JP2003303812A - プラズマ処理方法及び装置 - Google Patents

プラズマ処理方法及び装置

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JP2003303812A
JP2003303812A JP2002108112A JP2002108112A JP2003303812A JP 2003303812 A JP2003303812 A JP 2003303812A JP 2002108112 A JP2002108112 A JP 2002108112A JP 2002108112 A JP2002108112 A JP 2002108112A JP 2003303812 A JP2003303812 A JP 2003303812A
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temperature
dielectric window
fluid
processing apparatus
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JP2002108112A
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Masaki Suzuki
正樹 鈴木
Tomohiro Okumura
智洋 奥村
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘電体窓の温度変化を抑制でき、プラズマ化
に利用できる実質的な電力が大きく、高周波ノイズが発
生しにくいプラズマ処理方法及び装置を提供する。 【解決手段】 真空容器1内にガス供給装置2より所定
の反応ガスを導入しつつ真空排気装置3で排気を行い、
真空容器1内を所定の圧力に保ちながら、高周波電源4
により高周波電力を、誘電体窓5の外側に配置された高
周波電極6に印加すると、真空容器1内にプラズマが発
生し、基板電極7上に載置された基板8に対してプラズ
マ処理を行うことができる。このとき、誘電体窓5の内
部に設けられた流路11に流体を流すことにより、誘電
体窓5の温度を制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体等の薄膜回
路や電子部品の製造に利用されるドライエッチング装
置、プラズマCVD装置などのプラズマ処理方法及び装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体等の薄膜回路や電子部品の
製造に利用されるプラズマ処理装置の1つとして、真空
容器の外部に位置されるコイル(又は電極)に高周波電
力を印加することによって真空容器内にプラズマを発生
させる高周波誘導方式のプラズマ処理装置がある。この
方式のプラズマ処理装置は、真空容器外で高周波電磁界
を発生させ、その高周波電磁界を誘電体窓を介して真空
容器内に伝達しこの電磁界で電子の加速を行い、プラズ
マを発生させるものである。
【0003】高周波誘導方式のプラズマ処理装置の一例
としてプラズマ処理装置201を図7に示す。
【0004】図7に示すように、プラズマ処理装置20
1は、略中空円柱形状の真空容器1と、真空容器1の上
部における開口部を塞ぐように備えられた円盤状の石英
ガラス製の誘電体窓35とを備えており、真空容器1と
誘電体窓35とで密閉された空間でありかつプラズマ処
理が行われる処理室200が形成されている。また、真
空容器1の外側側面には、真空容器1内に所定の反応ガ
スの供給を行う反応ガス供給部2と、真空容器1内(処
理室200内)の空気若しくはガスの排気を行う真空排
気装置の一例である真空ポンプ3が備えられている。ま
た、誘電体窓35の上方近傍にはコイル6が配置されて
おり、コイル6に高周波電力を印加するコイル用高周波
電源4が真空容器1の外側に備えられている。また、真
空容器1内における底面中央付近には、基板電極7が備
えられており、この基板電極7に高周波電力を印加する
基板電極用高周波電源9が真空容器1の外側に備えられ
ている。また、プラズマ処理装置201によりプラズマ
処理が施される基板8が、真空容器1内の基板電極7の
上に保持(若しくは載置)されている。なお、コイル用
高周波電源4とコイル6の間には、整合回路10が設け
られている。
【0005】このような構成のプラズマ処理装置201
により基板8に対してプラズマ処理を行う方法について
説明する。
【0006】まず、図7において、真空容器1内に反応
ガス供給部2より所定の反応ガスを導入しつつ、真空ポ
ンプ3で真空容器1内の空気の排気を行い、真空容器1
内を所定のガスで満たすとともに所定の圧力に保つ。そ
の後、この状態を維持しながら、コイル用高周波電源4
により例えば13.56MHzの高周波電力をコイル6
に印加する。これにより、真空容器1内、すなわち処理
室200内にプラズマを発生させることができ、上記プ
ラズマにより基板電極7上に保持(若しくは載置)され
た基板8に対してエッチング、堆積、又は表面改質等の
プラズマ処理を行うことができる。このとき、基板電極
7にも基板電極用高周波電源9により高周波電力を印加
することで、基板8に到達するイオンエネルギーを制御
することができる。
【0007】しかしながら、図7に示した方式では、誘
電体窓35の下面(すなわち真空側の面)にも反応生成
物が多量に堆積するために、真空容器1内におけるダス
トの発生が多くなり、プラズマ処理装置201のメンテ
ナンス間隔が短くなるという問題点がある。また、プラ
ズマ処理中の上記誘電体窓35への反応生成物の堆積と
上記誘電体窓35の温度上昇により、真空容器1内の雰
囲気が一定せず、プラズマ処理の再現性に乏しいという
問題点がある。このような問題点について以下に詳述す
る。
【0008】プラズマ処理装置201において基板8に
対してプラズマ処理を行う場合において、プラズマCV
Dを行う場合、基板8上に薄膜を堆積する過程で誘電体
窓35の下面にも同様の薄膜が堆積してしまう。また、
ドライエッチングを行う場合にも、エッチング反応や気
相反応で生じた物質が誘電体窓35の下面に堆積するこ
とがある。プラズマ処理を重ねていくにつれてこのよう
な堆積膜は膜厚を増し、プラズマ処理時間の繰り返しに
伴って、誘電体窓35の温度が上昇していくが、堆積膜
がある膜厚を越えると、誘電体窓35と堆積膜との熱膨
張率の差による膜応力によりはがれが生じ、真空容器1
内においてダストとなって基板8上に降ってくる。図7
のプラズマ処理装置201における方式では、少数の基
板8をプラズマ処理しただけでダストが発生する場合が
あるため、真空容器1を大気開放して誘電体窓35をク
リーニングする頻度が高くなるという問題点がある。
【0009】また、プラズマ処理を重ねていくと、上述
した堆積膜の膜厚が変化するため、反応ガス成分の吸着
率が変化し、真空容器1内の雰囲気、すなわち反応ガス
の分圧が変化し、プラズマ処理の再現性が悪化する。ま
た、誘電体窓35に衝突する高エネルギーイオンによる
加熱で誘電体窓35の温度が上昇することも反応ガスの
吸着率の変化を引き起こす原因となっており、真空容器
1内の雰囲気を変化させて、プラズマ処理の再現性を悪
化させている。
【0010】このような問題を解決する方法として、図
8に示すように、コイル6と誘電体窓35との間に抵抗
加熱式ヒーター28を備えたプラズマ処理装置202が
考案された。
【0011】図8に示すように、プラズマ処理装置20
2は、コイル6と誘電体窓35との間に、断熱板として
のマイカ板27が設けられ、マイカ板27の内部に抵抗
加熱式ヒーター28が埋め込まれており、誘電体窓35
をプラズマ処理に好適な温度に制御できるようになって
いる。なお、これ以外の構成はプラズマ処理装置201
と同様である。
【0012】このような構成のプラズマ処理装置202
により基体8に対してプラズマ処理を行う場合、抵抗加
熱式ヒーター28により誘電体窓35を80℃以上に加
熱することにより、誘電体窓35へ堆積する薄膜の膜厚
を、上記加熱を行わない場合に比較して小さくすること
ができるとともに、その膜質も緻密にすることができる
ため、上記堆積膜のはがれによるダストの発生をある程
度抑制することができる。さらに、プラズマ非処理時に
おいても抵抗加熱式ヒーター28により誘電体窓35を
加熱することにより、誘電体窓35の温度の低下を防ぐ
ことができ、プラズマ処理中の高温とプラズマ非処理時
の低温というようなヒートサイクルの温度差をある程度
小さくでき、上記堆積膜のはがれによるダストの発生を
ある程度抑制することができる。したがって、誘電体窓
35のクリーニング頻度もある程度小さくなる。また、
プラズマ処理を重ねていった際も、堆積膜の膜厚の増加
はある程度小さく、かつ誘電体窓35の温度は一定温度
以上に保たれているため、反応ガスの吸着率は低いまま
で大きくは変化しない。したがって、真空容器1内の雰
囲気、すなわち反応ガスの分圧はやや安定し、ある程度
再現性に優れたプラズマ処理を行うことができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プラズ
マ処理装置202のような方式では、連続処理時間が著
しく長い場合や、コイル6に印加する高周波電力が大き
い場合には、誘電体窓を直接冷却する手段がないため、
誘電体窓35の過昇温が起き、プラズマ処理の途中で抵
抗加熱式ヒーター28に供給する電力を0(ゼロ)にし
ても、ヒーター28が電磁波を吸収して発熱することも
加わって、誘電体窓35の温度が上昇し続けることがあ
り、このような場合にあっては、この誘電体窓35の過
度の温度上昇によって、誘電体窓35に堆積された薄膜
が過昇温されて、上記薄膜と誘電体窓35との熱膨張率
の差による上記薄膜の剥がれが発生し、処理室200内
においてダストが発生するという問題がある。
【0014】また、誘電体窓35に抵抗加熱式ヒーター
28が設置され、また、このような抵抗加熱式ヒーター
28は一般的に金属材料により形成されていることによ
り、抵抗加熱式ヒーター28がコイル6から放射される
電磁界を吸収し発熱して、プラズマ化に利用できる実質
的な電力が例えば30%程度小さくなってしまうという
