JP2005161637A - インクジェット記録装置のインク供給機構およびヘッドカートリッジ - Google Patents

インクジェット記録装置のインク供給機構およびヘッドカートリッジ Download PDF

Info

Publication number
JP2005161637A
JP2005161637A JP2003402376A JP2003402376A JP2005161637A JP 2005161637 A JP2005161637 A JP 2005161637A JP 2003402376 A JP2003402376 A JP 2003402376A JP 2003402376 A JP2003402376 A JP 2003402376A JP 2005161637 A JP2005161637 A JP 2005161637A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
tank
supply mechanism
outside air
vicinity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003402376A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kyogoku
浩 京極
Shunpei Takenaka
駿平 竹中
Takashi Yanagiura
敬司 柳浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2003402376A priority Critical patent/JP2005161637A/ja
Publication of JP2005161637A publication Critical patent/JP2005161637A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】 簡単な構成でメインタンクからサブタンクにインクを補給することができるインクジェット記録装置のインク供給機構等を提供する。
【解決手段】 本発明のインクジェット記録装置のインク供給機構は、インクを吐出するノズル11aを有する記録ヘッド11に設けられ、記録ヘッド11に供給するインク18を保持するサブタンク17と、サブタンク17とは独立して設けられ、サブタンク17に供給するインク41を貯留するメインタンク40と、記録ヘッド11のノズル11aからインクを吸引する吸引キャップ23および吸引ポンプ22とを備えている。サブタンク17は、内部空間を外気に連通させる大気連通部24を備えており、大気連通部24は記録ヘッド11のノズル11aの近傍に開口した外気側小孔28を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置のインク供給機構およびヘッドカートリッジに関する。
より詳しくは、本発明は、記録ヘッドに設けられているサブタンク(第1のタンク)に、記録ヘッドとは独立して設けられたメインタンク(第2のタンク)からインクを再充填可能なインクジェット記録装置のインク供給機構およびヘッドカートリッジに関する。
従来から、記録媒体に対して往復走査するキャリッジ上に搭載した記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して記録を行う、いわゆるシリアル式のインクジェット記録装置が知られている。このようなインクジェット記録装置では、記録ヘッドを搭載したキャリッジが、紙等の記録媒体を横切って端から端まで往復走査される。記録ヘッドが記録媒体を横切って移動する際に、インクジェット記録装置の制御システムが記録ヘッドを作動させて記録媒体上にインク滴を吐出して画像(文字を含む)を形成する。
インクは、インク供給源(メインタンク)に貯えられており、記録ヘッドによる消費量に応じて記録ヘッドに供給される。このメインタンクからキャリッジ上の記録ヘッドにインクを供給する手法としては、メインタンクを記録ヘッドとは別体に構成してインクジェット記録装置内に固定し、両者を柔軟なインク供給チューブで結合させて、キャリッジ上のサブタンクを介してインクを記録ヘッドに供給する手法と、メインタンクをキャリッジに着脱可能に搭載し、インクを記録ヘッドへ直接供給する手法とが知られている。
しかしながら、前者は、メインタンクと往復走査されるキャリッジとの間の距離の変化が大きく、さらにインク供給チューブは左右の方向変換部で屈曲半径を形成する必要があるために装置が大型化し、また、インク供給チューブを柔軟な素材で構成するほど、インク供給チューブを透過してインクが蒸発し易いという問題がある。一方、後者は、メインタンクがキャリッジと共に走査移動するので、メインタンクは軽量かつ小型であることが求められるため、メインタンクのインク収容量が制限されるという問題がある。
これらの問題点を解消する手法として、メインタンクを、記録装置内のキャリッジの移動範囲内の片隅に固定状態に配し、必要に応じてキャリッジ上のサブタンクをメインタンクに結合させてインクの補給を行う手法が多々提案されている。そのような提案は、例えば特許文献1〜4に記載されている。このような手法は、基本的には、メインタンクを固定することによって比較的大量のインクを収容して必要に応じて補給することで、キャリッジ上の構成の小型化と共にメインタンクの交換頻度を最小限に抑えようとする考え方に基づいている。この手法における解決すべき問題点は、液体のインクを如何に漏らさず確実にメインタンクからキャリッジ上のサブタンクへ移動させるかという点である。
特許第2565742号明細書 特開平9−169119号公報 特開平9−240020号公報 特開2001−138541号公報
特許文献1は、ゴムキャップと針を使用し、吸引ポンプでサブタンク内の空気を吸引してインク袋を膨らますことによって、記録ヘッドにインクを補給する例が開示されている。この従来技術の問題点は、針とゴムキャップとの間で繰り返される抜き差し動作に対する耐久性をいかに高めるかということである。抜き差しされるゴムキャップに針跡が形成されると、その針跡からインクが漏出するおそれがある。また、抜き差しする際にゴムキャップから削れ落ちたゴム細片が針の内部に進入し、それが記録ヘッドに供給されて記録ヘッドのノズルに目詰まりを発生させるおそれもある。さらには、サブタンク内にインクを収納する袋を必要とするので、形状設計の不自由さとインクの収容空間の利用効率との改善を図る必要もある。
特許文献2は、インクを保持するスポンジ部材をサブタンクに配してこれにインクを浸透させ、そのインクを記録ヘッドに補給する手法の一例を開示している。この手法は、スポンジ部材の毛細管力を利用してインクを保持しているので、インク漏れも少なく優れた手法である。しかし、メインタンクからサブタンクへのインクの補給が、そのスポンジ部材の毛細管力を利用して(すなわち、スポンジ部材に自身の毛細管力でインクを吸い込ませることで)行われるので、インクの補給に要する時間はその毛細管力に依存し、インクの補給に時間がかかるという問題がある。また、スポンジ部材はサブタンク内の容積の70%程度の量のインクしか吸収できないので、この手法ではサブタンク内の空間の使用効率があまり高くない。さらに、スポンジ部材から細片が脱落し、それが記録ヘッドに供給されて記録ヘッドに目詰まりを発生させるおそれもある。
特許文献3には、キャリッジがホームポジションに配置されているときに、装置側のメインタンクからキャリッジ上の記録ヘッドにインクを補給するインク供給装置を備えたインクジェット記録が開示されている。この種のインクジェット記録は、実際に製品化する際には、記録ヘッドのノズルからインクが漏れるのでキャリッジ上のインク補給孔は自動的に密閉しなければならない。さらには、記録を行うのにしたがって減少するインク量に応じて、記録ヘッド内に一定の負圧を保つために、サブタンク内に外部から空気を徐々に補給しなくてはならない。しかしながら、特許文献3では、それらに必要な機構に関する記載や示唆が一切なされていない。
特許文献4は、キャリッジ外部のメインタンクからキャリッジ上に配設されたサブタンクにインクを供給するインクジェット記録装置の全体的な構成を開示している。このインクジェット記録装置は、インクの補給に専用の吸引手段(ポンプ)を必要としており、装置構成が複雑である。また、複雑な構造の連通ポートを内気吸引用とインク供給用に2つ必要としており、さらにサブタンク側に背圧保持手段として大容量のインク吸収部材を必要としているので、キャリッジが大型化してしまうという問題点を有している。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡単な構成でメインタンク(第2のタンク)からサブタンク(第1のタンク)にインクを補給することができるインクジェット記録装置のインク供給機構等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のインクジェット記録装置のインク供給機構は、インクを吐出するノズルを有する記録ヘッドに設けられ、該記録ヘッドに供給するインクを保持する第1のタンクと、前記記録ヘッドのノズルからインクを吸引する吸引手段と、を備えたインクジェット記録装置のインク供給機構において、前記第1のタンクは内部空間を外気に連通させる大気連通部を備えており、該大気連通部は前記ノズルの近傍に開口した外気側孔を有していることを特徴とする。
上記本発明によれば、第1のタンクを第2のタンクに連結させた後に、大気連通部の外気側孔と記録ヘッドのノズルとの両方に対して吸引手段による吸引動作を行うことで、第2のタンクから第1のタンクへインクを補給するとともに、記録ヘッドのノズル内のインクを強制的に吐出させて記録ヘッドのノズルを回復させることができる。第1のタンクへのインクの補給動作について詳しく説明すると、大気連通部の外気側孔に対して吸引手段による吸引動作が行われると第1のタンク内の圧力が低下し、第2のタンクから第1のタンクへインクが流入する。このようにして第1のタンク内にインクが補給され、やがて第1のタンク内のインク液位が所定のレベルに達すると、大気連通部にインクが流入する。通常は記録ヘッドのノズルの流れ抵抗よりも大気連通部内の流れ抵抗の方が大きいので、大気連通部にインクが流入すると、記録ヘッドのノズルからのインク吸引が大気連通部からのインク吸引よりも支配的に行われるようになる。本発明の構成では、このようにして吸引手段による吸引動作が開始されると、まず第2のタンクから第1のタンクへのインク補給が行われ、次いで記録ヘッドのノズルからのインク吸引が行われる。
以上に説明したように、本発明によれば、記録ヘッドのノズルからインクを強制的に吸引するために通常のインクジェット記録装置に設けられている吸引手段を用いた簡単な構成でインク補給を行うことができ、第2のタンクから第1のタンクへのインク補給を行うための特別のポンプ手段等を備える必要がない。
また、前記大気連通部は、前記外気側孔から前記第1のタンク内の上部近傍を経由し、次に前記第1のタンク内の下部近傍を経由して再び前記第1のタンク内の上部近傍に延び、該第1のタンク内の上部近傍に形成された内部側孔を通じて前記第1のタンクの内部空間に連通している構成としてもよい。
この構成によれば、大気連通部の第1のタンク内の下部近傍を経由する部分に形成される底部に溜まるインクによって第1のタンク内の空間と外気とを遮断し、記録ヘッドのノズルからインクが垂れ落ちることを防止するように作用する所定の負圧を維持することが可能になる。
さらに、前記大気連通部は、通路が比較的狭い第1の通路と通路が比較的広い第2の通路とを有している構成としてもよく、さらには、前記第1の通路は、前記大気連通部の前記外気側孔から前記第1のタンク内の上部近傍へ延びている部分を構成し、前記第2の通路は、前記大気連通部の前記外気側孔から延びた前記第1のタンク内の上部近傍から、前記第1のタンク内の下部近傍を経由して再び前記第1のタンク内の上部近傍に延びている部分を構成していてもよい。
また、前記大気連通部は、前記外気側孔から前記第1のタンク内の上部近傍に延びており、該上部近傍で前記第1のタンクの内部空間に連通している構成としてもよい。この構成では、さらに、前記第1のタンク内の前記上部近傍には、前記第1のタンク内の一部のインクを毛細管力によって含浸するインク吸収部材が設けられており、前記大気連通部は、前記インク吸収部材を介して前記第1のタンクの内部空間と外気とを連通させるように構成されていてもよい。これにより、インクを含浸するインク吸収部材によって第1のタンク内の空間と外気とを遮断し、記録ヘッドのノズルからインクが垂れ落ちることを防止するように作用する所定の負圧を維持することが可能になる。
また、前記記録ヘッドおよび前記第1のタンクを、前記吸引手段が前記ノズルと前記外気側孔の両方を吸引する第1の吸引位置と、前記吸引手段が前記ノズルのみを吸引する第2の吸引位置とに選択的に配置させることができるように構成されていてもよい。これによれば、記録ヘッドおよび第1のタンクを第2の吸引位置に配置することで、ノズルの吸引回復動作だけを行うことが可能になり、短い時間でノズルの回復動作を行うことができる。
