JP2008226857A - プラズマ処理方法及び装置 - Google Patents

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正樹 鈴木
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Abstract

【課題】誘電体窓の温度変化を抑制でき、プラズマ化に利用できる実質的な電力が大きく、高周波ノイズが発生しにくいプラズマ処理方法及び装置を提供する。
【解決手段】真空容器1内にガス供給装置2より所定の反応ガスを導入しつつ真空排気装置3で排気を行い、真空容器1内を所定の圧力に保ちながら、高周波電源4により高周波電力を、誘電体窓5の外側に配置された高周波電極6に印加すると、真空容器1内にプラズマが発生し、基板電極7上に載置された基板8に対してプラズマ処理を行うことができる。このとき、誘電体窓5の内部に設けられた流路11に流体を流すことにより、誘電体窓5の温度を制御することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体等の薄膜回路や電子部品の製造に利用されるドライエッチング装置、プラズマCVD装置などのプラズマ処理方法及び装置に関する。
従来、半導体等の薄膜回路や電子部品の製造に利用されるプラズマ処理装置の1つとして、真空容器の外部に位置されるコイル(又は電極)に高周波電力を印加することによって真空容器内にプラズマを発生させる高周波誘導方式のプラズマ処理装置がある。この方式のプラズマ処理装置は、真空容器外で高周波電磁界を発生させ、その高周波電磁界を誘電体窓を介して真空容器内に伝達しこの電磁界で電子の加速を行い、プラズマを発生させるものである。
高周波誘導方式のプラズマ処理装置の一例としてプラズマ処理装置201を図7に示す。
図7に示すように、プラズマ処理装置201は、略中空円柱形状の真空容器1と、真空容器1の上部における開口部を塞ぐように備えられた円盤状の石英ガラス製の誘電体窓35とを備えており、真空容器1と誘電体窓35とで密閉された空間でありかつプラズマ処理が行われる処理室200が形成されている。また、真空容器1の外側側面には、真空容器1内に所定の反応ガスの供給を行う反応ガス供給部2と、真空容器1内(処理室200内)の空気若しくはガスの排気を行う真空排気装置の一例である真空ポンプ3が備えられている。また、誘電体窓35の上方近傍にはコイル6が配置されており、コイル6に高周波電力を印加するコイル用高周波電源4が真空容器1の外側に備えられている。また、真空容器1内における底面中央付近には、基板電極7が備えられており、この基板電極7に高周波電力を印加する基板電極用高周波電源9が真空容器1の外側に備えられている。また、プラズマ処理装置201によりプラズマ処理が施される基板8が、真空容器1内の基板電極7の上に保持(若しくは載置)されている。なお、コイル用高周波電源4とコイル6の間には、整合回路10が設けられている。
このような構成のプラズマ処理装置201により基板8に対してプラズマ処理を行う方法について説明する。
まず、図7において、真空容器1内に反応ガス供給部2より所定の反応ガスを導入しつつ、真空ポンプ3で真空容器1内の空気の排気を行い、真空容器1内を所定のガスで満たすとともに所定の圧力に保つ。その後、この状態を維持しながら、コイル用高周波電源4により例えば13.56MHzの高周波電力をコイル6に印加する。これにより、真空容器1内、すなわち処理室200内にプラズマを発生させることができ、上記プラズマにより基板電極7上に保持(若しくは載置)された基板8に対してエッチング、堆積、又は表面改質等のプラズマ処理を行うことができる。このとき、基板電極7にも基板電極用高周波電源9により高周波電力を印加することで、基板8に到達するイオンエネルギーを制御することができる。
しかしながら、図7に示した方式では、誘電体窓35の下面(すなわち真空側の面)にも反応生成物が多量に堆積するために、真空容器1内におけるダストの発生が多くなり、プラズマ処理装置201のメンテナンス間隔が短くなるという問題点がある。また、プラズマ処理中の上記誘電体窓35への反応生成物の堆積と上記誘電体窓35の温度上昇により、真空容器1内の雰囲気が一定せず、プラズマ処理の再現性に乏しいという問題点がある。このような問題点について以下に詳述する。
プラズマ処理装置201において基板8に対してプラズマ処理を行う場合において、プラズマCVDを行う場合、基板8上に薄膜を堆積する過程で誘電体窓35の下面にも同様の薄膜が堆積してしまう。また、ドライエッチングを行う場合にも、エッチング反応や気相反応で生じた物質が誘電体窓35の下面に堆積することがある。プラズマ処理を重ねていくにつれてこのような堆積膜は膜厚を増し、プラズマ処理時間の繰り返しに伴って、誘電体窓35の温度が上昇していくが、堆積膜がある膜厚を越えると、誘電体窓35と堆積膜との熱膨張率の差による膜応力によりはがれが生じ、真空容器1内においてダストとなって基板8上に降ってくる。図7のプラズマ処理装置201における方式では、少数の基板8をプラズマ処理しただけでダストが発生する場合があるため、真空容器1を大気開放して誘電体窓35をクリーニングする頻度が高くなるという問題点がある。
また、プラズマ処理を重ねていくと、上述した堆積膜の膜厚が変化するため、反応ガス成分の吸着率が変化し、真空容器1内の雰囲気、すなわち反応ガスの分圧が変化し、プラズマ処理の再現性が悪化する。また、誘電体窓35に衝突する高エネルギーイオンによる加熱で誘電体窓35の温度が上昇することも反応ガスの吸着率の変化を引き起こす原因となっており、真空容器1内の雰囲気を変化させて、プラズマ処理の再現性を悪化させている。
このような問題を解決する方法として、図8に示すように、コイル6と誘電体窓35との間に抵抗加熱式ヒーター28を備えたプラズマ処理装置202が考案された。
図8に示すように、プラズマ処理装置202は、コイル6と誘電体窓35との間に、断熱板としてのマイカ板27が設けられ、マイカ板27の内部に抵抗加熱式ヒーター28が埋め込まれており、誘電体窓35をプラズマ処理に好適な温度に制御できるようになっている。なお、これ以外の構成はプラズマ処理装置201と同様である。
このような構成のプラズマ処理装置202により基体8に対してプラズマ処理を行う場合、抵抗加熱式ヒーター28により誘電体窓35を80℃以上に加熱することにより、誘電体窓35へ堆積する薄膜の膜厚を、上記加熱を行わない場合に比較して小さくすることができるとともに、その膜質も緻密にすることができるため、上記堆積膜のはがれによるダストの発生をある程度抑制することができる。さらに、プラズマ非処理時においても抵抗加熱式ヒーター28により誘電体窓35を加熱することにより、誘電体窓35の温度の低下を防ぐことができ、プラズマ処理中の高温とプラズマ非処理時の低温というようなヒートサイクルの温度差をある程度小さくでき、上記堆積膜のはがれによるダストの発生をある程度抑制することができる。したがって、誘電体窓35のクリーニング頻度もある程度小さくなる。また、プラズマ処理を重ねていった際も、堆積膜の膜厚の増加はある程度小さく、かつ誘電体窓35の温度は一定温度以上に保たれているため、反応ガスの吸着率は低いままで大きくは変化しない。したがって、真空容器1内の雰囲気、すなわち反応ガスの分圧はやや安定し、ある程度再現性に優れたプラズマ処理を行うことができる。
しかしながら、プラズマ処理装置202のような方式では、連続処理時間が著しく長い場合や、コイル6に印加する高周波電力が大きい場合には、誘電体窓を直接冷却する手段がないため、誘電体窓35の過昇温が起き、プラズマ処理の途中で抵抗加熱式ヒーター28に供給する電力を0(ゼロ)にしても、ヒーター28が電磁波を吸収して発熱することも加わって、誘電体窓35の温度が上昇し続けることがあり、このような場合にあっては、この誘電体窓35の過度の温度上昇によって、誘電体窓35に堆積された薄膜が過昇温されて、上記薄膜と誘電体窓35との熱膨張率の差による上記薄膜の剥がれが発生し、処理室200内においてダストが発生するという問題がある。
また、誘電体窓35に抵抗加熱式ヒーター28が設置され、また、このような抵抗加熱式ヒーター28は一般的に金属材料により形成されていることにより、抵抗加熱式ヒーター28がコイル6から放射される電磁界を吸収し発熱して、プラズマ化に利用できる実質的な電力が例えば30%程度小さくなってしまうという問題がある。さらに、抵抗加熱式ヒーター28が備えられていることにより、抵抗加熱ヒーター28の給電線に高周波が重畳し、制御機器の誤動作や故障を生じやすいという問題点がある。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、誘電体窓の温度を加熱方向にも冷却方向にも能動的に制御でき、プラズマ化に利用できる実質的な電力が大きく、高周波ノイズが発生しにくく、処理室内のダストの発生が少なく、クリーニング頻度の少ないプラズマ処理方法及び装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の一の態様によれば、円盤形状の誘電体窓を備えて密閉される真空容器内に基板を配置して、誘電体窓を挟んで基板に対向して真空容器外に配置された高周波電極に高周波電力を印加して、真空容器内にプラズマを発生させ、基板または基板上の膜をプラズマ処理するプラズマ処理方法であって、
誘電体窓の内部にその全面に渡って円盤形状の周方向沿いに平面的に円弧状の形状を有する複数の流路を繋ぎ合わせて構成されかつ一筆書き状に一続きに設けられた流路に対して、一筆書き状かつ一続きの流路の一端に設けられかつ誘電体窓の処理室外側表面に配置された流入口と、一筆書き状かつ一続きの流路の他端に設けられかつ誘電体窓の処理室外側表面に配置された流出口とを通して、温度制御された流体を流通させることで、円盤形状の周方向沿いの流路に沿った流体の流れにより、誘電体窓の外周温度を一定の範囲内に保つように制御して、誘電体窓への堆積物の形成及び剥離を抑制しながら、基板または基板上の膜に対するプラズマ処理を行うことを特徴とする、プラズマ処理方法を提供する。
本発明の別の一の態様によれば、円盤形状の誘電体窓を備えて密閉される真空容器内に基板を配置して、基板に対向して真空容器外に誘電体窓の外側に設けられ、断面視においてその中央部分に比してその外周部分が密となるように配置されたコイル状電極に高周波電力を印加して、真空容器内にプラズマを発生させ、基板または基板上の膜をプラズマ処理するプラズマ処理方法であって、
