JP2005169352A - 残留性有機汚染物質の抽出方法および抽出装置 - Google Patents

残留性有機汚染物質の抽出方法および抽出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 残留性有機汚染物質による被汚染物から、残留性有機汚染物質を短時間で効率的に抽出する。
【解決手段】 抽出装置1は、被汚染物に超臨界二酸化炭素を接触させ、残留性有機汚染物質の抽出流体を得るための抽出部2と、抽出部2からの抽出流体に含まれる残留性有機汚染物質を吸着可能な吸着材が充填された吸着材カラム3と、吸着材カラム3へ疎水性溶媒を供給するための疎水性溶媒供給部4とを備えている。抽出部2において被汚染物に超臨界二酸化炭素を接触させると、被汚染物に含まれる残留性有機汚染物質は超臨界二酸化炭素により短時間で効率的に抽出され、残留性有機汚染物質の抽出流体が得られる。そして、抽出流体に含まれる残留性有機汚染物質は、吸着材カラム3の吸着材に吸着され、抽出流体から分離される。吸着材に吸着された残留性有機汚染物質は、疎水性溶媒供給部4から供給される疎水性溶媒により抽出され、疎水性溶媒溶液として得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、残留性有機汚染物質により汚染された被汚染物から残留性有機汚染物質を抽出するための方法および装置に関する。
ポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン(PCDDs)およびポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)等のダイオキシン類、コプラナ型ポリ塩化ビフェニル等のポリ塩化ビフェニル類(PCBs)、ジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDT)、アルドリン、エンドリン、クロルデン、ヘプタクロル、マイレックス、トキサフェン並びにヘキサクロロベンゼン等の有機塩素化合物のような環境中で自然分解されにくく、所謂環境ホルモンとしての作用を示す可能性がある各種の有機物質、すなわち、残留性有機汚染物質(POPs:Persistent Organic Pollutants)は、人の健康の保護及び環境の保全を図ることを目的としたストックホルム条約(POPs条約)において、国際的協調による廃絶、削減の対象になっている。このため、残留性有機汚染物質は、廃棄物焼却施設からの排気ガス、大気、工場排水や河川水などの水、廃棄物焼却施設において発生する飛灰(フライアッシュ)等の焼却灰および土壌等における含有量等を定期的に分析する必要がある。
ところで、排気ガスや水等の流体中や土壌中に含まれる残留性有機汚染物質を分析する場合は、先ず、排気ガスや土壌等の検体中から残留性有機汚染物質を抽出し、分析用試料を確保する必要がある。ここで、検体が土壌や焼却灰等のような固形物の場合、当該固形物、すなわち、残留性有機汚染物質による被汚染物から、トルエンやn−ヘキサン等の疎水性溶媒を用いた抽出法(例えば、ソックスレー抽出法)により、残留性有機汚染物質を抽出する(例えば、非特許文献1、2および3参照)。
一方、検体が排気ガスや水等の流体の場合は、先ず、例えば、非特許文献4に記載されたガラス製インピンジャーや特許文献1および2等に記載のフイルタを用いて流体中の残留性有機汚染物質を捕捉して採取する。この場合、流体に含まれる残留性有機汚染物質を採取したガラス製インピンジャーやフイルタは、残留性有機汚染物質による被汚染物になる。そして、被汚染物の残留性有機汚染物質は、上述のものと同様の疎水性溶媒を用いた抽出法(例えば、ソックスレー抽出法や被汚染物の洗浄法)により抽出される(非特許文献4、特許文献1、2参照)。
なお、上述のような工程を経て得られた疎水性溶媒による抽出液は、通常、多層シリカゲルカラム等を用いて精製処理された後に適宜濃縮され、分析用試料として用いられる。
しかし、これらの方法は、被汚染物質から残留性有機汚染物質を抽出するために大量の疎水性溶媒を必要とするため、不経済であり、しかも、抽出のために少なくとも数日程度の長時間を要する。
ところで、残留性有機汚染物質、例えばダイオキシン類は、多種類の化合物の総称であり、毒性の強いものと弱いものとが存在している。したがって、ダイオキシン類の分析は、全体的な定量的評価をするよりも、毒性等量(TEQ値)として定量化し、それに基づいて評価する方が実用的で有益な場合が多い。そこで、ダイオキシン類のTEQ値を簡便かつ迅速に評価するための方法として、イムノアッセイ法(例えばELISA法)、EROD法およびDR−CALUX法等のバイオアッセイ法が提案されている(例えば、特許文献3および非特許文献5〜15参照)。
