JP2007273310A - 透明電極付き透明基板及びプラズマディスプレィ前面基板の製造方法 - Google Patents

透明電極付き透明基板及びプラズマディスプレィ前面基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フォトリソグラフィ・エッチングプロセスを適用した場合の、製造工程が長く煩雑であり設備費及びランニングコストが高く環境負荷が大きい等の問題点、及びレーザーパターニング法を適用した場合のパターン形成精度及び生産性が低いという問題点を解決したプラズマディスプレィ前面基板の製造方法の提供。
【解決手段】複数の開口部22を有するマスク20を用い成膜し、透明基板上に電極を形成する工程を具備する透明電極付き透明基板の製造方法であって、前記マスクにおいて、前記複数の開口部の形状は略矩形であり、前記複数の開口部は互いに独立し繋がっておらず、かつ、前記マスク上の任意の一方向とこれに直角方向に行列状に配列されており、更に、前記マスクにおける全ての開口部において、前記列方向に隣り合う開口部の向い合う前記行方向の辺が平行である透明電極付き透明基板の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は透明電極付き透明基板及びプラズマディスプレィ前面基板とそれらの製造方法に関する。
プラズマディスプレィパネル(以下、「PDP」ともいう)は、薄型化が可能で、かつ大型化が容易であり、さらに軽量、高解像度等の特徴を持つため、表示装置としてCRTに替わる有力候補として注目されている。
PDPはDC型とAC型に大別されるが、その動作原理はガス放電に伴う発光現象を利用したものである。例えばAC型では図6に示すように対向する透明な前面基板1及び背面基板2の間に形成した隔壁3によりセル(空間)を区画し、セル内には可視発光が少なく紫外線発光効率が高いHe+Xe、Ne+Xeなどのペニング混合ガスを封入する。そしてセル内でプラズマ放電を発生させ、セル内壁の蛍光体層10を発光させて表示画面上に画像を形成させる。
このようなPDP表示装置においては、画像を形成する画素にプラズマ放電を発生させるための電極として、透明な前面基板1上に透明導電膜からなる表示電極5及びその電極の一部にバス電極6をパターニングして形成する。また、背面基板2にアドレス電極7をパターニングして形成する。そして、表示電極5とアドレス電極7の間の絶縁を確保しプラズマを安定に発生させるために、また、電極がプラズマに侵食されるのを防ぐために、誘電体層8及びMgO保護層9で表示電極5、バス電極6及びブラックストライプ4を被覆する(特許文献1、非特許文献1、非特許文献2参照)。
ここで、前面基板1上に透明導電膜からなる表示電極5及びバス電極6をパターニングする方法としては、通常、フォトリソグラフィ・エッチングプロセスを適用する。このプロセスは、例えば、前面基板表面の前面にスパッタ成膜した後、洗浄、フォトレジスト塗布、露光、現像、エッチング及び残留フォトレジスト除去の各工程を具備するプロセスである。
このようなフォトリソグラフィ・エッチングプロセスは、プラズマディスプレィ前面基板の表示電極のように微細で複雑な形状のパターンであっても精密に形成することができるという利点がある。しかし、大型の製造設備が必要であり、製造工程が長く煩雑であり、更に、用いられるエッチング液が強酸性や強アルカリ性であるので、そのまま廃棄すると環境負荷が大きい等の問題点を有する。
また、このようなフォトリソグラフィ・エッチングプロセスに代わる方法として、レーザ光を用いて直接基板上にパターンを形成するレーザーパターニング法が検討されている(特許文献2参照)。しかし、この方法はタクトアップが困難で生産効率が低く、更にパターン形成精度が低いという問題がある。
そこで、上記フォトリソグラフィ・エッチングプロセスやレーザーパターニング法に代わり、マスク成膜法を適用することが考えられる。
このマスク成膜法は、例えば、前面基板の表面に必要な電極パターン形状の開口部を有するマスクを配列し、このマスクを介して例えばスパッタ成膜法により成膜することで、前記前面基板の表面に必要な形状の電極パターンを形成する方法である。
これに関連した従来法として例えば特許文献3及び4に記載の方法が挙げられる。
特許文献3には、液晶表示装置用等のカラーフィルタを製造する工程に用いられ、カラーフィルタ上に所定形状の透明導電膜を形成するための基板支持具及び基板の支持方法に関して記載されている。
また、特許文献4には、基板上に蒸着、スパッタ、CVD等の成膜方法により、金属膜、誘電体膜、透明導電膜等の薄膜をパターン形成する場合に用いるメタルマスク及びその製造方法に関するものであり、特に、スパッタ法を用いて大型液晶ディスプレイのパネル基板のカラーフィルタ上に形成される透明導電膜(ITO)の成膜時に用いられるメタルマスクに関するものが記載されている。
特開平7―65727号公報 特開2001―60432号公報 特開平10―152776号公報 特開平10―265940号公報 内田龍男、内池平樹著、「フラットパネルディスプレイ大辞典」、工業調査会、2001年12月25日、p.583−585 奥村健史著、「フラットパネル・ディスプレイ2004実務編」、日経BP社、p.176−183
このようなマスク成膜法により、前面基板上に透明導電膜からなる表示電極をパターニングすれば、フォトリソグラフィ・エッチングプロセス等の従来法における問題点を解決することができるとも考えられる。
