JP2005162622A - アルキルチオ基を有する芳香族アミン化合物の製造方法 - Google Patents

アルキルチオ基を有する芳香族アミン化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工業的規模で経済的に実施可能であり、環境に対する負荷を低減し、可能な限り廃棄物を削減しつつ、高収率に高純度のアルキルチオ基を有する芳香族アミン化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】芳香環にアルキルチオ基が置換した芳香族ニトロ化合物を還元して芳香環にアルキルチオ基が置換した芳香族アミン化合物を製造するに当り、該芳香族ニトロ化合物を鉄化合物と活性炭の共存下にヒドラジン化合物にて還元する。
【選択図】 なし

Description

本発明はアルキルチオ基を有する芳香族アミン化合物の製造方法に関するものであり、例えば色素、カラーマーキング材料、医薬品、農薬、電子材料、ハロゲン化銀写真感光材料等の合成中間体として有用なアルキルチオ基を有する芳香族アミン化合物の製造方法に関するものである。
ニトロ基の還元は有機合成において最も重要な反応の1つである。触媒存在下での水素による接触還元、触媒存在下でのヒドラジン化合物やシクロヘキセン等オレフィン化合物あるいはギ酸等による還元、鉄カルボニル化合物による還元、水素化リチウムアルミニウム等の水素化アルミニウム化合物による還元、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化ホウ素化合物あるいは水素化ホウ素化合物と金属化合物(塩化ニッケル、酢酸銅等)の組み合わせによる還元、塩酸存在下での亜鉛あるいは錫による還元、活性された鉄粉による還元、硫化物による還元、ハイドロサルファイトナトリウムによる還元など種々の方法が知られている(例えば非特許文献1、非特許文献2)。
一方、近年化学製造プロセスの環境に対する負荷が問題になってきており、反応条件が温和で、廃棄物が少なく、有害な反応剤等を可能な限り使用しないクリーンな化学反応が求められている。
このような観点からニトロ基の還元反応をみると、下記のような問題点が挙げられる。
(1)鉄カルボニル化合物による還元:反応剤が有毒、高価
(2)水素化アルミニウム化合物による還元:反応剤が高価、水分に不安定で危険
(3)水素化ホウ素化合物による還元:反応剤が高価、水分に不安定で危険
(4)塩酸存在下での亜鉛、錫による還元:金属を含む酸性廃液の処理が困難
(5)活性された鉄粉による還元:大量の鉄廃材が発生し、処理が困難
(6)硫化物による還元:悪臭を有し、硫化物を含む廃液の処理が困難
(7)ハイドロサルファイトナトリウムによる還元:廃液処理が厄介で有機溶剤系では反応困難
(8)これらの条件は反応を完結させるために過剰の反応剤を用いている場合が殆どであり、コストアップ要因のみならず、反応後の後処理における廃棄物処理を含めた作業が煩雑である。
このような問題を解決する方法として、触媒の利用は有用な手法の1つと考えられる。パラジウム、白金、ニッケルなどの触媒存在下での水素による接触還元やヒドラジン還元が良く知られているが、これらの方法は、分子内にスルフィド等の低原子価硫黄官能基が共存する基質には適用できない場合が殆どである。また低原子価硫黄化合物が微量基質に混入しただけでも還元が困難になることが多い。
一方、ニトロ基をアミノ基に還元する方法として、ヒドラジンを使用する還元方法において、酸化鉄類と併用する方法(例えば非特許文献4)や塩化第二鉄と活性炭を併用する方法(例えば特許文献1〜4および非特許文献4)が知られているが、分子内にスルフィド等の低原子価硫黄官能基を有するニトロ基の還元を取り扱っていない。
特開昭51−125027号公報 特開平5−271175号公報 特開平6−135905号公報 特開2002−193899号公報 「オーガニック ファンクショナル グループ プレパレーションズ」 第2版、第I巻、405−411頁(1983年)(S.R.Sandler, W.Karo, ORGANIC FUNCTIONAL GROUP PREPARATIONS, Second Edition, Volume I, Academic Press,Inc, 1983,p405−411) 「コンプリヘンシヴ オーガニック トランスフォーメーションズ」411−415頁(1989年)(L.C.Larock, COMPREHENSIVE ORGANIC TRANSFORMATIONS, A Guide to Functional Group Transformations, VCH Publishers, Inc,1989,p411−415) 日本化学会誌,858−863頁(1978年) シンセシス,834−835頁(1978年)(Synthesis, 834−834(1978))
