JP6897463B2 - インクジェット記録装置、粘度推定方法、及び、記憶媒体 - Google Patents

インクジェット記録装置、粘度推定方法、及び、記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録装置、粘度推定方法、及び記憶媒体に関する。
従来から、インクを貯留するタンクから供給されたインクを吐出するヘッドを備えたインクジェット記録装置が知られている。この種のインクジェット記録装置では、タンク内のインクがなくなったときに、タンク内のエアが、ヘッドまでのインク供給路内に侵入する問題がある。この問題の対策として、特許文献1には、インクを貯溜するメインタンク(第1タンク)とヘッドとの間にサブタンク(第2タンク)を介在させた構成が開示されている。この構成において、ヘッドにインクを流出するサブタンクの流出口は、メインタンクからのインクが流入するサブタンクの流入口よりも下側に配置されている。従って、メインタンク内のインクがなくなったとしても、サブタンク内の流入口よりも下の領域にインクが残留していることになるため、ヘッドまでのインク供給路内にエアが侵入することを防止することができる。
特開2008−238530号公報
インクジェット記録装置の使用インクとして、顔料インクが採用される場合がある。顔料インクは、印刷した画像の明瞭さ等が向上する等の利点を有している反面、長時間静置状態にあると、顔料が沈降するという問題がある。従って、顔料インクを貯溜するタンクにおいては、長時間静置状態にあると、顔料が沈降することで、タンク内の底部で顔料インクの粘度が局所的に高くなる粘度分布が生じる。
また、ヘッドの吐出特性等はインクの粘度にかなり依存するため、ヘッドに供給されるインクの粘度を推定することは重要である。
ここで、特許文献1に記載のように、第1タンクとヘッドとの間に第2タンクを介在させた構成において、使用インクとして顔料インクを採用した場合、第1タンクの下部から流出した顔料インクが、第2タンク内の顔料インクと混じり合って、最終的にヘッドに供給されることになる。従って、インクを貯溜する第1タンク内から流出する顔料インクの粘度推定だけでは、第2タンクからヘッドに供給される顔料インクの粘度を精度よく推定しているとは言えない。
そこで、本発明の目的は、第2タンクの流出口から流出される顔料インクの粘度を精度良く推定可能な、インクジェット記録装置、粘度推定方法、及び記憶媒体を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明のインクジェット記録装置は、顔料インクを貯留する第1タンクであって、下部に供給口を有する第1タンクが装着される装着部と、前記第1タンクの前記供給口と連通する流入口と、前記流入口よりも下側に配置された流出口とを有する第2タンクと、前記流出口と接続するインクジェットヘッドと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記装着部に装着された前記第1タンク内の高さ方向の顔料インクの粘度分布である第1粘度分布、及び前記第2タンク内の高さ方向の顔料インクの粘度分布である第2粘度分布をそれぞれ取得し、取得した前記第1粘度分布における前記第1タンクの第1高さ以下の粘度情報、及び前記第2粘度分布における前記第2タンクの第2高さ以下の粘度情報に基づいて、前記流出口から流出される顔料インクの粘度を推定する。
また、本発明の粘度推定方法は、顔料インクを貯溜する第1タンクであって、下部に供給口を有する第1タンクが装着される装着部、前記第1タンクの前記供給口と連通する流入口と前記流入口よりも下側に配置された流出口とを有する第2タンク、及び、前記流出口と接続するインクジェットヘッドを有するインクジェット記録装置における、前記流出口から流出される顔料インクの粘度を推定する粘度推定方法であって、前記装着部に装着された前記第1タンク内の高さ方向の顔料インクの粘度分布である第1粘度分布、及び前記第2タンク内の高さ方向の顔料インクの粘度分布である第2粘度分布をそれぞれ取得する粘度分布取得ステップと、前記粘度分布取得ステップにより取得した、前記第1粘度分布における前記第1タンクの第1高さ以下の粘度情報、及び前記第2粘度分布における前記第2タンクの第2高さ以下の粘度情報に基づいて、前記流出口から流出される顔料インクの粘度を推定する粘度推定ステップと、を含む。
また、本発明の記憶媒体は、顔料インクを貯溜する第1タンクであって、下部に供給口を有する第1タンクが装着される装着部と、前記第1タンクの前記供給口と連通する流入口と前記流入口よりも下側に配置された流出口とを有する第2タンク、及び、前記流出口と接続するインクジェットヘッドを有するインクジェット記録装置における、前記流出口から流出される顔料インクの粘度を推定する推定装置に実行させるプログラムを記憶する記憶媒体であって、前記プログラムは、前記推定装置に、前記装着部に装着された前記第1タンク内の高さ方向の顔料インクの粘度分布である第1粘度分布、及び前記第2タンク内の高さ方向の顔料インクの粘度分布である第2粘度分布をそれぞれ取得する粘度分布取得処理と、前記粘度分布取得処理により取得した、前記第1粘度分布における前記第1タンクの第1高さ以下の粘度情報、及び前記第2粘度分布における前記第2タンクの第2高さ以下の粘度情報に基づいて、前記流出口から流出される顔料インクの粘度を推定する粘度推定処理と、を実行させる。
