JP2005162540A - セラミック部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱サイクルにさらされるセラミック部品において、本体部分の強度、靱性が低い場合であっても、セラミック部品の寿命を長くし、破損を防止できるようにする。
【解決手段】セラミック部品4は、酸化マグネシウムからなる第一層(内側層)5、および第二層(外側層)6を備えている。第二層5を構成する材質の40℃から1200℃までの熱膨張係数が、酸化マグネシウムの40℃から1200℃までの熱膨張係数より低く、第二層5を構成する材質の40℃から1200℃までの熱膨張係数と酸化マグネシウムの40℃から1200℃までの熱膨張係数との差が0.05ppm/℃以上、0.5ppm/℃以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炉の昇温、降温に伴う熱サイクルによる寿命低下を防止できるようなセラミック部品に関するものである。
例えば非特許文献1には、マグネシア容器の写真およびマグネシア製品の用途についての記載がある。マグネシア製品の用途として、PZT素子、β−アルミナを焼成する際に、各成形体を包囲する炉材ないし匣鉢としての用途や、塩基性スラグ溶解用、金属溶解用の容器という用途が挙げられている。
株式会社ニッカトーカタログ主要製品案内(2003年3月) 第6頁
即ち、通常、焼結体を得る場合には、ワーク周囲の温度、雰囲気調整のために、外側にあるヒーターからの直接の熱放射や対流を避けるために、耐熱性セラミックスからなる炉材ないし匣鉢によってワークの周囲を囲むことが行われている。このセラミック炉材の外表面は熱放射や対流を直接受ける。また、セラミック炉材の内表面は、熱容量の大きなワークを囲んだ時などは、冷却されにくい場合がある。これらの要因により、このセラミック炉材の内表面と外表面との間には温度差が生ずることが多い。
従って、セラミック炉材の材質としては、アルミナなどの高強度の材料が使用されることが普通である。しかし、例えばPZT素子、塩基性物質、β−アルミナの焼成のように、ワークとセラミック炉材との反応性やワークからの物質放出の制御が必要な場合には、炉材としてマグネシアのような低強度で低靭性の材料を使わざるを得ないことがある。このような場合は、炉材の寿命が短くなる上、炉材が昇温、降温時に破損することにより、炉材のワークがすべて不良品になる可能性も否定できず、歩留まりの低下およびコストアップにつながるおそれがある。
本発明の課題は、例えば炉材のように熱サイクルにさらされるセラミック部品において、本体部分の強度、靱性が低い場合であっても、セラミック部品の寿命を長くし、破損を防止できるようにすることである。
第一の発明は、酸化マグネシウムからなる第一層、および第二層を備えており、第二層を構成する材質の40℃から1200℃までの熱膨張係数が、酸化マグネシウムの40℃から1200℃までの熱膨張係数より低く、第二層を構成する材質の40℃から1200℃までの熱膨張係数と酸化マグネシウムの40℃から1200℃までの熱膨張係数との差が0.05ppm/℃以上、0.5ppm/℃以下であることを特徴とする、セラミック部品に係るものである。
また、第二の発明は、ワークを焼成する際に、ワークを包囲して雰囲気を調整するために使用するセラミック部品であって、
少なくとも外側層と内側層とを備えており、外側層の材質の40℃から1200℃までの熱膨張係数が、内側層の材質の40℃から1200℃までの熱膨張係数よりも低く、外側層を構成する材質の40℃から1200℃までの熱膨張係数と内側層を構成する材質の40℃から1200℃までの熱膨張係数との差が0.05ppm/℃以上、0.5ppm/℃以下であることを特徴とする。
本発明において、40℃から1200℃までの熱膨張係数は、以下のように測定する。
装置: 理学電機 「Thermo plus
TMA8310」 圧縮加重法:
縦型
変位検出方法:差動トランス方式 標準サンプル: 99.9%アルミナ
サンプル形状: 3mm×4mm×20mm(誤差は±0.5mm)
サンプル押さえ荷重: 20g
昇温速度: 10℃/min
雰囲気: 大気
基準温度: 40℃
(算出方法)
(40℃から1200℃までの熱膨張係数) =
(1200℃の膨張率−40℃の膨張率)/(1200℃と40℃との温度差) =
(1200℃の膨張率)/1160℃
(1200℃の膨張率)=
(1200℃でのサンプル長さ−40℃でのサンプル長さ)/(40℃でのサンプル長さ)
以下、図1、図2を参照しつつ、本発明を更に説明すする。