しかしながら、このような従来のマスク成膜法では、形状が比較的単純な透明電極パターン、例えば特許文献3、4に記載のようなカラーフィルタ上に形成する透明電極パターンであれば形成できるが、長期間にわたって、微細で複雑な形状のパターンを精密に形成することは困難であった。これに対してプラズマディスプレィ前面基板の表示電極のパターン形状は、特に微細で複雑であり、かつ精密であることが要求される。具体的には、例えば、幅が100〜1000μm程度で、長さが700〜2000mm程度の非常に細長い線状の表示電極(透明電極)が525本以上、精密に平行に前面基板(透明基板)上に形成されなければならない。
従って、マスク成膜法を適用して、長期間にわたり、プラズマディスプレィ前面基板を製造することは、従来において事実上不可能であった。
本発明の目的は、このような問題点を解決したプラズマディスプレィ前面基板及びそれに用いる透明電極付き透明基板の製造方法を提供することにある。
また、その製造方法により製造され得るプラズマディスプレィ前面基板及び透明電極付き透明基板を提供することにある。
本発明者は上記のような問題を解決するため鋭意検討し、特定の開口部を有するマスクを用いたマスク成膜法を適用して、プラズマディスプレィ前面基板を製造することができることを見出した。
すなわち、本発明は次の(1)〜(6)である。
(1)複数の開口部を有するマスクを用いマスク成膜し、透明基板上に透明電極を形成する工程を具備するプラズマディスプレィ前面基板に用いる透明電極付き透明基板の製造方法であって、前記マスクにおいて、前記複数の開口部の各々の形状は略矩形であり、前記複数の開口部は互いに独立し繋がっておらず、かつ、前記マスク上の任意の一方向である行方向及びこの行方向と直角方向である列方向に行列状に配列されており、更に、前記マスクにおける全ての開口部において、前記列方向に隣り合う開口部の向い合う前記行方向の辺が平行である透明電極付き透明基板の製造方法。
(2)前記複数の開口部において、これらの中の任意の開口部と、これに行方向に隣り合う他の開口部との距離が50〜500μmである、上記(1)に記載の透明電極付き透明基板の製造方法。
(3)前記複数の開口部において、これらの中の任意の開口部と、これに列方向に隣り合う他の開口部との距離が50〜150μmである、上記(1)又は(2)に記載の透明電極付き透明基板の製造方法。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の透明電極付き透明基板の製造方法に、更に、製造された透明電極付き透明基板の表面の行列状に配列された個々の透明電極を、前記行方向に繋ぐようにバス電極を形成する工程を具備する、プラズマディスプレィ前面基板の製造方法。
(5)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の透明電極付き透明基板の製造方法により製造される透明電極付き透明基板。
(6)上記(4)に記載のプラズマディスプレィ前面基板の製造方法により製造されるプラズマディスプレィ前面基板。
本発明によれば、マスク成膜法により表示電極(透明電極)のパターン形成を行い、フォトリソグラフィ・エッチングプロセスを適用した場合と同程度の性能を有するプラズマディスプレィ前面基板を、レーザーパターニング法を適用した場合よりも高い生産性で製造することができる。
つまり、本発明は、フォトリソグラフィ・エッチングプロセスを適用した場合の、製造工程が長く煩雑であり、設備費及びランニングコストが高く、環境負荷が大きい等の問題点、及び、レーザーパターニング法を適用した場合のパターン形成精度及び生産性が低いという問題点を解決したプラズマディスプレィ前面基板の製造方法を提供することができる。
本発明は、複数の開口部を有するマスクを用いマスク成膜し、透明基板上に透明電極を形成する工程を具備するプラズマディスプレィ前面基板に用いる透明電極付き透明基板の製造方法であって、前記マスクにおいて、前記複数の開口部の各々の形状は略矩形であり、前記複数の開口部は互いに独立し繋がっておらず、かつ、前記マスク上の任意の一方向である行方向及びこの行方向と直角方向である列方向に行列状に配列されており、更に、前記マスクにおける全ての開口部において、前記列方向に隣り合う開口部の向い合う前記行方向の辺が平行である透明電極付き透明基板の製造方法である。
このような透明電極付き透明基板の製造方法を、以下では「本発明の透明電極付き透明基板の製造方法」ともいう。
また、このような本発明の透明電極付き透明基板の製造方法において用いる前記マスクを、以下では「本発明のマスク」ともいう。
更に、この本発明の透明電極付き透明基板の製造方法により製造され得る透明電極付き透明基板を、以下では「本発明の透明電極付き透明基板」ともいう。
また、本発明は、本発明の透明電極付き透明基板の製造方法に、更に、製造された透明電極付き透明基板の表面の行列状に配列された透明電極を、前記行方向又は列方向に繋ぐようにバス電極を形成する工程を具備する、プラズマディスプレィ前面基板の製造方法である。
このようなプラズマディスプレィ前面基板の製造方法を、以下では「本発明のPDP前面基板の製造方法」ともいう。
また、この製造方法により製造され得るプラズマディスプレィ前面基板を、以下では「本発明のPDP前面基板」ともいう。
本発明の透明電極付き透明基板の製造方法について説明する。
本発明の透明電極付き透明基板の製造方法は、本発明のマスクを用いマスク成膜して、透明基板上に透明電極を形成する工程を具備するプラズマディスプレィ前面基板に用いる透明電極付き透明基板の製造方法である。
そして、ここで用いる本発明のマスクは、複数の開口部を有するものであり、前記複数の開口部の各々の形状は略矩形である。
また、本発明のマスクの前記複数の開口部は互いに独立し繋がっておらず、かつ、本発明のマスクの上(表面)の任意の一方向である行方向及びこの行方向と直角方向である列方向に行列状に配列されており、更に、前記マスクにおける全ての開口部において、前記列方向に隣り合う開口部の向い合う前記行方向の辺が平行である。