第1タンク内の高さ方向の顔料インクの粘度分布である第1粘度分布と、第2タンク内の高さ方向の顔料インクの粘度分布である第2粘度分布とは、例えば、下記の観点から、互いに異なる粘度分布となると推測される。即ち、顔料の沈降に起因したタンク内でのインクの粘度変化については、タンク内で顔料が沈降し易いか(溜まり易いか)と、ヘッドでインクが消費されたときに、タンク内のどの部分のインクが流出しやすいかが、大きく影響する。ここで、顔料の沈降のし易さについては、タンクの形状等が大きな要因となる。また、タンク内のどの部分からインクが流出しやすいかについては、タンクのインクが流出する開口周辺の流路形状等が影響する。このため、用途が異なる第1タンクと第2タンクとでは、タンクの形状やインクが流出する開口周辺の流路形状等の何れかが互いに異なる態様となるため、顔料の沈降によって生じる顔料インクの粘度分布も互いに異なるものになると推測される。そのため、第1タンク内での顔料インクの粘度分布及び第2タンク内での顔料インクの粘度分布それぞれを取得して、これら両者の粘度分布に基づいて、第2タンクの流出口から流出される顔料インクの粘度を推定することが好ましい。
また、本願発明者は、第2タンクの流出口から流出される顔料インクの粘度は、当該流出前において第1タンク内において所定の高さ以下の領域に存在する顔料インク、及び、第2タンク内において所定の高さ以下の領域に存在する顔料インクの粘度の影響を受けることを見出した。
そこで、本発明では、上記構成のように、第1粘度分布及び第2粘度分布を取得し、取得した第1粘度分布における第1タンクの第1高さ以下の粘度情報、及び、第2粘度分布における第2タンクの第2高さ以下の粘度情報に基づいて、流出口から流出される顔料インクの粘度を推定することで、その推定精度を高めることができる。
また、第2タンクの流出口から流出される顔料インクの粘度は、第1タンク内の第1高さよりも上の領域に存在する顔料インク、及び、第2タンク内の第2高さよりも上の領域に存在する顔料インクの影響を殆ど受けない。このため、第1粘度分布における第1タンクの第1高さ以下の粘度情報、及び第2粘度分布における第2タンクの第2高さ以下の粘度情報に基づいて粘度を推定することで、第1粘度分布及び第2粘度分布それぞれの粘度情報を全て用いて粘度を推定する場合と比べて、その粘度推定を簡易化することができる。
本実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。 インクジェットプリンタの電気的構成を概略的に示すブロック図である。 インクジェットヘッド、メインタンク、及びサブタンクを模式的に示す鉛直断面図である。 メインタンク及びサブタンクそれぞれの粘度分布における各領域、並びに第1高さ及び第2高さについて説明する図である。 メインタンク及びサブタンクそれぞれの粘度分布における各領域、並びに第1高さ及び第2高さについて説明する図である。 (a)はメインタンク粘度テーブルについて説明する図であり、(b)はサブタンク粘度テーブルについて説明する図であり、(c)及び(d)はメインタンク及びサブタンクそれぞれにおける各領域のインク構成について説明する図であり、(e)は流出口から流出されたインクのインク構成について説明する図である。 粘度推定処理について説明するフローチャートである。 インクジェットプリンタの処理動作について説明するフローチャートである。
本発明の好適な実施形態に係るインクジェットプリンタ1の概略構成について説明する。このプリンタ1は、図1に示す姿勢で使用される。そして、プリンタ1は、プラテン2、キャリッジ3、インクジェットヘッド4(以下、単にヘッド4とも称す)、4つのタンク装着部5、4つのサブタンク6、給紙ローラ7、排紙ローラ8、パージ装置9、フラッシング受け10、温度センサ160、タッチパネル161(図2参照)、及び制御装置100等を備えている。尚、以下では、図1の紙面手前側をプリンタ1の「上方」、紙面向こう側をプリンタ1の「下方」と定義する。また、図1に示す前後方向及び左右方向を、プリンタ1の「前後方向」及び「左右方向」と定義する。以下、前後、左右、上下の各方向語を適宜使用して説明する。
プラテン2の上面には、被記録媒体である用紙Pが載置される。また、プラテン2の上方には、左右方向(走査方向)に平行に延びる2本のガイドレール15,16が設けられる。
キャリッジ3は、2本のガイドレール15,16に取り付けられ、プラテン2と対向する領域において2本のガイドレール15,16に沿って左右方向に移動可能である。また、キャリッジ3には、駆動ベルト17が取り付けられている。駆動ベルト17は、2つのプーリ18,19に巻き掛けられた無端状のベルトである。一方のプーリ18はキャリッジ駆動モータ20(図2参照)に連結されている。キャリッジ駆動モータ20によってプーリ18が回転駆動されることで駆動ベルト17が走行し、これにより、キャリッジ3が左右方向に往復移動する。また、このとき、キャリッジ3上に搭載されたヘッド4は、このキャリッジ3とともに左右方向に往復移動することになる。
4つのタンク装着部5は、キャリッジ3(ヘッド4)よりも前方において、左右方向に並んで配置されている。各タンク装着部5には、メインタンク30が着脱可能に装着される。4つのタンク装着部5に装着される4つのメインタンク30には、それぞれ、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの顔料インクが貯溜されている。また、4つのタンク装着部5それぞれには、メインタンク30がタンク装着部5に装着されているか否かを検知するための装着検知センサ130(図2参照)が設けられている。
