JP2005161639A - プリンタ装置のインク供給機構、インクタンク、およびキャリッジヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】インクタンクをキャリッジヘッドに容易に装着でき、かつ、漏れを防止しながら確実にインクを供給する。
【解決手段】プリンタ装置のインク供給機構は、分離可能なキャリッジヘッド11とインクタンク17とを有している。インクタンク17は、底部から突設された円柱状のインク連通管27と、その外周に設けられた環状の封止部材29とを有している。インク連通管27は側面にインク導出孔28を有している。キャリッジヘッド11は、プリントヘッド12にインクを供給するサブインク室17と、サブインク室17の上面に設けられ、インク連通管27がサブインク室17の内部に挿入可能な接続開口30と、移動手段とを有する。移動手段は、キャリッジヘッド11とインクタンク17とが接続されたときに、封止部材29をインク連通管27の外周に沿って動かしてインク導出孔28を開放する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクカートリッジ部がキャリッジヘッドから分離可能なインクジェットプリンタのインク供給機構、インクタンク、およびキャリッジヘッドに関する。
インクジェットプリンタは、インクジェットプリントヘッドが搭載されたキャリッジを紙等の印刷媒体上を端から端まで横断して移動させながら、制御システムからの指令に基づきプリントヘッドを作動させて、印刷媒体上にインク滴を吐出して画像および文字を形成する。印刷のために消費されるインクは、キャリッジに搭載され、または、キャリッジとは別の場所に設けられたインク供給源からプリントヘッドに供給される。インク供給源がキャリッジに搭載されて移動する場合、インク供給源はプリントヘッドに分離可能に搭載され、インクがなくなった時点で交換される。
インク供給源は、プリントヘッドが正常に機能するために、プリントヘッドにインクが途切れることなく確実にインクを供給することが必要であるが、それと同時に、インク供給源あるいはインクジェットプリントヘッドからのインク漏れを防ぐことも重要である。そのためには、インク供給に伴うヘッド圧を大気圧より低い値に保つことが必要であり、通常、インク供給源および/またはインクジェットプリントヘッド内は負圧に維持されている。ここで負圧とは、大気圧を基準としたインクジェットプリントヘッド内の圧力である。
インク供給源およびインクジェットプリントヘッドを、印刷システムの保管中および作動中に遭遇する幅広い温度および圧力の変化に対して一定の負圧に保持する技術は、これまでに数多く開示されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
図6は、従来の交換用インクタンクを使用したインク供給機構の断面図の一例である。キャリッジヘッド111は、印刷媒体と対向する位置にプリントヘッド112が設けられ、ヘッド液室113、インク通路114、フィルタ115につながっている。キャリッジヘッド111はインクタンク117と分離可能に構成されており、フィルタ115の上部でインクタンク117と接続される。インクタンク117は第1のインク部屋118と、第2のインク室122とを備えている。第1のインク部屋118はインク供給源であり、自由状態でインクを保持する。第2のインク室122には、インクを保持するためのポリエステルフェルトなどの毛細管部材123が充填されており、その上部に大気連通孔125が形成されている。第1のインク室118と第2のインク室122との間は、スリット状の溝が設けられた隔壁121で仕切られており、空気やインクをスムーズに移動させる。
第2のインク室122内の毛細管部材123は周囲環境が変動した際の負圧制御手段として機能する。例えば、周囲気圧が低下したり、周囲温度が上昇したりすると、自由状態でインクを保持するインク室118内の空気が膨張する。それによって第1のインク室118内のインクは隔壁121に設けられたスリット状の溝を通して第2のインク室122に移行し、毛細管部材123に吸収される。このようなメカニズムによって圧力の上昇が緩和され、環境変化時にもインクジェットプリントヘッドに適正な負圧を作用させることができる。
特開2001−187459号公報 特開2001−246761号公報 特開2001−130024号公報