まず、本発明のマスクについて図1及び図2を用いて説明する。ただし、この図1及び図2は本発明のマスクの態様の一例であって、本発明のマスクはこれらに限定されるものではない。
図1において図1(a)は本発明のマスクの全体(マスク20)を表している。そして、図1(b)は図1(a)の一部を拡大した図である。更に、図1(c)は図1(b)における開口部の1つ(開口部22)を拡大した図である。また、図2(a)〜(e)は開口部の形状を表した図である。
なお、以下の図1を用いた説明においては、この図1(a)におけるマスク20の長手方向を行方向とし、それに直角の方向を列方向とする。また、図1(b)及び図1(c)において、A1は開口部の行方向の長さ、B1は開口部の列方向の長さ、C1は行方向に隣り合う開口部間の行方向の距離、D1は列方向に隣り合う開口部間の列方向の距離を意味する。「行方向」は、後述する直線状のバス電極を形成する方向であり、一般的には、プラズマディスプレィとして表示した場合の水平方向となる。
また、図1(b)、図1(c)及び図2において、α1及びα2は略矩形(長方形又はこれに類似した形状を意味する。以下、同様である。)である開口部における向い合う一組の行方向の辺の一方及び他方であり、β1及びβ2は開口部における別の向い合う一組の列方向の辺の一方及び他方を意味する。そして、列方向に隣り合う開口部の向い合う行方向の辺であるα1及びα2が平行である。これについて図1(b)を用いて具体的に説明する。開口部22の中の任意の一つである図1(b)のおける開口部22aと、これと列方向に隣り合う開口部22bとにおいて、開口部22aが有する行方向の2つの辺であるα1及びα2のうちの開口部22bに近い方の辺であるα2と、開口部22bが有する行方向の2つの辺であるα1及びα2のうちの開口部22aに近い方の辺であるα1とが平行である。そして、本発明のマスクが有する全ての開口部について、このように列方向に隣り合う開口部の向い合う行方向の辺が平行であるので、1つの開口部22におけるα1及びα2も互い平行であることが好ましい。
本発明のマスクは、図1に示すように複数の開口部22を有するものであり、これら複数の開口部22の各々の形状は略矩形である。
そして、この開口部22の各々の形状は、例えば図2(a)〜(e)に挙げる形状である。
まず、図2(a)について説明する。図2(a)において開口部22は長方形であり、列方向と平行な向い合う一組の辺であるα1とα2とが平行である。そして、このような開口部を有するマスクを用いて本発明の透明電極付き透明基板を形成した場合、略矩形の透明電極が透明基板上に形成される。そして、これをプラズマディスプレィ前面基板として用いた場合、任意の略矩形の透明電極と、列方向に隣り合う透明電極の行方向の辺の一方と、これに列方向に隣り合う別の透明電極の行方向の辺の他方との間でプラズマが発生する。
また、図2(b)は、図2(a)におけるもう一つの向い合う一組の辺(列方向に平行な辺)であるβ1及びβ2の各々の辺を、長方形の内側へ凸となる曲線に変形したものである。そして、図2(c)は、逆に長方形の外側へ凸となる曲線に変形したものである。
更に、図2(d)は、図2(b)におけるβ1及びβ2の曲線を直線状とし、1角を挟む2直線としたものである。そして、図2(e)は図2(c)におけるβ1及びβ2の曲線を直線状とし、1角を挟む2直線としたものである。
本発明のマスクは、例えばここに挙げた図2(a)〜(e)の形状の開口部を複数有する。ただし、これらの形状は例示であり、例えばこれらの例示におけるα1とα2との長さが異なる形状や、図2(a)の長方形における4角が丸みを持った形状等であってもよく、開口部の形状が略矩形であれば特に限定されない。
また、前記開口部の各々の大きさは特に限定されない。したがって、開口部の行方向の長さ(図1(b)及び図1(c)におけるA1)及び列方向の長さ(図1(b)及び図1(c)におけるB1)は特に限定されない。
例えば、図1(b)及び図1(c)において、A1は50〜500μm程度とすることができる。また、B1は200〜2000μm程度とすることができる。上記範囲とすることで、放電が良好なプラズマディスプレィを形成できる。
ここで、このA1は、上記のように開口部の行方向の長さであるが、より具体的には、開口部の行方向の辺、つまり、図1に示すα1及びα2の長さを意味するものとする。更に、このα1及びα2の長さは異なってもよいので、α1及びα2の長さが異なる場合、A1は、α1及びα2のいずれか長い方の長さを意味するものとする。
また、このB1は、上記のように開口部の列方向の長さであるが、より具体的には、平行線であるα1とα2との距離を意味するものとする。
本発明のマスクは、このような形状の開口部を複数有しているが、これらの開口部は、互いに独立し繋がっていない。
これについて図1(a)〜(c)を用いて具体的に説明する。
図1(b)において、任意の開口部22は、行方向及び列方向に隣り合ういずれの他の開口部22とも一定の距離を有しており、独立し繋がっていない。なお、「独立し繋がっていない」とは、本発明のマスクを用いて本発明の透明電極付き透明基板を形成した場合において、任意の透明電極と、これに行方向及び列方向に隣り合う透明電極との間に、放電が十分となる程度に、透明電極が存在しない部分があることを意味する。
具体的には、任意の開口部22は行方向に隣り合う開口部22と、図1(b)に示す距離C1を有し繋がっていない。ここでC1は、上記のように開口部間の行方向の距離であるが、より具体的には、任意の開口部22の辺β1上の任意の点と、これに行方向に隣り合う開口部22の辺β2上の任意の点とを結んだ長さのうち、最短のものを意味する。従って、後述するように、開口部22の向いあう一組の辺であるα1及びα2がそれぞれ前記行方向に対して平行であって、図2(a)のように開口部22が長方形である場合や、図2(b)、(d)のように辺β1及びβ2が長方形の内側へ凸の場合は、C1は任意の開口部22の辺α1(α2)の端部と、これに行方向に隣り合う開口部の辺α1(α2)の端部との距離と同じとなる。
