JP6405886B2 - 液体消費装置 - Google Patents

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本発明は、粘度が経時的に変化し得る液体を消費する液体消費装置に関する。
従来より、インク容器に貯留されたインクをノズルから吐出することによって、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置が知られている。上記構成のインクジェット記録装置において、インク容器内のインクの粘度が変化すると、ノズルに目詰まりが生じたり、画像記録品質に影響を及ぼす可能性がある。
そこで、例えば、特許文献1には、インク容器内のインク粘度を計算し、計算結果に応じて最適な予備吐出動作を行わせるインクジェット記録装置が開示されている。具体的には、特許文献1に記載のインクジェット記録装置は、当該インク容器がインクジェット記録装置に装着されてからの経過時間と、インク容器内のインク残量とに基づいて、インクの粘度を計算している。
特開平09−277560号公報
しかしながら、インク容器内のインクの粘度の変化は、インク容器内のインクの種類、インク容器の置かれた環境の温度等によって大きくばらつく可能性がある。また、特許文献1の構成では、インクジェット記録装置に装着されることなく放置されていたインク容器内のインクの粘度を計算することはできない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、貯留室内の液体の粘度をより直接的に推定可能な液体消費装置を提供することにある。
本発明における液体消費装置は、液体が貯留された貯留室、上記貯留室に貯留された液体を流出させる液体供給口、被検出部を有し且つ上記貯留室の内部において移動可能な被検出子、及び上記被検出子を上記貯留室の内部で拘束する拘束部材を有する液体容器と、上記液体供給口を通じて上記液体容器から流出された液体を消費する液体消費部と、上記拘束部材による上記被検出子の拘束を解除する拘束解除部と、上記拘束解除部によって拘束が解除された上記被検出子の移動経路上の検出位置に対面して設けられており、上記検出位置における上記被検出部の有無に応じた検出信号を出力する検出部と、制御部とを備える。そして、上記制御部は、上記検出部から出力された検出信号に基づいて、上記被検出子の移動速度を特定し得る物理量を計測する計測手段と、上記計測手段によって計測された上記物理量が閾値範囲に含まれるか否かを判断する判断手段とを含む。
貯留室内の液中を移動する被検出子は、液体から粘性抵抗および慣性抵抗を受けるので、被検出子の移動速度は、貯留室内の液体の粘度によって大きく変動する。そこで、上記構成のように、被検出子の移動速度を特定し得る物理量を実際に計測することにより、貯留室内の液体の粘度をより直接的に推定することができる。なお、本明細書中の「閾値範囲」は、上限値及び下限値の両方が特定されている必要は必ずしも必要でなく、上限値及び下限値の少なくとも一方が特定されていればよい。例えば、上限値のみが特定されてい
る閾値範囲は、上限値以下の全ての値を含む。同様に、下限値のみが特定されている閾値範囲は、下限値以下の全ての値を含む。
本発明によれば、拘束が解除された被検出子の移動速度を特定し得る物理量を実際に計測することにより、貯留室内の液体の粘度をより直接的に推定することができる液体消費装置を得ることができる。
図1は、実施形態に係るカートリッジ装着部110を備えたプリンタ10の内部構造を模式的に示す模式断面図である。 図2は、カートリッジ装着部110のケース101の奥面の構造を示す部分斜視図である。 図3は、インクカートリッジ30の外観構成を示す斜視図であって、(A)はフレーム31にフィルム44が溶着された状態を示し、(B)はフレーム31とフィルム44との分解斜視図である。 図4は、プリンタ10の機能ブロック図である。 図5は、実施形態に係るインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図であって、(A)はインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される過程、(B)はカートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了し且つ被検出子70の上端が検出位置に位置する状態、(C)はカートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了し且つ被検出子70の下端が検出位置を通過した状態を示す。 図6は、実施形態に係るインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図であって、(A)は被検出子70が移動経路の上端に位置する状態、(B)はインクカートリッジ30のニアエンプティ状態、(C)はインクカートリッジ30のエンプティ状態を示す。 図7は、カートリッジ装着部110のカバーが開放され且つセンサ103からハイレベル信号が出力されていることを条件として、制御部130によって実行される処理のフローチャートである。 図8は、図7に示される処理が終了し且つカートリッジ装着部110のカバーが閉鎖されていることを条件として、制御部130によって実行される処理のフローチャートである。 図9は、変形例1に係るインクカートリッジ30の断面図である。 図10は、変形例2に係るインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図であって、(A)はインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される過程、(B)はカートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態を示す。 図11は、変形例3に係るインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図であって、(A)はインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される前の状態、(B)はカートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態を示す。 図12は、変形例4に係るインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図であって、(A)はスリットが検出位置に位置している状態、(B)は被検出部が検出位置に位置している状態を示す。 図13は、変形例5に係るインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図であって、(A)はインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される過程、(B)はカートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了し且つ被検出子70の下端が検出位置に位置する状態、(C)はカートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了し且つ被検出子70の上端が検出位置を通過した状態を示す。 図14は、変形例6に係るインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図であって、(A)はインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される過程、(B)はカートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態を示す。 図15は、変形例7に係るインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図であって、(A)はインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される過程、(B)はカートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了し且つ被検出子70が検出位置に位置する状態、(C)はカートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了し且つ被検出子70が検出位置を通過した後の状態を示す。 図16は、変形例8に係るインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図であって、(A)はインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される過程、(B)はカートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了し且つ被検出子70が移動経路の上端に位置する状態、(C)はカートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了し且つ被検出子70が移動経路の下端に戻ってきた状態を示す。 図17は、変形例9に係るサブタンク28の断面図であって、(A)は電磁石140に電流を供給する前の状態、(B)は電磁石140に電流を供給した後の状態を示す。 図18は、変形例10に係るインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図であって、(A)はラックギヤ42Aとピニオンギヤ115とが噛合する前の状態、(B)はラックギヤ42Aとピニオンギヤ115とが噛合した後の状態を示す。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
[プリンタ10の概要]
図1に示されるように、プリンタ10は、インクジェット記録方式に基づいて、記録用紙に対してインク滴を選択的に吐出することにより画像を記録するものである。プリンタ10(液体消費装置の一例)は、記録ヘッド21(液体消費部の一例)と、インク供給装置100と、記録ヘッド21及びインク供給装置100を接続するインクチューブ20とを備えている。インク供給装置100には、カートリッジ装着部110(装着部の一例)が設けられている。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30(液体容器の一例)が装着され得る。カートリッジ装着部110には、その一面に開口112が設けられている。インクカートリッジ30は、開口112を通じてカートリッジ装着部110に挿入向き56に挿入され、或いはカートリッジ装着部110から脱抜向き55に抜き出される。
インクカートリッジ30には、プリンタ10で使用可能なインク(液体の一例)が貯留されている。カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とは、インクチューブ20で接続されている。記録ヘッド21にはサブタンク28が設けられている。サブタンク28は、インクチューブ20を通じて供給されるインクを一時的に貯留する。記録ヘッド21は、インクジェット記録方式によって、サブタンク28から供給されたインクをノズル29から選択的に吐出する。具体的には、記録ヘッド21に設けられたヘッド制御基板21Aから各ノズル29に対応して設けられたピエゾ素子29A(アクチュエータの一例)に選択
的に駆動電圧が印加される。これにより、ノズル29から選択的にインクが吐出される。
給紙トレイ15から給紙ローラ23によって搬送路24へ給送された記録用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する記録用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、記録用紙に画像が記録される。プラテン26を通過した記録用紙は、排出ローラ対27によって、搬送路24の最下流側に設けられた排紙トレイ16に排出される。
