JP2005161645A - インク収納容器およびインク供給機構 - Google Patents

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浩 京極
Shunpei Takenaka
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Abstract

【課題】 インクが重力で自由落下することによって容易に供給可能な、信頼性の高いインク供給機構およびそれに用いられるインク収納容器を提供する。
【解決手段】 メインタンク3の連結管15の先端に開口部16が設けられており、この開口部16が球状の封止部材19に封止されている。メインタンク3をサブタンク2に接続すると、連結管15がインク導入部に挿入され、Oリング20が壁部材25と連結管15に挟みつけられ、棒状部21が密閉部材23を押し込んで、インク導入口24を開放させる。突起部27が連結管1内の封止部材19を押し込んで、開口部16を開放させる。これによって、サブタンク2の内部とメインタンク3の内部は、Oリング20によって外気から遮断された状態で、開口部16およびインク導入口24を介して連通し、相互にインクや空気の受け渡しが行われる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、記録ヘッドから被記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置において、記録ヘッドを搭載するキャリッジ上のサブタンクにインクを供給する、容易に交換可能なメインタンクであるインク収納容器と、インク供給機構に関するものである。
一般的なインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)は、キャリッジに搭載された記録ヘッドによって記録を行う。具体的には、キャリッジおよび記録ヘッドが紙等の被記録媒体を横切って往復移動する際に、制御システムが記録ヘッドを作動させて被記録媒体上にインク滴を射出することによって画像や文字等の記録を形成する。
記録動作で消費されるインクは、キャリッジに搭載されて一緒に移動するか、あるいはキャリッジではなく記録装置の筐体内に固定されており移動しないインク供給源(インクタンク)に貯留されて、記録ヘッドに供給される。
インクタンクが記録装置に固定されている場合には、キャリッジとともに移動しないので大量のインクを収容し大型化できる。しかし、記録ヘッドにインクを供給するために、柔軟なインク供給チューブでインクタンクをキャリッジに繋いでインクを供給しなければならず、インク供給チューブには比較的大きな屈曲半径を必要とし、記録装置全体が大型化する欠点がある。
一方、インクタンクがキャリッジとともに移動する構成では、インクタンクは記録ヘッドと分離可能に搭載され、収納しているインクが無くなると、インクタンクは交換される。この場合、インク供給チューブを必要とせず記録装置全体として小型化できるので、市販されている多くのインクジェット記録装置がこの方法を採用している。しかしながら、インクタンクはキャリッジとともに移動するので重量的にも寸法的にもあまり大型化することはできず、あまり大量のインクを収容できない。
キャリッジとともに移動するタイプのインクタンクは、インクがなくなったときの交換などのためにキャリッジに対して着脱される。特に、インクタンクの小型化のためにインク収納量を少なくされたインクタンクは、頻繁に交換しなくてはならず、それに応じて安価に作らなくてはならない。このようにキャリッジとともに移動するインクタンクは小型でかつ安価であることが要求される。また、インクタンクは、着脱時にインクを漏らすことがないように確実な着脱および接続機構(開口部の開閉手段等を含む)や封止機構が必要である。さらに、それらは、輸送時や保存時に生じる気圧や温度等の環境の幅広い変化にも耐えるような着脱および接続機構や封止機構である必要がある。
従来、インクを自由状態で貯留させる種々のインクタンクが提案されており、例えば、インクを可撓性の袋に入れて貯留してその袋の開口部をゴム栓等によって封止する構成のものがある。この場合、ゴム栓に注射針のような細針を差し込んで袋内からインクを取り出す。しかしこの方法では、細針を差し込むのでゴム栓の耐久性が低くなったり、ゴム栓の破片が生じたり、金属製の細針を使用する必要があるなど、様々な問題が存在する。インクを自由状態で貯留させる他の構成としては、図13に示すタイプのインクタンク(第1の従来例)がある。目薬の容器のように一体に成型された容器101にインクを自由状態で収容して開口101aを球状栓102で封止したものである。このタイプのインクタンクは、基本的には一体部品の容器101と球状栓102だけのシンプルな構成である。
一方、例えばスポンジのようなインク吸収体を内部に配して、インクをインク吸収体に含浸させて貯留するタイプのインクタンクも存在する。このタイプのインクタンクは、インク吸収体がインクタンク内部全体またはインク開口の周囲を含む部分を占めていると、インク開口の封止手段として比較的簡便な手段が採用可能である。すなわち、使用者がインクタンクを装着する時にインク開口の封止手段を解除しても、インク開口の周辺にインク吸収体が存在しているので直ぐにはインクが漏れることはない。従って、簡単なプラスチック薄膜によるシール手段やキャップ手段を採用可能であり、広く用いられている。
このようなインク吸収体を有するインクタンクが用いられる背景について補足説明する。インクタンクは、記録装置の何処に位置しているかに拘らず、記録ヘッドに確実にインクを供給することが必須である。インクジェット記録装置が正常に機能するためには、インクを途切れることなく記録ヘッドに供給するとともに、インクタンクおよび/または記録ヘッド内に負圧を形成して維持することも必要である。なお、負圧とは大気圧を基準として記録ヘッド内に生じるマイナスの圧力であり、記録ヘッドの内部の圧力を大気圧より低い値に保ち、インクタンクや記録ヘッドからのインク漏れを防いで一定の印刷品位を保つために必要である。インクタンクおよび/または記録ヘッドは、記録装置の保管中および作動中に遭遇する幅広い温度および気圧において、常に一定の負圧を形成して維持することを要求される。なお、負圧維持の要求を実現するためのインク供給機構の様々な例が、特許文献1〜3等に開示されている。
前記したようにインクタンク内にインク吸収体を有する構成によって、インク漏れを防ぎつつ適切な負圧を維持することが可能になる。しかしながら、この構成には以下のような問題が存在する。
第1に、インク吸収体にインクを含浸させるので内容積の70%程度しかインクを収容できず空間使用効率が悪い。第2に、含浸させたインクを全量消費できず、インク吸収体にインクが残ってしまう。第3に、インク吸収体の材質が繊維質である場合には細かいごみが出易いため、このごみなど記録ヘッドのノズルを詰まらせるおそれのある固形物への対策が欠かせない。第4に、インク吸収体にインクを含浸させているのでインク残量の確認が困難である。第5に、製造時には、インク吸収体にインクを含浸させるのに時間が掛かるので、真空で注入させる必要があり、製造装置の複雑化や製造コストの上昇を招く。このように、透明な容器101にインクを自由状態で貯留する第1の従来例においては殆ど問題にならなかった、別種の問題が生じる。
図14は、従来の交換可能なインクタンクを含むインク供給装置の一例(第2の従来例)の断面図である。このインク供給装置は、特許文献1,2の構成と同様に、図示しないキャリッジ上の記録ヘッド103内のヘッド液室およびインク通路にインクを供給するものであり、第1のインク室104と第2のインク室105とを有する交換可能なインクタンク(インク収納容器)106が、気泡や異物の通過を阻止するフィルタ107と、インク漏れを防ぐパッキング部材108を介して記録ヘッド103に接続されている。このインクタンク106は、インク供給源であり自由状態でインクを保持する第1のインク室104と、インクを保持するためのポリエステルフェルトなどの毛細管部材(インク吸収体)109を内蔵するとともにその上部に大気連通孔110が形成されている第2のインク室105を備えており、インクを記録ヘッド103へ供給するために着脱可能な連結口部111を備えている。さらに、第1のインク室104には、模式的に示しているが、インクの残量を検出するための45度に形成された光学的反射部材112が設けられている。第1のインク室104と第2のインク室105との隔壁113には、流通口114aと、空気の移動をスムースにする、縦方向に複数形成されたスリット状の溝114bが設けられている。