そして、このC1は例えば50〜1000μm程度とすることができ、50〜500μmであることが好ましい。
このC1がこのような範囲であると、このようなマスクを用いて形成した本発明の透明電極付き透明基板を用いて製造したプラズマディスプレィにおいて、プラズマをより安定に放電させることができる。
同様に、具体的には、任意の開口部22は列方向に隣り合う開口部22と図1(b)に示す距離D1を有し繋がっていない。ここでD1は、上記のように、開口部間の列方向の距離であるが、より具体的には、任意の開口部22の辺α1上の任意の点と、これに列方向に隣り合う開口部22の辺α2上の任意の点とを結んだ長さのうち、最短のものを意味する。従って、後述するように、開口部22の向い合う一組の辺であるα1及びα2がそれぞれ前記行方向に対して平行であれば、このD1は、任意の開口部22の辺α1と、これに列方向に隣り合う開口部22の辺α2との距離と同じとなる。
そして、このD1は例えば30〜200μm程度とすることができ、50〜150μmであることが好ましい。
このD1がこのような範囲であると、このようなマスクを用いて形成した本発明の透明電極付き透明基板を用いて製造したプラズマディスプレィにおいて、プラズマをより安定に放電させることができる。
本発明のマスクは、上記のような形状の開口部を複数有し、上記のようにこれらの開口部は互いに独立し繋がっていない。そして、本発明のマスクにおいて、これらの開口部は、更に、本発明のマスク上の任意の一方向である行方向及びこの行方向と直角方向である列方向に行列状に配列されている。
ここで、「行列状」とは、これを用いて製造した本発明の透明電極付き透明基板をプラズマディスプレィとして用いることができる程度に、ガス放電が可能なように、前記複数の開口部が、行方向及び列方向に、各々、略平行に並んでいることを意味する。
本発明のマスク上の任意の一方向である行方向及びこの行方向と直角方向である列方向に、前記開口部が行列状に配列された状態は、例えば図1(b)に示した状態である。
図1(b)においては、このマスク上の任意の一方向である行方向を、図1(a)におけるマスク20の長手方向として示している。そして、ここでは行方向に8個、列方向に3個、合計24個の開口部が行列状に示されている。
このような本発明のマスクを用いると、マスク成膜を精密に行うことができ、これをプラズマディスプレィ前面基板に用いることができる。任意の開口部が隣合う他の開口部と、例えば僅かに繋がっていたり、開口部自体の形状が略矩形でなく複雑な形状であるようなマスクを用いた場合は、マスクの形状を維持したまま精度よく透明基板に取り付けることが困難となるのでマスク成膜が困難になり、形成される透明電極のパターン形成精度が低下し、これをプラズマディスプレィ前面基板として用いることができない。
また、本発明のマスクにおいては、図1(b)に表すように、開口部の向い合う一組の辺であるα1及びα2が行方向に平行に配列していることが好ましい。ここで、本発明のマスクの全ての開口部において、列方向に隣り合う開口部の向い合う行方向の辺が平行である。なお、「全ての開口部」とは、プラズマディスプレィとして表示させた場合の表示される領域における全ての開口部を意味し、基板上に形成される全部の開口部を意味するのではない。
このように列方向に隣り合う開口部の向い合う行方向の辺が平行であると、後述するような、本発明の透明電極付き透明基板の製造方法により製造される本発明の透明電極付き透明基板において、透明基板上の透明電極間で好ましいプラズマを発生させることができる。
これに対して、列方向に隣り合う開口部の向い合う行方向の辺が平行ではなく、わずかでも平行度が低下すれば、具体的には、図1(b)でD1が5μm程度超ずれると、後述するような、本発明の透明電極付き透明基板の製造方法により製造される本発明の透明電極付き透明基板において、透明基板上の透明電極間で好ましいプラズマが発生しなくなったり、放電電圧が変化して輝度が変化したりするため、プラズマディスプレィ前面基板として用いることが困難となる。逆に言えば、D1のずれが5μm以下であることが好ましい。
また、ここでいう「平行」とは、本発明の透明電極付き透明基板の製造方法により形成された本発明の透明電極付き透明基板をプラズマディスプレィの前面基板として使用した場合、透明電極間でガス放電が可能である程度の平行を意味する。したがって、完全な平行でなくてもよい。
本発明のマスクは、図1及び図2を用いて説明される上記のようなマスクであるが、前述のように、本発明のマスクはこれに限定されるものではない。
例えば、本発明のマスクの全体形状は、図1に示したマスク20のように長方形であってもよいが、他の任意の形状であってもよい。
また、図1(b)における開口部22は全て同じ長方形が記載されているが、必ずしも同じでなくてもよい。
また、行方向及び列方向における開口部の数は特に限定されない。例えば行方向に1920〜11520個、列方向に480〜4320個の開口部を有するマスクを用いることができる。また、例えば、行方向に1920〜25000個、列方向に480〜10000個の開口部を有するマスクを用いることができる。
更に、図1に示したマスク20においては長手方向を行方向としたが、本発明のマスクの上面において、任意の一方向を行方向とし、それに直角な方向を列方向とすればよい。例えば、図1(a)における行方向と列方向とが入れ替わってもよい。