図1は、支持板1上に本発明に係る匣鉢4を載せた状態を示す断面図であり、図2は、支持板1上に従来例の匣鉢7を載せた状態を示す断面図である。匣鉢4、7の内側空間3にはワーク2が収容されている。この状態で炉内温度を上昇させ、ワークを焼成する。ここで、図2において、匣鉢7の材質が低強度のマグネシアであると、昇温時には匣鉢7の外側表面の温度が内側表面の温度よりも高くなり、外側部分が相対的に大きく延びるため、外側部分に圧縮応力が加わる。降温時には、外側表面の温度が内側表面の温度よりも低くなり、内側部分が相対的に延びているために、外側部分に引張応力が加わり、破損の原因となる。
これに対して、本発明においては、図1に示すように、内側層5が例えばマグネシアからなる場合に、内側層5を外側層6によって被覆した。そして、外側層6の材質の40℃から1200℃までの熱膨張係数を、内側層5の材質の40℃から1200℃までの熱膨張係数よりも低くし、かつ外側層を構成する材質の40℃から1200℃までの熱膨張係数と内側層を構成する材質の40℃から1200℃までの熱膨張係数との差を0.05ppm/℃以上、0.5ppm/℃以下とした。これによって、室温放置時において、外側層6に圧縮応力が加わるようにしておく。そして、昇温時、降温時には、外側層6には加わる熱応力が緩和され、匣鉢4の寿命が飛躍的に延びる。
第一の発明に係るセラミック積層体は、第一層および第二層からなっていてよく、また他の層を備えていててもよい。第二層の材質は特に限定されず、以下を例示できる。
酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化イットリウム、希土類酸化物およびこれらの化合物、混合物、固溶体。
第一の発明の好適な実施形態においては、第二層の材質は、酸化マグネシウムを含むセラミックスである。更に好ましくは、第二層の材質が、酸化マグネシウムと、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素からなる群より選ばれた一種以上の酸化物とを含んでいる。熱膨張係数の制御という観点からは、第二層の材質において、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素からなる群より選ばれた一種以上の酸化物の合計含有量が0.5mol%以上、10mol%以下であることが好ましい。
第二の発明に係るセラミック部品は、外側層と内側層とからなっていてよく、あるいは他の層を有していて良い。内側層の材質としては、以下を例示できる。
酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化イットリウム、希土類酸化物およびこれらの化合物、混合物、固溶体。
外側層の材質は特に限定されず、以下を例示できる。
酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化クロム、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化ニッケル、酸化亜鉛、酸化イットリウム、希土類酸化物およびこれらの化合物、混合物、固溶体。
好適な実施形態においては、外側層の材質は、酸化マグネシウムを含むセラミックスである。更に好ましくは、外側層の材質が、酸化マグネシウムと、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素からなる群より選ばれた一種以上の酸化物とを含んでいる。熱膨張係数の制御という観点からは、外側層の材質において、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素からなる群より選ばれた一種以上の酸化物の合計含有量が0.5mol%以上、10mol%以下であることが好ましい。
また、第一、第二の発明の観点からは、第二層、外側層の厚さは0.5mm〜3.0mmであることが好ましい。
ワークの種類は特に限定されず、粉末成形体、粉末成形体の脱脂体、粉末成形体の仮焼体であってよい。特に好ましくは、ワークが、PZT素子の成形体、β-アルミナの成形体、塩基性スラグである。
第一層ないし内側層、第二層ないし外側層の形成方法は特に限定されない。例えば、ゲルキャスト法、コールドアイソスタティックプレス法、スリップキャスト法、スラリーディップ法、ドクターブレード法、射出成形法を例示できる。また、第一相と第二相との成形の順序も限定されない。
好適な実施形態においては、図3に示すように、第一層を成形した後、第一層用の硬化スラリーが収容されている型中に第二層用スラリーを注型し、ゲルキャスト成形する。この場合には、セラミック積層体およびセラミック部品の寸法精度が特に高くなり、かつ第一層と第二層との剥離強度が特に高くなる。
ゲルキャスト法は、セラミック、金属の粉体、分散媒、及びゲル化剤を含むスラリーを注型した後に、このスラリーを温度条件や架橋剤の添加等によりゲル化させることにより固化して成形体を得る粉体成形体の製造方法である。
