ける工程を実施する。例えば、基板51上および第1金属層32上にドライフィルムを貼り付けることによって、ネガ型のレジスト膜54を形成する。ドライフィルムの例としては、例えば日立化成製のRY3310など、アクリル系光硬化性樹脂を含むものを挙げることができる。
次に図9に示すように、基板51のうちレジスト膜54が設けられている側とは反対の側から基板51に入射させた光をレジスト膜54に照射して、レジスト膜54を露光する露光工程を実施する。このように露光工程において、光は、基板51側から、すなわち基板51上に形成された第1金属層32側からレジスト膜54に照射される。この場合、第1金属層32は遮光性を有しているので、第1金属層32に到達した光は、レジスト膜54に到達することなく第1金属層32によって遮られる。すなわち、基板51上に形成されている第1金属層32が、レジスト膜54に照射される光を部分的に遮光する露光マスクとして機能する。なお図9においては、基板51に向けて照射される光が、基板51の法線方向に沿って進む平行光Eである例が示されている。
その後、レジスト膜54を現像する現像工程を実施する。図10Aは、レジスト膜54を現像することによって基板51上および第1金属層32上に形成されたレジストパターン55を示す断面図である。また図10Bは、図10Aのレジストパターン55を示す平面図である。上述のように、露光工程の際、レジスト膜54に向けて照射された光が第1金属層32によって遮られるので、レジストパターン55は、第1金属層32上に形成された隙間56を有している。また隙間56は、第1金属層32を露光マスクとして利用した露光工程を経て形成されたものであるので、レジストパターン55の隙間56は、第1金属層32上に正確に形成されている。すなわち、第1金属層32に対するレジストパターン55の隙間56の相対的な位置精度が極めて高くなっている。
ところで上述の露光工程においては、光が第1金属層32の端部33近傍を通過する際、光の回り込み、すなわち回折が生じる。この結果、図9に示すように、レジスト膜54に照射される光には、平行光Eだけでなく、基板51の法線方向に対して傾斜した方向に進む傾斜光E1も含まれるようになる。このため図10Aに示すように、レジストパターン55の隙間56を画成するレジストパターン55の側面57の間の間隔が、基板51から遠ざかるにつれて狭くなることがある。すなわち、レジストパターン55が、基板51から遠ざかるにつれてレジストパターン55の幅が広くなる形状、いわゆる逆テーパ形状を有することがある。この結果、後述するように、第1面20a側から第2面20b側に向かうにつれて先細になる形状を有する第2金属層37を備えた蒸着マスク20を作製することができる。
なお一般に、第1金属層32に形成されている第1開口部30の線状部30aの近傍の位置の方が、第1金属層32に形成されている第1開口部30の結合部30bの近傍の位置に比べて、光が第1金属層32の端部33近傍を通過する際に生じる回折光の影響を大きく受ける。この理由としては、光の近接効果などが考えられる。
図10Bにおいて、符号d3は、レジストパターン55の外面58におけるレジストパターン55の輪郭と第1開口部30の輪郭の線状部30aの中間点P1との間の、平面視における最短距離を表している。また符号d4は、レジストパターン55の外面58におけるレジストパターン55の輪郭と第1開口部30の輪郭の結合部30bとの間の、平面視における最短距離を表している。上述のように、第1開口部30の結合部30bの近傍の位置において回折光の影響が小さくなる場合、図10Bに示すように、最短距離d4が最短距離d3よりも小さくなる。
また光の近接効果に基づいて、図10Bに示すように、レジストパターン55の外面58におけるレジストパターン55の輪郭は、第1開口部30の結合部30bに対応する部分において、丸められた形状、例えば湾曲した形状を有するようになる。
なお、レジストパターン55を基板51および第1金属層32に対してより強固に密着させるため、現像工程の後にレジストパターン55を加熱する熱処理工程を実施してもよい。
次に、レジストパターン55の隙間56に第2めっき液を供給して、第1金属層32上に第2金属層37を析出させる第2めっき処理工程を実施する。例えば、第1金属層32が形成された基板51を、第2めっき液が充填されためっき槽に浸す。これによって、図11に示すように、第1金属層32上に第2金属層37を形成することができる。