第2のインク室105内のインク吸収体109は、周囲環境が変動した際の負圧制御手段として機能する。例えば、周囲の気圧が低下した場合やインクタンク106の温度が上昇した場合には、自由状態でインクを保持する第1のインク室104内の空気の圧力が外気に対して高くなる。このように外気に対して圧力の高くなった空気の膨張分だけ、第1のインク室104内のインクが第2のインク室105に押し出される。この押し出されたインクを、第2のインク室105内のインク吸収体109が吸収することによって、環境変化時にも記録ヘッド103に適正な負圧を作用させることができる。
図15に示すように、第2のインク室105内に2つのインク吸収体109A,109Bが設けられている構成(第3の従来例)の場合、一方のインク吸収体109Aは常時インクを含浸し、第1のインク室104からのインクを記録インク103へ導く機能を有する。他方のインク吸収体109Bは、通常はインクを含浸せず、前記した通り、記録装置自体の温度や周囲の環境が変動した際の負圧制御手段として機能する。
また、図16,17に示すインク供給装置(第4の従来例)では、特許文献2と同様に、ある程度のインクを貯留するサブタンク115が記録ヘッド103とともにキャリッジを構成している。サブタンク115の上部には大気連通孔116が設けられ、大気連通孔116の近傍にインク吸収体109が配置され、インク吸収体109を介してサブタンク115内部が外気と連通する。キャリッジ側にこのような構成が設けられ、容易に着脱可能なメインタンク(インクタンク)118が、図17に示すように筒状突出部123に設けられたインク導出用の開口部117の周囲がOリング119で封止された状態でキャリッジのサブタンク115に接続される。キャリッジへの接続時に、Oリング119が移動されて開口部117が開放され、インクを供給可能になる。
サブタンク115上部の大気連通孔116の近傍に配されたインク吸収部材109に隣接するインク室115aからのインクを充分に含浸し、インク室115aを外気から遮断する。外気圧の低下や周囲や機器の温度上昇の際には、インク室115a内の膨張した空気は、インク吸収体109の微細な内部空間に充満するインクを押し退けて、大気連通口116から徐々に放出される。印刷の実行によりインクが消費されると、インクで満たされたインク吸収体109の毛細管力により、サブタンク115は外気と遮断され内部に負圧が発生し、インクの消費に連れて徐々に負圧が大きくなっていく。さらに負圧が大きくなると、インク吸収体109に外部から大気が徐々に進入し、少量づつサブタンク115内にも侵入して、負圧をある一定の値に保ち、良好な記録を保つ。そして、進入する空気がメインタンク118の開口部117に達すると、メインタンク118の内部のインクと入れ替わる。このようにしてメインタンク118内のインクは、サブタンク115側に供給される。
また、メインタンク118内の空気が膨張した場合は、メインタンク118内のインクがサブタンク115に押し出されてサブタンク115内の上部の空気を外部に押し出す。このように、サブタンク115の上部にはある程度広い容積の空間120が存在し、メインタンク118内の空気が膨張した時にバッファの役割を果す。なお、メインタンク118自体はインクを自由状態で貯留するのでインクの貯留率は100%である。
特開2001−246761号公報(図2) 特開2001−187459号公報(図1,2) 特開2001−130024号公報(図7)
前記した各従来例にはそれぞれ一長一短があり、それぞれに欠点がある。
第1の従来例のインクタンクは、新品状態でキャリッジに装着され、使い終わってインクが完全に無くなった状態で抜き取られれば問題はないが、途中のインクが残った状態で抜き取られ際にインク漏れが発生しないように、図に示すように球状栓102を、模式的に示すばね部材121で付勢させておく必要がある。ばね部材121としては金属製のコイルばねなどが使用される。このコイルばねはインク導出用の開口部101aから挿入される必要があり、組み立てが面倒である。また、金属製のコイルばねを用いると,金属イオンが生じてインク中の溶解成分を凝集させ易いという問題がある。このようにばね部材121の使用は好ましくない。
第2,3の従来例のインクタンクにおいては、インク吸収体であるインク吸収体109,109A,109Bの毛細管力によってインクの少なくとも一部を保持するので、その部分では、前記した通りインク吸収体109,109A,109Bの体積の約20%〜70%の範囲しかインクが収容できない。この場合、記録ヘッド103に供給可能なインクの収容量は、自由状態でインクを貯蔵する場合に比べて約50%程度であり、使用効率が悪い。そこでインクタンク106の使用寿命を延ばそうとして収容可能なインク量を増やすと、それに応じて、インクの消費に伴って移動する空気の量も増えて、インク収容量の増加に比例してインク吸収体109,109A,109Bの体積を増大させなくてはならず、インクタンク106が必然的に大型化してしまう。
また、第2〜4の従来例には以下の不都合もある。フルカラーインクジェット印刷を行うためには、少なくともイエロー、シアン、マゼンタ、およびブラックの4色、またはこれらの4色にそれぞれ薄い色を加えた7〜8色が用いられる。通常は各色のインクタンクが横一列に配置される。この4〜8色のインクタンクを搭載したキャリッジが被記録媒体上を左右に走査して印刷を行うので、キャリッジおよびインクタンクの横幅が大きくなると左右の両端部ではみ出す幅が大きくなる。従って、記録装置全体を小型化するために各色のインクタンクの横幅を極力小さくすることが好ましい。通常は、1個のインクタンクの幅は大きくても10mm強程度である。
従って、第4の従来例の構成では、メインタンク118に設けられているインク導出用の開口部117を有する筒状突出部123の直径は10mm以下程度が望ましく、当然、開口部117も小さくなる。さらに、Oリング119によって開口部117を封止する構成の場合には、開口部117の直径は基本的にOリング119の断面直径より小さくなる。Oリング119に沿う方向(横方向)にはやや大きくすることができるが、少なくともそれに直交する方向(縦方向)には通常3mm程度以下の大きさにせざるを得ない。また、Oリング119ではなく第1の従来例と同様な球状栓102を用いる構成の場合には、インクの導出時には球状栓102を筒状突出部123内に押し込む必要があり、そのストロークは小さい方が好ましいため、球状栓102の直径は6mm程度以下であることが望ましい。そうすると、前記したような小さい開口部117を介して、その開口部117以外は密閉状態であるメインタンク118から液体であるインクの重力だけに頼った自然落下導出を行うことは、インクの表面張力のため困難である。もちろんメインタンク118および開口部117を大きめに設計すれば問題ないが、記録装置全体の大型化を招くため得策ではない。
本発明の目的は、これらの問題をそれぞれ解決して、構造の複雑化および大型化を伴うことなく相対的に低いコストで製造可能であり、インクが重力で自由落下することによって容易に供給可能な、信頼性の高いインク供給機構およびそれに用いられるインク収納容器を提供することにある。
本発明のインク収納容器は、内部にインクを自由状態で貯留し、記録ヘッドを搭載するキャリッジに着脱可能に構成されているインク収納容器であって、先端部に開口部を有する筒状突出部と、開口部を封止可能であり、かつその封止位置から移動可能な封止部材と、筒状突出部の周囲に配置されている円環状の弾性部材とを有し、キャリッジへの装着時に、弾性部材によって外部に対して遮断しつつ、封止部材が封止位置から非封止位置に移動させられて、開口部がキャリッジに配置されているサブタンクに連通させられるところにある。
