JP2005175460A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プラズマ処理を繰り返し実施しても、処理室内のダストの発生量が少なく、安定したプラズマ処理をその再現性を高めて行なうことができるプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】 プラズマ処理装置において、誘電体窓の外部若しくは内部に形成され、かつプラズマ励起用コイル又は電極がその内部に配置されるとともに、当該内部に電気絶縁性液体が収容される液室と、上記液体の冷却手段及び加熱手段を有し、上記液室に収容された上記液体の温度を調整し、当該液体を介して上記プラズマ励起用コイル又は上記電極及び上記誘電体窓の温度を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体等の薄膜回路や電子部品、あるいは上記電子部品等が実装される基板の製造に利用されるドライエッチング装置、プラズマCVD装置などのプラズマ処理装置に関する。
従来、半導体等の薄膜回路、電子部品、又は基板の製造に利用されるプラズマ処理装置の1つとして、真空容器の外部に位置されるプラズマ励起用コイル又は電極に高周波電力を印加することによって真空容器内にプラズマを励起し、当該励起されたプラズマでもって、真空容器内に配置された基板(ワーク)等に対してプラズマ処理を行なう高周波プラズマ励起方式のプラズマ処理装置がある。この方式のプラズマ処理装置は、真空容器外で高周波電磁界を発生させ、その高周波電磁界を誘電体窓を介して真空容器内に伝達し、この電磁界で電子の加速を行ない、プラズマを励起させて当該処理を実施するものである。
このような従来のプラズマ処理装置の一例としてプラズマ処理装置500の模式断面図を図10に示す(例えば、特許文献1、特許文献2、又は特許文献3参照)。
図10に示すように、プラズマ処理装置500は、有底体であって略円筒形状を有する真空容器501(なお、図10においては、真空容器501の一部のみを図示している)と、真空容器501の上部における開口部を塞ぐように備えられた略半球殻状の誘電体材料(例えば、石英)で形成されたベルジャー(誘電体窓)502とを備えており、真空容器501とベルジャー502とで密閉された空間でありかつプラズマ処理が行なわれる処理室503が形成されている。さらに、プラズマ処理装置500は、真空容器501の側面上部に設けられ、真空容器501内に所定の反応ガスを導入する反応ガス供給部504と、真空容器501内(処理室503内)の空気若しくはガスの排気を行なう真空排気装置である真空ポンプ(図示しない)が備えられている。また、ベルジャー502の上方近傍には、線状導体によりスパイラル状に形成されたプラズマ励起用コイル505が配置されており、コイル505に高周波電力を印加するコイル用高周波電源506が備えられている。また、真空容器501内の略中央付近には、基板電極507が備えられており、この基板電極507に高周波電力を印加する基板電極用高周波電源508が備えられている。また、プラズマ処理が施される基板509が真空容器501内の基板電極507の上に保持されている。
また、図10に示すように、高周波電力が印加されたコイル505より発生される電磁界を装置外部に逃さないようにするため、コイル505及びベルジャー502は導体部材により形成されたアースシールド510により覆われている。このアースシールド510においては、その図示左端に通風孔511が、その図示右端に冷却ファン512が備えられており、冷却ファン512によりアースシールド510内の空気を装置外部に排気するとともに、通風孔511より装置外部の空気をアースシールド510内に導入することが可能となっている。
このような構成の従来のプラズマ処理装置500においては、真空容器501内(すなわち、処理室503内)より、上記真空ポンプにて空気の排気を行ない、反応ガス供給部504より所定の反応ガスを導入しつつ、処理室503内を所定の圧力に保つ。このような状態において、コイル用高周波電源506によりコイル505に高周波電力を印加し、コイル505よりベルジャー502を介して処理室503内の反応ガスに対して電磁界を付与し、プラズマを励起する。この励起されたプラズマを用いて、基板電極507に保持された基板509に対して、エッチング、堆積、又は表面改質等のプラズマ処理を行なうことができる。このとき、基板電極507にも基板電極用高周波電源508により高周波電力を印加することで、基板509に到達するイオンエネルギーを制御することができる。
また、このようなプラズマ処理の際には、高周波の印加時間とともに、ベルジャー502やコイル505が昇温することとなるが、アースシールド510内部の空間の雰囲気が、冷却ファン512及び通気孔511により機械換気されるため、当該昇温を少し低減させることができる。
さらに、従来の別の例にかかるプラズマ処理装置600の模式断面図を図11に示す(例えば、特許文献4、又は特許文献5参照)。図11に示すように、プラズマ処理装置600は、略半球殻状のベルジャー502に代えて、平板状の誘電体窓602を備えている点において、上述のプラズマ処理装置500とは異なる構成を有している。具体的には、プラズマ処理装置600は、有底体かつ略円筒状の真空容器601と、平板状の誘電体窓602と、反応ガス供給部604と、平面渦巻き状コイル605と、コイル用高周波電源606と、基板609を載置保持可能な基板電極607と、基板電極用高周波電源608と、アースシールド610と、真空ポンプ613とを備えている。また、真空容器601の上部開口が、誘電体窓602により閉止されて密閉されており、その密閉された内部空間がプラズマ処理室603となっている。また、コイル用高周波電源606とコイル605との間には、整合器606aが備えられており、基板電極用高周波電源608と基板電極607との間にも、整合器608aが備えられている。
また、図11に示すように、アースシールド610の側面には通風孔611が形成されており、また、整合器606aの上部には冷却ファン612が備えられ、整合器606aと連結するアースシールド610の中央部には、大きな開口がある。このように冷却ファン612と通風孔611が備えられていることにより、プラズマ処理の際に昇温する誘電体窓602及びコイル605を外部空気により冷却して、当該昇温を少し抑えることができる。
さらに、基板電極607の内部には冷温媒液を循環可能な内部液路614が形成されており、当該液路614は、装置外部に設置されたチラーユニット615と冷温媒液循環通路616を通じて連通されている。なお、このような冷温媒液としては、例えば、水、エチレングリコール、フッ素系オイル等が用いられる。また、チラーユニット615には、上記冷温媒液を循環させるポンプ、冷凍機、ヒータ、上記冷凍機のための水冷(空冷)装置等が備えられている。このようなチラーユニット615により、プラズマ処理の際に昇温される基板電極607を冷却して、上記昇温を抑制することができる。また、プラズマ処理の準備のために、予め、基板電極607を加温しておくこともできる。
特開2003−59904号公報 米国特許第5540824号明細書 特開平9−74089号公報 特開2000−21858号公報 特開平3−79025号公報
しかしながら、従来のプラズマ処理装置500では、小径の冷却ファン512と通気孔511によりベルジャー502とコイル505を覆うアースシールド510内の空間を機械換気することで、昇温されるベルジャー502等の冷却を行っているため、冷却能力不足により、電磁界の放電時間の経過と共にベルジャー502が、例えば200℃程度まで昇温する場合がある。放電時間が3分以上に及ぶ場合は、この傾向が顕著となる。このように、ベルジャー502が昇温されるような場合にあっては、ベルジャー502の内壁に堆積された付着膜より、ガス成分の放出が発生し、処理室503内のプラズマ処理領域Rの雰囲気を変化させる。
また、プラズマ処理の停止、あるいはプラズマ処理装置500の待機中にあっては、ベルジャー502の温度も室温まで降温されることとなる。このような場合にあっては、上記誘電体窓の温度が低いので、次回のプラズマ処理時に上記誘電体窓への膜堆積が促進されると共に、上記付着膜が、プラズマ処理領域R内の残留ガス成分を吸着し、次回昇温時の脱ガス源となる。このようなプラズマ処理実施と処理停止との繰り返しにより、プラズマ処理領域R内の雰囲気が安定(一定)せず、処理回数を増すと共に、上記付着膜の膜厚が増すために当該雰囲気が変化することとなり、再現性に優れたプラズマ処理を行なうことができないという問題がある。
また、このようなプラズマ処理とプラズマ停止とを繰り返すことで、ベルジャー502の石英と上記付着膜が昇温と降温を繰り返すこととなり、両者の間の熱膨張率の差により、上記付着膜の剥がれが発生し、基板電極507に載置されている基板509上にダストが被着して、被処理基板上のデバイスに不良を生じるという問題もある。
さらに、プラズマ処理の際に、コイル505の周囲のコロナ放電とプラズマ発光中の紫外線によりオゾンが発生し、この発生されたオゾンが冷却風によりプラズマ処理装置500の外部に拡散する場合がある。このような場合にあっては、作業者の健康問題となり、また、装置部品の劣化を促進するという問題がある。
このような夫々の問題は、プラズマ処理装置600についても同様に起り得るが、プラズマ処理装置600においては、略半球殻状ではなく、平板状の誘電体窓602が用いられているため、処理室603の真空に耐えるため(すなわち、大気圧力に耐えるため)、その厚さ寸法が厚くならざるを得ず、誘電体窓602が熱伝達率の低い材料である石英等で形成されていることも加わって、誘電体窓602は、さらに冷却され難いという問題もある。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、プラズマ処理を繰り返し実施しても、安定したプラズマ処理をその再現性を高めて行なうことができ、処理室内のダストの発生量を少なくすることができるプラズマ処理装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、真空化された処理室内に導入された反応ガスに電磁界を付与してプラズマを励起させ、上記処理室内の基板に対しプラズマ処理を行なうプラズマ処理装置において、
その内部において上記基板が保持され、当該基板に対する処理が行われる上記処理室を形成する真空容器と、
上記処理室を密閉するように当該真空容器の一部をなす誘電体窓と、
上記誘電体窓を介して上記処理室と対向して配置され、高周波電力が印加されることで、当該誘電体窓を介して上記処理室内部に電磁界を付与するプラズマ励起用コイル又は電極と、
上記処理室内に上記反応ガスを供給するガス供給部と、
上記処理室内を排気して上記処理室内の圧力を略一定に保つ真空排気装置と、
上記プラズマ励起用コイル又は上記電極に上記高周波電力を印加する高周波電源と、