第1金属層32上に第2金属層37を析出させることができる限りにおいて、第2めっき処理工程の具体的な方法が特に限られることとはない。例えば、第2めっき処理工程は、第1金属層32に電流を流すことによって第1金属層32上に第2金属層37を析出させる、いわゆる電解めっき処理工程として実施されてもよい。若しくは、第2めっき処理工程は、無電解めっき処理工程であってもよい。なお第2めっき処理工程が無電解めっき処理工程である場合、第1金属層32上には適切な触媒層が設けられる。電解めっき処理工程が実施される場合にも、第1金属層32上に触媒層が設けられていてもよい。
第2めっき液としては、上述の第1めっき液と同一のめっき液が用いられてもよい。若しくは、第1めっき液とは異なるめっき液が第2めっき液として用いられてもよい。第1めっき液の組成と第2めっき液の組成とが同一である場合、第1金属層32を構成する金属の組成と、第2金属層37を構成する金属の組成も同一になる。
なお図11においては、レジストパターン55の外面58と第2金属層37の外面とが一致するようになるまで第2めっき処理工程が継続される例を示したが、これに限られることはない。第2金属層37の外面がレジストパターン55の外面58よりも下方に位置する状態で、第2めっき処理工程が停止されてもよい。
(除去工程)
その後、図12に示すように、レジストパターン55を除去する除去工程を実施する。
例えばアルカリ系剥離液を用いることによって、レジストパターン55を基板51、第1金属層32や第2金属層37から剥離させることができる。
(分離工程)
次に、第1金属層32および第2金属層37の組み合わせ体を基板51から分離させる分離工程を実施する。これによって、図13Aに示すように、所定のパターンで第1開口部30が設けられた第1金属層32と、第1開口部30に連通する第2開口部35が設けられた第2金属層37と、を備えた蒸着マスク20を得ることができる。図13Bは、蒸着マスク20を第2面20b側から見た場合を示す平面図である。
以下、分離工程の一例について詳細に説明する。はじめに、粘着性を有する物質が塗工などによって設けられているフィルムを、基板51上に形成された第1金属層32および第2金属層37の組み合わせ体に貼り付ける。次に、フィルムを引き上げたり巻き取ったりすることにより、フィルムを基板51から引き離し、これによって、第1金属層32および第2金属層37の組み合わせ体をパターン基板50の基板51から分離させる。その後、第1金属層32および第2金属層37の組み合わせ体からフィルムを剥がす。
なお粘着性を有する物質としては、UVなどの光を照射されることによって、または加熱されることによって粘着性を喪失する物質を使用してもよい。この場合、第1金属層32および第2金属層37の組み合わせ体を基板51から分離させた後、フィルムに光を照射する工程やフィルムを加熱する工程を実施する。これによって、第1金属層32および第2金属層37の組み合わせ体からフィルムを剥がす工程を容易化することができる。例えば、フィルムと第1金属層32および第2金属層37の組み合わせ体とを可能な限り互いに平行な状態に維持した状態で、フィルムを剥がすことができる。これによって、フィルムを剥がす際に第1金属層32および第2金属層37の組み合わせ体が湾曲することを抑制することができ、このことにより、蒸着マスク20に湾曲などの変形のくせがついてしまうことを抑制することができる。
その他にも、分離工程においては、はじめに、第1金属層32および第2金属層37の組み合わせ体と基板51との間に、分離のきっかけとなる間隙を形成し、次に、この間隙にエアを吹き付け、これによって分離工程を促進してもよい。
本実施の形態によれば、上述のように、レジストパターン55の隙間56に第2めっき液を供給して、第1金属層32上に第2金属層37を析出させることによって、蒸着マスク20が作製される。このため、蒸着マスク20の貫通孔25に、第1金属層32の第1開口部30によって画定される形状、および、第2金属層37の第2開口部35によって画定される形状の両方を付与することができる。従って、複雑な形状を有する貫通孔25を精密に形成することができる。例えば、上述の角度θ1を大きくすることが可能な貫通孔25を得ることができる。これによって、蒸着材料98の利用効率を高めることができる。また、めっき処理を利用して第2金属層37を形成することにより、貫通孔25の形状とは独立に、蒸着マスク20の厚みT0を任意に設定することができる。このため、十分な強度を蒸着マスク20に持たせることができる。従って、高精細な有機EL表示装置を製造することができ、かつ耐久性に優れた蒸着マスク20を提供することができる。
また本実施の形態によれば、基板51上および第1金属層32上にレジストパターン55を形成するための露光工程において、基板51上に形成された第1金属層32が、レジスト膜54に照射される光を部分的に遮光する露光マスクとして利用される。このため、レジストパターン55の隙間56を、第1金属層32上に正確に形成することができる。