弾性部材は複数個設けられていてもよい。弾性部材はOリングであってもよい。封止部材は球形であり、筒状突出部内に配置されていてもよい。筒状突出部の内部には、封止部材のインク収納容器の筐体内への進入を阻止する狭窄部が設けられているのが好ましい。ブロー成形によって一体形成され、筒状突出部の先端には、封止部材が圧入されることによって封止され得る前記開口部が形成され、筒状突出部の周囲には弾性部材を配置するための凹溝部が形成されていることが好ましい。
本発明のインク供給機構は、前記したいずれかの構成のインク収納容器と、筒状突出部が挿入可能な筒状の壁部材と壁部材に囲まれている柱状部材とを有し、インク収納容器のキャリッジへの装着時に、壁部材が弾性部材を挟み付けながら筒状突出部の外周部を挿入させるとともに、柱状部材が封止部材に当接して封止部材を封止位置から非封止位置に移動させて、開口部をキャリッジに配置されているサブタンクに連通させるインク導入部とを有することを特徴とする。インク導入部の柱状部材は、インク収納容器のキャリッジへの装着時に、先端が開口部の内部に入って封止部材を押し込んで筒状突出部内にインクの通路を確保する。柱状部材にはインクに対する接触角を小さくする処理が施されていると、インクに馴染み易い親水性を持つ柱状部材がインクを下方に導くことにより、細い開口部からでもインクを供給できるようになる。インク導入部には、ばね部材で付勢されてインク導入口を封止する密閉部材が設けられており、柱状部材は密閉部材上に設けられていることが好ましい。その場合、インク収納容器は、筒状突出部の開口部の前方に延びる棒状部を有していると、インク収納容器のキャリッジへの装着時に、棒状部が密閉部材に当接して押し下げてインク導入口を開くとともに、柱状部材が封止部材に当接して押し込んで開口部を開く。
本発明の他のインク収納容器は、前記したいずれかの構成に加えて、筒状突出部の外周部には、先端の開口部から離れた位置に第2の開口部が設けられており、弾性部材が第2の開口部を封止可能であり、キャリッジへの装着時に弾性部材が第2の開口部の封止位置から非封止位置に移動させられることを特徴とする。筒状突出体には弾性部材を保持する凹溝部が形成されており、第2の開口部は凹溝部内に形成されていてもよい。
本発明の他のインク供給機構は、このようなインク収納容器と、筒状突出部が挿入可能な筒状の壁部材と、壁部材に囲まれている柱状部材とを有し、インク収納容器のキャリッジへの装着時に、壁部材が弾性部材を挟み付けながら筒状突出部の外周部を挿入させるとともに、柱状部材が封止部材に当接して封止部材を封止位置から非封止位置に移動させて、開口部をキャリッジに配置されているサブタンクに連通させるインク導入部とを有し、インク導入部には、インク収納容器のキャリッジへの装着時に弾性部材に当接して弾性部材を第2の開口部の封止位置から非封止位置に移動させる当接部材が設けられていることを特徴とする。
これらの構成によると、インク導出用の開口部からある程度離れた上方に、空気導入用の第2の開口部が存在するため、両開口部を同時に開くことにより、水頭差を利用して、インク収納容器内のインクとサブタンク内の空気とをスムースに入れ替えることができ、細い開口部からでもインクが供給できる。
本発明のさらに他のインク収納容器は、筒状突出部を有し、内部にインクを自由状態で貯留し、記録ヘッドを搭載するキャリッジに着脱可能に構成されているインク収納容器であって、筒状突出部の外周部には、先端部近傍の少なくとも1つの第1の開口部と、インク収納容器のキャリッジへの装着時に先端部近傍の第1の開口部よりも上方に位置する少なくとも1つの第2の開口部がそれぞれ形成されており、第1の開口部と第2の開口部をそれぞれ封止可能な2つの円環状の弾性部材が嵌合されており、キャリッジへの装着時に、弾性部材が封止位置から非封止位置に移動させられて、第1および第2の開口部がキャリッジに配置されているサブタンクに連通させられることを特徴とする。筒状突出体には弾性部材を保持する2つの凹溝部が形成されており、第1の開口部および第2の開口部はそれぞれ凹溝部内に形成されていることが好ましい。
本発明のさらに他のインク供給機構は、このようなインク収納容器と、筒状突出部が挿入可能な筒状の壁部材とインク収納容器のキャリッジへの装着時に弾性部材に当接する当接部材とを有し、インク収納容器のキャリッジへの装着時に、壁部材が弾性部材を挟み付けながら筒状突出部の外周部を挿入させるとともに、当接部材が弾性部材に当接して弾性部材を封止位置から非封止位置に移動させて、前記第1および第2の開口部を前記キャリッジに配置されているサブタンクに連通させるインク導入部とを有することを特徴とする。当接部材は、インク収納容器のキャリッジへの装着時に、第1の開口部を封止する第1の弾性部材に当接して第1の弾性部材を封止位置から非封止位置に移動させる凸部と、第1の弾性部材を通過させた後に、第2の開口部を封止する第2の弾性部材に当接して第2の弾性部材を封止位置から非封止位置に移動させるシーソー型の揺動部材とからなっていてもよい。インク収納容器のキャリッジへの装着時に第1の弾性部材が封止位置から非封止位置に移動した際に、第1の弾性部材に遮断されずに空気の通過を可能にするバイパス溝を有することが好ましい。
これらの構成でも、前記したのと同様に、第1および第2の開口部を同時に開くことにより、水頭差を利用して、インク収納容器内のインクとサブタンク内の空気とをスムースに入れ替えることができ、小さい開口部からでもインクが供給できる。
本発明のさらに他のインク収納容器は、冒頭に述べた構成に加えて、筒状突出部は、先端側の内径が小さくなるように形成されており、封止部材には、筒状突出部の先端側が小さくなっている凹部が形成されていることを特徴とする。筒状突出部の内径は2段階に構成されていてもよく、その場合先端側が小径である。
本発明のさらに他のインク供給機構は、このようなインク収納容器と、筒状突出部が挿入可能な筒状の壁部材と、壁部材に囲まれている柱状部材とを有し、インク収納容器のキャリッジへの装着時に、壁部材が弾性部材を挟み付けながら筒状突出部の外周部を挿入させるとともに、柱状部材が封止部材に当接して封止部材を封止位置から非封止位置に移動させて、開口部を前記キャリッジに配置されているサブタンクに連通させるインク導入部とを有し、柱状部材には、インク収納容器のキャリッジへの装着時に凹部に嵌合して係合する相補形状部が形成されていることを特徴とする。これによって、封止部材とインク収納容器内面との間に固定されるばね部材を設けなくても、封止部材が柱状部材に押し込まれてもインク収納容器の筐体内まで入り込むことはない。
本発明によると、キャリッジに搭載されてインクを記録ヘッドへ供給する交換可能なインク収納容器を含むインク供給機構において、ある程度のインクを貯留するサブタンクがキャリッジに設けられている。一方、インク収納容器には、移動可能な封止部材でインク導出用の開口部が封止され、かつ外気と密閉を保つための円環状の弾性部材が装着された筒状突出部を備えている。このインク収納容器をキャリッジへ装着する時にインク導出用の開口部内に進入する柱状部材がインクを誘導して、円滑な気液交換によりインクを供給することができる。
なお、キャリッジに設けられたサブタンクの上部に大気連通孔が設けられ、大気連通孔の一部に、サブタンクの下部からインクが供給される毛細管部が設けられており、サブタンクの内部が、インクを含浸している毛細管部を介して外気と連通する構成にすると、簡単な構成で信頼性の高い気液交換および負圧制御が可能になる。
本発明によると、従来のインク供給機構で用いられていた、インク室内で大きな容積を占めるインク吸収体が不要であり、インクをすべて自由状態で収納するため、インクの収容効率が高くなり、大量のインクの収容およびインク収納容器の小型化が可能になる。このインク収納容器はブロー成形により一体成形することができ、シンプルで安価かつ軽量な構成にすることができる。また、インク収納容器内にインク吸収体を用いる必要がないため、インク中に異物が混入するおそれを低減でき、インクをピュアな状態で貯留可能な信頼性の高いインク収納容器を実現可能である。収納しているインクを実質的に全て使い切ることができるため、インクが残留したまま廃棄されることがなく、環境に配慮する上で効果的である。