ゲルキャスト法としては、以下の方法を例示できる。
(1) 無機物粉体とともに、ゲル化剤となるポリビニルアルコール、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のプレポリマーを分散媒中に分散してスラリーを調製し、注型後、架橋剤により三次元的に架橋してゲル化させることにより、スラリーを固化させる。
(2) 反応性官能基を有する有機分散媒とゲル化剤とを化学結合させることにより、スラリーを固化させる。この方法は、本出願人の特開2001−335371号公報に記載されている。
この方法においては、2以上の反応性官能基を有する有機分散媒を使用することが好ましい。また、全分散媒のうち60質量%以上が、反応性官能基を有する有機分散媒であることが好ましい。
反応性官能基を有する有機分散媒の20℃における粘度が20cps以下であることが好ましく、ゲル化剤の20℃における粘度が3000cps以下であることが好ましい。具体的には、2以上のエステル基を有する有機分散媒と、イソシアナート基、及び/又はイソチオシアナート基を有するゲル化剤とを化学結合させることによりスラリーを固化することが好ましい。
有機分散媒は、ゲル化剤と化学結合し、スラリーを固化可能な液状物質であること、及び注型が容易な高流動性のスラリーを形成できる液状物質であること、の2条件を満たすことが必要である。
ゲル化剤と化学結合し、スラリーを固化するためには、反応性官能基、即ち水酸基、カルボキシル基、アミノ基のようなゲル化剤と化学結合を形成し得る官能基を分子内に有していることが必要である。
前記有機分散媒は少なくとも1の反応性官能基を有するものであれば足りるが、より充分な固化状態を得るためには、2以上の反応性官能基を有する有機分散媒を使用することが好ましい。
2以上の反応性官能基を有する液状物質としては、例えば多価アルコール(エチレングリコールのようなジオール類、グリセリンのようなトリオール類等)、多塩基酸(ジカルボン酸類等)が考えられる。
尚、分子内の反応性官能基は必ずしも同種の官能基である必要はなく、異なる官能基であってもよい。また、反応性官能基はポリエチレングリコールのように多数あってもよい。
一方、注型が容易な高流動性のスラリーを形成するためには、可能な限り粘性の低い液状物質を使用することが好ましく、特に20℃における粘度が20cps以下の物質を使用することが好ましい。
既述の多価アルコールや多塩基酸は水素結合の形成により粘性が高い場合があるため、たとえスラリーを固化することが可能であっても反応性分散媒として好ましくない場合がある。従って、多塩基酸エステル(例えば、グルタル酸ジメチル等)、多価アルコールの酸エステル(例えば、トリアセチン等)等の2以上のエステル基を有するエステル類を前記有機分散媒として使用することが好ましい。
エステル類は比較的安定ではあるものの、反応性が高いゲル化剤とであれば充分反応可能であり、粘性も低いため、上記2条件を満たすからである。特に、全体の炭素数が20以下のエステルは低粘性であるため、反応性分散媒として好適に用いることができる。
この実施形態においては、非反応性分散媒を併用できる。この分散媒としては、エーテル、炭化水素、トルエン等が好ましい。
また、非反応性分散媒として有機化合物を用いる場合であっても、ゲル化剤との反応効率を確保する観点からは、全分散媒のうち、反応性分散媒を60質量%以上含有させることが好ましく、85質量%以上含有させることがより好ましい。
反応性のゲル化剤の例は、特開2001−335371号公報に記載されている。
具体的には、この反応性のゲル化剤は、分散媒と化学結合し、スラリーを固化可能な物質である。従って、ゲル化剤は、分子内に、分散媒と化学反応し得る反応性官能基を有するものであればよく、例えば、モノマー、オリゴマー、架橋剤の添加により三次元的に架橋するプレポリマー(例えば、ポリビニルアルコール、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等)等のいずれであってもよい。
但し、前記反応性ゲル化剤は、スラリーの流動性を確保する観点から、粘性が低いもの、具体的には20℃における粘度が3000cps以下の物質を使用することが好ましい。
一般に平均分子量が大きなプレポリマー及びポリマーは、粘性が高いため、本発明では、これらより分子量が小さいもの、具体的には平均分子量(GPC法による)が2000以下のモノマー又はオリゴマーを使用することが好ましい。
尚、ここでの「粘度」とは、ゲル化剤自体の粘度(ゲル化剤が100%の時の粘度)を意味し、市販のゲル化剤希釈溶液(例えば、ゲル化剤の水溶液等)の粘度を意味するものではない。
ゲル化剤の反応性官能基は、反応性分散媒との反応性を考慮して適宜選択することが好ましい。例えば反応性分散媒として比較的反応性が低いエステル類を用いる場合は、反応性が高いイソシアナート基(−N=C=O)、及び/又はイソチオシアナート基(−N=C=S)を有するゲル化剤を選択することが好ましい。