従って、第2金属層37を、第1金属層32に対して高い位置精度で形成することができる。このことにより、複雑な形状を有する貫通孔25を精密に形成することができる。
また本実施の形態によれば、露光工程において、基板51のうちレジスト膜54が設けられている側とは反対の側から基板51に入射させた光がレジスト膜54に照射される。
また、基板51とレジスト膜54との間に位置する第1金属層32が、レジスト膜54に照射される光を部分的に遮光する露光マスクとして機能する。このため、第1金属層32の端部33における光の回折が生じると、レジストパターン55が、基板51から遠ざかるにつれてレジストパターン55の幅が広くなる形状、いわゆる逆テーパ形状を有するようになる。このため上述の図11に示されるように、第1面20a側から第2面20b側に向かうにつれて先細になる形状を有する第2金属層37を得ることができる。このことにより、第2金属層37の体積を十分に確保しながら、角度θ1を効率的に大きくすることが可能になる。
また本実施の形態によれば、露光工程において、基板51のうちレジスト膜54が設けられている側とは反対の側から基板51に入射させた光がレジスト膜54に照射されるので、光の回折の程度の差に基づく、レジスト膜54の被露光領域の形状の特徴が、レジストパターン55の外面58において顕著に発現するようになる。このため上述の図10Bに示されるように、レジストパターン55の外面58におけるレジストパターン55の輪郭と第1開口部30の輪郭の結合部30bとの間の、平面視における最短距離が、第1開口部30の結合部30bに対応する部分において最小になる。このようなレジストパターン55の隙間56を利用した上述の第2めっき処理工程によって第2金属層37を形成すると、図3Aや図13Bに示すように、第1面20aにおける第1開口部30の輪郭と第2面20bにおける第2開口部35の輪郭との間の、平面視における最短距離が、第2開口部35の結合部35bに対応する部分において最小になる。これによって、第2金属層37のうち複数の第2開口部35の結合部35bに接する部分の面積をより大きくすることができる。このことにより、第2面20b側における蒸着マスク20の強度を向上させることができる。例えば、第2開口部35の結合部35bなどが、蒸着マスク20に加えられる張力に基づいて破損してしまうことを抑制することができる。
また本実施の形態によれば、光の回折の程度の差に基づく、レジスト膜54の被露光領域の形状の特徴が、レジストパターン55の外面58において顕著に発現するようになるので、上述の図10Bに示すように、レジストパターン55の外面58におけるレジストパターン55の輪郭が、第1開口部30の結合部30bに対応する部分において、丸められた形状、例えば湾曲した形状を有するようになる。この結果、第2開口部35の結合部35bも同様に、丸められた形状、例えば湾曲した形状を有するようになる。このことによっても、第2開口部35の結合部35bが、蒸着マスク20に加えられる張力に基づいて破損してしまうことを抑制することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、必要に応じて図面を参照しながら、変形例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いることとし、重複する説明を省略する。また、上述した実施の形態において得られる作用効果が変形例においても得られることが明らかである場合、その説明を省略することもある。
(第1の変形例)
上述の本実施の形態においては、第1成膜工程が、基板51上に形成された導電性パターン52上に第1金属層32を析出させる第1めっき処理工程を含む例を示した。すなわち、めっき処理によって第1金属層32が形成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、その他の方法によって第1金属層32が形成されてもよい。
例えば、はじめに絶縁性を有する基板51を準備し、次に、基板51の全域にわたって第1金属層32を設ける。基板51上に第1金属層32を形成する方法としては、スパッタリングなどの物理製膜法や、化学成膜法などを適宜用いることができる。その後、第1金属層32のうち第1開口部30が形成されるべき部分以外の部分の上にレジストパターンを形成し、次に第1金属層32をエッチングする。このように第1金属層32をパターニングすることによって、図14に示すように、所定のパターンで第1開口部30が設けられた第1金属層32を基板51上に形成することができる。この場合、基板51上に上述の導電性パターン52が形成されている必要はない。