しかしながら、従来技術のインク供給機構ではインク吸収体の毛細管力によってインクを保持するので、インク吸収体容積の約20%〜70%程度しかインクの収容や排出ができず、自由状態でインクを貯蔵する場合に比べて使用効率が著しく劣るという問題があった。そこでインクタンクの使用寿命を延ばすためにインク量を増やすと(すなわち、インクタンクの大きさを増やすと)、インクの消費に従いインクタンク内の空気量もそれに応じて増加するため、周囲環境が変動した際の圧力上昇によってインク吸収体が吸収するインク量もますます増えてしまう。その結果、増加したインク量以上にインクタンクの容積が大型化してしまう。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、インクタンクをキャリッジヘッドに容易に装着でき、かつ、漏れを防止しながら確実にインクの供給ができる、シンプルかつ経済的で信頼性の高いプリンタ装置のインク供給機構、インクタンク、およびキャリッジヘッドを提供することを目的とする。
本発明のインク供給機構はキャリッジヘッドとインクタンクとを有し、キャリッジヘッドとインクタンクとが分離可能に構成されたプリンタ装置のインク供給機構である。インクタンクは、インクタンクの底部から突設された円柱状のインク連通管であって、インクタンクとの接続部に設けられインクタンクの内部と連絡する入口開口と、インク連通管の側面に設けられたインク導出孔と、入口開口とインク導出孔とを結ぶ連絡路とを有するインク連通管と、インク連通管の外周に設けられ、インク導出孔を閉止または開放するように外周に沿って移動可能な環状の封止部材とを有している。また、キャリッジヘッドは、印画を行うプリントヘッドと、プリントヘッドにインクを供給するサブインク室と、サブインク室の上面に設けられ、インク連通管がサブインク室の内部に挿入可能な接続開口と、キャリッジヘッドとインクタンクとが接続されたときに、封止部材をインク連通管の外周に沿って動かしてインク導出孔を開放する移動手段とを有している。
これによって、インクタンクをキャリッジヘッドに接続するためには、インクタンクの底部に設けられた円柱状のインク連通管をキャリッジヘッドの接続開口に挿入すればよく、挿入動作に伴い封止部材が移動してインク導出孔からインクが供給されるため、接続が極めて容易となる。また、構造がシンプルであり、インクタンクからの漏れのおそれもなく信頼性が向上する。さらに、インクタンク内にインク保持部材を入れる必要がないので、インクタンクはインクを自由状態で保持することができ、より多くのインクを収容可能となり、しかも、インクタンクのインクを全て使い切ることができる。したがって、同じインク量ならばインクタンクをより小型化できるというメリットもある。
インク連通管はインク導出孔を含む外周面に環状の溝を有するように構成することもできる。これによって封止部材を確実にインク導出孔に固定することができ、インクの漏れを防ぐことができる。
封止部材はインク導出孔の開口を閉止する形状のOリングとすることができる。
さらに、インク導出孔は少なくとも2つ設けられ、いずれか2つのインク導出孔の中心を結ぶ線がキャリッジヘッドの走査方向と略平行であるように構成されている。これによって、キャリッジヘッドが走査するときにインクに生じる慣性力がインク導出孔に有効に作用し、インク導出孔からのインクの供給がよりスムーズに行われる。
移動手段は、接続開口の周囲に設けられ、接続開口より大きな径を有し、インク連通管の挿入方向に伸びる側面壁と、接続開口が形成された底面とを有する円筒部を有している。そして、キャリッジヘッドとインクタンクとが接続されたときに、封止部材がインク連通管と側面壁との間を封止しながら、当接部が封止部材に当接し、封止部材をインク連通管の外周に沿って動かしてインク導出孔を開放するように構成することができる。
本発明のインクタンクは、キャリッジヘッドと分離可能に構成されたプリンタ装置用のインクタンクである。インクタンクは、インクタンクの底部から突設された円柱状のインク連通管であって、インクタンクとの接続部に設けられインクタンクの内部と連絡する入口開口と、インク連通管の側面に設けられたインク導出孔と、入口開口とインク導出孔とを結ぶ連絡路とを有するインク連通管と、インク連通管の外周に設けられ、インク導出孔を閉止または開放するように外周に沿って移動可能であり、キャリッジヘッドとインクタンクとが接続されたときに、キャリッジヘッドによりインク連通管の外周に沿って動かされてインク導出孔を開放する、環状の封止部材とを有している。
インク連通管はインク導出孔を含む外周面に環状の溝を有するように構成することができ、封止部材はインク導出孔の開口を閉止する形状のOリングを用いることができる。