インク収納容器の最下部に配されたインク導出用の開口部を封止する封止部材をインク収納容器の内部に移動させることによって開口部を開放する構成の場合、封止部材の体積分だけインクを外部に押し出して、封止部材がインクを誘導して、比較的小さな開口部からでも円滑にインクを供給できる。特に、封止部材に親水化処理が施されている場合には、より円滑なインク供給が可能になる。
インク収納容器の筒状突出部の先端部に配されたインク導出用の開口部から上方に離れた位置に第2の開口部を設ける構成によると、水頭差を利用して比較的小さな開口部から容易にインクを供給できる。それによって、インク収納容器の寸法、特に横幅を小さくできる。したがって、4〜8色のインク収納容器をキャリッジに搭載しても、全体を比較的小型に保つことができる。
また、封止部材に凹部を設け、突起部にこの凹部と係合する相補形状部を設けた場合には、消耗品であるインク収納容器を、基本的に、筒状突出部を含む一体部品である筐体と、筒状突出部の開口部を封止する封止部材と、筒状突出部の外周に位置する弾性部材だけで構成することができ、部品点数が低減でき安価になる。さらに、使用途中の着脱でもインクが漏れるおそれがなく、長期間の保管中にもインクと接するのは筐体と封止部材だけであり、それ以外の異なる材料とはインクは接触しないため、インクが変質するおそれがなく、高い信頼性を保つことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
まず、図1〜5に示す本発明の第1の実施形態のインク供給機構について説明する。本実施形態のインク供給機構はインクジェット記録装置に使用されるものである。このインクジェット記録装置は、詳述しないが、キャリッジ上に記録ヘッドが搭載されており、記録紙等の被記録媒体の前方をキャリッジが往復走査するのと同時にインクを被記録媒体に吐出する。この往復装置およびインク吐出と、キャリッジの走査方向と交差する(例えば直交する)方向に行われる被記録媒体の所定ピッチずつの移動とが交互に行われることによって、被記録媒体への記録が行われる。カラー記録を行う場合には、少なくともイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色分のインク供給機構が設けられるが、ここでは、簡略化のために1色分のインク供給機構についてのみ示す。
本実施形態では、キャリッジを構成する記録ヘッド1およびサブタンク2の上方に、インク供給源である交換可能なメインタンク(インク収納容器)3が搭載されている。記録ヘッド1とサブタンク2とは一体的に構成されており、インク通路5によって連結されている。記録ヘッド1には、多数のノズル1aが列をなして高密度に形成されている。図1には簡略化して記載しているが、例えば128個のノズル1aが300dpi(dot per inch)の密度で形成されている。各ノズル1aには、図示しないが、通電によって発熱してインク中に気泡を発生させ、その発泡エネルギーによってインク滴を吐出させる発熱体が設けられている。なお、図1におけるインク滴の吐出方向は下方である。また、図示していないが記録ヘッド1の発熱体に電気信号を供給するプリント配線基板等も設けられている。
サブタンク2やメインタンク3の本体である筐体は、剛性が高く耐インク性の良い材料から製造されている。サブタンク2は、初期状態においてはインクがインク導入部付近まで充満している。サブタンク2とインク通路5の間には、フィルタ部材4が設けられている。フィルタ部材4は、異物やインクの凝集成分や気泡などが記録ヘッド1へ混入するのを防ぐために設けられており、記録ヘッド1のノズル1aを詰まらせるような大きさの異物の混入を防ぐ目的から濾過精度20μm程度のものが使用される。サブタンク2内にはインク残量検出部材7が配置されており、これは、模式的に図示しているが、インクが空になると屈折率の比が変わって射出された光が戻ってくるように45度の2等辺直角三角形状に成型された透明な光学的反射部材である。
サブタンク2の上部近傍には、大気連通孔8のサブタンク2内部側の内側開口部9がある。大気連通孔8は、サブタンク2の側部で内側開口部9から一旦下降してサブタンク2の底部近傍において折り返して再び上昇し、サブタンク2の上部の大気側開口部10において外気に開放されている。大気連通孔8の途中には、サブタンク2内外の空気を微量ずつかつ円滑に相互交換するための幅が広いインク貯留部11および微細な毛細管部12が設けられており、図1,2では簡略に示しているがサブタンク2の壁面に沿って微細で長い迷路状に形成されている。
前記した通り、大気連通孔8の一部に、微細な毛細管部12が形成されている。この毛細管部12は、内側開口部9から大気側開口部10へ至る大気連通孔8の一部を構成するとともに、サブタンク2の底部近傍の折り返し部分においてサブタンク2内に連通する分岐開口部13を有しており、サブタンク2内に貯留されているインクが流通可能な状態になっている。従って、この分岐開口部13から毛細管部12にインクが流入しているため、大気連通孔8は、このサブタンク2の底部近傍の折り返し部分の毛細管部12によって内側開口部9側と大気側開口部10側とに分けられ、内側開口部9側に存在する空気と、大気側開口部10側に存在する空気とは、折り返し部分の毛細管部12内のインクによって遮断されている。すなわち、サブタンク2内の空気(内側開口部9側の空気)は、外気(大気側開口部10側の空気)と遮断されている。このように通常はインクで満たされている折り返し部分の毛細管部12は、周囲環境が変動した際の負圧制御手段として機能する。
図2は、大気連通孔8の、サブタンク2の側壁部に内包されている主要部分を示している。大気連通孔8は、サブタンク2の内側開口部9から、インク貯留部11および毛細管部12を経て、サブタンク2の底部近傍の分岐開口部13へ繋がる部分を経由して、さらにインク貯留部11および毛細管部12を経て、上部の大気側開口部10へ至る。本実施形態では、幅広のインク貯留部11は折り返し部分を挟んで両側に2つずつ設けられているが、その個数は限定されない。よりきめ細かな気泡の移動を可能にするためには、折り返し部分を挟んで両側にそれぞれ複数のインク貯留部11が設けられているのが好ましい。なお、図2には、インクの最高水位14aと最低水位14bが示されており、少なくとも最下部の毛細管部12は常時冠水した状態に保たれる。
周囲の気圧が低下した場合やサブタンク2の内部温度が上昇した場合には、サブタンク2内の空気が膨張する。この膨張によりサブタンク2内の空気圧が上昇するため、サブタンク2内の空気は、徐々に微細な気泡として大気連通孔8の大気側開口部10から外部へ放出される。こうして空気が徐々に外部に放出されることによって、ある程度以上の空気圧の上昇が阻止される。逆に、外気圧が上昇した場合や、記録動作によってサブタンク2内のインクが消費されてインクが減少しサブタンク2の内部の空気圧が低下した場合には、相対的に圧力が高い外気が、大気連通孔8の大気側開口部10からインク貯留部11および微細な毛細管部12を介して微細な気泡として徐々にサブタンク2内に侵入して来る。こうしてサブタンク2内の空気が徐々に外部に放出されたり、外気がサブタンク2内に徐々に進入することによって、サブタンク2内の負圧がほぼ一定範囲内に保たれる。
微細な毛細管部12と幅広のインク貯留部11とが交互に配置されているため、空気の入出時に気泡を一時的にトラップさせることによって、気泡を連続させることなく遮断し密閉状態を保つことができる。従って、サブタンク2内の圧力が大気圧と等しくなってしまうことはない。また、微細な毛細管部12の内面には親水処理が施されている。それによってインクとの接触角が低くなりインクを含浸し易くなるため、密閉性が良くなる。サブタンク2内の負圧は、この毛細管部12の毛管力(微細さ)や長さやインクの接触角等によって決まるため、これらを最適に設計することによって、サブタンク2内を最適な負圧状態に保持することができる。
この構成では、メインタンク3からのインク供給のためのインクと空気の気液交換のポイントとなる開口部16を、サブタンク2側のインク導入口24の大きさに合わせた最大の直径にすることができ、インクの表面張力による、インクが開口部16から出ることを妨げる要素を最小限にすることができる。