その後、基板51および第1金属層32上に、光硬化性樹脂を含むレジスト膜54を設ける。次に図15に示すように、基板51のうちレジスト膜54が設けられている側とは反対の側から基板51に入射させた光をレジスト膜54に照射して、レジスト膜54を露光する露光工程を実施する。本変形例においても、基板51上に形成されている第1金属層32が、レジスト膜54に照射される光を部分的に遮光する露光マスクとして機能する。
次に、レジスト膜54を現像する現像工程を実施する。図16は、図15に示すレジスト膜54を現像することによって基板51上および第1金属層32上に形成されたレジストパターン55を示す断面図である。本変形例においても、上述の本実施の形態の場合と同様に、露光工程の際、レジスト膜54に向けて照射された光が第1金属層32によって遮られるので、レジストパターン55は、第1金属層32上に形成された隙間56を有している。
その後、レジストパターン55の隙間56に第2めっき液を供給して、第1金属層32上に第2金属層37を析出させる第2めっき処理工程を実施する。例えば、第1金属層32が形成された基板51を、第2めっき液が充填されためっき槽に浸す。これによって、図17に示すように、第1金属層32上に第2金属層37を形成することができる。
その後、本実施の形態における上述の除去工程および分離工程を実施することにより、図18に示すように、所定のパターンで第1開口部30が設けられた第1金属層32と、第1開口部30に連通する第2開口部35が設けられた第2金属層37と、を備えた蒸着マスク20を得ることができる。
(第2の変形例)
上述の本実施の形態および第1の変形例においては、蒸着マスク20が、第1金属層32および第2金属層37という、少なくとも2つの金属層を積層させることによって構成される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、蒸着マスク20は、所定のパターンで複数の貫通孔25が形成された1つの金属層27によって構成されていてもよい。以下、図19〜図23Bを参照して、蒸着マスク20が1つの金属層27を備える例について説明する。なお本変形例においては、蒸着マスク20の第1面20aから第2面20bに至る貫通孔25のうち第1面20a上に位置する部分を第1開口部30と称し、貫通孔25のうち第2面20b上に位置する部分を第2開口部35と称する。また本変形例においても、第1開口部30の輪郭は、複数の直線状の線状部30aを結合させることによって形成される多角形状になっており、また第2開口部35の輪郭も、複数の直線状の線状部35aを結合させることによって形成される多角形状になっている。
はじめに、本変形例による蒸着マスク20を製造する方法について説明する。
まず図19に示すように、絶縁性を有する基板51を準備する。基板51には、金属層27に対応するパターンを有し、かつ導電性および遮光性を有する導電性パターン52が形成されている。導電性パターン52を構成する材料としては、導電性および遮光性を有する材料が用いられ、例えばクロムや銅などが用いられる。
(成膜工程)
次に、基板51上に、所定のパターンで貫通孔25が設けられた金属層27を形成する成膜工程を実施する。まず図20に示すように、基板51の面のうち導電性パターン52が形成された側の面上に、光硬化性樹脂を含むレジスト膜54を設ける工程を実施する。
次に図20に示すように、基板51のうちレジスト膜54が設けられている側とは反対の側から基板51に入射させた光をレジスト膜54に照射して、レジスト膜54を露光する露光工程を実施する。本変形例においては、露光工程の際、レジスト膜54に向けて照射された光は、基板51上に形成された導電性パターン52によって遮られる。すなわち、基板51上に形成された導電性パターン52が、レジスト膜54に照射される光を部分的に遮光する露光マスクとして機能する。
その後、レジスト膜54を現像する現像工程を実施する。図21は、レジスト膜54を現像することによって、導電性パターン52が形成された基板51上に形成されたレジストパターン55を示す断面図である。上述のように、露光工程の際、レジスト膜54に向けて照射された光が導電性パターン52によって遮られるので、レジストパターン55は、導電性パターン52上に形成された隙間56を有している。また隙間56は、導電性パターン52を露光マスクとして利用した露光工程を経て形成されたものであるので、レジストパターン55の隙間56は、導電性パターン52上に正確に形成されている。すなわち、導電性パターン52に対するレジストパターン55の隙間56の相対的な位置精度が極めて高くなっている。
