JP2005175002A - 基板接合体の製造方法、基板接合体、電気光学装置、及び電子機器 - Google Patents

基板接合体の製造方法、基板接合体、電気光学装置、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子素子の転写配置に用いられる接合材の配置精度を向上させるとともに、導電粒子の配置量の適切化を図り、製造される基板接合体の品質の向上を図ることが可能な基板接合体の製造方法を提供する。
【解決手段】 第1基板上に形成された電子素子24を第2基板20上に形成された配線25上に転写配置する工程を有する基板接合体11の製造方法において、第1基板上の電子素子24と第2基板20上の配線25との少なくとも一方に対して、電子素子24と配線25とを接合するための非導電性の材料からなる接合材25bをリソグラフィ法によりパターン配置する接合材配置工程を有するようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板接合体の製造方法、基板接合体、電気光学装置、及び電子機器に関する。
一般に、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELと称する。)装置等の半導体応用装置においては、変形や落下による壊れ防止、低コスト化等の理由等により下地基板にプラスチック基板を使用することが望ましい場合がある。
しかし、パネル型の表示装置に使用される薄膜トランジスタ(以下、TFTと称する)は、高温プロセスの製造工程によって製造されるので、当該高温プロセスによる製造方法を用いてプラスチック基板上にTFTを形成したり、有機EL素子等の回路素子を形成したりすると、基板の熱変形や回路素子の破壊、素子寿命の低下を招いてしまい、結果として所望の半導体応用装置を製造するのが難しい。
そこで、近年では、高温プロセスを含む従来の半導体製造技術を用いてTFT等の電子素子(電子デバイス)を耐熱性の基礎基板上に製造した後に、当該基板から電子素子が形成されている素子形成膜(層)を剥離し、これを接合材を介してプラスチック基板等の配線基板に貼り付けることにより、プラスチック基板や有機EL素子等の回路素子等を高温プロセスに曝すのを回避する転写技術が提案されている。これらの転写技術は、例えば特許文献1〜特許文献3に詳細に説明されている。
特開平10−125929号公報 特開平10−125930号公報 特開平10−125931号公報
ところで、上記した転写技術では、電子素子の転写に用いられる接合材を、マスク印刷法(スクリーン印刷法)を用いて、基礎基板あるいはプラスチック基板上に配置している。すなわち、接合材の配置パターンに応じて開口が形成されたマスクを基板(基礎基板あるいはプラスチック基板)上に配置するとともに、そのマスクを介して基板上に接合材を配置している。
しかしながら、マスク印刷法では、接合材を配置する基板に対してマスクを高精度に位置合わせする必要があり、マスクや基板のわずかな変形などによって接合材の配置位置にずれが生じやすい。特に、接合材を配置する領域が微小であると、それに応じてマスクの開口部分の面積も小さいので、接合材の印刷時に、マスクの開口部分に必要量の接合材が入らない場合がある。このため、接合材に含有する導電粒子を増して導電性を確保する場合があるが、却って導電粒子が所定位置から食み出して近接する導電部と接触して、ショート等の不具合を発生させてしまう問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電子素子の転写配置に用いられる接合材の配置精度を向上させるとともに、導電粒子の配置量の適切化を図り、製造される基板接合体の品質の向上を図ることが可能な基板接合体の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、品質の向上が図られた基板接合体、電気光学装置、及び電子機器を提供することにある。
本発明に係る基板接合体の製造方法、基板接合体、電気光学装置、及び電子機器では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