誘電体窓の内部にその全面に渡って円盤形状の周方向沿いに平面的に円弧状の形状を有する複数の流路を繋ぎ合わせて構成されかつ一筆書き状に一続きに設けられた流路に対して、複数の流路のうちの平面的に最外周の流路よりも内側に配置された一続きの流路の一端に設けられかつ誘電体窓の処理室外側表面に配置された流入口に、コイル状電極の間を通して配置された流体の循環通路から温度制御された流体を流すとともに、一続きの流路の他端に設けられかつ誘電体窓の処理室外側表面に配置された流出口とを通して、流路から循環通路へ流体を流出させることで、円盤形状の周方向沿いの流路に沿った流体の流れにより、誘電体窓の外周温度を一定の範囲内に保つように制御して、誘電体窓への堆積物の形成及び剥離を抑制しながら、基板または基板上の膜に対するプラズマ処理を行うことを特徴とする、プラズマ処理方法を提供する。
また、別の態様によれば、流体の温度を計測して、計測された流体の温度に基づいて流体の温度を制御して誘電体窓の温度を堆積物の形成及び剥離を抑制可能な温度範囲内に制御しても良い。
また、誘電体窓の表面または内部の温度を計測して、計測された誘電体窓の温度に基づいて誘電体窓の温度が堆積物の形成及び剥離を抑制可能な温度範囲内となるように流体の温度を制御しても良い。
また、真空容器の内側側壁に設けられたインナーチャンバの内部に配置された流路に、温度制御された流体を流してインナーチャンバの温度を制御し、インナーチャンバへの堆積物の形成及び剥離を抑制しながらプラズマ処理を行っても良い。
また、プラズマ処理を実施した後、プラズマ非処理状態を経て、その後、さらにプラズマ処理を行う場合に、プラズマ非処理状態において、誘電体窓の流路に流体を流通させて、誘電体窓の外周温度を一定の範囲内に保つように制御して、プラズマ処理時とプラズマ被処理時の誘電体窓の温度変化を抑制しても良い。
本発明のさらに別の一の態様によれば、真空化された処理室内に高周波を誘導させてプラズマを発生させて、処理室内の基板に対しプラズマ処理を行うプラズマ処理装置において、
その内部に基板が保持される真空容器と、
円盤形状を有し、その内部に全面に渡って円盤形状の周方向沿いに平面的に円弧状の形状を有する複数の流路を繋ぎ合わせて構成されかつ一筆書き状に一続きに形成された流路であって、一筆書き状かつ一続きの流路の一端に設けられかつその処理室外側表面に形成された流入口と、一筆書き状かつ一続きの流路の他端に設けられかつその処理室外側表面に形成された流出口とを通して、流体を流通可能な流路を有し、かつ基板に対向するように設けられて真空容器を密閉して真空容器の内部に処理室を形成する誘電体窓と、
処理室内に反応ガスを供給するガス供給装置と、
処理室内を排気して処理室内の圧力を略一定に保って真空化する真空排気装置と、
処理室の外側に誘電体窓を挟んで基板と対向するように配置された高周波電極に高周波電力を印加して、高周波電極より誘電体窓を通して処理室内に高周波を発生させる高周波電源と、
流路の流入口および流出口と接続された流体の循環経路を有し、プラズマ処理の際に、循環通路から流入口を通して誘電体窓の流路に温度制御された流体を流すとともに、流出口を通して流路から循環通路へ流体を流出させることで、円盤形状の周方向沿いの流体の流れにより誘電体窓の外周温度を一定の範囲内に保つように制御し、誘電体窓への堆積物の形成及び剥離を抑制する温度制御付流体供給装置とを備えることを特徴とする、プラズマ処理装置を提供する。
本発明の別の一の態様によれば、真空化された処理室内に高周波を誘導させてプラズマを発生させて、処理室内の基板に対しプラズマ処理を行うプラズマ処理装置において、
その内部に基板が保持される真空容器と、
円盤形状を有し、その内部に全面に渡って円盤形状の周方向沿いに平面的に円弧状の形状を有する複数の流路を繋ぎ合わせて構成されかつ一筆書き状に一続きに形成された流路であって、複数の流路のうちの平面的に最外周の流路よりも内側に配置された一続きの流路の一端に設けられかつその処理室外側表面に配置された流入口を通して、円盤形状の周方向沿いの流路に沿った流れにて、一続きの流路の他端に設けられかつその処理室外側表面に配置された流出口まで流体を流通可能な流路を有し、かつ基板に対向するように設けられて真空容器を密閉して真空容器の内部に処理室を形成する誘電体窓と、
処理室内に反応ガスを供給するガス供給装置と、
処理室内を排気して処理室内の圧力を略一定に保って真空化する真空排気装置と、
処理室の外側に誘電体窓を挟んで基板と対向するように設けられ、断面視においてその中央部分に比してその外周部分が密となるように配置されたコイル状電極に高周波電力を印加して、コイル状電極より誘電体窓を通して処理室内に高周波を発生させる高周波電源と、
コイル状電極の間を通して配置され、流路の流入口および流出口と接続された流体の循環経路を有し、プラズマ処理の際に、循環通路から流入口を通して誘電体窓の流路に温度制御された流体を流すとともに、流出口を通して流路から循環通路へ流体を流出させることで、円盤形状の周方向沿いの流体の流れにより誘電体窓の外周温度を一定の範囲内に保つように制御し、誘電体窓への堆積物の形成及び剥離を抑制する温度制御付流体供給装置とを備えることを特徴とする、プラズマ処理装置を提供する。
また、誘電体窓の表面または内部の温度を計測する温度センサをさらに備え、
温度制御付流体供給装置は、温度センサにより計測された誘電体窓の表面または内部の温度に基づいて誘電体窓の温度が堆積物の形成及び剥離を抑制可能な温度範囲内となるように流体の温度を制御しても良い。
また、その内部に流体を流通可能な流路を有するインナーチャンバが、真空容器の内側側壁に設けられ、
プラズマ処理の際に、インナーチャンバの流路に温度制御された流体を流してインナーチャンバの温度を制御し、インナーチャンバへの堆積物の形成及び剥離を抑制する温度制御付流体供給装置をさらに備えるようにしても良い。
本発明によれば、誘電体窓の内部にその全面に渡って円盤形状の周方向沿いに平面的に円弧状の形状を有する複数の流路を繋ぎ合わせて構成されかつ一筆書き状に一続きに設けられた流路に対して、一筆書き状かつ一続きの流路の一端に設けられかつ誘電体窓の処理室外側表面に配置された流入口と、一筆書き状かつ一続きの流路の他端に設けられかつ誘電体窓の処理室外側表面に配置された流出口とを通して、温度制御された流体を流通させることで、円盤形状の周方向沿いの流路に沿った流体の流れを形成することができる。すなわち、誘電体窓の全面に渡って形成された円弧状の流路がつなぎ合わされて形成された一筆書き状かつ一続きの流路に沿って、温度制御された流体を流すことで、誘電体窓の外周温度を一定に保つことができる。したがって、誘電体窓の外周の温度のバラツキを低減させて、誘電体窓への堆積物の形成および剥離を抑制するプラズマ処理を実現することができる。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の第1実施形態にかかるプラズマ処理方法及び装置について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本第1実施形態にかかるプラズマ処理装置101の構造を示す模式断面図である。
図1に示すように、プラズマ処理装置101は、上面に開口部を有する略中空円柱形状の真空容器1と、真空容器1の上記開口部を塞ぐように備えられた円盤状の石英ガラス製の誘電体窓5とを備えており、真空容器1と誘電体窓5とにより密閉された空間でありかつプラズマ処理が行われる処理室100が形成されている。また、真空容器1の外側側面には、真空容器1内に所定の反応ガスの供給を行うガス供給装置の一例である反応ガス供給部2と、真空容器1内の空気若しくはガスの排気を行う真空排気装置の一例である真空ポンプ3が備えられている。また、誘電体窓5の上方近傍には高周波電源の一例でありかつコイル状電極の一例でもあるコイル6が配置されており、コイル6に高周波電力を印加する高周波電源の一例であるコイル用高周波電源4が真空容器1の外側に備えられている。また、真空容器1内における底面中央付近には、基板電極7が備えられており、この基板電極7に高周波電力を印加する基板電極用高周波電源9が真空容器1の外側に備えられている。また、プラズマ処理装置101によりプラズマ処理が施される基板8が、真空容器1内の基板電極7の上に載置可能(若しくは保持可能)となっている。なお、コイル用高周波電源4とコイル6の間には、整合回路10が設けられている。
また、誘電体窓5は、概略円盤形状を有する板状体の一例である第一誘電板51の第一接合表面51aと第二誘電板52の第二接合表面52aとが接合されることにより形成されており、第一誘電板51における第一接合表面51aとは逆側の表面は、プラズマ処理装置101の処理室100の外側に面する処理室外側表面51bとなっており、第二誘電板52における第二接合表面52aとは逆側の表面は、処理室100の内側に面する処理室内側表面52bとなっている。
また、図1及び図2の誘電体窓5の模式断面図(図1におけるA−A断面)に示すように、第一誘電板51の第一接合表面51aには、複数の凹部が一筆書き状に一続きに連通して形成された凹部の一例である溝部が形成されており、この上記溝部と第二接合表面52aとで囲まれた平面的に概略円弧状の形状を有する複数の流路を繋ぎ合わせて構成された流体(一例として冷温媒)の流路の一例である第1の冷温媒流路11が、誘電体窓5の内部にその全面に渡って略均一に配置されるように形成されている。言いかえれば、誘電体窓5における第一接合表面51aと第二接合表面52aとの互いの接合面及びこの接合面の近傍において、第1の冷温媒流路11が上記接合面の全面に渡って略均一に配置されるように形成されており、また、上記第1の冷温媒流路11は上記誘電体板5の略円盤形状の周方向沿いの流れでもって上記冷温媒を流せるように形成されている。また、第一誘電板51の処理室外側表面51bには、第1の冷温媒流路11への冷温媒となる流体の流入口18及び流出口19が形成されている。さらに、プラズマ処理装置101においては、第1の冷温媒流路11への流入口18及び流出口19に接続された循環通路12aを通して、上記冷温媒となる流体の一例である水を流して循環させる温度制御付流体供給装置の一例である第1のサーキュレータ12が、真空容器1の外側に備えられている。なお、第1のサーキュレータ12内には温度制御装置(図示しない)が備えられており、第1のサーキュレータ12内に備えられた温度センサ(図示しない)により計測された上記循環されている水の温度に基づいて、上記循環される水の温度が制御可能となっている。