また、インク導出孔は少なくとも2つ設けられ、いずれか2つのインク導出孔の中心を結ぶ線がキャリッジヘッドの走査方向と略平行であるよう構成することができる。
本発明のキャリッジヘッドは、インクタンクと分離可能に構成されたプリンタ装置用のキャリッジヘッドである。キャリッジヘッドは、印画を行うプリントヘッドと、プリントヘッドにインクを供給するサブインク室と、サブインク室の上面に設けられ、インクタンクの底部から突設され、側面にインクタンクに保持されたインクを供給するインク導出孔を有する円柱状のインク連通管がサブインク室の内部に挿入可能な接続開口と、キャリッジヘッドとインクタンクとが接続されたときに、インク連通管の外周に設けられ、インク導出孔を閉止または開放するように外周に沿って移動可能な環状の封止部材をインク連通管の外周に沿って動かしてインク導出孔を開放する移動手段とを有している。
また、移動手段は、接続開口の周囲に設けられ、接続開口より大きな径を有し、インク連通管の挿入方向に伸びる側面壁と、接続開口が形成された底面とを有する円筒部を有し、キャリッジヘッドとインクタンクとが接続されたときに、インク連通管の外周に設けられ、インク導出孔を閉止または開放するように外周に沿って移動可能な環状の封止部材がインク連通管と側面壁との間を封止しながら、当接部が封止部材に当接し、封止部材をインク連通管の外周に沿って動かしてインク導出孔を開放するよう構成することができる。
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態によるインク供給機構を示す模式的断面図である。インク供給装置はキャリッジヘッド11とインクタンク17とからなる。インクタンク17は印画用のインクを収容する容器であり、交換のためにキャリッジヘッド11から分離することができる。
キャリッジヘッド11の記録媒体(図示せず)と対向する面には多数の記録ノズルが形成されたプリントヘッド12が設けられている。プリントヘッド12としては、例えばインクジェット記録装置に搭載されるプリントヘッドを用いることができる。
インクジェット記録における代表的なインク吐出方式としては、ピエゾ素子等の電気機械変換素子を用いるもの、レーザー等の電磁波を照射してインクを発熱させ、この発熱による作用でインク滴を吐出させるもの、あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によってインクを加熱し、膜沸騰の作用によりインク滴を吐出させるものなどがある。本実施形態では、記録信号である電気パルスを電気熱変換素子に供給して発熱させることによりインクに熱エネルギーを与え、そのときのインクの相変化により生じるインクの発泡時(沸騰時)の気泡圧力を利用してプリントヘッド12の微小な吐出口からインクを吐出させて、記録媒体に対し記録を行っている。プリントヘッド12には、例えば、128個の記録ノズルが300dpiの高密度で形成されており、各記録ノズルは、通電により気泡を発生させ、図1においてインク滴を下方に吐出する。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、いずれのインクジェット記録方式にも適用可能である。
キャリッジヘッド11は、上記のプリントヘッド12の他、プリントヘッド12に記録信号を供給するプリント配線基板(図示せず)、プリントヘッド12にインクを供給するヘッド液室13、ヘッド液室13にインクを供給するインク通路14、フィルタ15、およびインクを自由状態で一時的に貯留するサブインク室18を有している。
フィルタ15はサブインク室18とインク通路14の接続部分に設けられ、プリントヘッド12へのゴミ、異物、インクの凝集成分、気泡などの混入を防ぐ。フィルタ15はプリントヘッド12のノズルを詰まらせるような大きさの異物の混入を防ぐ目的から、濾過精度20μm程度のものが使用される。
サブインク室18の上部には、インクを保持するためのインク保持部材26が配置されており、少量のインクを貯留するインク小室33を介してサブインク室18と接続されている。また、インク保持部材26のインク小室33の反対側にはインク受け部32が設けられている。インク受け部32には大気連通孔25が配置されている。すなわち、サブインク室18上部の空気層はインク保持部材26を介して大気連通孔25によって大気につながっている。大気連通孔25は、万が一のインクの流出を防止するため、微細で長い通路で形成されている。