本発明の基板接合体の製造方法は、第1基板上に形成された電子素子を第2基板上に形成された配線上に転写配置する工程を有する基板接合体の製造方法において、第1基板上の電子素子と第2基板上の配線との少なくとも一方に対して、電子素子と配線とを接合するための非導電性の材料からなる接合材をリソグラフィ法によりパターン配置する接合材配置工程を有するようにした。この発明によれば、リソグラフィ法を用いて接合材の配置を行うので、従来行われてきたマスク印刷法(スクリーン印刷法)に比べて、接合材の配置位置や配置量の管理を精密に行うことができる。つまり、接合材の配置精度(配置位置精度、配置量精度等)の向上を図ることが可能となる。そして、接合材の配置精度の向上により、製造される基板接合体の品質の向上を図ることができる。
ここで、接合材配置工程は、第1基板と第2基板との少なくとも一方に接合材の膜を形成する工程と、電子素子または配線の形成位置に応じて接合材の膜をパターニングする工程とを含むとよい。
また、接合材配置工程の後に、パターンニングした接合材の膜内に導電粒子を導入する導電粒子導入工程を有するものでは、導電粒子により第1基板上の電子素子と第2基板上の配線との電気的接続を確実に確保することができる。
また、導電粒子導入工程が、接合材が配置された第1基板及び/又は第2基板における接合材配置領域を含む領域に導電粒子を付着させる工程と、接合材配置領域以外の領域に付着した導電粒子を取り除く工程とを含むものでは、接合材内にのみ導電粒子を導入することができ、これにより導電粒子の食み出しに起因するショート等の不具合発生を抑えることができる。
また、第1基板及び/又は第2基板に配置された接合材が、導電粒子の粒径の50%から150%の膜厚を有するように形成されるものでは、接合材内に導入される導電粒子を単層に形成させることができ、これにより、導電粒子の使用量を必要最小限に抑えることができる。
また、接合材が感光性の材料からなるものでは、リソグラフィ法を用いて、容易に接合材の配置位置や配置量の管理を精密に行うことができる。
また、接合材が熱可塑性樹脂を含むものでは、電子素子を配線基板に転写配置した後に、欠陥が生じた電子素子を配線基板から容易に取り外すことが可能となる。すなわち、接合材を加熱して熱可塑性樹脂を軟化・溶融させることで、配線基板上の電子素子が取り外し可能となる。取り外した電子素子は、修理などを経て再利用可能である。
本発明の基板接合体は、基板接合体が上記の基板接合体の製造方法によって製造されるようにした。
また、本発明の電気光学装置は、上記の基板接合体を備えるようにした。
また、本発明の電子機器は、上記の電気光学装置を備えるようにした。
本発明の基板接合体、電気光学装置、並びに電子機器によれば、接合材の配置精度の向上により、電子素子の実装が確実になされ、品質の向上が図られる。
以下、本発明の実施の形態例について図面を参照して説明する。
ここで、図1は本発明の基板接合体及び電気光学装置の概略構成を示す断面図、図2から図15は本発明の基板接合体及び電気光学装置の製造工程を説明するための図、図16はTFT(電子素子)を配線基板から取り外す様子を示す図、図17は接合材の配置パターンの様子を示す平面図、図18は発明の電気光学装置を電子機器に適用した例を示す図である。
なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
(電気光学装置及び基板接合体)
図1に示すように、電気光学装置10は、少なくとも基板接合体11を具備した構成となっている。当該基板接合体11は、配線基板20と、有機EL基板(発光素子基板)30とを後述の貼り合わせ及び転写工程によって接合した構成となっている。
配線基板(第2基板)20は、多層基板21と、多層基板21に形成された所定形状の配線パターン22と、配線パターン22に接続された回路部(IC)23と、有機EL素子31を駆動させるTFT(電子素子)24と、TFT24と配線パターン22とを接合するTFT接続部(配線)25と、有機EL素子31と配線パターン22とを接合する有機EL接続部26とによって構成されている。