更に、本発明のマスクの全体の大きさ、厚さ、材質は特に限定されず、例えば従来用いられている任意のものを用いることができる。
例えば図1(a)に示したような長方形のマスクであれば横(行方向)が500〜3000mm、縦(列方向)が400〜3000mmであるマスクを用いることができる。
また、その厚さは通常25〜1000μm程度とすることができ、40〜200μmであることが好ましい。厚さが25μm未満では強度の問題が発生する可能性がある。1000μm超ではボケ(透明電極の有無の境目が不明確になること)により、プラズマ発生が正常なプラズマディスプレィを製造することが困難になる。
更に、その材質としては例えばステンレス、Ni合金などを例示できる。これらの中でも透明基板に近い熱膨張率となるように調整されたNi-Fe系合金等を用いることが好ましい。熱膨張率が透明基板に近いマスクを使用することでボケを低減し、電極形状精度を向上させることができる。
本発明の透明電極付き透明基板の製造方法では、上記のような本発明のマスクを用いてマスク成膜して、透明基板上に透明電極を形成する工程を具備する。
ここで透明基板は特に限定されず、プラズマディスプレィ前面基板として用いることができる材質、大きさ及び厚さを有するものであればよい。例えば材質はガラス(ソーダライムガラス、無アルカリガラス等)、PDP用高歪点ガラスを用いることができる。また、大きさは透明基板の縦横の長さとして、各々、400〜3000mm程度のものを用いることができる。また、その厚さは0.7〜3.0mm、好ましくは1.5〜3.0mmのものを用いることができる。
また、マスク成膜の方法は特に限定されず、例えば従来法を適用することができる。好ましい方法として、前記透明基板の一方主面上に、本発明のマスクであって磁性を有するもの(メタルマスク)を配し、他方主面側に磁性を有するプレートを配することで前記透明基板上に本発明のマスクを固定し、その後、In、SnO等、後述する材質の透明電極を形成することができる材料をターゲットとしたスパッタ成膜を行う方法(スパッタリング法)が挙げられる。
また、このスパッタリング法に代わり、熱分解法(透明電極の原料を含有する溶液を塗布後加熱して膜を形成する方法)、化学気相成長法(CVD)法、蒸着法、イオンプレーティング法等を適用することができる。
ここで、ターゲットしてITOを用いる場合であれば、RF(高周波)又はDC(直流)スパッタリング法で形成する方法が好ましい。理由は低比抵抗で熱的化学的特性の良好なITOを安価に生産できるからである。
また、このターゲットしてITOを用いるスパッタリング法においては、成膜時の雰囲気ガスとしてはアルゴン−酸素混合ガスを用い、ITO膜の比抵抗値が最小になるようにアルゴンと酸素とのガス比を定めることが好ましい。また、スパッタリング法による成膜時の前記透明基板(ガラス基板等)温度は100〜500℃が好ましい。これは透明基板温度を100℃以上とすることにより、ITO膜が非晶質になりにくく、ITO膜の耐薬品性が良好になるからである。また、500℃以下とすることにより、結晶性が抑えられ、ITO膜表面の凹凸が大きくなり難くなるからである。
本発明の透明電極付き透明基板の製造方法は、上記のような工程、即ち、複数の開口部を有するマスクである本発明のマスクを用いマスク成膜して、透明基板上に透明電極を形成する工程を具備するが、その他の工程を具備していてもよい。例えば、マスク成膜を行う前に前記透明基板の表面を浄化する工程を具備していてもよい。他にも例えば、プラズマアッシング、二酸化ケイ素膜の形成などという工程を具備してもよい。
このような本発明の透明電極付き透明基板の製造方法により、本発明の透明電極付き透明基板を製造することができる。
本発明の透明電極付き透明基板は、
透明基板上に透明電極を有するプラズマディスプレィ前面基板に用いる透明電極付き透明基板であって、
前記透明電極の形状は略矩形であり、前記透明基板上において複数の前記透明電極は、互いに独立し繋がっておらず、かつ、前記透明基板上の任意の一方向である行方向及びこの行方向と直角方向である列方向に行列状に配列されており、更に、前記列方向に隣り合う前記透明電極の向い合う前記行方向の辺が平行である透明電極付き透明基板である。
このような本発明の透明電極付き透明基板について図3を用いて説明する。ただし、この図3は本発明の透明電極付き透明基板の態様の一例であって、これに限定されるものではない。
図3において図3(a)は本発明の透明電極付き透明基板の全体(透明電極付き透明基板30)を表している。そして、図3(b)は図3(a)の一部を拡大した図である。
なお、以下の図3を用いた説明においては、この図3(a)における透明電極付き透明基板30の長手方向を行方向とし、それに直角の方向を列方向とする。また、図3(b)において、A2は透明電極32の行方向の長さ、B2は透明電極32の列方向の長さ、C2は透明電極間の行方向の距離、D2は透明電極間の列方向の距離を意味する。
更に、図3(b)において、γ1及びγ2は、透明電極32における列方向に向い合う一組の辺の一方及び他方を意味する。
本発明の透明電極付き透明基板は、透明基板上に透明電極を有するプラズマディスプレィ前面基板に用いる透明電極付き透明基板であって、図3(b)に示すように、透明電極32の形状は略矩形であり、透明基板32の上(表面)において複数の透明電極32は、互いに独立し繋がっておらず、かつ、透明基板32上の任意の一方向である行方向及びこの行方向と直角方向である列方向に行列状に配列されており、更に、前記列方向に隣り合う透明電極32の向い合う前記行方向の辺であるγ1及びγ2が平行である。
ここで、「略矩形」及び「平行」の定義は、上記本発明のマスクが有する開口部の形状の説明において行った定義と同様である。