このように本実施形態では、サブタンク2の上部から外気に連なる大気連通孔8の一部に配された毛細管部12が、サブタンク2の下部において分岐開口部13から供給されるインクを充分に含浸し、サブタンク2の内部を外気から遮断状態にする。外気圧の低下やサブタンク2自体の温度上昇の際には、サブタンク2内の膨張した空気が大気側に徐々に放出される。記録動作でインクが消費されると、インクを充分に含浸した毛細管部12の毛細管力によってサブタンク2内に負圧が発生し徐々に大きくなってくる。さらに負圧が大きくなってくると、毛細管部12に外気側から大気が徐々に進入し、少量づつサブタンク2内にも進入する。こうして一定の負圧が保たれて良好な記録が行える。なお、進入する空気が増えて、後述するようにサブタンク2に装着されているメインタンク3のインク導出用の開口部16に達すると、メインタンク3の内部のインクと入れ替わる。このようにして、交換可能なメインタンク3内のインクは、サブタンク2内の空気と交換されてサブタンク2内に供給される。
サブタンク2には、メインタンク3が着脱可能に装着される。メインタンク3は、サブタンク2に装着されるとそれと一体となって、キャリッジとともに走査可能である。このメインタンク3内にはインクが自由状態で保持されている。
図1に示す本実施形態のメインタンク3は、例えばペットボトルのようにブロー成形によって一体成形されている。このメインタンク3には、図3に拡大して示す連結管(筒状突出部)15が設けられており、その先端部(最下部)にインクや空気の出入口となる開口部16が形成されている。メインタンク3の連結管15の外周部には凹溝部18が形成されており、連結管15の先端の開口部16の内側近傍の、凹溝部18の裏側に当たる位置は狭窄部になっている。そして、開口部16を塞ぐ球状の封止部材19が、連結管35の内部に配置されて落下しないように狭窄部に保持されており、インクが注入された後に漏れないように開口部16を封止している。また、球状の封止部材19はメインタンク3の筐体内部に完全に落ち込んでしまうことがないように、連結管15の内側の付け根部分近傍にはもう1つの狭窄部17が形成されている。
また、連結管15の外周部には複数のOリング(弾性部材)20が配置され、凹溝部18に嵌合して保持されている。このOリング20は外気に対する密閉状態を保つ。連結管15の先端には、図3に示すように複数の棒状部21が形成されている。この棒状部21は、メインタンク3をサブタンク2に装着した時に、後述するばね部材22によるばね力に抗して密閉部材23を押し込んで、インク導入口24を開放するものである。
一方、サブタンク2にはインク導入部が設けられている。インク導入部とは、インク導入口24等を含み、メインタンク3の連結管(筒状突出部)を受け入れる部分である。このインク導入部には、連結管15が挿入される筒状の壁部材25と、その近傍において複数の支柱26およびリング部材28によって支えられている突起部(柱状部材)27が設けられている(図4参照)。また、インク導入口24は、模式的に図示されているコイルばねなどのばね部材22で付勢された密閉部材23によって閉鎖可能である。突起部27、リング部材28、および支柱26は、密閉部材23上に設けられている。
図5に示すように、メインタンク3がサブタンク2に接続される際には、連結管15がインク導入部に挿入され、Oリング20がインク導入口24の壁部材25と連結管15に挟みつけられる。そして、棒状部21がリング部材28の中空部を貫通して密閉部材23に当接してそれを押し込んで、インク導入口24を開放させる。それと同時に、またはその後に、突起部27が連結管1内の球状の封止部材19に当接してそれを押し込んで、開口部16を開放させる。これによって、サブタンク2の内部とメインタンク3の内部は、Oリング20によって外気から遮断され密閉が保たれた状態で、開口部16およびインク導入口24を介して連通し、相互にインクや空気の受け渡しが行われる。なお、図5では、棒状部21と重なるため支柱26は省略している。
サブタンク2内のインクが消費されて減少すると、メインタンク3内のインクがサブタンク2内に供給され、その代わりにサブタンク2内の空気がメインタンク3内に進入して、気液交換が行われる。すなわち、前記したように記録動作でサブタンク2内のインクが消費されて、サブタンク2内の負圧がある程度大きくなると、大気連通孔8の毛細管部12に外気側から大気が徐々に進入し、少量づつサブタンク2内に進入する。こうして進入する空気は、サブタンク2に装着されているメインタンク3の開口部16に到達すると、開口部16からメインタンク3内に進入し、それと入れ替わりにメインタンク3のインクが開口部16およびインク導入口24を介してサブタンク2内に進入する。このようにして、交換可能なメインタンク3内のインクは、サブタンク2内の空気と交換されてサブタンク2内に供給され、リアルタイムでのインクが補給される。これはいわゆる鳥の水差しに用いられている原理を利用している。
なお、メインタンク3のインクが消費され尽くすと内部は殆ど空気だけになる。この空気も温度変化などにより膨張収縮する。しかし、Oリング20によって外気から遮断され密閉が保たれた状態で、サブタンク2とメインタンク3との間で相互にインクや空気の受け渡しが行われる。
本実施形態によると、メインタンク3は、インクの出口である単一の開口部16のみを有する一体構造の筐体とすることができ、ブロー成形により例えばペットボトルのようにシンプルな形状に形成することができる。そしてメインタンク3には内容積あたりほぼ100%のインクを自由状態で収納することができ、そのインクをほぼ全て使用できる理想的なインク収納容器が実現できる。なお、仮にインクが残った状態でメインタンク3がサブタンク2から取り外されても、封止部材19がメインタンク3の開口部16を封止し、密閉部材23およびばね部材22がサブタンク2のインク導出口24を封止するため、大量のインクが漏れることは防げる。
本実施形態では、前記した通り、メインタンク3がサブタンク2に接続された状態では、開口部16を封止している球状の封止部材19が突起部27によってメインタンク3の内部に押し込まれている。この時、メインタンク3内のインクの一部は、開口部16から突出して、突起部27の少なくとも一部を包み込んだ状態になる。
従来、インクタンクを構成するプラスチック(合成樹脂)部材のインクに対する接触角は40度以上であり濡れ性が悪い。したがって、開口部16が小径であると、インクの表面張力によってサブタンク2内に落下せず、連結管15の先端部に保持されるおそれがある。例えば、表面張力が50ニュートン/メートル程度であるインクが、密閉されたプラスチック容器から自然落下するには、直径10mm程度以上の開口部が必要である。このようなインクは、直径5mm程度の開口部からは揺さぶられない限り自然落下はできない。
そこで、前記した通り開口部16から突出した状態のインクに触れている突起部27に、インクに対する接触角が0度に近づくように濡れ性を改善する親水化処理を施すことが好ましい。親水化処理方法としては、60度以上に熱したインクに24時間以上漬ける腐食処理法や、サンドブラスト処理などにより表面を粗くする方法や、表面に微細な溝を形成する方法などがある。インクに対する濡れ性を改善するこれらの親水化処理が施された突起部27によって、インクに働く重力方向の力が、開口部16において働くインクの表面張力などに対して相対的に十分大きくなれば、開口部16がたとえ直径数mm(例えば5〜6mm)程度の大きさであっても、メインタンク3内のインクがサブタンク2に落下することができる。こうして落下したインクに代わり、サブタンク2内の空気が開口部16からメインタンク3内に入り、前記したような気液交換によるインク供給が行われる。なお、突起部27は、インク導入口15の中央に周囲から梁で支えられて固定的に配置されていても、同様な効果を得ることができる。
なお、大気連通孔8および負圧制御手段の構成は、前記した構成に限定されず、様々な変更が可能である。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様の部分については同一の符号を付与し説明を省略する。図6,7には本実施形態の要部である、サブタンク2とメインタンク3の接続部分のみを拡大して示している。