バイオアッセイ法は、抗原抗体反応等の生体反応を応用した分析手法であり、それを実施するためには、通常、上述の抽出液において、疎水性溶媒をジメチルスルホキシド(DMSO)やアルコール類等のバイオアッセイ法に適した親水性溶媒に置換すると共に抽出液量を数ml程度若しくは1ml以下の少量に濃縮する必要がある。ここで、疎水性溶媒を用いた上述の抽出液において、疎水性溶媒を親水性溶媒に置換すると共に濃縮するための方法は、例えば、非特許文献14および非特許文献15に記載されている。これらの文献に記載の方法では、基本的に、エバポレーターを用いて減圧下で抽出液から疎水性溶媒を除去し、その残留物(すなわち、残留性有機汚染物質試料)にDMSO等の親水性溶媒を少量加えて残留物を溶解している。また、必要に応じ、得られた親水性溶媒溶液に窒素ガスを吹き付け、当該親水性溶媒溶液をさらに濃縮している。これにより、残留性有機汚染物質の少量の親水性溶媒溶液、すなわち、バイオアッセイ法に適した残留性有機汚染物質の分析用試料が得られる。
しかし、非特許文献14、15に記載の方法は、残留性有機汚染物質の疎水性溶媒溶液から疎水性溶媒を除去するための操作と、疎水性溶媒を除去後の残留性有機汚染物質試料を親水性溶媒に溶解するための操作とが必要であるため、操作が煩雑であり、残留性有機汚染物質の分析用試料を入手するまでに長時間を要する。
さらに、特許文献4には、排気ガスや水等の流体状の検体に含まれるダイオキシン類を簡便かつ迅速に分析するため、上述のようなフイルタを用いた検体からのダイオキシン類の採取から、採取されたダイオキシン類のバイオアッセイ法による分析までに至る一連の操作を自動化可能なダイオキシン類の測定装置が提案されているが、フイルタから疎水性溶媒を用いたダイオキシン類の抽出、および、抽出されたダイオキシン類を疎水性溶媒溶液から親水性溶媒溶液に変換するための上述のような一連の操作は、自動化に馴染みにくいか、或いは、自動化を実現するための複雑な機械的構成を必要とするため、そのような自動測定装置を実現する上で不都合である。
本発明の目的は、残留性有機汚染物質による被汚染物から、残留性有機汚染物質を短時間で効率的に抽出することにある。
本発明の他の目的は、残留性有機汚染物質による被汚染物から、バイオアッセイ法による分析に適した残留性有機汚染物質の分析用試料を短時間で効率的に確保することにある。
本願において、ダイオキシン類の用語は、ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号)第2条の規定に倣い、ポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン(PCDDs)およびポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)に加え、コプラナーポリ塩化ビフェニル(Co−PCBs)を含む意味として用いる。
環境庁水質保全局土壌農薬課編「ダイオキシン類に係る土壌調査測定マニュアル(2000年)」 環境庁水質保全局水質管理課編「ダイオキシン類に係る底質調査測定マニュアル(2000年)」 環境庁水質保全局水質管理課編「外因性内分泌攪乱化学物質調査暫定マニュアル(1998年)」 1999年9月20日制定の日本工業規格JIS K 0311:1999 大塚製薬株式会社「エコアッセイダイオキシンELISAキット」のニュースリリース、[平成15年5月30日検索]、インターネット<URL:http://www.otsuka.co.jp/annai/release/011212.htm> 大塚製薬株式会社「エコアッセイダイオキシンELISAキット」の商品情報、[平成15年5月30日検索]、インターネット<URL:http://www.iwai-chem.co.jp/products/otuka/index.htm> 和光純薬株式会社「ダイオキシンELISAキットワコー」の商品情報、[平成15年5月30日検索]、インターネット<URL:http://www.wako-chem.co.jp/siyaku/journal/anal/pdf/anal27.pdf> コスモ石油株式会社「イムノエコDXN」のニュースリリース、[平成15年5月30日検索]、インターネット<URL:http://www.cosmo-oil.co.jp/press/p_021218/menu.html> コスモ石油株式会社「イムノエコDXN」の技術資料、[平成15年5月30日検索]、インターネット<URL:http://www.cosmo-oil.co.jp/press/p_021218/1.pdf> 米国ケープテクノロジーズ社(CAPE Technologies L.L.C.)の「DF1 ダイオキシン/フラン イムノアッセイキット用技術情報マニュアル(Technical Information Manual for DF1 Dioxin/Furan Immunoassay Kit)」、[平成15年5月30日検索]、インターネット<URL:http://www.cape-tech.com/> 東洋紡績株式会社「Dioxin ELISA Kit」の商品情報、[平成15年5月30日検索]、インターネット<URL:http://www.toyobo.co.jp/seihin/xr/olul/upld71/new/dioxinelis71nr06.pdf> 株式会社クボタ「Ahイムノアッセイ」の商品情報、[平成15年5月30日検索]、インターネット<URL:http://tdh.kubota.co.jp/ahi/main1.html> アヅマックス株式会社「RISc ダイオキシン検査キット」の商品情報、[平成15年5月30日検索]、インターネット<URL:http://www.azmax.co.jp/idx02_product/kensa/field_10/product_01_index.htm> 「ダイオキシン類の脱塩素化処理におけるバイオアッセイモニタリング」、第11回環境化学討論会講演要旨集、日本環境化学会、2002年6月3日〜5日、430−431頁 Organohalogen Compounds,45,200−203(2000)