また本変形例の露光工程においても、上述の本実施の形態および第1の変形例の場合と同様に、光が導電性パターン52の端部53近傍を通過する際、光の回り込み、すなわち回折が生じる。この結果、図20に示すように、レジスト膜54に照射される光には、平行光Eだけでなく、基板51の法線方向に対して傾斜した方向に進む傾斜光E1も含まれるようになる。このため図21に示すように、レジストパターン55の隙間56を画成するレジストパターン55の側面57の間の間隔が、基板51から遠ざかるにつれて狭くなる。すなわち、レジストパターン55が、基板51から遠ざかるにつれてレジストパターン55の幅が広くなる形状、いわゆる逆テーパ形状を有するようになる。
次に、レジストパターン55の隙間56にめっき液を供給して、導電性パターン52上に金属層27を析出させるめっき処理工程を実施する。例えば、導電性パターン52が形成された基板51を、めっき液が充填されためっき槽に浸す。これによって、図22に示すように、導電性パターン52上に金属層27を形成することができる。
導電性パターン52上に金属層27を析出させることができる限りにおいて、めっき処理工程の具体的な方法が特に限られることとはない。例えば、めっき処理工程は、導電性パターン52に電流を流すことによって導電性パターン52上に金属層27を析出させる、いわゆる電解めっき処理工程として実施されてもよい。若しくは、めっき処理工程は、無電解めっき処理工程であってもよい。なおめっき処理工程が無電解めっき処理工程である場合、導電性パターン52上には適切な触媒層が設けられる。電解めっき処理工程が実施される場合にも、導電性パターン52上に触媒層が設けられていてもよい。
本変形例のめっき液としては、上述の本実施の形態における第1めっき液や第2めっき液と同一のめっき液が用いられ得る。
その後、本実施の形態における上述の除去工程および分離工程を実施することにより、図23Aに示すように、所定のパターンで貫通孔25が設けられた金属層27を備えた蒸着マスク20を得ることができる。図23Bは、蒸着マスク20を第2面20b側から見た場合を示す平面図である。
本変形例によれば、上述のように、導電性パターン52が形成された基板51上にレジストパターン55を形成するための露光工程において、基板51上に形成された導電性パターン52が、レジスト膜54に照射される光を部分的に遮光する露光マスクとして利用される。すなわち、金属層27を析出させる際に土台となる導電性パターン52が、レジスト膜54に照射される光を部分的に遮光する露光マスクとして機能する。このため、レジストパターン55の隙間56を、導電性パターン52上に正確に形成することができる。従って、高い位置精度で形成された貫通孔25を有する蒸着マスク20を提供することができる。
また本変形例においても、上述の本実施の形態および第1の変形例の場合と同様に、光が導電性パターン52の端部53近傍を通過する際、光の回り込みが生じる。このため、レジストパターン55が、基板51から遠ざかるにつれてレジストパターン55の幅が広くなる形状、いわゆる逆テーパ形状を有するようになる。このため図23Aに示すように、金属層27は、第1面20a側から第2面20b側に向かうにつれて先細になる形状を有するようになる。この結果、図23Bに示すように、蒸着マスク20の法線方向Nに沿って蒸着マスク20を見た場合に、第2開口部35の輪郭が第1開口部30の輪郭を囲うようになる。このため、上述の本実施の形態および第1の変形例の場合と同様に、図23Aに示す角度θ1を確保することができる。これによって、蒸着マスク20の法線方向Nに対して大きく傾斜した方向に移動する蒸着材料98が、貫通孔25を通って有機EL基板92に到達するよりも前に、貫通孔25の壁面26に到達して付着してしまうことを抑制することができる。このことにより、蒸着材料98の利用効率を高めることができる。
また本変形例の露光工程において、基板51のうちレジスト膜54が設けられている側とは反対の側から基板51に入射させた光がレジスト膜54に照射されるので、光の回折の程度の差に基づく、レジスト膜54の被露光領域の形状の特徴が、レジストパターン55の外面58において顕著に発現するようになる。
このため本変形例においても、図23Bに示すように、最短距離d2が距離d1よりも小さくなるよう、第1開口部30および第2開口部35が構成される。これによって、金属層27のうち複数の第2開口部35の結合部35bに接する部分の面積をより大きくすることができる。このことにより、第2面20b側における蒸着マスク20の強度を向上させることができる。例えば、第2開口部35の結合部35bなどが、蒸着マスク20に加えられる張力に基づいて破損してしまうことを抑制することができる。
また本変形例においても、レジストパターン55の外面58におけるレジストパターン55の輪郭が、丸められた形状、例えば湾曲した形状を有するようになる。この結果、第2開口部35の結合部35bも同様に、丸められた形状、例えば湾曲した形状を有するようになる。このことによっても、第2開口部35の結合部35bが、蒸着マスク20に加えられる張力に基づいて破損してしまうことを抑制することができる。