[インク供給装置100]
インク供給装置100は、図1に示されるように、プリンタ10に設けられている。インク供給装置100は、プリンタ10が備える記録ヘッド21にインクを供給するものである。インク供給装置100は、インクカートリッジ30を装着可能なカートリッジ装着部110を備えている。カートリッジ装着部110は、ケース101と、インクニードル102(液体抽出管の一例)と、センサ103(検出部の一例)と、装着センサ107(装着検出部の一例)とを備えている。なお、図1においては、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態が示されている。カートリッジ装着部110には、図2に示されるように、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する4つのインクカートリッジ30が収容可能である。また、インクニードル102、センサ103、及び装着センサ107は、4つのインクカートリッジ30それぞれに対応して、4つずつ設けられている。
ケース101には、開口112が形成されている。また、ケース101は、開口112とは反対側に位置する奥面を備えている。インクニードル102は、図1及び図2に示されるように、ケース101の奥面から脱抜向き55に突出している。インクニードル102は、ケース101の奥面において、インクカートリッジ30のインク供給部60に対面し得る位置に配置されている。インクニードル102は、内部に液体流路が形成された管状の樹脂針であって、その突出端側に開口が設けられており、基端側にインクチューブ20が接続されている。インクニードル102は、インクカートリッジ30の開口61を通じてインク供給部60に進入し、拘束部材80を脱抜向き55に移動させて、開口61を開放させる。これにより、インク室36内のインクは、インク供給部60の内部空間を通じてインクニードル102に接続されたインクチューブ20に流出される。
プリンタ10は、カートリッジ装着部110の開口112を被覆或いは露出させる不図示のカバーを備えている。当該カバーは、ケース101によって開閉可能に支持されている、若しくはプリンタ10の筐体(不図示)によって開閉可能に支持されている。カバーが開いている場合の開口112は、プリンタ10の外部に対して露出されている。この状態において、ユーザは、開口112を通じてカートリッジ装着部110にインクカートリッジ30を挿入することが可能、或いはカートリッジ装着部110からインクカートリッジ30を抜き出すことが可能となる。一方、カバーが閉じている場合の開口112は、プリンタ10の外部に対して覆われている。この状態においては、インクカートリッジ30をカートリッジ装着部110に対して挿抜することができない。
なお、本明細書中において、「カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30」とは、少なくとも一部がカートリッジ装着部110内(より具体的には、ケース101内)に位置しているインクカートリッジ30を意味する。したがって、カートリッジ装着部110に挿入されている過程のインクカートリッジ30も、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30である。一方、本明細書中において、「カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了」した状態とは、少なくともインクカートリッジ30から記録ヘッド21にインクを供給可能な状態であって、例えば、カートリッジ装着部110に対してインクカートリッジ30が移動しないように
ロックされている状態や、開口112に対して開閉するカバーが閉じられている状態のカートリッジ装着部110内にインクカートリッジ30が位置している状態等、プリンタ10による画像記録が可能となるインクカートリッジ30の状態を意味する。
[センサ103]
センサ103は、図2に示されるように、インクニードル102より鉛直方向の上方において、ケース101の奥面から脱抜向き55に突出している。センサ103は、幅方向51に対向して配置された発光部104及び受光部105を備える。カートリッジ装着部110への装着が完了したインクカートリッジ30は、発光部104及び受光部105の間に配置される。換言すれば、発光部104及び受光部105は、カートリッジ装着部110への装着が完了したインクカートリッジ30を挟んで対向配置されている。
インクカートリッジ30の内部空間のうち、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了したときに発光部104及び受光部105を結ぶ仮想線と重なる位置を、検出位置と定義する。すなわち、検出位置とは、発光部104から受光部105に至る光路と重なる位置となる。換言すれば、センサ103は、検出位置に対面して設けられていることとなる。なお、本実施形態におけるセンサ103は、カートリッジ装着部110への装着が完了したインクカートリッジ30に対面する位置に配置されている。しかしながら、センサ103の位置はこれに限定されない。例えば、センサ103は、カートリッジ装着部110に装着される過程のインクカートリッジ30に対面する位置に配置されていてもよい。すなわち、センサ103は、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30に対面する位置に配置されていればよい。
センサ103は、発光部104から出力された光が受光部105で受光されたか否かに応じて異なる検出信号を出力する。例えば、センサ103は、発光部104から出力された光が受光部105で受光できない(すなわち、受光強度が所定の強度未満である)ことを条件として、ローレベル信号(「信号レベルが閾値レベル未満の信号」を指す。)を出力する。一方、センサ103は、発光部104から出力された光が受光部105で受光できた(すなわち、受光強度が所定の強度以上である)ことを条件として、ハイレベル信号(「信号レベルが閾値レベル以上の信号」を指す。)を出力する。なお、本実施形態における発光部104は、染料インクを透過する赤外光を出力する。なお、発光部104が発する光は赤外光に限定されず、例えば可視光や紫外光を含むものであってもよい。
[装着センサ107]
カートリッジ装着部110は、ケース101の奥面に装着センサ107を備えている。装着センサ107は、カートリッジ装着部110内におけるインクカートリッジ30の挿入経路上の装着検出位置に配置されている。そして、装着センサ107は、装着検出位置におけるインクカートリッジ30の有無に応じた検出信号を制御部130に出力する。本実施形態においては、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了したときのインクカートリッジ30が装着検出位置に位置するように、装着センサ107が配置されている。なお、実施形態に係る装着センサ107は、インクカートリッジ30の前壁40に押圧されることによって、当該インクカートリッジ30が装着されたことを示す検出信号を出力する機械式のセンサであるが、装着センサ107の具体例はこれに限定されず、光学式センサ等であってもよい。
[インクカートリッジ30]
インクカートリッジ30は、図3に示されるように、内部にインク室36(貯留室の一例)を有するフレーム31と、フレーム31に突設されたインク供給部60とを有する。このインクカートリッジ30は、インク室36に貯留されたインクをインク供給部60を通じて外部に供給する。インクカートリッジ30は、図3に示された起立状態、つまり、
同図の下側の面を底面とし、同図の上側の面を上面として、カートリッジ装着部110に対して挿抜方向50に沿って挿抜される。本実施形態では、挿抜方向50は水平方向である。また、起立状態におけるインクカートリッジ30の幅方向51及び奥行き方向53もそれぞれ水平方向である。また、起立状態におけるインクカートリッジ30の高さ方向52は重力方向(鉛直方向)である。脱抜向き55及び挿入向き56は、各々が挿抜方向50に沿う向きであり、且つ互いに反対の向きである。また、挿抜方向50は、奥行き方向53に一致する。
フレーム31は、図3(A)に示されるように、外形が概ね直方体であり、幅方向(左右方向)51に細く、高さ方向(上下方向)52及び奥行き方向(前後方向)53の寸法が幅方向51の寸法よりも大きい扁平形状である。フレーム31は、図3(B)に示されるように、奥行き方向53から平面視したときに少なくとも部分的に重なり合う前壁40及び後壁41と、高さ方向52から平面視したときに少なくとも部分的に重なり合う上壁39及び下壁42と、幅方向51の一方側(図3(B)の例では、前壁40側からフレーム31を平面視したときの右側)に配置された右壁38とで構成されている。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着されるときに前方側となる(換言すれば、挿入向き56を向く)のが前壁40であり、後方側となる(換言すれば、脱抜向き55を向く)のが後壁41である。すなわち、後壁41は、前壁40から脱抜向き55に離間している。
上壁39は、右壁38、前壁40、及び後壁41の上端同士を接続する。下壁42は、右壁38、前壁40、及び後壁41の下端同士を接続する。右壁38は、上壁39、前壁40、後壁41、及び下壁42の右端同士を接続する。一方、フレーム31の幅方向51の他方側(図3(B)の例では、前壁40側からフレーム31を平面視したときの左側)は、開放されている。また、右壁38の内面には、幅方向51に突設され且つ高さ方向52に延設された区画壁43が設けられている。区画壁43は、前壁40から奥行き方向53に離間した位置において、前壁40と概ね平行に配置されている。また、フレーム31を構成する各壁は、センサ103の発光部104から出力される光を透過させる。
フレーム31は、図3(B)に示されるように、幅方向51の左側の面が開放されている。そして、開放されたフレーム31の面は、フィルム44によって封止される。フィルム44の外形は、幅方向51から平面視した場合のフレーム31の外形と概ね一致する。フィルム44は、フレーム31の幅方向51の他方側に配置されて、幅方向51におけるインク室36の左壁37を構成する。フィルム44は、上壁39、前壁40、後壁41、及び下壁42の左端面に熱溶着される。これにより、右壁38、上壁39、前壁40、後壁41、下壁42、及びフィルム44で区画されたインク室36にインクが貯留可能となる。フィルム44は、センサ103の発光部104から出力される光を透過させる。また、フィルム44は、外側から不図示のカバーによって覆われていても良い。当該カバーは、センサ103の発光部104から出力される光を透過させる。
インク供給部60は、図1及び図3に示されるように、フレーム31の前壁40から挿入向き56に突出する円筒部である。インク供給部60の先端には、開口61(液体供給口の一例)が設けられている。インク供給部60の内部空間は、開口61を通じてインクカートリッジ30の外部と連通可能である。また、インク供給部60の内部空間は、その基端側においてフレーム31の内部空間(すなわち、インク室36)に連通されている。すなわち、インク室36は、インク供給部60を通じてインクカートリッジ30の外部に連通される。但し、カートリッジ装着部110に装着される前のインク供給部60の開口61は、後述する閉塞部82によって閉塞されている。なお、本実施形態において、前壁40に開口61が設けられているとは、前壁40を貫通するように開口61が形成されている場合の他、前壁40から挿入向き56にインク供給部60が突出しており、その先端
に開口61が形成されている場合、或いは前壁40から脱抜向き55に突出部が突出しており、その先端に開口61が形成されている場合も含む。