あるいは、前記吸引手段は、連通孔を介して互いに連通している、前記ノズルの吸引を行う第1の吸引室および前記外気側孔を覆う第2の吸引室と、前記連通孔の開閉を行う開閉手段とを有している構成としてもよい。これにより、記録ヘッドおよび第1のタンクと吸引手段との相対位置を変えることなく、ノズルの吸引回復のみを行う動作と、ノズルの吸引回復および第1のタンクへのインク補給を行う動作とを選択的に実行することが可能になる。
また、前記第2のタンクと前記第1のタンクとを連結させる連結手段を有している構成としてもよい。
さらに、前記吸引手段は、前記連結手段によって前記第2のタンクと前記第1のタンクとが連結されている状態と、前記第2のタンクと前記第1のタンクとが連結されていない状態とのどちらの状態であっても、前記ノズルと前記外気側孔とを覆うように構成されていてもよい。この構成によれば、上記のいずれの状態であっても、ノズルの吸引回復動作を迅速に行うことができる。
また、前記記録ヘッドおよび前記第1のタンクは、キャリッジに搭載されて記録媒体に対して往復走査するように構成されており、前記連結手段は、前記キャリッジを駆動する駆動源と同じ駆動源によって駆動されるように構成されていてもよい。この構成によれば、キャリッジの駆動源と連結手段の駆動源とが共通するので、インク供給機構の構成を簡素化することができる。
また、前記インク供給機構は、前記第1のタンク内のインクの残量を検知するインク残量検知手段と、少なくとも前記連結手段および前記インク残量検知手段を含む各部の動作を制御する制御手段とをさらに有しており、前記制御手段は、前記第1のタンク内のインク残量が所定量を下回っていることを示す第1の信号が前記インク残量検出手段から発せられた場合に、前記連結手段に前記第2のタンクと前記第1のタンクとの連結を行わせ、その後、前記吸引手段に少なくとも前記外気側孔に対する吸引動作を所定の時間行わせ、該吸引動作を所定の時間行わせた後でも前記第1の信号が前記インク残量検出手段から発せられている場合には、前記第2のタンク内のインク残量が所定量を下回っていることを示す第2の信号を発するように構成されていてもよい。
この構成によれば、第1のタンク内のインクの残量が所定量を下回っていることがインク残量検出手段によって検知されると、第2のタンクから第1のタンクへのインク補給が自動的に行われるので、ユーザが第1のタンク内のインク残量をチェックしてインク補給を行う必要をなくすことができる。また、外気側孔に対する吸引動作(すなわちインク補給動作)を行う時間を所定の時間とすることにより、インクが第1のタンク内に過剰に補給されることを防止できる。さらに、制御手段から第2の信号が発せられた場合に、表示部等を介してそのことをユーザに知らせれば、ユーザは、第2のタンク内にインクの残量が無いことに気付いて第2のタンクにインクを補充することができる。
さらに、前記第2のタンクと前記第1のタンクとは、収容するインクの種類毎に独立して互いに対応して設けられ、前記インク残量検知手段と前記連結手段とは、独立して互いに対応して設けられた前記第2のタンクおよび前記第1のタンク毎に備えられており、前記制御手段は、前記第1の信号を発している前記インク残量検出手段が検知している前記第1のタンクに対応している前記連結手段だけを選択的に動作させて、該第1のタンクだけを対応する前記第2のタンクに連結させるように構成されていてもよい。
これによれば、全ての第2のタンクと第1のタンクとを同時に連結させてインク補給を行う場合に比べて、より少ない駆動力で連結手段を駆動させてインク補給動作を行うことが可能になる。
また、前記第2のタンクは内部のインクを導出させるインク導出部を有し、前記第1のタンクは、前記第1のタンクと前記第2のタンクとが連結したときに前記インク導出部が挿入されるインク注入口を有しており、前記インク導出部は前記インク導出部の周囲を囲む封止手段を備えており、該封止手段は、前記第1のタンクと前記第2のタンクとが連結したときに前記第1のタンクの前記インク注入口の周囲の面に当接するように構成されていてもよい。
この構成によれば、第1のタンクと第2のタンクとが連結したときに、インク導出部が備えている封止手段が第1のタンクのインク注入口の周囲の面に当接し、インク導出部とインク注入口との接続部を外気に対して密閉することができる。
さらに、前記インク導出部は、先端部分の外径が他の部分の外径よりも大きく形成されている構成とすることにより、封止手段がインク導出部の先端から抜け落ちることを防止することができる。
さらには、前記インク導出部は、前記第1のタンクと前記第2のタンクとが連結していないときには前記封止手段で塞がれるインク導出口を有しており、前記インク導出部の前記インク導出口の周囲には前記封止手段の一部が合致する溝部が形成されている構成としてもよい。
これによれば、封止手段が合致する溝部がインク導出部の全周にわたって形成されている場合に比べて、インク導出口を開放するために封止手段を溝部から外して移動させることが容易であり、第2のタンクと第1のタンクとの連結に要する力が小さくて済む。
また、本発明のヘッドカートリッジは、インクを吐出するノズルを有する記録ヘッドと、該記録ヘッドに供給するインクを保持する第1のタンクとを有するヘッドカートリッジにおいて、前記第1のタンクは内部空間を外気に連通させる大気連通部を備えており、該大気連通部は前記ノズルの近傍に開口した外気側孔を有していることを特徴とする。
以上説明したように、本発明は、記録ヘッドに供給するインクを保持する第1のタンクが内部空間を外気に連通させる大気連通部を備えており、その大気連通部は記録ヘッドのノズルの近傍に開口した外気側孔を有しているので、大気連通部の外気側孔と記録ヘッドのノズルとの両方に対して吸引手段による吸引動作を行うという簡単な構成および動作で、第1のタンクへインクを補給させることができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明のインクジェット記録装置のインク供給機構の第1の実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置のインク供給機構は、記録媒体に対して往復移動(走査)するキャリッジ(不図示)に搭載される記録ヘッド11のノズル11aからインクを吸引して記録ヘッド11の吸引回復動作を行う吸引手段を構成する吸引キャップ23および吸引ポンプ22と、キャリッジおよび記録ヘッド11とは独立して設けられ、記録ヘッド11のサブタンク17(第1のタンク)に供給するインクを収容するメインタンク40(第2のタンク)とを有している。
記録ヘッド11は、インクを吐出するノズル(不図示)に供給されるインクを一時的に貯留するヘッド液室12を有している。記録ヘッド11には、記録ヘッド11に供給されるインク18を収容するサブタンク17が一体的に設けられており、両者はヘッドカートリッジを構成している。記録ヘッド11とサブタンク17とはインク通路13を介して連通しており、インク通路13とサブタンク17との間には、気泡や異物がインク通路13内に流入することを防ぐフィルタ部材14が設けられている。
記録ヘッド11は図示しない多数のノズルが高密度で形成されている。例えば、1色あたり256個のノズルが300dpiの密度で形成されている。各ノズル内には、通電されると気泡を発生させてインクを液滴の形態で吐出させる発熱体(不図示)が設けられている。図1の構成の場合には、インク滴の吐出は図示下向きに行われる。また、記録ヘッド11は、記録ヘッド11に電気信号を供給する不図示のプリント配線基板等も備えている。
サブタンク17は、サブタンク17内のインク18の上方に形成された空気層19を大気(外気)に連通させるための大気連通部24と、通常は弾性部材15で付勢された封止部材16で密閉されているインク注入連結口25と、インク18が減ると、外部に設置された光学センサ21から射出された光が光学センサ21に戻るように45°の2等辺直角三角形の角柱状に形成された光学的反射部材からなるインク残量検出用部材20とを有している。サブタンク17の筐体材料には、所定の剛性を有し、かつ耐インク性に優れた材料が選択されている。
一方、図1に示したメインタンクのインク出口部43の拡大図である図2に示すように、メインタンク40は、普段はOリング42でインク出口43aが封止されているインク出口部43を有している。メインタンク40内のインク41をサブタンク17内に供給する際には、インクジェット記録装置のインク供給機構に備えられている連結機構(不図示)によって、メインタンク40のインク出口部43とサブタンク17のインク注入連結口25とが連結されるようになっている。その際には、インク出口部43が、弾性部材15の付勢力に抗して封止部材16を後退させ、インク注入連結口25内に進入させられるようになっている。なお、上記の連結機構は、キャリッジが所定のポジション(メインタンク40のインク出口部43とサブタンク17のインク注入連結口25とが対向する位置)に配置されたときに、メインタンク40をサブタンク17に近づけるか、あるいはサブタンク17をメインタンク40に近づけるように構成されている。連結機構はキャリッジの駆動源と同じ駆動源によって駆動されるように構成することができ、これにより、駆動源が共通化してインク供給機構の構成が簡素化させられる。なお、このような連結機構は、当業者であれば上述した従来技術等に基づいて容易に構成することが可能である。
インク出口部43の先端部は、その根元部よりも径がやや大きく形成されていて、インク出口43aを塞ぐ封止手段であるOリング42がインク出口部43から抜け難くなっている。また、Oリング42が填る封止用の溝部が、Oリング42で封止されるインク出口43aの周りに形成されており、それ以外の部分にはその溝部が形成されていないか、あるいはインク出口43aの周りの溝部よりも浅く形成されているので、Oリング42を溝部から外してインク出口部43の根元方向に移動させることが比較的容易であり、メインタンク40とサブタンク17との連結に要する力が小さくて済むようになっている。また、カラー記録用に、メインタンク40とサブタンク17が複数の色のインクごとに独立して設けられている構成では、残量が少なくなった色のインクのサブタンク17だけを対応するメインタンク40に連結させるように連結機構および後述する制御部(不図示)を構成することで、全ての色のメインタンク40とサブタンク17とを同時に接続する場合に比べて、より少ない駆動力でインク補給動作を行うことが可能になる。
サブタンク17は、初期状態では、収容可能なインク量の9分目程度のインク18が充填されている。サブタンク17とインク通路13の接続部分に設けられているフィルタ部材14は、サブタンク17から記録ヘッド11へのゴミ、異物、インクの凝集成分、気泡などの混入を防ぐ役割を有している。フィルタ部材14は、そのような目的から、20μm程度の濾過精度を有するものが使用されている。
図1および図3に示されているように、サブタンク17の大気連通部24は、サブタンク17の内部空間に開口する内部側小孔27および空間底部33を有するU字状の空間36と、そのU字状の空間36の上側の端部と記録ヘッド11のノズル形成部の近傍に開口している外気側小孔28とを連通させる細管部26とで構成されており、サブタンク17のインク注入連結口25が設けられている側とは反対の側に設けられている。これにより、大気連通部24は、外気側小孔28から通路が比較的狭い細管部(第1の通路)26を通ってサブタンク17内の上部近傍を経由し、次に通路が比較的広いU字状の空間(第2の通路)36を通ってサブタンク17内の下部近傍を経由して再びサブタンク17内の上部近傍に延びており、外気(大気)とサブタンク17の内部空間とは、サブタンク17内の上部近傍に形成された内部側小孔27を通じて連通している。なお、外気側小孔28は、上記のように記録ヘッド11のノズル形成部の近傍に開口しており、記録ヘッド11がキャリッジによって所定のポジションに配置されたときに、吸引ポンプ22に接続された吸引キャップ23で記録ヘッド11のノズルと一緒に吸引動作を行うことが可能である。
サブタンク17内のインク18は、符号34で示す満杯時の水位と、符号35で示すインクが不足した時の最低水位との間の範囲内で水位が上下し、大気連通部24の一部のU字状空間36の空間底部33を常に満たしているので、サブタンク17内の空気と外気とは常に遮断された状態に保たれている。
記録動作が行われて記録ヘッド11からインクが吐出され、サブタンク17内のインク水位が低下して最低水位35に迫ると、インク残量検出用部材20の一部がインク18から露出する。インク残量検出用部材20の全体がインク18中に浸されている場合には、光学センサ21から射出された光は、インク残量検出用部材20を透過してサブタンク17内に出射し、光学センサ21に戻ることはないが、インク残量検出用部材20の一部がインク18から露出すると、光学センサ21から射出された光は、インク残量検出用部材20内で全反射して光学センサ21に戻される。そのため、光学センサ21は、インク残量検出用部材20からの反射光を受光することで、サブタンク17内のインク18の残量が少なくなっていることを検出することができる。