上記誘電体窓をその一部となして、当該誘電体窓における上記処理室側の表面とは反対側の表面を電気絶縁性液体中に浸積させるように当該液体を収容する液室をその内部に形成し、かつ、当該液室内に上記プラズマ励起用コイル又は上記電極を配置する液体収容容器とを備えるプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第2態様によれば、上記電気絶縁性液体の冷却装置又は加熱装置、又はその両装置を有し、上記液体収容容器に収容された上記液体の温度を調整し、当該液体を介して上記プラズマ励起用コイル又は上記電極及び上記誘電体窓の温度を制御する液体温度調整装置を備える第1態様に記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第3態様によれば、上記誘電体窓を除く上記液体収容容器が、導電体で形成される第2態様に記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第4態様によれば、上記液体収容容器が上記誘電体窓と一体化された1つの誘電体窓として形成され、
当該一体化された誘電体窓の内部に上記電気絶縁性液体の液流路が上記液室として形成され、当該液室中に上記プラズマ励起用コイルが配置される第2態様に記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第5態様によれば、上記液体温度調整装置は、上記液体収容容器外に配置され、
上記電気絶縁性液体を循環可能に上記液室と連通された液流路と、
上記液流路を通して上記電気絶縁性液体を循環させる液体循環装置とを備える第2態様から第4態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第6態様によれば、上記液体温度調整装置は、上記液体収容容器内に収容された上記電気絶縁性液体との間で熱交換を行なう熱交換器部を当該液体収容容器の壁部に備え、
上記電気絶縁性液体と区分可能に上記熱交換器部に収容された流体が、上記冷却装置又は上記加熱装置により温度調整されることで、上記液体収容容器内の上記電気絶縁性液体の温度調整を行なう第2態様から第4態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第7態様によれば、上記冷却装置は、上記液体収容容器の外壁面を空気冷却する空気冷却装置であり、
上記加熱装置は、上記液体収容容器の内部又は外部に配置された加熱ヒータである第2態様から第4態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第8態様によれば、上記液体温度調整装置は、
上記液室への上記電気絶縁性液体の供給部と、
上記電気絶縁性液体の気化により生成される液体蒸気の上記液室よりの排出部とを備え、
上記電気絶縁性液体は、上記誘電体窓と上記プラズマ励起用コイル又は上記電極の調整温度若しくはその近傍の温度を沸点とする液体である第2態様から第4態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第9態様によれば、上記液体収容容器内において、上記電気絶縁性液体に上記プラズマ励起用コイルがさらに浸積されるように、当該電気絶縁性液体が収容される第1態様から第8態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第10態様によれば、上記液体収容容器内に供給される上記電気絶縁性液体の圧力でもって、上記プラズマ励起用コイルを上記誘電体窓の上記液室側の表面に密着させる第1態様から第5態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第11態様によれば、上記液体収容容器内において上記液室を、上記電気絶縁性液体が供給される第1室と、上記第1室に供給された上記液体をその内部に供給可能に当該第1室と連通され、上記誘電体窓の上記液室側表面及び上記プラズマ励起用コイルが当該内部に配置される第2室とに区分する液室区分部材と、
当該液室において、上記第1室と上記第2室との区分位置を可変可能な方向に案内しながら上記液室区分部材の支持を行う支持案内部材とをさらに備え、
上記第1室に収容された上記液体と上記第2室に収容された上記液体との圧力差により、上記プラズマ励起用コイルを上記誘電体窓の上記表面に押圧させて密着させる第10態様に記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第12態様によれば、上記液室収容容器内の上記第2室において、略螺旋状に巻き回される上記プラズマ励起用コイルの間隙が上記液室区分部材と上記誘電体窓とで囲まれた略螺旋状の液流路が形成される第11態様に記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第13態様によれば、上記液室収容容器内の上記第2室において、上記略螺旋状の液流路の中心側から外周側に向けて上記電気絶縁性液体が流通可能に、上記第1室から上記第2室への上記液体の供給位置が、当該液流路の中心側に配置されている第12態様に記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第14態様によれば、上記電気絶縁性液体が、比抵抗1×10Ω・cm以上の純水である第2態様から第13態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第15態様によれば、上記電気絶縁性液体が、フッ素系不活性オイル、シリコン系オイル、又は有機油脂類である第2態様から第13態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の上記第1態様又は第2態様によれば、上記真空容器と対向配置されるとともに上記誘電体窓により密閉されて、その内部に電気絶縁性液体が収容される液体収容部を形成する液体収容容器と、上記液体の冷却装置、あるいは上記冷却装置に加えて加熱装置をも有し、上記液体収容部に収容された上記液体の温度を調整する液体温度調整装置とを備えていることにより、当該電気絶縁性液体を介してプラズマ励起用コイルあるいは電極を冷却又は加熱し、上記誘電体窓の温度を所望の温度に調整することができる。
例えば、上記保持された基板に対するプラズマ処理が行なわれる際には、上記誘電体窓が昇温されることとなるが、上記冷却装置を用いて上記電気絶縁性液体を冷却することで、当該電気絶縁性液体に接触されている上記誘電体窓の表面より、上記昇温に伴う熱量を除去して、当該誘電体窓の昇温を抑制することができる。このような昇温の抑制は、上記誘電体窓の内側表面(すなわち、上記処理室側の表面)に形成された堆積膜より、上記処理室内にガス成分が放出されることを抑制することができる。
一方、プラズマ非処理時(例えば、上記プラズマ処理の待機中、あるいはプラズマ処理完了後)においては、降温される上記誘電体窓に対して、上記加熱装置により上記加熱を行なうことで当該誘電体窓の上記降温を抑制し、上記所定の温度範囲内に保つことができる。これにより、プラズマ処理時の上記誘電体窓への膜堆積を抑制し、上記堆積膜が、上記処理室内のガス成分を吸着することを抑制することができる。従って、プラズマ処理及び非処理が繰り返されることにより発生するガス成分の放出及び吸着を抑制することができ、上記処理室内の雰囲気を安定化して、再現性の高いプラズマ処理を行なうことが可能となる。
また、このような上記電気絶縁性液体が収容される上記液体収容部内に上記プラズマ励起用コイルが配置されて、例えば、当該コイルが上記電気絶縁性液体中に浸漬されていることにより、上記誘電体窓の温度調整とともに同時的に上記コイルの表面温度をも調整することができる。例えば、上記プラズマ処理の際に、上記高周波電力が印加されて昇温される上記コイルを、上記電気絶縁性液体を介して冷却することで、当該昇温を抑制することができる。このような冷却により上記コイルの表面温度を積極的に下げることは、上記コイルの過昇温に伴う赤外線輻射による基板温度の上昇を抑制することができ、上記コイル自身の熱酸化による劣化をも防止することができる。以上のような上記誘電体窓と上記プラズマ励起用コイルの温度調整の効果は、プラズマ処理時間が3分以上数時間に及ぶ場合でも、十分な効果を発揮し、温度の変動を最小とする。
また、このような上記誘電体窓及び上記プラズマ励起用コイルの温度調整が、従来のように空気の換気により行なわれるのではなく、上記誘電体窓及び上記コイルに接触される上記電気絶縁性液体を用いて、当該電気絶縁性液体と上記誘電体窓及び上記コイルとの間の伝熱により行なわれることにより、伝熱性の向上と、間欠的プラズマ加熱に対する大容量の上記液体の熱容量による温度安定性により、この温度制御の効率やその制御性を向上させることができる。
また、従来のプラズマ処理装置のように、コイルの周囲の空気を機械換気すること(装置外部より新たな空気を取り入れ、上記周囲の空気を装置外部に放出すること)で上記コイルや上記誘電体窓の冷却を行なうのではなく、上記第1態様又は第2態様のプラズマ処理装置においては、その内部に上記コイルを配置する上記液体収容部に収容された上記電気絶縁性液体の温度を調整することで、上記コイル等の冷却等を行なうため、空気中のコロナ放電や紫外線による空気中の酸素分子の分離結合が無いのでオゾンを発生しない。従って、作業者の健康問題を改善することができ、また、オゾン拡散により当該装置及び周辺装置の装置構成部品の劣化が促進されることを確実に防止することができる。
本発明の上記第3態様によれば、上記液体収容部が、上記アース電位の導電体の内壁と上記誘電体窓の外側表面とで囲まれた空間として形成され、この上記液体収容部内に上記プラズマ励起用コイルが収納されることで、簡素な構造で完全に密閉されたアースシールドを兼ねた上記液体収容部を形成することができ、小型で電磁波の漏れの無いプラズマ処理装置を提供することができる。
本発明の上記第4態様によれば、上記液体収容容器が上記誘電体窓と同様に誘電体材料により形成され、上記液体収容部と上記誘電体窓とにより形成された一続きの上記液体の流路を上記液体収容部として備えることにより、上記液体収容容器と上記誘電体窓とを合体させた1つの誘電体窓の内側に上記液流路を形成した状態とすることができる。上記誘電体窓が大口径の平板形状であり、大気圧に耐える十分な厚みを採るような場合であっても、当該誘電体窓の上記プラズマ処理室側表面と、上記液体の流路との距離を小さくすることができ、冷却及び加温性能の高いプラズマ処理装置を提供することができる。
また、このように上記誘電体窓の内部に形成された上記流路内に上記プラズマ励起用コイルあるいは上記電極が配置されることにより、上記コイルが上記誘電体窓の外側表面のさらに外側に配置されるような場合と比べて、当該コイルを上記処理室内部に近づけることができ、高密度なプラズマ励起を実現可能とする。