なお本変形例においては、基板51上に、導電性および遮光性を有する導電性パターン52が形成され、この導電性パターン52上にめっき処理によって金属層27が形成される例を示した。しかしながら、めっき処理工程が無電解めっき処理工程である場合、めっき処理工程において金属層27を析出させる際に土台となるパターンが、導電性を有している必要は必ずしもない。従って、導電性パターン52の代わりに、導電性は有さないが遮光性を有するパターンが用いられてもよい。すなわち本変形例において、めっき処理工程において金属層27を析出させる際に土台となるパターンは、遮光性を有する遮光性パターンであればよい。上述の導電性パターン52は、遮光性パターンの一例である。
(第1開口部の形状の変形例)
また上述の本実施の形態および各変形例においては、第1開口部30が、四角形状の輪郭を有する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図24に示すように、第1開口部30は、六角形状の輪郭を有していてもよい。この場合にも、平面視における、第1開口部30の結合部30bと第2開口部35の結合部35bとの間の最短距離d2は、第1開口部30の線状部30aの中間点と第2開口部35の線状部35aの中間点との間の距離d1よりも小さくなっている。
また上述の本実施の形態および各変形例においては、第1開口部30の輪郭を構成する線状部30aが、直線状に延びる例、すなわち、第1開口部30の輪郭が多角形状である例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図25や図26に示すように、第1開口部30の輪郭が、曲線状の線状部30aを含んでいてもよい。図25においては、線状部30aが全域にわたって湾曲する例が示されている。一方、図26においては、線状部30aが、湾曲した部分と、直線状の部分30asとを含む例が示されている。
なお、線状部30aが曲線状の部分を含む場合、第2開口部35の線状部35aは、以下のようにして定義してもよい。まず、図25に示すように、第1開口部30の輪郭に存在する2つの頂点を結ぶ直線Lhを描く。続いて、直線Lhの一端および他端において直線Lhに直交する2本の直線Lrを描く。このとき、第2開口部35の輪郭のうち、2本の直線Lrの間に位置する部分を、第2開口部35の線状部35aとして定義する。また、第2開口部35の結合部35bを、直線Lrよりも外側に位置する部分として定義する。
また上述の図25および図26においては、第1開口部30の輪郭を構成する線状部30aが、第1開口部30の中心に向かって凸になるよう湾曲した部分を含み、これによって、線状部30aが第1開口部30の中心に向かって窪む例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図27に示すように、複数の直線状の部分30asを組み合わせて線状部30aを構成することにより、線状部30aが第1開口部30の中心に向かって窪む形態を実現してもよい。
また上述の図25〜図27においては、線状部30aが第1開口部30の中心に向かって窪む例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図28に示すように、線状部30aが第1開口部30の中心から離れる方向へ膨らむよう、第1開口部30が構成されていてもよい。また図29に示すように、結合部30bの部分において第1開口部30の輪郭が外側へ膨らむよう、第1開口部30が構成されていてもよい。
なお上述の図25〜図29においては、第1開口部30が、4つの線状部30aを結合させることによって形成される略四角形状の輪郭を有する例を示した。しかしながら、図25〜図29に示される第1開口部30の輪郭の特徴は、略六角形状や略八角形状など、その他の略多角形状の輪郭を有する第1開口部30に適用されてもよい。なお、「略多角形状」とは、第1開口部30に含まれる複数の線状部30aが直線状の場合だけでなく曲線状の場合をも含む概念である。
また上述の本実施の形態および各変形例においては、第1開口部30が、全ての内角φの大きさが180度未満である、いわゆる凸多角形状の輪郭を有する例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図30や図31に示すように、第1開口部30は、少なくとも1つの内角φの大きさが180度を超えている、いわゆる凹多角形状の輪郭を有していてもよい。なお、内角のφ大きさが180度を超える箇所においては、第1開口部30の結合部30bと第2開口部35の結合部35bとの間の最短距離d2が、第1開口部30の線状部30aの中間点P1と第2開口部35の線状部35aの中間点P2との間の距離d1よりも小さくならないことがある。内角φの大きさが180度未満となる箇所においては、第1開口部30の結合部30bと第2開口部35の結合部35bとの間の最短距離d2が、第1開口部30の線状部30aの中間点P1と第2開口部35の線状部35aの中間点P2との間の距離d1よりも小さくなる。