4つのサブタンク6は、キャリッジ3よりも前方、且つ、4つのタンク装着部5の後方において、左右方向に並んで配置されている。4つのサブタンク6は、4つのタンク装着部5に対応している。各サブタンク6は、気液分離用のタンクであり、対応するタンク装着部5にメインタンク30が装着されると、メインタンク30と連通して当該メインタンク30からインクが供給されるようになっている。また、サブタンク6は、可撓性の供給チューブ22を介して、ヘッド4に接続されている。メインタンク30及びサブタンク6の構成については後述する。
ヘッド4は、キャリッジ3に搭載されている。このヘッド4は、ヘッド本体13と、バッファタンク14とを有する。バッファタンク14にはチューブジョイント21が一体的に設けられている。そして、チューブジョイント21には、4本の供給チューブ22それぞれの一端が着脱可能に接続されている。4本の供給チューブ22それぞれの他端は、4つのサブタンク6のそれぞれに接続されている。タンク装着部5に装着された4つのメインタンク30内のインクは、サブタンク6及び供給チューブ22を経て、バッファタンク14に供給される。
ヘッド本体13は、バッファタンク14の下部に取り付けられている。ヘッド本体13は、流路ユニット44とアクチュエータ45とを有する。流路ユニット44には、その下面であるノズル面44a(図3参照)に形成された複数のノズル46を含む内部流路が形成されている。この内部流路は、バッファタンク14と連通しており、複数のノズル46は、バッファタンク14から内部流路を介して供給されたインクを吐出する。複数のノズル46は、前後方向に配列されることによってノズル列47を形成しており、ノズル面44aには、4列のノズル列47が左右方向に並んでいる。4列のノズル列47からは、右側に位置するノズル列47から順に、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが吐出される。アクチュエータ45は、各ノズル46内のインクに個別に、吐出エネルギーを付与するためのものである。例えば、アクチュエータ45は、ノズル46に連通する図示しない圧力室の容量を変化させてインクに圧力を付与するものや、加熱により圧力室内に気泡を発生させてインクに圧力を付与するものである。ただし、アクチュエータ45の構成自体は公知のものであるため、ここではこれ以上の詳細な説明は省略する。
また、ヘッド4は、タンク装着部5に装着されたメインタンク30及びサブタンク6よりも、上側に配置されている。これにより、ノズル46内のインクと、メインタンク30内のインクの液面やサブタンク6内のインクの液面との間に水頭差が生じることで、ノズル46内のインクにメインタンク30側への負圧が付与される。その結果、印刷時以外のときに、ノズル46から、インクが吐出されるのを防止することができる。
給紙ローラ7と排紙ローラ8は、搬送モータ29(図2参照)によってそれぞれ同期して回転駆動される。給紙ローラ7と排紙ローラ8は協働して、プラテン2に載置された用紙Pを前方(搬送方向)に搬送する。
そして、プリンタ1は、給紙ローラ7と排紙ローラ8によって用紙Pを搬送方向に搬送する動作と、キャリッジ3とともにヘッド4を左右方向に移動させながらインクを吐出させる吐出動作とを交互に繰り返し行うことにより、用紙Pに所望の画像等を印刷する。即ち、本実施形態のプリンタ1は、シリアル式のインクジェットプリンタである。
フラッシング受け10は、プラテン2よりも左側に配置されている。キャリッジ3を移動させてヘッド4をフラッシング位置に位置付けさせたとき、複数のノズル46が、フラッシング受け10と上下に対向する。そして、プリンタ1では、ヘッド4をフラッシング位置に位置付けさせた状態で、ヘッド4のアクチュエータ45を駆動して、ノズル46からフラッシング受け10に向けて増粘したインク等を吐出して排出させるフラッシングを行わせることができる。
パージ装置9は、ヘッド4のノズル46の吐出性の低下の抑制や、吐出性の回復のためのメンテナンス動作を行うためのものであり、キャップユニット50、吸引ポンプ51、及び廃液タンク52等を備えている。
キャップユニット50は、プラテン2よりも右側に配置されている。キャリッジ3がプラテン2よりも右側に移動したときにはこのキャップユニット50と上下に対向する。また、キャップユニット50は、キャップ昇降モータ53(図2参照)により駆動されて、上下方向に昇降可能である。このキャップユニット50は、ヘッド4に接触して装着可能な、キャップ55を備えている。キャップ55は、例えばゴム材料によって構成されている。
ヘッド4がキャップユニット50と対向した状態では、キャップ55がヘッド本体13の下面と対向する。この状態で、ヘッド4から下方に離間した離間位置に位置しているキャップユニット50を、キャップ昇降モータ53により、離間位置よりも上方のキャッピング位置まで上昇させると、キャップユニット50がヘッド4に装着される。このとき、キャップ55により、4列のノズル列47に属する全てのノズル46が共通に覆われる。また、キャップ55は、ロータリーポンプである吸引ポンプ51に接続されている。
プリンタ1では、キャップ55がヘッド本体13に装着されて複数のノズル46を覆った状態で、制御装置100の制御により、吸引ポンプ51を駆動して、キャップ55内を減圧(吸引)することで、複数のノズル46からそれぞれインクを吸引して排出させる、吸引パージを行なうことができる。これにより、ノズル46内の高粘度化したインクがノズル46から強制的に排出されて、ノズル46の吐出性の回復等を行うことができる。吸引パージによって排出されたインクは、廃液タンク52に貯留される。