また、本発明の上記第5態様によれば、上記液体温度調整装置は、上記液体収容部外に配置され、上記液体収容部と連通された液流路と、当該液流路を通して上記電気絶縁性液体を循環させる液体循環装置とを備えることで、上記液体温度調整装置の設置の自由度を高めることができ、冷却あるいは加温の性能を高めることができる。また、このような上記液体温度調整装置には、例えば、チラー、サーキュレータ、又は恒温層と呼ばれる市販品を適用することが可能であり、入手の容易性を有するという利点がある。
また、本発明の上記第6態様によれば、上記液体収容部を略閉じた狭い容積として、この上記液体収容部内に収容される上記電気絶縁性液体(例えば、電気絶縁性のフッ素系不活性オイル)の収容量を少なくして、そのコスト削減を図ることができる。また、このような上記液体収容部の小容積化は、収容されている上記電気絶縁性液体の漏洩等を起り難くすることができる。さらに、上記熱交換器部において、上記電気絶縁性液体と区分可能に収容される上記流体として、上記電気絶縁性液体に代えて、電気絶縁性を有さない流体、例えば水(純水以外の水)等を用いることができ、このような点からも上記電気絶縁性液体に要するコストを削減することができる。
また、本発明の上記第7態様によれば、上記液体収容部外に別置きの上記液体温度調整装置を設ける必要がなく、当該液体温度調整装置を上記液体収容部とコンパクトに一体化することができ、小型で、上記電気絶縁性液体のコストが小さく、また、漏洩等のトラブルの起り難いプラズマ処理装置を提供することができる。
また、本発明の上記第8態様によれば、上記電気絶縁性液体として、所望の温度、すなわち、上記誘電体窓と上記プラズマ励起用コイル又は上記電極の調整温度に略合致する温度を沸点とする液体を用いることで、上記液体温度調整装置に特別な冷却機構を備えさせることを不要として、上記液体自身の蒸発潜熱を用いることにより、高い冷却能力を備え、小型で簡素な構成を有するプラズマ処理装置を提供することができる。
また、本発明の上記第9態様によれば、上記液体中に上記誘電体窓が浸積されるだけでなく、上記プラズマ励起用コイルも浸積されるように、当該液体が上記液体収容部に収容されることで、従来のように大気雰囲気中にプラズマ励起用コイルが配置された状態で高周波電力が印加されることにより生じていたオゾン等の発生を確実に防止することができる。
また、本発明の上記第10態様によれば、上記液体収容部に供給される上記液体の圧力でもって、上記プラズマ励起用コイルを上記誘電体窓の表面に密着させることができ、当該密着状態にて上記コイルに高周波電力が印加させることで、当該誘電体窓における上記処理室側の表面に、高い電圧を誘電させることができ、上記処理室において低圧力でも放電を開始あるいは放電を維持しやすくさせることができる。
また、本発明の上記第11態様から第13態様によれば、上記コイルの冷却又は加温を確実かつ安定して行うことができるとともに、上記誘電体窓の冷却又は加温を均一な状態で行うことができる。
本発明の上記第14態様によれば、上記電気絶縁性液体が、比熱が大きく電気的絶縁性を有する純水であることにより、上記誘導コイルとの接触のために必要な電気的絶縁性と、入手の容易さと、その良好な取扱性と、さらに安全性とを併せ持ち、装置全体の取扱性をも良好とされた実用性の高いプラズマ処理装置を提供することができる。また、上記純水の比誘電率が約70と大きいことは、誘電損失がやや大きいものの、プラズマ励起に静電界の効果を増し、着火性の良いプラズマ処理装置を提供する。
また、本発明の上記第15態様によれば、上記電気絶縁性液体が、電気的絶縁性を有することに加えて、不燃性、化学的不活性、及びその使用可能温度範囲が広範囲であるという特性を有するフッ素系不活性オイル、シリコン系オイル、又は有機油脂類であることにより、上記電気絶縁性液体を閉回路で使用することで、上記プラズマ処理装置への適用性を良好なものとすることができる。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかるプラズマ処理装置の一例であるプラズマ処理装置800の模式断面図を図1に示す。
図1に示すように、プラズマ処理装置800は、有底体であって略円筒形状を有する真空容器801と、真空容器801の上部における開口部を塞ぐように備えられた略円盤状の誘電体材料(例えば、石英)で形成された誘電体窓(石英板)802とを備えており、真空容器801と誘電体窓802とで密閉された空間でありかつプラズマ処理が行なわれる処理室803が形成されている。
また、図1に示すように、真空容器801は、略円筒形状の有底体の下方部分である下部真空容器801bと、その上方部分であり環状形状を有する上部真空容器801aとに分かれており、上部真空容器801aと下部真空容器801bとを互いに結合させることにより、真空容器801が構成されている。なお、上部真空容器801aと下部真空容器801bとの互いの結合部分には、シール部材、例えばOリング828が配置されており、当該結合部分における気密性が確保されている。
また、プラズマ処理装置800には、真空容器801の上部真空容器801aの内側面上部に設けられて、真空容器801内に所定の反応ガスを導入する反応ガス供給部の一例である複数の反応ガス供給孔4と、真空容器801の下部真空容器801bの内側面に設けられた排気口13aに排気通路13bにて接続され、真空容器801内(すなわち、処理室803内)の空気若しくはガスの排気を行なう真空排気装置の一例である真空ポンプ13とが備えられている。また、誘電体窓802の上方近傍には、矩形状断面を有する平板状導体によりスパイラル状(螺旋状)に形成されたプラズマ励起用コイルの一例であるコイル805(あるいはプラズマ励起用コイル805)が、誘電体窓802の外側表面(すなわち、誘電体窓802を介して処理室803と対向配置されるように、処理室803側の表面とは反対側の表面)に沿って配置されており、コイル805に整合器818を経由して高周波電力を印加するコイル用高周波電源806が真空容器801の外部に備えられている。また、真空容器801内の略中央付近には、基板電極の一例である下部電極7が備えられており、この下部電極7に整合器19を経由して高周波電力を印加する下部電極用高周波電源8が真空容器801の外部に備えられている。また、プラズマ処理装置800によりプラズマ処理が施される基板9が真空容器801内の下部電極7の上に保持されている。
また、図1に示すように、誘電体窓802の外側表面近傍に配置されたコイル805全体を覆うように、アース電位の導電体(導電材料、例えば、アルミニウム又は合金)で形成されたアースシールド容器810(あるいは上部電極ケース810)が、真空容器801の上部真空容器801aの上部に固定されて備えられている。また、このアースシールド容器810の略中央付近には、コイル用高周波電源806に整合器818を経由して接続された中心電極814が、アースシールド容器810と電気的に接触することがないように、絶縁ブッシュ815を介して取り付けられており、さらに、この中心電極814はスパイラル状のコイル805の中央部分の端部に印加端子816を介して接続されている。また、外周側におけるコイル805の端部は、アース端子817を介してアースシールド容器810に接続されており、アースシールド容器810は、コイル用高周波電源806のアース極に接続されている。これにより、コイル用高周波電源806より中心電極814及び印加端子816を通して、コイル805に高周波電力を印加することが可能となっている。なお、コイル805、中心電極814、印加端子816、及びアース端子817のそれぞれには、例えば金メッキが施されている。さらに、アースシールド容器810の外側上部には、整合器818をその内部に配置するケーシング819が取り付けられており、整合器818より発せられる熱量を除去するために、ケーシング819にはその内部の空気を機械的に換気する冷却ファン860が設置されている。
また、図1に示すように、真空容器801の上部における開口部分を覆うように誘電体窓802を配置した状態にて、アースシールド容器810を真空容器801の上部に固定することにより、上記配置された状態の誘電体窓802を当該配置にて固定することが可能となっている。また、このように誘電体窓802が固定された状態にて、アースシールド容器810の内側空間が、誘電体窓802の外側表面(処理室と反対側の表面)により密閉されて、かつ、コイル805がその内部に配置された空間が形成されている。この空間内には、後述するように電気絶縁性液体の一例である冷温媒液を収容することが可能となっており、当該空間が液体収容部の一例である液室820となっており、さらに、このアースシールド容器810が液体収容容器の一例となっている。また、誘電体窓802の図示下側の表面が処理室側表面となっており、その反対側の表面が液室密閉側表面となっている。
さらに、図1に示すように、この液室820の内部においては、誘電体窓802の上記外側表面上に配置されるスパイラル状のコイル805の図示上部と係合される溝部850aがその下面に形成された円板状のコイル保持板850が配置されている。すなわち、コイル805は、コイル保持板850の図示下面に保持されてそのスパイラル状の形状が規定された状態にて、液室820内における誘電体窓802の上記外側表面上に配置されている。また、コイル保持板850は、その円板状の外形が、アースシールド容器810の内側側面の形状と略同じ大きさにて形成されており、液室820の側壁(周面)に沿って摺動可能に配置されている。また、このコイル保持板850は、アースシールド容器810の内側天板に固定された支持案内部材の一例である複数のガイドボルト851により、図示上下方向の移動(すなわち、上記摺動)を案内可能に支持されており、当該支持によりアースシールド容器810の内側において、コイル保持板850の回転及び抜けが防止されている。さらに、この各ガイドボルト851には、付勢バネ852が取り付けられており、この付勢バネ852は、図示上下方向に配置されたガイドボルト851に沿って、コイル保持板850を誘電体窓802に向けて常時付勢する機能を有している。
また、このように液室820内にてコイル保持板850及びコイル805が配置されていることにより、液室820が、コイル保持板850により第1室の一例である上室820a及び第2室の一例である下室820bの2つの室に区分されている。すなわち、本第1実施形態において、コイル保持板850は、液室820を上記2つの室に区分する液室区分部材の一例となっている。また、このコイル保持板850はその支持位置が可変可能とされていることにより、上記2つの室の区分位置も、例えば、外力が付与されること等により可変可能とされている。
上室820aと下室820bとは、コイル保持板850の略中央に形成された貫通孔850aにより互いに連通されている。さらに、下室820bにおいては、コイル保持板850に保持された状態のコイル805の下面が誘電体窓802の上記外側表面に当接された状態とされていることにより、スパイラル状の形状を有するコイル805間の空間(間隙)が、コイル保持板850の図示下面と、誘電体窓802の上記外側表面とで囲まれて、冷温媒液のスパイラル状の液流路854が形成されている。すなわち、液室820において、上室820aは、貫通孔850aを通して、下室820bに形成されたスパイラル状の液流路854の中央部分と連通されている。