特許第3273796号公報 WO01/91883号公報 特開2001−226371公報 特開2002−340882公報
本発明に係る残留性有機汚染物質の抽出方法は、残留性有機汚染物質により汚染された被汚染物から残留性有機汚染物質を抽出するための方法であり、被汚染物に超臨界流体を接触させ、残留性有機汚染物質を含む抽出流体を得る工程と、残留性有機汚染物質を吸着可能な吸着材に抽出流体を接触させ、抽出流体から残留性有機汚染物質を分離する工程と、疎水性溶媒を用いて吸着材から残留性有機汚染物質を抽出し、残留性有機汚染物質の疎水性溶媒溶液を得る工程とを含んでいる。
この抽出方法において、被汚染物に超臨界流体を接触させると、被汚染物に含まれる残留性有機汚染物質は、超臨界流体により短時間で効率的に抽出され、残留性有機汚染物質を含む抽出流体が得られる。そして、この抽出流体を残留性有機汚染物質を吸着可能な吸着材に接触させると、抽出流体に含まれる残留性有機汚染物質は、当該吸着材に吸着され、抽出流体から分離される。抽出流体から分離された残留性有機汚染物質、すなわち、吸着材に吸着された残留性有機汚染物質は、疎水性溶媒により抽出され、疎水性溶媒溶液として得られる。
この抽出方法において用いられる超臨界流体は、例えば、超臨界二酸化炭素である。
また、本発明の抽出方法は、例えば、極性物質を捕捉可能でありかつ残留性有機汚染物質を捕捉しない固定相が充填された第一カラムに疎水性溶媒溶液を通過させる工程をさらに含んでいる。
この場合、残留性有機汚染物質の疎水性溶媒溶液は、第一カラムを通過する際に極性物質、すなわち不純物が固定相に捕捉されるので、当該極性物質が取除かれ、精製された状態になる。
また、本発明の抽出方法は、例えば、アルミナを充填した第二カラムに第一カラムからの疎水性溶媒溶液を供給して通過させる工程と、疎水性溶媒溶液が通過後の第二カラムに対し、残留性有機汚染物質を溶解可能な親水性溶媒を供給する工程と、第二カラムを通過した親水性溶媒を確保する工程とをさらに含んでいる。なお、この場合の疎水性溶媒溶液は、疎水性溶媒を用いて吸着材から残留性有機汚染物質を抽出することにより得られたもの、若しくは、第一カラムを通過後の疎水性溶媒溶液である。
この場合、第一カラムからの疎水性溶媒溶液は、第二カラムを通過する際、残留性有機汚染物質がアルミナにより捕捉される。そして、疎水性溶媒溶液が通過後の第二カラムに対し、残留性有機汚染物質を溶解可能な親水性溶媒を供給すると、アルミナに捕捉された残留性有機汚染物質は、親水性溶媒によりアルミナから抽出される。したがって、第二カラムを通過した親水性溶媒を確保すると、残留性有機汚染物質の親水性溶媒溶液を得ることができる。この親水性溶媒溶液は、残留性有機汚染物質のバイオアッセイ法による分析に適した分析用試料として用いることができる。
この抽出方法では、通常、第二カラムに対し、疎水性溶媒溶液の通過方向とは逆方向に親水性溶媒を供給する。このようにすれば、第二カラムのアルミナに捕捉された残留性有機汚染物質をより少量の親水性溶媒により短時間で抽出することができる。
本発明の抽出装置は、残留性有機汚染物質により汚染された被汚染物から残留性有機汚染物質を抽出するためのものであり、被汚染物に超臨界流体を接触させ、残留性有機汚染物質を含む抽出流体を得るための抽出部と、抽出部からの抽出流体に含まれる残留性有機汚染物質を吸着可能な吸着材が充填された吸着材カラムと、吸着材カラムに疎水性溶媒を供給するための疎水性溶媒供給部とを備えている。
この抽出装置は、抽出部において被汚染物に超臨界流体を接触させると、被汚染物に含まれる残留性有機汚染物質が超臨界流体により短時間で効率的に抽出され、残留性有機汚染物質を含む抽出流体を得ることができる。そして、この抽出流体は、吸着材カラムにおいて吸着材に接触すると、残留性有機汚染物質が吸着材に吸着されて抽出流体から分離される。抽出流体から分離された残留性有機汚染物質、すなわち、吸着材に吸着された残留性有機汚染物質は、疎水性溶媒供給部から供給される疎水性溶媒により抽出され、疎水性溶媒溶液として得られる。
この抽出装置は、例えば、吸着材カラムからの疎水性溶媒を導入可能に設定された、極性物質を捕捉可能でありかつ残留性有機汚染物質を捕捉しない固定相が充填された第一カラムをさらに備えている。