また、図3(b)においては、透明電極32の形状は長方形であるが、上記に説明した本発明のマスクが有する開口部と同様な形状であってもよく、図2(a)〜(e)に例示した本発明のマスクが有する開口部と同様な形状であってもよい。
また、前記透明電極の各々の大きさは特に限定されない。したがって、前記透明電極の行方向の長さ(図3(b)におけるA2)及び列方向の長さ(図3(b)におけるB2)は特に限定されない。
例えば、図3(b)において、A2は50〜500μm程度とすることができる。また、B2は200〜2000μm程度とすることができる。上記範囲とすることで、放電が良好なプラズマディスプレィを形成できる。
ここで、このA2は、上記のように透明電極の行方向の長さであるが、より具体的には、透明電極の向い合う一組の辺、つまり、図3(b)に示すγ1及びγ2の長さを意味するものとする。更に、このγ1及びγ2の長さは異なってもよいので、γ1及びγ2の長さが異なる場合にA2は、γ1及びγ2のいずれか長い方の長さを意味するものとする。
また、このB2は、上記のように透明電極の列方向の長さであるが、より具体的には、γ1とγ2との距離を意味するものとする。
また、透明電極32は透明基板34の上面において、互いに独立し繋がっておらず、かつ、行列状に配列されている。
ここで、「独立し繋がっていない」及び「行列状」の定義は、上記本発明のマスクが有する開口部の説明において行った定義と同様である。なお、独立して繋がっているかどうかは、透明電極間の抵抗をテスターにて任意の点で10回測定し、その平均値で見積もることが可能であり、40MΩ以上、特に50MΩ以上であることが好ましい。
つまり、任意の透明電極32は行方向に隣り合う透明電極32と、図3(b)に示す距離C2を有し繋がっていない。また、任意の透明電極32は列方向に隣り合う透明電極32と、図3(b)に示す距離D2を有し繋がっていない。
なお、C2は上記のようには透明電極間の行方向の距離を意味するが、より具体的には、任意の透明電極32と、これに行方向に隣り合う透明電極32との距離のうち最短のものを意味するものとする。図3(b)のように、更に、透明電極32の向い合う一組の辺であるγ1及びγ2が行方向に平行であって、透明電極32が長方形の場合であれば、任意の透明電極32の辺γ1の端部と、これに行方向に隣り合う透明電極32の辺γ1の端部との距離と同じである。
また、同様に、D2は上記のように透明電極間の列方向の距離を意味するが、より具体的には、任意の透明電極32と、これに列方向に隣り合う透明電極32との距離のうち最短のものを意味する。図3(b)のように、更に、透明電極32の向い合う一組の辺であるγ1及びγ2が行方向に平行であれば、任意の透明電極32の辺γ1と、これに列方向に隣り合う透明電極32の辺γ2との距離と同じである。
また、図3(b)におけるC2及びD2の各々の好ましい長さの範囲は、上記の本発明のマスクにおけるC1及びD1の各々の好ましい長さの範囲と同様である。
このような、本発明の透明電極付き透明基板は図3(b)に示したように、列方向に隣り合う透明電極の向い合う行方向の辺が平行であることにより、プラズマを安定に放電させることが可能である。また、ここでいう「平行」とは、本発明の透明電極付き透明基板の製造方法により形成された本発明の透明電極付き透明基板をプラズマディスプレィの前面基板として使用した場合、透明電極間でガス放電が可能である程度の平行を意味する。したがって、完全な平行でなくてもよい。
更に、透明電極32の向い合う一組の辺であるγ1及びγ2が行方向に平行であることが好ましく、全ての透明電極32の向い合う一組の辺であるγ1及びγ2が行方向に平行であることが、更に好ましい。
また、本発明の透明電極付き透明基板において、透明電極の材質は特に限定されず、通常、プラズマディスプレィ前面基板の透明電極として用いることができるものであればよい。例えば、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化スズをドープした酸化インジウム(ITO)、酸化アルミニウムをドープした酸化亜鉛(AZO)が挙げられる。このような中でも、酸化インジウム、酸化スズ又は酸化亜鉛を80〜99質量%含有し、残部がドーパント材料であるものが好ましく、更に、酸化インジウムを80〜99質量%含有し、残部がドーパント材料であるものが好ましく、更に、酸化インジウムを80〜99質量%含有し、残部が酸化スズであるものが好ましい。
また、この透明電極は1種類材料からなる単層膜であってもよく、異なる種類の材料からなる層を2層以上有する積層膜であってもよい。
また、この透明電極の厚さは特に限定されないものの、透明電極がITOからなる場合、50〜250nmであることが好ましい。この厚さが薄すぎると透明電極の抵抗が高くなりプラズマが安定に放電しない場合がある。また、厚さが厚すぎるとITOの使用量が増えコストアップするとともに透過率が下がり輝度が低下する傾向がある。またその比抵抗値は4×10−4Ω・cm以下であることが好ましい。プラズマを安定に放電させることができるからである。
また、本発明の透明電極付き透明基板において、透明基板の材質、大きさ、形状等は、上記の本発明の透明電極付き透明基板の製造方法において説明したものと同様とすることができる。
次に、本発明のPDP前面基板の製造方法について説明する。
本発明のPDP前面基板の製造方法は、上記のような本発明の透明電極付き透明基板の製造方法に、更に、製造された透明電極付き透明基板の表面の行列状に配列された個々の透明電極を、前記行方向に繋ぐようにバス電極を形成する工程を具備する。