本発明の目的は、工業的規模で経済的に実施可能であり、環境に対する負荷を低減し、可能な限り廃棄物の発生を削減しつつ、高収率に高純度のアルキルチオ基を有する芳香族アミン化合物の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、アルキルチオ基等の低原子価硫黄官能基が分子内に共存するニトロ化合物や、不純物としてジアルキルスルフィド、及び/又は、ジアルキルジスルフィドを含有するニトロ化合物に対して、活性化された鉄粉による還元方法では還元反応は進行することを見出したが、先にも述べたとおり大量の鉄廃材が発生し、またこれを濾過する際の濾過性が悪いこと、濾過した鉄廃材が発熱し危険なこと、反応終了後の釜洗浄が煩雑である等の理由で大量製造には全く不向きであった。
本発明者は上記および前述の事情に鑑み、更に鋭意検討した結果、下記の手段により前記の問題点を克服し、本発明の目的が達成できることを見出した。
(1)芳香環にアルキルチオ基が置換した芳香族ニトロ化合物を還元して芳香環にアルキルチオ基が置換した芳香族アミン化合物を製造するに当り、該芳香族ニトロ化合物を鉄化合物と活性炭の共存下にヒドラジン化合物にて還元することを特徴とする芳香族アミン化合物の製造方法。
(2)前記芳香族ニトロ化合物が、芳香環にさらに第三級アルキル基が置換された化合物であることを特徴とする(1)に記載の製造方法。
(3)前記鉄化合物が、第一鉄または第二鉄の化合物であることを特徴とする(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)前記鉄化合物が、第二鉄の化合物であることを特徴とする(3)に記載の製造方法。
(5)前記鉄化合物が水和酸化鉄(III)、ハロゲン化第二鉄、硫酸第二鉄または硝酸第二鉄から選択される少なくとも1つであることを特徴とする(4)に記載の製造方法。
(6)前記芳香族ニトロ化合物が、下記一般式(II)で表される化合物であり、かつ前記芳香族アミン化合物が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の製造方法。
Figure 2005162622
一般式(I)、(II)において、Rは置換基を表し、nは0以上4以下の整数を表わす。nが2以上のとき、複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。Rはアルキル基を表す。
(7)前記芳香族ニトロ化合物が、下記一般式(IV)で表される化合物であり、かつ前記芳香族アミン化合物が、下記一般式(III)で表される化合物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の製造方法。
Figure 2005162622
一般式(III)、(IV)において、Rは置換基を表し、mは0以上3以下の整数を表わす。mが2以上のとき、複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。Rはアルキル基を表す。Rは第三級アルキル基を表す。
一般式(III)、(IV)において、Rは置換基を表し、mは0以上3以下の整数を表わす。mが2以上のとき、複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。Rはアルキル基を表す。Rは第三級アルキル基を表す。
本発明の方法により、例えば色素、医薬品、農薬、電子材料、ハロゲン化銀写真感光材料等の合成中間体として有用なアルキルチオ基を有する芳香族アミン化合物を、工業的規模で経済的に実施可能であり、環境に対する負荷を低減し、可能な限り廃棄物を削減しつつ、効率よく、高収率かつ高純度に製造できる。
以下に本発明について詳細に説明する。
まず最初に、本発明で使用される、芳香環にアルキルチオ基を有する芳香族ニトロ化合物に関して説明する。
本発明で使用する芳香族ニトロ化合物は、芳香環にニトロ基を有し、かつアルキルチオ基を有する化合物である。該芳香環には、ニトロ基、アルキルチオ基以外に置換基を有してもよい。これらの置換基の詳細は後述するが、ニトロ基、アルキルチオ基以外の置換基としては、好ましくは、少なくとも1つのアルキル基、より好ましくは第三級アルキル基を有すものである。また、芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環やフェナントレン環等の縮合多環式炭化水素環、ピリジン等のヘテロ芳香環が挙げられるが、好ましくはベンゼン環、縮合多環式炭化水素環であり、さらに好ましくはベンゼン環である。