本実施形態のインク供給機構の基本構成は、第1の実施形態と同一である。すなわち、キャリッジを構成する記録ヘッド1とサブタンク2に、メインタンク3が搭載されている。サブタンク2には大気連通孔8が設けられており、大気連通孔8の途中にはインク貯留部11と毛細管部12が設けられている。少なくとも最下部の毛細管部12は常時冠水した状態に保たれ、毛細管部12は、周囲環境が変動した際の負圧制御手段として機能する。
本実施形態のメインタンク3には、連結管(筒状突出部)15が設けられており、その先端部(最下部)にインクや空気の出入口となる開口部16が形成されている。さらに、連結管15の外周部には、先端部、すなわち開口部16から約10mm以上の距離を隔てた位置に形成されている凹溝部18内に、もう1つの開口部29が設けられている。連結管15内には、先端の開口部16を塞ぐ球状の封止部材19が配置されている。また、連結管15の外周部に配置され、凹溝部18に嵌合して保持されているOリング(弾性部材)20の1つが、開口部29を密閉する。開口部29は、Oリング20によって覆われる凹溝部18内の1個所または複数個所に設けられている。また、連結管15の先端には複数の棒状部21が形成されている。
一方、サブタンク2のインク導入部には、連結管15が挿入される筒状の壁部材25と、その近傍において複数の支柱26およびリング部材28によって支えられている突起部(柱状部材)27が設けられている(図4参照)。また、インク導入口24は、模式的に図示されているコイルばねなどのばね部材22で付勢された密閉部材23によって閉鎖可能である。突起部27、リング部材28、および支柱26は、密閉部材23上に設けられている。また、壁部材25の内周には、連結管15が挿入された際に上方のOリング20と係合するひさし部(凸部)30が設けられている。
図7に示すように、メインタンク3がサブタンク2に接続される際には、連結管15がインク導入部に挿入される。すると、棒状部21が密閉部材23に当接してそれを押し込んで、インク導入口24を開放させると同時に、突起部27が連結管15内の封止部材19に当接してそれを押し込んで、開口部16を開放させる。また、上方のOリング20がひさし部30に当接して押し上げられ、凹溝部18から脱出する。これによって、凹溝部18内のもう1つの開口部29が開放される。Oリング20は凹溝部18外にてインク導入部の壁部材25と連結管15に挟みつけられる。
このようにして、サブタンク2の内部とメインタンク3の内部は、Oリング20によって外気から遮断され密閉が保たれた状態で、2つの開口部16,29およびインク導入口24を介して連通し、相互にインクや空気の受け渡しが行われる。
この状態では、開口部16と29の間に存在する液体であるインクに水頭差が生じる。この水頭差に伴う圧力が下方の開口部16に働くインクの表面張力などに打ち勝って、メインタンク3内のインクは開口部16からサブタンク2内へ重力により自由落下する。落下したインクに代わり、サブタンク2内の空気がインク導入口24および開口部29からメインタンク3内に入る。このようにして気液交換が行われ、サブタンク2への迅速なインクの補給が可能になる。
本実施形態では、連結管15の先端の開口部16は十分な大きさを有しているので、水頭差が比較的小さくてもインクの落下に支障はない。もう1つの開口部29は比較的小径であるものの、流入する気体(空気)は液体(インク)に比べて粘性がはるかに小さく(100分の1以下であり)、小さな孔であっても良好に機能する。本実施形態でも、第1の実施形態と同様な効果が得られる。
図8,9には本実施形態の変形例が示されている。この変形例では、連結管15の先端に開口部16が設けられておらず、その代わりに、先端近傍の外周部に凹溝部18が形成されてその凹溝部18内の1個所に開口部31が設けられている。そして、メインタンク3がサブタンク2に装着されていない時には、開口部31は、開口部29と同様に、凹溝部18に嵌合するOリング20によって封止されている。なお、本構成では連結管15の先端に開口部16が設けられていないため、球状の封止部材19が不要であり、それに伴って狭窄部17が形成されていなくてもよい。連結管15の先端には複数の棒状部21が形成されている。
サブタンク2のインク導入部には、連結管15が挿入される筒状の壁部材25が設けられており、インク導入口24は、ばね部材22で付勢された密閉部材23によって閉鎖可能である。本構成では突起部27、リング部材28、および支柱26は設けられていない。
壁部材25の内周には、連結管15が挿入された際に下方のOリング20と係合するひさし部30が設けられている。そしてこのひさし部30の上方に、支持点を中心として揺動可能なシーソー型の揺動部材32が設けられている。この揺動部材32は、図7に示す状態で連結管15の挿入に伴って下方のOリング20を通過させると、Oリング20に押されて揺動し、図9に示すように、上方のOリング20の通過を阻止するように連結管15に向かって内向きに突出した状態になるものである。また、壁部材25の内面には、下方のOリング20がひさし部30に当接して凹溝部18外に脱出したときの位置と対向する位置に、空気が流通可能な微小なバイパス溝33が形成されている。
このような構成において、メインタンク3がサブタンク2に接続される際には、連結管15がインク導入部に挿入される。まず、連結管15の先端部に位置する下方のOリング20がシーソー型の揺動部材32を揺動させながら、連結管15は下方へ進行する。そして、下方のOリング20がひさし部30に当接して押しとどめられて、凹溝部18から脱出し、それによって開口部31が開放される。一方、連結管15の下方への進行に伴って、上方のOリング20が揺動部材32に当接して押しとどめられて、少なくとも部分的に凹溝部18から脱出し、それによって開口部29が開放される。
Oリング20は少なくとも部分的に凹溝部18から脱出して壁部材25と連結管15に挟みつけられる。しかし、下方のOリング20の外側にはバイパス溝33が存在するため、空気の流通は可能である。
このようにして、サブタンク2の内部とメインタンク3の内部は、Oリング20によって外気から遮断され密閉が保たれた状態で、開口部29,31およびインク導入口24を介して連通し、相互にインクや空気の受け渡しが行われる。ただし、下方のOリング20より下の空間と、上方のOリング20と下方のOリング20の間の空間とは、バイパス溝33によって、空気の流通が可能な程度に連通している。
この構成でも、開口部31と29の間に存在する液体であるインクに水頭差が生じる。その水頭差に伴う圧力が、下方の開口部31に働くインクの表面張力などに比べて十分に大きければ、開口部31がたとえ直径数mm程度の大きさであっても、それらの力に打ち勝って、メインタンク3内のインクは開口部31およびインク導入口24からサブタンク2内へ重力により自由落下する。落下したインクに代わり、サブタンク2内の空気が、インク導入口24からバイパス溝33を介して開口部29からメインタンク3内に入る。このようにして気液交換が行われ、サブタンク2への迅速なインクの補給が可能になる。
なお、空気を流通させるバイパス溝33は、サブタンク2の壁部材25の内面でなく、メインタンク3の連結管15の外面に設けられていてもよい。また、図示している例では、開口部31,29はそれぞれ凹溝部18中に1個所(図8,9の右側)に設けられており、その反対側(図8,9の左側)ではOリング20を必ずしも移動させなくてもよいのでそこにはひさし部30や揺動部材32は配置しなくてもよい。しかし、気液交換をより迅速にするために、開口部31,29をそれぞれ複数設けてもよく、それに応じて複数の揺動部材32およびひさし部30を配置してもよい。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、第1〜2の実施形態と同様の部分については同一の符号を付与し説明を省略する。図10〜12には本実施形態の要部である、サブタンク2とメインタンク3の接続部分のみを拡大して示している。