ここで、「行方向に繋ぐようにバス電極を形成する」とは、後述する本発明のPDP前面基板の説明において用いる図4(b)に示す態様のように、行方向に並んだ複数の透明電極の上に直線状のバス電極を配して、各々の透明電極をバス電極で繋ぐように、直線状のバス電極を形成することを意味する。なお、ここで「直線状」とは完全な直線を意味するものではなく、各々の行方向に並んだ透明電極を行方向に繋ぐことができる程度に、概ね直線であればよい。
また、ここで形成するバス電極は特に限定されず、例えば、従来公知のプラズマディスプレィパネルの前面基板を形成する際に用いることができるバス電極を用いることができる。
例えば、その材質としては、銅、アルミニウム、銀等が例示できる。
また、通常、バス電極は薄膜状であるが、その複数層は、例えばクロム/銅/クロム(Cr/Cu/Cr)積層薄膜層であってもよい。
また、バス電極の厚さは200〜5000nmであることが好ましく例示できる。同様に、幅は10〜200μmであることが好ましく例示できる。
また、本発明のPDP前面基板において、このようなバス電極を形成する方法は、例えば従来公知の方法を適用することができ、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、リフトオフ法、エッチング法、レーザを利用した方法等の利用することができる。また、例えば、上記本発明の透明電極付き透明基板の製造方法と同様に、直線状の開口部を有するマスクを用いたマスク成膜を適用する方法を挙げることができる。
本発明のPDP前面基板の製造方法は、このような方法で、製造された透明電極付き透明基板の表面の行列状に配列された個々の透明電極を前記行方向に繋ぐように、バス電極を形成する工程を具備する。
次に本発明のPDP前面基板について説明する。
本発明のPDP前面基板は、上記の本発明の透明電極付き透明基板に、更に行方向に直線状のバス電極を有するものであり、上記のような本発明のPDP前面基板の製造方法により製造することができる。
したがって、本発明のPDP前面基板におけるバス電極以外のものの態様は、全て上記の本発明の透明電極付き透明基板と同様である。また、バス電極の態様は、上記の本発明のPDP前面基板の製造方法において説明したものと同様である。
具体的には、本発明のPDP前面基板は、図4に示す態様のものである。
つまり、図3における透明電極32を形成した後、バス電極を形成することで、図4のようなPDP前面基板を形成する。図4において図4(a)は本発明のPDP前面基板の全体(PDP前面基板40)を表している。そして、図4(b)は、図4(a)の一部分を拡大した図であり、図3(b)の本発明の透明電極付き透明基板における透明電極32及び透明基板34の上面に、行方向に直線状のバス電極42を形成したものを表す図である。
ここで「行方向」の定義も図1〜図3の本発明の透明電極付き透明基板の場合と同様であり、図4(a)におけるPDP前面基板40の長手方向を意味するものとする。
なお、図4は例示であるので、本発明のPDP前面基板は、上記のような本発明の透明電極付き透明基板の表面の行列状に配列された透明電極を、前記行方向に繋ぐバス電極を有するものであれば、特に限定されない。
このような本発明のPDP前面基板の製造方法によれば、フォトリソグラフィ・エッチングプロセスを適用した場合と同程度の性能を有するプラズマディスプレィ前面基板を、レーザーパターニング法を適用した場合よりも高い生産性で製造することができる。
つまり、本発明のPDP前面基板の製造方法は、フォトリソグラフィ・エッチングプロセスを適用した場合の、製造工程が長く煩雑であり、設備費及びランニングコストが高く、環境負荷が大きい等の問題点、及び、レーザーパターニング法を適用した場合のパターン形成精度及び生産性が低いという問題点を解決した方法である。
なお、本発明は、単なるマスク成膜とは異なる。もしそうであれば、プラズマディスプレィの電極パターン形状をそのままマスクを用いて成膜できるはずである。しかし、それでは、マスクの各開口部が繋がってしまうことになり、マスクの強度低下により小さな力が加わっただけで壊れやすくなるのみならず、成膜時の熱応力・膜応力によって変形し膜にボケが生じやすいことから透明電極自身の精密性も低下する問題がある。上記問題点を克服するため、プラズマディスプレィの電極パターンが特殊な形状を有することに着目し、簡易なマスク成膜を用いて容易にパターニングできることを見出したものである。
さらに、本発明は、マスクの強度低下が問題となりやすい大型のパネルであっても、問題なく形成できる点で好ましい。
また、本発明は、透明電極およびバス電極を異なる材料で形成することができ、材料の選択性がある点で優れている。
以下に実施例及び比較例を示すが、本発明はこれに限定されない。
例1(実施例)
<透明電極付き透明基板の製造>
透明基板としてPDP用高歪み点ガラス(旭硝子社製PD200(740mm×420mm、厚さ2.8mm))を用いた。
また、マスクは図1と同じ形状を有するマスク(開口部は、図2(a)に記載されているような長方形のマスク)を用いた。具体的には、全体の大きさが720×400mmであり、厚さが40μmであり、図1(b)においてA1=200μm、B1=500μm、C1=300μm、D1=100μmである42Ni-Fe製のメタルマスクを用いた。
実施例において用いたこの透明基板及びマスクを、以下では「ガラス基板X」及び「マスクY1」ともいう。
このようなマスクY1をガラス基板Xの一方主面上に接触させ、他方主面側に希土類マグネットを配置して、マスクY1をガラス基板Xの表面に磁力でなるべく隙間がないように保持した。
このような方法によりマスクY1とガラス基板Xとを密着させると、マスクY1とガラス基板Xとが離れることにより生じるボケを抑制することができる。