問題がある。さらに、抵抗加熱式ヒーター28が備えら
れていることにより、抵抗加熱ヒーター28の給電線に
高周波が重畳し、制御機器の誤動作や故障を生じやすい
という問題点がある。
【0015】従って、本発明の目的は、上記問題を解決
することにあって、誘電体窓の温度を加熱方向にも冷却
方向にも能動的に制御でき、プラズマ化に利用できる実
質的な電力が大きく、高周波ノイズが発生しにくく、処
理室内のダストの発生が少なく、クリーニング頻度の少
ないプラズマ処理方法及び装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は以下のように構成する。
【0017】本発明の第1態様によれば、誘電体窓によ
り密閉された真空容器内に反応ガスを供給しつつ上記真
空容器内を排気して上記真空容器内の圧力を略一定に制
御しながら、上記真空容器内に保持された基板に対向し
て設けられた上記誘電体窓の外側に設けられた高周波電
極に高周波電力を印加して、上記真空容器内にプラズマ
を発生させ、上記基板または上記基板上の膜をプラズマ
処理するプラズマ処理方法であって、上記誘電体窓の内
部に設けられた流路に温度制御された流体を流して上記
誘電体窓の温度を制御し、上記誘電体窓への堆積物の形
成及び剥離を制御可能であることを特徴とするプラズマ
処理方法を提供する。
【0018】本発明の第2態様によれば、上記高周波電
極はコイル状電極であって、周波数50kHz乃至50
0MHzの範囲内で上記高周波電力が印加される第1態
様に記載のプラズマ処理方法を提供する。
【0019】本発明の第3態様によれば、上記高周波電
極は上記基板に大略平行に配置された板状電極であっ
て、周波数50kHz乃至500MHzの範囲内で上記
高周波電力が印加される第1態様に記載のプラズマ処理
方法を提供する。
【0020】本発明の第4態様によれば、上記流体は水
であって、上記流体の温度を−20℃乃至120℃の範
囲内で制御する第1態様から第3態様のいずれか1つに
記載のプラズマ処理方法を提供する。
【0021】本発明の第5態様によれば、上記流体はフ
ッ素系不活性液体又は油脂類であって、上記流体の温度
を−130℃乃至200℃の範囲内で制御する第1態様
から第3態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法
を提供する。
【0022】本発明の第6態様によれば、上記流体は気
体であって、上記流体の温度を−273℃乃至500℃
の範囲内で制御する第1態様から第3態様のいずれか1
つに記載のプラズマ処理方法を提供する。
【0023】本発明の第7態様によれば、上記流体の温
度を計測して、上記計測された上記流体の温度に基づい
て上記流体の温度を制御して上記誘電体窓の温度を上記
堆積物の形成及び剥離を抑制可能な温度範囲内に制御す
る第1態様から第6態様のいずれか1つに記載のプラズ
マ処理方法を提供する。
【0024】本発明の第8態様によれば、上記誘電体窓
の表面または内部の温度を計測して、上記計測された上
記誘電体窓の温度に基づいて上記誘電体窓の温度が上記
堆積物の形成及び剥離を抑制可能な温度範囲内となるよ
うに上記流体の温度を制御する第1態様から第6態様の
いずれか1つに記載のプラズマ処理方法を提供する。
【0025】本発明の第9態様によれば、上記真空容器
の内側側壁に設けられたインナーチャンバの内部に設け
られた流路に、温度制御された流体を流して上記インナ
ーチャンバの温度を制御し、上記インナーチャンバへの
堆積物の形成及び剥離を制御可能である第1態様から第
8態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法を提供
する。
【0026】本発明の第10態様によれば、上記誘電体
窓の材質が、石英ガラス、シリコン、窒化シリコン、ア
ルミナ、サファイア、若しくは窒化アルミニウムのいず
れかである、又はそれらの組み合わせである第1態様か
ら第9態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法を
提供する。
【0027】本発明の第11態様によれば、上記プラズ
マ処理が、上記基板または上記基板上の薄膜を深さで1
μm以上エッチングする処理である第1態様から第10
態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法を提供す
る。
【0028】本発明の第12態様によれば、上記プラズ
マ処理が、上記基板または上記基板上の薄膜を深さで1
0μm以上エッチングする処理である第1態様から第1
0態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法を提供
する。
【0029】本発明の第13態様によれば、上記高周波
電極に印加する高周波電力をP、上記誘電体窓の面積を
Sとしたとき、P/S>6220(W/m)である第
1態様から第12態様のいずれか1つに記載のプラズマ
処理方法を提供する。
【0030】本発明の第14態様によれば、真空化され
た処理室内に高周波を誘導させてプラズマを発生させ
て、上記処理室内の基板に対しプラズマ処理を行うプラ
ズマ処理装置において、その内部に上記基板が保持され
る真空容器と、その内部に流体を流通可能な流路を有
し、かつ上記基板に対向するように設けられて上記真空
容器を密閉して上記真空容器の内部に上記処理室を形成
する誘電体窓と、上記処理室内に反応ガスを供給するガ
ス供給装置と、上記処理室内を排気して上記処理室内の
圧力を略一定に保って真空化する真空排気装置と、上記
処理室の外側に上記誘電体窓を通して上記基板と対向す
るように設けられた高周波電極に高周波電力を印加し
て、上記高周波電極より上記誘電体窓を通して上記処理
室内に高周波を発生させる高周波電源と、上記プラズマ
処理の際に、上記誘電体窓の上記流路に温度制御された
上記流体を流して上記誘電体窓の温度を制御し、上記誘
電体窓への堆積物の形成及び剥離を抑制可能である温度
制御付流体供給装置とを備えることを特徴とするプラズ
マ処理装置を提供する。
【0031】本発明の第15態様によれば、上記高周波
電極はコイル状電極であって、周波数50kHz乃至5
00MHzの範囲内で上記高周波電力が上記高周波電源
から印加される第14態様に記載のプラズマ処理装置を
提供する。
【0032】本発明の第16態様によれば、上記高周波
電極は上記基板に大略平行に配置された板状電極であっ
て、周波数50kHz乃至500MHzの範囲内で上記
高周波電力が上記高周波電源から印加される第14態様
に記載のプラズマ処理装置を提供する。
【0033】本発明の第17態様によれば、上記流体が
水である第14態様から第16態様のいずれか1つに記
載のプラズマ処理装置を提供する。
【0034】本発明の第18態様によれば、上記流体が
フッ素系不活性液体又は油脂類である第14態様から第
16態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提
供する。
【0035】本発明の第19態様によれば、上記流体が
気体である第14態様から第16態様のいずれか1つに
記載のプラズマ処理装置を提供する。
【0036】本発明の第20態様によれば、上記誘電体
窓の表面または内部の温度を計測する温度センサをさら
に備え、上記温度制御付流体供給装置は、上記温度セン
サにより計測された上記誘電体窓の表面または内部の温
度に基づいて上記誘電体窓の温度が上記堆積物の形成及
び剥離を抑制可能な温度範囲内となるように上記流体の
温度を制御する第14態様から第19態様のいずれか1
つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
【0037】本発明の第21態様によれば、その内部に
流体を流通可能な流路を有するインナーチャンバが、上
記真空容器の内側側壁に設けられ、プラズマ処理の際
に、上記インナーチャンバの上記流路に温度制御された
上記流体を流して上記インナーチャンバの温度を制御
し、上記インナーチャンバへの堆積物の形成及び剥離を
抑制可能である温度制御付流体供給装置をさらに備える
第14態様から第20態様のいずれか1つに記載のプラ
ズマ処理装置を提供する。
【0038】本発明の第22態様によれば、上記誘電体
窓の材質が、石英ガラス、シリコン、窒化シリコン、ア
ルミナ、サファイア、若しくは窒化アルミニウムのいず
れかである、又はそれらの組み合わせである第14態様
から第21態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装
置を提供する。
【0039】本発明の第23態様によれば、上記誘電体
窓への上記流体の流入口および流出口が、上記高周波電
極が設けられている面に形成されている第14態様から
第22態様のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置を
提供する。
【0040】本発明の第24態様によれば、上記誘電体
窓は略円盤形状を有しており、上記略円盤内を一筆書き
に万遍なく上記流体が流れるように上記流路が形成され
ている第14態様から第23態様のいずれか1つに記載
のプラズマ処理装置を提供する。
【0041】本発明の第25態様によれば、上記誘電体
窓は二枚の板状体の間に複数の支柱が配置されて構成さ
れており、夫々の上記支柱間に上記流体が流れるように
上記流路が形成されている第14態様から第23態様の
いずれか1つに記載のプラズマ処理装置を提供する。
【0042】本発明の第26態様によれば、上記誘電体
窓は略円盤形状を有しており、上記略円盤形状の周方向
沿いの流れと径方向沿いの流れとの組み合わせでもって
上記流体が流れるように上記流路が形成されている第1
4態様から第23態様のいずれか1つに記載のプラズマ
処理装置を提供する。
【0043】
【発明の実施の形態】以下に、本発明にかかる実施の形
態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0044】まず、本発明の第1実施形態にかかるプラ
ズマ処理方法及び装置について、図1及び図2を参照し
て説明する。
【0045】図1は、本第1実施形態にかかるプラズマ
処理装置101の構造を示す模式断面図である。