ここで、TFT接続部25は、TFT24の端子パターンに応じて形成されるものであり、無電解メッキ処理等によって形成されたバンプ25aと、バンプ25a上に配置される接合材25bとから構成される。
有機EL基板30は、発光光が透過する透明基板32と、ITO等の透明金属からなる陽極33と、正孔注入/輸送層34と、有機EL層35と、陰極(カソード)36と、カソードセパレータ37とを含んで構成されている。
ここで、陽極33、正孔注入/輸送層34、有機EL層35、及び陰極36等により、有機EL層35に対して正孔及び電子を供給して発光させる、所謂発光機能素子(有機EL素子31)が構成される。なお、このような発光機能素子の詳細な構造は、公知技術が採用される。また、有機EL層35と陰極36との間に電子注入/輸送層を形成してもよい。
さらに、配線基板20と有機EL基板30との間には、封止ペースト38が充填されているとともに、有機EL接続部26及び陰極36間を電気的に導通させる導電性ペースト39が設けられている。
なお、本実施形態においては、発光素子基板として有機EL基板を採用した場合について説明するが、これに限定することなく、LED等の固体発光素子を有する発光素子基板を採用してもよい。
(電気光学装置及び基板接合体の製造方法)
次に、図1に示す電気光学装置10及び基板接合体11の製造方法について図2から図15を参照して説明する。
(基礎基板の製造方法)
まず、図2を参照し、TFT24を配線基板20に貼り合わせ及び転写させる前工程として、基礎基板40上にTFTを形成する工程について説明する。
なお、TFT24の製造方法は、高温プロセスを含む公知の技術が採用されるので、説明を省略し、基礎基板40と剥離層41について詳述する。
基礎基板(第1基板)40は、電気光学装置10の構成要素ではなく、TFT製造工程と、貼り合わせ及び転写工程にのみに用いられる部材である。具体的には、1000℃程度に耐える石英ガラス等の透光性耐熱基板が好ましい。また、石英ガラスの他、ソーダガラス、コーニング7059、日本電気ガラスOA−2等の耐熱性ガラス等が使用可能である。
この基礎基板の厚さには、大きな制限要素はないが、0.1mm〜0.5mm程度であることが好ましく、0.5mm〜1.5mm程度であることがより好ましい。基礎基板の厚さが薄すぎると強度の低下を招き、逆に厚すぎると基台の透過率が低い場合に照射光の減衰を招くからである。ただし、基台の照射光の透過率が高い場合には、前記上限値を超えてその厚みを厚くすることができる。
剥離層41は、レーザ光等の照射光により当該層内や界面において剥離(「層内剥離」又は「界面剥離」ともいう)が生じる材料からなる。即ち、一定の強度の光を照射することにより、構成物質を構成する原子又は分子における原子間又は分子間の結合力が消失し又は減少し、アブレーション(ablation)等を生じ、剥離を起こすものである。また、照射光の照射により、剥離層41に含有されていた成分が気体となって放出され分離に至る場合と、剥離層41が光を吸収して気体になり、その蒸気が放出されて分離に至る場合とがある。
剥離層41の組成としては、例えば、非晶質シリコン(a−Si)が採用され、また、当該非晶質シリコン中に水素(H)が含有されていてもよい。水素が含有されていると、光の照射により、水素が放出されることにより剥離層41に内圧が発生し、これが剥離を促進するので好ましい。この場合の水素の含有量は、2at%程度以上であることが好ましく、2〜20%at%であることが更に好ましい。水素の含有量は、成膜条件、例えば、CVD法を用いる場合には、そのガス組成、ガス圧力、ガス雰囲気、ガス流量、ガス温度、基板温度、投入するパワー等の条件を適宜設定することによって調整する。この他の剥離層材料としては、酸化ケイ素もしくはケイ酸化合物、窒化ケイ素、窒化アルミ、窒化チタン等の窒化セラミックス、有機高分子材料(光の照射によりこれらの原子間結合が切断されるもの)、金属、例えば、Al、Li、Ti、Mn、In、Sn、Y、La、Ce、Nd、Pr、GdもしくはSm、又はこれらのうち少なくとも一種を含む合金が挙げられる。