インク供給機構は、サブタンク17内のインクの残量を検知する、光学センサ21およびインク残量検出用部材20で構成されたインク残量検知手段と、少なくとも連結機構(不図示)および残量検知手段を含む各部の動作を制御する制御部(不図示)とを有している。
光学センサ21が、サブタンク17内のインク残量が所定量を下回っていることを検知し、その旨を示す第1の信号を発すると、制御部(不図示)は、記録ヘッド11とサブタンク17を搭載しているキャリッジ(不図示)を、記録ヘッド11のノズル形成部と吸引キャップ23とが対向する位置(所定のポジション)に移動させる。続いて、制御部(不図示)は、吸引キャップ23を動作させて吸引キャップ23を記録ヘッド11のノズル形成部に押し付けさせ、その後、連結機構を動作させてサブタンク17のインク注入口25とメインタンク40のインク出口部43とを連結させる。このとき、メインタンク40のOリング42がインク注入連結口25の外壁部に押圧されてOリング42がインク出口部43の根元側に移動し、インク出口43aが開口する。さらに、このときにはOリング42はインク注入連結口25の外壁部に密着した状態でメインタンク40の外壁との間に挟まれるので、メインタンク40とサブタンク17との接続部は外気に対して密閉状態になる。
このようにメインタンク40とサブタンク17とを連結させ、吸引キャップ123が記録ヘッド111のノズル形成部に押し付けた後、吸引ポンプ22を所定時間だけ作動させると、サブタンク17内の空気層19の空気が、大気連通部24の小孔27を通り、大気連通部24の途中の空間底部33に存在する少量のインクと共に外気側小孔28から吸引され、これに続いて、サブタンク17内のインク18がインク通路13を通ってノズル11aから強制的に吸引される。空気の粘性係数はインクのそれに比べて約2桁のオーダーも小さいので、吸引動作の当初は圧倒的に大気連通部24から空気が吸引され、その結果サブタンク17内の内圧が下がると、メインタンク40が接続されたインク注入連結口25からサブタンク17内にインクが導入されて、サブタンク17内のインク水位が上昇する。
サブタンク17内のインク液位が小孔27の高さまで上昇すると、大気連通部24の通路が比較的狭い細管部26を通過する物質が気体(空気)から液体(インク)に代わり、細管部26における吸引抵抗が急激に上昇して、記録ヘッド11のノズルからのインク吸引が支配的に行われるようになる。そのため、サブタンク17内のインク液位は、小孔27の高さ(すなわち満杯水位34)よりも上昇することがない。このようにして、サブタンク17内へのインクの充填が行われた後には、記録ヘッド11のノズル内のインクの入れ替え動作(回復動作)が行われるようになっている。
制御部(不図示)は、上記の吸引動作を所定の時間行わせた後でも第1の信号が光学センサ21から発せられている場合には、メインタンク40内のインク残量が所定量を下回っていることを示す第2の信号を発する。制御部から第2の信号が発せられた場合に、記録装置の表示部(不図示)等を介してそのことをユーザに知らせれば、ユーザは、メインタンク40内にインクの残量が無いことに気付いてメインタンク40にインクを補充することができる。
インクを含んだ細管部26やU字状空間36の底部33は、周囲環境が変動した際の背圧維持制御手段として機能する。例えば、周囲気圧が低下した場合やキャリッジの温度が上昇した際には、インクを貯留するサブタンク17内の空気層19の体積が膨張して空気圧が上昇し、この上昇した空気圧によって膨張した空気は、サブタンク17側の小孔27から大気連通部24内に侵入する。内外の圧力差が増え続け、その侵入した空気はU字状空間36の内部側空間36a(図3参照)内のインクを少しずつ押し退けて、その底部33で外気側空間36b(図3参照)に達すると、外気側空間36b上部に気泡の形で上昇し、外気側空間36bにインクを残したまま、細管部26を経由して外気側小孔28の方に押し出されて行く。このように、U字状空間36の底部33は、片方の空間36bにインクを残したまま空気を気泡の形で上昇させるので、そこに残るインクは、サブタンク17内と外気との連通を妨げて密閉状態を維持する働きを有する。サブタンク17内の空気は、このようにして微細な気泡の形態で徐々に外部へ放出させられるので、サブタンク17内の圧力がある程度以上に上昇することはない。
逆に、記録動作によってサブタンク17内のインクが消費されてインク18が減少し、その内圧が低下した際は、圧力が比較的高い外気側の空気が、外気側小孔28から大気連通部24を通って空間底部33を経由し、サブタンク17内に微細な気泡の形態で序々に侵入する。そのため、サブタンク17の内圧が低下した場合においても、大気連通部24の空間底部33は、そこに貯留するインクによって、サブタンク17内の圧力をほぼ一定に保つ働きをする。
サブタンク17内の圧力を調整する際に生じる背圧の変動の程度は、空間36の上下方向の長さに依存する。この空間36の長さを最適にすることによって、サブタンク17内の圧力を最適に保持することができる。例えば、本例の構成では、空間36の上下方向の長さを20mm程度に設定すれば、サブタンク17内の背圧の変動を±20mmAq(約±0.2kPa)の範囲内に収めることができる。
また、図4に示す変形例のように、U字状の空間36’を、交互に繰り返し構成された比較的広い太通路部50と比較的狭い細通路部51とで構成することにより、細通路部51においてインクの表面張力による界面力の働きが生じることを期待することができ、より強力な背圧を生成することが可能になる。
(第2の実施形態)
図5は本発明のインクジェット記録装置のインク供給機構の第2の実施形態を示す断面図である。
図5に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置のインク供給機構は、記録媒体に対して往復移動(走査)するキャリッジ(不図示)に搭載される記録ヘッド111のノズル111aからインクを吸引して記録ヘッド111の吸引回復動作を行う吸引手段を構成する吸引キャップ123および吸引ポンプ122と、キャリッジおよび記録ヘッド111とは独立して設けられ、記録ヘッド111のサブタンク117(第1のタンク)に供給するインクを収容するメインタンク140(第2のタンク)とを有している。
記録ヘッド111は、インクを吐出するノズル111aに供給されるインクを一時的に貯留するヘッド液室112を有している。記録ヘッド111には、記録ヘッド111に供給されるインク118を収容するサブタンク117が一体的に設けられており、両者はヘッドカートリッジを構成している。記録ヘッド111とサブタンク117とはインク通路113を介して連通しており、インク通路113とサブタンク117との間には、気泡や異物がインク通路113内に流入することを防ぐフィルタ部材114が設けられている。
記録ヘッド111は多数のノズル111aが高密度で形成されている。例えば、1色あたり256個のノズルが300dpiの密度で形成されている。各ノズル内には、通電されると気泡を発生させてインクを液滴の形態で吐出させる発熱体(不図示)が設けられている。図5の構成の場合には、インク滴の吐出は図示下向きに行われる。また、記録ヘッド111は、記録ヘッド111に電気信号を供給する不図示のプリント配線基板等も備えている。
サブタンク117は、サブタンク117内のインク118の上方に形成された空気層119を大気(外気)に連通させるための大気連通部124と、通常は弾性部材115で付勢された封止部材116で密閉されているインク注入連結口125と、インク118が減ると、外部に設置された光学センサ121から射出された光が光学センサ121に戻るように45°の2等辺直角三角形の角柱状に形成された光学的反射部材からなるインク残量検出用部材120とを有している。サブタンク117の筐体材料には、所定の剛性を有し、かつ耐インク性に優れた材料が選択されている。
一方、図5に示したメインタンクのインク出口部143の拡大図である図6に示すように、メインタンク140は、普段はOリング142でインク出口143aが封止されているインク出口部143を有している。メインタンク140内のインク141をサブタンク117内に供給する際には、インクジェット記録装置のインク供給機構に備えられている連結機構(不図示)によって、メインタンク140のインク出口部143とサブタンク117のインク注入連結口125とが連結されるようになっている。その際には、インク出口部143が、弾性部材115の付勢力に抗して封止部材116を後退させ、インク注入連結口125内に進入させられるようになっている。なお、上記の連結機構は、キャリッジが所定のポジション(メインタンク140のインク出口部143とサブタンク117のインク注入連結口125とが対向する位置)に配置されたときに、メインタンク140をサブタンク117に近づけるか、あるいはサブタンク117をメインタンク140に近づけるように構成されている。連結機構はキャリッジの駆動源と同じ駆動源によって駆動されるように構成することができ、これにより、駆動源が共通化してインク供給機構の構成が簡素化させられる。なお、このような連結機構は、当業者であれば上述した従来技術等に基づいて容易に構成することが可能である。
インク出口部143の先端には、その根元の小径部134dよりも径がやや大きく形成された大径部143cが形成されていて、インク出口143aを塞ぐ封止手段であるOリング142がインク出口部143から抜け難くなっている。また、Oリング142が填る封止用の溝部143bが、Oリング142で封止されるインク出口143aの周りに形成されており、それ以外の部分にはその溝部143bが形成されていないか、あるいはインク出口143aの周りの溝部143bよりも浅く形成されているので、Oリング142を溝部143bから外してインク出口部143の根元方向に移動させることが比較的容易であり、メインタンク140とサブタンク117との連結に要する力が小さくて済むようになっている。また、カラー記録用に、メインタンク140とサブタンク117が複数の色のインクごとに独立して設けられている構成では、残量が少なくなった色のインクのサブタンク117だけを対応するメインタンク140に連結させるように、連結機構および後述する制御部(不図示)を構成することで、全ての色のメインタンク140とサブタンク117とを同時に連結させる場合に比べて、より少ない駆動力で連結機構を駆動させてインク補給動作を行うことが可能になる。
サブタンク117は、初期状態では、収容可能なインク量の9分目程度のインク118が充填されている。サブタンク117とインク通路113の接続部分に設けられているフィルタ部材114は、サブタンク117から記録ヘッド111へのゴミ、異物、インクの凝集成分、気泡などの混入を防ぐ役割を有している。フィルタ部材114は、そのような目的から、20μm程度の濾過精度を有するものが使用されている。
図5に示されているように、サブタンク117の大気連通部124は、記録ヘッド111のノズル111aの形成領域の近傍に開口している外気側小孔128に連通している細管部126と、サブタンク117内の上部に形成され、細管部126に連通しているインク受け室129と、インク受け室129に隣接して設けられているインク吸収部材127と、インク吸収部材127を間においてインク受け室129とは反対側に形成されているインク室131とで構成されている。インク室131とインク受け室129との間を行き来する気体(空気)や液体(インク)は、それらの間に設けられたインク吸収部材127を通るようになっている。インク室128には、サブタンク117内のインク液位の上限を定める液位ストッパ130が設けられている。
このような構成により、サブタンク117の内部空間は、サブタンク117の上部に設けられたインク室131およびインク受け室129から、細管部126を通じて、記録ヘッド111のノズル形成部の近傍に形成された外気側小孔128で外気(大気)に連通している。このように外気側小孔128は記録ヘッド111のノズル形成部の近傍に開口しているので、記録ヘッド111がキャリッジによって所定のポジションに配置されたときに、吸引ポンプ122に接続された吸引キャップ123で記録ヘッド111のノズル111aと一緒に吸引動作を行うことが可能である。
記録動作が行われて記録ヘッド111からインクが吐出され、サブタンク117内のインク水位が低下して最低水位に迫ると、インク残量検出用部材120の一部がインク118から露出する。インク残量検出用部材120の全体がインク118中に浸されている場合には、光学センサ121から射出された光は、インク残量検出用部材120を透過してサブタンク117内に出射し、光学センサ121に戻ることはないが、インク残量検出用部材120の一部がインク118から露出すると、光学センサ121から射出された光は、インク残量検出用部材120内で全反射して光学センサ121に戻される。そのため、光学センサ121は、インク残量検出用部材120からの反射光を受光することで、サブタンク117内のインク118の残量が少なくなっていることを検出することができる。