【0046】図1に示すように、プラズマ処理装置10
1は、上面に開口部を有する略中空円柱形状の真空容器
1と、真空容器1の上記開口部を塞ぐように備えられた
円盤状の石英ガラス製の誘電体窓5とを備えており、真
空容器1と誘電体窓5とにより密閉された空間でありか
つプラズマ処理が行われる処理室100が形成されてい
る。また、真空容器1の外側側面には、真空容器1内に
所定の反応ガスの供給を行うガス供給装置の一例である
反応ガス供給部2と、真空容器1内の空気若しくはガス
の排気を行う真空排気装置の一例である真空ポンプ3が
備えられている。また、誘電体窓5の上方近傍には高周
波電源の一例でありかつコイル状電極の一例でもあるコ
イル6が配置されており、コイル6に高周波電力を印加
する高周波電源の一例であるコイル用高周波電源4が真
空容器1の外側に備えられている。また、真空容器1内
における底面中央付近には、基板電極7が備えられてお
り、この基板電極7に高周波電力を印加する基板電極用
高周波電源9が真空容器1の外側に備えられている。ま
た、プラズマ処理装置101によりプラズマ処理が施さ
れる基板8が、真空容器1内の基板電極7の上に載置可
能(若しくは保持可能)となっている。なお、コイル用
高周波電源4とコイル6の間には、整合回路10が設け
られている。
【0047】また、誘電体窓5は、概略円盤形状を有す
る板状体の一例である第一誘電板51の第一接合表面5
1aと第二誘電板52の第二接合表面52aとが接合さ
れることにより形成されており、第一誘電板51におけ
る第一接合表面51aとは逆側の表面は、プラズマ処理
装置101の処理室100の外側に面する処理室外側表
面51bとなっており、第二誘電板52における第二接
合表面52aとは逆側の表面は、処理室100の内側に
面する処理室内側表面52bとなっている。
【0048】また、図1及び図2の誘電体窓5の模式断
面図(図1におけるA−A断面)に示すように、第一誘
電板51の第一接合表面51aには、複数の凹部が一筆
書き状に一続きに連通して形成された凹部の一例である
溝部が形成されており、この上記溝部と第二接合表面5
2aとで囲まれた平面的に概略円弧状の形状を有する複
数の流路を繋ぎ合わせて構成された流体(一例として冷
温媒)の流路の一例である第1の冷温媒流路11が、誘
電体窓5の内部にその全面に渡って略均一に配置される
ように形成されている。言いかえれば、誘電体窓5にお
ける第一接合表面51aと第二接合表面52aとの互い
の接合面及びこの接合面の近傍において、第1の冷温媒
流路11が上記接合面の全面に渡って略均一に配置され
るように形成されており、また、上記第1の冷温媒流路
11は上記誘電体板5の略円盤形状の周方向沿いの流れ
でもって上記冷温媒を流せるように形成されている。ま
た、第一誘電板51の処理室外側表面51bには、第1
の冷温媒流路11への冷温媒となる流体の流入口18及
び流出口19が形成されている。さらに、プラズマ処理
装置101においては、第1の冷温媒流路11への流入
口18及び流出口19に接続された循環通路12aを通
して、上記冷温媒となる流体の一例である水を流して循
環させる温度制御付流体供給装置の一例である第1のサ
ーキュレータ12が、真空容器1の外側に備えられてい
る。なお、第1のサーキュレータ12内には温度制御装
置(図示しない)が備えられており、第1のサーキュレ
ータ12内に備えられた温度センサ(図示しない)によ
り計測された上記循環されている水の温度に基づいて、
上記循環される水の温度が制御可能となっている。
【0049】また、コイル6と誘電体窓5との間、すな
わち、第一誘電板51の処理室外側表面51b全体を覆
うように、電気絶縁材又は断熱材の一例であるマイカ製
の断熱板13が設けられており、コイル6が断熱板13
を介して誘電体窓5に押し付けられている。また、真空
容器1の側壁内側には、大略円筒形状のインナーチャン
バ14が設けられており、インナーチャンバ14の端部
に設けられた流体の流路の一例である第2の冷温媒流路
15に、温度制御付流体供給装置の一例である第2のサ
ーキュレータ16により温度制御された流体としての冷
温媒、例えば水を流すことができ、インナーチャンバ1
4の温度を制御することが可能となっている。また、基
板電極7にも温度制御付流体供給装置の一例である第3
のサーキュレータ17が接続され、第3のサーキュレー
タ17により温度制御された流体としての冷温媒、例え
ば水を流して、基板電極7の温度を一定に保つことが可
能となっている。
【0050】このような構成のプラズマ処理装置101
により基板8に対してプラズマ処理を行う方法について
説明する。
【0051】まず、図1において、真空容器1内の基板
電極7の上にプラズマ処理を行う基板8を載置する。次
に、真空容器1内に反応ガス供給部2より所定の反応ガ
スを導入しつつ、真空ポンプ3で真空容器1内の空気の
排気を行い、真空容器1内(処理室100内)を所定の
反応ガスで満たすとともに、例えば、真空ポンプ3によ
る上記排気の経路中に設けられた調整弁(図示しない)
により上記排気流量を調整する等により真空容器1内
(処理室100内)を所定の圧力に保つ。この状態を維
持しながら、コイル用高周波電源4により13.56M
Hzの高周波電力を、コイル6に印加する。これによ
り、コイル6により高周波が発生され、上記発生された
高周波が誘電体窓5を通して真空容器1内に誘導され
て、真空容器1内に供給されている反応ガスと上記高周
波により真空容器1内に(すなわち処理室100内に)
プラズマを発生させることができ、上記発生されたプラ
ズマにより基板電極7上に載置された基板8に対してエ
ッチング、堆積、又は表面改質等のプラズマ処理を行う
ことができる。このとき、基板電極7にも基板電極用高
周波電源9により高周波電力を印加することで、基板8
に到達するイオンエネルギーを制御することができる。
【0052】また、このプラズマ処理の際に、第1のサ
ーキュレータ12により所定の温度に制御された水を、
循環通路12aを通して、誘電体窓5内の第1の冷温媒
流路11に循環させることにより、誘電体窓5の温度を
一定範囲内の温度に保ちながら上記プラズマ処理を行
う。ここで上記一定範囲内の温度とは、プラズマ処理の
際に、誘電体窓5への薄膜の堆積量を低減させて堆積物
である堆積膜の形成を抑制することができ、かつ誘電体
窓5に堆積された薄膜(すなわち上記堆積膜)が、誘電
体窓5の温度上昇により剥がれ落ちないような(剥離し
ないような)誘電体窓5の温度範囲である。また、同様
に、第2のサーキュレータ16により所定の温度に制御
された水を、インナーチャンバ14の第2の冷温媒流路
15に循環させることにより、インナーチャンバ14の
温度を、プラズマ処理の際に、インナーチャンバ14へ
の薄膜の堆積量を低減させて堆積膜の形成を抑制するこ
とができ、かつインナーチャンバ14に堆積された薄膜
(すなわち上記堆積膜)が、インナーチャンバ14の温
度上昇により剥がれ落ちないような(剥離しないよう
な)温度範囲に制御する。また、上記同様に、第3のサ
ーキュレータ17により基板電極7の温度を所定の温度
に保ちながら上記プラズマ処理を行う。なお、プラズマ
非処理時においても、第1のサーキュレータ12により
所定の温度に制御された水を、循環通路12aを通し
て、誘電体窓5内の第1の冷温媒流路11に循環させる
ことにより、誘電体窓5の温度を一定範囲内の温度に保
つような場合であってもよい。このような場合にあって
は、プラズマ非処理時においても誘電体窓5の温度を一
定範囲内に保つことができ、プラズマ処理時とプラズマ
非処理時とを繰り返すことによる温度変化、すなわちヒ
ートサイクルを誘電体窓5に形成された堆積膜に与える
ことを防止することができ、上記ヒートサイクルによる
上記堆積膜の剥がれを防止することができる。
【0053】上記第1実施形態によれば、従来例、例え
ば、プラズマ処理装置202においては、プラズマ処理
の連続処理時間が著しく長い場合や、コイル6に印加す
る高周波電力が大きい場合に、抵抗式加熱ヒーター28
の加熱動作を停止させた場合であっても、抵抗式加熱ヒ
ーター28が自己発熱しかつ誘電体窓5の強制的な冷却
を行うことができないため誘電体窓35の過昇温が発生
していたが、プラズマ処理装置101においては、上記
抵抗式加熱ヒーター28ではなく、誘電体窓5内に第1
の冷温媒流路11を形成することにより、第1の冷温媒
流路11内に温度制御された水を流して上記強制的な冷
却を行うことができるため、誘電体窓5の過昇温が起き
にくく、誘電体窓5に堆積する薄膜が剥がれたり、ダス
トが発生するといった現象が発生し難くすることができ
る。
【0054】例えば、従来例におけるプラズマ処理装置
202おいては、プラズマ処理の一例として、抵抗加熱
ヒーター28を用いて誘電体窓5を80℃に制御しなが
ら基板8としてシリコン基板の表面を10μmエッチン
グ処理する場合にあっては、誘電体窓35の温度は石英
外周で102℃まで上昇する場合があったが、上記第1
実施形態のプラズマ処理装置101により上記同様なエ
ッチング処理を行うような場合にあっては、第1のサー
キュレータ12により循環される水の温度を80℃±1
℃に保つことができ、誘電体窓5の外周温度を略一定
(80℃±1℃)に保つことができる。
【0055】また、上記第1実施形態のプラズマ処理装
置101においては、従来例(例えば、プラズマ処理装
置202)と異なり、金属材料により形成されている抵
抗式加熱ヒーター28を用いずに、誘電体窓5内に形成
された第1の冷温媒流路11に温度制御された水を流し
て循環させることにより誘電体窓5の温度制御を行って
いるため、抵抗式加熱ヒーター28の金属材料がコイル
6からの発生される電磁界を例えば30%程度吸収して
発熱することを無くすことができ、上記電磁界を無駄な
く真空容器1内に吸収させることができ、プラズマ処理
におけるプラズマ化に利用できる実質的な電力を大きく
することができ、効率的なプラズマ処理を行うことがで
きる。
【0056】例えば、従来例におけるプラズマ処理装置
202においては、反応ガス供給部2より真空容器1内
に供給される反応ガスの一例としてHBrガス流量が
8.3×10−7/s、また、Clガス流量が
8.3×10−7/s、真空容器1内の圧力が1.