この場合、残留性有機汚染物質の疎水性溶媒溶液は、第一カラムを通過する際に極性物質、すなわち不純物が固定相に捕捉されるので、当該極性物質が取除かれ、精製された状態になる。
また、この抽出装置は、例えば、第一カラムからの疎水性溶媒を導入可能に設定された、アルミナを充填した第二カラムと、第二カラムに対し、残留性有機汚染物質を溶解可能な親水性溶媒を供給するための親水性溶媒供給部とをさらに備えている。
この場合、第一カラムからの疎水性溶媒は、第二カラムに導入されると、残留性有機汚染物質がアルミナにより捕捉される。そして、疎水性溶媒が通過後の第二カラムに対し、残留性有機汚染物質を溶解可能な親水性溶媒を供給すると、アルミナに捕捉された残留性有機汚染物質は、親水性溶媒によりアルミナから抽出される。したがって、第二カラムを通過した親水性溶媒を確保すると、残留性有機汚染物質の親水性溶媒溶液を得ることができる。この親水性溶媒溶液は、残留性有機汚染物質のバイオアッセイ法による分析に適した分析用試料として用いることができる。
この抽出装置において、親水性溶媒供給部は、通常、第二カラムに対する疎水性溶媒の導入方向とは逆方向に親水性溶媒を供給可能に設定されている。このようにすれば、第二カラムのアルミナに捕捉された残留性有機汚染物質をより少量の親水性溶媒により短時間で抽出することができる。
本発明に係る残留性有機汚染物質の抽出方法は、上述のように、超臨界流体を用いて残留性有機汚染物質を含む抽出流体を得る工程、吸着材を用いて抽出流体から残留性有機汚染物質を分離する工程および疎水性溶媒を用いて吸着材から残留性有機汚染物質を抽出する工程を含んでいるため、残留性有機汚染物質による被汚染物から、残留性有機汚染物質を短時間で効率的に抽出することができる。
また、この抽出方法は、上述のような第一カラムに疎水性溶媒溶液を通過させる工程をさらに含む場合、精製された残留性有機汚染物質の疎水性溶媒溶液を得ることができる。
さらに、この抽出方法は、アルミナを充填した第二カラムに残留性有機汚染物質を含む疎水性溶媒溶液を供給して通過させる工程と、疎水性溶媒溶液が通過後の第二カラムに対し、残留性有機汚染物質を溶解可能な親水性溶媒を供給する工程と、第二カラムを通過した親水性溶媒を確保する工程とをさらに含んでいる場合、残留性有機汚染物質のバイオアッセイ法による分析に適した分析用試料を短時間で効率的に確保することができる。
本発明に係る残留性有機汚染物質の抽出装置は、上述のように、超臨界流体を用いた抽出部、吸着材カラムおよび疎水性溶媒供給部を備えているため、残留性有機汚染物質による被汚染物から、残留性有機汚染物質を短時間で効率的に抽出することができる。
また、この抽出装置は、上述のような第一カラムをさらに備えている場合、精製された残留性有機汚染物質の疎水性溶媒溶液を得ることができる。
さらに、この抽出装置は、上述のような第二カラムおよび親水性溶媒供給部をさらに備えている場合、残留性有機汚染物質のバイオアッセイ法による分析に適した分析用試料を短時間で効率的に確保することができる。
図1を参照して、本発明に係る残留性有機汚染物質の抽出装置の一形態を説明する。図において、抽出装置1は、抽出部2、吸着材カラム3および疎水性溶媒供給部4を主に備えている。
抽出部2は、残留性有機汚染物質により汚染された被汚染物から残留性有機汚染物質を抽出するためのものであり、被汚染物を収容するためのセル5、オーブン6、二酸化炭素の供給装置7および背圧調整器8を主に備えている。オーブン6は、セル5および後述するガス供給経路10の一部を加熱するためのものであり、セル5は、当該オーブン6内に収容されている。
供給装置7は、二酸化炭素のガスボンベ9とガス供給経路10とを主に備えている。ガス供給経路10は、ガスボンベ9から延びており、ガスボンベ9側から二酸化炭素ガスを冷却するための冷却器11、二酸化炭素ガスを加圧しながらセル5内へ供給するためのポンプ12および注入器13をこの順に備えている。また、ガス供給経路10は、オーブン6内に収容されたセル5の下部に接続されている。注入器13は、セル5内に供給する二酸化炭素ガスに対し、被汚染物からの残留性有機汚染物質の抽出を促進するためのエントレーナーを注入するためのものであり、エントレーナーの貯留タンク14と、貯留タンク14から延びかつガス供給経路10に接続された、ポンプ15を有する注入経路16とを有している。ここで用いられるエントレーナーは、例えば、水またはメタノール、アセトン若しくはトルエン等の有機溶媒である。
上述の供給装置7において、オーブン6およびポンプ12は、ガスボンベ9からの二酸化炭素が超臨界二酸化炭素(超臨界流体の一例)に変換されるよう、当該二酸化炭素をそれぞれ加熱および加圧可能な能力を有している。
背圧調整器8は、セル5の上部から延びる第一連絡経路17に接続されており、当該第一連絡経路17からの超臨界二酸化炭素を減圧し、超臨界状態を解除するためのものである。
吸着材カラム3は、背圧調整器8から延びかつ第一切替弁18を有する第二連絡経路19が上端に接続されている。第一切替弁18は、三方弁である。