また、コイル6と誘電体窓5との間、すなわち、第一誘電板51の処理室外側表面51b全体を覆うように、電気絶縁材又は断熱材の一例であるマイカ製の断熱板13が設けられており、コイル6が断熱板13を介して誘電体窓5に押し付けられている。また、真空容器1の側壁内側には、大略円筒形状のインナーチャンバ14が設けられており、インナーチャンバ14の端部に設けられた流体の流路の一例である第2の冷温媒流路15に、温度制御付流体供給装置の一例である第2のサーキュレータ16により温度制御された流体としての冷温媒、例えば水を流すことができ、インナーチャンバ14の温度を制御することが可能となっている。また、基板電極7にも温度制御付流体供給装置の一例である第3のサーキュレータ17が接続され、第3のサーキュレータ17により温度制御された流体としての冷温媒、例えば水を流して、基板電極7の温度を一定に保つことが可能となっている。
このような構成のプラズマ処理装置101により基板8に対してプラズマ処理を行う方法について説明する。
まず、図1において、真空容器1内の基板電極7の上にプラズマ処理を行う基板8を載置する。次に、真空容器1内に反応ガス供給部2より所定の反応ガスを導入しつつ、真空ポンプ3で真空容器1内の空気の排気を行い、真空容器1内(処理室100内)を所定の反応ガスで満たすとともに、例えば、真空ポンプ3による上記排気の経路中に設けられた調整弁(図示しない)により上記排気流量を調整する等により真空容器1内(処理室100内)を所定の圧力に保つ。この状態を維持しながら、コイル用高周波電源4により13.56MHzの高周波電力を、コイル6に印加する。これにより、コイル6により高周波が発生され、上記発生された高周波が誘電体窓5を通して真空容器1内に誘導されて、真空容器1内に供給されている反応ガスと上記高周波により真空容器1内に(すなわち処理室100内に)プラズマを発生させることができ、上記発生されたプラズマにより基板電極7上に載置された基板8に対してエッチング、堆積、又は表面改質等のプラズマ処理を行うことができる。このとき、基板電極7にも基板電極用高周波電源9により高周波電力を印加することで、基板8に到達するイオンエネルギーを制御することができる。
また、このプラズマ処理の際に、第1のサーキュレータ12により所定の温度に制御された水を、循環通路12aを通して、誘電体窓5内の第1の冷温媒流路11に循環させることにより、誘電体窓5の温度を一定範囲内の温度に保ちながら上記プラズマ処理を行う。ここで上記一定範囲内の温度とは、プラズマ処理の際に、誘電体窓5への薄膜の堆積量を低減させて堆積物である堆積膜の形成を抑制することができ、かつ誘電体窓5に堆積された薄膜(すなわち上記堆積膜)が、誘電体窓5の温度上昇により剥がれ落ちないような(剥離しないような)誘電体窓5の温度範囲である。また、同様に、第2のサーキュレータ16により所定の温度に制御された水を、インナーチャンバ14の第2の冷温媒流路15に循環させることにより、インナーチャンバ14の温度を、プラズマ処理の際に、インナーチャンバ14への薄膜の堆積量を低減させて堆積膜の形成を抑制することができ、かつインナーチャンバ14に堆積された薄膜(すなわち上記堆積膜)が、インナーチャンバ14の温度上昇により剥がれ落ちないような(剥離しないような)温度範囲に制御する。また、上記同様に、第3のサーキュレータ17により基板電極7の温度を所定の温度に保ちながら上記プラズマ処理を行う。なお、プラズマ非処理時においても、第1のサーキュレータ12により所定の温度に制御された水を、循環通路12aを通して、誘電体窓5内の第1の冷温媒流路11に循環させることにより、誘電体窓5の温度を一定範囲内の温度に保つような場合であってもよい。このような場合にあっては、プラズマ非処理時においても誘電体窓5の温度を一定範囲内に保つことができ、プラズマ処理時とプラズマ非処理時とを繰り返すことによる温度変化、すなわちヒートサイクルを誘電体窓5に形成された堆積膜に与えることを防止することができ、上記ヒートサイクルによる上記堆積膜の剥がれを防止することができる。
上記第1実施形態によれば、従来例、例えば、プラズマ処理装置202においては、プラズマ処理の連続処理時間が著しく長い場合や、コイル6に印加する高周波電力が大きい場合に、抵抗式加熱ヒーター28の加熱動作を停止させた場合であっても、抵抗式加熱ヒーター28が自己発熱しかつ誘電体窓5の強制的な冷却を行うことができないため誘電体窓35の過昇温が発生していたが、プラズマ処理装置101においては、上記抵抗式加熱ヒーター28ではなく、誘電体窓5内に第1の冷温媒流路11を形成することにより、第1の冷温媒流路11内に温度制御された水を流して上記強制的な冷却を行うことができるため、誘電体窓5の過昇温が起きにくく、誘電体窓5に堆積する薄膜が剥がれたり、ダストが発生するといった現象が発生し難くすることができる。
例えば、従来例におけるプラズマ処理装置202おいては、プラズマ処理の一例として、抵抗加熱ヒーター28を用いて誘電体窓5を80℃に制御しながら基板8としてシリコン基板の表面を10μmエッチング処理する場合にあっては、誘電体窓35の温度は石英外周で102℃まで上昇する場合があったが、上記第1実施形態のプラズマ処理装置101により上記同様なエッチング処理を行うような場合にあっては、第1のサーキュレータ12により循環される水の温度を80℃±1℃に保つことができ、誘電体窓5の外周温度を略一定(80℃±1℃)に保つことができる。
また、上記第1実施形態のプラズマ処理装置101においては、従来例(例えば、プラズマ処理装置202)と異なり、金属材料により形成されている抵抗式加熱ヒーター28を用いずに、誘電体窓5内に形成された第1の冷温媒流路11に温度制御された水を流して循環させることにより誘電体窓5の温度制御を行っているため、抵抗式加熱ヒーター28の金属材料がコイル6からの発生される電磁界を例えば30%程度吸収して発熱することを無くすことができ、上記電磁界を無駄なく真空容器1内に吸収させることができ、プラズマ処理におけるプラズマ化に利用できる実質的な電力を大きくすることができ、効率的なプラズマ処理を行うことができる。
例えば、従来例におけるプラズマ処理装置202においては、反応ガス供給部2より真空容器1内に供給される反応ガスの一例としてHBrガス流量が8.3×10−7/s、また、Clガス流量が8.3×10−7/s、真空容器1内の圧力が1.3Pa、コイル用高周波電源4によりコイル6に印加する電力が600Wの放電条件(プラズマ発生条件)のとき、真空容器1内の基板8から300mm上方の位置における飽和イオン電流密度は、0.61A/cmであったが、上記第1実施形態のプラズマ処理装置101では、上記同様の放電条件(プラズマ発生条件)において、飽和イオン電流密度を、0.96A/cmと高めることができ、同じ印加電力であっても発生させるプラズマ密度を高めることができ、より効率的なプラズマ処理を行うことができる。
また、上記第1実施形態のプラズマ処理装置101においては、従来例(例えばプラズマ処理装置202)と異なり、抵抗加熱ヒーター28を用いないため、高周波ノイズが発生し難く、プラズマ処理の際に機器の誤動作や故障が生じ難くすることができ、安定したプラズマ処理を行うことができる。
また、上記第1実施形態のプラズマ処理装置101にて第1の冷温媒流路11中への流体の有無によるプラズマ発光強度への影響を調べると、流体として純水を用いた場合、BC13、C12、及びArガス流量がそれぞれ1.3×10−6/s、2.0×10−6/s、及び3.3×10−7/s、圧力が3Pa、コイル6としてICPコイルと基板電極7に印加する電力がそれぞれ900Wと75Wのとき、プラズマの発光強度は、純水無しの時に7.1Vであり、純水有りの時に6.9Vと、純水の影響は約3%の発光強度低下に留まり、誘電体窓5内に第1の冷温媒流路11が形成され、流体として純水が流されることによるプラズマ処理に対する実用上の影響はほとんどない。
さらに、本発明の第1実施形態のプラズマ処理装置101においては、従来例と異なり、上記IPCコイルの近傍に抵抗加熱ヒーターが存在しないため、高周波ノイズがヒーター回路に重畳せず、機器の誤動作や故障が生じにくいという長所がある。
さらに、上記第1実施形態のプラズマ処理装置101においては、誘電体窓5の略全面に渡って均一にその周方向沿いに配置された第1の冷温媒流路11が形成されており、上記第1の冷温媒流路11内に第1のサーキュレータ12により温度制御された水が循環されるような構成とされていることにより、従来例(例えばプラズマ処理装置202)よりも誘電体窓5への熱の伝わりを改善させることができ(すなわち、伝熱距離を小さくすることができるため)、誘電体窓5を常温から所定の温度に到達させる時間を短縮化することができ、プラズマ処理に要する時間の短縮化を図り、より効率的なプラズマ処理を行うことができる。例えば、従来例におけるプラズマ処理装置202では、誘電体窓35を常温から80℃まで昇温させるのに60分も要する場合があったが、上記第1実施形態のプラズマ処理装置101においては、上記同様な条件にての昇温を15分で行うことができ、プラズマ処理に要する時間を短縮化することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、本発明の第2実施形態にかかるプラズマ処理装置の一例であるプラズマ処理装置102について、図3に示すプラズマ処理装置102の構造を示す模式断面図、及び図4に示す上記図3におけるB−B断面図を参照して説明する。
図3及び図4に示すように、プラズマ処理装置102は、上記第1実施形態のプラズマ処理装置101におけるコイル6に代えて、高周波電極の一例でありかつ板状電極の一例でもある対向電極21備え、コイル用高周波電源4に代えて、上記対向電極21に整合回路10を介して高周波電力を印加する対向電極用高周波電源20とを備えており、また、誘電体窓5に代えて、第1の冷温媒流路111の平面的な配置が上記誘電体窓5とは異なっている誘電体窓60を備えており、その他の構成は同様であるため、以下この構成が異なる部分についてのみ説明を行う。