(その他の変形例)
また上述の本実施の形態においては、蒸着マスク20の長手方向に複数の有効領域22が割り付けられる例を示した。また、蒸着工程において、複数の蒸着マスク20がフレーム15に取り付けられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図32に示すように、幅方向および長手方向の両方に沿って格子状に配置された複数の有効領域22を有する蒸着マスク20が用いられてもよい。
なお、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
20 蒸着マスク
20a 第1面
20b 第2面
22 有効領域
23 周囲領域
25 貫通孔
26 壁面
27 金属層
30 第1開口部
30a 線状部
30b 結合部
31 壁面
32 第1金属層
33 端部
35 第2開口部
35a 線状部
35b 結合部
36 壁面
37 第2金属層
38 端部
41 接続部
51 基板
52 導電性パターン
53 端部
54 レジスト膜
55 レジストパターン
56 隙間
57 側面
58 外面
58a 線状部
58b 結合部
92 有機EL基板
98 蒸着材料

Claims (7)

  1. 複数の貫通孔が形成された蒸着マスクを製造する蒸着マスク製造方法であって、
    絶縁性を有する基板上に所定のパターンで第1開口部が設けられた第1金属層を形成する第1成膜工程と、
    前記第1開口部に連通する第2開口部が設けられた第2金属層を前記第1金属層上に形成する第2成膜工程と、
    前記第1金属層および前記第2金属層の組み合わせ体を前記基板から分離させる分離工程と、を備え、
    前記第2成膜工程は、
    前記基板上および前記第1金属層上に、光硬化性樹脂を含むレジスト膜を設ける工程と、
    前記基板のうち前記レジスト膜が設けられている側とは反対の側から前記基板に入射させた光を前記レジスト膜に照射して、前記レジスト膜を露光する露光工程と、
    前記レジスト膜を現像して、前記第1金属層上に形成された隙間を有するレジストパターンを形成する現像工程と、
    前記レジストパターンの前記隙間において前記第1金属層上に前記第2金属層を析出させるめっき処理工程と、を含む、蒸着マスク製造方法。
  2. 前記基板上には、前記第1金属層に対応するパターンを有する導電性パターンが形成されており、
    前記第1成膜工程は、前記基板上において前記導電性パターン上に前記第1金属層を析出させるめっき処理工程を含む、請求項1に記載の蒸着マスク製造方法。
  3. 前記第1成膜工程の前記めっき処理工程は、前記導電性パターンに電流を流すことによって前記導電性パターン上に前記第1金属層を析出させる電解めっき処理工程を含む、請求項2に記載の蒸着マスク製造方法。
  4. 前記第2成膜工程の前記めっき処理工程は、前記第1金属層に電流を流すことによって前記第1金属層上に前記第2金属層を析出させる電解めっき処理工程を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の蒸着マスク製造方法。
  5. 前記第1金属層のうち前記第2金属層に接続される部分の厚みは、5μm以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の蒸着マスク製造方法。
  6. 前記第2金属層の厚みは、3〜50μmの範囲内である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の蒸着マスク製造方法。
  7. 前記第1成膜工程において、前記第1金属層は、前記蒸着マスクの第1面側に形成され、
    前記第2成膜工程において、前記第2金属層は、前記蒸着マスクの第2面側に形成され、
    前記第1面における前記第1金属層の前記第1開口部および前記第2面における前記第2金属層の前記第2開口部はいずれも、複数の線状部を結合させることによって形成される輪郭を有している、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の蒸着マスク製造方法。
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