さらに、フレーム31の内部には、被検出子70と、拘束部材80と、コイルバネ49(付勢部材の一例)とが収容されている。また、図示は省略されているが、インクカートリッジ30には、インク室36内に大気を取り込むための大気連通口が形成されていてもよい。
[被検出子70]
被検出子70は、インク室36に貯留されたインクより比重が小さい、所謂フロートである。被検出子70は、拘束部材80による拘束が解除されたことによって、浮力によってインク室36内を鉛直上方に移動する。より具体的には、被検出子70は、右壁38、前壁40、区画壁43、及びフィルム44によって囲まれる空間内(移動経路の一例)を移動する。そして、前述の検出位置は、この移動経路の途中に設けられている。また、被検出子70には、発光部104から出力された光を透過させない被検出部が設けられている。本実施形態では、被検出子70の全体が被検出部となっている。さらに、被検出子70の脱抜向き55を向く壁面には、凹部71が設けられている。
[拘束部材80]
拘束部材80は、インク室36の内部で被検出子70を拘束する拘束部81と、インク供給部60の開口61を閉塞する閉塞部82と、拘束部81及び閉塞部82を連結する連結部83とで構成されている。拘束部材80は、インク室36の内部において、図5(A)に示される第1位置と、図5(B)に示される第2位置との間を移動することができる。なお、第2位置は、第1位置から後壁41側に離間した位置である。
拘束部81は、奥行き方向53に延びる連結部83の後端から上方に突設されている。また、拘束部81の挿入向き56を向く壁面には、凸部84が設けられている。拘束部材80が第1位置に位置している場合において、拘束部81は、凸部84が被検出子70の凹部71に係合することによって、被検出子70を拘束する。但し、拘束部81は、被検出子70が全く移動できない状態にする必要はなく、検出位置に到達できない範囲で移動可能に拘束してもよい。一方、拘束部材80が第2位置に位置している場合において、拘束部81は、凸部84が凹部71から離間することによって、被検出子70の拘束を解除する。なお、本実施形態における拘束部81は、検出位置よりも鉛直方向の下方において、被検出子70を拘束する。
閉塞部82は、連結部83の前端から下方に突設されている。閉塞部82の挿入向き56を向く壁面は、インク供給部60の開口61と奥行き方向53において対面している。拘束部材80が第1位置に位置している場合において、閉塞部82は、開口61の周縁に密着することによって、開口61を閉塞させる。一方、拘束部材80が第2位置に位置している場合において、閉塞部82は、開口61の周縁から離間することによって、開口61を開放する。
コイルバネ49は、インク室36の内部において、一端がインク室36の挿入向き56を向く内面に当接され、他端が閉塞部82の脱抜向き55を向く壁面に当接されている。そして、コイルバネ49は、閉塞部82を挿入向き56に付勢する。すなわち、拘束部材80は、コイルバネ49によって第1位置ヘ向けて付勢されている。但し、コイルバネ49は付勢部材の一例(後述する他のコイルバネについても同様)であって、板バネや樹脂バネ等であってもよい。
[制御部130]
プリンタ10は、さらに制御部130を備える。制御部130は、図4に示されるように、CPU131、ROM132、RAM133、EEPROM134、及びASIC135を備えており、これらは内部バス137によって接続されている。ROM132には、CPU131が各種動作を制御するためのプログラムなどが格納されている。RAM133は、CPU131が上記プログラムを実行する際に用いるデータや信号等を一時的に記録する記憶領域、或いはデータ処理の作業領域として使用される。EEPROM134には、電源オフ後も保持すべき設定やフラグ等が格納される。なお、CPU131、ROM132、RAM133、EEPROM134、及びASIC135は、その一部又は全部が1つのICチップで構成されていてもよいし、複数のICチップに分かれて構成されていてもよい。
制御部130は、モータ(不図示)を駆動させることによって、給紙ローラ23、搬送ローラ対25、及び排出ローラ対27を回転させる。また、制御部130は、記録ヘッド21を制御することによって、ノズル29にインクを吐出させる。具体的には、制御部130は、ピエゾ素子29Aに印加する駆動電圧の大きさを示す制御信号をヘッド制御基板21Aに出力する。ヘッド制御基板21Aは、制御部130から取得した制御信号に示される大きさの駆動電圧を、各ノズル29に設けられたピエゾ素子29Aに印加することによって、当該ノズル29にインクを吐出させる。さらに、制御部130は、プリンタ10やインクカートリッジ30に関する情報や各種メッセージを表示部109に表示させる。
さらに、制御部130は、センサ103から出力された検出信号と、温度センサ106(温度検出部の一例)から出力される信号と、装着センサ107から出力された検出信号と、カバーセンサ108から出力された信号とを取得する。温度センサ106は、温度に応じた信号を出力するものである。温度センサ106による温度の測定位置は特に限定されないが、例えば、カートリッジ装着部110の内部であってもよいし、プリンタ10の表面であってもよい。カバーセンサ108は、カートリッジ装着部110の開口112に対して開閉するカバーが開いているときと、閉まっているときとで異なる信号を出力するものである。
[制御部130の動作]
カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の挿入は、カートリッジ装着部110の開口112に対して開閉するカバーが開かれてから開始される。図5(A)に示されるように、カートリッジ装着部110に挿入される過程のインクカートリッジ30の拘束部材80は、第1位置に配置されている。すなわち、拘束部81によって被検出子70が拘束され、閉塞部82によってインク供給部60の開口61が閉塞されている。また、この状態において、センサ103は、ハイレベル信号を制御部130に出力している。
次に、図5(B)に示されるように、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110にさらに挿入されることにより、開口61を通じてインク供給部60内に進入したインクニードル102は、コイルバネ49の付勢力に抗して拘束部81を脱抜向き55に押圧する。これにより、拘束部材80は、第1位置から第2位置へ移動する。その結果、被検出子70の拘束が解除されると共に、開口61が開放される。カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了すると、インクカートリッジ30の前壁40は、装着センサ107を押圧する。これにより、装着センサ107は、インクカートリッジ30が装着検出位置にあることを示す検出信号を制御部130に出力する。なお、カートリッジ装着部110への装着が完了したインクカートリッジ30は、不図示のロック機構により、カートリッジ装着部110に対して移動しないようにロックされてもよい。
拘束部81による拘束が解除された被検出子70は、前壁40及び区画壁43の間を鉛直上方に移動する。そして、図5(B)に示されるように、被検出子70の上端が検出位
置に到達したことを条件として、センサ103から出力される検出信号は、ハイレベル信号からローレベル信号に切り替わる。次に、図5(C)に示されるように、さらに上方に移動した被検出子70の下端が検出位置を通過したことを条件として、センサ103から出力される検出信号は、ローレベル信号からハイレベル信号に再び切り替わる。そして、被検出子70は、例えば図6(A)に示されるように、上壁39の内壁面に近接する位置で停止する。
カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了したと判断したユーザは、カートリッジ装着部110の開口112に対して開閉するカバーを閉じる。なお、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に完全に装着されていなかったとしても、閉じられたカバーがインクカートリッジ30に当接し、当該インクカートリッジ30を挿入向き56に移動させる。これにより、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了する。
制御部130は、カートリッジ装着部110の開口112に対して開閉するカバーが開いていることを示す信号をカバーセンサ108から取得し、且つセンサ103からハイレベル信号を取得したことを条件として、図7に示される処理を開始する。すなわち、図7に示される処理は、例えば、後述するエンプティ状態のインクカートリッジ30をカートリッジ装着部110から抜き出すために、カートリッジ装着部110のカバーを開放したタイミングで実行される。
制御部130は、まず、判断完了フラグをリセット(すなわち、”OFF”を設定)する(S1)。判断完了フラグは、後述する通過時間の判断(S9)が行われたか否かを示すフラグであって、既に通過時間の判断が行われた場合に”ON”が設定され、未だ通過時間の判断が行われていない場合に”OFF”が設定される。すなわち、判断完了フラグは、インクカートリッジ30毎に設定される値である。制御部130は、判断完了フラグをEEPROM134に記憶する。
次に、制御部130は、センサ103から出力される検出信号がハイレベル信号からローレベル信号に切り替わったことを条件として(S2:Yes)、通過時間の計測を開始する(S3)。センサ103から出力される検出信号がハイレベル信号からローレベル信号に切り替わらない場合(S2:No)、制御部130は、後述するステップS13の処理を実行する。なお、センサ103から出力される検出信号がハイレベル信号からローレベル信号に切り替わらない場合(S2:No)とは、例えば、新しいインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されていない場合である。
次に、制御部130は、通過時間の計測を開始してからの経過時間が予め定められた最大時間を上回ったか否かを判断する(S4)。既に最大時間が経過している場合(S4:Yes)、制御部130は、後述するステップS6の処理を実行する。センサ103から出力される検出信号がローレベル信号からハイレベル信号に切り替わる(S5:Yes)前に最大時間が経過する場合とは、図5(B)に示される位置と図5(C)に示される位置との間における被検出子70の移動速度が極めて遅い(或いは、停止している)場合である。被検出子70の移動速度が遅くなる原因としては、例えば、インクカートリッジ30内のインクの粘度が高すぎる、或いは被検出子70がフレーム31の内壁面に引っ掛かって移動できない場合等が考えられる。
一方、未だ最大時間が経過していない場合(S4:No)、制御部130は、センサ103から出力される検出信号がローレベル信号からハイレベル信号に切り替わった否かを判断する(S5)。センサ103から出力される検出信号が切り替わってないと判断した場合(S5:No)、制御部130は、ステップS4の処理を再び実行する。一方、セン
サ103から出力される検出信号が切り替わったと判断した場合(S5:Yes)、制御部130は、通過時間を決定する(S6)。通過時間は、センサ103から出力される検出信号がハイレベル信号からローレベル信号に切り替わってから(S2:Yes)、センサ103から出力される検出信号がローレベル信号からハイレベル信号に切り替わるまで(S5:Yes)に要した時間である。