図3に示すように、プラズマ処理装置102は、真空容器1内の基板電極7と対向しかつ略平行となるように、すなわち、基板電極7上に載置された基板8と対向しかつ略平行となるように、窒化シリコン製の誘電体窓60の外側(図3における図示上側)に配置された略平板状の対向電極21を備えている。また、対向電極21と誘電体窓60との間には、電気絶縁材又は断熱材の一例であるマイカ製の断熱板13が備えられており、対向電極21が断熱板13を介して誘電体窓60に押し付けられている。
また、誘電体窓60は、概略円盤形状を有する板状体の一例である第一誘電板61の第一接合表面61aと第二誘電板62の第二接合表面62aとが接合されることにより形成されており、第一誘電板61における第一接合表面61aとは逆側の表面は、プラズマ処理装置102の処理室100の外側に面する処理室外側表面61bとなっており、第二誘電板62における第二接合表面62aとは逆側の表面は、処理室100の内側に面する処理室内側表面62bとなっている。
また、図3及び図4の誘電体窓60の模式断面図(図3におけるB−B断面)に示すように、第一誘電板61の第一接合表面61aは、その周端部に環状の凸部30が形成されており、また、この環状の凸部30の内側には複数の円柱状の支柱22が平面的に均等に配置されている。また、第一接合表面61aにおいて、夫々の支柱22の間の空間及び夫々の支柱22と環状の凸部30との間の空間が一体的に連通して形成された凹部となり、上記凹部と第二接合表面62aとで囲まれた空間が、流体(一例として冷温媒)の流路の一例である第1の冷温媒流路111となっている。この第1の冷温媒流路111は、誘電体窓60の内部にその全面に渡って略均一に配置されるように形成されており、言いかえれば、誘電体窓60における第一接合表面61aと第二接合表面62aとの互いの接合面及びこの接合面の近傍において、第1の冷温媒流路111が上記接合面の全面に渡って略均一に配置されるように形成されている。また、第一誘電板61の処理室外側表面61bには、第1の冷温媒流路111への冷温媒となる流体の流入口118及び流出口119が夫々2箇所ずつ形成されている。
このような構成のプラズマ処理装置102により基板8に対してプラズマ処理を行う方法について説明する。
まず、図3において、真空容器1内の基板電極7の上にプラズマ処理を行う基板8を載置する。次に、真空容器1内に反応ガス供給部2より所定の反応ガスを導入しつつ、真空ポンプ3で真空容器1内の空気の排気を行い、真空容器1内(処理室100内)を所定の反応ガスで満たすとともに、例えば、真空ポンプ3による上記排気の経路中に設けられた調整弁(図示しない)により上記排気流量を調整する等により真空容器1内(処理室100内)を所定の圧力に保つ。この状態を維持しながら、対向電極用高周波電源20により13.56MHzの高周波電力を、対向電極21に印加する。これにより、対向電極21により高周波が発生され、上記発生された高周波が誘電体窓60を通して真空容器1内に誘導されて、真空容器1内に供給されている反応ガスと上記高周波により真空容器1内に(すなわち処理室100内に)プラズマを発生させることができ、上記発生されたプラズマにより基板電極7上に載置された基板8に対してエッチング、堆積、又は表面改質等のプラズマ処理を行うことができる。このとき、基板電極7にも基板電極用高周波電源9により高周波電力を印加することで、基板8に到達するイオンエネルギーを制御することができる。
また、このプラズマ処理の際に、第1のサーキュレータ12により所定の温度に制御された水を、循環通路12aを通して、誘電体窓60内の第1の冷温媒流路111に循環させることにより、誘電体窓60の温度を一定範囲内の温度に保ちながら上記プラズマ処理を行う。また、上記同様に、第2のサーキュレータ16によりインナーチャンバ14の温度を所定の温度範囲に保ちながら、また、上記同様に、第3のサーキュレータ17により基板電極7の温度を所定の温度に保ちながら上記プラズマ処理を行う。また、上記第1実施形態と同様にプラズマ非処理時においても誘電体窓60の温度を一定範囲内に制御するような場合であってもよい。
上記第2実施形態のプラズマ処理装置102によれば、上記第1実施形態のプラズマ処理装置101のように高周波電極としてコイル状電極であるコイル6を用いる場合に代えて、略平板状の対向電極20を用いる平行平板方式のプラズマ処理装置である場合であっても、上記第1実施形態による効果と同様な効果を得ることができる。
また、誘電体窓60の内部において平面的に均等に配置されるように形成された複数の支柱22の間の空間及び複数の支柱22と環状の凸部30との間の空間とが第1の冷温媒流路111となっていることにより、第1の冷温媒流路111は誘電体窓60に平面的に均一に配置された状態となって、第1のサーキュレータ12により第1の冷温媒流路111内に均一に水を流すことができ、誘電体窓60への第1の冷温媒流路111よりの熱伝達性を良好とさせることができる。よって、誘電体窓60を常温から所定の温度まで上昇若しくは下降させる時間を短縮化することができ、プラズマ処理に要する時間の短縮化を図り、より効率的なプラズマ処理を行うことができるとともに、安定した誘電体窓60の温度制御を行うことができ、安定したプラズマ処理を行うことができる。
次に、本発明の第3実施形態にかかるプラズマ処理装置の一例であるプラズマ処理装置103について、図5に示すプラズマ処理装置103の構造を示す模式断面図、及び図6に示す上記図5におけるC−C断面図を参照して説明する。
図5及び図6に示すように、プラズマ処理装置103は、上記第1実施形態のプラズマ処理装置101における誘電体窓5に代えて、異なる構造の誘電体窓70を備えていること、及び第1のサーキュレータ12により制御される水の温度制御方法が異なっていること以外の構成は同様であるため、以下この構成が異なる部分についてのみ説明を行う。
図5及び図6に示すように、プラズマ処理装置103は、上記誘電体窓5に代えて、アルミナ製の誘電体窓70を備えている。誘電体窓70は、概略円盤形状を有する板状体の一例である第一誘電板71の第一接合表面71aと第二誘電板72の第二接合表面72aとが接合されることにより形成されており、第一誘電板71における第一接合表面71aとは逆側の表面は、プラズマ処理装置103の処理室100の外側に面する処理室外側表面71bとなっており、第二誘電板72における第二接合表面72aとは逆側の表面は、処理室100の内側に面する処理室内側表面72bとなっている。また、図5及び図6の誘電体窓70の模式断面図(図5におけるC−C断面)に示すように、第一誘電板71の第一接合表面71aには、複数の凹部が連通して形成された溝部が形成されており、この溝部と第二接合表面72aとで囲まれた平面的に概略円弧状の形状を有する複数の流路と上記円弧の直径方向の流路とを組み合わせて構成された流体(一例として冷温媒)の流路の一例である第1の冷温媒流路211が、誘電体窓70の内部にその全面に渡って略均一に配置されるように形成されている。言いかえれば、誘電体窓5における第一接合表面71aと第二接合表面72aとの互いの接合面及びこの接合面の近傍において、第1の冷温媒流路211が上記接合面の全面に渡って略均一に配置されるように形成されており、また、上記第1の冷温媒流路211は上記誘電体板70の略円盤形状の周方向沿いの流れと径方向の流れの組み合わせでもって上記冷温媒を流せるように形成されている。また、第一誘電板71の処理室外側表面71bには、第1の冷温媒流路211への冷温媒となる流体の流入口218及び流出口219が形成されている。さらに、プラズマ処理装置103においては、第1の冷温媒流路211への流入口218及び流出口219に接続された循環通路12aを通して、上記冷温媒となる流体の一例である水を流して循環させる温度制御付流体供給装置の一例である第1のサーキュレータ12が、真空容器1の外側に備えられている。なお、第1のサーキュレータ12内には温度制御装置(図示しない)が備えられており、循環される水の温度が制御可能となっている。
また、誘電体窓70の側面(図5における図示右側側面)には、誘電体窓70の表面の温度を計測する温度センサ25が設置されており、この温度センサ25により計測された温度が第1のサーキュレータ12内の上記温度制御装置に入力されて、上記計測された誘電体窓70の表面の温度に基づいて、上記循環される水の温度を制御して、誘電体窓70の温度を上記温度範囲内となるように制御することが可能となっている。なお、温度センサ25が誘電体窓70の上記側面に備えられている場合に代えて、誘電体窓70の内部又はその他の表面上に設置されている場合であってもよい。また、複数の温度センサ25が設置されて、例えば、夫々の温度センサ25により計測された温度の相加平均を誘電体窓70の温度とみなすような場合であってもよい。
また、図5における誘電体窓70の内部に形成された第1の冷温媒流路211の図示した側、すなわち、第二誘電板72の内部には、反応ガス供給部2より供給される反応ガスを流通可能なガス流路23が形成されており、また、第二誘電板の処理室側表面72bには、上記ガス流路23に接続された複数のガス吹き出し口24が平面的に均等となるように形成されており、反応ガス供給部2より上記ガス流路23及びガス吹き出し口24を通して、処理室100内に載置された基板8の上方に反応ガスを均一に供給することが可能となっている。
このような構成のプラズマ処理装置103により基板8に対してプラズマ処理を行う方法について説明する。
まず、図5において、真空容器1内の基板電極7の上にプラズマ処理を行う基板8を載置する。次に、真空容器1内に反応ガス供給部2より所定の反応ガスをガス流路23及びガス吹き出し口24を通して導入しつつ、真空ポンプ3で真空容器1内の空気の排気を行い、真空容器1内(処理室100内)を所定の反応ガスで満たすとともに、例えば、真空ポンプ3による上記排気の経路中に設けられた調整弁(図示しない)により上記排気流量を調整する等により真空容器1内(処理室100内)を所定の圧力に保つ。この状態を維持しながら、コイル用高周波電源4により13.56MHzの高周波電力を、コイル6に印加する。これにより、コイル6により高周波が発生され、上記発生された高周波が誘電体窓5を通して真空容器1内に誘導されて、真空容器1内に供給されている反応ガスと上記高周波により真空容器1内に(すなわち処理室100内に)プラズマを発生させることができ、上記発生されたプラズマにより基板電極7上に載置された基板8に対してエッチング、堆積、又は表面改質等のプラズマ処理を行うことができる。このとき、基板電極7にも基板電極用高周波電源9により高周波電力を印加することで、基板8に到達するイオンエネルギーを制御することができる。