さらに、アースシールド容器810には、その側壁を貫通するように、上室820aへの上記冷温媒液の供給孔810bと、下室820bにおけるスパイラル状の液流路854の外周端部に連通され、かつ当該液流路854からの上記冷温媒液の排出孔810aとが形成されている。このように、上記冷温媒液の供給孔810bと排出孔810aが形成されていることにより、供給孔810bより上室820a内に供給された上記冷温媒液が貫通孔850aを通して下室820b内に流れ込み、スパイラル状の液流路854の中心から外周端部に向けて上記冷温媒液を流通させて、当該外周端部にて排出孔810aを通して当該冷温媒液を排出させることが可能に、上記冷温媒液の一続きの液流路が、液室820内に形成されている。このような一続きの液流路が形成されていることにより、流通させる上記冷温媒液の温度を調整することで、誘電体窓802及びコイル805の温度を調整することが可能となっている。
また、図1に示すように、下部電極7の内部には、冷温媒液が通過可能な液流路823が形成されており、所望の温度に調整された冷温媒液をこの液流路823の一端である供給孔823bからその他端である排出孔823aまで流通させることで、下部電極7を所望の温度に保つことが可能となっている。
さらに、真空容器801の上部真空容器801a内にも、例えば環状に形成された冷温媒液の液流路853が形成されており、この液流路853には冷温媒液の供給孔853bと排出孔853aが形成されている。所望の温度に調整された冷温媒液を、この供給孔853bを通して液流路853内に供給され、排出孔853aを通して排出させるように流通させることで、上部真空容器801aの内側側面を通して、処理室803内の壁面温度を所望の温度に調整することが可能となっている。
また、これらの供給孔810b、853b、及び823bと、排出孔853a、823a、及び液流路822とを連通する液流路の一例である液流路822が、チラーユニット821に接続されて設けられている。チラーユニット821は、冷温媒液の冷却を行なう冷凍機(冷却装置の一例である)と、上記冷温媒液の加熱を行なうヒータ(加熱装置の一例である)と、上記冷温媒液を収容するための冷温媒液タンクと、上記冷温媒液の供給(循環)を行なう液体循環装置の一例であるポンプと、上記冷凍機の冷却動作により生じる熱を除去する水冷若しくは空冷装置と、これら夫々の構成部の動作を制御することにより、上記冷温媒液の温度を所望の温度に制御する温度制御装置821aと、上記冷温媒液の温度を検出するとともに、温度制御装置821aに当該検出された温度を出力する温度センサ821bとを備えている。このように構成されるチラーユニット821は、上記冷温媒液を冷却又は加熱することで、当該冷温媒液の温度を所望の温度に調整(制御)する機能と、この温度制御された冷温媒液を液流路822を通して液室820内等に供給するとともに、液室820内等に収容された上記冷温媒液を液流路822を通して循環回収する機能とを併せて備えている。
具体的には、図1に示すように、チラーユニット821より液流路822を通して送り出された冷温媒液は、下部電極7内の液流路823に供給され、この液流路823より排出された冷温媒液が液流路822を通して上部真空容器801a内の液流路853内に供給され、この液流路853より排出された冷温媒液が液流路822を通して液室820内に供給され、液室820より排出された冷温媒液が液流路822を通して、再びチラーユニット821に戻されるように、液流路822による一続きの循環流路が形成されている。
なお、図1においては、温度センサ821bがチラーユニット821における上記冷温媒液の出口近傍に設置されている場合について説明したが、温度センサ821bの配置はこのような場合にのみ限定されるものではない。例えば、チラーユニット821における上記冷温媒液の内部のタンク等に設置されるような場合であってもよく、あるいは、液室820内の上記冷温媒液の温度を検出可能に、液室820内に設置されるような場合であってもよい。
なお、このような冷温媒液としては、例えば、フロリナートやガルデン(共に商品名又は商標)等に代表されるフッ素系不活性オイル、あるいはシリコン系オイル、又は純水、その他、有機油脂類等の絶縁油を用いることができる。これらの液体は電気的絶縁性を有しているため、導電性材料で形成され高周波電力が印加されるコイル805に接触しても、ショートや漏電が発生しないという特徴を備えており、さらに、誘電体でもあるため、誘電体窓802を介して処理室803内部に発生される静電界を高めることが可能となっている。なお、上記純水としては、その電気絶縁性を担保するため、抵抗率が1×10Ω・cm以上であるものを用いる。
また、プラズマ処理装置800において、誘電体窓802と真空容器801との接合部分、真空容器801とアースシールド容器810との接合部分、及び上述した上部真空容器801aと下部真空容器801bとの接合部分には、夫々Oリング826、827、828が設けられており、処理室803及び液室820の気密性が担保されている。
さらに、プラズマ処理装置800においては、コイル用高周波電源806による高周波電力の印加動作、下部電極用高周波電源8による高周波電力の印加動作、真空ポンプ13による真空排気動作の夫々の動作制御を互いに関連付けながら、統括的な制御を行なう制御装置90が備えられている。このような制御装置90により、上記統括的な制御が行なわれることで、下部電極7に載置された基板9に対するプラズマ処理を行なうことが可能となっている。なお、チラーユニット821による上記冷温媒液の温度調整動作(すなわち、温度制御装置821aによる温度制御動作)は、通常は当該チラーユニットにおいて自律的に行なわれている。
このような構成のプラズマ処理装置800により、基板9に対してプラズマ処理を行なう方法について説明する。なお、以下の夫々の動作は、制御装置90によって、互いに関連付けられながら統括的な制御として行なわれる。
まず、図1において、真空容器801内の下部電極7の上にプラズマ処理が施される被処理対象物である基板9を載置する。次に、処理室803を密閉するとともに、真空ポンプ13により排気口13a及び排気通路13bを通して処理室803内の空気若しくはガスの排気を行ない、続いて、図示しない反応ガス供給装置より反応ガス供給孔4を通して所定の反応ガスの供給を行なうとともに、例えば、排気通路13bの途中に設けられた排気流量調整弁(図示しない)により排気流量を調整する等により、処理室803内を所定の圧力に保つ。
それとともに、チラーユニット821により所定の温度に制御された冷温媒液を、液流路822を通して、下部電極7内の液流路823、上部真空容器801a内の液流路853、及び液室820に順次供給するとともに、当該供給された冷温媒液が液流路822を通してチラーユニット821に回収されるように、上記冷温媒液の循環を行う。この冷温媒液の循環により、液室820においては、液流路822より供給孔810bを通して上室820a内に上記冷温媒液が供給され、当該供給された冷温媒液が貫通孔850aを通して下室820bへと流れ込み、スパイラル状の液流路854を中心側から外周端部側へ向けて当該冷温媒液が流通されて、排出孔810aを通して液流路822へと排出される。このように液室820において冷温媒液が流通されることで、上室820a内と下室820b内に供給された冷温媒液の圧力差により、コイル保持板851は誘電体窓802側へ向けて付勢される。
コイル保持板851は、複数のガイドボルト851に支持された状態にて、その支持位置が誘電体窓802側へ複数の付勢バネ852により常時付勢され、これにより、コイル805が誘電体窓802の表面に常時付勢された状態とされているものの、誘電体窓802やコイル805やコイル保持板851の製作精度等により、コイル805は完全には誘電体窓802の表面に当接された状態とはならない場合もある。しかしながら、このような場合であっても、複数の付勢バネ852による付勢力よりも大きな力を有する冷温媒液の液圧でもってコイル保持板851を付勢して、その支持位置を誘電体窓802側へと僅かに移動させることにより、コイル保持板851の図示下面に保持されているコイル805が、誘電体窓802の上記外側表面に押圧されて、密着された状態とさせることができる。また、上室820a内と下室820b内の上記冷温媒液の圧力差でもって、コイル保持板850を介してコイル805が押圧されていることにより、コイル805の誘電体窓802への押圧力をスパイラル状の接触面全体において略均一なものとすることができる。このような観点から、必要十分な付勢力を発生可能な圧力差が生じるように、貫通孔850aの大きさ及び形状や冷温媒液の循環流量等が決定されることが望ましい。
この状態を維持しながら、コイル用高周波電源806より所定の高周波電力を、整合器818、中心電極814、及び印加端子816を介して、コイル805に印加する。これにより、コイル805より誘電体窓802を介して電磁界が処理室803内の反応ガスに付与され、反応ガス分子内の電子が加速されて、処理室803内にプラズマが励起される。このとき、同時に下部電極用高周波電源8より整合器19を介して、下部電極7にも高周波電力が印加することで、基板9に到達するイオンエネルギーを制御することができる。このようにして励起されたプラズマにより下部電極7上に載置された基板9に対して、エッチング、堆積、又は表面改質等のプラズマ処理を行なうことができる。
また、チラーユニット821により所定の温度に調整された冷温媒液が、液流路822を通じて循環されていることにより、当該プラズマ処理により昇温される誘電体窓802とコイル805とを冷却し、夫々の温度を所定の温度範囲内に保ちながら上記プラズマ処理を行なうことができる。
ここで、「所定の温度範囲」とは、プラズマ処理の際に、誘電体窓802の内側表面への反応生成物の堆積により形成される薄膜の堆積量を低減させて、堆積物である堆積膜の形成を抑制することができ、かつ、誘電体窓802を高温に保つことで上記堆積膜の剥離を抑制することができるような(体積膜が剥離しないような)温度範囲である。
また、同様に、当該冷温媒液の循環により、当該プラズマ処理により昇温される被処理基板9を適温に保つように、この下部電極7の温度を所定の温度範囲内に保ちながら上記プラズマ処理を行なうことができる。さらに、上部真空容器801a内の液流路853への上記冷温媒液の循環が行われていることにより、処理室803の内壁面の温度を所定の温度範囲内に保つことができ、上記体積膜の形成を抑制しながらプラズマ処理を行うことができる。
また、プラズマ非処理時においても、チラーユニット821により所望の温度に制御された冷温媒液を液室820に循環させることで、誘電体窓802の温度を上記所定の温度範囲内に保つことができる。このような場合にあっては、プラズマ非処理時においても、誘電体窓802の温度を上記所定の温度範囲内に保つことができ、プラズマ処理時とプラズマ非処理時とを繰り返すことによる温度変化、すなわちヒートサイクルを誘電体窓802に形成された堆積膜に与えることを防止することができ、上記ヒートサイクルによる上記堆積膜の剥がれを防止することができる。