インク保持部材26は周囲環境が変動した際の負圧制御手段として機能し、インクを保持可能な毛細管部材で構成される。毛細管部材はインクとの界面で適度の毛細管力を発生させる部材であればどのような部材でもよく、例えばポリエステルフェルトが使用できる。また、ポリウレタン等の多孔質部材、1次元や2次元状の繊維構造体、金属や樹脂繊維製の網等の網目状体でもよい。濾過精度はフィルタ15より粗くてもよく、例えば70μm程度でよい。また、インク保持部材26の上面には、微細な空気溜まりを形成するために、微細な小空間(図示せず)が少なくとも1個以上形成されている。小空間はスリット状に形成されていてもよい。インク保持部材26の隔壁の上下には連通孔34が複数個配置されており、インク小室33およびインク受け部32と連絡している。上部の連通孔34は空気の連通用、下部側の連通孔34はインク補給用に主として使用される。
サブインク室18の底部には、45度の直角2等辺三角形状に成型されたインク残量検出部材20が設けられている。キャリッジヘッド11に搭載されたインク残量検出部材20がプリンタ本体に固定された光送受式のセンサ(図示せず)を通過する時に、センサがインク残量検出部材20から戻ってくる光を検出して、インク残量の有無を監視する。
サブインク室18の筐体は、ある程度の剛性を有しており、耐インク性の良好な材料が用いられる。サブインク室18には初期状態においてインクが80%程度充填されている。また、サブインク室18の上面にはインクタンク17からインクを補給するための接続開口30が備えられている(詳細は後述)。
インクタンク17は、内部にインクを自由状態で貯留する筐体によって外装が形成されている。筐体底面の一部にはキャリッジヘッド11との接続部であるインク連通管27と封止部材29とが設けられている。また、インク連通管27にはインク導出孔28が設けられている(詳細は後述)。
インクタンク17は、ある程度の剛性を有しており、また、長期のインクの保持を可能にするため耐インク性の良い材料を用いている。インクの残り量の確認を容易とするため、透明なプラスチック部材を用いることも可能である。また、ブロー成型で一体に構成することも可能である。
図2は、本実施形態に係るキャリッジヘッドとインクタンクとの接続部の概略断面図である。インクタンク17はキャリッジヘッド11の上から接続されるが、図2では、(a)はインクタンク17を、(b)はキャリッジヘッド11を、それぞれ分離した状態で示している。
図2(a)において、略円柱形で中空のインク連通管27が、インクタンク17の筐体の底部から、筐体底面に垂直に突き出して設けられている。インク連通管27はインクタンク17との接続部に入口開口40が設けられ、インク連通管27の先端部に近い側面にインク導出孔28が設けられている。また、入口開口40とインク導出孔28は内部の中空部によって連絡されている。インク連通管27の底部は閉止されている。
図3はインク連通管27の概略斜視図である。インク連通管27の底部に近い側面の略同一レベルに2箇所のインク導出孔28が設けられている。インク導出孔28は円形開口を有しているが、これに限定されず、例えば楕円や矩形開口でもよい。また、インク導出孔28は互いに180°で対向して設けられた2つの開口からなり、2つのインク導出孔28の中心を結ぶ線は、キャリッジヘッド11の走査方向と略一致している。しかし、走査方向と一致しない構成も可能であり、また、個数は3つ以上または1つでもよい。
インク導出孔28の設置部を含むインク連通管27の外周側面には環状の溝41が設けられている。溝41の設けられている部分におけるインク連通管27の直径より大きな内径を有する封止部材29が溝41に沿って嵌められており、インク導出孔28に弾性的に押し付けられて、インク導出孔28を閉止している。封止部材29は、例えばOリングを用いることができる。
図2(b)において、キャリッジヘッド11の上部には略円形の接続開口30が形成されている。接続開口30はインクタンク17がキャリッジヘッド11に接続したときにインク連通管27が挿入される位置に設けられている。接続開口30はサブインク室18の上面から内側に多少入り込んだ位置に設けられている。具体的には、サブインク室18の上面から垂直に、すなわちインク連通管27の挿入方向(軸方向)に沿って接続開口30の径よりも大きい径を有する円筒状の側面壁39が設けられ、その先端部に接続開口30を形成する円形開口を有する円環板からなる底部38が取り付いた円筒構造となっている。このようにして、側面壁39と底部38とによって、サブインク室18の上面の一部に凹部および接続開口30が形成されている。底部38は後述するように、インクタンク17がキャリッジヘッド11に接続したときに封止部材29を移動させる手段である。