温度センサ160は、タンク装着部5の近傍に配置されており、周囲温度を計測する。タッチパネル161は、ユーザからの各種操作入力の受け付けや、各種の設定画面や動作状態等をユーザに対して表示することが可能なユーザインターフェースである。
制御装置100は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、不揮発性メモリ104、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)105等を含む。ROM102には、CPU101が実行するプログラム、各種固定データ等が記憶されている。RAM103には、プログラム実行時に必要なデータ(印刷データ等)が一時的に記憶される。不揮発性メモリ104には、後述する総流出量カウント情報121等が記憶される。ASIC105には、ヘッド4、キャリッジ駆動モータ20等、プリンタ1の様々な装置あるいは駆動部と接続されている。また、ASIC105は、通信インターフェース110を介してPC等の外部装置200と接続されている。さらに、ASIC105は、USBインターフェース111が接続されている。制御装置100は、このUSBインターフェース111を介して、USBメモリ250に記憶されているプログラム250a等をインストールすることが可能に構成されている。
CPU101は、外部装置200から受信した印刷指示に基づいて、ヘッド4やキャリッジ駆動モータ20等を制御して、用紙Pに画像等を印刷する印刷処理を実行する。また、CPU101は、パージ装置9に吸引パージを行なわせたり、ヘッド4のアクチュエータ45にフラッシングを行なわせたりして、ヘッド4のノズル46からインクを排出させる排出処理を実行する。
尚、上の説明では、制御装置100が行う各種処理は、CPU101が行うものとして説明したが、CPUと、ASICとの協動で行ってもよい。また、制御装置100が複数のCPUを備え、複数のCPUによって処理を分担して行ってもよい。また、制御装置100が複数のASICを備え、複数のASICによって処理を分担してもよい。あるいは、1つのASIC単独で処理を行ってもよい。
次に、メインタンク30、及びサブタンク6の構成について順に説明する。
図3に示すように、タンク装着部5に装着された状態のメインタンク30は、水平方向に関してサブタンク6と並んで配置される。より詳細には、メインタンク30は、サブタンク6と、水平方向に関して前後に隣接して配置されている。メインタンク30は、略直方体形状をなしており、その内部にインクを貯溜する内部空間31が形成されている。
メインタンク30内には、この内部空間31を、上側のインク室31aと、下側のインク流路31bとに仕切る、水平方向に延びる仕切板32が設けられている。この仕切板32の前端部には、上下に貫通する接続孔32aが形成されている。この接続孔32aにより、インク室31aとインク流路31bとが互いに連通する。
メインタンク30の後壁30aにおける、仕切板32よりも下側の位置には、後壁30aを前後に貫通する供給口33が形成されている。つまり、インク流路31bに供給口33が形成されている。この供給口33は、内部空間31に貯溜されているインクを外部へ供給するための開口である。また、後壁30aにおける当該供給口33の形成部分には、後方に突出する円筒形状のインク供給部34が設けられている。インク供給部34の内部空間は、供給口33を介して内部空間31と連通する。インク供給部34の内部空間31の先端は、後述するニードル65が挿入される挿入孔34aである。この挿入孔34aは、メインタンク30がタンク装着部5に装着されていない状態では、図示しないバルブにより閉じられている。メインタンク30がタンク装着部5に装着されると、サブタンク6の後述するニードル65がバルブを押し動かすことにより、挿入孔34aが開放される。
メインタンク30の後壁30aの上部には、後壁30aを前後に貫通する大気連通口35が形成されている。大気連通口35は、インク室31a内のインクの液面よりも上側の気体層と外部(大気)と連通するものである。図示されていないが、大気連通口35には、メインタンク30の外部からインク室31aへの流体の流れを許容しつつ、インク室31aからメインタンク30の外部への流体の流れを規制する逆止弁が設けられていてもよい。また、大気連通口35に、気体を通過させる一方でインク等の液体の透過を阻止する気体透過膜が設けられていてもよい。また、大気連通口35より外部側にラビリンス構造の流路が設けられており、大気連通口35から外部へインクが漏れにくくされていてもよい。
ところで、プリンタ1を搬送する際などに、プリンタ1が図1に示す使用姿勢とは異なる姿勢にされ得る。例えば、プリンタ1の姿勢が、プリンタ1の後面を下側にした姿勢にされる場合もある。つまり、プリンタ1の後面が前面よりも下方に位置する場合がある。そうすると、タンク装着部5に装着されたメインタンク30におけるインク室31aのインクの液面が、ヘッド4よりも上側に位置することとなり、使用姿勢のときのように、ノズル46内のインクにメインタンク30側への負圧が付与されない。その結果として、ヘッド4のノズル46より上方に存在するメインタンク30内のインクがノズル46から多量に漏れ出す可能性がある。しかしながら、本実施形態では、メインタンク30内には、仕切板32が設けられており、インク室31aとインク流路31bとを連通する接続孔32aは、仕切板32の前端部に形成されている。このため、プリンタ1の後面を下側にした姿勢にされたときには、接続孔32aは、インク室31aで最も上方に位置することとなる。その結果、インク室31a内のインクが、インク流路31bに流出することを抑制することができ、ノズル46からインクが多量に漏れ出すことを抑制することができる。