3Pa、コイル用高周波電源4によりコイル6に印加す
る電力が600Wの放電条件(プラズマ発生条件)のと
き、真空容器1内の基板8から300mm上方の位置に
おける飽和イオン電流密度は、0.61A/cmであ
ったが、上記第1実施形態のプラズマ処理装置101で
は、上記同様の放電条件(プラズマ発生条件)におい
て、飽和イオン電流密度を、0.96A/cm と高め
ることができ、同じ印加電力であっても発生させるプラ
ズマ密度を高めることができ、より効率的なプラズマ処
理を行うことができる。
【0057】また、上記第1実施形態のプラズマ処理装
置101においては、従来例(例えばプラズマ処理装置
202)と異なり、抵抗加熱ヒーター28を用いないた
め、高周波ノイズが発生し難く、プラズマ処理の際に機
器の誤動作や故障が生じ難くすることができ、安定した
プラズマ処理を行うことができる。
【0058】また、上記第1実施形態のプラズマ処理装
置101にて第1の冷温媒流路11中への流体の有無に
よるプラズマ発光強度への影響を調べると、流体として
純水を用いた場合、BC13、C12、及びArガス流
量がそれぞれ1.3×10 /s、2.0×10
−6/s、及び3.3×10−7/s、圧力が
3Pa、コイル6としてICPコイルと基板電極7に印
加する電力がそれぞれ900Wと75Wのとき、プラズ
マの発光強度は、純水無しの時に7.1Vであり、純水
有りの時に6.9Vと、純水の影響は約3%の発光強度
低下に留まり、誘電体窓5内に第1の冷温媒流路11が
形成され、流体として純水が流されることによるプラズ
マ処理に対する実用上の影響はほとんどない。
【0059】さらに、本発明の第1実施形態のプラズマ
処理装置101においては、従来例と異なり、上記IP
Cコイルの近傍に抵抗加熱ヒーターが存在しないため、
高周波ノイズがヒーター回路に重畳せず、機器の誤動作
や故障が生じにくいという長所がある。
【0060】さらに、上記第1実施形態のプラズマ処理
装置101においては、誘電体窓5の略全面に渡って均
一にその周方向沿いに配置された第1の冷温媒流路11
が形成されており、上記第1の冷温媒流路11内に第1
のサーキュレータ12により温度制御された水が循環さ
れるような構成とされていることにより、従来例(例え
ばプラズマ処理装置202)よりも誘電体窓5への熱の
伝わりを改善させることができ(すなわち、伝熱距離を
小さくすることができるため)、誘電体窓5を常温から
所定の温度に到達させる時間を短縮化することができ、
プラズマ処理に要する時間の短縮化を図り、より効率的
なプラズマ処理を行うことができる。例えば、従来例に
おけるプラズマ処理装置202では、誘電体窓35を常
温から80℃まで昇温させるのに60分も要する場合が
あったが、上記第1実施形態のプラズマ処理装置101
においては、上記同様な条件にての昇温を15分で行う
ことができ、プラズマ処理に要する時間を短縮化するこ
とができる。
【0061】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、その他種々の態様で実施できる。例え
ば、本発明の第2実施形態にかかるプラズマ処理装置の
一例であるプラズマ処理装置102について、図3に示
すプラズマ処理装置102の構造を示す模式断面図、及
び図4に示す上記図3におけるB−B断面図を参照して
説明する。
【0062】図3及び図4に示すように、プラズマ処理
装置102は、上記第1実施形態のプラズマ処理装置1
01におけるコイル6に代えて、高周波電極の一例であ
りかつ板状電極の一例でもある対向電極21備え、コイ
ル用高周波電源4に代えて、上記対向電極21に整合回
路10を介して高周波電力を印加する対向電極用高周波
電源20とを備えており、また、誘電体窓5に代えて、
第1の冷温媒流路111の平面的な配置が上記誘電体窓
5とは異なっている誘電体窓60を備えており、その他
の構成は同様であるため、以下この構成が異なる部分に
ついてのみ説明を行う。
【0063】図3に示すように、プラズマ処理装置10
2は、真空容器1内の基板電極7と対向しかつ略平行と
なるように、すなわち、基板電極7上に載置された基板
8と対向しかつ略平行となるように、窒化シリコン製の
誘電体窓60の外側(図3における図示上側)に配置さ
れた略平板状の対向電極21を備えている。また、対向
電極21と誘電体窓60との間には、電気絶縁材又は断
熱材の一例であるマイカ製の断熱板13が備えられてお
り、対向電極21が断熱板13を介して誘電体窓60に
押し付けられている。
【0064】また、誘電体窓60は、概略円盤形状を有
する板状体の一例である第一誘電板61の第一接合表面
61aと第二誘電板62の第二接合表面62aとが接合
されることにより形成されており、第一誘電板61にお
ける第一接合表面61aとは逆側の表面は、プラズマ処
理装置102の処理室100の外側に面する処理室外側
表面61bとなっており、第二誘電板62における第二
接合表面62aとは逆側の表面は、処理室100の内側
に面する処理室内側表面62bとなっている。
【0065】また、図3及び図4の誘電体窓60の模式
断面図(図3におけるB−B断面)に示すように、第一
誘電板61の第一接合表面61aは、その周端部に環状
の凸部30が形成されており、また、この環状の凸部3
0の内側には複数の円柱状の支柱22が平面的に均等に
配置されている。また、第一接合表面61aにおいて、
夫々の支柱22の間の空間及び夫々の支柱22と環状の
凸部30との間の空間が一体的に連通して形成された凹
部となり、上記凹部と第二接合表面62aとで囲まれた
空間が、流体(一例として冷温媒)の流路の一例である
第1の冷温媒流路111となっている。この第1の冷温
媒流路111は、誘電体窓60の内部にその全面に渡っ
て略均一に配置されるように形成されており、言いかえ
れば、誘電体窓60における第一接合表面61aと第二
接合表面62aとの互いの接合面及びこの接合面の近傍
において、第1の冷温媒流路111が上記接合面の全面
に渡って略均一に配置されるように形成されている。ま
た、第一誘電板61の処理室外側表面61bには、第1
の冷温媒流路111への冷温媒となる流体の流入口11
8及び流出口119が夫々2箇所ずつ形成されている。
【0066】このような構成のプラズマ処理装置102
により基板8に対してプラズマ処理を行う方法について
説明する。
【0067】まず、図3において、真空容器1内の基板
電極7の上にプラズマ処理を行う基板8を載置する。次
に、真空容器1内に反応ガス供給部2より所定の反応ガ
スを導入しつつ、真空ポンプ3で真空容器1内の空気の
排気を行い、真空容器1内(処理室100内)を所定の
反応ガスで満たすとともに、例えば、真空ポンプ3によ
る上記排気の経路中に設けられた調整弁(図示しない)
により上記排気流量を調整する等により真空容器1内
(処理室100内)を所定の圧力に保つ。この状態を維
持しながら、対向電極用高周波電源20により13.5
6MHzの高周波電力を、対向電極21に印加する。こ
れにより、対向電極21により高周波が発生され、上記
発生された高周波が誘電体窓60を通して真空容器1内
に誘導されて、真空容器1内に供給されている反応ガス
と上記高周波により真空容器1内に(すなわち処理室1
00内に)プラズマを発生させることができ、上記発生
されたプラズマにより基板電極7上に載置された基板8
に対してエッチング、堆積、又は表面改質等のプラズマ
処理を行うことができる。このとき、基板電極7にも基
板電極用高周波電源9により高周波電力を印加すること
で、基板8に到達するイオンエネルギーを制御すること
ができる。
【0068】また、このプラズマ処理の際に、第1のサ
ーキュレータ12により所定の温度に制御された水を、
循環通路12aを通して、誘電体窓60内の第1の冷温
媒流路111に循環させることにより、誘電体窓60の
温度を一定範囲内の温度に保ちながら上記プラズマ処理
を行う。また、上記同様に、第2のサーキュレータ16
によりインナーチャンバ14の温度を所定の温度範囲に
保ちながら、また、上記同様に、第3のサーキュレータ
17により基板電極7の温度を所定の温度に保ちながら
上記プラズマ処理を行う。また、上記第1実施形態と同
様にプラズマ非処理時においても誘電体窓60の温度を
一定範囲内に制御するような場合であってもよい。
【0069】上記第2実施形態のプラズマ処理装置10
2によれば、上記第1実施形態のプラズマ処理装置10
1のように高周波電極としてコイル状電極であるコイル
6を用いる場合に代えて、略平板状の対向電極20を用
いる平行平板方式のプラズマ処理装置である場合であっ
ても、上記第1実施形態による効果と同様な効果を得る
ことができる。
【0070】また、誘電体窓60の内部において平面的
に均等に配置されるように形成された複数の支柱22の
間の空間及び複数の支柱22と環状の凸部30との間の
空間とが第1の冷温媒流路111となっていることによ
り、第1の冷温媒流路111は誘電体窓60に平面的に
均一に配置された状態となって、第1のサーキュレータ
12により第1の冷温媒流路111内に均一に水を流す
ことができ、誘電体窓60への第1の冷温媒流路111
よりの熱伝達性を良好とさせることができる。よって、