また、このプラズマ処理の際に、温度センサ25により計測された誘電体窓70の表面温度に基づいて、上記誘電体窓70の表面温度が一定の温度範囲内となるように、第1のサーキュレータ12により温度制御された水を、循環通路12aを通して、誘電体窓70内の第1の冷温媒流路211に循環させて、上記誘電体窓70の温度を上記一定範囲内の温度に保ちながら上記プラズマ処理を行う。また、同様に、第2のサーキュレータ16により所定の温度に制御された水を、インナーチャンバ14の第2の冷温媒流路15に循環させることにより、インナーチャンバ14の温度を制御し、また、上記同様に、第3のサーキュレータ17により基板電極7の温度を所定の温度に保ちながら上記プラズマ処理を行う。
上記第3実施形態のプラズマ処理装置103によれば、上記第1実施形態による効果にさらに加えて、上記第1実施形態のプラズマ処理装置101のように、第1のサーキュレータ12内において計測された上記循環される水の温度に基づいて、上記循環される水の温度の制御を行うような場合に代えて、誘電体窓70の表面の温度を計測可能な温度センサ25が備えられ、上記温度センサ25により計測された誘電体窓70の実際の表面温度に基づいて、上記表面の温度が上記一定の範囲内に入るように第1のサーキュレータ12において循環される水の温度の制御が行われることにより、誘電体窓70の温度をより正確にかつ良好な制御性でもって制御することができ、真空容器1内における堆積膜の剥離によるダストの発生を抑制することができ、安定したプラズマ処理を行うことができる。
例えば、従来例におけるプラズマ処理装置202おいては、プラズマ処理の一例として、抵抗加熱ヒーター28を用いて誘電体窓35を60℃に制御しながら基板8としてガリウム砒素基板の表面を100μmエッチング処理する場合にあっては、誘電体窓35の温度は石英外周で180℃まで上昇する場合があったが、上記第3実施形態のプラズマ処理装置103により上記同様なエッチング処理を行うような場合にあっては、第1のサーキュレータ12により水を循環させて、誘電体窓70の温度を外周にて60℃±1℃に保つことができ、誘電体窓70の温度を略一定に保つことができる。
また、上記第3実施形態のプラズマ処理装置103においては、上記第1実施形態のプラズマ処理装置101と同様に、従来例(例えば、プラズマ処理装置202)と異なり、金属材料により形成されている抵抗式加熱ヒーター28を用いずに、誘電体窓70内に形成された第1の冷温媒流路211に温度制御された水を流して循環させることにより誘電体窓70の温度制御を行っているため、抵抗式加熱ヒーター28の金属材料がコイル6からの発生される電磁界を吸収することを無くすことができ、上記電磁界を無駄なく真空容器1内に吸収させることができ、プラズマ処理におけるプラズマ化に利用できる実質的な電力を大きくすることができ、効率的なプラズマ処理を行うことができる。
例えば、従来例におけるプラズマ処理装置202においては、反応ガス供給部2より真空容器1内に供給される反応ガスの一例としてArガス流量が3.3×10−7/s、真空容器1内の圧力が1Pa、コイル用高周波電源4によりコイル6に印加する電力が800Wの放電条件(プラズマ発生条件)のとき、真空容器1内の基板8から20mm上方の位置におけるプラズマ密度は、7.6×1011cm−3であったが、上記第3実施形態のプラズマ処理装置103では、上記同様の放電条件(プラズマ発生条件)において、プラズマ密度を、8.4×1011cm−3と高めることができ、同じ印加電力であっても発生させるプラズマ密度を高めることができ、より効率的なプラズマ処理を行うことができる。
さらに、上記第3実施形態のプラズマ処理装置103においては、誘電体窓70の略全面に渡って均一にその周方向沿い及びその直径方向沿い配置された第1の冷温媒流路211が形成されており、上記第1の冷温媒流路211内に第1のサーキュレータ12により温度制御された水が循環されるような構成とされていることにより、従来例(例えばプラズマ処理装置202)よりも誘電体窓5への熱の伝わりを改善させることができ、誘電体窓5を常温から所定の温度まで上昇させる時間を短縮化することができ、プラズマ処理に要する時間の短縮化を図り、より効率的なプラズマ処理を行うことができる。例えば、従来例におけるプラズマ処理装置202では、誘電体窓35を常温から60℃まで昇温するのに45分も要する場合があったが、上記第3実施形態のプラズマ処理装置103においては、上記同様な条件にての昇温を25分で行うことができ、プラズマ処理に要する時間を短縮化することができる。
以上に述べた本発明の夫々の実施形態においては、本発明の適用範囲のうち、真空容器の形状、高周波電極としてのコイルや対向電極の形状及び配置等に関して様々なバリエーションのうちの一部を例示したに過ぎない。本発明の適用にあたり、ここで例示した以外にも様々なバリエーションが考えられることは、言うまでもない。
また、上記夫々の実施形態においては、冷温媒としての流体が水である場合について説明したが、本明細書で用いられる「水」とは、例えば、水道水、精製水、浄水、若しくは純水等を含むものであり、さらに、水を溶媒とする各種水溶液をも含むものとする。また、流体が水である場合に代えて、フッ素系不活性液体若しくは油脂類である場合であってもよい。あるいは、流体が水素ガス、ヘリウムガス、炭酸ガス、窒素ガスまたは空気等の気体であってもよい。水は、万一の漏洩に対して、後始末が容易であるという利点がある。また、水は純水や各種水溶液等を含めて、−20℃乃至120℃の範囲内で使用することができる。また、上記フッ素系不活性液体としては、ガルデン(商品名若しくは登録商標)やフロリナート(商品名若しくは登録商標)等がある。例えば、上記ガルデンは、10℃乃至90℃の範囲で使用することができ、最高90℃まで温度を高めることができるという利点がある。10℃乃至90℃の範囲内に制御することでダストの発生を抑制できるプロセスは多く、広範な応用が可能である。また、例えば、上記フロリナートを用いると、誘電体窓を極低温に制御可能であるという利点があり、流体の温度を−130℃乃至50℃の範囲内に制御することができる。また、油脂類については、例えば、高温用油脂(例えば、天ぷら油等)を用いる場合にあっては、流体の温度を200℃程度の温度まで十分に制御することができる。上記ガルデンや上記フロリナートを含めてフッ素系不活性液体若しくは油脂類は、−130℃乃至200℃の範囲で使用することができる。また、窒素ガスまたは空気等の気体は熱容量が小さく、熱媒体としては水や上記フッ素系不活性液体に劣るが、取扱が極めて簡便であるという利点がある。また、上記窒素ガスや空気等の気体は−273℃乃至500℃の範囲で使用することができる。
また、第1のサーキュレータ12内に、流体の温度を計測しながら上記流体の温度を制御する機構を備えた場合(前者とする)と、誘電体窓の表面又はその内部に温度センサが設けられ、温度センサで計測した温度に基づいて、上記誘電端窓の温度が上記一定の温度範囲内に入るように第1のサーキュレータ12にて上記流体の温度を制御する場合(後者とする)について説明したが、前者の場合には、上記流体の温度制御が第1のサーキュレータ12内のみで完結する機構となるため、温度制御が極めて簡便であるという利点があり、また、後者の場合には、上記誘電体窓の温度を上記温度センサにより実際に計測するため、より正確に上記誘電体窓の温度制御が可能であるという利点がある。
また、コイルまたは対向電極と誘電体窓の間に、マイカ製の電気絶縁材または断熱材が設けられ、コイルまたは対向電極が電気絶縁材または断熱材を介して誘電体窓に押し付けられている場合について説明したが、電気絶縁材または断熱材は、用途に応じてセラミック製または樹脂製のものを用いることができる。マイカ製のものは500℃以上の高温にまで耐えられ、緩衝性に優れるという利点がある。セラミック製のものは500℃以上の高温にまで耐えられ、粉体を生じないという利点がある。また、樹脂は緩衝性に優れ、粉体を生じないという利点がある。また、コイルまたは対向電極が電気絶縁材または断熱材を介して誘電体窓に押し付けられていると、コイルまたは対向電極と誘電体窓の距離が変化しにくく、安定した処理を実現できる。
また、真空容器の側面から反応ガスを吹き出す場合と、誘電体窓内部の流路よりも基板電極に近い部分にガス流路が設けられ、基板電極に向けてガス吹き出し口が設けられている場合について説明したが、誘電体窓内部の流路よりも基板電極に近い部分にガス流路が設けられ、基板電極に向けてガス吹き出し口が設けられている場合においては、処理室内により均一に反応ガスを吹き出すことができ、より均一なプラズマ処理が可能となる利点がある。
また、真空容器の側壁にインナーチャンバが設けられ、インナーチャンバの端部に設けられた第2の冷温媒流路に、温度制御された流体を流す場合について説明したが、この場合、よりダストの発生の少ない処理が可能となるばかりか、真空容器のメンテナンスが容易になるという利点がある。
また、誘電体窓の材質が、石英ガラス、シリコン、窒化シリコン、アルミナである場合について説明したが、これらは、誘電損失(tanδ)が小さな材質であり、誘電体窓の材質として好適である。また、これら以外にも上記誘電損失の小さな材質を誘電体窓の材質として用いることができ、例えば、サファイア、窒化アルミニウムなどを用いることも可能であり、用途に応じて適切な材料を選択することが望ましい。石英ガラスはシリコン系半導体を用いたデバイスの製造工程において、優れた低コンタミネーション性を有する。窒化シリコンは低コンタミネーション性では石英ガラスに若干劣るものの、機械的強度に優れ、酸素原子放出量が極めて小さいという特徴がある。アルミナやサファイアは、コンタミネーション性で劣るものの、アルミニウムのドライエッチング工程に使用すると、高いレジスト選択比が得られるという特徴がある。窒化アルミニウムは熱伝導性に優れ、石英ガラスの約100倍の熱伝導率をもっているという特徴がある。なお、誘電体窓が上述した夫々の材料で形成される場合に代えて、上記夫々の材料の組み合わせであるような場合であってもよい。