インク供給機構は、サブタンク117内のインクの残量を検知する、光学センサ121およびインク残量検出用部材120で構成されたインク残量検知手段と、少なくとも連結機構(不図示)および残量検知手段を含む各部の動作を制御する制御部(不図示)とを有している。
光学センサ121が、サブタンク117内のインク残量が所定量を下回っていることを検知し、その旨を示す第1の信号を発すると、制御部(不図示)は、記録ヘッド111とサブタンク117を搭載しているキャリッジ(不図示)を、記録ヘッド111のノズル形成部と吸引キャップ123とが対向する位置(所定のポジション)に移動させる。続いて、制御部(不図示)は、吸引キャップ123を動作させて吸引キャップ123を記録ヘッド111のノズル形成部に押し付けさせ、その後、連結機構を動作させてサブタンク117のインク注入口125とメインタンク140のインク出口部143とを連結させる。このとき、メインタンク140のOリング142がインク注入連結口125の外壁部に押圧されてOリング142がインク出口部143の根元側に移動し、インク出口143aが開口する。さらに、このときにはOリング142はインク注入連結口125の外壁部に密着した状態でメインタンク140の外壁との間に挟まれるので、メインタンク140とサブタンク117との接続部は外気に対して密閉状態になる。
このようにメインタンク140とサブタンク117とを連結させ、吸引キャップ123が記録ヘッド111のノズル形成部に押し付けた後、吸引ポンプ122を作動させると、サブタンク117内の空気層119の空気が、サブタンク117内の上部のインク室131、インク吸収部材127、およびインク受け室129を通り、細管部126を経て外気側小孔128から吸引され、これに続いて、サブタンク117内のインク118がインク通路113を通ってノズル111aから強制的に吸引される。空気の粘性係数はインクのそれに比べて約2桁のオーダーも小さいので、吸引動作の当初は圧倒的に大気連通部124から空気が吸引され、その結果サブタンク117内の内圧が下がると、メインタンク140が接続されたインク注入連結口125からサブタンク117内にインクが導入されて、サブタンク117内のインク水位が上昇する。
サブタンク117内のインク液位が液位ストッパ130の下端の高さまで上昇すると、インク吸収部材127を通過する物質が気体(空気)から液体(インク)に代わり、インク吸収部材127における吸引抵抗が急激に上昇して、記録ヘッド111のノズル111aからのインク吸引が支配的に行われるようになる。そのため、サブタンク117内のインク液位は、液位ストッパ130の下端の高さ(すなわち満杯水位)よりも上昇することがない。このようにして、サブタンク117内へのインクの充填が行われた後には、記録ヘッド111のノズル111a内のインクの入れ替え動作(回復動作)が行われるようになっている。
制御部(不図示)は、上記の吸引動作を所定の時間行わせた後でも第1の信号が光学センサ121から発せられている場合には、メインタンク140内のインク残量が所定量を下回っていることを示す第2の信号を発する。制御部から第2の信号が発せられた場合に、記録装置の表示部(不図示)等を介してそのことをユーザに知らせれば、ユーザは、メインタンク140内にインクの残量が無いことに気付いてメインタンク140にインクを補充することができる。
サブタンク117内の上部に形成されているインク室131には、少量のインクを貯留することができるようになっている。その少量のインクは、記録ヘッド111およびサブタンク117がキャリッジによって往復走査される際に、サブタンク117内のインク118が揺動する勢いによってインク室131に補給され、インク室131には常時少量のインクが貯留されるようになっている。もちろん、インク室131には、図示されているように、貯留された少量のインクが垂れ落ちないようにインク室131内に留めるための落下防止壁が構成されている。
また、インク吸収部材27と細管部126との間に形成されたインク液室129は、吸引手段による吸引動作によって、吸引動作の初期やサブタンク117内へのインク充填完了後にインク吸収部材127から細管部126側に浸み出てくるインクの受け皿として機能する。
インク吸収部材127を支える側壁部材の上下部分には連通孔が複数形成されている。その上側の連通孔はインク室131とインク受け室129との間の大気連通に用いられ、その下の連通孔は両室129,131の間のインク連通に用いられる。インク吸収部材127の素材としては、例えば、ポリエステルフェルトを用いることができる。しかし、インク吸収部材127の素材はこれに限定されるものではなく、インクとの界面で適度の毛細管力を発生させる部材であればどのような部材であってもよく、例えばポリウレタンなどの多孔質部材や1次元や2次元状の繊維構造体なども用いることができる。また、金網や樹脂製の網などの網目状体や多孔質体等を用いることもできる。特に、金属や樹脂繊維による編み物からなるフィルタを用いることもできる。このようなインク吸収部材127の濾過精度はフィルタ部材114よりも粗くてよく、例えば濾過精度が70μm程度のものを使用してもよい。
毛細管力を発生させるこのインク吸収部材127は、周囲環境が変動した場合の負圧制御手段として機能する。例えば、周囲気圧が低下した場合やキャリッジの温度が上昇した際には、インクを貯留するサブタンク117内の空気層119の体積が膨張して空気圧が上昇するが、この上昇した空気圧によって膨張した空気は、インク吸収部材127から微細な気泡の形態でインク受け室129および細管部126を介して外気側小孔128から徐々に大気中へ放出されるので、サブタンク117内の圧力がある程度以上に上昇することはない。
逆に、記録動作によってサブタンク117内のインクが消費されてインク118が減少し、その内圧が低下した際は、圧力が比較的高い外気側の空気が、外気側小孔128から細管部126およびインク受け室129を経て、インク吸収部材127から微細な気泡の形態でサブタンク117内に侵入する。そのため、サブタンク117の内圧が低下した場合においても、大気連通部124のインク吸収部材127は、サブタンク117内の圧力をほぼ一定に保つ働きをする。
サブタンク117内の圧力を調整する際に生じる背圧の変動の程度は、インク吸収部材127が発生させる毛細管力の大きさに依存する。この毛細管力の大きさを最適にすることによって、サブタンク117内の圧力を最適に維持することができる。
記録ヘッド111のノズル111aに形成されるメニスカス面は、通常時には300mmAq(約3kPa)程度の正圧に耐え、液滴の吐出時には500mmAq(約5kPa)以上の負圧に耐える。インク吸収部材127が発生させる毛細管力の大きさを、サブタンク117内の圧力を調整する際に生じる背圧の変動の程度が±100mmAq(約±1kPa)の範囲になるように設定すれば、記録ヘッド111による記録動作が概ね0〜−100mmAq(0〜約−1kPa)の負圧下で行われることとなる。記録動作時の負圧変動範囲をこのような範囲に抑えることにより、負圧制御手段を備えていない従来技術における記録動作時の負圧変動範囲である0〜−300mmAq(0〜約−3kPa)に比べて、メニスカス面の変動が少なくなり、その結果、吐出液滴の大きさの変動も少なくなり、安定した記録動作を行うことが可能になる。
(第3の実施形態)
図7は本発明のインクジェット記録装置のインク供給機構の第3の実施形態を示す断面図である。
図7に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置のインク供給機構は、記録媒体に対して往復移動(走査)するキャリッジ(不図示)に搭載される記録ヘッド211のノズル211aからインクを吸引して記録ヘッド211の吸引回復動作を行う吸引手段を構成する吸引キャップ223および吸引ポンプ222と、キャリッジおよび記録ヘッド211とは独立して設けられ、記録ヘッド211のサブタンク217(第1のタンク)に供給するインクを収容するメインタンク240(第2のタンク)とを有している。
記録ヘッド211は、インクを吐出するノズル211aに供給されるインクを一時的に貯留するヘッド液室212を有している。記録ヘッド211には、記録ヘッド211に供給されるインク218を収容するサブタンク217が一体的に設けられており、両者はヘッドカートリッジを構成している。記録ヘッド211とサブタンク217とはインク通路213を介して連通しており、インク通路213とサブタンク217との間には、気泡や異物がインク通路213内に流入することを防ぐフィルタ部材214が設けられている。
記録ヘッド211は多数のノズル211aが高密度で形成されている。例えば、1色あたり256個のノズルが300dpiの密度で形成されている。各ノズル内には、通電されると気泡を発生させてインクを液滴の形態で吐出させる発熱体(不図示)が設けられている。図7の構成の場合には、インク滴の吐出は図示下向きに行われる。また、記録ヘッド211は、記録ヘッド211に電気信号を供給する不図示のプリント配線基板等も備えている。
サブタンク217は、サブタンク217内のインク218の上方に形成された空気層219を大気(外気)に連通させるための大気連通部224と、通常は弾性部材215で付勢された封止部材216で密閉されているインク注入連結口225と、インク218が減ると、外部に設置された光学センサ221から射出された光が光学センサ221に戻るように45°の2等辺直角三角形の角柱状に形成された光学的反射部材からなるインク残量検出用部材220とを有している。サブタンク217の筐体材料には、所定の剛性を有し、かつ耐インク性に優れた材料が選択されている。
一方、図7に示したメインタンクのインク出口部243の拡大図である図8に示すように、メインタンク240は、普段はOリング242でインク出口243aが封止されているインク出口部243を有している。メインタンク240内のインク241をサブタンク217内に供給する際には、インクジェット記録装置のインク供給機構に備えられている連結機構(不図示)によって、メインタンク240のインク出口部243とサブタンク217のインク注入連結口225とが連結されるようになっている。その際には、インク出口部243が、弾性部材215の付勢力に抗して封止部材216を後退させ、インク注入連結口225内に進入させられるようになっている。なお、上記の連結機構は、キャリッジが所定のポジション(メインタンク240のインク出口部243とサブタンク217のインク注入連結口225とが対向する位置)に配置されたときに、メインタンク240をサブタンク217に近づけるか、あるいはサブタンク217をメインタンク240に近づけるように構成されている。連結機構はキャリッジの駆動源と同じ駆動源によって駆動されるように構成することができ、これにより、駆動源が共通化してインク供給機構の構成が簡素化させられる。なお、このような連結機構は、当業者であれば上述した従来技術等に基づいて容易に構成することが可能である。
インク出口部243の先端には、その根元の小径部234dよりも径がやや大きく形成された大径部243cが形成されていて、インク出口243aを塞ぐ封止手段であるOリング242がインク出口部243から抜け難くなっている。また、Oリング242が填る封止用の溝部243bが、Oリング242で封止されるインク出口243aの周りに形成されており、それ以外の部分にはその溝部243bが形成されていないか、あるいはインク出口243aの周りの溝部243bよりも浅く形成されているので、Oリング242を溝部243bから外してインク出口部243の根元方向に移動させることが比較的容易であり、メインタンク240とサブタンク217との連結に要する力が小さくて済むようになっている。また、カラー記録用に、メインタンク240とサブタンク217が複数の色のインクごとに独立して設けられている構成では、残量が少なくなった色のインクのサブタンク217だけを対応するメインタンク240に連結させるように、連結機構および後述する制御部(不図示)を構成することで、全ての色のメインタンク240とサブタンク217とを同時に連結させる場合に比べて、より少ない駆動力で連結機構を駆動させてインク補給動作を行うことが可能になる。
サブタンク217は、初期状態では、収容可能なインク量の9分目程度のインク218が充填されている。サブタンク217とインク通路213の接続部分に設けられているフィルタ部材214は、サブタンク217から記録ヘッド211へのゴミ、異物、インクの凝集成分、気泡などの混入を防ぐ役割を有している。フィルタ部材214は、そのような目的から、20μm程度の濾過精度を有するものが使用されている。
図7に示されているように、サブタンク217の大気連通部224は、記録ヘッド211のノズル211aの形成領域の近傍に開口している外気側小孔228に連通している細管部226と、サブタンク217内の上部に設けられているインク吸収部材227とで構成されている。サブタンク217の内部空間と細管部226との間を行き来する気体(空気)や液体(インク)は、それらの間に設けられたインク吸収部材227を通るようになっている。