本実施形態のインク供給機構の基本構成は、第1〜2の実施形態と同一である。すなわち、キャリッジを構成する記録ヘッド1およびサブタンク2にメインタンク3が搭載されている。サブタンク2には大気連通孔8が設けられており、大気連通孔8の途中にはインク貯留部11と毛細管部12が設けられている。少なくとも最下部の毛細管部12は常時冠水した状態に保たれ、この毛細管部12は、周囲環境が変動した際の負圧制御手段として機能する。
本実施形態のメインタンク3には、連結管(筒状突出部)15が設けられており、その先端部(最下部)にインクや空気の出入口となる開口部16が形成されている。連結管15の外周部には、凹溝部18に嵌合して保持されているOリング(弾性部材)20が配置されている。連結管15内には段差34が設けられており、先端の開口部16を塞ぐ封止部材35が配置されている。封止部材35は、弾性体からなり、連結管15の先端部側が狭い形状の凹部35aが設けられている。
一方、サブタンク2のインク導入部には、連結管15が挿入される筒状の壁部材25と、壁部材25に囲まれている突起部(柱状部材)36が設けられている。突起部36の先端は、封止部材35の凹部35aに嵌合して係合する凸状の相補形状部36aが形成されている。突起部36は長手方向(図10〜12の上下方向)に実質的に移動不能に固定されている。
図11に示すように、メインタンク3がサブタンク2に接続される際には、連結管15がインク導入部に挿入され、Oリング20が壁部材25と連結管15に挟みつけられる。そして、突起部36が連結管15内の封止部材35に当接してそれをメインタンク3の筐体内まで押し込んで、開口部16を開放させる。この時、突起部36の先端の相補形状部36aが封止部材35の凹部35aに嵌合して係合する。
このようにして、サブタンク2の内部とメインタンク3の内部は、Oリング20によって外気から遮断され密閉が保たれた状態で、開口部16およびインク導入口24を介して連通し、相互にインクや空気の受け渡しが行われる。すなわち、メインタンク3内のインクは、表面張力などに打ち勝って、開口部16からインク導入口24を介してサブタンク2内へ重力により自由落下する。落下したインクに代わり、サブタンク2内の空気がインク導入口24から開口部16を介してメインタンク3内に入る。このようにして気液交換が行われ、サブタンク2への迅速なインクの補給が可能になる。
メインタンク3をサブタンク2から取り外す時には、図示していないレバー等の操作部材を操作して、メインタンク3を上昇させる。しかし、相補形状部36aと凹部35aが嵌合し係合しているため、突起部36の先端に保持された封止部材35は突起部36から離れられず、連結管15の内部に入り込む。この時、図12に示すように、封止部材35は連結管15の内壁の段差34を乗り越えられずに停止する。そこでさらにメインタンク3が上昇するため、突起部36の先端の相補形状部36aは、封止部材35を弾性変形させて凹部35aから抜け出す。こうして、メインタンク3がサブタンク2から取り外される。
メインタンク3の封止部材35は、未使用の新品状態では圧縮状態で、図10に示すように連結管15の先端(段差34よりも先端側)に保持されて、内部のインクが漏れないように封止する。そして、メインタンク3がサブタンク2に装着される時に、図11に示すように、封止部材35は突起部36に押し込まれて段差34を乗り越えて連結管15の奥の筐体内に移動する。この時、相補形状部36aと凹部35aの係合によって、封止部材35はメインタンク3の筐体の奥に入り込み過ぎずに保持される。それから、メインタンク3がサブタンク2から取り外されるときには、封止部材35は突起部36に引っ張られて連結管15の先端方向に移動しようとするが、図12に示すように段差34を乗り越えられずに停止し、最終的には突起部36のみが連結管15の外に引き出される。段差34に接して停止した封止部材35が連結管15の途中で封止しているため、内部のインクの漏れが防げる。
なお、メインタンク3の未使用の新品状態では、封止部材35は圧縮状態で連結管15内に圧入されており、メインタンク3のサブタンク2への接続に伴ってメインタンク3の筐体内まで押し込まれた時点で、封止部材35の圧縮が解除されて自然状態に復帰するように膨張する。その場合、一旦膨張した封止部材35は、段差34を乗り越えることができなくなる。
段差34を設ける代わりに、図示しないが連結管15の内壁を先端側に向かって狭くなるように傾斜させてもいてもよく、前記した段差34と傾斜とが併用されていてもよい。連結管15の内径は、先端側が小径で奥が大径である2段階の構成になっていてもよい。または、段差34が、封止部材35が連結管15の先端から奥に向かうときには乗り越えることができ、連結管15の奥から先端に向かうときには乗り越えられないような形状に形成されていてもよい。いずれにしても、一旦奥に押し込まれた封止部材35が連結管15の先端から外に引き出されることがないように構成されることによって、前記したインク漏れの効果を得ることができる。
本実施形態では、メインタンク3を製造した後に輸送時や保管時に遭遇し得る気圧や温度の幅広い変化に対して、封止部材35によって強固な密閉状態を維持できるため、インク漏れ等に対する信頼性が高い。そして、このメインタンク3を一旦装着した後に、メインタンク3をサブタンク2から取り外す場合には、段差34に停止させられる封止部材35によってインク漏れが防止される。この構成によると、メインタンク3を比較的小さい力でサブタンク2に対して脱着できる。それによって、コイルばねなどの部材を用いることなく、封止部材35により開口部16を容易に開閉できる。ばね部材等として金属製品を用いる必要がないので、部品点数の削減ができ、金属イオンの問題が回避できる。
なお、本実施形態において、第1,2の実施形態と同様にサブタンク2のインク導入口24を塞ぐための密閉部材23およびばね部材22を設け、サブタンク2からのインク漏れを防ぐ構成にしてもよい。その場合、メインタンク3の連結管15の先端には、サブタンク2への装着時に密閉部材23に当接して押し込んでインク導入口24を開くための棒状部21が設けられる。また、突起部36は密閉部材23上に設けられる。なお、これらの構成は、第1,2の実施形態と同様な構成であってよい。
本発明の第1の実施形態の全体を示す概略断面図である。 図1に示す大気連通孔の要部を示す拡大側面断面図である。 図1に示すメインタンクとサブタンクの接続前の状態を示す要部拡大断面図である。 図1に示すサブタンクの突起部およびリング部材を示す拡大平面図である。 図1に示すメインタンクとサブタンクの接続状態を示す要部拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態のメインタンクとサブタンクの接続前の状態を示す要部拡大断面図である。 図6に示すメインタンクとサブタンクの接続状態を示す要部拡大断面図である。 本発明の第3の実施形態のメインタンクとサブタンクの接続前の状態を示す要部拡大断面図である。 図8に示すメインタンクとサブタンクの接続状態を示す要部拡大断面図である。 本発明の第3の実施形態のメインタンクとサブタンクの接続前の状態を示す要部拡大断面図である。 図10に示すメインタンクとサブタンクの接続状態を示す要部拡大断面図である。 図10に示すメインタンクとサブタンクの接続解除動作中の状態を示す要部拡大断面図である。 第1の従来例の全体を示す概略断面図である。 第2の従来例の全体を示す概略断面図である。 第3の従来例の全体を示す概略断面図である。 第4の従来例の全体を示す概略断面図である。 図16に示すメインタンクの要部を示す拡大断面図である。
符号の説明
1 記録ヘッド
1a ノズル
2 サブタンク
3 メインタンク
4 フィルタ
5 インク通路
7 インク残量検出部材
8 大気連通孔
9 内側開口部
10 大気側開口部
11 インク貯留部
12 毛細管部
13 分岐開口部
14a 最高水位
14b 最低水位
15 連結管(筒状突出部)
16 開口部
17 狭窄部
18 凹溝部
19 封止部材
20 Oリング(弾性部材)
21 棒状部
22 ばね部材
23 密閉部材
24 インク導入口
25 壁部材
26 支柱
27 突起部(柱状部材)
28 リング部材
29 第2の開口部
30 ひさし部(凸部)
31 第1の開口部
32 シーソー型の揺動部材
33 バイパス溝
34 段差
35 封止部材
35a 凹部