また、誘電体窓への流体の流入口および流出口が、コイルまたは対向電極が設けられている側にある場合について説明したが、このような構成とすることで、流体の流入・流出経路を適切に配置することが容易になる。
また、シリコン基板を10μmエッチングする場合、ガリウム砒素基板を100μmエッチングする場合について説明したが、本発明は、連続処理時間が著しく長い場合や、コイルに印加する高周波電力が大きい場合にとくに有効なプラズマ処理であって、プラズマ処理が、基板または基板上の薄膜を1μm以上エッチングする処理である場合、さらには、プラズマ処理が、基板または基板上の薄膜を10μm以上エッチングする処理である場合にとくに有効である。
また、高周波電極の一例であるコイルまたは対向電極に印加する高周波電力をP、真空容器の実質的な一部をなす誘電体窓の面積、すなわち真空容器の内側において露出されている誘電体窓の表面積をSとしたとき、P/S>6220(W/m)である場合にとくに有効である。例えば、直径320mmの円筒状の真空容器を用いた場合、上記真空容器の実質的な一部をなす誘電体窓の面積は0.0804mで、コイルまたは対向電極に印加する高周波電力が500Wのとき、P/S=6220となる。同一の装置において500W以下の高周波電力を印加する場合においては、誘電体窓の過昇温を防止することができる。
また、高周波電極としてのコイルまたは対向電極に印加する高周波電力の周波数が、13.56MHzである場合について説明したが、低圧力化でのエッチングには、50kHz乃至500MHzの範囲内の高周波電力を用いることができ、そのすべての領域において本発明は有効である。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、次のような態様として構成することもできる。
本発明の第1態様によれば、誘電体窓により密閉された真空容器内に反応ガスを供給しつつ上記真空容器内を排気して上記真空容器内の圧力を略一定に制御しながら、上記真空容器内に保持された基板に対向して設けられた上記誘電体窓の外側に設けられた高周波電極に高周波電力を印加して、上記真空容器内にプラズマを発生させ、上記基板または上記基板上の膜をプラズマ処理するプラズマ処理方法であって、
上記誘電体窓の内部に設けられた流路に温度制御された流体を流して上記誘電体窓の温度を制御し、上記誘電体窓への堆積物の形成及び剥離を制御可能であることを特徴とするプラズマ処理方法を提供する。
本発明の第2態様によれば、上記高周波電極はコイル状電極であって、周波数50kHz乃至500MHzの範囲内で上記高周波電力が印加される第1態様に記載のプラズマ処理方法を提供する。
本発明の第3態様によれば、上記高周波電極は上記基板に大略平行に配置された板状電極であって、周波数50kHz乃至500MHzの範囲内で上記高周波電力が印加される第1態様に記載のプラズマ処理方法を提供する。
本発明の第4態様によれば、上記流体は水であって、上記流体の温度を−20℃乃至120℃の範囲内で制御する第1態様から第3態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法を提供する。
本発明の第5態様によれば、上記流体はフッ素系不活性液体又は油脂類であって、上記流体の温度を−130℃乃至200℃の範囲内で制御する第1態様から第3態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法を提供する。
本発明の第6態様によれば、上記流体は気体であって、上記流体の温度を−273℃乃至500℃の範囲内で制御する第1態様から第3態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法を提供する。
本発明の第7態様によれば、上記流体の温度を計測して、上記計測された上記流体の温度に基づいて上記流体の温度を制御して上記誘電体窓の温度を上記堆積物の形成及び剥離を抑制可能な温度範囲内に制御する第1態様から第6態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法を提供する。
本発明の第8態様によれば、上記誘電体窓の表面または内部の温度を計測して、上記計測された上記誘電体窓の温度に基づいて上記誘電体窓の温度が上記堆積物の形成及び剥離を抑制可能な温度範囲内となるように上記流体の温度を制御する第1態様から第6態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法を提供する。
本発明の第9態様によれば、上記真空容器の内側側壁に設けられたインナーチャンバの内部に設けられた流路に、温度制御された流体を流して上記インナーチャンバの温度を制御し、上記インナーチャンバへの堆積物の形成及び剥離を制御可能である第1態様から第8態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法を提供する。
本発明の第10態様によれば、上記誘電体窓の材質が、石英ガラス、シリコン、窒化シリコン、アルミナ、サファイア、若しくは窒化アルミニウムのいずれかである、又はそれらの組み合わせである第1態様から第9態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法を提供する。
本発明の第11態様によれば、上記プラズマ処理が、上記基板または上記基板上の薄膜を深さで1μm以上エッチングする処理である第1態様から第10態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法を提供する。
本発明の第12態様によれば、上記プラズマ処理が、上記基板または上記基板上の薄膜を深さで10μm以上エッチングする処理である第1態様から第10態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法を提供する。
本発明の第13態様によれば、上記高周波電極に印加する高周波電力をP、上記誘電体窓の面積をSとしたとき、P/S>6220(W/m)である第1態様から第12態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法を提供する。
本発明の第14態様によれば、真空化された処理室内に高周波を誘導させてプラズマを発生させて、上記処理室内の基板に対しプラズマ処理を行うプラズマ処理装置において、
その内部に上記基板が保持される真空容器と、
その内部に流体を流通可能な流路を有し、かつ上記基板に対向するように設けられて上記真空容器を密閉して上記真空容器の内部に上記処理室を形成する誘電体窓と、
上記処理室内に反応ガスを供給するガス供給装置と、
上記処理室内を排気して上記処理室内の圧力を略一定に保って真空化する真空排気装置と、
上記処理室の外側に上記誘電体窓を通して上記基板と対向するように設けられた高周波電極に高周波電力を印加して、上記高周波電極より上記誘電体窓を通して上記処理室内に高周波を発生させる高周波電源と、
上記プラズマ処理の際に、上記誘電体窓の上記流路に温度制御された上記流体を流して上記誘電体窓の温度を制御し、上記誘電体窓への堆積物の形成及び剥離を抑制可能である温度制御付流体供給装置とを備えることを特徴とするプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第15態様によれば、上記高周波電極はコイル状電極であって、周波数50kHz乃至500MHzの範囲内で上記高周波電力が上記高周波電源から印加される第14態様に記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第16態様によれば、上記高周波電極は上記基板に大略平行に配置された板状電極であって、周波数50kHz乃至500MHzの範囲内で上記高周波電力が上記高周波電源から印加される第14態様に記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第17態様によれば、上記流体が水である第14態様から第16態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第18態様によれば、上記流体がフッ素系不活性液体又は油脂類である第14態様から第16態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第19態様によれば、上記流体が気体である第14態様から第16態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第20態様によれば、上記誘電体窓の表面または内部の温度を計測する温度センサをさらに備え、
上記温度制御付流体供給装置は、上記温度センサにより計測された上記誘電体窓の表面または内部の温度に基づいて上記誘電体窓の温度が上記堆積物の形成及び剥離を抑制可能な温度範囲内となるように上記流体の温度を制御する第14態様から第19態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第21態様によれば、その内部に流体を流通可能な流路を有するインナーチャンバが、上記真空容器の内側側壁に設けられ、
プラズマ処理の際に、上記インナーチャンバの上記流路に温度制御された上記流体を流して上記インナーチャンバの温度を制御し、上記インナーチャンバへの堆積物の形成及び剥離を抑制可能である温度制御付流体供給装置をさらに備える第14態様から第20態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第22態様によれば、上記誘電体窓の材質が、石英ガラス、シリコン、窒化シリコン、アルミナ、サファイア、若しくは窒化アルミニウムのいずれかである、又はそれらの組み合わせである第14態様から第21態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第23態様によれば、上記誘電体窓への上記流体の流入口および流出口が、上記高周波電極が設けられている面に形成されている第14態様から第22態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第24態様によれば、上記誘電体窓は略円盤形状を有しており、上記略円盤内を一筆書きに万遍なく上記流体が流れるように上記流路が形成されている第14態様から第23態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第25態様によれば、上記誘電体窓は二枚の板状体の間に複数の支柱が配置されて構成されており、夫々の上記支柱間に上記流体が流れるように上記流路が形成されている第14態様から第23態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