このような構成により、サブタンク217の内部空間は、サブタンク217の上部から、細管部226を通じて、記録ヘッド211のノズル形成部の近傍に形成された外気側小孔228で外気(大気)に連通している。このように外気側小孔228は記録ヘッド211のノズル形成部の近傍に開口しているので、記録ヘッド211がキャリッジによって所定のポジションに配置されたときに、吸引ポンプ222に接続された吸引キャップ223で記録ヘッド211のノズル211aと一緒に吸引動作を行うことが可能である。
記録動作が行われて記録ヘッド211からインクが吐出され、サブタンク217内のインク水位が低下して最低水位に迫ると、インク残量検出用部材220の一部がインク218から露出する。インク残量検出用部材220の全体がインク218中に浸されている場合には、光学センサ221から射出された光は、インク残量検出用部材220を透過してサブタンク217内に出射し、光学センサ221に戻ることはないが、インク残量検出用部材220の一部がインク218から露出すると、光学センサ221から射出された光は、インク残量検出用部材220内で全反射して光学センサ221に戻される。そのため、光学センサ221は、インク残量検出用部材220からの反射光を受光することで、サブタンク217内のインク218の残量が少なくなっていることを検出することができる。
インク供給機構は、サブタンク217内のインクの残量を検知する、光学センサ221およびインク残量検出用部材220で構成されたインク残量検知手段と、少なくとも連結機構(不図示)および残量検知手段を含む各部の動作を制御する制御部(不図示)とを有している。
光学センサ221が、サブタンク217内のインク残量が所定量を下回っていることを検知し、その旨を示す第1の信号を発すると、制御部(不図示)は、記録ヘッド211とサブタンク217を搭載しているキャリッジ(不図示)を、記録ヘッド211のノズル形成部と吸引キャップ223とが対向する位置(所定のポジション)に移動させる。続いて、制御部(不図示)は、吸引キャップ223を動作させて吸引キャップ223を記録ヘッド211のノズル形成部に押し付けさせ、その後、連結機構を動作させてサブタンク217のインク注入口225とメインタンク240のインク出口部243とを連結させる。このとき、メインタンク240のOリング242がインク注入連結口225の外壁部に押圧されてOリング242がインク出口部243の根元側に移動し、インク出口243aが開口する。さらに、このときにはOリング242はインク注入連結口225の外壁部に密着した状態でメインタンク240の外壁との間に挟まれるので、メインタンク240とサブタンク217との接続部は外気に対して密閉状態になる。
このようにメインタンク240とサブタンク217とを連結させ、吸引キャップ223が記録ヘッド211のノズル形成部に押し付けた後、吸引ポンプ222を作動させると、サブタンク217内の空気層219の空気が、サブタンク217内の上部のインク吸収部材227を通り、細管部226を経て外気側小孔228から吸引され、これに続いて、サブタンク217内のインク218がインク通路213を通ってノズル211aから強制的に吸引される。空気の粘性係数はインクのそれに比べて約2桁のオーダーも小さいので、吸引動作の当初は圧倒的に大気連通部224から空気が吸引され、その結果サブタンク217内の内圧が下がると、メインタンク240が接続されたインク注入連結口225からサブタンク217内にインクが導入されて、サブタンク217内のインク水位が上昇する。
サブタンク217内のインク液位がインク吸収部材227が設けられている高さまで上昇すると、インク吸収部材227を通過する物質が気体(空気)から液体(インク)に代わり、インク吸収部材227における吸引抵抗が急激に上昇して、記録ヘッド211のノズル211aからのインク吸引が支配的に行われるようになる。そのため、サブタンク217内のインク液位は、インク吸収部材227が設けられている高さ(すなわち満杯水位)よりも上昇することがない。このようにして、サブタンク217内へのインクの充填が行われた後には、記録ヘッド211のノズル211a内のインクの入れ替え動作(回復動作)が行われるようになっている。
制御部(不図示)は、上記の吸引動作を所定の時間行わせた後でも第1の信号が光学センサ221から発せられている場合には、メインタンク240内のインク残量が所定量を下回っていることを示す第2の信号を発する。制御部から第2の信号が発せられた場合に、記録装置の表示部(不図示)等を介してそのことをユーザに知らせれば、ユーザは、メインタンク240内にインクの残量が無いことに気付いてメインタンク240にインクを補充することができる。
インク吸収部材227を支える側壁部材の下側部分には連通孔が形成されている。その連通孔は、空気やインクの連通に用いられる。インク吸収部材227の素材としては、例えば、ポリエステルフェルトを用いることができる。しかし、インク吸収部材227の素材はこれに限定されるものではなく、インクとの界面で適度の毛細管力を発生させる部材であればどのような部材であってもよく、例えばポリウレタンなどの多孔質部材や1次元や2次元状の繊維構造体なども用いることができる。また、金網や樹脂製の網などの網目状体や多孔質体等を用いることもできる。特に、金属や樹脂繊維による編み物からなるフィルタを用いることもできる。このようなインク吸収部材227の濾過精度はフィルタ部材214よりも粗くてよく、例えば濾過精度が100μm程度のものを使用してもよい。
毛細管力を発生させるこのインク吸収部材227は、周囲環境が変動した場合の負圧制御手段として機能する。例えば、周囲気圧が低下した場合やキャリッジの温度が上昇した際には、インクを貯留するサブタンク217内の空気層219の体積が膨張して空気圧が上昇するが、この上昇した空気圧によって膨張した空気は、インク吸収部材227から微細な気泡の形態で細管部226を介して外気側小孔228から徐々に大気中へ放出されるので、サブタンク217内の圧力がある程度以上に上昇することはない。
逆に、記録動作によってサブタンク217内のインクが消費されてインク2118が減少し、その内圧が低下した際は、圧力が比較的高い外気側の空気が、外気側小孔228から細管部226およびインク受け室229を経て、インク吸収部材227から微細な気泡の形態でサブタンク217内に侵入する。そのため、サブタンク217の内圧が低下した場合においても、大気連通部224のインク吸収部材227は、サブタンク217内の圧力をほぼ一定に保つ働きをする。
サブタンク217内の圧力を調整する際に生じる背圧の変動の程度は、インク吸収部材227が発生させる毛細管力の大きさに依存する。この毛細管力の大きさを最適にすることによって、サブタンク217内の圧力を最適に維持することができる。
記録ヘッド211のノズル211aに形成されるメニスカス面は、通常時には300mmAq(約3kPa)程度の正圧に耐え、液滴の吐出時には500mmAq(約5kPa)以上の負圧に耐える。インク吸収部材227が発生させる毛細管力の大きさを、サブタンク217内の圧力を調整する際に生じる背圧の変動の程度が±80mmAq(約±0.8kPa)の範囲になるように設定すれば、記録ヘッド211による記録動作が概ね0〜−80mmAq(0〜約−0.8kPa)の負圧下で行われることとなる。記録動作時の負圧変動範囲をこのような範囲に抑えることにより、負圧制御手段を備えていない従来技術における記録動作時の負圧変動範囲である0〜−300mmAq(0〜約−3kPa)に比べて、メニスカス面の変動が少なくなり、その結果、吐出液滴の大きさの変動も少なくなり、安定した記録動作を行うことが可能になる。
サブタンク217へのインクの補給は以上のように行われるが、記録動作中に記録ヘッド211のノズル211aに気泡が混入したり、発熱体から発生した気泡がインク液室212に溜まったりするとノズル211aからインク滴が吐出されなくなる原因になるので、一定の時間ごとにノズル211aの吸引回復動作を行う必要がある。しかしながら、吸引キャップ223が記録ヘッド211のノズル211aと外気側小孔228との両方を吸引する場合には、ノズル211aの吸引回復動作を行う場合にもサブタンク217へのインク補給動作が行われることとなる。この場合、上述したように、ノズル211aの吸引回復動作はサブタンク217へのインク補給動作が行われた後に開始されるので、ノズル211aと外気側小孔228との両方を一度に吸引する場合にはノズル211aの吸引回復動作のみを迅速に行うことができない。
そこで本実施形態では、吸引キャップ223に対するキャリッジの位置の位置を変えることで、吸引キャップ223に対する記録ヘッド211およびサブタンク217の位置を、吸引キャップ223がノズル211aと外気側小孔228との両方を吸引する第1の吸引位置(図7参照)と、吸引キャップ223がノズル211aのみを吸引する第2の吸引位置(図9参照)とに選択的に配置することが可能になっている。記録ヘッド211およびサブタンク217が吸引キャップ223に対して第2の吸引位置(図9参照)に配置されている場合には、吸引キャップ223はノズル211aだけをキャッピングし、ノズル211aの吸引回復動作だけを行うことが可能である。こうすることにより、短い時間でノズル211aの回復動作を行うことができる。
図10は、図7等に示した吸引キャップの変形例を示す断面図である。
本変形例の吸引キャップ223’は、記録ヘッド211のノズル211aの吸引を行う第1の吸引室223aと、サブタンク217の外気側小孔228を覆う第2の吸引室223bとを有している。第1の吸引室223aと第2の吸引室223bとの間には、互いを連通させる連通孔223cが形成されている。さらに、第2の吸引室223b内には、連通孔223cを選択的に塞ぐように不図示の駆動手段によって移動させられる開閉手段としての可動栓223dが設けられている。
可動栓223dが図10に示す位置にある場合(連通孔223cが開放されている場合)には、吸引キャップ223’は、ノズル211aと外気側小孔228との両方に対する吸引を行う。一方、連通孔223cを可動栓223dが塞いでいる場合には、吸引キャップ223’はノズル211aのみに対して吸引を行う。
このように、本変形例によれば、記録ヘッド211およびサブタンク217と吸引キャップ223’との相対位置を変えることなく、ノズル211aの吸引回復のみを行う動作と、ノズル211aの吸引回復およびサブタンク217へのインク補給を行う動作とを選択的に実行することが可能である。
(第4の実施形態)
図11は本発明のインクジェット記録装置のインク供給機構の第4の実施形態を示す断面図である。
図11に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置のインク供給機構は、記録媒体に対して往復移動(走査)するキャリッジ(不図示)に搭載される記録ヘッド311のノズル311aからインクを吸引して記録ヘッド311の吸引回復動作を行う吸引手段を構成する吸引キャップ323および吸引ポンプ322と、キャリッジおよび記録ヘッド311とは独立して設けられ、記録ヘッド311のサブタンク317(第1のタンク)に供給するインクを収容するメインタンク340(第2のタンク)とを有している。
記録ヘッド311は、インクを吐出するノズル311aに供給されるインクを一時的に貯留するヘッド液室312を有している。記録ヘッド311には、記録ヘッド311に供給されるインク318を収容するサブタンク317が一体的に設けられており、両者はヘッドカートリッジを構成している。記録ヘッド311とサブタンク317とはインク通路313を介して連通しており、インク通路313とサブタンク317との間には、気泡や異物がインク通路313内に流入することを防ぐフィルタ部材314が設けられている。
記録ヘッド311は多数のノズル311aが高密度で形成されている。例えば、1色あたり256個のノズルが300dpiの密度で形成されている。各ノズル内には、通電されると気泡を発生させてインクを液滴の形態で吐出させる発熱体(不図示)が設けられている。図11の構成の場合には、インク滴の吐出は図示下向きに行われる。また、記録ヘッド311は、記録ヘッド311に電気信号を供給する不図示のプリント配線基板等も備えている。
サブタンク317は、サブタンク317内のインク318の上方に形成された空気層319を大気(外気)に連通させるための大気連通部324と、通常は弾性部材315で付勢された封止部材316で密閉されているインク注入連結口325と、インク318が減ると、外部に設置された光学センサ321から射出された光が光学センサ321に戻るように45°の2等辺直角三角形の角柱状に形成された光学的反射部材からなるインク残量検出用部材320とを有している。サブタンク317の筐体材料には、所定の剛性を有し、かつ耐インク性に優れた材料が選択されている。