接続開口30のサブインク室18内側には閉止部材36が設けられている。閉止部材36はバネ部材37によって接続開口30に押し付けられて、接続開口30を閉止している。バネ部材37の他端はサブインク室18の底部に支持され、圧縮力がかけられている。このため、サブタンク18内にインクが残った状態でインクタンク17が抜き取られても、サブタンク18を外部から遮断状態に保つことができる。
なお、インク連通管27と接続開口30は1組だけに限定されず、同じものをサブインク室18の異なる位置に複数組設けてもよい。
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、インクタンク17をキャリッジヘッド11に接続するときは、図4に示すように、インクタンク17に設けられたインク連通管27がキャリッジヘッド11の接続開口30に挿入され、バネ部材37の圧縮力に抗しながら閉止部材36を押し下げる。この結果、インク連通管27の先端部はさらにサブインク室18の中へと挿入される。これと同時に、封止部材29が底部38に当接し、インク連通管27に対して上方に持ち上げられる。この結果、封止部材29は溝41からはずれ、インク導出孔28の密封を解除して、インク導出孔28を開放する。
封止部材29は側面壁39に沿ってさらに上方に持ち上げられ、所定位置で停止する。このとき、封止部材29は側面壁39の内周部とインク連通管27の外周部との間に挟まれ、インクタンク17およびサブインク室18と外気との間のシール要素として機能する。なお、インクタンク17をキャリッジヘッド11から分離するときには、インク連通管27が引き上げられ、封止部材29はインク連通管27に設けられた溝41に嵌合する。この結果、封止部材29は元の位置に復帰して、インク導出孔28を再び密封する。
インク導出孔28が開放されると、インクタンク17内のインクはインク導出孔28を介してサブインク室18に流入する。この際、インクの液位がインク導出孔28の上端部のレベルまで達すると、サブインク室18内部の空気がインクタンク17に移行できなくなるため、インクの流入は停止する。
この状態から吸引ポンプ(図示せず)を軽く作動させると、新たなインクがプリントヘッド12の各オリフィスに誘導され、サブインク室18の内部は負圧状態になる。
次に、記録動作が開始されると、キャリッジヘッド11は記録動作のため記録媒体に沿って走査され、記録動作を行いながら揺動する。図1に示したように、キャリッジヘッド11の揺動により、インク小室33にサブインク室18内のインクが補給され、常時少量のインクが貯留される。インク小室33内のインクは、インク保持部材26にインクを供給し、インク保持部材26の内部にインクが充分に含浸される。また、サブインク室18側と大気側の空気は、インク保持部材26に設けられた小空間を介して小さな気泡の形で少量ずつ出入りすることができる。このようにして、インク保持部材26は、インクとインク保持部材26との間に働くインクの表面張力および小空間の働きにより、内外の空気の差圧発生手段として機能し、サブインク室18の内部は、外気と一定の気圧差で負圧状態が維持される。
記録動作によりサブインク室18内のインクが消費されると、サブインク室18の内圧が低下し、圧力が高い外気側の空気が大気連通孔25とインク保持部材26を介して徐々にサブインク室18内に侵入する。そしてサブインク室18内のインク液位が低下すると、インク導出孔28を通ってサブインク室18内の空気とインクタンク17内のインクが入れ替わり、サブインク室18のインク液位がインク導出孔28の上端部付近まで回復する。このようにして、インクタンク17内にインクがある限り、サブインク室18内部の負圧とインク液位はほぼ一定に保たれる。
ここで、インク導出孔28には毛細管力が働いているため、サブインク室18へのインクの供給がスムーズに行われないことも考えられる。しかし、本実施形態においては、2つのインク導出孔28はキャリッジヘッド11の走査方向と同じ方向に設けられているので、キャリッジヘッド11の走査によって生じるインク連通管27の内部のインクの慣性力はインク導出孔28の開口面に対してほぼ垂直に作用し、慣性力が毛細管力に打ち勝ってインクのよりスムーズな供給を促すことが可能となる。なお、このようにインク導出孔28を形成することによって、インク連通管27はより細く、インク導出孔28はより微細に形成することができる。