本発明の第26態様によれば、上記誘電体窓は略円盤形状を有しており、上記略円盤形状の周方向沿いの流れと径方向沿いの流れとの組み合わせでもって上記流体が流れるように上記流路が形成されている第14態様から第23態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
これら本発明のその他の態様による効果は次の通りである。
本発明の上記第1態様によれば、プラズマ処理装置における誘電体窓の内部に設けられた流路に温度制御された流体を流して、上記誘電体窓への堆積物の形成を抑制可能でありかつ上記形成された堆積物の剥離を抑制可能である温度範囲に入るように、上記誘電体窓の温度を加熱方向に又は冷却方向に能動的に制御しながら、上記プラズマ処理することにより、上記誘電体窓へ堆積する薄膜の膜厚を薄くするとともに、その膜質をより緻密なものとすることができ、上記堆積された薄膜の剥がれによるダストの発生を抑制することができ、プラズマ処理中の真空容器内の雰囲気を安定させることができ、再現性に優れたプラズマ処理方法を提供することが可能となる。
また、従来の誘電体窓のように、その内部に埋め込まれた導電体による金属材料等で形成されている抵抗加熱式ヒーター等を用いてプラズマ処理の際の誘電体窓の温度制御を行うのではなく、上記流路に温度制御された流体を流すことにより上記温度制御を行うため、このような誘電体窓を用いた上記プラズマ処理方法においては、プラズマを発生させるための電磁界が上記抵抗式ヒーターを形成している上記金属材料等に吸収されてしまうこともなく、プラズマ化に利用できる実質的な電力を大きくすることができる、すなわち、効率的なプラズマ処理を行うことができるプラズマ処理方法を提供することが可能となる。
また、併せて、抵抗加熱式ヒーター等を用いることなく、上記流路を用いて上記流路に温度制御された流体を流すことにより上記誘電体窓の温度制御を行うことができるため、従来プラズマ処理方法において、プラズマ処理の際に発生していた抵抗加熱式ヒーターの給電線に高周波ノイズが重畳することによる機器の誤動作や故障の発生を防止することができるプラズマ処理方法を提供することが可能となる。
本発明の上記第2態様または第3態様によれば、高周波電力が印加される上記高周波電極が、コイル状電極又は板状電極である場合であっても、これらの電極に周波数50kHz乃至500MHzの範囲内で高周波電力を印加することにより、上記第1態様に記載の効果を得ることができるプラズマ処理方法を提供することが可能となる。
本発明の上記第4態様から第6態様によれば、上記誘電体窓の上記流路に流される上記流体が、水(純水又は各種水溶液を含む)である場合にあっては、その取扱い性を容易とさせることができるとともに、−20℃乃至120℃の温度範囲に上記誘電体窓の温度を制御するような場合に使用することができる。また、上記流体が、フッ素系不活性液体又は油脂類である場合にあっては、−130℃乃至200℃の温度範囲に上記誘電体窓の温度を制御するような場合に用いることができ、幅広い温度範囲に対応することができる。また、上記流体が、窒素ガスや空気等の気体である場合にあっては、液体でなく気体であることによりその取扱い性を極めて容易とすることができるとともに、−273℃乃至500℃の範囲内というような広い範囲にて適用することができる。
本発明の上記第7態様によれば、上記誘電体窓の上記流路に供給される上記流体の温度を計測して、その計測された流体の温度に基づいて、上記流体の温度の制御を行うことにより、上記温度制御の機構を簡単な機構とすることができ、容易に上記流体の温度制御を行うことができ、容易に上記誘電体窓の温度制御を行うことができるプラズマ処理方法を提供することが可能となる。
本発明の上記第8態様によれば、上記誘電体窓の表面又は内部の温度を計測して、上記計測された誘電体窓の温度に基づいて、上記誘電体窓の温度が上記堆積物の形成及び剥離を抑制可能な温度範囲内となるように上記誘電体窓に供給する上記流体の温度を制御することにより、より正確にかつ高い制御性でもって上記誘電体窓の温度を制御することができるプラズマ処理方法を提供することが可能となる。
本発明の上記第9態様によれば、上記夫々の態様に加えて、さらに、真空容器内に備えられたインナーチャンバに流体を流すことにより上記インナーチャンバの温度の制御も行うことにより、上記インナーチャンバへの堆積物の形成を抑制して、かつ上記形成された堆積物の剥離を抑制することができ、さらに真空容器内においてダストの発生を抑制することができ、安定したプラズマ処理を行うことができるプラズマ処理方法を提供することが可能となる。
本発明の上記第10態様によれば、上記誘電体窓が、石英ガラス、シリコン、窒化シリコン、アルミナ、サファイア、若しくは窒化アルミニウムのいずれかにより、又はそれらの組み合わせにより形成されていることにより、上記夫々の態様による効果を得ることができるプラズマ処理方法を提供することが可能となる。
本発明の上記第11態様によれば、上記プラズマ処理が、上記基板または上記基板上の薄膜を深さで1μm以上エッチングする処理である場合に有効であり、上記夫々の効果を得ることができる。
本発明の上記第12態様によれば、上記プラズマ処理が、上記基板または上記基板上の薄膜を深さで10μm以上エッチングする処理である場合に有効であり、上記夫々の効果を得ることができる。
本発明の上記第13態様によれば、上記高周波電極に印加する高周波電力をP、上記誘電体窓の面積をSとしたとき、P/S>6220(W/m)である場合に、プラズマ処理における上記誘電体窓の過昇温を防止することができ、上記誘電体窓の温度を安定して制御することができ、上記夫々の効果を得ることができる。
本発明の上記第14態様によれば、プラズマ処理装置が、その内部に流路が設けられた誘電体窓と、上記誘電体窓の上記流路に温度制御された流体を流して、上記誘電体窓への堆積物の形成を抑制可能でありかつ上記形成された堆積物の剥離を抑制可能である温度範囲に上記誘電体窓の温度を制御する温度制御付流体供給装置とを備えることにより、上記プラズマ処理の際に、上記誘電体窓へ堆積する薄膜の膜厚を薄くするとともに、その膜質をより緻密なものとすることができ、上記堆積された薄膜の剥がれによるダストの発生を抑制することができ、プラズマ処理中の真空容器内の雰囲気を安定させることができ、再現性に優れたプラズマ処理を行うことができるプラズマ処理装置を提供することが可能となる。
また、従来の誘電体窓のように、その内部に埋め込まれた導電体による金属材料等で形成されている抵抗加熱式ヒーター等を用いてプラズマ処理の際の誘電体窓の温度制御を行うのではなく、上記流路に温度制御された流体を流すことにより上記温度制御を行うため、このような誘電体窓を用いた上記プラズマ処理装置においては、プラズマを発生させるための電磁界が上記抵抗式ヒーターを形成している上記金属材料等に吸収されてしまうこともなく、プラズマ化に利用できる実質的な電力を大きくすることができる、すなわち、効率的なプラズマ処理を行うことができるプラズマ処理装置を提供することが可能となる。
また、併せて、抵抗加熱式ヒーター等を用いることなく、上記流路を用いて上記流路に温度制御された流体を流すことにより上記誘電体窓の温度制御を行うことができるため、従来プラズマ処理方法において、プラズマ処理の際に発生していた抵抗加熱式ヒーターの給電線に高周波ノイズが重畳することによる機器の誤動作や故障の発生を防止することができるプラズマ処理装置を提供することが可能となる。
本発明の上記第15態様又は第16態様によれば、高周波電源により高周波電力が印加される上記高周波電極が、コイル状電極又は板状電極である場合であっても、これらの電極に周波数50kHz乃至500MHzの範囲内で高周波電力を印加することにより、上記第14態様に記載の効果を得ることができるプラズマ処理装置を提供することが可能となる。
本発明の上記第17態様から第19態様によれば、上記誘電体窓の上記流路に流される上記流体が、水(純水又は各種水溶液を含む)である場合にあっては、その取扱い性を容易とさせることができる。また、上記流体が、フッ素系不活性液体又は油脂類である場合にあっては、例えば、−130℃乃至200℃の温度範囲に上記誘電体窓の温度を制御するような場合に用いることができ、幅広い温度範囲に対応することができる。また、上記流体が、窒素ガスや空気等の気体である場合にあっては、液体でなく気体であることによりその取扱い性を極めて容易とすることができる。
本発明の上記第20態様によれば、上記誘電体窓の表面又は内部の温度を計測する温度センサが備えられ、上記温度センサにより計測された誘電体窓の温度に基づいて、上記誘電体窓の温度が上記温度範囲内となるように上記誘電体窓に供給する上記流体の温度を制御することにより、より正確にかつ高い制御性でもって上記誘電体窓の温度を制御することができるプラズマ処理装置を提供することが可能となる。
本発明の上記第21態様によれば、上記夫々の態様に加えて、さらに、真空容器内に備えられたインナーチャンバへ流体を流すことにより上記インナーチャンバの温度の制御も行うことにより、上記インナーチャンバへの堆積物の形成を抑制して、かつ上記形成された堆積物の剥離を抑制することができ、さらに真空容器内においてダストの発生を抑制することができ、安定したプラズマ処理を行うことができるプラズマ処理装置を提供することが可能となる。
本発明の上記第22態様によれば、上記誘電体窓が、石英ガラス、シリコン、窒化シリコン、アルミナ、サファイア、若しくは窒化アルミニウムのいずれかにより、又はそれらの組み合わせにより形成されていることにより、上記夫々の態様による効果を得ることができるプラズマ処理装置を提供することが可能となる。
本発明の上記第23態様によれば、上記誘電体窓への上記流体の流入口及び流出口が上記高周波電極が設けられている面に形成されていることにより、処理室の密閉性に影響を与えることなく、容易に上記流路への上記流体の供給を行うことができる。