すなわち、制御部130は、ローレベル信号(第1検出信号の一例)が出力されてからハイレベル信号(第2検出信号の一例)が出力されるまでの時間(通過時間の一例)を計測したことになる。換言すれば、制御部130は、センサ103からローレベル信号が出力されている継続時間を計測する。さらに換言すれば、制御部130は、図5(B)に示される位置から図5(C)に示される位置まで被検出子70が移動するのに要する通過時間を計測する。一方、ステップS4において、最大時間が経過していると判断された場合(S4:Yes)、制御部130は、最大時間を通過時間とする。ステップS6の処理を行う制御部130は、計測手段の一例である。
次に、制御部130は、異常フラグをリセット(すなわち、”OFF”を設定)する(S7)。異常フラグは、後述する通過時間の判断(S9)の結果、通過時間が閾値範囲内でなかった場合(S9:No)に”ON”が設定される。すなわち、異常フラグは、インクカートリッジ30毎に設定される値である。制御部130は、異常フラグをEEPROM134に記憶する。
次に、制御部130は、温度センサ106から出力される信号に基づいて、閾値範囲を決定する(S8)。閾値範囲は、インク室36に貯留されているインクの粘度を推定するために、ステップS6で計測された通過時間と比較されるものである。そして、制御部130は、温度センサ106から出力される信号によって特定される温度が高いほど、閾値範囲の上限値及び下限値の少なくとも一方を小さくする。換言すれば、制御部130は、温度センサ106から出力される信号によって特定される温度が低いほど、閾値範囲の上限値及び下限値の少なくとも一方を大きくする。ステップS8の処理を実行する制御部130は、決定手段の一例である。
次に、制御部130は、ステップS6で測定された通過時間が、ステップS8で決定された閾値範囲に含まれるか否かを判断する(S9)。通過時間が閾値範囲の下限値を下回った場合、インクの粘度が低すぎると推定される。一方、通過時間が閾値範囲の上限値を上回った場合、インクの粘度が高すぎると推定される。そして、制御部130は、通過時間が閾値範囲を外れたことを条件として(S9:No)、異常フラグに”ON”を設定する(S10)。一方、制御部130は、通過時間が閾値範囲に含まれることを条件として(S9:Yes)、ステップS10の処理をスキップする。ステップS9の処理を行う制御部130は、判断手段の一例である。
次に、制御部130は、判断完了フラグに”ON”を設定(S11)し、ニアエンプティフラグをリセット(すなわち、”OFF”を設定)する(S12)。ニアエンプティフラグは、後述するニアエンプティ状態の判断(S25)の結果、インク室36内のインク残量がニアエンプティ状態であった場合(S25:Yes)に”ON”が設定される。すなわち、ニアエンプティフラグは、インクカートリッジ30毎に設定される値である。制御部130は、ニアエンプティフラグをEEPROM134に記憶する。
次に、制御部130は、カートリッジ装着部110の開口112に対して開閉するカバーが閉まっていることを示す信号がカバーセンサ108から出力されているか否かを判断する(S13)。カバーが開いていると判断した場合(S13:No)、制御部130は、ステップS2以降の処理を再び実行する。一方、カバーが閉まっていると判断した場合
(S13:Yes)、制御部130は、ステップS13でカバーが閉まっていると判断してから所定の時間が経過したか否かを判断する(S14)。
既に所定の時間が経過したと判断した場合(S14:Yes)、制御部130は、図7の処理を終了する。一方、未だ所定の時間が経過していないと判断した場合(S14:No)、制御部130は、ステップS2以降の処理を再び実行する。なお、ステップS2以降の処理を繰り返す過程でカバーが開いていると判断した場合(S13:No)、制御部130は、カバーが閉まっていると判断(S13:Yes)した時点で開始した時間の計測を終了する。
カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了し、且つユーザによりカバーが閉められたことにより、記録ヘッド21による画像記録が可能となる。記録ヘッド21からインクが吐出されて画像記録が行われるのに伴い、インクカートリッジ30のインク室36内のインクが減少していく。インク室36内のインクが減少するのに伴って、被検出子70は、図6(A)に示される位置から鉛直下方に徐々に移動する。そして、図6(B)に示されるように、被検出子70の下端が検出位置に到達したことを条件として、センサ103から出力される検出信号は、ハイレベル信号からローレベル信号に切り替わる。さらに、図6(C)に示されるように、被検出子70の上端が検出位置を通過したことを条件として、センサ103から出力される検出信号は、ローレベル信号からハイレベル信号に再び切り替わる。
そして、制御部130は、図7に示される処理を終了した後、カートリッジ装着部110の開口112に対して開閉するカバーが閉まっていることを示す信号がカバーセンサ108から出力されていることを条件として、図8に示される処理を所定の時間間隔で繰り返し実行する。
まず、制御部130は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されているか否かを判断する(S21)。インクカートリッジ30が装着検出位置にあることを示す検出信号が装着センサ107から出力されていない場合(S21:No)、制御部130は、インクカートリッジ30が未装着であることを報知(S30)し、図8に示される処理を終了する。報知の具体的な方法は特に限定されないが、例えば、プリンタ10に搭載された表示部109にメッセージを表示してもよいし、スピーカ(不図示)からガイド音声を出力してもよい。
一方、インクカートリッジ30が装着検出位置にあることを示す検出信号が装着センサ107から出力されている場合(S21:Yes)、制御部130は、判断完了フラグに”ON”が設定されているか否かを判断する(S22)。判断完了フラグに”OFF”が設定されていると判断した場合(S22:No)、制御部130は、ステップS31の処理を実行する。一方、判断完了フラグに”ON”が設定されていると判断した場合(S22:Yes)、制御部130は、ステップS23の処理を実行する。
制御部130は、ステップS31において、ユーザがインクカートリッジ30を交換したか否かを確認するメッセージを報知する。報知の具体的な方法は、ステップS30の方法と同じであってよい。そして、ユーザによりプリンタ10の入力部(不図示)から、インクカートリッジ30を交換した、もしくは、交換していないことを示す入力がなされるのを待つ。そして、インクカートリッジ30を交換したことを示す入力がなされた場合(S31:Yes)、制御部130は、ステップS32の処理を実行する。
一方、ステップS31において、インクカートリッジ30を交換していないことを示す入力がなされた場合(S31:No)、制御部130は、判断完了フラグに”ON”を設
定し(S33)、ステップS23の処理を行う。制御部130は、ステップS23において、異常フラグに”ON”が設定されているか否かを判断する。そして、異常フラグに”ON”が設定されている場合(S23:Yes)も、制御部130は、ステップS32の処理を実行する。
制御部130は、ステップS32において、インクカートリッジ30に関する情報を報知し、図8の処理を終了する。なお、インクカートリッジ30を交換したことを示す入力を受け付けた(S31:Yes)場合のステップS32において、制御部130は、例えば、インクカートリッジ30の交換を検出できなかったことを報知すればよい。一方、異常フラグに”ON”が設定されている(S23:Yes)場合のステップS32において、制御部130は、例えば、インク室36内のインクが劣化していること、或いはインクカートリッジ30の交換を推奨すること等を報知すればよい。報知の具体的な方法は、ステップS30の方法と同じであってよい。ステップS32の処理を実行する制御部130は、報知手段の一例である。
一方、ステップS23において、異常フラグに”OFF”が設定されている場合(S23:No)、制御部130は、ステップS24の処理を実行する。制御部130は、ステップS24において、ニアエンプティフラグに”ON”が設定されているか否かを判断する。ニアエンプティフラグに”OFF”が設定されていると判断した場合(S24:No)、制御部130は、センサ103からローレベル信号が出力されているか否かを判断する(S25)。
センサ103からハイレベル信号が出力されている場合(S25:No)、制御部130は、ステップS28の処理を実行する。一方、センサ103からローレベル信号が出力されている場合(S25:Yes)、制御部130は、ニアエンプティフラグに”ON”を設定し(S26)、インクカートリッジ30がニアエンプティ状態であること、すなわち、インク室36内のインク残量が残り少ないことを報知する(S27)。ステップS25においてセンサ103からローレベル信号が出力されている場合とは、例えば、図6(B)に示される位置に被検出子70が位置している場合である。報知の具体的な方法は、ステップS30の方法と同じであってよい。その後、制御部130は、ステップS28の処理を実行する。
次に、制御部130は、ステップS28において、画像記録指示を取得したか否かを判断する。画像記録指示を取得していない場合(S28:No)、制御部130は、図8の処理を終了する。一方、画像記録指示を取得した場合(S28:Yes)、制御部130は、記録ヘッド21、給紙ローラ23、搬送ローラ対25、排出ローラ対27等を直接的及び間接的に制御することによって記録用紙に画像を記録(S29)し、図8の処理を終了する。なお、ステップS29の処理は、記録用紙1枚に対する画像記録処理が終了する時点までを一つの処理として終了してもよいし、取得した全ての画像データに対応する画像記録処理が終了した時点までを一つの処理として終了してもよい。
一方、ニアエンプティフラグに”ON”が設定されている場合(S24:Yes)、制御部130は、センサ103からハイレベル信号が出力されているか否かを判断する(S34)。センサ103からローレベル信号が出力されている場合(S34:No)、制御部130は、ステップS27の処理を実行する。一方、センサ103からハイレベル信号が出力されている場合(S34:Yes)、制御部130は、インクカートリッジ30がエンプティ状態であること、すなわち、インク室36内のインク残量がゼロ、もしくは、ほとんとゼロであることを報知(S35)し、図8の処理を終了する。ステップS34においてセンサ103からハイレベル信号が出力されている場合とは、例えば、図6(C)に示される位置に被検出子70が位置している場合である。報知の具体的な方法は、ステ
ップS30の方法と同じであってよい。
上記のように、制御部130は、異常フラグに”ON”が設定されている場合(S23:Yes)、ステップS29の画像記録処理を実施しない。すなわち、制御部130は、ステップS29をスキップする。すなわち、制御部130は、記録ヘッド21にインクを吐出させない。ステップS29の処理をスキップする制御部130は、規制手段の一例である。
[実施形態の作用効果]
インク室36内のインク中を移動する被検出子70は、インクの液面に浮いた状態の被検出子70がインクの液面が下降するのと共に鉛直下方に移動する場合とは異なり、インクから粘性抵抗および慣性抵抗を受ける。その結果、被検出子70の移動速度は、インク室36内のインクの粘度によって大きく変動する。そこで、本実施形態のように、被検出子70が検出位置を通過するのに要する通過時間を実際に計測することにより、インク室36内のインクの粘度をより直接的に推定することができる。つまり、図5(B)に示される位置から図5(C)に示される位置までの距離は予め定められた二点間の一定の距離であるので、その二点間を通過する時間を計測すれば、被検出子70の移動速度を特定し得る。なお、通過時間は、被検出子70の移動速度を特定し得る物理量の一例であって、これに限定されない。例えば、一定の時間内で被検出子70が移動した移動距離を物理量として計測してもよい。