上記第1実施形態によれば、以下のような種々の効果を得ることができる。
まず、誘電体窓802の外側表面とアースシールド容器810の内側表面とで囲まれて形成された液室820内に、所望の温度に制御された冷温媒液が循環可能とされていることにより、上記冷温媒液に接触される誘電体窓802の外側表面を、上記冷温媒液を通じて冷却又は加熱することができる。具体的には、プラズマ処理の際に、昇温される誘電体窓802に対しては、上記冷却を行なうことで誘電体窓802の昇温を抑制することができる。このような昇温の抑制は、形成された堆積膜より処理室803内にガス成分が放出されることを抑制することができる。また、プラズマ非処理時においては、降温される誘電体窓802に対して、上記加熱を行なうことで誘電体窓802の降温を抑制し、上記所定の温度範囲内に保つことができる。これにより、上記堆積膜が、処理室803内のガス成分を吸着することや、次回のプラズマ処理開始時に誘電体窓802の内面への膜堆積が起ることを予防できる。
従って、プラズマ処理及び非処理が繰り返されることにより発生するガス成分の放出及び吸着を抑制することができ、プラズマ発生領域R1の雰囲気を安定化して、再現性の高いプラズマ処理を行なうことが可能となる。また、誘電体窓802の内面に付着した堆積膜がヒートサイクルにより剥がれ落ちて、被処理基板にダストによる不良が生じることを抑制することができる。
また、このような上記冷温媒液が循環される液室820の下室820b内にコイル805が配置されて、上記冷温媒液中に浸漬されていることにより、誘電体窓802とともに同時的にコイル805の表面温度をも制御することができる。具体的には、プラズマ処理の際に、高周波電力が印加されて昇温されるコイル805を、上記冷温媒液を介して冷却することで、当該昇温を抑制することができる。このような冷却によりコイル805の表面温度を積極的に下げることは、コイル805の表面温度により輻射される赤外線が、被処理基板を加熱させることを防止することができる。以上のような誘電体窓802と、コイル805に対する温度調整の効果は、プラズマ処理時間が3分以上数時間に及ぶ場合であっても損なわれることはなく、温度変化を最小に抑えることができる。
また、液室820がコイル805を保持するコイル保持板850により上室820aと下室820bとに区分され、上室820aに供給された冷温媒液が下室820bへと流し込まれるように、当該冷温媒液の流路が構成されていることにより、上室820a内と下室820b内の冷温媒液の圧力差でもって、コイル保持板850を下室820b側へ付勢して、スパイラル状のコイル805を誘電体窓802の表面に均一な力でもって押圧して、当該表面に密着させることができる。このようにコイル805を誘電体窓802の表面に密着させることにより、誘電体窓802における処理室803側の表面に、コイル805に印加される高周波の高電圧を誘電させることができ、低圧力でも放電を開始あるいは放電を維持しやすくさせることができる。従って、コイル805による強い電磁界誘導効果を、処理室803内にもたらすことができ、低圧力で放電可能であって、プラズマ密度が高く、エッチング速度を向上させることができるプラズマ処理装置を提供することができる。
また、液室820の下室820bにおいて、スパイラル状のコイル805の間に、スパイラル状の液流路854が形成されて、この液流路854の中心側より外周端部に向けて冷温媒液が流通されるように液流路854が構成されていることにより、誘電体窓802とコイル805とを略均一に冷却又は加温することができ、高い温度制御性でもっての温度調節を行うことができる。
また、このような上記冷温媒液としては、例えば、フッ素系不活性オイルを用いるような場合にあっては、高い絶縁性を有していることにより、コイル805が上記フッ素不活性系オイル中に直接的に浸漬されるような場合であっても、漏電等を発生することがなく、その安全性が担保されている。さらに、このようなフッ素系不活性オイルは、その使用可能温度範囲が広いという特徴を有しているため、氷点下から200数℃まで所望の温度への誘電体窓802等の温度制御に適したものであると言える。さらに、上記フッ素系オイルは誘電体でもあるため、浸漬されているコイル805の高周波電力が印加されることで、上記フッ素不活性系オイルと誘電体窓802を通して、処理室803内に強い静電界を付与することができ、プラズマの着火性を良好とすることができる。
また、スパイラル状のコイル805、印加端子816、アース端子817、及び中心電極814のそれぞれの表面に対して、従来において施されているような銀メッキではなく、金メッキが施されていることにより、高周波電圧の印加と冷温媒液の水分等とによってコイル805等の表面に、腐食や電食が生じることを防止することができる。
また、従来のプラズマ処理装置500、600のように、コイル505、605の周囲の空気を機械換気すること(装置外部より新たな空気を取り入れ、上記周囲の空気を装置外部に放出すること)で冷却を行なうのではなく、上記第1実施形態のプラズマ処理装置800においては、誘電体窓802の外側表面とアースシールド容器810とで囲まれて形成され、かつ、その内部にコイル805を配置する液室820と、液流路822と、チラーユニット821とで構成される上記冷温媒液の密閉系循環経路を用いて、コイル805等の冷却等を行なうため、当該冷却によりオゾン等の発生及び装置外部への当該オゾンの拡散が生じることはない。従って、作業者の健康問題を改善することができ、また、オゾン拡散により当該プラズマ処理装置と周辺装置の装置構成部品の劣化が促進されることを確実に防止することができる。
(第2実施形態)
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、本発明の第2の実施形態にかかるプラズマ処理装置の一例であるプラズマ処理装置100の模式断面図を図2に示す。図2に示すように、プラズマ処理装置100は、円盤状の誘電体窓802ではなく、略半球殻形状の誘電体窓2を有している点において、上記第1実施形態のプラズマ処理装置800と異なる構成を有しているが、この誘電体窓2の形態に関係しないその他の構成については、プラズマ処理装置800と略同様な構成となっている。以下、この異なる構成を中心に説明する。なお、その説明の理解を容易なものとするため、プラズマ処理装置100において、上記第1実施形態のプラズマ処理装置800と同様な構成の部分には、同じ参照番号を付し、その説明を省略するものとする。
図2に示すように、プラズマ処理装置100は、真空容器1と、真空容器1の上部における開口部を塞ぐように備えられた略半球殻状(あるいはドーム状)の誘電体材料(例えば、石英)で形成されたベルジャー(誘電体窓の一例である)2とを備えており、真空容器1とベルジャー2とで密閉された空間でありかつプラズマ処理が行なわれる処理室3が形成されている。
また、プラズマ処理装置100には、真空容器1の側面上部に設けられた複数の反応ガス供給孔4と、真空容器1の排気口13aに排気通路13bにて接続され、真空容器1内(すなわち、処理室3内)の空気若しくはガスの排気を行なう真空ポンプ13とが備えられている。また、ベルジャー2の上方近傍には、線状導体によりスパイラル状に形成されたプラズマ励起用コイルの一例であるコイル5が、ペルジャー2の外側表面に沿って配置されており、コイル5に整合器18を経由して高周波電力を印加するコイル用高周波電源6が真空容器1の外部に備えられている。また、真空容器1内の略中央付近には、下部電極7が備えられており、この下部電極7に整合器19を経由して高周波電力を印加する下部電極用高周波電源8が真空容器1の外部に備えられている。また、プラズマ処理装置100によりプラズマ処理が施される基板9が真空容器1内の下部電極7の上に保持されている。
また、図2に示すように、ベルジャー2の外側表面近傍に配置されたコイル5全体を覆うように、アース電位の導電体(導電材料)で形成されたアースシールド容器10(液体収容容器の一部である)が、真空容器1の上部に固定されて備えられている。また、このアースシールド容器10の略中央付近には、コイル用高周波電源6に整合器18を経由して接続された中心電極14が、アースシールド容器10と電気的に接触することがないように、絶縁ブッシュ15を介して取り付けられており、さらに、この中心電極14はスパイラル状のコイル5の中央部分の端部に印加端子16を介して接続されている。また、外周側におけるコイル5の端部は、アース端子17を介してアースシールド容器10に接続されており、アースシールド容器10は、コイル用高周波電源6のアース極に接続されている。これにより、コイル用高周波電源6より中心電極14及び印加端子16を通して、コイル5に高周波電力を印加することが可能となっている。
また、図2に示すように、アースシールド容器10の内側と、ベルジャー2の一部である上記外側表面と、真空容器1の上部とで囲まれ、かつコイル5がその内部に配置された空間を液室20として、冷温媒液を収容することが可能となっている。さらに、アースシールド容器10の上部近傍には、液室20内からの上記冷温媒液の排出孔10aが形成されており、下部近傍には、液室20内への上記冷温媒液の供給孔10bが形成されている。
また、これらの供給孔10b及び排出孔10aは、上記冷温媒液が循環可能に液流路の一例である流路22を通じて、上部側チラーユニット21に接続されている。上部側チラーユニット21は、その内部に、冷却装置と、加熱装置と、ポンプと、上記冷温媒液の温度を所望の温度に制御する温度制御装置21aと、上記冷温媒液の温度を検出するとともに、温度制御装置21aに当該検出された温度を出力する温度センサ21bとが備えられている。このように構成される上部側チラーユニット21は、冷温媒液を介して、コイル5及びベルジャー2の冷却又は加温を行ない、所望の温度に保つことが可能となっており、上部側チラーユニット21は、上記冷温媒液の液体温度調整装置の一例となっている。
また、図2に示すように、下部電極7の内部には、冷温媒液が通過可能な液流路23が形成されており、この液流路23には流路24を介して、下部側チラーユニット25が接続されている。この下部側チラーユニット25は、上部側チラーユニット21と同じ構成を有しており、温度制御装置25a及び温度センサ25b等を備え、冷温媒液流路24を通じて、所望の温度に制御された冷温媒液を液流路23内に循環させることで、下部電極7を所望の温度に保つことが可能となっている。
また、プラズマ処理装置100において、ベルジャー2と真空容器1との接合部分、及び真空容器1とアースシールド容器10との接合部分には、夫々Oリング26、27が設けられており、処理室3及び液室20の気密性が担保されている。