次に、周囲気圧が低下したり、周囲温度が上昇すると、自由状態でインクを保持するサブインク室18内の空気が膨張する。すると、インク小室33のインクが膨張した空気に押されて、インク保持部材26を介してインク受け部32に移動する。ここで、インク受け部32は内圧上昇時にインク小室33の全インク量を受け入れる容量を有している。次いで、膨張した空気がインク保持部材26を通ってインク受け部32側に排出される。膨張した空気は、インク保持部材26に設けられた小空間を通ってインク受け部32側に抜けるので、インク保持部材26に含浸したインクはインク保持部材26に保持され、負圧維持機能が阻害されることはない。インク受け部32に移行した空気は、直接微細な気泡の形で大気連通孔25を通じて外部へ放出される。以上の過程によりサブインク室18内は負圧に維持されるので、インクジェットプリントヘッド12に適正な負圧を作用させることができる。
周囲気圧や周囲温度が元に戻り、あるいはインクが消費されてサブインク室18の内圧が減少すると、インク受け部32に排出されたインクはインク保持部材26を通ってインク小室33側に戻る。サブインク室18の内圧がさらに減少し、所定の負圧を上回ると、外気が大気連通孔25、インク保持部材26を通ってサブインク室18に入り、サブインク室18と外気との間の差圧は一定に保たれる。
インクタンク17内のインクが無くなると、もはやインクタンク17からのインクの補充はなされなくなるため、サブインク室18内のインク液位は下がる一方となる。インク液位が下がりインク残量検出部材20がインクから露出すると、界面の屈折率がインクの約1.3から空気の1.0に変わり、インク残量検出部材20を透過していた光が反射して、インクの無い状態が検出され、警報が発せられる。サブインク室18内にインクが少量残っている段階で早めにユーザーに警告を発するようにインク残量検出部材20の設置位置等を構成すれば、印刷途中の不意のインク切れを防止できる。
なお、本発明は以上説明した実施形態に限定されることはなく、例えば、図5に示したように、接続開口130をサブインク室18から外側に突出させて構成してもよい。この場合、インク連通管127は上記の実施形態に比べて多少長くなるが、サブインク室18の容積が広くなるため、インクタンク17のインクがなくなってからも印画をより長時間行うことができる。
以上説明したように、本発明のインク供給機構によれば、インクタンクとキャリッジヘッドとを、シンプルかつ漏れの発生しにくい構造で容易に接続できるため、信頼性が向上する。しかも、従来のインク供給機構で用いていたインクタンク内で大きな容積を占めるインク保持部材を不要としたことで、インクタンクにインクを自由状態で貯蔵可能となり、インクタンクの内容積全てを貯蔵スペースとして有効に使うことができ、より経済的なインクタンクを提供することができる。さらに、サブインク室のインクも自由状態で保持可能となるため、キャリッジヘッドのコンパクト化も容易である。
本発明の一実施形態に係るキャリッジヘッドとインクタンクの概略構成図である。 図1に示すキャリッジヘッドとインクタンクの接続部付近の分離時の拡大断面図である。 図1に示すインク連通管の概略斜視図である。 図1に示すキャリッジヘッドとインクタンクの接続部付近の接続時の拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るキャリッジヘッドとインクタンクの概略構成図である。 従来技術によるインク供給装置の一例の断面図である。
符号の説明
11 キャリッジヘッド
12 プリントヘッド
13 ヘッド液室
14 インク通路
15 フィルタ
17 インクタンク
18 サブインク室
20 インク残量検出部材
25 大気連通孔
26 インク保持部材
27 インク連通管
28 インク導出孔
29 封止部材
30 接続開口
32 インク受け部
33 インク小室
34 連通孔
36 閉止部材
37 バネ部材
38 底部
39 側面壁
40 入口開口
41 溝

Claims (11)

  1. キャリッジヘッドとインクタンクとを有し、該キャリッジヘッドと該インクタンクとが分離可能に構成されたプリンタ装置のインク供給機構であって、
    前記インクタンクは、該インクタンクの底部から突設された円柱状のインク連通管であって、該インクタンクとの接続部に設けられ該インクタンクの内部と連絡する入口開口と、該インク連通管の側面に設けられたインク導出孔と、該入口開口と該インク導出孔とを結ぶ連絡路とを有するインク連通管と、
    該インク連通管の外周に設けられ、前記インク導出孔を閉止または開放するように該外周に沿って移動可能な環状の封止部材とを有し、