また、吸着材カラム3には、吸着材が充填されている。ここで用いられる吸着材は、残留性有機汚染物質を吸着可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、シリカゲル、アルミナ、珪藻土および硫酸ナトリウム等を挙げることができる。但し、この吸着材は、取扱いの容易性や、吸着した残留性有機汚染物質を後述する疎水性溶媒により抽出しやすいこと等の理由から、繊維材料(繊維材料の群)と無機系結合材とを含む成形体からなるもの、特に、流体通過性を有する、三次元網目構造の成形体からなるものを用いるのが好ましい。ここで用いられる繊維材料は、残留性有機汚染物質と実質的に化学反応しないものであり、通常、繊維状活性炭、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維(好ましくは活性アルミナ繊維)、シリカ繊維およびフッ素樹脂繊維(例えばテフロン繊維:テフロンは登録商標)のうちの少なくとも一つである。一方、無機系結合材は、繊維材料同士を結合して繊維材料からなる群を一体化し、繊維材料からなる群に一定の成形形状を付与する性質を有するもの、すなわち、繊維材料からなる群を一定の成形形状に保持するバインダーとして機能するものである。
ここで利用可能な無機系結合材は、上述の性能を有し、しかも繊維材料と同様に残留性有機汚染物質と実質的に化学反応しないものであれば特に限定されるものではないが、吸着性能、特に残留性有機汚染物質に対する吸着性能を有するものが好ましい。このような無機系結合材としては、例えば、アルミナ(好ましくは活性アルミナ)、ゼオライト(好ましくは合成ゼオライト)、二酸化ケイ素(シリカ)、酸性白土およびアパタイトなどを挙げることができ、これらの無機系結合材は、それぞれ単独で用いられてもよいし、二種以上のものが併用されてもよい。また、無機系結合材は、形態が特に限定されるものではないが、通常は粒子状のものが用いられる。
上述の成形体は、通常、後述する抽出流体が円滑に通過し得る程度の嵩密度に設定されているのが好ましい。
このような成形体の製造方法の一例は、例えば、WO01/91883号公報(上述の特許文献2)に記載されている。因みに、このような成形体としては、例えば、三浦工業株式会社の「ダイオアナ」(「ダイオアナ」は三浦工業株式会社の登録商標)を利用することができる。
疎水性溶媒供給部4は、疎水性溶媒を貯留するための疎水性溶媒タンク20と、疎水性溶媒タンク20から第二連絡経路19へ疎水性溶媒を供給するための第一溶媒供給路21とを備えている。第一溶媒供給路21は、第一切替弁18に連絡しており、また、疎水性溶媒を送るためのポンプ22を有している。ここで用いる疎水性溶媒は、通常、ヘキサン、トルエン等である。
次に、上述の抽出装置1を用いた残留性有機汚染物質の抽出方法を説明する。抽出装置1は、背圧調整器8と吸着材カラム3とが連絡するよう第一切替弁18を設定しておく。
先ず、セル5内に残留性有機汚染物質により汚染された被汚染物を収容する。ここで、被汚染物は、残留性有機汚染物質により汚染された固形状のものであれば特に限定されるものではなく、例えば、残留性有機汚染物質により汚染された土壌、廃棄物焼却施設において発生する飛灰や炉底灰等の焼却灰、廃棄物焼却施設からの排気ガスや製紙工場等の各種工場から排出される廃水等の流体に含まれる残留性有機汚染物質を捕捉して採取したフイルタ(例えば、上記特許文献1および2等に記載のもの)を挙げることができる。
次に、オーブン6を加熱し、また、ガス供給経路10へガスボンベ9から二酸化炭素を供給する。ガス供給経路10に供給された二酸化炭素は、冷却器11において冷却され、さらにポンプ12により加圧されながら、かつ、オーブン6内で加熱されながら、セル5内へ連続的に供給される。この際、ポンプ15を併せて作動させ、貯留タンク14内のエントレーナーを注入経路16を通じてセル5へ供給中の二酸化炭素に注入する。
セル5内に供給された二酸化炭素は、超臨界二酸化炭素になり、セル5内に収容された被汚染物に接触する。この結果、被汚染物に含まれる残留性有機汚染物質は、超臨界二酸化炭素により、短時間で効率的に抽出される。この際、超臨界二酸化炭素は、エントレーナーを含むため、被汚染物から残留性有機汚染物質をより効率的に抽出する。そして、残留性有機汚染物質を抽出した超臨界二酸化炭素は、セル5から第一連絡経路17を通じて背圧調整器8へ供給され、そこで減圧される。この結果、残留性有機汚染物質を抽出した超臨界二酸化炭素は、気相と液相とに分離され、残留性有機汚染物質を含む抽出流体が得られる。
得られた抽出流体は、第二連絡経路19を通じて背圧調整器8から吸着材カラム3へ供給される。ここで、抽出流体に含まれる残留性有機汚染物質は、吸着材カラム3に充填された吸着材に吸着される。この結果、残留性有機汚染物質は、抽出流体から分離され、吸着材カラム3の吸着材により採取される。一方、残留性有機汚染化合物が分離された後の抽出流体は、吸着材カラム3の下部から排出される。