次に、サブタンク6について説明する。サブタンク6は、直方体形状の本体部分61と、本体部分61の上部から上方へ延びる直方体形状の上側部分62とから主に構成されている。本体部分61には下側貯溜室61aが形成され、上側部分62には上側貯溜室62aがそれぞれ形成されている。下側貯溜室61aと上側貯溜室62aとは互いに連通して内部空間60を形成している。このサブタンク6の内部空間60の容量は、メインタンク30の内部空間31の容量よりも小さい。また、サブタンク6の内部空間60の各高さの水平断面積は、メインタンク30の内部空間60の底面積や各高さの水平断面積よりも小さい。
上側貯溜室62aは、メインタンク30がタンク装着部5に装着された際に、当該メインタンク30の仕切板32よりも上側に位置する。上側貯溜室62aの左右方向の幅は、下側貯溜室61aの左右方向の幅と同じである一方で、上側貯溜室62aの上下方向の幅は、下側貯溜室61aの左右方向の幅よりも短い。従って、上側貯溜室62aの各高さの水平断面積は、下側貯溜室61aの各高さの水平断面積よりも小さい。加えて、上側貯溜室62aの各高さの水平断面積は、メインタンク30のインク室31aの各高さの水平断面積よりも大幅に小さい(例えば、上側貯溜室62aの水平断面積は、メインタンク30のインク室31aの水平断面積の5%程度である)。
上側部分62の前壁62bの上部には、前壁62bを前後に貫通する大気連通口63が形成されている。大気連通口63は、内部空間60に貯溜されているインクの液面よりも上側の気体層と外部(大気)と連通するものである。図示されていないが、大気連通口63に、気体を通過させる一方でインク等の液体の透過を阻止する気体透過膜が設けられていてもよい。また、大気連通口63より外部側にラビリンス構造の流路が設けられており、大気連通口63から外部へインクが漏れにくくされていてもよい。
本体部分61の前壁61bには、前壁61bを前後に貫通する流入口64が形成されている。つまり、下側貯溜室61aに流入口64が形成されている。この流入口64は、サブタンク6の外部からのインクが流入する開口である。また、前壁61bにおける当該流入口64の形成部分には、前方に突出する円筒状のニードル65が設けられている。このニードル65の内部空間は、流入口64を介して、サブタンク6の内部空間60と連通している。タンク装着部5にメインタンク30が装着された際に、このニードル65がメインタンク30の挿入孔34aに挿入されることで、ニードル65を介して、メインタンク30の供給口33と、サブタンク6の流入口64とが連通する。その結果として、メインタンク30の内部空間31に貯溜されているインクを、供給口33及び流入口64を介して、サブタンク6の内部空間60へと供給することが可能となる。
本体部分61の後壁61cの下部には、後壁61cを前後に貫通する流出口66が形成されている。つまり、下側貯溜室61aに流出口66が形成されている。この流出口66は、サブタンク6の内部空間60の貯溜されているインクを外部に流出するための開口である。この流出口66には供給チューブ22が接続されており、メインタンク30やサブタンク6に貯溜されているインクを、供給チューブ22を介してヘッド4に供給することが可能に構成されている。
流出口66は、流入口64よりも下側に配置されている。また、この流出口66は、タンク装着部5に装着されたメインタンク30の内部空間31よりも下側に配置されている。
本体部分61の前壁61bにおける、ニードル65よりも下方の位置には、前方に突出した凸部67が設けられている。この凸部67には、その内部に、内部空間60の一部を構成する検出室67aが形成されている。また、凸部67は、光透過性を有する樹脂部材で構成されている。
下側貯溜室61a内には、本体部分61に設けられた支持軸68を中心に回動可能なフロート機構69が設けられている。フロート機構69は、支持軸68から前側に延在するアーム部69aと、支持軸68から後ろ側に延在するフロート部69bと、アーム部69aの先端に設けられた遮蔽部69cとを有している。
フロート部69bは、その平均比重がインクの比重よりも軽くなるように中空状に成形されている。アーム部69aは、フロート部69bよりも重量が小さく、且つインクに浸漬されたときにはフロート部69bより作用する浮力が小さくなるように設定されている。
以上の構成において、下側貯溜室61aに貯溜されているインクの液面位置が、所定の検出位置以上の高さ位置である場合には、フロート部69bがインクに浸漬され、浮力によってフロート部69bとアーム部69aとの重量の均衡が逆転し、フロート機構69は支持軸68を中心にフロート部69bが上昇する方向に回動する。その際、遮蔽部69cは、検出室67a内に進入するように斜め下方に移動する。
一方で、下側貯溜室61aに貯溜されているインクの液面が、上記検出位置未満の高さ位置である場合には、フロート機構69は支持軸68を中心にフロート部69bが降下する方向に回動し、その際、遮蔽部69cは、検出室67aから斜め上方に退くように移動する。このように、遮蔽部69cは、下側貯溜室61a内のインクの液面の上下方向の変位に応じて、変位することになる。