誘電体窓60を常温から所定の温度まで上昇若しくは下
降させる時間を短縮化することができ、プラズマ処理に
要する時間の短縮化を図り、より効率的なプラズマ処理
を行うことができるとともに、安定した誘電体窓60の
温度制御を行うことができ、安定したプラズマ処理を行
うことができる。
【0071】次に、本発明の第3実施形態にかかるプラ
ズマ処理装置の一例であるプラズマ処理装置103につ
いて、図5に示すプラズマ処理装置103の構造を示す
模式断面図、及び図6に示す上記図5におけるC−C断
面図を参照して説明する。
【0072】図5及び図6に示すように、プラズマ処理
装置103は、上記第1実施形態のプラズマ処理装置1
01における誘電体窓5に代えて、異なる構造の誘電体
窓70を備えていること、及び第1のサーキュレータ1
2により制御される水の温度制御方法が異なっているこ
と以外の構成は同様であるため、以下この構成が異なる
部分についてのみ説明を行う。
【0073】図5及び図6に示すように、プラズマ処理
装置103は、上記誘電体窓5に代えて、アルミナ製の
誘電体窓70を備えている。誘電体窓70は、概略円盤
形状を有する板状体の一例である第一誘電板71の第一
接合表面71aと第二誘電板72の第二接合表面72a
とが接合されることにより形成されており、第一誘電板
71における第一接合表面71aとは逆側の表面は、プ
ラズマ処理装置103の処理室100の外側に面する処
理室外側表面71bとなっており、第二誘電板72にお
ける第二接合表面72aとは逆側の表面は、処理室10
0の内側に面する処理室内側表面72bとなっている。
また、図5及び図6の誘電体窓70の模式断面図(図5
におけるC−C断面)に示すように、第一誘電板71の
第一接合表面71aには、複数の凹部が連通して形成さ
れた溝部が形成されており、この溝部と第二接合表面7
2aとで囲まれた平面的に概略円弧状の形状を有する複
数の流路と上記円弧の直径方向の流路とを組み合わせて
構成された流体(一例として冷温媒)の流路の一例であ
る第1の冷温媒流路211が、誘電体窓70の内部にそ
の全面に渡って略均一に配置されるように形成されてい
る。言いかえれば、誘電体窓5における第一接合表面7
1aと第二接合表面72aとの互いの接合面及びこの接
合面の近傍において、第1の冷温媒流路211が上記接
合面の全面に渡って略均一に配置されるように形成され
ており、また、上記第1の冷温媒流路211は上記誘電
体板70の略円盤形状の周方向沿いの流れと径方向の流
れの組み合わせでもって上記冷温媒を流せるように形成
されている。また、第一誘電板71の処理室外側表面7
1bには、第1の冷温媒流路211への冷温媒となる流
体の流入口218及び流出口219が形成されている。
さらに、プラズマ処理装置103においては、第1の冷
温媒流路211への流入口218及び流出口219に接
続された循環通路12aを通して、上記冷温媒となる流
体の一例である水を流して循環させる温度制御付流体供
給装置の一例である第1のサーキュレータ12が、真空
容器1の外側に備えられている。なお、第1のサーキュ
レータ12内には温度制御装置(図示しない)が備えら
れており、循環される水の温度が制御可能となってい
る。
【0074】また、誘電体窓70の側面(図5における
図示右側側面)には、誘電体窓70の表面の温度を計測
する温度センサ25が設置されており、この温度センサ
25により計測された温度が第1のサーキュレータ12
内の上記温度制御装置に入力されて、上記計測された誘
電体窓70の表面の温度に基づいて、上記循環される水
の温度を制御して、誘電体窓70の温度を上記温度範囲
内となるように制御することが可能となっている。な
お、温度センサ25が誘電体窓70の上記側面に備えら
れている場合に代えて、誘電体窓70の内部又はその他
の表面上に設置されている場合であってもよい。また、
複数の温度センサ25が設置されて、例えば、夫々の温
度センサ25により計測された温度の相加平均を誘電体
窓70の温度とみなすような場合であってもよい。
【0075】また、図5における誘電体窓70の内部に
形成された第1の冷温媒流路211の図示した側、すな
わち、第二誘電板72の内部には、反応ガス供給部2よ
り供給される反応ガスを流通可能なガス流路23が形成
されており、また、第二誘電板の処理室側表面72bに
は、上記ガス流路23に接続された複数のガス吹き出し
口24が平面的に均等となるように形成されており、反
応ガス供給部2より上記ガス流路23及びガス吹き出し
口24を通して、処理室100内に載置された基板8の
上方に反応ガスを均一に供給することが可能となってい
る。
【0076】このような構成のプラズマ処理装置103
により基板8に対してプラズマ処理を行う方法について
説明する。
【0077】まず、図5において、真空容器1内の基板
電極7の上にプラズマ処理を行う基板8を載置する。次
に、真空容器1内に反応ガス供給部2より所定の反応ガ
スをガス流路23及びガス吹き出し口24を通して導入
しつつ、真空ポンプ3で真空容器1内の空気の排気を行
い、真空容器1内(処理室100内)を所定の反応ガス
で満たすとともに、例えば、真空ポンプ3による上記排
気の経路中に設けられた調整弁(図示しない)により上
記排気流量を調整する等により真空容器1内(処理室1
00内)を所定の圧力に保つ。この状態を維持しなが
ら、コイル用高周波電源4により13.56MHzの高
周波電力を、コイル6に印加する。これにより、コイル
6により高周波が発生され、上記発生された高周波が誘
電体窓5を通して真空容器1内に誘導されて、真空容器
1内に供給されている反応ガスと上記高周波により真空
容器1内に(すなわち処理室100内に)プラズマを発
生させることができ、上記発生されたプラズマにより基
板電極7上に載置された基板8に対してエッチング、堆
積、又は表面改質等のプラズマ処理を行うことができ
る。このとき、基板電極7にも基板電極用高周波電源9
により高周波電力を印加することで、基板8に到達する
イオンエネルギーを制御することができる。
【0078】また、このプラズマ処理の際に、温度セン
サ25により計測された誘電体窓70の表面温度に基づ
いて、上記誘電体窓70の表面温度が一定の温度範囲内
となるように、第1のサーキュレータ12により温度制
御された水を、循環通路12aを通して、誘電体窓70
内の第1の冷温媒流路211に循環させて、上記誘電体
窓70の温度を上記一定範囲内の温度に保ちながら上記
プラズマ処理を行う。また、同様に、第2のサーキュレ
ータ16により所定の温度に制御された水を、インナー
チャンバ14の第2の冷温媒流路15に循環させること
により、インナーチャンバ14の温度を制御し、また、
上記同様に、第3のサーキュレータ17により基板電極
7の温度を所定の温度に保ちながら上記プラズマ処理を
行う。
【0079】上記第3実施形態のプラズマ処理装置10
3によれば、上記第1実施形態による効果にさらに加え
て、上記第1実施形態のプラズマ処理装置101のよう
に、第1のサーキュレータ12内において計測された上
記循環される水の温度に基づいて、上記循環される水の
温度の制御を行うような場合に代えて、誘電体窓70の
表面の温度を計測可能な温度センサ25が備えられ、上
記温度センサ25により計測された誘電体窓70の実際
の表面温度に基づいて、上記表面の温度が上記一定の範
囲内に入るように第1のサーキュレータ12において循
環される水の温度の制御が行われることにより、誘電体
窓70の温度をより正確にかつ良好な制御性でもって制
御することができ、真空容器1内における堆積膜の剥離
によるダストの発生を抑制することができ、安定したプ
ラズマ処理を行うことができる。
【0080】例えば、従来例におけるプラズマ処理装置
202おいては、プラズマ処理の一例として、抵抗加熱
ヒーター28を用いて誘電体窓35を60℃に制御しな
がら基板8としてガリウム砒素基板の表面を100μm
エッチング処理する場合にあっては、誘電体窓35の温
度は石英外周で180℃まで上昇する場合があったが、
上記第3実施形態のプラズマ処理装置103により上記
同様なエッチング処理を行うような場合にあっては、第
1のサーキュレータ12により水を循環させて、誘電体
窓70の温度を外周にて60℃±1℃に保つことがで
き、誘電体窓70の温度を略一定に保つことができる。
【0081】また、上記第3実施形態のプラズマ処理装
置103においては、上記第1実施形態のプラズマ処理
装置101と同様に、従来例(例えば、プラズマ処理装
置202)と異なり、金属材料により形成されている抵
抗式加熱ヒーター28を用いずに、誘電体窓70内に形
成された第1の冷温媒流路211に温度制御された水を
流して循環させることにより誘電体窓70の温度制御を
行っているため、抵抗式加熱ヒーター28の金属材料が
コイル6からの発生される電磁界を吸収することを無く
すことができ、上記電磁界を無駄なく真空容器1内に吸
収させることができ、プラズマ処理におけるプラズマ化
に利用できる実質的な電力を大きくすることができ、効
率的なプラズマ処理を行うことができる。
【0082】例えば、従来例におけるプラズマ処理装置
202においては、反応ガス供給部2より真空容器1内
に供給される反応ガスの一例としてArガス流量が3.