次に、第一切替弁18を切替え、第一溶媒供給路21と吸着材カラム3とが連絡するよう設定する。そして、ポンプ22を作動させると、疎水性溶媒タンク20内の疎水性溶媒は、第一溶媒供給路21を通じて吸着材カラム3へ供給される。これにより、吸着材カラム3の吸着材に吸着された残留性有機汚染物質は、第一溶媒供給路21からの疎水性溶媒に溶解し、疎水性溶媒溶液が得られる。この疎水性溶媒溶液は、吸着材カラム3の下部から排出される。
以上のように、上述の抽出装置1を用いた抽出方法は、超臨界二酸化炭素を用いているため、通常、被汚染物から、数時間程度の短時間で、しかも効率的に、残留性有機汚染物質を抽出することができる。また、この抽出方法は、ソックスレー抽出法等の疎水性溶媒を用いた従来の抽出法に比べ、疎水性溶媒の使用量を大幅に削減することができるため、揮発溶媒による作業環境汚染や環境汚染の危険性が少なく、また、経済的である。
因みに、ここで得られた疎水性溶媒溶液は、適宜精製、濃縮等すると、ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)による分析用試料として用いることができる。
[他の実施の形態]
(1)図2を参照して、上述の抽出装置1の変形例を説明する。図2において、図1と同じ部位には同じ符号を付している。この変形例において、抽出装置1は、第一後処理カラム30(第一カラムの一例)をさらに備えている。
第一後処理カラム30は、吸着材カラム3の下方に配置されており、吸着材カラム3からの疎水性溶媒溶液が供給されるよう、上部が第三連絡経路31を通じて吸着材カラム3の下部に連絡している。第三連絡経路31は、第二切替弁32を有している。第二切替弁32には、吸着材カラム3を通過した抽出流体を排出するための排出路33が連絡している。
第一後処理カラム30は、上下方向に開口する筒状体内に、極性物質を捕捉可能でありかつ残留性有機汚染物質を捕捉しない固定相を充填したものである。このような固定相としては、例えば、シリカゲルを用いることができる。特に、硫酸シリカゲルを用いるのが好ましい。また、固定相として用いられるシリカゲルは、種類の異なるシリカゲルを多層に配置したもの、例えば、硝酸銀シリカゲルと硫酸シリカゲルとを多層に配置した多層シリカゲルであってもよい。固定相として硫酸シリカゲル若しくは異種のシリカゲルを多層に配置したものを用いると、後述する精製処理をより効果的かつ迅速に実施することができる。
この抽出装置1を用いた抽出方法では、第三連絡経路31と排出路33とが連絡するよう第二切替弁32を切り替えた状態で、上述の抽出操作を実施する。そして、吸着材カラム3を通過した気相が排出路33から排出された後、吸着材カラム3と第一後処理カラム30とが連絡するよう第二切替弁32を切り替え、吸着材カラム3へ疎水性溶媒タンク20から疎水性溶媒を供給する。これにより、吸着材カラム3からの疎水性溶媒溶液は、第三連絡経路31を通じて第一後処理カラム30へ供給され、第一後処理カラム30を通過する。この際、疎水性溶媒溶液は、固定相により夾雑物が除去されて精製され、引き続いて疎水性溶媒タンク20から供給される疎水性溶媒により第一後処理カラム30から押し出される。したがって、この抽出方法によれば、精製された疎水性溶媒溶液を得ることができる。この疎水性溶媒溶液は、適宜濃縮等すると、ガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)による分析用試料として用いることができる。
なお、この変形例に係る抽出装置1は、第一後処理カラム30を加熱するためのヒータ34を有していてもよい。このヒータ34により第一後処理カラム30を加熱すれば、吸着材カラム3からの疎水性溶媒溶液に含まれる不純物が固定相においてより効果的に捕捉され、第一後処理カラム30における疎水性溶媒溶液の精製効率をより高めることができる。
(2)図3を参照して、上述の他の実施の形態(1)に係る抽出装置1の変形例を説明する。図3において、図1および図2と同じ部位には同じ符号を付している。この変形例において、抽出装置1は、第二後処理カラム40(第二カラムの一例)、カラム連結経路41、溶媒排出経路42、親水性溶媒供給部43、分析用試料排出管44および不活性ガス供給部45をさらに備えている。
第二後処理カラム40は、第一後処理カラム30と並列して配置されており、上下方向に開口する筒状体内に固定相としてアルミナを充填したものである。ここで用いられるアルミナは、残留性有機汚染物質を捕捉可能なものであれば種類が特に限定されるものではなく、例えば、酸性、中性若しくは塩基性のいずれのものでもよいが、通常、活性アルミナが好ましい。また、アルミナの形態は、通常、粒子状または粉末状が好ましい。
カラム連絡経路41は、第一後処理カラム30と第二後処理カラム40とを連絡するためのものであり、一端が第一後処理カラム30の下部に接続されており、また、他端が第二後処理カラム40の下部に接続されている。また、カラム連絡経路41は、第一後処理カラム30の近傍に第三切替弁47を有しており、また、第二後処理カラム40の近傍に第四切替弁48を有している。