さらに、プラズマ処理装置100においては、上記それぞれの構成部の動作を互いに関連付けながら統括的な制御を行うことで、プラズマ処理動作の制御を行う制御装置90が備えられている。
ここで、このようなプラズマ処理における諸条件を示す一実施例について述べる。例えば、基板としてInP(インジウムリン)基板にバイヤホールを深さ100μmエッチングするような場合には、反応ガスとしてHIガスとArガスとを、供給量100sccm(標準状態にて:100cc/分)にて処理室3内に供給し、真空圧力を1Paに保持しながら、コイル用高周波電源6によりコイル5に周波数13.56MHz、出力1000wの高周波電力を印加し、下部電極用高周波電源8により下部電極7に周波数13.56MHz、出力100wの高周波電力を印加することで、下部電極7に保持された基板9に対して上記エッチング処理を行なう。このとき、上記冷温媒液としてガルデンを用いて、液室20内に上記ガルデンを2l/分で循環させ、ベルジャー2の温度を100℃程度に保持し、同様に下部電極7を50℃程度に保持する。このような条件にて、所要時間100分程度にて、基板9に対するエッチング処理を行なうことができる。
このような構成のプラズマ処理装置100においては、ベルジャー2とアースシールド容器10とで形成された液室20内にコイル5を配置させて、プラズマ処理の際に、液室20内へ所定の温度に調整された冷温媒液を循環させることで、ベルジャー2及びコイル5の温度を所定の温度範囲内に保つことができ、上記第1実施形態における冷温媒液の温度調整による効果と同様の効果を得ることができる。
なお、図2に示した第2の実施形態の方式は、図1の第1実施形態に示した平板状誘電体窓と平面渦巻き状コイルとを用いた方式に対しても適用できるものであるが、特に半球形のベルジャー2を用いた方式は、熱伝導率の低い誘電体材料(例えば、石英)にあっても、ベルジャーの厚さを極力薄くすることができるので、誘電体窓の冷却に有利である。従って、このような観点からは、ベルジャー2の外部表面を用いて液室20を形成することで、ベルジャー2の温度を制御する方式の利点があると言える。
なお、上述の説明においては、略半球殻形状のベルジャー2とアースシールド容器10とで囲まれた液室20内にコイル5を配置させて、液室20内に冷温媒液を循環させるような場合について説明したが、本第2実施形態のプラズマ処理装置100の構成は、このような場合についてのみ限られるものではない。例えば、このような略半球形状のベルジャー2が用いられるような構成のプラズマ処理装置において、上記第1実施形態のプラズマ処理装置のように、誘電体窓の表面にコイルを密着させるような構成を適用することもできる。このような構成が適用される本第2実施形態の変形例にかかるプラズマ処理装置900の構成を示す模式構成図を図3に示す。また、図3に示すプラズマ処理装置900におけるA−A線断面図を図4に示す。なお、図3及び図4に示すプラズマ処理装置900において、図2に示すプラズマ処理装置100が備える構成と同じ構成を有する部分については、同じ参照番号を付して、その説明を省略するものとする。
図3に示すように、プラズマ処理装置900においては、その矩形状の断面を有する略円錐状のスパイラルコイル905が、液室20内のベルジャー2の図示上方に配置されている。また、図3及び図4に示すように、コイル905は、平面的に略X字形状を有するコイル保持部材950の下面に保持されている。このような保持は、例えば、コイル保持部材950の下面に形成された複数の溝部950aに、コイル905の上部が部分的に係合されることにより行われている。
また、コイル保持部材950は、そのX字形状のそれぞれの端部において、複数のガイドボルト951を介して、アースシールド容器10の内側に支持されている。また、それぞれのガイドボルト951は図示上下方向に配置されており、それぞれのガイドボルト951に沿って移動可能に、コイル保持部材950は支持されている。さらに、それぞれのガイドボルト951には付勢バネ952が取り付けられており、これらの付勢バネ952は、コイル保持部材950をそれぞれのガイドボルト951に沿ってベルジャー2の図示上面側に付勢する機能を有している。このような構成により、コイル保持部材950の下面に保持されたコイル905は、ベルジャー2の図示上面側表面に常時押し付けられた状態とされており、コイル905がベルジャー2の表面に密着された状態が保たれている。
プラズマ処理装置900において、液室20内に配置されたスパイラル状のコイル905が、ベルジャー2の図示上面側表面に常時密着されていることにより、プラズマ処理の際に、コイル905に高周波が印加させることで、ベルジャー2の処理室3側の表面への強い電磁界誘導効果を生じさせることができ、低圧力でも放電を開始あるいは維持しやすくさせるという上記第1実施形態による効果と同様な効果を得ることができる。
なお、図3において、アース端子17や印加端子16の形状や配置が、図2のプラズマ処理装置100とは異なっているが、このような形状や配置はコイル905の配置や形状により決定されるものであり、実質的な機能等の相違はない。また、図4に示すように、スパイラル状のコイル905の中央部分には、コイル部材が配置されないことを利用して、コイル保持部材950の中央部分に貫通孔950bを形成するとともに、アースシールド容器10における当該貫通孔950bに相当する位置に貫通孔10a及び観察用窓部10b(例えば、石英ガラス材料にて形成)を備えさせることで、観察用窓部10bより、貫通孔10a、950b及びベルジャー2を通して、処理室3内の空間を目視観察可能とすることもできる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態にかかるプラズマ処理装置200の模式断面図を図5に示す。図5に示すように、プラズマ処理装置200は、略半球殻形状の誘電体窓2ではなく、略平板状の誘電体窓202を有している点において、上記第2実施形態のプラズマ処理装置100と異なる構成を有しているが、この誘電体窓202の形態に関係しないその他の構成については、プラズマ処理装置100と同様な構成となっている。また、図5のプラズマ処理装置200は、略平板状の誘電体窓202を有している点において、図1の第1実施形態のプラズマ処理装置800に似た構成を有していると言えるが、液流路220(液体収容容器)とプラズマ励起用コイル205を誘電体窓202の内部に有している点において、異なった構成を有している。以下、この異なる構成を中心に説明する。なお、その説明の理解を容易なものとするため、プラズマ処理装置200において、上記第2実施形態のプラズマ処理装置100と同様な構成の部分には、同じ参照番号を付し、その説明を省略するものとする。また、プラズマ処理装置200においては、上記第2実施形態のプラズマ処理装置100と同様に、統括的な制御を行なう制御装置(制御装置90に相当)が備えられているが、同様な構成であるため、図5においてはその表示を省略している。
図5に示すように、プラズマ処理装置200は、真空容器1の上部開口を閉止するように配置され、誘電体材料により形成された略円盤状の誘電体窓202を備えており、誘電体窓202により密閉された真空容器1内の空間であり、かつ、プラズマ処理が行なわれる空間が、処理室203として形成されている。
また、誘電体窓202は、上記誘電体材料で形成された略円盤状の2枚の誘電板である上部側誘電板202aと下部側誘電板202bとが互いに接合されることにより形成されている。さらに、上部側誘電板202aと下部側誘電板202bとの互いの接合表面には、互いの形成配置が合致するように、略凹状断面を有する一続きの溝部が形成されており、上部側誘電板202aと下部側誘電板202bとが接合されることにより、その内部に上記冷温媒液を流通可能な夫々の凹状の内壁で囲まれた一続きの上記液体の液流路220が形成されている。このような液流路220は、例えば、誘電体窓202の略中心から、当該中心回りに渦巻き状に形成されている。また、液流路220のその中心側の端部には、上部側誘電板202aを貫通するように、上記冷温媒液の供給孔220aが形成されており、液流路220のその渦巻状の外周側の端部には、上部側誘電板202aを貫通するように、上記冷温媒液の排出孔220bが形成されている。なお、液流路220は、誘電体窓202の内部に形成された溝部の内壁をその室壁として形成された上記冷温媒液を収容可能な液室の一例ともなっている。また、本第3実施形態のプラズマ処理装置200においては、下部側誘電板202bが誘電体窓の一例となっているとともに、上部側誘電板202aが液体収容容器の一例となっており、さらに当該液体収容容器が誘電材料により形成されていることにより、上記誘電体窓と上記液体収容容器とが合体された1つの誘電体窓202が形成されていることとなっている。
また、液流路220の供給孔220a及び排出孔220bは、液流路の一例である流路222を通じて、上部側チラーユニット21と連通されており、上部側チラーユニット21にて所望の温度に制御された冷温媒液を、流路222及び供給孔220aを通じて、液流路220内に供給するとともに、この液流路220内の冷温媒液を、排出孔220b及び流路222を通じて、上部側チラーユニット21に回収するように、上記冷温媒液を循環させることが可能となっている。
また、上記略渦巻状に形成された液流路220の内部には、導体線材にて上記略渦巻状の形状に略合致するように一続きに形成されたプラズマ励起用コイルの一例であるコイル205が配置されている。また、コイル205の略渦巻状の中心側端部は、装置外部に配置されたコイル用高周波電源206に整合器218を経由して接続されており、コイル205の略渦巻状の外周側端部は、装置外部のアース端子に接続されている。
また、誘電体窓202と真空容器1との接合部分には、処理室203内部の密閉性を担保するために、Oリング226が設けられている。さらに、誘電体窓202を真空容器1に確実に固定(解除可能に固定)するために、誘電体窓202は、その端部において固定部材である押え金具228を用いて、真空容器1の上部に固定されている。また、誘電体窓202の外側表面及び当該表面近傍の空間を覆うように、導電性材料で形成されたアースシールド210が真空容器1の上部に取り付けられている。
このような構成のプラズマ処理装置200において、下部電極7の上に載置された基板9に対してプラズマ処理を行なう動作は、上記第1実施形態のプラズマ処理装置800及び上記第2実施形態のプラズマ処理装置100の場合と同様である。具体的には、誘電体窓202の内部に形成された液流路220に通路222を介して供給孔220aより、所望の温度に制御された冷温媒液を供給して、排出孔220bから通路222に、液流路220に上記供給された冷温媒液を排出させるように、上記冷温媒液を循環させることで、誘電体窓202及びコイル205を所望の温度に制御することができる。