また、プリンタ1には、残量検出センサ120が設けられている。残量検出センサ120は、サブタンク6の凸部67を左右に挟んで対向配置された図示しない発光素子及び受光素子を備えた、透過型の光センサである。凸部67内の検出室67aは、この残量検出センサ120の発光素子と受光素子との間の光路に配置されている。従って、フロート機構69の遮蔽部69cが検出室67a内に位置するときには受光素子は発光素子から照射された光を受光できず、遮蔽部69cが変位して検出室67aから退くと受光可能となる。残量検出センサ120は、受光素子の発光素子から照射された光の受光の有無によって遮蔽部69cの位置、即ち、下側貯溜室61aに貯溜されているインクの液面レベルに関する情報を制御装置100に出力する。これにより、制御装置100のCPU101は、残量検出センサ120からの出力結果に基づいて、下側貯溜室61aのインクの液面が検出位置未満となる状態(以下、ニアエンプティ状態)か否かを判断することができる。本実施形態では、この検出位置は、流出口66よりも高い位置であり、且つ、流入口64よりも低い位置に設定されている。
変形例として、凸部67が本体部分61の前壁61bに設けられておらず、本体部分61の上壁61dから上方に突設されていてもよい。この場合、フロート機構69のアーム部69aは、支持軸68から上側に延在させる。その結果、アーム部69aの先端部に設けられた遮蔽部69cは、下側貯溜室61a内のインクの液面の上下方向の変位に応じて、左右方向に変位することになる。この構成の場合でも、CPU101は、残量検出センサ120からの出力結果に基づいて、ニアエンプティか否かを判断することは可能である。また、この構成の場合、凸部67が本体部分61の前壁61bに設けられていない分、ニードル65とインク供給部34との接続箇所の下方にスペースが生じるため、当該接続箇所から漏れ出たインクを受容可能なインク受けなどを配置することが可能である。
次に、メインタンク30がタンク装着部5に装着されてからの、インクの流れについて説明する。メインタンク30がタンク装着部5に装着されると、サブタンク6のニードル65がメインタンク30の挿入孔34aに挿入されて、メインタンク30の供給口33と、サブタンク6の流入口64とが互いに連通する。これにより、メインタンク30の内部空間31内のインクが、サブタンク6の内部空間60へと供給される。
ここで、メインタンク30の内部空間31は大気連通口35により大気開放されている。また、サブタンク6の内部空間60は大気連通口63により大気開放されている。従って、メインタンク30からサブタンク6へのインクの供給は、メインタンク30内のインクの液面と、サブタンク6内のインクの液面とが、互いの水頭圧により同一高さに揃うまで行われる。これ以降、印刷処理や排出処理等によりノズル46からインクが吐出又は排出されることで、サブタンク6から流出口66を介してヘッド4にインクが供給されると、メインタンク30内のインクの液面と、サブタンク6内のインクの液面とは、同じ高さを保った状態で、下降することになる。
ところで、メインタンク30の供給口33が供給チューブ22に直接接続されている構成の場合には、メインタンク30内のインクがなくなった以降においても、ノズル46からインクが吐出又は排出されると、供給チューブ22内にエアが侵入する。その結果、このエアによりノズル46の吐出性が悪化する問題が生じる。この問題の対策として、供給チューブ22内にエアが侵入することを抑制すべく、メインタンク30内のインク残量が、零よりも多い或る所定量未満となったときに、タッチパネル161にメインタンク30の交換を促す交換画面等を表示して、ユーザにメインタンク30を交換させる方法も考えられる。しかしながら、この場合、タンク装着部5に装着されたメインタンク30内にインクが残った状態で交換されることになる。
これに対して、本実施形態では、メインタンク30と供給チューブ22の間に、気液分離用のサブタンク6が介在されているため、上記の問題は解決している。
上述したように、サブタンク6の流出口66は、流入口64よりも下側に配置されている。即ち、タンク装着部5に装着されたメインタンク30よりも下側に配置されている。従って、メインタンク30内のインクがなくなったときにも、サブタンク6の下側貯溜室61a内(流出口66よりも上側)にはインクが貯溜されていることになる。その結果として、メインタンク30内のインクがなくなったとしても、供給チューブ22内にエアが直ちに侵入することはない。
その後、CPU101は、残量検出センサ120からの出力結果に基づいて、サブタンク6内のインクの液面が検出位置未満となるニアエンプティ状態になったと判断したときに、タッチパネル161にメインタンク30の交換を促す交換画面を表示する。尚、上記検出位置は、流出口66よりも上側の位置であるため、このときに、供給チューブ22内にはエアが侵入していない。従って、本実施形態では、供給チューブ22内にエアが侵入することを抑制しつつ、メインタンク30内のインクを有効に利用することができる。
ところで、吸引パージやフラッシング等の排出処理を行う際において、ノズル46の吐出性を回復させるためには、ノズル46内のインクの粘度に応じて、ノズル46から排出させるインクの排出量等を変更する必要がある。従って、例えば、吸引パージでは、ノズル46内のインクの粘度が高いほど、排出量が多くなるように吸引ポンプ51の回転時間や回転速度等の駆動条件を変更する必要がある。また、フラッシングでは、ノズル46内のインクの粘度が高いほど、インクを吐出させる吐出回数が多くなるようにアクチュエータ45の駆動条件を変更したり、1吐出当たりの吐出量が多くなるように駆動条件を変更したりする必要がある。従って、ノズル46内のインクの粘度を精度良く推定する必要がある。