芳香族ニトロ化合物の好ましい化合物は、下記一般式(B)で表すことができる。
Figure 2005162622
一般式(B)において、Arは芳香族環を表す。Rは置換基を表す。nは0以上4以下の整数を表す。nが2以上のとき複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。Rはアルキル基を表す。
Arの具体例としてはベンゼン環、ナフタレン環が挙げられるが、ベンゼン環がより好ましい。Rの例としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、スルファモイルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールスルホニル基が挙げられる。
で好ましいものはアルキル基〔直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、炭素数1〜30のアルキル基で、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、t−アミル(1,1−ジメチルプロピル)、t−オクチル(1,1,3,3−テトラメチルブチル)、n−オクチル、エイコシル、2−エチルヘキシル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル〕、アリール基(好ましくは置換もしくは無置換のアリール基で、好ましくは炭素数6〜30のアリール基で、例えば、フェニル、4−オクチルオキシフェニル、4−デシルフェニル、2,4−ジクロロフェニル、ナフチル)、ハロゲン原子(例えばクロロ、ブロモ)、アルコキシ基(置換もしくは無置換のアルコキシ基で、好ましくは炭素数1〜30のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、ブトキシ、2−エチルへキシルオキシ基、オクタデシル基)、アリールオキシ基(置換もしくは無置換のアリールオキシ基で、好ましくは炭素数6〜30のアリールオキシ基で、例えば、フェノキシ、4−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ、2,4−ジクロロフェノキシ、2−メチル−4−ミリストイルアミノフェノキシ)である。nは0以上4以下の整数であるが、好ましくは1または0であり、さらに好ましくは1である。
は直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル等が挙げられる。Rはアルキル基以外の置換基を有さないアルキル基が好ましく、β−位にアルキル基が置換したアルキル基(少なくともβ−位で分岐した分岐アルキル基)がより好ましく、2−エチルヘキシルが最も好ましい。
一般式(B)で表される化合物のうち、より好ましいものは、Rの1つがアルキル基である化合物である。
はさらに好ましくは第三級アルキル基であり、下記一般式(B)’として表すことができる。
Figure 2005162622
一般式(B)’において、Ar、R、Rは一般式(B)におけるものと同義であり、好ましい範囲も同一である。mは0〜3の整数を表す。Rは第三級アルキル基を表す。
mは好ましくは0である。
は置換もしくは無置換の第三級アルキル基で、好ましくは炭素数4〜30の第三級アルキル基であり、例えば、t−ブチル、t−アミル(1,1−ジメチルプロピル)、t−オクチル(1,1,3,3−テトラメチルブチル)、1,1−ジメチルベンジルが挙げられる。Rは好ましくはt−ブチル、t−アミル、t−オクチルが好ましく、t−ブチル、t−オクチルがより好ましく、t−ブチルが最も好ましい。
一方、一般式(B)で表される化合物は、Arに着目すると、好ましい化合物は下記一般式(II)で表すことができる。
Figure 2005162622
一般式(II)において、R、R、nは一般式(B)のものと同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(II)で表される化合物は、好ましくは下記一般式(IV)で表される化合物である。
Figure 2005162622
一般式(IV)において、R、R、Rおよびmは一般式(B)’のものと同義であり、好ましい範囲も同じである。
次に本発明の、芳香環にアルキルチオ基を有する芳香族アミン化合物について、詳細に説明する。
芳香環にアルキルチオ基を有する芳香族アミン化合物は、先に説明した芳香環にアルキルチオ基を有する芳香族ニトロ化合物において、ニトロ基がアミノ基に還元された化合物であり、したがって、好ましい化合物は該芳香族ニトロ化合物で説明した一般式や各基において、ニトロ基をアミノ基に置き換えた、一般式や各基である。