3×10−7/s、真空容器1内の圧力が1Pa、
コイル用高周波電源4によりコイル6に印加する電力が
800Wの放電条件(プラズマ発生条件)のとき、真空
容器1内の基板8から20mm上方の位置におけるプラ
ズマ密度は、7.6×1011cm−3であったが、上
記第3実施形態のプラズマ処理装置103では、上記同
様の放電条件(プラズマ発生条件)において、プラズマ
密度を、8.4×1011cm−3と高めることがで
き、同じ印加電力であっても発生させるプラズマ密度を
高めることができ、より効率的なプラズマ処理を行うこ
とができる。
【0083】さらに、上記第3実施形態のプラズマ処理
装置103においては、誘電体窓70の略全面に渡って
均一にその周方向沿い及びその直径方向沿い配置された
第1の冷温媒流路211が形成されており、上記第1の
冷温媒流路211内に第1のサーキュレータ12により
温度制御された水が循環されるような構成とされている
ことにより、従来例(例えばプラズマ処理装置202)
よりも誘電体窓5への熱の伝わりを改善させることがで
き、誘電体窓5を常温から所定の温度まで上昇させる時
間を短縮化することができ、プラズマ処理に要する時間
の短縮化を図り、より効率的なプラズマ処理を行うこと
ができる。例えば、従来例におけるプラズマ処理装置2
02では、誘電体窓35を常温から60℃まで昇温する
のに45分も要する場合があったが、上記第3実施形態
のプラズマ処理装置103においては、上記同様な条件
にての昇温を25分で行うことができ、プラズマ処理に
要する時間を短縮化することができる。
【0084】以上に述べた本発明の夫々の実施形態にお
いては、本発明の適用範囲のうち、真空容器の形状、高
周波電極としてのコイルや対向電極の形状及び配置等に
関して様々なバリエーションのうちの一部を例示したに
過ぎない。本発明の適用にあたり、ここで例示した以外
にも様々なバリエーションが考えられることは、言うま
でもない。
【0085】また、上記夫々の実施形態においては、冷
温媒としての流体が水である場合について説明したが、
本明細書で用いられる「水」とは、例えば、水道水、精
製水、浄水、若しくは純水等を含むものであり、さら
に、水を溶媒とする各種水溶液をも含むものとする。ま
た、流体が水である場合に代えて、フッ素系不活性液体
若しくは油脂類である場合であってもよい。あるいは、
流体が水素ガス、ヘリウムガス、炭酸ガス、窒素ガスま
たは空気等の気体であってもよい。水は、万一の漏洩に
対して、後始末が容易であるという利点がある。また、
水は純水や各種水溶液等を含めて、−20℃乃至120
℃の範囲内で使用することができる。また、上記フッ素
系不活性液体としては、ガルデン(商品名若しくは登録
商標)やフロリナート(商品名若しくは登録商標)等が
ある。例えば、上記ガルデンは、10℃乃至90℃の範
囲で使用することができ、最高90℃まで温度を高める
ことができるという利点がある。10℃乃至90℃の範
囲内に制御することでダストの発生を抑制できるプロセ
スは多く、広範な応用が可能である。また、例えば、上
記フロリナートを用いると、誘電体窓を極低温に制御可
能であるという利点があり、流体の温度を−130℃乃
至50℃の範囲内に制御することができる。また、油脂
類については、例えば、高温用油脂(例えば、天ぷら油
等)を用いる場合にあっては、流体の温度を200℃程
度の温度まで十分に制御することができる。上記ガルデ
ンや上記フロリナートを含めてフッ素系不活性液体若し
くは油脂類は、−130℃乃至200℃の範囲で使用す
ることができる。また、窒素ガスまたは空気等の気体は
熱容量が小さく、熱媒体としては水や上記フッ素系不活
性液体に劣るが、取扱が極めて簡便であるという利点が
ある。また、上記窒素ガスや空気等の気体は−273℃
乃至500℃の範囲で使用することができる。
【0086】また、第1のサーキュレータ12内に、流
体の温度を計測しながら上記流体の温度を制御する機構
を備えた場合(前者とする)と、誘電体窓の表面又はそ
の内部に温度センサが設けられ、温度センサで計測した
温度に基づいて、上記誘電端窓の温度が上記一定の温度
範囲内に入るように第1のサーキュレータ12にて上記
流体の温度を制御する場合(後者とする)について説明
したが、前者の場合には、上記流体の温度制御が第1の
サーキュレータ12内のみで完結する機構となるため、
温度制御が極めて簡便であるという利点があり、また、
後者の場合には、上記誘電体窓の温度を上記温度センサ
により実際に計測するため、より正確に上記誘電体窓の
温度制御が可能であるという利点がある。
【0087】また、コイルまたは対向電極と誘電体窓の
間に、マイカ製の電気絶縁材または断熱材が設けられ、
コイルまたは対向電極が電気絶縁材または断熱材を介し
て誘電体窓に押し付けられている場合について説明した
が、電気絶縁材または断熱材は、用途に応じてセラミッ
ク製または樹脂製のものを用いることができる。マイカ
製のものは500℃以上の高温にまで耐えられ、緩衝性
に優れるという利点がある。セラミック製のものは50
0℃以上の高温にまで耐えられ、粉体を生じないという
利点がある。また、樹脂は緩衝性に優れ、粉体を生じな
いという利点がある。また、コイルまたは対向電極が電
気絶縁材または断熱材を介して誘電体窓に押し付けられ
ていると、コイルまたは対向電極と誘電体窓の距離が変
化しにくく、安定した処理を実現できる。
【0088】また、真空容器の側面から反応ガスを吹き
出す場合と、誘電体窓内部の流路よりも基板電極に近い
部分にガス流路が設けられ、基板電極に向けてガス吹き
出し口が設けられている場合について説明したが、誘電
体窓内部の流路よりも基板電極に近い部分にガス流路が
設けられ、基板電極に向けてガス吹き出し口が設けられ
ている場合においては、処理室内により均一に反応ガス
を吹き出すことができ、より均一なプラズマ処理が可能
となる利点がある。
【0089】また、真空容器の側壁にインナーチャンバ
が設けられ、インナーチャンバの端部に設けられた第2
の冷温媒流路に、温度制御された流体を流す場合につい
て説明したが、この場合、よりダストの発生の少ない処
理が可能となるばかりか、真空容器のメンテナンスが容
易になるという利点がある。
【0090】また、誘電体窓の材質が、石英ガラス、シ
リコン、窒化シリコン、アルミナである場合について説
明したが、これらは、誘電損失(tanδ)が小さな材
質であり、誘電体窓の材質として好適である。また、こ
れら以外にも上記誘電損失の小さな材質を誘電体窓の材
質として用いることができ、例えば、サファイア、窒化
アルミニウムなどを用いることも可能であり、用途に応
じて適切な材料を選択することが望ましい。石英ガラス
はシリコン系半導体を用いたデバイスの製造工程におい
て、優れた低コンタミネーション性を有する。窒化シリ
コンは低コンタミネーション性では石英ガラスに若干劣
るものの、機械的強度に優れ、酸素原子放出量が極めて
小さいという特徴がある。アルミナやサファイアは、コ
ンタミネーション性で劣るものの、アルミニウムのドラ
イエッチング工程に使用すると、高いレジスト選択比が
得られるという特徴がある。窒化アルミニウムは熱伝導
性に優れ、石英ガラスの約100倍の熱伝導率をもって
いるという特徴がある。なお、誘電体窓が上述した夫々
の材料で形成される場合に代えて、上記夫々の材料の組
み合わせであるような場合であってもよい。
【0091】また、誘電体窓への流体の流入口および流
出口が、コイルまたは対向電極が設けられている側にあ
る場合について説明したが、このような構成とすること
で、流体の流入・流出経路を適切に配置することが容易
になる。
【0092】また、シリコン基板を10μmエッチング
する場合、ガリウム砒素基板を100μmエッチングす
る場合について説明したが、本発明は、連続処理時間が
著しく長い場合や、コイルに印加する高周波電力が大き
い場合にとくに有効なプラズマ処理であって、プラズマ
処理が、基板または基板上の薄膜を1μm以上エッチン
グする処理である場合、さらには、プラズマ処理が、基
板または基板上の薄膜を10μm以上エッチングする処
理である場合にとくに有効である。
【0093】また、高周波電極の一例であるコイルまた
は対向電極に印加する高周波電力をP、真空容器の実質
的な一部をなす誘電体窓の面積、すなわち真空容器の内
側において露出されている誘電体窓の表面積をSとした
とき、P/S>6220(W/m)である場合にとく
に有効である。例えば、直径320mmの円筒状の真空
容器を用いた場合、上記真空容器の実質的な一部をなす
誘電体窓の面積は0.0804mで、コイルまたは対
向電極に印加する高周波電力が500Wのとき、P/S
=6220となる。同一の装置において500W以下の
高周波電力を印加する場合においては、誘電体窓の過昇
温を防止することができる。
【0094】また、高周波電極としてのコイルまたは対
向電極に印加する高周波電力の周波数が、13.56M
Hzである場合について説明したが、低圧力化でのエッ
チングには、50kHz乃至500MHzの範囲内の高
周波電力を用いることができ、そのすべての領域におい
て本発明は有効である。
【0095】なお、上記様々な実施形態のうちの任意の
実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有
する効果を奏するようにすることができる。
【0096】
【発明の効果】本発明の上記第1態様によれば、プラズ
マ処理装置における誘電体窓の内部に設けられた流路に
温度制御された流体を流して、上記誘電体窓への堆積物
の形成を抑制可能でありかつ上記形成された堆積物の剥
離を抑制可能である温度範囲に入るように、上記誘電体
窓の温度を加熱方向に又は冷却方向に能動的に制御しな
がら、上記プラズマ処理することにより、上記誘電体窓
へ堆積する薄膜の膜厚を薄くするとともに、その膜質を
より緻密なものとすることができ、上記堆積された薄膜
の剥がれによるダストの発生を抑制することができ、プ
ラズマ処理中の真空容器内の雰囲気を安定させることが
でき、再現性に優れたプラズマ処理方法を提供すること
が可能となる。
【0097】また、従来の誘電体窓のように、その内部
に埋め込まれた導電体による金属材料等で形成されてい
る抵抗加熱式ヒーター等を用いてプラズマ処理の際の誘
電体窓の温度制御を行うのではなく、上記流路に温度制
御された流体を流すことにより上記温度制御を行うた
め、このような誘電体窓を用いた上記プラズマ処理方法
においては、プラズマを発生させるための電磁界が上記
抵抗式ヒーターを形成している上記金属材料等に吸収さ
れてしまうこともなく、プラズマ化に利用できる実質的