溶媒排出経路42は、一端が第二後処理カラム40の上部に接続されており、他端が溶媒の回収容器49に延びている。また、溶媒排出経路42は、第五切替弁50を有している。親水性溶媒供給部43は、ジメチルスルホキシドやアルコール類等の親水性溶媒を貯留した親水性溶媒タンク51と、親水性溶媒タンク51から延びかつ第五切替弁50に接続された親水性溶媒供給経路52とを有している。親水性溶媒供給経路52は、親水性溶媒タンク51内に貯留された親水性溶媒を第五切替弁50に向けて送り出すためのポンプ53を有している。
分析用試料排出管44は、第四切替弁48に接続されている。不活性ガス供給部45は、窒素等の不活性ガスのガスボンベ54と、ガスボンベ54から延びかつ第三切替弁47に接続されたガス供給経路55とを有している。第三切替弁47、第四切替弁48および第五切替弁50は、それぞれ三方弁である。
上述の抽出装置1を用いた抽出方法では、先ず、第一後処理カラム30と第二後処理カラム40とがカラム連絡経路41を通じて連絡するよう、第三切替弁47および第四切替弁48を設定する。また、第五切替弁50は、第二後処理カラム40と回収容器49とが溶媒排出経路42を通じて連絡するように設定する。
上述の他の実施の形態(1)において説明したように、第一後処理カラム30において精製された疎水性溶媒溶液は、引き続いてカラム連絡経路41を通じて第二後処理カラム40へ供給される。第二後処理カラム40に供給された疎水性溶媒溶液は、第二後処理カラム40を下から上方向に移動し、その際、そこに含まれる残留性有機汚染物質がアルミナにより捕捉される。そして、第二後処理カラム40を通過した疎水性溶媒は、溶媒排出経路42を通じて回収容器49に回収される。
次に、第三切替弁47を切り替え、カラム連絡経路41とガス供給経路55とを連絡させる。この結果、ガスボンベ54からの不活性ガスは、ガス供給経路55およびカラム連絡経路41を通じて第二後処理カラム40へ供給される。これにより、第二後処理カラム40に充填されたアルミナに残留している疎水性溶媒が不活性ガスにより除去され、当該アルミナが乾燥処理される。
次に、第三切替弁47を元に戻し、第五切替弁50を切り替えて親水性溶媒供給経路52と第二後処理カラム40とが溶媒排出管42を通じて連絡するように設定する。また、第四切替弁48を切り替え、第二後処理カラム40と分析用試料排出管44とがカラム連絡経路41を通じて連絡するように設定する。この状態でポンプ53を作動させると、親水性溶媒タンク51内に貯留された親水性溶媒が親水性溶媒供給経路52および溶媒排出管42を通じて第二後処理カラム40の上部へ供給される。第二後処理カラム40に供給された親水性溶媒は、第二後処理カラム40のアルミナにより捕捉された残留性有機汚染物質を溶解して抽出し、カラム連絡経路41および分析用試料排出管44を通じて排出される。したがって、分析用試料排出管44からの親水性溶媒を確保すれば、残留性有機汚染物質の親水性溶媒溶液を得ることができる。すなわち、この変形例によれば、残留性有機汚染物質による被汚染物から、残留性有機汚染物質のバイオアッセイ法による分析に適した分析用試料を短時間で効率的に確保することができる。
ここで、第二後処理カラム40のアルミナにより捕捉された残留性有機汚染物質は、(1)主に、分析用試料排出管44に近い第二後処理カラム40の下部に留まっていること、(2)第二後処理カラム40に対して不活性ガスを供給することにより、アルミナから疎水性溶媒が除去されていること、および(3)疎水性溶媒よりも親水性溶媒が残留性有機汚染物質を溶解し易いこと等の理由により、第二後処理カラム40に対して供給された疎水性溶媒溶液の量に比べて少量(通常は数ml若しくは1ml以下)の親水性溶媒を第二後処理カラム40へ供給するだけで、速やかにアルミナから抽出され得る。
この結果、ここで得られる親水性溶媒溶液は、親水性溶媒の含有量が第二後処理カラム40において捕捉された残留性有機汚染物質を抽出するための必要最少量に設定されるため、第一後処理カラム30から第二後処理カラム40に対して供給される疎水性溶媒溶液に比べて分量が少なくなり、結果的に残留性有機汚染物質が濃縮された状態になる。したがって、この親水性溶媒溶液は、バイオアッセイ法による残留性有機汚染物質の分析用試料としてそのまま利用することができる。より具体的には、残留性有機汚染物質がダイオキシン類の場合、当該親水性溶媒溶液は、バイオアッセイ法によりダイオキシン類のTEQ値を測定するための市販のキット(例えば、上述の非特許文献5〜13参照)に対してそのまま適用することができる。
なお、この変形例に係る抽出装置1は、第二後処理カラム40を加熱するためのヒータ46をさらに有していてもよい。このヒータ46により第二後処理カラム40を加熱すれば、第二後処理カラム40のアルミナに捕捉された残留性有機汚染物質をより少量の親水性溶媒により効率的にかつ速やかに抽出することができる。
(3)上述の各実施の形態では、超臨界流体として超臨界二酸化炭素を用いたが、超臨界二酸化炭素以外の超臨界流体、例えば、超臨界亜酸化窒素を用いた場合も本発明を同様に実施することができる。