剥離層41の厚さとしては、1nm〜20μm程度であるのが好ましく、10nm〜2μm程度であるのがより好ましく、20nm〜1μm程度であるのが更に好ましい。剥離層41の厚みが薄すぎると、形成された膜厚の均一性が失われて剥離にむらが生じるからであり、剥離層41の厚みが厚すぎると、剥離に必要とされる照射光のパワー(光量)を大きくする必要があったり、また、剥離後に残された剥離層41の残渣を除去するのに時間を要したりする。
剥離層41の形成方法は、均一な厚みで剥離層41を形成可能な方法であればよく、剥離層41の組成や厚み等の諸条件に応じて適宜選択することが可能である。例えば、CVD(MOCCVD、低圧CVD、ECR−CVD含む)法、蒸着、分子線蒸着(MB)、スパッタリング法、イオンドーピング法、PVD法等の各種気相成膜法、電気メッキ、浸漬メッキ(ディッピング)、無電解メッキ法等の各種メッキ法、ラングミュア・プロジェット(LB)法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の塗布法、各種印刷法、転写法、インクジェット法、粉末ジェット法等に適用できる。これらのうち2種以上の方法を組み合わせてもよい。
特に剥離層41の組成が非晶質シリコン(a−Si)の場合には、CVD法、特に低圧CVDやプラズマCVDにより成膜するのが好ましい。また、剥離層41をゾル−ゲル(sol-gel)法によりセラミックを用いて成膜する場合や有機高分子材料で構成する場合には、塗布法、特にスピンコートにより成膜するのが好ましい。
(配線基板の製造方法)
次に、図2に示した基礎基板40の製造工程と並行して、図3に示す配線基板20の製造工程(配線基板の製造方法)が行われる。
まず、ガラス基板20aの表面に酸化シリコン膜(SiO2)20bをCVD(化学的気相成長)法を用いて形成する。当該酸化シリコン膜20bの膜厚は例えば200nm程度である。
次に、酸化シリコン膜20b上に配線パターン22を形成する。本例では、配線パターン22を形成する工程と、樹脂絶縁層20cを形成する工程とを繰り返すことにより、配線パターン22を複数の層に分けて形成する。
配線パターン22は、積層構造であることが好ましく、例えば、チタニウム、アルミ銅合金、及び窒化チタニウムの3層構造(Ti/Al・Cu/TiN)が採用される。この場合、各層膜の膜厚はそれぞれ20nm、300nm、100nm程度であることが好ましい。また、配線パターン22として、例えば、チタニウム、窒化チタニウム、アルミ銅合金(銅含有量2%)、及び窒化チタニウムからなる4層構造(Ti/TiN/Al・2%Cu/H−TiN)が採用される。この場合、各層膜の膜厚はそれぞれ20nm、50nm、1600nm、50nm程度であることが好ましい。また、配線パターン22として、チタニウム、窒化チタニウム、及びアルミ銅合金からなる3層構造(Ti/TiN/Al・Cu)が採用される。この場合、各層膜の膜厚はそれぞれ20nm、50nm、100nm程度であることが好ましい。
樹脂絶縁層20cとしては、例えばアクリル樹脂が用いられる。
そして、ガラス基板20a上に、酸化シリコン膜20bと、樹脂絶縁層20cと、配線パターン22とが積層されることにより、多層基板21が形成される。
また、樹脂絶縁層20cの一部を除去することにより、配線パターン22の一部が露出状態となり、当該露出部分は後の工程でメッキを形成するためのパッド20dとなる。
(バンプの形成方法)
次に、上記配線パターン22上にTFT接続用のバンプ25aを形成する。具体的には、以下に詳述する無電解メッキ処理法を用いて、配線パターン22の露出部分であるパッド20d上にバンプ25aを形成する。
まず、パッドの表面の濡れ性向上、及び残さを除去するために処理液に浸漬する。一例として、フッ酸が0.01%〜0.1%、及び硫酸が0.01%〜0.1%含有した水溶液中に1分〜5分間含浸する。あるいは0.1%〜10%の水酸化ナトリウム等のアルカリベースの水溶液に1分〜10分浸漬してもよい。
次に、水酸化ナトリウムベースでpHが9〜13のアルカリ性水溶液を20℃〜60℃に加温した中に1秒〜5分間浸漬し、表面の酸化膜を除去する。あるいは5%〜30%硝酸をベースとしたpH1〜3の酸性水溶液を20℃〜60℃に加温した中に1秒〜5分間浸漬してもよい。