36 突起部(柱状部材)
36a 相補形状部

Claims (23)

  1. 内部にインクを自由状態で貯留し、記録ヘッドを搭載するキャリッジに着脱可能に構成されているインク収納容器において、
    先端部に開口部を有する筒状突出部と、前記開口部を封止可能であり、かつその封止位置から移動可能な封止部材と、前記筒状突出部の周囲に配置されている円環状の弾性部材とを有し、
    前記キャリッジへの装着時に、前記弾性部材によって外部に対して遮断しつつ、前記封止部材が前記封止位置から非封止位置に移動させられて、前記開口部が前記キャリッジに配置されているサブタンクに連通させられることを特徴とするインク収納容器。
  2. 前記弾性部材は複数個設けられている請求項1に記載のインク収納容器。
  3. 前記弾性部材はOリングである請求項1または2に記載のインク収納容器。
  4. 前記封止部材は球形であり、前記筒状突出部内に配置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク収納容器。
  5. 前記筒状突出部の内部には、前記封止部材の前記インク収納容器の筐体内への進入を阻止する狭窄部が設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク収納容器。
  6. 前記筒状突出部の前記開口部の前方に延びる棒状部を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク収納容器。
  7. ブロー成形によって一体形成され、前記筒状突出部の先端には、前記封止部材が圧入されることによって封止され得る前記開口部が形成され、前記筒状突出部の周囲には前記弾性部材を配置するための凹溝部が形成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のインク収納容器。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のインク収納容器と、
    前記筒状突出部が挿入可能な筒状の壁部材と、前記壁部材に囲まれている柱状部材とを有し、前記インク収納容器の前記キャリッジへの装着時に、前記壁部材が前記弾性部材を挟み付けながら前記筒状突出部の外周部を挿入させるとともに、前記柱状部材が前記封止部材に当接して前記封止部材を前記封止位置から非封止位置に移動させて、前記開口部を前記キャリッジに配置されているサブタンクに連通させるインク導入部とを有するインク供給機構。
  9. 前記インク導入部の前記柱状部材は、前記インク収納容器の前記キャリッジへの装着時に、先端が前記開口部の内部に入って前記封止部材を押し込んで前記筒状突出部内にインクの通路を確保する請求項8に記載のインク供給機構。
  10. 前記柱状部材にはインクに対する接触角を小さくする処理が施されている請求項8または9に記載のインク供給機構。
  11. 前記インク導入部には、ばね部材で付勢されてインク導入口を封止する密閉部材が設けられており、前記柱状部材は前記密閉部材上に設けられている請求項8〜10のいずれか1項に記載のインク供給機構。
  12. 前記筒状突出部の外周部には、先端の前記開口部から離れた位置に第2の開口部が設けられており、前記弾性部材が前記第2の開口部を封止可能であり、前記キャリッジへの装着時に前記弾性部材が前記第2の開口部の封止位置から非封止位置に移動させられる請求項1〜7のいずれか1項に記載のインク収納容器。
  13. 前記筒状突出体には前記弾性部材を保持する凹溝部が形成されており、前記第2の開口部は前記凹溝部内に形成されている請求項12に記載のインク収納容器。
  14. 請求項12または13に記載のインク収納容器と、
    前記筒状突出部が挿入可能な筒状の壁部材と、前記壁部材に囲まれている柱状部材とを有し、前記インク収納容器の前記キャリッジへの装着時に、前記壁部材が前記弾性部材を挟み付けながら前記筒状突出部の外周部を挿入させるとともに、前記柱状部材が前記封止部材に当接して前記封止部材を前記封止位置から非封止位置に移動させて、前記開口部を前記キャリッジに配置されているサブタンクに連通させるインク導入部とを有し、
    前記インク導入部には、前記インク収納容器の前記キャリッジへの装着時に前記弾性部材に当接して前記弾性部材を前記第2の開口部の封止位置から非封止位置に移動させる当接部材が設けられているインク供給機構。
  15. 筒状突出部を有し、内部にインクを自由状態で貯留し、記録ヘッドを搭載するキャリッジに着脱可能に構成されているインク収納容器において、
    前記筒状突出部の外周部には、先端部近傍の少なくとも1つの第1の開口部と、前記インク収納容器の前記キャリッジへの装着時に前記先端部近傍の前記第1の開口部よりも上方に位置する少なくとも1つの第2の開口部がそれぞれ形成されており、前記第1の開口部と前記第2の開口部をそれぞれ封止可能な2つの円環状の弾性部材が嵌合されており、
    前記キャリッジへの装着時に、前記弾性部材が封止位置から非封止位置に移動させられて、前記第1および第2の開口部が前記キャリッジに配置されているサブタンクに連通させられることを特徴とするインク収納容器。
  16. 前記筒状突出体には前記弾性部材を保持する2つの凹溝部が形成されており、前記第1の開口部および前記第2の開口部はそれぞれ前記凹溝部内に形成されている請求項15に記載のインク収納容器。
  17. 前記キャリッジへの装着時に第1の弾性部材が封止位置から非封止位置に移動した際に、前記第1の弾性部材に遮断されずに空気の通過を可能にするバイパス溝を有する請求項15または16に記載のインク収納容器。
  18. 請求項15または16に記載のインク収納容器と、
    前記筒状突出部が挿入可能な筒状の壁部材と、前記インク収納容器の前記キャリッジへの装着時に前記弾性部材に当接する当接部材とを有し、前記インク収納容器の前記キャリッジへの装着時に、前記壁部材が前記弾性部材を挟み付けながら前記筒状突出部の外周部を挿入させるとともに、前記当接部材が前記弾性部材に当接して前記弾性部材を封止位置から非封止位置に移動させて、前記第1および第2の開口部を前記キャリッジに配置されているサブタンクに連通させるインク導入部とを有するインク供給機構。
  19. 前記当接部材は、前記インク収納容器の前記キャリッジへの装着時に、前記第1の開口部を封止する第1の弾性部材に当接して前記第1の弾性部材を封止位置から非封止位置に移動させる凸部と、前記第1の弾性部材を通過させた後に、前記第2の開口部を封止する前記第2の弾性部材に当接して前記第2の弾性部材を封止位置から非封止位置に移動させるシーソー型の揺動部材とからなる請求項18に記載のインク供給機構。
  20. 前記インク収納容器の前記キャリッジへの装着時に前記第1の弾性部材が封止位置から非封止位置に移動した際に、前記第1の弾性部材に遮断されずに空気の通過を可能にするバイパス溝を有する請求項18または19に記載のインク供給機構。
  21. 前記筒状突出部は、先端側の内径が小さくなるように形成されており、前記封止部材には、前記筒状突出部の先端側が小さくなっている凹部が形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク収納容器。
  22. 前記筒状突出部の内径は2段階に構成されており、先端側が小径である請求項21に記載のインク収納容器。
  23. 請求項21または22に記載のインク収納容器と、
    前記筒状突出部が挿入可能な筒状の壁部材と、前記壁部材に囲まれている柱状部材とを有し、前記インク収納容器の前記キャリッジへの装着時に、前記壁部材が前記弾性部材を挟み付けながら前記筒状突出部の外周部を挿入させるとともに、前記柱状部材が前記封止部材に当接して前記封止部材を封止位置から非封止位置に移動させて、前記開口部を前記キャリッジに配置されているサブタンクに連通させるインク導入部とを有し、
    前記柱状部材には、前記インク収納容器の前記キャリッジへの装着時に前記凹部に嵌合して係合する相補形状部が形成されているインク供給機構。
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