な電力を大きくすることができる、すなわち、効率的な
プラズマ処理を行うことができるプラズマ処理方法を提
供することが可能となる。
【0098】また、併せて、抵抗加熱式ヒーター等を用
いることなく、上記流路を用いて上記流路に温度制御さ
れた流体を流すことにより上記誘電体窓の温度制御を行
うことができるため、従来プラズマ処理方法において、
プラズマ処理の際に発生していた抵抗加熱式ヒーターの
給電線に高周波ノイズが重畳することによる機器の誤動
作や故障の発生を防止することができるプラズマ処理方
法を提供することが可能となる。
【0099】本発明の上記第2態様または第3態様によ
れば、高周波電力が印加される上記高周波電極が、コイ
ル状電極又は板状電極である場合であっても、これらの
電極に周波数50kHz乃至500MHzの範囲内で高
周波電力を印加することにより、上記第1態様に記載の
効果を得ることができるプラズマ処理方法を提供するこ
とが可能となる。
【0100】本発明の上記第4態様から第6態様によれ
ば、上記誘電体窓の上記流路に流される上記流体が、水
(純水又は各種水溶液を含む)である場合にあっては、
その取扱い性を容易とさせることができるとともに、−
20℃乃至120℃の温度範囲に上記誘電体窓の温度を
制御するような場合に使用することができる。また、上
記流体が、フッ素系不活性液体又は油脂類である場合に
あっては、−130℃乃至200℃の温度範囲に上記誘
電体窓の温度を制御するような場合に用いることがで
き、幅広い温度範囲に対応することができる。また、上
記流体が、窒素ガスや空気等の気体である場合にあって
は、液体でなく気体であることによりその取扱い性を極
めて容易とすることができるとともに、−273℃乃至
500℃の範囲内というような広い範囲にて適用するこ
とができる。
【0101】本発明の上記第7態様によれば、上記誘電
体窓の上記流路に供給される上記流体の温度を計測し
て、その計測された流体の温度に基づいて、上記流体の
温度の制御を行うことにより、上記温度制御の機構を簡
単な機構とすることができ、容易に上記流体の温度制御
を行うことができ、容易に上記誘電体窓の温度制御を行
うことができるプラズマ処理方法を提供することが可能
となる。
【0102】本発明の上記第8態様によれば、上記誘電
体窓の表面又は内部の温度を計測して、上記計測された
誘電体窓の温度に基づいて、上記誘電体窓の温度が上記
堆積物の形成及び剥離を抑制可能な温度範囲内となるよ
うに上記誘電体窓に供給する上記流体の温度を制御する
ことにより、より正確にかつ高い制御性でもって上記誘
電体窓の温度を制御することができるプラズマ処理方法
を提供することが可能となる。
【0103】本発明の上記第9態様によれば、上記夫々
の態様に加えて、さらに、真空容器内に備えられたイン
ナーチャンバに流体を流すことにより上記インナーチャ
ンバの温度の制御も行うことにより、上記インナーチャ
ンバへの堆積物の形成を抑制して、かつ上記形成された
堆積物の剥離を抑制することができ、さらに真空容器内
においてダストの発生を抑制することができ、安定した
プラズマ処理を行うことができるプラズマ処理方法を提
供することが可能となる。
【0104】本発明の上記第10態様によれば、上記誘
電体窓が、石英ガラス、シリコン、窒化シリコン、アル
ミナ、サファイア、若しくは窒化アルミニウムのいずれ
かにより、又はそれらの組み合わせにより形成されてい
ることにより、上記夫々の態様による効果を得ることが
できるプラズマ処理方法を提供することが可能となる。
【0105】本発明の上記第11態様によれば、上記プ
ラズマ処理が、上記基板または上記基板上の薄膜を深さ
で1μm以上エッチングする処理である場合に有効であ
り、上記夫々の効果を得ることができる。
【0106】本発明の上記第12態様によれば、上記プ
ラズマ処理が、上記基板または上記基板上の薄膜を深さ
で10μm以上エッチングする処理である場合に有効で
あり、上記夫々の効果を得ることができる。
【0107】本発明の上記第13態様によれば、上記高
周波電極に印加する高周波電力をP、上記誘電体窓の面
積をSとしたとき、P/S>6220(W/m)であ
る場合に、プラズマ処理における上記誘電体窓の過昇温
を防止することができ、上記誘電体窓の温度を安定して
制御することができ、上記夫々の効果を得ることができ
る。
【0108】本発明の上記第14態様によれば、プラズ
マ処理装置が、その内部に流路が設けられた誘電体窓
と、上記誘電体窓の上記流路に温度制御された流体を流
して、上記誘電体窓への堆積物の形成を抑制可能であり
かつ上記形成された堆積物の剥離を抑制可能である温度
範囲に上記誘電体窓の温度を制御する温度制御付流体供
給装置とを備えることにより、上記プラズマ処理の際
に、上記誘電体窓へ堆積する薄膜の膜厚を薄くするとと
もに、その膜質をより緻密なものとすることができ、上
記堆積された薄膜の剥がれによるダストの発生を抑制す
ることができ、プラズマ処理中の真空容器内の雰囲気を
安定させることができ、再現性に優れたプラズマ処理を
行うことができるプラズマ処理装置を提供することが可
能となる。
【0109】また、従来の誘電体窓のように、その内部
に埋め込まれた導電体による金属材料等で形成されてい
る抵抗加熱式ヒーター等を用いてプラズマ処理の際の誘
電体窓の温度制御を行うのではなく、上記流路に温度制
御された流体を流すことにより上記温度制御を行うた
め、このような誘電体窓を用いた上記プラズマ処理装置
においては、プラズマを発生させるための電磁界が上記
抵抗式ヒーターを形成している上記金属材料等に吸収さ
れてしまうこともなく、プラズマ化に利用できる実質的
な電力を大きくすることができる、すなわち、効率的な
プラズマ処理を行うことができるプラズマ処理装置を提
供することが可能となる。
【0110】また、併せて、抵抗加熱式ヒーター等を用
いることなく、上記流路を用いて上記流路に温度制御さ
れた流体を流すことにより上記誘電体窓の温度制御を行
うことができるため、従来プラズマ処理方法において、
プラズマ処理の際に発生していた抵抗加熱式ヒーターの
給電線に高周波ノイズが重畳することによる機器の誤動
作や故障の発生を防止することができるプラズマ処理装
置を提供することが可能となる。
【0111】本発明の上記第15態様又は第16態様に
よれば、高周波電源により高周波電力が印加される上記
高周波電極が、コイル状電極又は板状電極である場合で
あっても、これらの電極に周波数50kHz乃至500
MHzの範囲内で高周波電力を印加することにより、上
記第14態様に記載の効果を得ることができるプラズマ
処理装置を提供することが可能となる。
【0112】本発明の上記第17態様から第19態様に
よれば、上記誘電体窓の上記流路に流される上記流体
が、水(純水又は各種水溶液を含む)である場合にあっ
ては、その取扱い性を容易とさせることができる。ま
た、上記流体が、フッ素系不活性液体又は油脂類である
場合にあっては、例えば、−130℃乃至200℃の温
度範囲に上記誘電体窓の温度を制御するような場合に用
いることができ、幅広い温度範囲に対応することができ
る。また、上記流体が、窒素ガスや空気等の気体である
場合にあっては、液体でなく気体であることによりその
取扱い性を極めて容易とすることができる。
【0113】本発明の上記第20態様によれば、上記誘
電体窓の表面又は内部の温度を計測する温度センサが備
えられ、上記温度センサにより計測された誘電体窓の温
度に基づいて、上記誘電体窓の温度が上記温度範囲内と
なるように上記誘電体窓に供給する上記流体の温度を制
御することにより、より正確にかつ高い制御性でもって
上記誘電体窓の温度を制御することができるプラズマ処
理装置を提供することが可能となる。
【0114】本発明の上記第21態様によれば、上記夫
々の態様に加えて、さらに、真空容器内に備えられたイ
ンナーチャンバへ流体を流すことにより上記インナーチ
ャンバの温度の制御も行うことにより、上記インナーチ
ャンバへの堆積物の形成を抑制して、かつ上記形成され
た堆積物の剥離を抑制することができ、さらに真空容器
内においてダストの発生を抑制することができ、安定し
たプラズマ処理を行うことができるプラズマ処理装置を
提供することが可能となる。
【0115】本発明の上記第22態様によれば、上記誘
電体窓が、石英ガラス、シリコン、窒化シリコン、アル
ミナ、サファイア、若しくは窒化アルミニウムのいずれ
かにより、又はそれらの組み合わせにより形成されてい
ることにより、上記夫々の態様による効果を得ることが
できるプラズマ処理装置を提供することが可能となる。
【0116】本発明の上記第23態様によれば、上記誘
電体窓への上記流体の流入口及び流出口が上記高周波電
極が設けられている面に形成されていることにより、処
理室の密閉性に影響を与えることなく、容易に上記流路
への上記流体の供給を行うことができる。
【0117】本発明の上記第24態様から第26態様に
よれば、上記誘電体窓において上記流路が均一に形成さ
れていることにより、上記流路より上記誘電体窓に対す
る熱伝導性を良好なものとすることができ、上記誘電体
窓の温度制御性を良好とすることができ、安定したプラ
ズマ処理を行うことができるプラズマ処理装置を提供す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態にかかるプラズマ処理
装置の構成を示す模式断面図である。
【図2】 上記図1の誘電体窓のA−A断面における模
式断面図である。
【図3】 本発明の第2実施形態にかかるプラズマ処理
装置の構成を示す模式断面図である。
【図4】 上記図3の誘電体窓のB−B断面における模
式断面図である。
【図5】 本発明の第3実施形態にかかるプラズマ処理
装置の構成を示す模式断面図である。
【図6】 上記図5の誘電体窓のC−C断面における模
式断面図である。
【図7】 従来のプラズマ処理装置の構成を示す模式断
面図である。
【図8】 従来のプラズマ処理装置の構成を示す模式断
面図である。
【符号の説明】
1…真空容器、2…反応ガス供給部、3…ポンプ、4…
コイル用高周波電源、5…誘電体窓、6…コイル、7…
基板電極、8…基板、9…基板電極用高周波電源、10
…整合回路、11…第1の冷温媒流路、12…第1のサ
ーキュレータ、13…断熱板、14…インナーチャン
バ、15…第2の冷温媒流路、16…第2のサーキュレ
ータ、17…第3のサーキュレータ、18…流入口、1
9…流出口、20…対向電極用高周波電源、21…対向
電極、22…支柱、23…ガス流路、24…ガス吹き出
し口、25…温度センサ、30…凸部、51…第一誘電
板、51a…第一接合表面、51b…処理室外側表面、
52…第二誘電板、52a…第二接合表面、52b…処