一方、図11に示したメインタンクのインク出口部343の拡大図である図12に示すように、メインタンク340は、普段はOリング342でインク出口343aが封止されているインク出口部343を有している。メインタンク340内のインク341をサブタンク317内に供給する際には、インクジェット記録装置のインク供給機構に備えられている連結機構(不図示)によって、メインタンク340のインク出口部343とサブタンク317のインク注入連結口325とが連結されるようになっている。その際には、インク出口部343が、弾性部材315の付勢力に抗して封止部材316を後退させ、インク注入連結口325内に進入させられるようになっている。なお、上記の連結機構は、キャリッジが所定のポジション(メインタンク340のインク出口部343とサブタンク317のインク注入連結口325とが対向する位置)に配置されたときに、メインタンク340をサブタンク317に近づけるか、あるいはサブタンク317をメインタンク340に近づけるように構成されている。連結機構はキャリッジの駆動源と同じ駆動源によって駆動されるように構成することができ、これにより、駆動源が共通化してインク供給機構の構成が簡素化させられる。なお、このような連結機構は、当業者であれば上述した従来技術等に基づいて容易に構成することが可能である。
インク出口部343の先端には、その根元の小径部334dよりも径がやや大きく形成された大径部343cが形成されていて、インク出口343aを塞ぐ封止手段であるOリング342がインク出口部343から抜け難くなっている。また、Oリング342が填る封止用の溝部343bが、Oリング342で封止されるインク出口343aの周りに形成されており、それ以外の部分にはその溝部343bが形成されていないか、あるいはインク出口343aの周りの溝部343bよりも浅く形成されているので、Oリング342を溝部343bから外してインク出口部343の根元方向に移動させることが比較的容易であり、メインタンク340とサブタンク317との連結に要する力が小さくて済むようになっている。また、カラー記録用に、メインタンク340とサブタンク317が複数の色のインクごとに独立して設けられている構成では、残量が少なくなった色のインクのサブタンク317だけを対応するメインタンク340に連結させるように、連結機構および後述する制御部(不図示)を構成することで、全ての色のメインタンク340とサブタンク317とを同時に連結させる場合に比べて、より少ない駆動力で連結機構を駆動させてインク補給動作を行うことが可能になる。
サブタンク317は、初期状態では、収容可能なインク量の9分目程度のインク318が充填されている。サブタンク317とインク通路313の接続部分に設けられているフィルタ部材314は、サブタンク317から記録ヘッド311へのゴミ、異物、インクの凝集成分、気泡などの混入を防ぐ役割を有している。フィルタ部材314は、そのような目的から、20μm程度の濾過精度を有するものが使用されている。
図11に示されているように、サブタンク317の大気連通部324は、記録ヘッド311のノズル311aの形成領域の近傍に開口している外気側小孔328に連通している細管部326と、サブタンク317内の上部に設けられているインク吸収部材327とで構成されている。サブタンク317の内部空間と細管部326との間を行き来する気体(空気)や液体(インク)は、それらの間に設けられたインク吸収部材327を通るようになっている。
このような構成により、サブタンク317の内部空間は、サブタンク317の上部から、細管部326を通じて、記録ヘッド311のノズル形成部の近傍に形成された外気側小孔328で外気(大気)に連通している。このように外気側小孔328は記録ヘッド311のノズル形成部の近傍に開口しているので、記録ヘッド311がキャリッジによって所定のポジションに配置されたときに、吸引ポンプ322に接続された吸引キャップ323で記録ヘッド311のノズル311aと一緒に吸引動作を行うことが可能である。
記録動作が行われて記録ヘッド311からインクが吐出され、サブタンク317内のインク水位が低下して最低水位に迫ると、インク残量検出用部材320の一部がインク318から露出する。インク残量検出用部材320の全体がインク318中に浸されている場合には、光学センサ321から射出された光は、インク残量検出用部材320を透過してサブタンク317内に出射し、光学センサ321に戻ることはないが、インク残量検出用部材320の一部がインク318から露出すると、光学センサ321から射出された光は、インク残量検出用部材320内で全反射して光学センサ321に戻される。そのため、光学センサ321は、インク残量検出用部材320からの反射光を受光することで、サブタンク317内のインク318の残量が少なくなっていることを検出することができる。
インク供給機構は、サブタンク317内のインクの残量を検知する、光学センサ321およびインク残量検出用部材320で構成されたインク残量検知手段と、少なくとも連結機構(不図示)および残量検知手段を含む各部の動作を制御する制御部(不図示)とを有している。
光学センサ321が、サブタンク317内のインク残量が所定量を下回っていることを検知し、その旨を示す第1の信号を発すると、制御部(不図示)は、記録ヘッド311とサブタンク317を搭載しているキャリッジ(不図示)を、記録ヘッド311のノズル形成部と吸引キャップ323とが対向する位置(所定のポジション)に移動させる。続いて、制御部(不図示)は、吸引キャップ323を動作させて吸引キャップ323を記録ヘッド311のノズル形成部に押し付けさせ、その後、連結機構を動作させてサブタンク317のインク注入口325とメインタンク340のインク出口部343とを連結させる。このとき、メインタンク340のOリング342がインク注入連結口325の外壁部に押圧されてOリング342がインク出口部343の根元側に移動し、インク出口343aが開口する。さらに、このときにはOリング342はインク注入連結口325の外壁部に密着した状態でメインタンク340の外壁との間に挟まれるので、メインタンク340とサブタンク317との接続部は外気に対して密閉状態になる。
このようにメインタンク340とサブタンク317とを連結させ、吸引キャップ323が記録ヘッド311のノズル形成部に押し付けた後、吸引ポンプ322を作動させると、サブタンク217内の空気層319の空気が、サブタンク317内の上部のインク吸収部材327を通り、細管部326を経て外気側小孔328から吸引され、これに続いて、サブタンク317内のインク318がインク通路313を通ってノズル311aから強制的に吸引される。空気の粘性係数はインクのそれに比べて約2桁のオーダーも小さいので、吸引動作の当初は圧倒的に大気連通部324から空気が吸引され、その結果サブタンク317内の内圧が下がると、メインタンク340が接続されたインク注入連結口325からサブタンク317内にインクが導入されて、サブタンク317内のインク水位が上昇する。
サブタンク317内のインク液位がインク吸収部材327が設けられている高さまで上昇すると、インク吸収部材327を通過する物質が気体(空気)から液体(インク)に代わり、インク吸収部材327における吸引抵抗が急激に上昇して、記録ヘッド311のノズル311aからのインク吸引が支配的に行われるようになる。そのため、サブタンク317内のインク液位は、インク吸収部材327が設けられている高さ(すなわち満杯水位)よりも上昇することがない。このようにして、サブタンク317内へのインクの充填が行われた後には、記録ヘッド311のノズル311a内のインクの入れ替え動作(回復動作)が行われるようになっている。
制御部(不図示)は、上記の吸引動作を所定の時間行わせた後でも第1の信号が光学センサ321から発せられている場合には、メインタンク340内のインク残量が所定量を下回っていることを示す第2の信号を発する。制御部から第2の信号が発せられた場合に、記録装置の表示部(不図示)等を介してそのことをユーザに知らせれば、ユーザは、メインタンク340内にインクの残量が無いことに気付いてメインタンク340にインクを補充することができる。
インク吸収部材327を支える側壁部材の下側部分には連通孔が形成されている。その連通孔は、空気やインクの連通に用いられる。インク吸収部材327の素材としては、例えば、ポリエステルフェルトを用いることができる。しかし、インク吸収部材327の素材はこれに限定されるものではなく、インクとの界面で適度の毛細管力を発生させる部材であればどのような部材であってもよく、例えばポリウレタンなどの多孔質部材や1次元や2次元状の繊維構造体なども用いることができる。また、金網や樹脂製の網などの網目状体や多孔質体等を用いることもできる。特に、金属や樹脂繊維による編み物からなるフィルタを用いることもできる。このようなインク吸収部材327の濾過精度はフィルタ部材314よりも粗くてよく、例えば濾過精度が100μm程度のものを使用してもよい。
毛細管力を発生させるこのインク吸収部材327は、周囲環境が変動した場合の負圧制御手段として機能する。例えば、周囲気圧が低下した場合やキャリッジの温度が上昇した際には、インクを貯留するサブタンク317内の空気層319の体積が膨張して空気圧が上昇するが、この上昇した空気圧によって膨張した空気は、インク吸収部材327から微細な気泡の形態で細管部326を介して外気側小孔328から徐々に大気中へ放出されるので、サブタンク317内の圧力がある程度以上に上昇することはない。
逆に、記録動作によってサブタンク317内のインクが消費されてインク3118が減少し、その内圧が低下した際は、圧力が比較的高い外気側の空気が、外気側小孔328から細管部326およびインク受け室329を経て、インク吸収部材327から微細な気泡の形態でサブタンク317内に侵入する。そのため、サブタンク317の内圧が低下した場合においても、大気連通部324のインク吸収部材327は、サブタンク317内の圧力をほぼ一定に保つ働きをする。
サブタンク317内の圧力を調整する際に生じる背圧の変動の程度は、インク吸収部材327が発生させる毛細管力の大きさに依存する。この毛細管力の大きさを最適にすることによって、サブタンク317内の圧力を最適に維持することができる。
記録ヘッド311のノズル311aに形成されるメニスカス面は、通常時には300mmAq(約3kPa)程度の正圧に耐え、液滴の吐出時には500mmAq(約5kPa)以上の負圧に耐える。インク吸収部材327が発生させる毛細管力の大きさを、サブタンク317内の圧力を調整する際に生じる背圧の変動の程度が±80mmAq(約±0.8kPa)の範囲になるように設定すれば、記録ヘッド311による記録動作が概ね0〜−80mmAq(0〜約−0.8kPa)の負圧下で行われることとなる。記録動作時の負圧変動範囲をこのような範囲に抑えることにより、負圧制御手段を備えていない従来技術における記録動作時の負圧変動範囲である0〜−300mmAq(0〜約−3kPa)に比べて、メニスカス面の変動が少なくなり、その結果、吐出液滴の大きさの変動も少なくなり、安定した記録動作を行うことが可能になる。
サブタンク317へのインクの補給は以上のように行われるが、記録動作中に記録ヘッド311のノズル311aに気泡が混入したり、発熱体から発生した気泡がインク液室312に溜まったりするとノズル311aからインク滴が吐出されなくなる原因になるので、一定の時間ごとにノズル311aの吸引回復動作を行う必要がある。しかしながら、この吸引回復動作を常にサブタンク317をメインタンク340に連結させた状態で行うとすると、ノズル311aの吸引回復動作を行う場合にもサブタンク317へのインク補給動作が行われることとなる。この場合、上述したように、ノズル311aの吸引回復動作はサブタンク317へのインク補給動作が行われた後に開始されるので、ノズル311aの吸引回復動作のみを迅速に行うことができない。
そこで本実施形態では、サブタンク317がメインタンク340に連結されていない状態(図11)でも、サブタンク317がメインタンク340に連結されているときの状態(図13)と同様に、吸引キャップ323がノズル311aと外気側小孔328との両方を吸引するように、記録ヘッド311およびサブタンク317と吸引キャップ323とが構成されている。これにより、サブタンク317がメインタンク340に連結されていない状態(図11)でも吸引キャップ323がノズル311aと外気側小孔328との両方を吸引し、短い時間でノズル311aの吸引回復動作を行うことができる。また、記録装置の停止時や非使用時には、サブタンク317がメインタンク340に連結されていない状態(図11)とし、吸引ポンプ322を作動させずに吸引キャップ323でノズル311aと外気側小孔328との両方をキャッピングした状態を保つことで、インク漏れノズル311aの乾燥を防ぐことができる。
本発明のインクジェット記録装置のインク供給機構の第1の実施形態を示す断面図である。 図1に示したメインタンクのインク出口部の拡大図である。 図1に示したサブタンクの大気連通部の横方向断面図である。 図1に示したサブタンクの大気連通部の変形例を示す図である。 本発明のインクジェット記録装置のインク供給機構の第2の実施形態を示す断面図である。 図5に示したメインタンクのインク出口部の拡大図である。 本発明のインクジェット記録装置のインク供給機構の第3の実施形態を示す断面図であり、記録ヘッドおよびサブタンクの位置が、吸引キャップがノズルと外気側小孔との両方を吸引する第1の吸引位置にある状態を示している。 図7に示したメインタンクのインク出口部の拡大図である。 本発明のインクジェット記録装置のインク供給機構の第3の実施形態を示す断面図であり、記録ヘッドおよびサブタンクの位置が、吸引キャップがノズルのみを吸引する第2の吸引位置にある状態を示している。 図7等に示した吸引キャップの変形例を示す断面図である。 本発明のインクジェット記録装置のインク供給機構の第4の実施形態を示す断面図であり、サブタンクとメインタンクとが連結していない状態を示している。 図11に示したメインタンクのインク出口部の拡大図である。 本発明のインクジェット記録装置のインク供給機構の第4の実施形態を示す断面図であり、サブタンクとメインタンクとが連結している状態を示している。