イソシアナート類はジオール類やジアミン類と反応させることが一般的であるが、ジオール類は既述の如く高粘性のものが多く、ジアミン類は反応性が高すぎて注型前にスラリーが固化してしまう場合がある。
このような観点からも、エステルからなる反応性分散媒と、イソシアナート基、及び/又はイソチオシアナート基を有するゲル化剤との反応によりスラリーを固化することが好ましく、より充分な固化状態を得るためには、2以上のエステル基を有する反応性分散媒と、イソシアナート基、及び/又はイソチオシアナート基を有するゲル化剤との反応によりスラリーを固化することが好ましい。
イソシアナート基、及び/又はイソチオシアナート基を有するゲル化剤としては、例えば、MDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート)系イソシアナート(樹脂)、HDI(ヘキサメチレンジイソシアナート)系イソシアネート(樹脂)、TDI(トリレンジイソシアナート)系イソシアナート(樹脂)、IPDI(イソホロンジイソシアナート)系イソシアナート(樹脂)、イソチオシアナート(樹脂)等を挙げることができる。
また、反応性分散媒との相溶性等の化学的特性を考慮して、前述した基本化学構造中に他の官能基を導入することが好ましい。例えば、エステルからなる反応性分散媒と反応させる場合には、エステルとの相溶性を高めて、混合時の均質性を向上させる点から、親水性の官能基を導入することが好ましい。
尚、ゲル化剤分子内に、イソシアナート基又はイソチオシアナート基以外の反応性官能基を含有させてもよく、イソシアナート基とイソチオシアナート基が混在してもよい。さらには、ポリイソシアナートのように、反応性官能基が多数存在してもよい。
第一層、第二層用の成形用スラリーは、以下のようにして製造できる。
(1)分散媒に無機物粉体を分散してスラリーとした後、ゲル化剤を添加する。
(2)分散媒に無機物粉体及びゲル化剤を同時に添加して分散することによりスラリーを製造する。
注型時の作業性を考慮すると20℃におけるスラリーの粘度は30000cps以下であることが好ましく、20000cps以下であることがより好ましい。スラリーの粘度は、既述した反応性分散媒やゲル化剤の粘度の他、粉体の種類、分散剤の量、スラリー濃度(スラリー全体体積に対する粉体体積%)によっても調整することができる。
但し、スラリー濃度が低すぎれば成形体密度が低下し、成形体の強度低下、乾燥・焼成時におけるクラックの発生や収縮率の増加に伴う変形等の問題を生ずる点において好ましくない。従って、通常は、スラリー濃度が25〜75体積%のものが好ましく、乾燥収縮によるクラックを少なくすることを考慮すると、35〜75体積%のものが更に好ましい。
表1、表2の実験番号0〜20に示す、図1または図2の各匣鉢4または7を作製した。
(実験番号0)
具体的には、まず図2に示す匣鉢7を作製した。ただし、匣鉢7の材質は酸化マグネシウムとし、厚さは12mm、外形寸法は約240mm×240mm×240mmとした。匣鉢の製造時には、100重量部のMgO粉末、7重量部の脂肪族ポリイネシアネート(ゲル化剤)、25重量部の有機多塩基酸エステル、0.5重量部のポリマレイン酸共重合体および5重量部のトリエチルアミンをポットミル中で混合し、スラリーを得た。このスラリーを成形型に注型後、一定時間放置し、ゲル化させて固化することにより、成形体を作製した。この成形体を1600℃で焼成し、図2の匣鉢7を得た。この材質の強度は220MPaであり、40℃から1200℃までの熱膨張係数は14.90ppm/℃である。
(実験番号1〜20)
実験番号0と同様にして、マグネシア層用の成形体を注型した。次いで、MgO粉末と、表1、2に示す各添加量の各添加物(アルミナまたはシリカ)を合計100重量部、脂肪族ポリイネシアネート7重量部、有機多塩基酸エステル25重量部、ポリマレイン酸共重合体0.5重量部およびトリエチルアミン5重量部をポットミル中で混合し、スラリーを得た。このスラリーを前記成形体の上に注型し、一定時間放置し、ゲル化させて固化することにより、成形体を作製した。この成形体を400℃/時間で昇温し、1600℃で焼成し、400℃/時間で降温し、図1の匣鉢4を得た。
得られた各例の試料について、第二層(外側層)の厚さ、第二層の40℃から1200℃までの熱膨張係数、第一層と第二層との熱膨張係数との相違、試料の強度、焼成した試料におけるクラックの有無を測定し、結果を表1、表2に示した。また、試料に室温と250℃との間で熱サイクルを加え、試料が破壊するまでの回数を測定した。1サイクルにおいて、室温から250℃まで750℃/時間で昇温し、250℃で1時間保持し、次いで大気中で放置して約500℃/時間で降温した。