理室内側表面、60…誘電体窓、61…第一誘電板、6
1a…第一接合表面、61b…処理室外側表面、62…
第二誘電板、62a…第二接合表面、62b…処理室内
側表面、70…誘電体窓、71…第一誘電板、71a…
第一接合表面、71b…処理室外側表面、72…第二誘
電板、72a…第二接合表面、72b…処理室内側表
面、100…処理室、101…プラズマ処理装置、10
2…プラズマ処理装置、103…プラズマ処理装置、1
11…第1の冷温媒流路、118…流入口、119…流
出口、211…第1の冷温媒流路、218…流入口、2
19…流出口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F004 AA16 BA20 BB11 BB29 BB32 BC04 BD04 CA09 CB12 DA00 DA04 DA11 DA23 DB01

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体窓(5、60、70)により密閉
    された真空容器(1)内に反応ガスを供給しつつ上記真
    空容器内を排気して上記真空容器内の圧力を略一定に制
    御しながら、上記真空容器内に保持された基板(8)に
    対向して設けられた上記誘電体窓の外側に設けられた高
    周波電極(6、21)に高周波電力を印加して、上記真
    空容器内にプラズマを発生させ、上記基板または上記基
    板上の膜をプラズマ処理するプラズマ処理方法であっ
    て、 上記誘電体窓の内部に設けられた流路(11、111、
    211)に温度制御された流体を流して上記誘電体窓の
    温度を制御し、上記誘電体窓への堆積物の形成及び剥離
    を制御可能であることを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 【請求項2】 上記高周波電極はコイル状電極(6)で
    あって、周波数50kHz乃至500MHzの範囲内で
    上記高周波電力が印加される請求項1に記載のプラズマ
    処理方法。
  3. 【請求項3】 上記高周波電極は上記基板に大略平行に
    配置された板状電極(21)であって、周波数50kH
    z乃至500MHzの範囲内で上記高周波電力が印加さ
    れる請求項1に記載のプラズマ処理方法。
  4. 【請求項4】 上記流体は水であって、上記流体の温度
    を−20℃乃至120℃の範囲内で制御する請求項1か
    ら3のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法。
  5. 【請求項5】 上記流体はフッ素系不活性液体又は油脂
    類であって、上記流体の温度を−130℃乃至200℃
    の範囲内で制御する請求項1から3のいずれか1つに記
    載のプラズマ処理方法。
  6. 【請求項6】 上記流体は気体であって、上記流体の温
    度を−273℃乃至500℃の範囲内で制御する請求項
    1から3のいずれか1つに記載のプラズマ処理方法。
  7. 【請求項7】 上記流体の温度を計測して、上記計測さ
    れた上記流体の温度に基づいて上記流体の温度を制御し
    て上記誘電体窓の温度を上記堆積物の形成及び剥離を抑
    制可能な温度範囲内に制御する請求項1から6のいずれ
    か1つに記載のプラズマ処理方法。
  8. 【請求項8】 上記誘電体窓の表面または内部の温度を
    計測して、上記計測された上記誘電体窓の温度に基づい
    て上記誘電体窓の温度が上記堆積物の形成及び剥離を抑
    制可能な温度範囲内となるように上記流体の温度を制御
    する請求項1から6のいずれか1つに記載のプラズマ処
    理方法。
  9. 【請求項9】 上記真空容器の内側側壁に設けられたイ
    ンナーチャンバ(14)の内部に設けられた流路(1
    5)に、温度制御された流体を流して上記インナーチャ
    ンバの温度を制御し、上記インナーチャンバへの堆積物
    の形成及び剥離を制御可能である請求項1から8のいず
    れか1つに記載のプラズマ処理方法。
  10. 【請求項10】 上記誘電体窓の材質が、石英ガラス、
    シリコン、窒化シリコン、アルミナ、サファイア、若し
    くは窒化アルミニウムのいずれかである、又はそれらの
    組み合わせである請求項1から9のいずれか1つに記載
    のプラズマ処理方法。
  11. 【請求項11】 上記プラズマ処理が、上記基板または
    上記基板上の薄膜を深さで1μm以上エッチングする処
    理である請求項1から10のいずれか1つに記載のプラ
    ズマ処理方法。
  12. 【請求項12】 上記プラズマ処理が、上記基板または
    上記基板上の薄膜を深さで10μm以上エッチングする
    処理である請求項1から10のいずれか1つに記載のプ
    ラズマ処理方法。
  13. 【請求項13】 上記高周波電極に印加する高周波電力
    をP、上記誘電体窓の面積をSとしたとき、P/S>6
    220(W/m)である請求項1から12のいずれか
    1つに記載のプラズマ処理方法。
  14. 【請求項14】 真空化された処理室(100)内に高
    周波を誘導させてプラズマを発生させて、上記処理室内
    の基板(8)に対しプラズマ処理を行うプラズマ処理装
    置(101、102、103)において、 その内部に上記基板が保持される真空容器(1)と、 その内部に流体を流通可能な流路(11、111、21
    1)を有し、かつ上記基板に対向するように設けられて
    上記真空容器を密閉して上記真空容器の内部に上記処理
    室を形成する誘電体窓(5、60、70)と、 上記処理室内に反応ガスを供給するガス供給装置(2)
    と、 上記処理室内を排気して上記処理室内の圧力を略一定に
    保って真空化する真空排気装置(3)と、 上記処理室の外側に上記誘電体窓を通して上記基板と対
    向するように設けられた高周波電極(6、21)に高周
    波電力を印加して、上記高周波電極より上記誘電体窓を
    通して上記処理室内に高周波を発生させる高周波電源
    (4、20)と、 上記プラズマ処理の際に、上記誘電体窓の上記流路に温
    度制御された上記流体を流して上記誘電体窓の温度を制
    御し、上記誘電体窓への堆積物の形成及び剥離を抑制可
    能である温度制御付流体供給装置(12)とを備えるこ
    とを特徴とするプラズマ処理装置。
  15. 【請求項15】 上記高周波電極はコイル状電極(6)
    であって、周波数50kHz乃至500MHzの範囲内
    で上記高周波電力が上記高周波電源から印加される請求
    項14に記載のプラズマ処理装置。
  16. 【請求項16】 上記高周波電極は上記基板に大略平行
    に配置された板状電極(21)であって、周波数50k
    Hz乃至500MHzの範囲内で上記高周波電力が上記
    高周波電源から印加される請求項14に記載のプラズマ
    処理装置。
  17. 【請求項17】 上記流体が水である請求項14から1
    6のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
  18. 【請求項18】 上記流体がフッ素系不活性液体又は油
    脂類である請求項14から16のいずれか1つに記載の
    プラズマ処理装置。
  19. 【請求項19】 上記流体が気体である請求項14から
    16のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
  20. 【請求項20】 上記誘電体窓の表面または内部の温度
    を計測する温度センサ(25)をさらに備え、 上記温度制御付流体供給装置は、上記温度センサにより
    計測された上記誘電体窓の表面または内部の温度に基づ
    いて上記誘電体窓の温度が上記堆積物の形成及び剥離を
    抑制可能な温度範囲内となるように上記流体の温度を制
    御する請求項14から19のいずれか1つに記載のプラ
    ズマ処理装置。
  21. 【請求項21】 その内部に流体を流通可能な流路(1
    5)を有するインナーチャンバ(14)が、上記真空容
    器の内側側壁に設けられ、 プラズマ処理の際に、上記インナーチャンバの上記流路
    に温度制御された上記流体を流して上記インナーチャン
    バの温度を制御し、上記インナーチャンバへの堆積物の
    形成及び剥離を抑制可能である温度制御付流体供給装置
    (16)をさらに備える請求項14から20のいずれか
    1つに記載のプラズマ処理装置。
  22. 【請求項22】 上記誘電体窓の材質が、石英ガラス、
    シリコン、窒化シリコン、アルミナ、サファイア、若し
    くは窒化アルミニウムのいずれかである、又はそれらの
    組み合わせである請求項14から21のいずれか1つに
    記載のプラズマ処理装置。
  23. 【請求項23】 上記誘電体窓への上記流体の流入口
    (18、118、218)および流出口(19、11
    9、219)が、上記高周波電極が設けられている面に
    形成されている請求項14から22のいずれか1つに記
    載のプラズマ処理装置。
  24. 【請求項24】 上記誘電体窓(5)は略円盤形状を有
    しており、上記略円盤内を一筆書きに万遍なく上記流体
    が流れるように上記流路(11)が形成されている請求
    項14から23のいずれか1つに記載のプラズマ処理装
    置。
  25. 【請求項25】 上記誘電体窓(60)は二枚の板状体
    (61、62)の間に複数の支柱(22)が配置されて
    構成されており、夫々の上記支柱間に上記流体が流れる
    ように上記流路(111)が形成されている請求項14
    から23のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
  26. 【請求項26】 上記誘電体窓(70)は略円盤形状を
    有しており、上記略円盤形状の周方向沿いの流れと径方
    向沿いの流れとの組み合わせでもって上記流体が流れる
    ように上記流路(211)が形成されている請求項14
    から23のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
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