本発明の上記第24態様から第26態様によれば、上記誘電体窓において上記流路が均一に形成されていることにより、上記流路より上記誘電体窓に対する熱伝導性を良好なものとすることができ、上記誘電体窓の温度制御性を良好とすることができ、安定したプラズマ処理を行うことができるプラズマ処理装置を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態にかかるプラズマ処理装置の構成を示す模式断面図である。 上記図1の誘電体窓のA−A断面における模式断面図である。 本発明の第2実施形態にかかるプラズマ処理装置の構成を示す模式断面図である。 上記図3の誘電体窓のB−B断面における模式断面図である。 本発明の第3実施形態にかかるプラズマ処理装置の構成を示す模式断面図である。 上記図5の誘電体窓のC−C断面における模式断面図である。 従来のプラズマ処理装置の構成を示す模式断面図である。 従来のプラズマ処理装置の構成を示す模式断面図である。
符号の説明
1…真空容器、2…反応ガス供給部、3…ポンプ、4…コイル用高周波電源、5…誘電体窓、6…コイル、7…基板電極、8…基板、9…基板電極用高周波電源、10…整合回路、11…第1の冷温媒流路、12…第1のサーキュレータ、13…断熱板、14…インナーチャンバ、15…第2の冷温媒流路、16…第2のサーキュレータ、17…第3のサーキュレータ、18…流入口、19…流出口、20…対向電極用高周波電源、21…対向電極、22…支柱、23…ガス流路、24…ガス吹き出し口、25…温度センサ、30…凸部、51…第一誘電板、51a…第一接合表面、51b…処理室外側表面、52…第二誘電板、52a…第二接合表面、52b…処理室内側表面、60…誘電体窓、61…第一誘電板、61a…第一接合表面、61b…処理室外側表面、62…第二誘電板、62a…第二接合表面、62b…処理室内側表面、70…誘電体窓、71…第一誘電板、71a…第一接合表面、71b…処理室外側表面、72…第二誘電板、72a…第二接合表面、72b…処理室内側表面、100…処理室、101…プラズマ処理装置、102…プラズマ処理装置、103…プラズマ処理装置、111…第1の冷温媒流路、118…流入口、119…流出口、211…第1の冷温媒流路、218…流入口、219…流出口。

Claims (10)

  1. 円盤形状の誘電体窓を備えて密閉される真空容器内に基板を配置して、誘電体窓を挟んで基板に対向して真空容器外に配置された高周波電極に高周波電力を印加して、真空容器内にプラズマを発生させ、基板または基板上の膜をプラズマ処理するプラズマ処理方法であって、
    誘電体窓の内部にその全面に渡って円盤形状の周方向沿いに平面的に円弧状の形状を有する複数の流路を繋ぎ合わせて構成されかつ一筆書き状に一続きに設けられた流路に対して、一筆書き状かつ一続きの流路の一端に設けられかつ誘電体窓の処理室外側表面に配置された流入口と、一筆書き状かつ一続きの流路の他端に設けられかつ誘電体窓の処理室外側表面に配置された流出口とを通して、温度制御された流体を流通させることで、円盤形状の周方向沿いの流路に沿った流体の流れにより、誘電体窓の外周温度を一定の範囲内に保つように制御して、誘電体窓への堆積物の形成及び剥離を抑制しながら、基板または基板上の膜に対するプラズマ処理を行うことを特徴とする、プラズマ処理方法。
  2. 円盤形状の誘電体窓を備えて密閉される真空容器内に基板を配置して、基板に対向して真空容器外に誘電体窓の外側に設けられ、断面視においてその中央部分に比してその外周部分が密となるように配置されたコイル状電極に高周波電力を印加して、真空容器内にプラズマを発生させ、基板または基板上の膜をプラズマ処理するプラズマ処理方法であって、
    誘電体窓の内部にその全面に渡って円盤形状の周方向沿いに平面的に円弧状の形状を有する複数の流路を繋ぎ合わせて構成されかつ一筆書き状に一続きに設けられた流路に対して、複数の流路のうちの平面的に最外周の流路よりも内側に配置された一続きの流路の一端に設けられかつ誘電体窓の処理室外側表面に配置された流入口に、コイル状電極の間を通して配置された流体の循環通路から温度制御された流体を流すとともに、一続きの流路の他端に設けられかつ誘電体窓の処理室外側表面に配置された流出口とを通して、流路から循環通路へ流体を流出させることで、円盤形状の周方向沿いの流路に沿った流体の流れにより、誘電体窓の外周温度を一定の範囲内に保つように制御して、誘電体窓への堆積物の形成及び剥離を抑制しながら、基板または基板上の膜に対するプラズマ処理を行うことを特徴とする、プラズマ処理方法。
  3. 流体の温度を計測して、計測された流体の温度に基づいて流体の温度を制御して誘電体窓の温度を堆積物の形成及び剥離を抑制可能な温度範囲内に制御する、請求項1または2に記載のプラズマ処理方法。
  4. 誘電体窓の表面または内部の温度を計測して、計測された誘電体窓の温度に基づいて誘電体窓の温度が堆積物の形成及び剥離を抑制可能な温度範囲内となるように流体の温度を制御する、請求項1から3のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法。
  5. 真空容器の内側側壁に設けられたインナーチャンバの内部に配置された流路に、温度制御された流体を流してインナーチャンバの温度を制御し、インナーチャンバへの堆積物の形成及び剥離を抑制しながらプラズマ処理を行う、請求項1から4のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法。
  6. プラズマ処理を実施した後、プラズマ非処理状態を経て、その後、さらにプラズマ処理を行う場合に、プラズマ非処理状態において、誘電体窓の流路に流体を流通させて、誘電体窓の外周温度を一定の範囲内に保つように制御して、プラズマ処理時とプラズマ被処理時の誘電体窓の温度変化を抑制する、請求項1から5のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法。
  7. 真空化された処理室内に高周波を誘導させてプラズマを発生させて、処理室内の基板に対しプラズマ処理を行うプラズマ処理装置において、
    その内部に基板が保持される真空容器と、
    円盤形状を有し、その内部に全面に渡って円盤形状の周方向沿いに平面的に円弧状の形状を有する複数の流路を繋ぎ合わせて構成されかつ一筆書き状に一続きに形成された流路であって、一筆書き状かつ一続きの流路の一端に設けられかつその処理室外側表面に形成された流入口と、一筆書き状かつ一続きの流路の他端に設けられかつその処理室外側表面に形成された流出口とを通して、流体を流通可能な流路を有し、かつ基板に対向するように設けられて真空容器を密閉して真空容器の内部に処理室を形成する誘電体窓と、
    処理室内に反応ガスを供給するガス供給装置と、
    処理室内を排気して処理室内の圧力を略一定に保って真空化する真空排気装置と、
    処理室の外側に誘電体窓を挟んで基板と対向するように配置された高周波電極に高周波電力を印加して、高周波電極より誘電体窓を通して処理室内に高周波を発生させる高周波電源と、
    流路の流入口および流出口と接続された流体の循環経路を有し、プラズマ処理の際に、循環通路から流入口を通して誘電体窓の流路に温度制御された流体を流すとともに、流出口を通して流路から循環通路へ流体を流出させることで、円盤形状の周方向沿いの流体の流れにより誘電体窓の外周温度を一定の範囲内に保つように制御し、誘電体窓への堆積物の形成及び剥離を抑制する温度制御付流体供給装置とを備えることを特徴とする、プラズマ処理装置。
  8. 真空化された処理室内に高周波を誘導させてプラズマを発生させて、処理室内の基板に対しプラズマ処理を行うプラズマ処理装置において、
    その内部に基板が保持される真空容器と、
    円盤形状を有し、その内部に全面に渡って円盤形状の周方向沿いに平面的に円弧状の形状を有する複数の流路を繋ぎ合わせて構成されかつ一筆書き状に一続きに形成された流路であって、複数の流路のうちの平面的に最外周の流路よりも内側に配置された一続きの流路の一端に設けられかつその処理室外側表面に配置された流入口を通して、円盤形状の周方向沿いの流路に沿った流れにて、一続きの流路の他端に設けられかつその処理室外側表面に配置された流出口まで流体を流通可能な流路を有し、かつ基板に対向するように設けられて真空容器を密閉して真空容器の内部に処理室を形成する誘電体窓と、
    処理室内に反応ガスを供給するガス供給装置と、
    処理室内を排気して処理室内の圧力を略一定に保って真空化する真空排気装置と、
    処理室の外側に誘電体窓を挟んで基板と対向するように設けられ、断面視においてその中央部分に比してその外周部分が密となるように配置されたコイル状電極に高周波電力を印加して、コイル状電極より誘電体窓を通して処理室内に高周波を発生させる高周波電源と、
    コイル状電極の間を通して配置され、流路の流入口および流出口と接続された流体の循環経路を有し、プラズマ処理の際に、循環通路から流入口を通して誘電体窓の流路に温度制御された流体を流すとともに、流出口を通して流路から循環通路へ流体を流出させることで、円盤形状の周方向沿いの流体の流れにより誘電体窓の外周温度を一定の範囲内に保つように制御し、誘電体窓への堆積物の形成及び剥離を抑制する温度制御付流体供給装置とを備えることを特徴とする、プラズマ処理装置。
  9. 誘電体窓の表面または内部の温度を計測する温度センサをさらに備え、
    温度制御付流体供給装置は、温度センサにより計測された誘電体窓の表面または内部の温度に基づいて誘電体窓の温度が堆積物の形成及び剥離を抑制可能な温度範囲内となるように流体の温度を制御する、請求項7または8に記載のプラズマ処理装置。
  10. その内部に流体を流通可能な流路を有するインナーチャンバが、真空容器の内側側壁に設けられ、
    プラズマ処理の際に、インナーチャンバの流路に温度制御された流体を流してインナーチャンバの温度を制御し、インナーチャンバへの堆積物の形成及び剥離を抑制する温度制御付流体供給装置をさらに備える、請求項7から9のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
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