具体的には、下記一般式(A)、(A)’、(I)、(III)で表される化合物であり、各一般式における各基は、対応する前記の一般式(B)、(B)’、(II)、(IV)の対応する基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
Figure 2005162622
Figure 2005162622
Figure 2005162622
Figure 2005162622
以下に、本発明で使用される芳香族ニトロ化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005162622
以下に、本発明方法により得られる芳香族アミン化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005162622
次に本発明の製造方法における還元剤を含めた製造条件について詳述する。
まず、本発明の、芳香環にアルキルチオ基を有する芳香族ニトロ化合物は、例えば芳香環にハロゲン原子が置換された芳香族ニトロ化合物に対するアルキルメルカプタン化合物の求核置換反応(Journal of Medicinal Chemistry, 46巻、169頁(2003年)やJournal of Medicinal Chemistry,23巻、717頁(1980年))や芳香環にメルカプト基を有する芳香族ニトロ化合物のS−アルキル化反応(Zhumal Organicheskoi Khimii, 20巻、1045頁(1984年))他により容易に製造することができる。また、前者の方法の変形として、芳香環にハロゲン原子が置換された芳香族ニトロ化合物とハロゲン化アルキルとが共存する系にS2−を加えて製造することもできる。かかる方法で製造した、芳香環にアルキルチオ基を有する芳香族ニトロ化合物は、単離、精製した後に本発明の製造条件に付してもよいが、単離することなく一貫法で本発明の還元反応に使用することも可能であり、工業上優れた利点である。特に、芳香環にアルキルチオ基が置換した芳香族ニトロ化合物の純度が90%以下、好ましくは85%以下(下限は好ましくは50%)のものにおいても収率低下が少なく製造できる点で有利である。
本発明の還元は鉄化合物と活性炭の共存下にヒドラジン化合物を還元剤として用いることを特徴とする。
本発明の還元において使用するヒドラジン化合物は、NHNHであり、その水和物や塩を含むものであり、ヒドラジン1水和物またはその水溶液が好ましい。このうちヒドラジン1水和物の80%水溶液が安全性、ハンドリング面を含めて最も好ましい。本発明の還元に使用されるヒドラジン化合物の使用量は原料である芳香族ニトロ化合物1モルに対して1.5〜10.0モルの範囲であるが、好ましくは1.5〜5.0モル、さらに好ましくは1.8から3.0モルである。
本発明で使用する鉄化合物について説明する。
なお、本発明におけるアルキルチオ基を有する芳香族ニトロ化合物の還元に対して、ヒドラジン化合物と併用する金属触媒が、パラジウムや白金、ラネーニッケル触媒の場合、還元反応が進行しないか、大幅に抑制される。これは、これらの金属触媒が低原子価硫黄化合物により被毒を受けているものと思われる。ソフトな金属とソフトな低原子価硫黄化合物とは親和性が高いため、これらの金属と水素の相互作用が起こりにくくなり、有効に水素吸蔵できないためと考えられる。
本発明で使用する鉄化合物は、第一鉄または第二鉄の鉄化合物が好ましく、特に好ましくは第二鉄の鉄化合物である。
鉄化合物としては市販されている粉末、粒状、削状、溶液など種々の形態のものを使用することができる。
本発明に用いる鉄化合物としては、酸化鉄(III)、水和酸化鉄(III)、ハロゲン化第二鉄(無水物、水和物、及び水溶液いずれの形態であってもよい)、ハロゲン化第一鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、酢酸第二鉄等が挙げられるが、本発明においては水和酸化鉄、ハロゲン化第二鉄、ハロゲン化第一鉄、硝酸第二鉄がより好ましく、水和酸化鉄、ハロゲン化第二鉄、ハロゲン化第一鉄がさらに好ましく、塩化第二鉄・6水和物が最も好ましい。本発明において、これらの鉄化合物は、反応系に別々の化合物として添加し、反応系内で反応前に形成させるようにしてもよい。
本発明において、これらの鉄化合物は複数の鉄化合物を組み合わせて使用しても良い。
本発明において、鉄化合物の使用量は、原料である芳香族ニトロ化合物に対して好ましくは0.005〜50.0質量%の範囲である。鉄化合物は、過剰に使用しても目的物の生成率/生成速度向上にはそれほど影響しないが、後の鉄イオンの除去操作が煩雑になり、かえって廃棄物量の増大につながるため工業スケールでの製造では障害となる。