また、本実施形態によれば、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着完了された後のインクの粘度変化のみならず、カートリッジ装着部110に装着完了された時点におけるインクの粘度を推定することもできる。これにより、例えば、カートリッジ装着部110に装着されることなく長期間放置されていたインクカートリッジ30内のインクの劣化の度合いを推定したり、異なる粘度のインクが貯留された複数種類のインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着可能である場合において、装着されたインクカートリッジ30の種類を特定することができる。
また、本実施形態では、通過時間が閾値範囲を外れたことを条件として(S9:No)、記録ヘッド21の動作が規制される(すなわち、ステップS29がスキップされる)。これにより、粘度が大きく変化したインクを吐出することによる記録ヘッド21のトラブルを防止することができる。但し、ステップS29をスキップする処理は必須ではない。すなわち、制御部130はインク粘度の異常を報知する処理(S32)のみを実行し、記録ヘッド21を動作させるか否かはユーザの判断に委ねてもよい。なお、その際の制御部130の制御フローは、図7及び図8に示したものとは異なるが、その詳細な説明は割愛する。
または、制御部130は、異常フラグに”ON”が設定されていると判断した場合(S23:Yes)に、ステップS24からS29をスキップせずに、画像記録処理(S29)において、各ノズル29のピエゾ素子に印加する駆動電圧の大きさが調整されるようにヘッド制御基板21Aを制御してもよい。この処理を行う制御部130は、駆動制御手段の一例である。具体的には、制御部130は、通過時間が閾値範囲に含まれる場合と、通過時間が閾値範囲からはずれた場合とで、ノズル29から吐出されるインク量が略同一となるように、ピエゾ素子に印加すべき駆動電圧の大きさを調整するように、ヘッド制御基板21Aに出力する制御信号を変更すればよい。すなわち、通過時間が閾値範囲の下限値を下回る(すなわち、インクの粘度が低すぎる)場合、制御部130は、通過時間が閾値範囲内の場合より、ピエゾ素子に印加する駆動電圧を小さくすればよい。一方、通過時間が閾値範囲の上限値を上回る(すなわち、インクの粘度が高すぎる)場合、制御部130は、通過時間が閾値範囲内の場合より、ピエゾ素子に印加する駆動電圧を大きくすればよ
い。上記構成によれば、異なる粘度のインクが貯留された複数種類のインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着可能である場合において、インクの種類に応じた適切な駆動電圧でピエゾ素子を駆動させることができる。なお、本実施形態においては、アクチュエータの例としてピエゾ素子が用いられているが、アクチュエータの具体例はこれに限定されず、例えば、熱によりインク中に気泡を発生させてノズル29からインクを吐出させるサーマル式のアクチュエータであってもよい。
また、画像記録処理(S29)において、各ノズル29のピエゾ素子に印加する駆動電圧の大きさが調整されるようにヘッド制御基板21Aを制御することに加えて、制御部130は、記録ヘッド21から強制的にインクを流出させるパージ処理を制御してもよい。例えば、制御部130は、異常フラグに”ON”が設定されていると判断した場合(S23:Yes)のパージ処理において、異常フラグに”OFF”が設定されていると判断した場合(S23:No)よりも強い圧力にてインクを流出させてもよい。例えば、吸引ポンプにて記録ヘッド21から強制的にインクを流出させる場合、制御部130は、より強い吸引圧力にてインクの吸引が行われるようポンプを制御してもよい。これにより、インクの粘度が高い場合でも、記録ヘッド21内部の気泡や固化したインクをパージ処理によってより確実に排出でき、また、インクをインクチューブ20から記録ヘッド21へ確実に導入できる。
また、本実施形態における被検出子70は、浮力によって液面付近まで上昇し、インク室36内のインクが消費されることによる液面の下降に伴って下降する。これにより、下降した被検出子70が再び検出位置に到達したことによって、インク室36のニアエンプティ状態及びエンプティ状態を判定することができる。但し、被検出子70を用いた残量判定処理とそれに伴う処理(S12,S24〜S27,S34、S35)は必須ではなく、省略することができる。
また、インクの粘度は、周辺の温度の影響を受けて変化する。具体的には、温度が高いほど粘度が低くなり、温度が低いほど粘度が高くなる傾向がある。そこで、本実施形態では、温度に応じた適切な閾値範囲を用いることにより、インクの粘度をより正確に推定することができる。閾値範囲の決定方法は特に限定されないが、ROM132等に予め記憶された複数の閾値範囲のうちから温度に対応する閾値範囲を選択してもよいし、温度を入力パラメータとする関数を用いて閾値範囲の上限値或いは下限値を算出してもよい。また、固定の閾値範囲を用いてもよい。
また、本実施形態におけるセンサ103は光学式センサであったが、センサ103の具体例はこれに限定されず、例えば、磁気センサであってもよい。磁気センサは、磁石を備える被検出子70から発生する磁束密度の変化に応じた検出信号を制御部130に出力すればよい。また、センサ103は、その他の公知のセンサであってもよい。
また、本実施形態における制御部130は、判断完了フラグ、異常フラグ、ニアエンプティフラグをEEPROM134に記憶していたが、その一部又は全部を、インクカートリッジ30に搭載されたICチップの中のメモリに記憶してもよい。また、本実施形態における制御部130は、CPU131とASIC135とを備えていたが、制御部130の構成はこれに限定されてない。例えば、制御部130はASIC135を有しておらず、図7及び図8に示される処理は、全てCPU131がROM132からプログラムを読み出すことによって実行されてもよい。逆に、制御部130がCPU131を有しておらず、ASIC135やFPGA等のハードウエアのみで構成されていてもよい。また、制御部130は複数のCPU131や複数のASIC135等を備えていてもよい。
また、本実施形態では、被検出子70の凹部71と拘束部81の凸部84とを係合させ
ることによって、被検出子70を拘束する例を説明したが、被検出子70を拘束する方法はこれに限定されない。図9は、変形例1に係るインクカートリッジ30の断面図である。なお、実施形態との共通点の詳しい説明は省略し、相違点を中心に説明する。後述の変形例2〜10についても同様である。また、上記の実施形態及び以下の変形例1〜10は、本発明の目的を達成し得る範囲において、任意の組み合わせで組み合わせることができるものとする。
変形例1に係るインクカートリッジ30において、被検出子70は、図9に示されるように、拘束部81に固着されている。そして、拘束部材80を第1位置から第2位置へ移動させることによって、被検出子70と拘束部81との連結部分が破断する。被検出子70を拘束部81に固着する方法は特に限定されないが、例えば、被検出子70と拘束部81とを接着してもよいし、被検出子70と拘束部材80とを一体成型してもよい。また、連結部分の強度は、インクカートリッジ30の搬送時等の振動によって破断しない程度に高く、且つユーザによるカートリッジ装着部110への装着操作を妨げない程度に低いことが望ましい。
また、上記実施形態及び変形例1では、被検出子70の上端が検出位置に到達してから、当該被検出子70の下端が検出位置を通過するまでの時間が通過時間として計測される例を説明した。拘束解除された直後の被検出子70は、その姿勢及び移動速度が不安定になりやすい。そこで、本実施形態及び変形例1によれば、被検出子70の姿勢及び移動速度が安定した後に通過時間の計測を行うことができるので、インク室36内のインクの粘度をより正確に推定することができる。但し、通過時間の計測方法は上記の例に限定されず、被検出子70の拘束が解除されてから当該被検出子70が検出位置に到達するまでの時間を通過時間として計測してもよい。
図10は、変形例2に係るインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図である。制御部130は、インクカートリッジ30が装着検出位置に存在することを示す検出信号が装着センサ107から出力されたことを条件として、拘束部81による被検出子70の拘束が解除されたと判定する(解除判定手段の一例)。換言すれば、制御部130は、装着センサ107から出力される検出信号が、インクカートリッジ30が装着検出位置に存在しないことを示す信号から、インクカートリッジ30が装着検出位置に存在することを示す信号に切り替わったタイミングで、拘束部81による被検出子70の拘束が解除されたと判定する。
すなわち、拘束部81による被検出子70の拘束が解除されるタイミングと、インクカートリッジ30が装着検出位置に存在することを示す検出信号が装着センサ107から出力されるタイミングとは、時間的に近い、もしくは同時である。そこで、前者のタイミングを後者のタイミングとして擬制することができる。そして、制御部130は、拘束部81による被検出子70の拘束が解除されてから、センサ103からローレベル信号が出力されるまでの時間を、通過時間として計測してもよい。
具体的には、制御部130は、図7のステップS2において、装着センサ107から出力される検出信号が、インクカートリッジ30が装着検出位置に存在しないことを示す信号から、インクカートリッジ30が装着検出位置に存在することを示す信号に切り替わった否かを判断すればよい。また、制御部130は、図7のステップS5において、センサ103から出力される検出信号がハイレベル信号からローレベル信号に切り替わった否かを判断すればよい。
すなわち、変形例2における制御部130は、図10(A)の位置から図10(B)の位置に被検出子70が移動するのに要する時間を計測する。なお、厳密に言うと、上記の
タイミングの擬制が行われているので、制御部130は、インクカートリッジ30が装着検出位置に到達したときにおける被検出子70の位置から図10(B)の位置に移動するのに要する時間を計測する。このように、制御部130は、被検出子70の移動経路上において予め定められた任意の2点間を、被検出子70が通過するのに要する通過時間を計測すればよい。
また、上記の実施形態及び各変形例におけるインクニードル102は、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30に対して、拘束部材80による被検出子70の拘束を解除する拘束解除部として機能する。しかしながら、インクニードル102は拘束解除部の一例に過ぎない。図11は、変形例3におけるインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図である。
変形例3に係るインクカートリッジ30には、図11に示されるように、前壁40にガス袋85が埋め込まれている。このガス袋85は、図11(A)に示されるように、内部に気体が封入されることによって、インク室36の内部に張り出す(以下、この状態を「膨張状態」と表記する。)。そして、膨張状態のガス袋85は、被検出子70の上端に当接して、当該被検出子70を拘束する拘束部材として機能する。一方、変形例3におけるインクカートリッジ30の内部には、実施形態における拘束部材80のうちの拘束部81及び連結部83が省略され、閉塞部82及びコイルバネ49のみが配置される。
また、変形例3に係るカートリッジ装着部110は、図11(B)に示されるように、ガス袋85に対面し得る位置において、その奥面から脱抜向き55に突出するガス抽出管113を備える。そして、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されることによって、ガス袋85を突き破ったガス抽出管113の先端がガス袋85内に到達する。これにより、ガス袋85内の気体がガス抽出管113を通じて排出される。その結果、ガス袋85は、内部の気体の量が膨張状態より少ない収縮状態に状態変化し、被検出子70の拘束を解除する。すなわち、変形例3において、ガス袋85は拘束部材の他の例であり、ガス抽出管113は拘束解除部の他の例である。