また、このような液流路220をその内部に有する誘電体窓202は、上記凹状の溝部が形成された上部側誘電板202aと下部側誘電板202bとを、互いの上記溝部が合致するように接着剤等を介して貼り合わせることにより接合することができる。このような接着剤としては、好ましくは、硬化後も弾性を保つことができるゴム系接着剤、例えば、熱硬化性のシリコンゴム系接着剤を用いることができる。また、このように接着剤を用いて接合するような場合に代えて、上部側誘電板202aと下部側誘電板202bとの互いの接合面に対して高精度な平面とした後、夫々の接合面を合わせながら液流路220内を真空排気、又は外部よりプレスして、上記夫々の接合面を強固に密着させた状態で、高温加熱することで、上部側誘電板202aと下部側誘電板202bとを高温原子間接合することもできる。
上記第3実施形態によれば、誘電体窓202が略平板状であるような場合にあっては、誘電体窓202内に液流路220を形成し、この液流路220内にコイル205を配置することで、液流路220内に所望の温度に制御された冷温媒液を流通させて、誘電体窓202及びコイル205の表面を所望の温度に制御することができ、上記第2実施形態と同様な効果を得ることができる。
このように誘電体窓202の内部に形成された液流路220内にコイル205を配置することで、コイル205と誘電体窓202の下面(処理室203の上面内壁)との間の距離を短縮化することができ、より高いプラズマ励起力を得ながら、誘電体窓202とコイル205の確実な温度制御を達成することができる。
また、このように誘電体窓202を略平板状とされ、大気圧に耐え得る強度を得るためにその厚さが厚く形成されるような場合であっても、液流路(液室)220は、誘電体窓202とコイル205の処理室側表面から近い位置に配置することができ、確実な誘電体窓表面の冷却を行なうことができる。
また、上記第3実施形態のプラズマ処理装置200においては、誘電体窓202の内部に略渦巻状に液流路220が形成されているため、熱伝導のための表面積を比較的大きくすることができ、温度の制御性を良好なものとすることができるという利点がある。さらには、冷温媒液の量が少なくてすみ、装置の低コスト化、小型化、温度制御電力の節約が可能となる利点がある。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態にかかるプラズマ処理装置300の模式断面図を図6に示す。なお、以下の説明においては、上記第2実施形態のプラズマ処理装置100と同じ構成部分には同じ参照番号を付して、その説明を省略するものとする。
図6に示すように、プラズマ処理装置300は、略半球殻状又は略ドーム状のベルジャー2の上方に、ベルジャー2の外側表面とアースシールド容器310の内側表面とで囲まれて形成された液室320を備えている点において、上記第2実施形態のプラズマ処理装置100と類似した構成となっているが、液室320内に収容されている冷温媒液が、チラーユニット325を通して循環されない点において、上記第2実施形態とは異なる構成となっている。以下、この異なる構成を中心に説明する。
図6に示すように、液室320は、その上部に形成されたリザーブタンク330を介して装置外部(すなわち、大気中)と連通された構成となっており、液室320内部には冷温媒液が収容されている。なお、このリザーブタンク330は、液室320内部に収容されている冷温媒液の温度変化に伴う体積変化(あるいはわずかな蒸発)を吸収して調整するための役割を有している。
さらに、液室320の周囲、すなわち、アースシールド容器310の外周部分には、液室320を囲むように外周側冷温媒液流路331が形成されている。また、この外周側冷温媒液流路331は、その内部に温度制御された2次冷温媒液(上記冷温媒液と区分可能に収容された流体の一例である)が流通されることで、隣接される液室320の内に収容されている冷温媒液を冷却又は加熱することが可能となっており、熱交換器部の一例となっている。また、この外周側冷温媒液流路331には、上記2次冷温媒液が供給される供給孔331aと、排出される排出孔331bとが形成されており、供給孔331aは、冷温媒液流路322を介して下部電極7の液流路23と連通されており、さらに、液流路23は、冷温媒液流路24を介してチラーユニット325と連通されている。一方、排出孔331bは、冷温媒液流路332を通してチラーユニット325と連通されている。
このように構成されていることで、チラーユニット325にて所望の温度に制御された上記2次冷温媒液を、冷温媒液通路24を通して下部電極7の液流路23を流通させて、下部電極7の温度を制御することが可能となっている。さらに、下部電極7の液流路23より上記2次冷温媒液を、冷温媒液通路322及び供給孔331aを通して、外周側冷温媒液流路331内に供給するとともに、当該供給された2次冷温媒液を、排出孔331b及び冷温媒液流路332を通してチラーユニット325に戻すように、循環させることで、液室320に収容されている冷温媒液を所望の温度に制御することが可能となっている。
さらに、アースシールド容器310には、液室320内に収容されている上記冷温媒液を攪拌する攪拌機333が備えられており、液室320内に収容されている上記冷温媒液の温度の均一化を図ることが可能となっている。よって、当該均一化され、かつ、その温度が制御された上記冷温媒液を用いて、ベルジャー2及びコイル5の表面温度を制御することが可能となっている。
また、液室320に収容される上記冷温媒液としては、コイル5に直接的に接触されることを考慮して、上記第1実施形態と同様に電気的絶縁性を有するフッ素系オイルやシリコン系オイルが用いられ、一方、外周側冷温媒液流路331に循環される上記2次冷温媒液としては、コイル5とは接触することがないため、電気的絶縁性を備えていることは要求されず、水道水やエチレングリコール等、一般的に冷温媒として用いられている液体を用いることができる。
なお、本第4実施形態においては、冷凍機(冷却装置)及びヒータ(加熱装置)を備えるチラーユニット325が、液体温度調整装置の一例となっており、上記2次冷媒液を用いて、液室320内に収容された上記冷温媒液の温度を間接的に調整することが可能となっている。
上記第4実施形態によれば、上記第2実施形態による効果に加えて、さらに、チラーユニット325にて直接的に温度制御される上記2次冷温媒液を用いて、液室320内に収容されている上記冷温媒液の温度制御を間接的に行ない、ベルジャー2及びコイル5の温度制御を行なうことができるため、比較的高価なフッ素系又はシリコン系オイルと当該オイル用のチラーユニットを用いることなく、一般的に用いられる比較的安価な水又はエチレングリコール等とこれらの流体用のチラーユニット325を用いることができ、プラズマ処理装置300のコストを抑えることができる。
また、液室320に、攪拌機333が備えられていることで、流路331内の2次冷温媒液との熱交換の促進と、液室333内の上記冷温媒液の温度の均一化を図ることができ、ベルジャー2やコイル5の温度の制御性を向上させることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態にかかるプラズマ処理装置400の模式断面図を図7に示す。図7に示すように、プラズマ処理装置400は、ベルジャー2及びアースシールド容器410にて囲まれて形成された液室420内に収容されている上記冷温媒液に対する加熱又は冷却を行なう構成が異なる点を除いては、上記第4実施形態のプラズマ処理装置300と同様な構成となっている。以下、この異なる構成についてのみ説明を行なう。
図7に示すように、プラズマ処理装置400におけるアースシールド容器410の略円筒形状の外周側壁には、多数の冷却フィン410aが形成されており、また、アースシールド容器410の外部には、この冷却フィン410aに風を送る冷却ファン440が備えられている。なお、本第4実施形態においては、冷却フィン410a及び冷却ファン440が空気冷却装置の一例となっている。
さらに、アースシールド容器410の内部、すなわち、液室420には、液室420内に収容されている上記冷温媒液を加熱するヒータ441と攪拌機333が備えられている。
このように液室420内に収容されている上記冷温媒液に対して、冷却装置として、冷却フィン410aと冷却ファン440が備えられ、加熱装置として、ヒータ441が備えられ、内部液体の温度均一化のための攪拌機333が備えられていることで、上記冷却装置及び上記加熱装置とを制御しながら用い、上記冷温媒液の温度を所望の温度に制御することができる。すなわち、本第4実施形態においては、冷却フィン410a、冷却ファン440、ヒータ441、及び攪拌機333が、液体温度調整装置の一例となっている。
上記第5実施形態によれば、液室420に収容されている上記冷温媒液の温度制御にあたって、チラーユニットを用いることなく、冷却フィン410a、冷却ファン440、ヒータ441、及び攪拌機333という構成で対応することができ、装置の小型化、構成の簡素化に寄与することができ、その製造コストを低減させ、装置の小型化を図ることができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態にかかるプラズマ処理装置700の模式的な構成を示す模式断面図を図8に示す。図8に示すように、プラズマ処理装置700は、ベルジャー2及びアースシールド容器710にて囲まれて形成された液室720内に収容されている上記冷温媒液に対する外部からの冷却機構が無いという点と、液の供給・排出口の構成が異なる点を除いては、上記第5実施形態のプラズマ処理装置400と似た構成となっている。以下、この異なる構成についてのみ説明を行なう。
図8に示すように、プラズマ処理装置700は、ベルジャー2及びアースシールド容器710で囲まれて形成された液室720を備えており、液室720内には、上記冷温媒液が収容されている。また、アースシールド容器710の上部には、液室720内で蒸発した上記冷温媒液の蒸気を放出する蒸気排気孔710a(液体蒸気の排出部の一例である)が形成されており、液室710aは、蒸気排気孔710aを通じて大気開放又は排気装置(図示せず)に接続されている。また、アースシールド容器710には、液室720内に上記冷温媒液を供給する冷温媒液供給配管740(供給部の一例である)が設けられており、液室720内に収容されている上記冷温媒液が所定の液面を保つことができるように、冷温媒液供給配管740より上記冷温媒液を供給することが可能となっている。液室720内には、ヒータ441と攪拌機333がプラズマ処理装置400と同様に備えられている。
液室720内の冷温媒液には、ベルジャー2とコイル5を保ちたい(調整したい)所望の温度(調整温度)付近に沸点を有する電気絶縁性の安全な液体を選定している。例えば、上記所望の温度を100℃付近に保ちたい場合には、純水を用いれば良い。上記所望の温度が極低温ならば、液体窒素や液化炭酸ガスを用いることができ、常温付近ならば、フロン系のものを用いることができる。