本発明における鉄化合物の使用量は、原料である芳香族ニトロ化合物に対してより好ましくは0.01〜10.0質量%、さらに好ましくは0.02〜5.0質量%である。
本発明の還元において鉄化合物と併用する活性炭は、どのようなものでも反応加速に効果を示すが、短時間に、高純度で高収率に芳香族アミン化合物を得るには活性炭の種類を適宜選択する。本発明で使用する活性炭は、好ましくは粉末活性炭であって、さらには木質系の原料をベースにガス割賦法により製造された水蒸気炭がより好ましく、細孔直径20オングストローム付近にピークのある高度に発達した活性炭がさらに好ましく、純度の高い活性炭が好ましい。好ましくは強熱残分が2.0質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下である。本発明に用いられる活性炭としては、例えば二村化学工業(株)の太閤、武田薬品工業(株)の白鷺Aなどがあげられる。
本発明の還元において鉄化合物と併用する活性炭の使用量は、原料である芳香族ニトロ化合物に対して0.1〜200質量%の範囲であるが、好ましくは0.5〜50質量%、さらに好ましくは1〜20質量%である。
本発明の還元において使用しうる反応溶媒としては、反応基質/反応中間体/反応生成物の析出等で攪拌不能になる等の工程操作上の問題等を引き起こさず、反応の進行を妨げず、かつ本発明の反応条件において分解して反応に悪影響を与えない限り特に制限はない。
反応溶媒としては、例えばアルコール系溶媒(メタノール、エタノール、2−プロパノール等)、非プロトン性極性溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、 N,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド・尿素系溶媒、スルホラン等のスルホン系溶媒等)、エーテル系溶媒(1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アニソール等)、芳香族系溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等)、塩基性溶媒(ピリジン等)および水が挙げられる。これらの反応溶媒は単独でも併用してもよい。
反応溶媒として、アルコール系溶媒、非プロトン性極性溶媒、塩基性溶媒、水が好ましく、また、アルコール系溶媒、芳香族系溶媒(特に芳香族炭化水素系溶媒)および水から選択される2〜3種の併用系が好ましい。さらに好ましくは、アルコール系溶媒、非プロトン性極性溶媒(なかでもアミド系、尿素系溶媒が好ましく、さらに好ましくはN−メチルピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン)、水、およびアルコール系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、水の中から選択される2〜3種の溶媒の併用系、であり、最も好ましい溶媒はアルコール系単独溶媒、あるいは、アルコール系溶媒、水、芳香族炭化水素系溶媒の中から選択される2〜3種の溶媒の併用系である。
鉄化合物と活性炭の共存下にヒドラジン化合物を還元剤として反応させることによって実施される本発明の還元の際の反応温度は通常20〜200℃の範囲であるが、好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜100℃の範囲である。反応時間は反応基質、仕込み量、反応温度により異なるが、通常0.5〜20時間であり、1〜10時間の範囲がより好ましい。特に不活性な雰囲気は不要であるが、アルゴンまたは窒素気流下で反応を行なってもよい。
本発明の還元反応に際しては、芳香族ニトロ化合物、鉄化合物、活性炭および反応溶媒が存在する混合物を撹拌下に反応温度まで加熱(数分間、より具体的には1〜30分が好ましく、3〜20分がより好ましく、5〜10分が更に好ましい)した後、ヒドラジン化合物を添加(好ましくは滴下)するのが好ましい。
還元反応終了後の反応混合物の後処理は、鉄触媒/活性炭を濾別した後、水洗、塩酸抽出、水洗を行い、溶液を濃縮することにより得られる。また出発原料である芳香族ニトロ化合物の品質、目的物である芳香族アミン化合物に対して求める品質、または該目的物の形態によっては(特に液状の場合)、適当な酸(有機もしくは無機の酸で、例えば、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、塩酸、硫酸等が挙げられる。好ましくは有機酸で、中でもベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸が好ましい)を用いて適当な溶媒中で造塩精製した後、ろ過して塩として得ることもできる。その塩をさらにアルカリで中和し、フリー化した後、有機溶媒で抽出しそれを濃縮した後、適当な溶媒にて希釈し適当な濃度の溶液として得ることも可能である。