このような状態でDCマグネトロンスパッタリング法を適用し、ガラス基板Xの表面にITOからなる透明電極を形成した。ここでターゲットは、10質量%酸化スズドープ酸化インジウムを使用した。また、成膜時のガラス基板Xの温度は250℃とし、Ar−O混合ガス雰囲気中でスパッタリングを行った。そして透明電極の厚さが130nmとなるように成膜時間を調整した。膜の組成はターゲットと同等であった。
このような方法で透明電極が形成されたガラス基板X(以下、「透明電極付き透明基板Z」ともいう。)は図3と同様であった。具体的には、図3(b)においてA2=220μm、B2=520μm、C2=280μm、D2=80μmである透明電極付き透明基板Zが形成された。ここでマスクY1の開口部の大きさ(A1及びB1)と比べ、形成された透明電極の大きさ(A2及びB2)が20μm程度大きくなっているが、これはガラス基板XとマスクY1との間に生じた僅かな隙の影響である。
しかし、プラズマを形成する列方向に隣り合う透明電極間の抵抗を、テスター(PC510、三和電気計器社製)にて任意の点で10回測定したところ、50MΩ以上となっており、プラズマディスプレィ前面基板として用いる場合として、十分な絶縁が確保されていることが確認できた。
また、同様の方法で行方向に隣り合う透明電極間の抵抗を任意の点で10回測定したところ、同様に50MΩ以上となっていた。
なお、透明電極の比抵抗値は2.0×10−4Ω・cmであった。
<プラズマディスプレィ前面基板の製造>
上記のような方法で製造した透明電極付き透明基板Zの表面にバス電極を形成した。
バス電極の形成は、クロム/銅/クロム(Cr/Cu/Cr)多層金属層をスパッタリングにより成膜し、これをパターニングすることで形成した。
このような方法でCr−Cu−Crのバス電極を形成し、図4と同様なプラズマディスプレィ前面基板を製造した。
このプラズマディスプレィ前面基板は、従来のものと同様な性能を有する。
例2(比較例)
例1で用いたマスクY1の代わりに、図5(a)、(b)のような透明電極及びバス電極を両方一度に形成するような開口部52を有するマスクY2(マスク50)を形成し、例1と同様に透明電極を形成する。
この方法では、マスクの強度が不十分である。また、十分に基板と密着しないため形成した透明電極にボケが生じる。また、この透明電極を用いてプラズマディスプレィ前面基板を形成しても、プラズマが発生し難い。
図1(a)〜(c)は、本発明で用いるマスクを例示する図である。 図2(a)〜(e)は、本発明で用いるマスクが有する開口部を例示する図である。 図3(a)、(b)は、本発明の透明電極付き透明基板を例示する概略図である。 図4(a)、(b)は、本発明のPDP前面基板を例示する概略図である。 図5(a)、(b)は、比較例で用いるマスクを示す図である。 図6は、従来のPDPの概略構成を示す概略図である。
符号の説明
1 前面基板
2 背面基板
3 隔壁
4 ブラックストライプ
5 表示電極
6 バス電極
7 アドレス電極
8 誘電体層
9 MgO保護層
10 蛍光体層
20 マスク
22、22a、22b 開口部
30 透明電極付き透明基板
32 透明電極
34 透明基板
40 PDP前面基板
42 バス電極
50 マスク
52 開口部
α1、α2 開口部の辺
β1、β2 開口部の辺
γ1、γ2 透明電極の辺
A1 開口部の長さ(行方向)
B1 開口部の長さ(列方向)
C1 開口部間の距離(行方向)
D1 開口部間の距離(列方向)
A2 透明電極の長さ(行方向)
B2 透明電極の長さ(列方向)
C2 透明電極間の距離(行方向)
D2 透明電極間の距離(列方向)

Claims (6)

  1. 複数の開口部を有するマスクを用いマスク成膜し、透明基板上に透明電極を形成する工程を具備するプラズマディスプレィ前面基板に用いる透明電極付き透明基板の製造方法であって、
    前記マスクにおいて、前記複数の開口部の各々の形状は略矩形であり、前記複数の開口部は互いに独立し繋がっておらず、かつ、前記マスク上の任意の一方向である行方向及びこの行方向と直角方向である列方向に行列状に配列されており、更に、前記マスクにおける全ての開口部において、前記列方向に隣り合う開口部の向い合う前記行方向の辺が平行である透明電極付き透明基板の製造方法。
  2. 前記複数の開口部において、これらの中の任意の開口部と、これに行方向に隣り合う他の開口部との距離が50〜500μmである、請求項1に記載の透明電極付き透明基板の製造方法。
  3. 前記複数の開口部において、これらの中の任意の開口部と、これに列方向に隣り合う他の開口部との距離が50〜150μmである、請求項1又は2に記載の透明電極付き透明基板の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の透明電極付き透明基板の製造方法に、更に、製造された透明電極付き透明基板の表面の行列状に配列された個々の透明電極を、前記行方向に繋ぐようにバス電極を形成する工程を具備する、プラズマディスプレィ前面基板の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の透明電極付き透明基板の製造方法により製造される透明電極付き透明基板。
  6. 請求項4に記載のプラズマディスプレィ前面基板の製造方法により製造されるプラズマディスプレィ前面基板。
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WO2021065981A1 (ja) * 2019-10-04 2021-04-08 凸版印刷株式会社 蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法

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