Figure 2005162540
Figure 2005162540
実験番号0、1では試料にクラックがあり、番号2、3では破壊までの熱サイクル数が少ない。番号4〜8では、第一層と第二層との熱膨張係数差が0.05〜0.50ppm/℃であるが、試料にクラックがなく、破壊までの熱サイクル数が多い。番号9では破壊までの熱サイクル数が少なく、番号10では試料にクラックが見られた。番号11〜14では第二層の厚さを種々変更しているが、厚さ0.5〜3mmで特に破壊までの熱サイクル数が増加した。
番号15〜20においては、第二層にシリカを含有させた。番号15では試料にクラックが発生した。番号16〜19では破壊までの熱サイクル数が多かった。番号20では第一層と第二層との熱膨張係数差が大きいが、試料にクラックが発生した。
以上述べたように,本発明によれば、熱サイクルにさらされるセラミック部品において、本体部分の強度、靱性が低い場合であっても、セラミック部品の寿命を長くし、破損を防止できる。
本発明の一実施形態に係るセラミック部品4中にワーク2を収容した状態を示す断面図である。 比較例に係るセラミック部品7中にワーク2を収容した状態を示す断面図である。 セラミック部品の製造プロセスの一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1 支持板 2 ワーク 4 セラミック部品(セラミック積層体) 5 内側層(第一層) 6 外側層(第二層)

Claims (11)

  1. 酸化マグネシウムからなる第一層、および第二層を備えており、前記第二層を構成する材質の40℃から1200℃までの熱膨張係数が、酸化マグネシウムの40℃から1200℃までの熱膨張係数より低く、前記第二層を構成する材質の40℃から1200℃までの熱膨張係数と酸化マグネシウムの40℃から1200℃までの熱膨張係数との差が0.05ppm/℃以上、0.5ppm/℃以下であることを特徴とする、セラミック部品。
  2. 前記第二層の材質が酸化マグネシウムを含むセラミックスであることを特徴とする、請求項1記載のセラミック部品。
  3. 前記第二層の材質が、酸化マグネシウムと、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素からなる群より選ばれた一種以上の酸化物とを含むことを特徴とする、請求項2記載のセラミック部品。
  4. 前記第二層の材質において、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素からなる群より選ばれた一種以上の酸化物の合計含有量が0.5mol%以上、10mol%以下であることを特徴とする、請求項3記載のセラミック部品。
  5. ワークを焼成する際に、前記ワークを包囲して雰囲気を調整するために使用するセラミック部品であって、
    少なくとも外側層と内側層とを備えており、前記外側層の材質の40℃から1200℃までの熱膨張係数が、前記内側層の材質の40℃から1200℃までの熱膨張係数よりも低く、前記外側層を構成する材質の40℃から1200℃までの熱膨張係数と前記内側層を構成する材質の40℃から1200℃までの熱膨張係数との差が0.05ppm/℃以上、0.5ppm/℃以下であることを特徴とする、セラミック部品。
  6. 前記内側層の相対密度が90%以上であり、室温での4点曲げ強度が230MPa以下であることを特徴とする、請求項5記載のセラミック部品。
  7. 前記外側層の厚さが0.5mm以上、3.0mm以下であることを特徴とする、請求項5または6記載のセラミック部品。
  8. 前記外側層の材質が、前記内側層を構成する材質を含有することを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一つの請求項に記載のセラミック部品。
  9. 前記内側層を構成する材質が酸化マグネシウムであり、前記外側層を構成する材質が少なくとも酸化マグネシウムを含む、請求項8記載のセラミック部品。
  10. 前記外側層を構成する材質が、酸化マグネシウムと、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素からなる群より選ばれた一種以上の酸化物とを含むことを特徴とする、請求項9記載のセラミック部品。
  11. 前記外側層の材質において、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素からなる群より選ばれた一種以上の酸化物の合計含有量が0.5mol%以上、10mol%以下であることを特徴とする、請求項10記載のセラミック部品。
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