具体的な製造方法の代表例を挙げれば、5−tert−ブチル−2−(2−エチルヘキシルチオ)ニトロベンゼンの2−プロパノール溶液に塩化第二鉄・6水和物及び活性炭を加え、10分間加熱還流する。この溶液にヒドラジン・1水和物の80%水溶液を滴下する。滴下終了後、還流下原料が消失するまで反応を行った後、冷却し、触媒および活性炭を濾別する。この濾液にトルエンを加えて水洗、酸水洗、中和水洗し、トルエン溶液を濃縮することにより5−tert−ブチル−2−(2−エチルヘキシルチオ)アニリンを得ることができる。
以上の様にして得られる生成物の芳香族アミン化合物は、通常これ以上精製を行うことなく、以降の工程に使用できる程の純度を有するが、適当な酸を加えて適当な溶媒中で造塩することにより精製し、以降の工程に使用することも可能である。
以下に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1[例示化合物(21)の合成(鉄化合物として塩化第二鉄使用)]
5−tert−ブチル−2−(2−エチルヘキシルチオ)ニトロベンゼン(例示化合物(1))20gをイソプロピルアルコール40mlに溶解した。この溶液に塩化第二鉄・6水和物0.1g及び活性炭1.0gを加え、10分間加熱還流した。この溶液に、80%ヒドラジン1水和物の80%水溶液6.31g(100.8mmol,1.7eq)を1時間以上かけて滴下した。滴下終了後還流下に4時間後反応を行った後、40℃に冷却してセライト濾過し、トルエン20mlで洗浄した。濾液に水50mlを加え分液、0.45質量%希塩酸水40mlで洗浄・分液、さらに水40mlを加え重曹水で中和後、分液を行うことにより例示化合物(21)のトルエン溶液が得られた。
この溶液にトルエン40mlを添加し、p−トルエンスルホン酸一水和物11.27g(59.3mmol,1.0eq)を加えて加熱溶解した後、冷却晶析することにより、例示化合物(21)のp−トルエンスルホン酸(PTS)塩24.5g(収率85%)を得た。
以下に例示化合物(21)と該化合物のPTS塩のNMRスペクトルデータを示す。
例示化合物(21)
H−NMR(CDCl):δ(TMS)=7.29(1H,d,J=8.1Hz,6−H),6.74(1H,dd,J=2.1,8.1Hz,5−H),6.70(1H,d,J=2.1Hz,3−H),4.28(2H,br.s,−NH),2.72(2H,d,J=5.7Hz,−SCH),1.5−1.2(9H,m),1.27(9H,s,t−Bu),0.87(3H,t,J=6.6Hz,−CH),0.86(3H,t,J=6.6Hz,−CH
例示化合物(21)・PTS塩
H−NMR(CDCl):δ(TMS)=10.5−8.9(3H、br.s,−NH),7.76(1H,d,J=2.1Hz,3−H),7.74(2H,d,J=7.9Hz,2−H for PTS),7.43(1H,d,J=8.2Hz,5−H),7.28(1H,dd,J=2.1,8.2Hz,6−H),7.06(2H,d,J=7.9Hz,3−H for PTS),2.71(2H,d,J=6.0Hz,−SCH−),2.31(3H,s,CH−,φ for PTS),1.18(9H,s,t−Bu),0.83(3H,t,J=6.9Hz,−CH),0.74(3H,t,J=7.2Hz,−CH
実施例2〔例示化合物(21)の4−tert−ブチルクロロベンゼンからの合成−鉄化合物に塩化第二鉄使用〕
下記に示す合成ルートで合成した。
Figure 2005162622
95%硫酸100mlに60%硝酸100mlを氷冷下35℃以下で滴下して、混酸溶液を調製した。この混酸溶液に4−tert−ブチルクロロベンゼン(A−1) 100g (0.593mol)を30℃以下で滴下し、後反応(20−25℃)を2.5時間行なった。この反応液を冷水にあけ、トルエン100mlで抽出、水洗することにより(A−2)のトルエン溶液を得た。
一方、Na2S・5H2O 299g(1.779mol, 3.0eq)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(Bu4NBr) 19.1g(59.3mmol, 0.1eq) 、水 360mlの混合物を70℃まで加熱溶解した後、上記(A−2)のトルエン溶液に2−エチルヘキシルブロミド 120.2g(0.622mol, 1.05eq)を加えてあらかじめ均一にしておいた溶液を70〜75℃で硫化ソーダ水溶液中に滴下した。滴下後1時間反応を行い、反応液を分液し、アルカリ水洗、水洗を行い減圧濃縮することにより、例示化合物(1)(純度85%)の反応濃縮物を得た。