符号の説明
11,111,211,311 記録ヘッド
12,112,212,312 ヘッド液室
13,113,213,313 インク通路
14,114,214,314 フィルタ部材
15,115,215,315 弾性部材
16,116,216,316 封止部材
17,17’,117,217,317 サブタンク
18,118,218,318 インク
19,119,219,319 空気層
20,120,220,320 インク残量検出用部材
21,121,221,321 光学センサ
22,122,222,322 吸引ポンプ
23,123,223,223’,323 吸引キャップ
24,24’,124,224,324 大気連通部
25,125,225,325 インク注入連結口
26,26’,126,226,326 細管部
27,27’ 内部側小孔
28,28’,128,228,328 外気側小孔
33 底部
34 満杯水位
35 最低水位
36,36’ 空間
36a 内部側空間
36b 外気側空間
40,140,240,340 メインタンク
41,141,241,341 インク
42,142,242,342 Oリング
43,143,243,343 インク出口部
43a,143a,243a,343a インク出口
50 太通路部
51 細通路部
111a,211a,311a ノズル
127,227,327 インク吸収部材
129 インク受け室
130 液位ストッパ
131 インク室
143b,243b,343b 溝部
143c,243c,343c 大径部
143d,243d,343d 小径部
223a 第1の吸引室
223b 第2の吸引室
223c 連通孔
223d 可動栓

Claims (22)

  1. インクを吐出するノズルを有する記録ヘッドに設けられ、該記録ヘッドに供給するインクを保持する第1のタンクと、
    前記第1のタンクとは独立して設けられ、前記第1のタンクに供給するインクを貯留する第2のタンクと、
    前記記録ヘッドのノズルからインクを吸引する吸引手段と、
    を備えたインクジェット記録装置のインク供給機構において、
    前記第1のタンクは内部空間を外気に連通させる大気連通部を備えており、該大気連通部は前記ノズルの近傍に開口した外気側孔を有していることを特徴とするインクジェット記録装置のインク供給機構。
  2. 前記大気連通部は、前記外気側孔から前記第1のタンク内の上部近傍を経由し、次に前記第1のタンク内の下部近傍を経由して再び前記第1のタンク内の上部近傍に延び、該第1のタンク内の上部近傍に形成された内部側孔を通じて前記第1のタンクの内部空間に連通している、請求項1に記載のインクジェット記録装置のインク供給機構。
  3. 前記大気連通部は、通路が比較的狭い第1の通路と通路が比較的広い第2の通路とを有している、請求項2に記載のインクジェット記録装置のインク供給機構。
  4. 前記第1の通路は、前記大気連通部の前記外気側孔から前記第1のタンク内の上部近傍へ延びている部分を構成し、前記第2の通路は、前記大気連通部の前記外気側孔から延びた前記第1のタンク内の上部近傍から、前記第1のタンク内の下部近傍を経由して再び前記第1のタンク内の上部近傍に延びている部分を構成している、請求項3に記載のインクジェット記録装置のインク供給機構。
  5. 前記大気連通部は、前記外気側孔から前記第1のタンク内の上部近傍に延びており、該上部近傍で前記第1のタンクの内部空間に連通している、請求項1に記載のインクジェット記録装置のインク供給機構。
  6. 前記第1のタンク内の前記上部近傍には、前記第1のタンク内の一部のインクを毛細管力によって含浸するインク吸収部材が設けられており、前記大気連通部は、前記インク吸収部材を介して前記第1のタンクの内部空間と外気とを連通させるように構成されている、請求項5に記載のインクジェット記録装置のインク供給機構。
  7. 前記記録ヘッドおよび前記第1のタンクを、前記吸引手段が前記ノズルと前記外気側孔の両方を吸引する第1の吸引位置と、前記吸引手段が前記ノズルのみを吸引する第2の吸引位置とに選択的に配置させることができるように構成されている、請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置のインク供給機構。
  8. 前記吸引手段は、連通孔を介して互いに連通している、前記ノズルの吸引を行う第1の吸引室および前記外気側孔を覆う第2の吸引室と、前記連通孔の開閉を行う開閉手段とを有している、請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置のインク供給機構。
  9. 前記第2のタンクと前記第1のタンクとを連結させる連結手段を有している、請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置のインク供給機構。
  10. 前記吸引手段は、前記連結手段によって前記第2のタンクと前記第1のタンクとが連結されている状態と、前記第2のタンクと前記第1のタンクとが連結されていない状態とのどちらの状態であっても、前記ノズルと前記外気側孔とを覆うように構成されている、請求項9に記載のインクジェット記録装置のインク供給機構。
  11. 前記記録ヘッドおよび前記第1のタンクは、キャリッジに搭載されて記録媒体に対して往復走査するように構成されており、
    前記連結手段は、前記キャリッジを駆動する駆動源と同じ駆動源によって駆動されるように構成されている、請求項9または10に記載のインクジェット記録装置のインク供給機構。
  12. 前記インク供給機構は、前記第1のタンク内のインクの残量を検知するインク残量検知手段と、少なくとも前記連結手段および前記インク残量検知手段を含む各部の動作を制御する制御手段とをさらに有しており、
    前記制御手段は、前記第1のタンク内のインク残量が所定量を下回っていることを示す第1の信号が前記インク残量検出手段から発せられた場合に、前記連結手段に前記第2のタンクと前記第1のタンクとの連結を行わせ、その後、前記吸引手段に少なくとも前記外気側孔に対する吸引動作を所定の時間行わせ、該吸引動作を所定の時間行わせた後でも前記第1の信号が前記インク残量検出手段から発せられている場合には、前記第2のタンク内のインク残量が所定量を下回っていることを示す第2の信号を発するように構成されている、請求項9から11のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置のインク供給機構。
  13. 前記第2のタンクと前記第1のタンクとは、収容するインクの種類毎に独立して互いに対応して設けられ、前記インク残量検知手段と前記連結手段とは、独立して互いに対応して設けられた前記第2のタンクおよび前記第1のタンク毎に備えられており、
    前記制御手段は、前記第1の信号を発している前記インク残量検出手段が検知している前記第1のタンクに対応している前記連結手段だけを選択的に動作させて、該第1のタンクだけを対応する前記第2のタンクに連結させるように構成されている、請求項12に記載のインクジェット記録装置のインク供給機構。
  14. 前記第2のタンクは内部のインクを導出させるインク導出部を有し、前記第1のタンクは、前記第1のタンクと前記第2のタンクとが連結したときに前記インク導出部が挿入されるインク注入口を有しており、
    前記インク導出部は前記インク導出部の周囲を囲む封止手段を備えており、該封止手段は、前記第1のタンクと前記第2のタンクとが連結したときに前記第1のタンクの前記インク注入口の周囲の面に当接するように構成されている、請求項9から13のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置のインク供給機構。
  15. 前記インク導出部は、先端部分の外径が他の部分の外径よりも大きく形成されている、請求項14に記載のインクジェット記録装置のインク供給機構。
  16. 前記インク導出部は、前記第1のタンクと前記第2のタンクとが連結していないときには前記封止手段で塞がれるインク導出口を有しており、
    前記インク導出部の前記インク導出口の周囲には前記封止手段の一部が合致する溝部が形成されている、請求項14または15に記載のインクジェット記録装置のインク供給機構。
  17. インクを吐出するノズルを有する記録ヘッドと、該記録ヘッドに供給するインクを保持する第1のタンクとを有するヘッドカートリッジにおいて、
    前記第1のタンクは内部空間を外気に連通させる大気連通部を備えており、該大気連通部は前記ノズルの近傍に開口した外気側孔を有していることを特徴とするヘッドカートリッジ。
  18. 前記大気連通部は、前記外気側孔から前記第1のタンク内の上部近傍を経由し、次に前記第1のタンク内の下部近傍を経由して再び前記第1のタンク内の上部近傍に延び、該第1のタンク内の上部近傍に形成された内部側孔を通じて前記第1のタンクの内部空間に連通している、請求項17に記載のヘッドカートリッジ。
  19. 前記大気連通部は、通路が比較的狭い第1の通路と通路が比較的広い第2の通路とを有している、請求項18に記載のヘッドカートリッジ。
  20. 前記第1の通路は、前記大気連通部の前記外気側孔から前記第1のタンク内の上部近傍へ延びている部分を構成し、前記第2の通路は、前記大気連通部の前記外気側孔から延びた前記第1のタンク内の上部近傍から、前記第1のタンク内の下部近傍を経由して再び前記第1のタンク内の上部近傍に延びている部分を構成している、請求項19に記載のヘッドカートリッジ。
  21. 前記大気連通部は、前記外気側孔から前記第1のタンク内の上部近傍に延びており、該上部近傍で前記第1のタンクの内部空間に連通している、請求項17に記載のヘッドカートリッジ。
  22. 前記第1のタンク内の前記上部近傍には、前記第1のタンク内の一部のインクを毛細管力によって含浸するインク吸収部材が設けられており、前記大気連通部は、前記インク吸収部材を介して前記第1のタンクの内部空間と外気とを連通させるように構成されている、請求項21に記載のヘッドカートリッジ。
JP2003402376A 2003-12-02 2003-12-02 インクジェット記録装置のインク供給機構およびヘッドカートリッジ Pending JP2005161637A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003402376A JP2005161637A (ja) 2003-12-02 2003-12-02 インクジェット記録装置のインク供給機構およびヘッドカートリッジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003402376A JP2005161637A (ja) 2003-12-02 2003-12-02 インクジェット記録装置のインク供給機構およびヘッドカートリッジ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005161637A true JP2005161637A (ja) 2005-06-23

Family

ID=34725954

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003402376A Pending JP2005161637A (ja) 2003-12-02 2003-12-02 インクジェット記録装置のインク供給機構およびヘッドカートリッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005161637A (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008238792A (ja) * 2007-03-29 2008-10-09 Brother Ind Ltd 液体吐出装置及び液体吐出装置本体
US7887168B2 (en) 2007-06-29 2011-02-15 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid droplet jetting apparatus and method of exchanging main tank
US8029115B2 (en) 2007-02-28 2011-10-04 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid ejection device