ここで、ノズル46内のインクの粘度は、サブタンク6の流出口66から流出される際のインクの粘度によって変わる。この流出口66から流出されるインクの粘度は、常に一定ではなく、変化する。このため、ノズル46内のインクの粘度を精度良く推定するためには、流出口66から流出されるインクの粘度を精度よく推定する必要がある。以下、流出口66から流出されるインクの粘度が変化する理由について、説明する。
上述したように、メインタンク30に貯溜されているインクは顔料インクである。顔料インクは、顔料が溶媒中に分散された状態で存在しており、長時間静置状態にあると比重の大きい顔料がメインタンク30の底部に沈降する。このため、メインタンク30内においては、長時間静置状態にあると、メインタンク30の底部に顔料が多量に沈降する。その結果として、メインタンク30の底部において顔料インクの顔料濃度が局所的に高くなり、その粘度も局所的に非常に高くなる。一方で、メインタンク30において、液面付近の顔料インクは、顔料が少なくなる分、その粘度が低くなる。従って、メインタンク30内では、底部においてインクの粘度が最も高く、上に向かうに従い粘度が減少する粘度分布が生じる。
このように、メインタンク30内の底部のインクの粘度は、供給口33からサブタンク6へインクが流出されない限り、時間の経過とともに顔料の沈降量が増えるため、上昇する。一方で、供給口33からインクが流出されると、メインタンク30内の底部の増粘したインクが流出することになる。従って、供給口33からインクが流出されるのに伴い、メインタンク30内の底部のインクの粘度は下降することになる。また、顔料インクは、メインタンク30内の温度が高いほど、粘度が低くなるため、顔料の沈降が促進される。従って、メインタンク30内におけるインクの粘度分布は、供給口33から流出されるインクの流出量、メインタンク30内の温度、タンク装着部5に装着された装着時点以降の経過時間等により変化することになる。その結果として、メインタンク30内から供給口33を介してサブタンク6へと流出されるインクの粘度が変化することになる。
また、サブタンク6内においても、メインタンク30内と同様に、底部においてインクの粘度が最も高く、上に向かうに従い粘度が減少する粘度分布が生じる。ここで、或るタンク内において単位時間当たりに沈降する顔料の沈降量は、そのタンクの容量が大きいほど多く、又、タンクの各高さの水平断面積が大きいほど多い。上述したように、サブタンク6の内部空間60の容量は、メインタンク30の内部空間31の容量よりも小さい。また、サブタンク6の内部空間60の各高さの水平断面積は、メインタンク30の底面積や各高さの水平断面積よりも小さい。このため、サブタンク6内において、単位時間当たりに沈降する顔料の沈降量は、メインタンク30内において、単位時間当たりに沈降する顔料の沈降量よりも少ない。このように、サブタンク6は、メインタンク30とは異なるタンク形状をしているため、サブタンク6内の粘度分布は、メインタンク30の粘度分布とは異なる分布となる。
また、メインタンク30の供給口33からサブタンク6内に供給されたインクは、サブタンク6内のインクと混じり合って、その粘度が下がった後に、最終的にサブタンク6の流出口66からヘッド4へと流出されることになる。より詳細には、或る所定期間に流出口66から所定量のインクが流出する場合、その流出する所定量のインクは、当該或る所定期間の開始時において、メインタンク30内に存在したインクと、サブタンク6内に存在したインクとが混じり合ったインクである。
以上のように、流出口66から流出されるインクの粘度は、流出口66から流出したインクの流出量、メインタンク30内の温度、装着時点以降の経過時間等の種々の要因によって変化することになる。
そこで、本実施形態では、CPU101が、ROM102に記憶された粘度推定プログラム102aに従って、所定期間(本実施形態では1か月)が経過する毎に、流出口66から流出されるインクの粘度を推定する粘度推定処理を実行する。粘度推定処理それぞれでは、CPU101は、まず、タンク装着部5に装着されたメインタンク30内の高さ方向のインクの粘度分布と、サブタンク6内の高さ方向のインクの粘度分布を取得する。そして、取得したこれら粘度分布に基づいて、流出口66から流出されるインクの粘度を推定する。以下、粘度推定処理を説明する前に、その前提となること事項について説明する。
本実施形態では、図4及び図5に示すように、メインタンク30内におけるインクの液面以下の領域を、高さ方向に5個の領域M1〜M5に均等に分割する。これら領域M1〜M5は、領域M1、領域M2、領域M3、領域M4、領域M5の順に低い領域である。また、サブタンク6内におけるインクの液面以下の領域についても、高さ方向に5個の領域S1〜S5に均等に分割する。これら領域S1〜S5は、領域S1、領域S2、領域S3、領域S4、領域S5の順に低い領域である。これら領域M1〜M5,S1〜S5は、メインタンク30内及びサブタンク6内それぞれのインクの液面以下の領域を均等に分割した領域であるため、インクの液面が下がると、それぞれの高さ方向の領域幅は短くなる。つまり、各領域M1〜M5,S1〜S5内に存在するインクの量は、インクの液面が下がるに従い、少なくなる。