上記の例示化合物(1)、活性炭 10.0g、FeCl3・6H2O 1.0g、イソプロピルアルコール 400mlの混合溶液を10分間加熱還流した後、ヒドラジン1水和物の80%水溶液 63.1gを1時間以上かけて滴下した。滴下終了後還流下6時間反応を行った後、40℃に冷却しセライト濾過し、トルエン200mlで洗浄した。濾液に水500mlを加え分液、0.45質量%希塩酸水 400mlで洗浄・分液、さらに水400mlを加え重曹水で中和後、分液を行うことにより例示化合物(21)のトルエン溶液が得られた。
この溶液にトルエン400mlを添加し、p−トルエンスルホン酸一水和物112.7g(59.3mmol, 1.0eq)を加えて加熱溶解した後、冷却晶析することにより、例示化合物(21)のp−トルエンスルホン酸(PTS)塩207g(収率 75%)を得た。
実施例3
実施例2と同様の反応条件で、活性炭の有無、種類の違いについて検討を行った結果を下記表1にまとめた。反応は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の面積値(Area%、検出波長254nm)により評価した。表2から、活性炭を使用しないと反応が途中で停止し、原料(例示化合物(1))および還元中間体のヒドロキシルアミン体(例示化合物(1)におけるニトロ基がヒドロキシルアミノ基に還元された化合物)が多量に残存することがわかる。
Figure 2005162622
実施例4〔4−tert−ブチルクロロベンゼンからの一貫合成−鉄化合物に水和酸化鉄使用〕
95%硫酸100mlに60%硝酸100mlを氷冷下35℃以下で滴下し、混酸溶液を調製した。この混酸溶液に4−tert−ブチルクロロベンゼン(A−1) 100g(0.593mol)を30℃以下で滴下し、後反応(20〜25℃)を2.5時間行なった。この反応液を冷水にあけトルエン100mlで抽出、水洗することにより(A−2)のトルエン溶液を得た。
一方、Na2S・5H2O 299g(1.779mol, 3.0eq)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(Bu4NBr) 19.1g(59.3mmol, 0.1eq) 、水360mlの混合物を70℃まで加熱溶解した後、上記(A−2)のトルエン溶液に2−エチルヘキシルブロミド120.2g(0.622mol, 1.05eq)を加えてあらかじめ均一にしておいた溶液を70〜75℃で硫化ソーダー水溶液中に滴下した。滴下後1時間反応を行い、反応液を分液し、アルカリ水洗、水洗を行い減圧濃縮することにより、例示化合物(1)(純度85%)の反応濃縮物を得た。
上記で得た例示化合物(1)の反応濃縮物 200g、活性炭 10g、水和酸化鉄(III) 5.0g、エタノール 400mlの混合溶液を10分間加熱還流した後、80%ヒドラジン・1水和物 63.1gを1時間以上かけて滴下を行なった。滴下終了後還流下6時間反応を行った後、40℃に冷却しセライト濾過し、トルエン200mlで洗浄した。濾液に水500mlを加えて分液、0.45質量%希塩酸水400mlで洗浄・分液、さらに水400mlを加え重曹水で中和後、分液を行うことにより、例示化合物(21)のトルエン溶液を得た。
この溶液にトルエン400mlを添加し、p−トルエンスルホン酸一水和物112.7g(59.3mmol, 1.0eq)を加えて加熱溶解した後、冷却晶析することにより、例示化合物(21)のp−トルエンスルホン酸(PTS)塩207g(収率 75%)を得た。
実施例5〔酸化鉄触媒系における触媒活性と活性炭の影響〕
実施例4と同様の反応条件で、触媒の種類、溶媒、活性炭の有無について検討を行った結果を下記表2にまとめた。該表2から、水和酸化鉄は、1.0質量%の場合、活性炭が無いと反応は非常に遅いが、活性炭を添加することにより反応速度が加速されることがわかる。また、活性炭存在下、触媒量を2.5質量%に増やすことにより、短時間に反応を簡潔させることができる。
Figure 2005162622
比較例1〔例示化合物(1)のPd−Cを用いたヒドラジン還元〕
5−tert−ブチル−2−(2−エチルヘキシルチオ)ニトロベンゼン(例示化合物(1))20gをイソプロピルアルコール40mlに溶解した。この溶液に10%−Pd/C 0.2gを加え、70℃に加熱した。この溶液にヒドラジン1水和物の80%水溶液 6.31g(100.8mmol, 1.7eq)を1時間以上かけて滴下した。滴下終了後還流下4時間後反応を行った後、40℃に冷却しセライト濾過し、濾液をHPLC測定したところ、目的とする例示化合物(21)の生成はHPLC エリア%で約6%であり、残りは原料及び還元中間体(ヒドロキシルアミン体)が主であった。