次に、ZnOを含有したpH11〜13のジンケート液中に1秒〜2分間浸漬し、パッド表面をZnに置換する。その後、5%〜30%の硝酸水溶液に1秒〜60秒浸漬し、Znを剥離する。そして、再度ジンケート浴中に1秒〜2分浸漬し、緻密なZn粒子をパット表面に析出させる。その後、無電解Niメッキ浴に浸漬し、Niメッキを形成する。メッキ高さは2μm〜10μm程度析出させる。メッキ浴は次亜リン酸を還元剤とした浴であり、pH4〜5、浴温85℃〜95℃である。
このような工程においては、次亜リン酸浴を行うので、リン(P)が共析する。最後に置換Auメッキ浴中に浸漬し、Ni表面をAuにする。Auは0.05μm〜0.3μm程度に形成する。Au浴はシアンフリータイプを用い、pH6〜8、浴温50℃〜80℃で、1分〜30分間の浸漬を行う。
このようにしてパッド20d上にNi−Auバンプ(バンプ25a)を形成する。また、Ni−Auメッキバンプ上に、半田やPbフリー半田を、例えばSn−Ag−Cu系等の半田をスクリーン印刷やディッピング等で形成してバンプとしてもよい。
なお、各化学処理の間には、水洗処理を行う。水洗槽はオーバーフロー構造あるいはQDR機構を有しており、最下面からN2バブリングを行う。バブリング方法は、テフロン(登録商標)製のチューブ等に穴を開け、N2を出す方法や、焼結体等を通じてN2を出す。以上の工程により、短時間で十分効果のあるリンスを行うことができる。
このような一連の無電解メッキ処理を行うことにより、配線基板20(多層基板21)上にバンプ25aが形成され、配線基板20の製造方法が終了となる。
次に、図4から図12を参照して、上記の配線基板20と基礎基板40とを貼り合わせて、TFT24を配線基板20に転写する方法について説明する。ここで、TFT24の転写工程としては公知の技術が採用されるが、本実施形態では特にSUFTLA(Surface Free Technology by Laser Ablation/Annealing:登録商標)と呼ばれる転写技術を用いて行われる。
(接合材配置工程)
まず、基礎基板40上に接合材としての接合材25bを配置する。具体的には、以下に詳述するリソグラフィ法を用いて、基礎基板40に形成されたTFT24に接合材25bをパターン配置する。なお、接合材25bとしては、感光性の材料が用いられる。この感光性材料は、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂を含む。
図4に示すように、接合材配置工程では、まず、基礎基板40上に接合材25bの膜を形成する(膜形成工程)。膜形成方法としては、スキージング法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の塗布法、各種印刷法、インクジェット法、粉末ジェット法等の種々の公知技術が用いられる。
なお、接合材25bの膜厚は、20μm以下、好ましくは5〜10μm程度が好ましい。この膜厚は、膜形成工程の後に接合材25b内に導入する導電粒子60の粒径の約50%から150%に相当する。膜厚を規定する理由については、後述する。
次に、接合材25bの膜が形成された基礎基板40上に、TFT24の配置位置に対応した開口が形成されたマスク51を配置する。続いて、そのマスク51を介して接合材25bの膜に対して露光光IAを照射し、その後、接合材25bの膜の感光された部分を除去するための現像処理を行う。
そして、上記した一連のパターニングにより、図5に示すように、基礎基板40の表面のうち、感光部分が除去されることにより、TFT24上に接合材25bがパターン配置される。
次に、基礎基板40のTFT24上に配置された接合材25b内に導電粒子60を導入する(導電粒子導入工程)。
まず、図6に示すように、基礎基板40における接合材25bの配置面側を導電粒子60が敷き詰められたトレーに常温または加熱しながら押し付ける。なお、トレーに敷き詰めた導電粒子60が均一かつ単層或いは単層に近い状態となるように、例えば、超音波振動器によって、トレーを微振動させる。これにより、図7に示すように、接合材25bに単層或いは単層に近い状態の導電粒子60が付着する。その一方で接合材25b以外の部分にも導電粒子60が付着してしまう。