なお、図11の例では、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されるのに伴って、ガス抽出管113がガス袋85を突き破る例を説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されるタイミングと、被検出子70の拘束が解除されるタイミングとは、同時でなくてもよい。例えば、制御部130は、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した後にモータ(不図示)を駆動することによって、ガス抽出管113を前壁40から突出させてもよい。
また、上記の実施形態及び各変形例では、発光部104から出力される光を透過させない被検出部のみで被検出子70が構成されている例を説明したが、本発明はこれに限定されず、被検出子の一部が被検出部であってもよい。図12は、変形例4に係るインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図である。
変形例4に係る被検出子70Aには、図12に示されるように、被検出子70Aの移動向き(すなわち、高さ方向52)に離間した複数の位置にスリットが設けられている。このスリット(透過部の一例)は、発光部104及び受光部105の対向方向(すなわち、幅方向51)において被検出子70Aを貫通し、発光部104から出力された光を透過させる。すなわち、変形例4に係る被検出子70Aには、被検出部とスリットとが高さ方向52において隣接して設けられている。
これにより、センサ103は、図12(A)に示されるように、スリットが検出位置に
到達したことを条件として、ハイレベル信号を出力する。一方、センサ103は、図12(B)に示されるように、被検出部が検出位置に到達したことを条件として、ローレベル信号を出力する。すなわち、被検出子70Aの高さ方向52における被検出部及びスリット長さや、スリットの数を、インクカートリッジ30の種類毎に異ならせておくことにより、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30の種類によって異なるパターンの検出信号がセンサ103から出力される。そこで、制御部130は、被検出子70Aが検出位置を通過する過程においてセンサ103から出力された検出信号の組み合わせに基づいて、インクカートリッジ30の種別を判定することができる(種別判定手段の一例)。
また、上記実施形態及び各変形例における被検出子70は、浮力によって鉛直上方に移動する。但し、被検出子70の移動方向は鉛直上方に限定されない。例えば、インクより比重の大きい被検出子を検出位置より鉛直上方において拘束し、拘束が解除された被検出子が重力によって鉛直下方に移動する構成であってもよい。図13〜図15は、変形例5〜7に係るインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図である。
変形例5に係るインクカートリッジ30は、図13(A)に示されるように、拘束部81Aが上壁39の近傍まで延設されており、検出位置より鉛直方向の上方においてインクより比重の大きい被検出子70を拘束している。また、拘束部81Aによる拘束が解除された被検出子70は、重力によって鉛直下方に移動する。そして、センサ103から出力される検出信号は、図13(B)に示されるように、被検出子70の下端が検出位置に達したことを条件として、ハイレベル信号からローレベル信号に切り替わる。さらに、センサ103から出力される検出信号は、図13(C)に示されるように、被検出子70の上端が検出位置を通過したことを条件として、ローレベル信号からハイレベル信号に切り替わる。
変形例6に係るインクカートリッジ30において、拘束部81Bは、図14(A)に示されるように、検出位置より鉛直方向の上方で且つインク室36内の前壁40よりも後壁41に近い位置において、インクより比重の大きい被検出子70Bを載置する。また、右壁38の内壁面には、被検出子70Bの脱抜向き55への移動を拘束する拘束壁45が設けられている。また、変形例6に係るインクカートリッジ30は、右壁38の内壁面に突設された案内部材46を備える。そして、案内部材46の上面は、拘束部81Bによる被検出子70Bの拘束位置から検出位置に向けて傾斜する傾斜面47となっている。
さらに、変形例6に係る被検出子70Bは、挿抜方向50及び鉛直方向を含む断面(すなわち、図14に示される断面)における外形輪郭線が円形状である。例えば、被検出子70Bは、球形状、円柱形状、或いは円筒形状である。上記構成のインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されて、インクニードル102がインクカートリッジ30のインク供給部60に進入すると、拘束部81Bは脱抜向き55へ移動するが、被検出子70Bは拘束壁45に拘束されて脱抜向き55へ移動できない。その結果、拘束部81Bによる拘束が解除された被検出子70Bは、図14(B)に示されるように、傾斜面47上を転動して検出位置に到達する。
変形例7に係るインクカートリッジ30は、図15(A)に示されるように、インク室36を大気に連通させる大気連通部65を備える。大気連通部65は、インク供給部60及びセンサ103より上方において、フレーム31の前壁40から挿入向き56に突出する円筒部である。大気連通部65の先端には、開口66(大気連通口の一例)が設けられている。大気連通部65の内部空間は、開口66を通じてインクカートリッジ30の外部と連通可能である。また、大気連通部65の内部空間は、その基端側においてフレーム31の内部空間(すなわち、インク室36)に連通されている。すなわち、インク室36は
、大気連通部65を通じてインクカートリッジ30の外部に連通される。なお、本明細書中において、「前壁40に開口66が設けられている」とは、前壁40を貫通するように開口66が形成されている場合の他、前壁40から挿入向き56に大気連通部65が突出しており、その先端に開口66が形成されている場合、或いは前壁40から脱抜向き55に突出部が突出しており、その先端に開口66が形成されている場合も含む。
また、変形例7に係るインクカートリッジ30は、拘束部材90と、拘束部材90を挿入向き56に付勢するコイルバネ48とを備える。拘束部材90の構成は、上記実施形態の拘束部材80と共通するので、再度の説明は省略する。この拘束部材90は、検出位置より鉛直方向の上方において拘束部91が被検出子70を拘束すると共に、閉塞部92が大気連通部65の開口66を閉塞する。一方、インク供給部60には、上記実施形態における拘束部材80のうちの拘束部81及び連結部83が省略され、閉塞部82及びコイルバネ49のみが配置される。
また、変形例7に係るインクカートリッジ30は、一端に被検出子70が取り付けられ且つ他端にフロート72が取り付けられたアーム73を備える。アーム73は、被検出子70及びフロート72の間の部分が、右壁38の内面から幅方向51に突出する軸74によって回動可能に支持されている。すなわち、アーム73は、図15の平面上において、時計回り及び反時計回りに回動可能に構成されている。なお、被検出子70はインクより比重が大きく、フロート72はインクより比重が小さい。
さらに、変形例7に係るカートリッジ装着部110は、大気連通部65に対面し得る位置において、その奥面から脱抜向き55に突出するロッド114を備える。そして、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されることによって、ロッド114が開口66を通じて大気連通部65に進入し、コイルバネ48の付勢力に抗して拘束部91を脱抜向き55に押圧する。これにより、拘束部材90は、第1位置から第2位置へ移動する。その結果、被検出子70の拘束が解除されると共に、インク室36が大気に連通される。
拘束部91による被検出子70の拘束が解除されたことによって、被検出子70が鉛直方向の下方に移動し、フロート72が鉛直方向の上方に移動する。すなわち、アーム73が軸74の周りを一方向き(図15の例では、時計回り)に回動し、図15(A)の状態から、図15(B)の状態を経て、図15(C)の状態に至る。さらに、インク室36内のインクが消費されることによって、アーム73が軸74の周りを他方向き(図15の例では、反時計回り)に回動し、図15(C)の状態から、図15(B)の状態を経て、図15(A)の状態(但し、拘束部91は被検出子70を拘束しない)に至る。
そして、制御部130は、アーム73が一方向きに回動する過程において、図7に示される処理を実行する。また、制御部130は、アーム73が他方向きに回動する過程において、図8に示される処理を実行する。すなわち、変形例7によれば、インク室36内のインクの粘度を推定するための処理と、インク室36内のインクの残量を判定する処理とを実行することができる。
なお、上記の実施形態及び各変形例では、浮力或いは重力によって被検出子70、70A、70Bがインク室36内を移動する例を説明した。これにより、被検出子70、70A、70Bを検出位置に移動させるための外力を被検出子70、70A、70Bに加える必要がないので、プリンタ10或いはインク供給装置100を簡易な構成とすることができる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、外力を加えることによって被検出子を移動させてもよい。図16は、変形例8に係るインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図である。また、図17は、変形例9に係るサブタンク28の断面図
である。
変形例8に係るインクカートリッジ30は、上記実施形態の構成に加えて、連結部83と被検出子70との間にコイルバネ86(付勢部材の一例)を備える。コイルバネ86は、図16(A)に示されるように、拘束部81によって拘束されたインクより比重の大きい被検出子70を鉛直上向きに付勢する。そして、拘束部81による拘束が解除された被検出子70は、図16(B)に示されるように、コイルバネ86の付勢力によって鉛直上方へ射出され、検出位置を通過する。その後、図16(C)に示されるように、被検出子70は自重により鉛直下向きに移動し、再び検出位置に戻る。制御部130は、被検出子70が検出位置を通過してから、検出位置に戻ってくるまでの時間を計測してもよい。この場合、制御部130が通過時間の計測開始位置及び計測終了位置は、被検出子70の移動経路上の同一の位置(すなわち、検出位置)であってよい。換言すれば、被検出子70の移動経路上の予め定められた2点とは、同一の点であってもよい。
変形例9に係るサブタンク28(液体容器の他の例)は、インク室120(貯留室の他の例)と、流入口121と、流出口122(液体供給口の他の例)と、大気連通口123と、被検出子124と、アーム125と、センサ126と、金属板127と、液面センサ128、129とを備える。流入口121は、インクチューブ20を通じてカートリッジ装着部110と接続される。流出口122は、インクチューブ(不図示)を通じて記録ヘッド21と接続される。
すなわち、変形例9に係るサブタンク28は、流入口121を通じてインクカートリッジ30から流入したインクをインク室120内に貯留し、制御部130の制御に従って貯留されたインクを流出口122を通じて記録ヘッド21に供給する。また、大気連通口123は、インク室120を大気に連通させる。さらに、液面センサ128、129は、インク室120に貯留されたインクの液面の位置を検出する。