プラズマ処理装置700がこのような構成を有していることにより、ベルジャー2及びコイル5よりの熱量が、接触されている上記冷温媒液に付与されて(あるいは奪われて)、当該熱量が蒸発潜熱として上記冷温媒液を蒸気の泡750として蒸発させることで、ベルジャー2及びコイル5の表面を冷却することができる。なお、上記冷温媒液の蒸気は、蒸気排気孔710aより液室720外へ放出される。また、この蒸気の放出により減少された上記冷温媒液の収容量は、冷温媒液供給配管740より供給されることで補われる。また、このような上記冷温媒液の供給を行なうために、液室720には、上記冷温媒液の液面を検出するセンサ等(図示しない)が備えられている。
なお、このように上記冷温媒液の加熱装置として、ヒータ441が用いられるような場合に代えて、コイル5に僅かに高周波電力を印加することで、液室720内に収容されている上記冷温媒液を所望の温度に加熱して、上記冷温媒液を介してベルジャー2の加熱を行なうことができる。一方、ベルジャー2を予め所望の温度に加熱する際には、上記第5実施形態と同様に、ヒータ441と攪拌機333を用いることもできる。
上記第6実施形態によれば、十分な冷却機能を有するとともに、プラズマ処理装置700の構成の簡素化を図ることができ、低コストな装置を提供することができる。
なお、上記それぞれの実施形態のプラズマ処理装置においては、液室内に配置されるコイルが、当該液室内に供給される冷温媒液にその全部が浸積されるような場合について説明したが、本発明はそのような場合についてのみ、限定されるものではない。このような場合に代えて、上記コイルの一部のみが冷温媒液中に浸積されるような場合であってもよい。
上記第6実施形態のプラズマ処理装置700を一例として説明すると、例えば、図9に示すように、液室720において、冷温媒液の収容量が図8に示す状態よりも少なく、当該収容されている冷温媒液の液面より、コイル5の一部が露出されているような場合であっても、ベルジャー2の図示上面側表面全体が、当該冷温媒液中に浸積されていれば、温度制御の必要性がより高いベルジャー2に対する温度制御を確実に行うことができ、上記第6実施形態による効果を得ることができる。ただし、ベルジャー2に加えてコイル5の温度制御までをも確実に行うという観点からは、コイル5の全部が上記冷温媒液中に浸積されていることが望ましい。
また、上記それぞれの実施形態においては、冷温媒液により誘電体窓とコイルが冷却及び加熱されるような場合について説明したが、本発明はこのような場合についてのみ限定されるものではなく、プラズマ処理の際に上記冷温媒液による上記誘電体窓の冷却を行う場合だけであっても本発明を適用してその効果を得ることができる。
さらに、上記様々な実施形態におけるプラズマ励起用コイル又は電極として、上記実施形態における説明では、いわゆるICP(誘電結合プラズマ)励起用のコイル(又はアンテナ)を図示して説明したが、このような場合に代えて、CCP(容量結合プラズマ)励起用の電極(又はアンテナ)を液室内に設置しても同様の効果を得ることができる。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
本発明の第1実施形態にかかるプラズマ処理装置の模式断面図である。 本発明の第2実施形態にかかるプラズマ処理装置の模式断面図である。 上記第2実施形態の変形例にかかるプラズマ処理装置の模式断面図である。 図3のプラズマ処理装置におけるA−A線断面図である。 本発明の第3実施形態にかかるプラズマ処理装置の模式断面図である。 本発明の第4実施形態にかかるプラズマ処理装置の模式断面図である。 本発明の第5実施形態にかかるプラズマ処理装置の模式断面図である。 本発明の第6実施形態にかかるプラズマ処理装置の模式断面図である。 上記第6実施形態のプラズマ処理装置において液室内に収容されている冷温媒液の液面よりコイルの一部が露出されている状態を示すプラズマ処理装置の模式断面図である。 従来のプラズマ処理装置の模式断面図(部分的な図)である。 従来の別の例にかかるプラズマ処理装置の模式断面図である。
符号の説明
1、801 真空容器
2 ベルジャー
3、803 処理室
4 反応ガス供給孔
5、805 コイル
6、806 コイル用高周波電源
7 下部電極
8 下部電極用高周波電源
9 基板
10、810 アースシールド容器
10a、810a 排出孔
10b、810b 供給孔
13 真空ポンプ
13a 排気口
14、814 中心電極
15、815 絶縁ブッシュ
16、816 印加端子
17、817 アース端子
18、818 整合器
19 整合器
20、820 液室
21、821 上部側チラーユニット
21a、821a 温度制御装置
21b、821b 温度センサ
22、822 通路
23、823 液流路
24 通路
25 下部側チラーユニット
26、27、826、827 Oリング
90 制御装置
100、800 プラズマ処理装置
R1 プラズマ発生領域

Claims (15)

  1. 真空化された処理室内に導入された反応ガスに電磁界を付与してプラズマを励起させ、上記処理室内の基板に対しプラズマ処理を行なうプラズマ処理装置において、
    その内部において上記基板が保持され、当該基板に対する処理が行われる上記処理室を形成する真空容器と、
    上記処理室を密閉するように当該真空容器の一部をなす誘電体窓と、
    上記誘電体窓を介して上記処理室と対向して配置され、高周波電力が印加されることで、当該誘電体窓を介して上記処理室内部に電磁界を付与するプラズマ励起用コイル又は電極と、
    上記処理室内に上記反応ガスを供給するガス供給部と、
    上記処理室内を排気して上記処理室内の圧力を略一定に保つ真空排気装置と、
    上記プラズマ励起用コイル又は上記電極に上記高周波電力を印加する高周波電源と、
    上記誘電体窓をその一部となして、当該誘電体窓における上記処理室側の表面とは反対側の表面を電気絶縁性液体中に浸積させるように当該液体を収容する液室をその内部に形成し、かつ、当該液室内に上記プラズマ励起用コイル又は上記電極を配置する液体収容容器とを備えるプラズマ処理装置。
  2. 上記電気絶縁性液体の冷却装置又は加熱装置、又はその両装置を有し、上記液体収容容器に収容された上記液体の温度を調整し、当該液体を介して上記プラズマ励起用コイル又は上記電極及び上記誘電体窓の温度を制御する液体温度調整装置を備える請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 上記誘電体窓を除く上記液体収容容器が、導電体で形成される請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 上記液体収容容器が上記誘電体窓と一体化された1つの誘電体窓として形成され、
    当該一体化された誘電体窓の内部に上記電気絶縁性液体の液流路が上記液室として形成され、当該液室中に上記プラズマ励起用コイルが配置される請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  5. 上記液体温度調整装置は、上記液体収容容器外に配置され、
    上記電気絶縁性液体を循環可能に上記液室と連通された液流路と、
    上記液流路を通して上記電気絶縁性液体を循環させる液体循環装置とを備える請求項2から4のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
  6. 上記液体温度調整装置は、上記液体収容容器内に収容された上記電気絶縁性液体との間で熱交換を行なう熱交換器部を当該液体収容容器の壁部に備え、
    上記電気絶縁性液体と区分可能に上記熱交換器部に収容された流体が、上記冷却装置又は上記加熱装置により温度調整されることで、上記液体収容容器内の上記電気絶縁性液体の温度調整を行なう請求項2から4のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
  7. 上記冷却装置は、上記液体収容容器の外壁面を空気冷却する空気冷却装置であり、
    上記加熱装置は、上記液体収容容器の内部又は外部に配置された加熱ヒータである請求項2から4のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
  8. 上記液体温度調整装置は、
    上記液室への上記電気絶縁性液体の供給部と、
    上記電気絶縁性液体の気化により生成される液体蒸気の上記液室よりの排出部とを備え、
    上記電気絶縁性液体は、上記誘電体窓と上記プラズマ励起用コイル又は上記電極の調整温度若しくはその近傍の温度を沸点とする液体である請求項2から4のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
  9. 上記液体収容容器内において、上記電気絶縁性液体に上記プラズマ励起用コイルがさらに浸積されるように、当該電気絶縁性液体が収容される請求項1から8のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
  10. 上記液体収容容器内に供給される上記電気絶縁性液体の圧力でもって、上記プラズマ励起用コイルを上記誘電体窓の上記液室側の表面に密着させる請求項1から5のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
  11. 上記液体収容容器内において上記液室を、上記電気絶縁性液体が供給される第1室と、上記第1室に供給された上記液体をその内部に供給可能に当該第1室と連通され、上記誘電体窓の上記液室側表面及び上記プラズマ励起用コイルが当該内部に配置される第2室とに区分する液室区分部材と、
    当該液室において、上記第1室と上記第2室との区分位置を可変可能な方向に案内しながら上記液室区分部材の支持を行う支持案内部材とをさらに備え、
    上記第1室に収容された上記液体と上記第2室に収容された上記液体との圧力差により、上記プラズマ励起用コイルを上記誘電体窓の上記表面に押圧させて密着させる請求項10に記載のプラズマ処理装置。
  12. 上記液室収容容器内の上記第2室において、略螺旋状に巻き回される上記プラズマ励起用コイルの間隙が上記液室区分部材と上記誘電体窓とで囲まれた略螺旋状の液流路が形成される請求項11に記載のプラズマ処理装置。
  13. 上記液室収容容器内の上記第2室において、上記略螺旋状の液流路の中心側から外周側に向けて上記電気絶縁性液体が流通可能に、上記第1室から上記第2室への上記液体の供給位置が、当該液流路の中心側に配置されている請求項12に記載のプラズマ処理装置。
  14. 上記電気絶縁性液体が、比抵抗1×10Ω・cm以上の純水である請求項2から13のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
  15. 上記電気絶縁性液体が、フッ素系不活性オイル、シリコン系オイル、又は有機油脂類である請求項2から13のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
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