続いて、図8に示すように、接合材25b以外の部分に付着した導電粒子60をエアブローで取り除く。これにより、接合材25b以外の部分は、導電粒子60を保持ことができないので、容易に取り除くことができる。しかも、接合材25bに付着した導電粒子60のうち、接合材25b内に導入されたもの以外は、エアブローまたは液流によって取り除かれ、接合材25b内に単層の導電粒子60が導入される。
導電粒子60としては、硬いニッケル等からなる粒子または樹脂ボールにニッケルまたはニッケル/金メッキ等を施した粒子が用いられる。また、上述したように、接合材25bの膜厚は、導電粒子60の粒径の約50%〜150%に形成されているので、接合材25b内に導入される導電粒子60が単層に形成される。これにより、導電粒子60の使用量を必要最小限に抑えることができる。また、導電粒子60の使用量が必要最小限に抑えられているので、接合材25bからの導電粒子60の食み出しが防止され、ショート等の不具合発生を抑えることができる。
なお、接合材25bとして、最初から導電粒子60を含む異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)を用いることも可能であるが、既に接合材25b内に導入された導電粒子60を後から単層に形成させることが困難であるため、非導電性の接合材25bを所定の膜厚で配置した後に導電粒子60を接合材25b内に導入するようにしている。
(TFTの転写工程)
次に、図9に示すように、接合材25bが配置された配線基板20と基礎基板40とを貼り合わせる。そして、図10に示すように、接合材25bを加熱して熱硬化させる。接合材25bの加熱方法としては、温風供給法、赤外線加熱法など様々な加熱法が適用可能である。接合材25bが温度上昇して熱硬化することにより、TFT24(電極)とバンプ25aとが接合される。
次に、図11に示すように、接合材25bが配置された部分のみを局所的に、かつ、基礎基板40の裏面側(TFT非形成面)から、レーザ光LAを照射する。これにより、剥離層41の原子や分子の結合が弱まり、また、剥離層41内の水素が分子化し、結晶の結合から分離され、即ち、TFT24と基礎基板40との結合力が完全になくなり、レーザ光LAが照射された部分のTFT24を容易に取り外すことが可能となる。
次に、図12に示すように、基礎基板40と配線基板20とを引き離すことにより、基礎基板40上からTFT24が除去されるとともに、当該TFT24が配線基板20に転写される。なお、TFT24の端子は、上記のバンプ25a及び接合材25bを介して、配線パターン22に電気的に接続されている。
(有機EL基板の貼り合わせ工程)
次に、図13から図15を参照して、上記の配線基板20と有機EL基板30とを貼り合わせて、最終的に図1に示す電気光学装置10を形成する工程について説明する。
図13に示すように、有機EL基板30は、透明基板32上に、順に陽極33と、正孔注入/輸送層34と、有機EL層35と、陰極36とが形成された構造となっている。また、陰極36は、カソードセパレータ37が形成された状態で成膜されるので、陰極36は隣接する陰極と分離されている。
また、図14に示すように、配線基板20の有機EL接続部26上には導電性ペースト39が配置されている。ここで、導電性ペースト39としては、例えば、Agペースト、はんだペースト、異方性導電粒子を含有する導電ペースト(ACP)、非導電粒子を含有する導電ペースト(NCP)等が用いられる。
図15に示すように、有機EL基板30を反転し、陰極36が導電性ペースト39と接触するように、有機EL基板30と配線基板20とが貼り合わされる。更に、両基板間の空間に封止ペースト38が封入され、更に、両基板の周辺を封止剤42によって封止することにより、電気光学装置10が完成となる。
この電気光学装置10は、有機EL基板30における配線基板20側から、順に陰極36、有機EL層35、正孔注入/輸送層34、陽極33が配置された、陽極33側から発光光を取り出すトップエミッション型の有機EL装置となる。