WO2012137523A1 (ja) * 2011-04-08 2012-10-11 株式会社セイコーアイ・インフォテック インクジェット記録装置
WO2012137522A1 (ja) * 2011-04-08 2012-10-11 株式会社セイコーアイ・インフォテック インクジェット記録装置
WO2016157901A1 (ja) * 2015-03-31 2016-10-06 セイコーエプソン株式会社 液体供給装置および液体消費装置
JP2018103592A (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 ブラザー工業株式会社 画像記録装置
WO2019026096A1 (en) * 2017-07-31 2019-02-07 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha IMAGE FORMING APPARATUS AND IMAGE FORMING SYSTEM
WO2019026118A1 (en) * 2017-07-31 2019-02-07 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha APPARATUS AND SYSTEM FOR LIQUID CONSUMPTION
CN109318596A (zh) * 2017-07-31 2019-02-12 兄弟工业株式会社 液体消耗装置及液体消耗系统
CN109318597A (zh) * 2017-07-31 2019-02-12 兄弟工业株式会社 图像记录装置
US10293618B2 (en) 2016-12-28 2019-05-21 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid consumption apparatus having cartridge, cartridge attachment section provided with tank, and consuming device
US10336084B2 (en) 2016-12-28 2019-07-02 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid cartridge and image forming apparatus using the same
JP2019150970A (ja) * 2018-02-28 2019-09-12 ブラザー工業株式会社 液体消費装置
JP2022162100A (ja) * 2018-03-30 2022-10-21 ブラザー工業株式会社 システム
WO2023058111A1 (ja) * 2021-10-05 2023-04-13 株式会社Fuji 吐出装置、および検出方法

Cited By (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8029115B2 (en) 2007-02-28 2011-10-04 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid ejection device
JP2008238792A (ja) * 2007-03-29 2008-10-09 Brother Ind Ltd 液体吐出装置及び液体吐出装置本体
US7997707B2 (en) 2007-03-29 2011-08-16 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid ejection device
US7887168B2 (en) 2007-06-29 2011-02-15 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid droplet jetting apparatus and method of exchanging main tank
WO2012137523A1 (ja) * 2011-04-08 2012-10-11 株式会社セイコーアイ・インフォテック インクジェット記録装置
WO2012137522A1 (ja) * 2011-04-08 2012-10-11 株式会社セイコーアイ・インフォテック インクジェット記録装置
JP2012218302A (ja) * 2011-04-08 2012-11-12 Seiko I Infotech Inc インクジェット記録装置
JP2012218303A (ja) * 2011-04-08 2012-11-12 Seiko I Infotech Inc インクジェット記録装置
WO2016157901A1 (ja) * 2015-03-31 2016-10-06 セイコーエプソン株式会社 液体供給装置および液体消費装置
CN111546777A (zh) * 2015-03-31 2020-08-18 精工爱普生株式会社 打印机和液体供给装置
US10160219B2 (en) 2016-12-28 2018-12-25 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image forming apparatus including cartridge having first storage chamber, cartridge attachment portion having second storage chamber, and recording portion
JP7388487B2 (ja) 2016-12-28 2023-11-29 ブラザー工業株式会社 画像記録装置
JP2022126764A (ja) * 2016-12-28 2022-08-30 ブラザー工業株式会社 画像記録装置
JP7094500B2 (ja) 2016-12-28 2022-07-04 ブラザー工業株式会社 画像記録装置
US10850523B2 (en) 2016-12-28 2020-12-01 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image forming apparatus including cartridge having first storage chamber, cartridge attachment portion having second storage chamber, and recording portion
US10293618B2 (en) 2016-12-28 2019-05-21 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid consumption apparatus having cartridge, cartridge attachment section provided with tank, and consuming device
US10336084B2 (en) 2016-12-28 2019-07-02 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid cartridge and image forming apparatus using the same
JP2021167111A (ja) * 2016-12-28 2021-10-21 ブラザー工業株式会社 画像記録装置
US10457064B2 (en) 2016-12-28 2019-10-29 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid consumption apparatus having cartridge, cartridge attachment section provided with tank, and consuming device
JP2018103592A (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 ブラザー工業株式会社 画像記録装置
CN109318597A (zh) * 2017-07-31 2019-02-12 兄弟工业株式会社 图像记录装置
CN109318596B (zh) * 2017-07-31 2021-04-30 兄弟工业株式会社 液体消耗装置及液体消耗系统
CN109318597B (zh) * 2017-07-31 2021-04-30 兄弟工业株式会社 图像记录装置
AU2017426470B2 (en) * 2017-07-31 2021-07-29 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid consumption apparatus and liquid consumption system
CN109318596A (zh) * 2017-07-31 2019-02-12 兄弟工业株式会社 液体消耗装置及液体消耗系统
WO2019026118A1 (en) * 2017-07-31 2019-02-07 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha APPARATUS AND SYSTEM FOR LIQUID CONSUMPTION
WO2019026096A1 (en) * 2017-07-31 2019-02-07 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha IMAGE FORMING APPARATUS AND IMAGE FORMING SYSTEM
JP2019150970A (ja) * 2018-02-28 2019-09-12 ブラザー工業株式会社 液体消費装置
JP7013946B2 (ja) 2018-02-28 2022-02-01 ブラザー工業株式会社 液体消費装置
JP2022162100A (ja) * 2018-03-30 2022-10-21 ブラザー工業株式会社 システム
WO2023058111A1 (ja) * 2021-10-05 2023-04-13 株式会社Fuji 吐出装置、および検出方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6752493B2 (en) Fluid delivery techniques with improved reliability
KR970007633B1 (ko) 잉크용기, 동잉크용기를 사용하는 기록헤드 및 동잉크용기를 사용하는 기록장치
KR100723563B1 (ko) 액체 공급 시스템, 잉크 탱크, 잉크 공급 시스템, 및 잉크젯 기록 장치
JP2005161637A (ja) インクジェット記録装置のインク供給機構およびヘッドカートリッジ
US6481837B1 (en) Ink delivery system
JP3754954B2 (ja) 液体収容容器およびインクジェット記録装置
KR100694715B1 (ko) 액체 공급 시스템 및 이를 합체한 장치
KR100460242B1 (ko) 압력 조절 챔버, 압력 조절 챔버를 구비한 잉크 제트 기록헤드 및 잉크 제트 기록 헤드를 구비한 잉크 제트 기록 장치
JP2005161635A (ja) インクタンクおよびインク供給装置
JPH0899413A (ja) インク補充方法および装置
KR101380274B1 (ko) 잉크공급장치
US20070247497A1 (en) Ink supply systems and methods for inkjet printheads
JP2006281589A (ja) 液体収納容器及びインクジェット記録装置
JP2002052737A (ja) インクジェット式記録装置および同装置におけるインクカートリッジへの加圧空気の供給制御方法
US7066585B2 (en) Liquid ejecting apparatus, tank for evacuating liquid of liquid ejecting apparatus and method of evacuating liquid of liquid ejecting apparatus
JPH11334100A (ja) インクジェット印刷システム
JP2005161645A (ja) インク収納容器およびインク供給機構
JP2005161638A (ja) インクジェット記録装置のインク供給機構
JP2004181952A (ja) インク貯留部、該インク貯留部を備えたインクジェットヘッド構造体およびインクジェット記録装置
JP2003211686A (ja) 液体貯蔵容器及びこれを用いたヘッドカートリッジ
JP2005161636A (ja) 液体供給システム
JP2006082285A (ja) 液体タンクおよび画像形成装置
JP4012547B2 (ja) インクタンク及びインクジェット記録装置
JP2005161634A (ja) 液体収納容器
JP5842474B2 (ja) 液体容器