被検出子124には、磁石(典型的には、永久磁石)124Aが含まれている。アーム125は、一端に被検出子124が取り付けられ、他端がサブタンク28に回動可能に支持されている。すなわち、アーム125は、図17の平面上において、時計回り及び反時計回りに回動可能に構成されている。また、被検出子124は、アーム125の回動先端に取り付けられている。
センサ126は、被検出子124の回動軌跡に対面し得る位置(すなわち、検出位置)に配置されている。センサ126の具体的な構成は、実施形態におけるセンサ103と共通であってもよい。金属板127(磁性体を含む拘束部材の一例)は、被検出子124の回動軌跡の近傍において、サブタンク28の外壁に配置されている。変形例9において、金属板127はサブタンク28の底壁に埋め込まれており、センサ126は金属板127より鉛直方向の上方に設けられている。また、金属板127の近傍で且つサブタンク28の外部には、電磁石140(拘束解除部の一例)、及び電磁石に電流を供給する電流供給回路130Aが設けられている。電流供給回路130Aは、制御部130の制御に従って、電磁石140に磁力を発生させるための電流を選択的に供給する。
電磁石140に電流が供給されていない状態では、図17(A)に示されるように、被検出子124に含まれる磁石124Aと金属板127との間に生じる引力によって、被検出子124が拘束される。一方、制御部130から供給された電磁石140は、被検出子124と金属板127との間の引力より強い斥力を、被検出子124に対して付与する。これにより、被検出子124は、図17(B)に示されるように、金属板127による拘束が解かれてアーム125の他端を中心として回動し、検出位置に到達する。
なお、電磁石140に対する電流の供給を停止することにより、被検出子124は、図17(A)に示される位置において、再び金属板127に拘束される。すなわち、変形例9に係るサブタンク28では、インクの粘度を推定するための通過時間の計測を繰り返し行うことができる。また、変形例9に係る制御部130は、電磁石140に電流を供給した時点から、センサ126からローレベル信号が出力されるまでの時間を、通過時間として計測してもよい。さらに、変形例9の構成は、サブタンク28のみならず、インクカートリッジ30にも適用可能である。
また、上記の実施形態及び変形例1〜8では、カートリッジ装着部110に対してインクカートリッジ30を手動で装着する例を説明したが、本発明はこれに限定されず、カートリッジ装着部110にオートローディング機構を設けてもよい。図18は、変形例10に係るインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図である。
変形例10に係るインクカートリッジ30は、図18に示されるように、下壁42の外壁面にラックギヤ42Aが形成されている。また、変形例10に係るカートリッジ装着部110は、ラックギヤ42Aと噛合し得るピニオンギヤ115と、ピニオンギヤ115と噛合する駆動ギヤ116と、駆動ギヤ116に駆動力を付与するゼンマイばね117とを備える。
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される前のゼンマイばね117は、図18(A)に示されるように、巻かれた(すなわち、エネルギーが蓄積された)状態でロックされている。そして、インクカートリッジ30が挿入向き56にさらに挿入されて、ラックギヤ42Aがピニオンギヤ115を回転させると、ゼンマイばね117のロックが解除される。これにより、ゼンマイばね117が駆動ギヤ116を回転させ、駆動ギヤ116がピニオンギヤ115を回転させる。その結果、インクカートリッジ30が挿入向き56に移動し、図18(B)に示されるように、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了する。
一方、ユーザがインクカートリッジ30をカートリッジ装着部110から取り出そうとして、インクカートリッジ30を脱抜向き55に移動させると、インクカートリッジ30が挿入向き56に移動したときとは逆向きにピニオンギヤ115及び駆動ギヤ116が回転して、ゼンマイばね117が再び巻かれる。そして、ラックギヤ42Aがピニオンギヤ115から離脱したタイミングで、巻かれたゼンマイばね117が再びロックされる。
変形例10によれば、ラックギヤ42Aとピニオンギヤ115とが噛合する位置までインクカートリッジ30を挿入すれば、その後は自動的にインクカートリッジ30が挿入向き56に移動し、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了する。これにより、例えば、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の挿入が不十分だったこと等に起因して(換言すれば、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了されなかったこと等に起因して)、被検出子70の拘束が解除されたにもかかわらず、当該被検出子70がセンサ103で検出できないような事態を抑制することができる。
さらに、上記の実施形態及び変形例1〜10では、インクを液体の一例として説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、インクに代えて、印刷時にインクに先立って記録用紙に吐出される前処理液を液体としてもよい。
本発明は、以下のように定義することも可能である。
液体が貯留された貯留室と、
上記貯留室に貯留された液体を流出させる液体供給口と、
被検出部を有し且つ上記貯留室の内部において移動可能な被検出子と、
上記貯留室の内部において第1位置と第2位置との間で移動可能であり、第1位置において上記被検出子を上記貯留室の内部で拘束し、第2位置において上記被検出子の拘束を解除する拘束部材と、を備える液体容器。
本発明は、さらに以下のように定義することも可能である。
上記の液体容器であって、上記被検出子の比重が上記貯留室に貯留された液体の比重よりも小さい液体容器。
本発明は、さらに以下のように定義することも可能である。
上記の液体容器であって、
上記拘束部材は、
上記拘束部材が第1位置にあるときに上記被検出子を上記貯留室の内部で拘束し、上記拘束部材が第2位置にあるときに上記被検出子の拘束を解除する拘束部と、
上記拘束部材が第1位置にあるときに上記液体供給口を閉塞し、上記拘束部材が第2位置にあるときに上記液体供給口を開放する閉塞部とを備える液体容器。
本発明は、さらに以下のように定義することも可能である。
上記の液体容器であって、上記拘束部材を第1位置へ向けて付勢する付勢部材をさらに備える液体容器。
本発明は、さらに以下のように定義することも可能である。
上記の液体容器であって、液体消費装置の装着部に着脱可能に装着される液体容器。
以上の構成によると、拘束部材が第1位置から第2位置に移動すると、拘束が解除された被検出子が貯留室内の液中を移動する。被検出子は、液体から粘性抵抗および慣性抵抗を受けるので、被検出子の移動速度は、貯留室内の液体の粘度によって大きく変動する。そこで、被検出子の移動速度を特定し得る物理量を計測することにより、貯留室内の液体の粘度をより直接的に推定することができる。
10・・・プリンタ
21・・・記録ヘッド
28・・・サブタンク
29・・・ノズル
30・・・インクカートリッジ
36,120・・・インク室
40・・・前壁
41・・・後壁
42A・・・ラックギヤ
46・・・案内部材
47・・・傾斜面
48,49,86・・・コイルバネ
50・・・挿抜方向
55・・・脱抜向き
56・・・挿入向き
60・・・インク供給部
61,66・・・開口
65・・・大気連通部
70,70A,70B,124・・・被検出子
72・・・フロート
73・・・アーム
74・・・軸
80,90・・・拘束部材
81,81A,81B,91・・・拘束部
82,92・・・閉塞部
85・・・ガス袋
100・・・インク供給装置
102・・・インクニードル
103・・・センサ
104・・・発光部
105・・・受光部
106・・・温度センサ
107・・・装着センサ
110・・・カートリッジ装着部
113・・・ガス抽出管
114・・・ロッド
120・・・インク室
125・・・アーム
126・・・センサ
127・・・金属板
130・・・制御部
140・・・電磁石

Claims (27)

  1. 液体が貯留された貯留室、上記貯留室に貯留された液体を流出させる液体供給口、被検出部を有し且つ上記貯留室の内部において移動可能な被検出子、及び上記被検出子を上記貯留室の内部で拘束する拘束部材を有する液体容器と、
    上記液体容器が着脱可能に装着される装着部と、
    上記液体供給口を通じて上記液体容器から流出された液体を消費する液体消費部と、
    上記拘束部材による上記被検出子の拘束を解除する拘束解除部と、
    上記拘束解除部によって拘束が解除された上記被検出子の移動経路上の検出位置に対面して設けられており、上記検出位置における上記被検出部の有無に応じた検出信号を出力する検出部と、
    制御部と、を備えており、
    上記拘束解除部は、上記装着部に装着された上記液体容器に対して、上記拘束部材による上記被検出子の拘束を解除し、
    上記検出部は、上記装着部に装着された上記液体容器の上記検出位置に対面する位置に設けられており、
    上記制御部は、
    上記検出部から出力された検出信号に基づいて、上記被検出子の移動速度を特定し得る物理量を計測する計測手段と、
    上記計測手段によって計測された上記物理量が閾値範囲に含まれるか否かを判断する判断手段と、を含み、
    上記計測手段は、移動経路上の予め定められた2点間を上記被検出子が通過するのに要する通過時間を、上記物理量として計測する液体消費装置。
  2. 上記被検出子は、上記貯留室に貯留された液体より比重が小さく、
    上記拘束部材は、上記検出位置より鉛直方向の下方において、上記被検出子を拘束する請求項1に記載の液体消費装置。
  3. 上記制御部は、
    上記判断手段による判断が行われた後において、上記検出位置に上記被検出部が存在することを示す検出信号が上記検出部から出力されたことを条件として、上記貯留室に貯留された液体の量が閾値を下回ったと判定する残量判定手段と、
    上記残量判定手段によって上記貯留室に貯留された液体の量が閾値を下回ったと判定されたことを条件として、上記貯留室に貯留された液体の量が閾値を下回ったことを報知する報知手段と、を含む請求項2に記載の液体消費装置。
  4. 上記検出部は、上記被検出部が上記検出位置に存在することを示す第1検出信号と、上記被検出部が上記検出位置に存在しないことを示す第2検出信号とを出力し、
    上記計測手段は、上記検出部によって上記第1検出信号が出力されてから上記第2検出信号が出力されるまでの時間を、上記通過時間として計測する請求項1から3のいずれかに記載の液体消費装置。
  5. 上記制御部は、上記拘束部材による上記被検出子の拘束が解除されたことを判定する解除判定手段を含み、
    上記計測手段は、上記被検出子の拘束解除が上記解除判定手段によって判定されてから、上記被検出部が上記検出位置に存在することを示す検出信号が上記検出部から出力されるまでの時間を、上記通過時間として計測する請求項1から4のいずれかに記載の液体消費装置。
  6. 該液体消費装置は、上記装着部内における上記液体容器の挿入経路上の装着検出位置に設けられており、上記装着検出位置における上記液体容器の有無に応じた検出信号を出力する装着検出部を備えており、
    上記拘束解除部は、上記液体容器が上記装着部に装着されたことによって上記拘束部材による上記被検出子の拘束を解除し、
    上記解除判定手段は、上記液体容器が上記装着検出位置に存在することを示す検出信号が上記装着検出部から出力されたことを条件として、上記拘束部材による上記被検出子の拘束が解除されたと判定する請求項5に記載の液体消費装置。