このように、本実施形態においては、TFT24の転写配置に用いられる接合材25bを、リソグラフィ法を用いて基礎基板40にパターン配置する。リソグラフィ法は、接合材25bの配置位置や配置量の管理を精密に行うことができるので、接合材25bの配置精度(配置位置精度、配置量精度など)の向上を図ることが可能である。また、リソグラフィ法を用いることにより、配置箇所であるバンプ25aが微小であっても、バンプ25aに接合材25bを確実に配置することができる。そのため、上記方法により製造された電気光学装置10は、品質の向上や低コスト化が図られる。
また、本実施形態では、接合材25bとして、熱可塑性樹脂を含んでいるので、TFT24を配線基板20に転写配置した後に、欠陥が生じたTFT24を配線基板20から容易に取り外すことが可能となる。すなわち、接合材25bを加熱して熱可塑性樹脂を軟化・溶融させることで、配線基板20上のTFT24が取り外し可能となる。
図16は、TFT24を配線基板20から取り外す様子を示している。図16の例では、真空ポンプ等の吸引装置に接続された吸着ノズル52にTFT24を吸着させるとともに、ホットプレート、ホットエアなどの加熱装置で接合材25bを加熱する。熱可塑性樹脂が軟化・溶融することで、配線基板20からTFT24が取り外し可能となる。取り外した電子素子は、修理などを経て再利用可能である。
図17は、接合材25bの配置パターンの様子を示している。
上述したように、接合材25bをリソグラフ技術を用いて配置しているので、TFT24に形成された複数の電極24aのそれぞれの大きさや配置ピッチに合わせて接合材25bをパターンニングできる。
なお、本実施形態では、基礎基板40に形成したTFT24の電極24a上に接合材25bを配置する場合について説明したが、配線基板20のTFT接続用のバンプ25a上に接合材25bを配置する場合であってもよい。
また、基礎基板40のTFT24上及び配線基板20のバンプ25a上の両方に接合材25bを配置してもよい。
次に、本発明の電気光学装置を電子機器に適用した例について説明する。
図18(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図18(a)において、600は携帯電話本体を示し、601は上記実施形態の有機EL装置を備えた表示部を示している。
図18(b)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図18(b)において、700は情報処理装置、701はキーボードなどの入力部、703は情報処理本体、702は上記実施形態の有機EL装置を備えた表示部を示している。
図18(c)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図18(c)において、800は時計本体を示し、801は上記実施形態の有機EL装置を備えた表示部を示している。
図18(a)〜(c)に示す電子機器は、上記実施形態の有機EL装置を備えたものであるので、電子素子の実装不良が少なく、高品質化が図られる。
なお、本実施形態の電子機器は有機EL装置を備えるものとしたが、液晶装置、プラズマ型表示装置等、他の電気光学装置を備えた電子機器とすることもできる。
また、上記例では、電子素子としてTFTを配線基板に転写する構成としたが、本発明における電子素子としては、TFT素子以外にも、薄膜ダイオード、その他の薄膜半導体デバイス、電極(例:ITO,メサ膜のような透明電極)、太陽電池やイメージセンサ等に用いられる光電変換素子、スイッチング素子、メモリー、圧電素子等のアクチュエータ、マイクロミラー(ピエゾ薄膜セラミックス)、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、光記録媒体等の記録媒体、磁気記録薄膜ヘッド、コイル、インダクター、薄膜高透磁材料およびそれらを組み合わせたマイクロ磁気デバイス、フィルター、反射膜、ダイクロイックミラー、偏光素子等の光学薄膜、半導体薄膜、超伝導薄膜(例:YBCO薄膜)、磁性薄膜、金属多層薄膜、金属セラミック多層薄膜、金属半導体多層薄膜、セラミック半導体多層薄膜、有機薄膜と他の物質の多層薄膜等が挙げられる。