流体中からダイオキシン類を採取するためのフイルタ(三浦工業株式会社の商品名「ダイオアナ(登録商標)」)に、ダイオキシン類として7種類のPCDDsおよび10種類のPCDFsをそれぞれ所定量含浸し、試験用の被汚染物を調製した。そして、この被汚染物から、上述の他の実施の形態(2)において説明した抽出装置1を用い、ダイオキシン類を抽出した。
この際、抽出装置1および抽出方法は、次のように設定した。
◎吸着材カラム3の吸着材:被汚染物の調製において用いたものと同じフイルタ
◎第一後処理カラム30のサイズ:内径10mm、長さ150mm
◎第一後処理カラム30の固定相:多層シリカゲル
◎ヒータ34による第一後処理カラム30の加熱温度:60℃
◎第二後処理カラム40のサイズ:内径6mm、長さ60mm
◎第二後処理カラム40のアルミナ:アイ・シー・エヌ製薬社製の塩基性活性アルミナ(商品名「スーパーI」)
◎ヒータ46による第二後処理カラム40の加熱温度:60℃
◎疎水性溶媒:n−ヘキサン
◎疎水性溶媒の供給量および流速:100ml、2.5ml/分
◎親水性溶媒:ジメチルスルホキシド
◎親水性溶媒の供給量および流速:2ml、1.5ml/分
分析用試料排出管44から排出されるジメチルスルホキシド溶液をフラクションコレクターを用いて1mlずつ分画して採取し、最初の1mlのジメチルスルホキシド溶液をGC/MS法により分析した。結果を図4に示す。図4によると、被汚染物に含まれるダイオキシン類の全量は、実質的に最初の1mlのジメチルスルホキシド溶液中に含まれていることがわかる。また、最初の1mlのジメチルスルホキシド溶液を入手するまでに要した時間は、約2時間であった。
したがって、上述の他の実施の形態(2)に係る抽出装置1を用いれば、従来の抽出方法に比べて被汚染物から短時間で効率的にダイオキシン類を抽出でき、また、バイオアッセイ法による分析に適したダイオキシン類の分析用試料を短時間で効率的に確保できる。
本発明の実施の一形態に係る抽出装置の概略図。 前記抽出装置の変形例の概略図。 前記抽出装置の他の変形例の概略図。 実施例の分析結果を示すグラフ。
符号の説明
1 抽出装置
2 抽出部
3 吸着材カラム
4 疎水性溶媒供給部
30 第一後処理カラム
40 第二後処理カラム
43 親水性溶媒供給部

Claims (9)

  1. 残留性有機汚染物質により汚染された被汚染物から前記残留性有機汚染物質を抽出するための方法であって、
    前記被汚染物に超臨界流体を接触させ、前記残留性有機汚染物質を含む抽出流体を得る工程と、
    前記残留性有機汚染物質を吸着可能な吸着材に前記抽出流体を接触させ、前記抽出流体から前記残留性有機汚染物質を分離する工程と、
    疎水性溶媒を用いて前記吸着材から前記残留性有機汚染物質を抽出し、前記残留性有機汚染物質の疎水性溶媒溶液を得る工程と、
    を含む残留性有機汚染物質の抽出方法。
  2. 前記超臨界流体が超臨界二酸化炭素である、請求項1に記載の残留性有機汚染物質の抽出方法。
  3. 極性物質を捕捉可能でありかつ前記残留性有機汚染物質を捕捉しない固定相が充填された第一カラムに前記疎水性溶媒溶液を通過させる工程をさらに含む、請求項1または2に記載の残留性有機汚染物質の抽出方法。
  4. アルミナを充填した第二カラムに前記第一カラムからの前記疎水性溶媒溶液を供給して通過させる工程と、
    前記疎水性溶媒溶液が通過後の前記第二カラムに対し、前記残留性有機汚染物質を溶解可能な親水性溶媒を供給する工程と、
    前記第二カラムを通過した前記親水性溶媒を確保する工程と、
    をさらに含む、請求項3に記載の残留性有機汚染物質の抽出方法。
  5. 前記第二カラムに対し、前記疎水性溶媒溶液の通過方向とは逆方向に前記親水性溶媒を供給する、請求項4に記載の残留性有機汚染物質の抽出方法。
  6. 残留性有機汚染物質により汚染された被汚染物から前記残留性有機汚染物質を抽出するための装置であって、
    前記被汚染物に超臨界流体を接触させ、前記残留性有機汚染物質を含む抽出流体を得るための抽出部と、
    前記抽出部からの前記抽出流体に含まれる前記残留性有機汚染物質を吸着可能な吸着材が充填された吸着材カラムと、
    前記吸着材カラムに疎水性溶媒を供給するための疎水性溶媒供給部と、
    を備えた残留性有機汚染物質の抽出装置。
  7. 前記吸着材カラムからの前記疎水性溶媒を導入可能に設定された、極性物質を捕捉可能でありかつ前記残留性有機汚染物質を捕捉しない固定相が充填された第一カラムをさらに備えている、請求項6に記載の残留性有機汚染物質の抽出装置。
  8. 前記第一カラムからの前記疎水性溶媒を導入可能に設定された、アルミナを充填した第二カラムと、
    前記第二カラムに対し、前記残留性有機汚染物質を溶解可能な親水性溶媒を供給するための親水性溶媒供給部と、
    をさらに備えている、請求項7に記載の残留性有機汚染物質の抽出装置。
  9. 前記親水性溶媒供給部は、前記第二カラムに対する前記疎水性溶媒の導入方向とは逆方向に前記親水性溶媒を供給可能に設定されている、請求項8に記載の残留性有機汚染物質の抽出装置。
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