この他に種々の活性ラネーニッケルを用いた検討も行なったが、上記と同様に反応を完結させることができなかった。
比較例2〔例示化合物(1)の還元鉄による還元〕
実施例1に記載したスケールと同一スケールで反応を行なった。予め還元鉄20g及び塩化アンモニウム1gを含むイソプロピルアルコール/水溶液(20ml/5ml)を加熱還流した。この溶液に5−tert−ブチル−2−(2−エチルヘキシルチオ)ニトロベンゼン20gをイソプロピルアルコール(20ml)に溶解した溶液を1時間以上かけて滴下を行なった。滴下終了後還流下1時間後反応を行った後、40℃に冷却しセライト濾過し、トルエン20mlで洗浄した。しかし鉄残渣を濾過する際のろ過性が悪く、作業は困難であった。濾液に水50mlを加え分液、0.45質量%希塩酸水40mlで洗浄・分液、さらに水40mlを加え重曹水で中和後に分液を行うことにより、例示化合物(21)のトルエン溶液を得た。この溶液にトルエン40mlを添加し、p−トルエンスルホン酸一水和物11.27g(59.3mmol, 1.0eq)を加えて加熱溶解した後、冷却晶析することにより、例示化合物(21)のp−トルエンスルホン酸(PTS)塩21.6g(収率 75%)を得た。
なお、還元鉄の使用量が20gより少ない量では例示化合物(21)の収率が大幅に低下した。
上記から明らかなように、還元鉄による還元では、アルキルチオ基を有する芳香族ニトロ化合物のニトロ基の還元反応は進行するが、鉄化合物の使用量が多く、反応後の鉄残渣のろ過性が悪く、非効率であることがわかる。なお、実施例1と比較例2の比較から、20gの芳香族ニトロ化合物を還元するのに必要な反応剤の使用量は、実施例1に記載の方法では、塩化第二鉄・6水和物が0.1g、活性炭が1.0gであり、一方、比較例2では20gもの鉄粉が必要である。
以上説明した実施例および比較例より、鉄化合物と活性炭の共存下にヒドラジン化合物を還元剤として用いることを特徴とする本発明の製造方法は、操作が簡便であり、使用する鉄化合物の量が少ないため発生する廃棄物も少ない。また製造工程も簡略化されており、経済的にも有利であることがわかる。

Claims (7)

  1. 芳香環にアルキルチオ基が置換した芳香族ニトロ化合物を還元して芳香環にアルキルチオ基が置換した芳香族アミン化合物を製造するに当り、該芳香族ニトロ化合物を鉄化合物と活性炭の共存下にヒドラジン化合物にて還元することを特徴とする芳香族アミン化合物の製造方法。
  2. 前記芳香族ニトロ化合物が、芳香環にさらに第三級アルキル基が置換された化合物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記鉄化合物が、第一鉄または第二鉄の化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記鉄化合物が、第二鉄の化合物であることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記鉄化合物が水和酸化鉄(III)、ハロゲン化第二鉄、硫酸第二鉄または硝酸第二鉄から選択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。
  6. 前記芳香族ニトロ化合物が、下記一般式(II)で表される化合物であり、かつ前記芳香族アミン化合物が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
    Figure 2005162622
    一般式(I)、(II)において、Rは置換基を表し、nは0以上4以下の整数を表わす。nが2以上のとき、複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。Rはアルキル基を表す。
  7. 前記芳香族ニトロ化合物が、下記一般式(IV)で表される化合物であり、かつ前記芳香族アミン化合物が、下記一般式(III)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
    Figure 2005162622
    一般式(III)、(IV)において、Rは置換基を表し、mは0以上3以下の整数を表わす。mが2以上のとき、複数のRはそれぞれ同じでも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。Rはアルキル基を表す。Rは第三級アルキル基を表す。
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