このなかでも、特に、薄膜デバイス、マイクロ磁気デバイス、マイクロ三次元構造物の構成、アクチュエータ、マイクロミラー等に適用することの有用性が高く、好ましい。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
基板接合体及び電気光学装置の概略構成を示す断面図 基板接合体及び電気光学装置の製造工程を説明するための図 図2に続く製造工程の説明図 図3に続く製造工程の説明図 図4に続く製造工程の説明図 図5に続く製造工程の説明図 図6に続く製造工程の説明図 図7に続く製造工程の説明図 図8に続く製造工程の説明図 図9に続く製造工程の説明図 図10に続く製造工程の説明図 図11に続く製造工程の説明図 図12に続く製造工程の説明図 図13に続く製造工程の説明図 図14に続く製造工程の説明図 TFT(電子素子)を配線基板から取り外す様子を示す図 接合材の配置パターンの様子を示す平面図 電気光学装置を電子機器に適用した例を示す図
符号の説明
10…電気光学装置、 11…基板接合体、 20…配線基板(第2基板)、 24…TFT(電子素子)、 25…TFT接続部(配線)、 25b…接合材、 40…基礎基板(第1基板)、 60…導電粒子、 600…携帯電話本体(電子機器)、 601,702,801…表示部(電気光学装置)、 700…情報処理装置(電子機器)、 800…時計本体(電子機器)


Claims (10)

  1. 第1基板上に形成された電子素子を第2基板上に形成された配線上に転写配置する工程を有する基板接合体の製造方法において、
    前記第1基板上の電子素子と前記第2基板上の配線との少なくとも一方に対して、前記電子素子と前記配線とを接合するための非導電性の材料からなる接合材を、リソグラフィ法によりパターン配置する接合材配置工程を有することを特徴とする基板接合体の製造方法。
  2. 前記接合材配置工程は、前記第1基板と前記第2基板との少なくとも一方に前記接合材の膜を形成する工程と、前記電子素子または前記配線の形成位置に応じて前記接合材の膜をパターニングする工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の基板接合体の製造方法。
  3. 前記接合材配置工程の後に、パターンニングした接合材の膜内に導電粒子を導入する導電粒子導入工程を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板接合体の製造方法。
  4. 前記導電粒子導入工程は、前記接合材が配置された前記第1基板及び/又は前記第2基板における接合材配置領域を含む領域に前記導電粒子を付着させる工程と、前記接合材配置領域以外の領域に付着した前記導電粒子を取り除く工程とを含むことを特徴とする請求項3に記載の基板接合体の製造方法。
  5. 前記第1基板及び/又は前記第2基板に配置された前記接合材が、前記導電粒子の粒径の50%から150%の膜厚を有するように形成されることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の基板接合体の製造方法。
  6. 前記接合材は、感光性の材料からなることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の基板接合体の製造方法。
  7. 前記接合材は、熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする請求項1からは請求項6のうちいずれか一項に記載の基板接合体の製造方法。
  8. 請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の基板接合体の製造方法によって製造されたことを特徴とする基板接合体。
  9. 請求項8に記載の基板接合体を備えることを特徴とする電気光学装置。
  10. 請求項9に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。


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