    前記キャリッジヘッドは、印画を行うプリントヘッドと、
    該プリントヘッドにインクを供給するサブインク室と、
    該サブインク室の上面に設けられ、前記インク連通管が該サブインク室の内部に挿入可能な接続開口と、
    前記キャリッジヘッドと前記インクタンクとが接続されたときに、前記封止部材を前記インク連通管の外周に沿って動かして前記インク導出孔を開放する移動手段とを有する、インク供給機構。
  2. 前記インク連通管は前記インク導出孔を含む外周面に環状の溝を有している、請求項1に記載のインク供給機構。
  3. 前記封止部材は前記インク導出孔の開口を閉止する形状のOリングである、請求項1または2に記載のインク供給機構。
  4. 前記インク導出孔は少なくとも2つ設けられ、いずれか2つの該インク導出孔の中心を結ぶ線が前記キャリッジヘッドの走査方向と略平行である、請求項1から3のいずれか1項に記載のインク供給機構。
  5. 前記移動手段は、前記接続開口の周囲に設けられ、該接続開口より大きな径を有し、前記インク連通管の挿入方向に伸びる側面壁と、前記接続開口が形成された底面とを有する円筒部を有し、
    前記キャリッジヘッドと前記インクタンクとが接続されたときに、該封止部材が前記インク連通管と前記側面壁との間を封止しながら、該当接部が前記封止部材に当接し、該封止部材を該インク連通管の外周に沿って動かして前記インク導出孔を開放する、請求項1から4のいずれか1項に記載のインク供給機構。
  6. キャリッジヘッドと分離可能に構成されたプリンタ装置用のインクタンクであって、
    該インクタンクの底部から突設された円柱状のインク連通管であって、該インクタンクとの接続部に設けられ該インクタンクの内部と連絡する入口開口と、該インク連通管の側面に設けられたインク導出孔と、該入口開口と該インク導出孔とを結ぶ連絡路とを有するインク連通管と、
    該インク連通管の外周に設けられ、前記インク導出孔を閉止または開放するように該外周に沿って移動可能であり、前記キャリッジヘッドと前記インクタンクとが接続されたときに、前記キャリッジヘッドにより前記インク連通管の外周に沿って動かされて前記インク導出孔を開放する、環状の封止部材とを有するインクタンク。
  7. 前記インク連通管は前記インク導出孔を含む外周面に環状の溝を有している、請求項6に記載のインクタンク。
  8. 前記封止部材は前記インク導出孔の開口を閉止する形状のOリングである、請求項6または7に記載のインクタンク。
  9. 前記インク導出孔は少なくとも2つ設けられ、いずれか2つの該インク導出孔の中心を結ぶ線が前記キャリッジヘッドの走査方向と略平行である、請求項6から8のいずれか1項に記載のインクタンク。
  10. インクタンクと分離可能に構成されたプリンタ装置用のキャリッジヘッドであって、
    印画を行うプリントヘッドと、
    該プリントヘッドにインクを供給するサブインク室と、
    該サブインク室の上面に設けられ、前記インクタンクの底部から突設され、側面に該インクタンクに保持されたインクを供給するインク導出孔を有する円柱状のインク連通管が該サブインク室の内部に挿入可能な接続開口と、
    前記キャリッジヘッドと前記インクタンクとが接続されたときに、該インク連通管の外周に設けられ、前記インク導出孔を閉止または開放するように該外周に沿って移動可能な環状の封止部材を前記インク連通管の外周に沿って動かして前記インク導出孔を開放する移動手段とを有する、キャリッジヘッド。
  11. 前記移動手段は、前記接続開口の周囲に設けられ、該接続開口より大きな径を有し、前記インク連通管の挿入方向に伸びる側面壁と、前記接続開口が形成された底面とを有する円筒部を有し、
    前記キャリッジヘッドと前記インクタンクとが接続されたときに、前記インク連通管の外周に設けられ、前記インク導出孔を閉止または開放するように該外周に沿って移動可能な環状の封止部材が前記インク連通管と前記側面壁との間を封止しながら、該当接部が前記封止部材に当接し、該封止部材を前記インク連通管の外周に沿って動かして前記インク導出孔を開放する、請求項10に記載のキャリッジヘッド。

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JP2019115995A (ja) * 2017-12-27 2019-07-18 ブラザー工業株式会社 液体排出装置

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