  7. 上記液体容器は、上記装着部に対して挿入されるときに挿入向きを向く前壁と、貯留室を間に挟んで上記挿入向きと逆向きの脱抜向きに上記前壁から離間した後壁とを備えており、
    上記液体供給口は、上記前壁に設けられており、
    上記拘束部材は、第1位置と、上記第1位置から上記後壁側に離間した第2位置とに移動可能に構成されており、且つ
    上記第1位置において上記被検出子を拘束し、上記第2位置において上記被検出子の拘束を解除する拘束部と、
    上記第1位置において上記液体供給口を閉塞し、上記第2位置において上記液体供給口を開放する閉塞部と、を備えており、
    上記液体容器は、上記拘束部材を上記第1位置へ向けて付勢する付勢部材を備えており、
    上記拘束解除部は、上記液体供給口に対面する位置において上記装着部の奥面から上記脱抜向きに突出し且つその突出端に設けられた開口と上記液体消費部とを連通させる液体流路が内部に形成された液体抽出管であって、上記装着部に装着された上記液体容器の上記拘束部材を、上記付勢部材の付勢力に抗して上記第2位置へ向けて押圧する請求項1から6のいずれかに記載の液体消費装置。
  8. 上記拘束部材は、内部に気体が封入されて上記貯留室の内部に張り出した膨張状態と、内部の気体の量が上記膨張状態より少ない収縮状態とに状態変化が可能な袋形状であって、上記膨張状態において上記被検出子を拘束し、上記収縮状態において上記被検出子の拘束を解除するものであり、
    上記拘束解除部は、上記装着部に装着された上記液体容器の上記拘束部材から気体を排出させる請求項1から6のいずれかに記載の液体消費装置。
  9. 上記液体容器は、上記装着部に対して挿入されるときに挿入向きを向く前壁と、貯留室を間に挟んで上記挿入向きと逆向きの脱抜向きに上記前壁から離間した後壁とを備えており、
    上記前壁には、上記貯留室を大気に連通させる大気連通口が設けられており、
    上記拘束部材は、第1位置と、上記第1位置から上記後壁側に離間した第2位置とに移動可能に構成されており、且つ
    上記第1位置において上記被検出子を拘束し、上記第2位置において上記被検出子の拘束を解除する拘束部と、
    上記第1位置において上記大気連通口を閉塞し、上記第2位置において上記大気連通口を開放する閉塞部と、を備えており、
    上記液体容器は、上記拘束部材を上記第1位置へ向けて付勢する付勢部材を備えており、
    上記拘束解除部は、上記大気連通口に対面する位置において上記装着部の奥面から上記脱抜向きに突出するロッドであって、上記装着部に装着された上記液体容器の上記拘束部材を、上記付勢部材の付勢力に抗して上記第2位置へ向けて押圧する請求項1から6のいずれかに記載の液体消費装置。
  10. 上記検出部は、上記装着部に装着された上記液体容器の上記検出位置を挟んで対向配置された発光部及び受光部を備えており、上記発光部から出力された光が上記受光部で受光されたか否かに応じて異なる検出信号を出力するものであり、
    上記被検出子には、上記発光部から出力された光を透過させる透過部及び透過させない上記被検出部が、上記貯留室の内部における移動向きに隣接して設けられており、
    上記制御部は、上記被検出子が上記検出位置を通過する過程において上記検出部から出力された検出信号の組み合わせに基づいて、上記液体容器の種別を判定する種別判定手段を含む請求項1から9のいずれかに記載の液体消費装置。
  11. 上記被検出子は、上記貯留室に貯留された液体より比重が大きく、
    上記拘束部材は、上記検出位置より鉛直方向の上方において、上記被検出子を拘束する請求項1に記載の液体消費装置。
  12. 上記液体容器は、一端に上記被検出子が取り付けられ且つ他端に上記貯留室に貯留された液体より比重が小さいフロートが取り付けられており、上記貯留室の内部に設けられた軸周りに回動可能に構成されたアームを備える請求項11に記載の液体消費装置。
  13. 上記液体容器は、上記拘束部材によって拘束された上記被検出子を鉛直上向きに付勢する付勢部材を備える請求項11に記載の液体消費装置。
  14. 上記液体容器は、上面に傾斜面が形成された案内部材を備えており、
    上記被検出子は、上記装着部に対する上記液体容器の挿抜方向及び鉛直方向を含む断面における外形輪郭線が円形状であって、上記拘束部材による拘束が解除されたことによって上記傾斜面上を転動する請求項11に記載の液体消費装置。
  15. 上記被検出子は、磁石を含み、
    上記拘束部材は、磁性体を含み、
    上記拘束解除部は、上記被検出子と上記拘束部材との間に生じる引力より強い斥力を、上記拘束部材によって拘束された上記被検出子に対して付与する電磁石である請求項11に記載の液体消費装置。
  16. 上記制御部は、上記通過時間が上記閾値範囲を外れたと上記判断手段によって判断されたことを条件として、上記液体容器に関する情報を報知する報知手段を含む請求項1から15のいずれかに記載の液体消費装置。
  17. 上記制御部は、上記通過時間が上記閾値範囲を外れたと上記判断手段によって判断されたことを条件として、上記液体消費部による液体の消費を規制する規制手段を含む請求項1から16のいずれかに記載の液体消費装置。
  18. 上記液体容器は、液体であるインクが貯留されたインクカートリッジであり、
    上記液体消費部は、
    インクが吐出されるノズルと、
    駆動されることによって上記ノズルにインクを吐出させるアクチュエータと、を備えており、
    上記制御部は、上記通過時間が上記閾値範囲に含まれる場合と、上記通過時間が上記閾値範囲から外れた場合とで、上記ノズルから吐出されるインク量が略同一となるように、上記アクチュエータに印加する駆動電圧を調整する駆動制御手段を含む請求項1から17のいずれかに記載の液体消費装置。
  19. 液体が貯留された貯留室、上記貯留室に貯留された液体を流出させる液体供給口、被検出部を有し且つ上記貯留室の内部において移動可能な被検出子、及び上記被検出子を上記貯留室の内部で拘束する拘束部材を有する液体容器と、
    上記液体供給口を通じて上記液体容器から流出された液体を消費する液体消費部と、
    上記拘束部材による上記被検出子の拘束を解除する拘束解除部と、
    上記拘束解除部によって拘束が解除された上記被検出子の移動経路上の検出位置に対面して設けられており、上記検出位置における上記被検出部の有無に応じた検出信号を出力する検出部と、
    制御部と、を備えており、
    上記被検出子は、上記貯留室に貯留された液体より比重が大きく、
    上記拘束部材は、上記検出位置より鉛直方向の上方において、上記被検出子を拘束し、
    上記液体容器は、一端に上記被検出子が取り付けられ且つ他端に上記貯留室に貯留された液体より比重が小さいフロートが取り付けられており、上記貯留室の内部に設けられた軸周りに回動可能に構成されたアームを備え、
    上記制御部は、
    上記検出部から出力された検出信号に基づいて、上記被検出子の移動速度を特定し得る物理量を計測する計測手段と、
    上記計測手段によって計測された上記物理量が閾値範囲に含まれるか否かを判断する判断手段と、を含む液体消費装置。
  20. 液体が貯留された貯留室、上記貯留室に貯留された液体を流出させる液体供給口、被検出部を有し且つ上記貯留室の内部において移動可能な被検出子、及び上記被検出子を上記貯留室の内部で拘束する拘束部材を有する液体容器と、
    上記液体供給口を通じて上記液体容器から流出された液体を消費する液体消費部と、
    上記拘束部材による上記被検出子の拘束を解除する拘束解除部と、
    上記拘束解除部によって拘束が解除された上記被検出子の移動経路上の検出位置に対面して設けられており、上記検出位置における上記被検出部の有無に応じた検出信号を出力する検出部と、
    制御部と、を備えており、
    上記被検出子は、上記貯留室に貯留された液体より比重が大きく、
    上記拘束部材は、上記検出位置より鉛直方向の上方において、上記被検出子を拘束し、
    上記液体容器は、上記拘束部材によって拘束された上記被検出子を鉛直上向きに付勢する付勢部材を備え、
    上記制御部は、
    上記検出部から出力された検出信号に基づいて、上記被検出子の移動速度を特定し得る物理量を計測する計測手段と、
    上記計測手段によって計測された上記物理量が閾値範囲に含まれるか否かを判断する判断手段と、を含む液体消費装置。
  21. 液体が貯留された貯留室、上記貯留室に貯留された液体を流出させる液体供給口、被検出部を有し且つ上記貯留室の内部において移動可能な被検出子、及び上記被検出子を上記貯留室の内部で拘束する拘束部材を有する液体容器と、
    上記液体供給口を通じて上記液体容器から流出された液体を消費する液体消費部と、
    上記拘束部材による上記被検出子の拘束を解除する拘束解除部と、
    上記拘束解除部によって拘束が解除された上記被検出子の移動経路上の検出位置に対面して設けられており、上記検出位置における上記被検出部の有無に応じた検出信号を出力する検出部と、
    制御部と、を備えており、
    上記被検出子は、上記貯留室に貯留された液体より比重が大きく、
    上記拘束部材は、上記検出位置より鉛直方向の上方において、上記被検出子を拘束し、
    上記被検出子は、磁石を含み、
    上記拘束部材は、磁性体を含み、
    上記拘束解除部は、上記被検出子と上記拘束部材との間に生じる引力より強い斥力を、上記拘束部材によって拘束された上記被検出子に対して付与する電磁石であり、
    上記制御部は、
    上記検出部から出力された検出信号に基づいて、上記被検出子の移動速度を特定し得る物理量を計測する計測手段と、
    上記計測手段によって計測された上記物理量が閾値範囲に含まれるか否かを判断する判断手段と、を含む液体消費装置。
  22. 該液体消費装置は、記液体容器が着脱可能に装着される装着部を備えており、
    上記液体容器は、上面に傾斜面が形成された案内部材を備えており、
    上記被検出子は、上記装着部に対する上記液体容器の挿抜方向及び鉛直方向を含む断面における外形輪郭線が円形状であって、上記拘束部材による拘束が解除されたことによって上記傾斜面上を転動する請求項19から21のいずれかに記載の液体消費装置。
  23. 上記計測手段は、移動経路上の予め定められた2点間を上記被検出子が通過するのに要する通過時間を、上記物理量として計測する請求項19から22のいずれかに記載の液体消費装置。
  24. 上記制御部は、上記通過時間が上記閾値範囲を外れたと上記判断手段によって判断されたことを条件として、上記液体容器に関する情報を報知する報知手段を含む請求項23に記載の液体消費装置。
  25. 上記制御部は、上記通過時間が上記閾値範囲を外れたと上記判断手段によって判断されたことを条件として、上記液体消費部による液体の消費を規制する規制手段を含む請求項23又は24に記載の液体消費装置。
  26. 上記液体容器は、液体であるインクが貯留されたインクカートリッジであり、
    上記液体消費部は、
    インクが吐出されるノズルと、
    駆動されることによって上記ノズルにインクを吐出させるアクチュエータと、を備えており、
    上記制御部は、上記通過時間が上記閾値範囲に含まれる場合と、上記通過時間が上記閾値範囲から外れた場合とで、上記ノズルから吐出されるインク量が略同一となるように、上記アクチュエータに印加する駆動電圧を調整する駆動制御手段を含む請求項23から25のいずれかに記載の液体消費装置。
  27. 該液体消費装置は、温度に応じた信号を出力する温度検出部を備えており、
    上記制御部は、上記温度検出部から出力される信号に基づいて、上記閾値範囲を決定する決定手段を含む請求項1から26のいずれかに記載の液体消費装置。
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