不揮発性メモリ104には、図2に示すように、メインタンク粘度テーブル123、及び、サブタンク粘度テーブル124が記憶されている。メインタンク粘度テーブル123は、図6(a)に示すように、メインタンク30の各領域M1〜M5と、これら各領域M1〜M5内に存在するインクの粘度を示す粘度情報とが対応付けられたテーブルである。従って、このメインタンク粘度テーブル123は、メインタンク30内の高さ方向のインクの粘度分布(以下、メインタンク粘度分布)を表している。また、サブタンク粘度テーブル124は、図6(b)に示すように、サブタンク6の各領域S1〜S5と、これら各領域S1〜S5内に存在するインクの粘度を示す粘度情報とが対応付けられたテーブルである。このサブタンク粘度テーブル124は、サブタンク6内の高さ方向のインクの粘度分布(以下、サブタンク粘度分布)を表している。メインタンク30がタンク装着部5に装着された装着時点では、各領域M1〜M5,S1〜S6内に対しては、初期粘度である「4.0cps」を示す粘度情報が対応付けられて記憶される。
CPU101は、粘度推定処理それぞれにおいて、このメインタンク粘度テーブル123及びサブタンク粘度テーブル124を更新する更新処理を実行することで、メインタンク粘度分布及びサブタンク粘度分布を取得する。なお、本実施形態では、CPU101は、粘度推定処理それぞれにおいて、メインタンク粘度テーブル123及びサブタンク粘度テーブル124の更新処理を、顔料の沈降に関する更新処理と、インクの流れに関する更新処理の2つの更新処理に分けて行う。以下、まず、顔料の沈降に関する更新処理について説明する。
メインタンク30がタンク装着部5に装着された装着時点、及び粘度推定処理の前回実行時点の何れか遅い方の時点(以下、基準時点)から、現在時点までの間に流出口66からインクが流出さない場合には、メインタンク30内及びサブタンク6内ではインクの流れは殆ど生じない。従って、この基準時点から現在時点まので間においては、領域M1〜M5,S1〜S5内それぞれに存在するインクは、主に顔料の沈降に起因して、その粘度が変化することになる。
例えば、メインタンク30では、領域M1〜M5のうち、低い位置にある領域M1,M2内に存在するインクは、顔料が多くなることで、その粘度が上昇する。一方で、領域M1〜M5のうち、高い位置にある領域M4,M5内に存在するインクは、顔料が少なくなることで、その粘度が下降する。同様に、サブタンク6では、領域S1,S2内に存在するインクの粘度が上昇する一方で、領域S4,S5内に存在するインクの粘度が下降する。但し、上述したように、サブタンク6はメインタンク30と比べて、単位時間当たりに沈降する顔料の沈降量が少ない。このため、サブタンク6の各領域S1〜S5内に存在するインクの粘度変化量は、メインタンク30の領域M1〜M5内に存在するインクの粘度変化量と比べて小さい。従って、サブタンク6の領域S1内に存在するインクの粘度と領域S5内に存在するインクの粘度との差は、メインタンク30の領域M1内に存在するインクの粘度と領域M5内に存在するインクの粘度との差よりも小さくなる。
CPU101は、粘度推定処理それぞれにおいて、各領域M1〜M5,S1〜S5内に存在するインクの、基準時点から現在時点までの間の顔料の沈降に起因した粘度変化量をそれぞれ推定する。そして、CPU101は、その推定した粘度変化量を、メインタンク粘度テーブル123及びサブタンク粘度テーブル124の各領域M1〜M5,S1〜S5に対応付けられた粘度情報が示す粘度に加算する更新処理を行う。なお、この粘度変化量の推定は、上述したように、温度が高いほど、顔料の沈降が促進されるため、基準時点から温度センサ160により計測された温度情報も参照して行われる。
次に、メインタンク粘度テーブル123及びサブタンク粘度テーブル124のインクの流れに関する更新処理について説明する。本実施形態では、粘度推定処理それぞれにおいて、このインクの流れに関する更新処理は、上記顔料の沈降に関する更新処理の後に行われる。なお、本実施形態では、基準時点から現在時点までの期間は1か月間であり、この基準時点から現在時点までの間に流出口66から流出したインクの流出量は、1か月間の流出量である。以下、この1か月間の流出量を月間流出量と称す。
基準時点から、現在時点までの間に流出口66からインクが流出されると、メインタンク30内やサブタンク6内でインクの流れが生じる。このインクの流れにより、基準時点において各領域M1〜M5,S1〜S5内に存在したインクは、基準時点から現在時点までの間に流出口66から流出したインクの流出量に応じて、所定の割合で、他の領域M1〜M5,S1〜S5にそれぞれ移動することになる。つまり、現在時点において任意の領域M1〜M5,S1〜S5内に存在するインクは、基準時点で領域M1〜M5,S1〜S5内それぞれに存在したインクが所定の混合割合で混合したインクである。このように、インクの流れが生じると、各領域M1〜M5,S1〜S5内に存在するインクは、他の領域M1〜M5,S1〜S5に存在するインクと混合することで、その粘度が変化する。
ここで、月間流出量と、メインタンク30内及びサブタンク6内で生じるインクの流れとの関係については、実験やシミュレーション等により取得することは可能である。従って、この月間流出量とインクの流れとの関係に基づいて、現在時点において任意の領域M1〜M5,S1〜S5内に存在するインクの、基準時点で領域M1〜M5,S1〜S5内それぞれに存在したインクの混合割合についても求めることはできる。但し、流出口66から流出したインクの現在時点までの総流出量が異なれば、メインタンク30内のインクの残量が変わり、その結果として、各領域M1〜M5,S1〜S5の、メインタンク30内及びサブタンク6内それぞれでの高さ位置や高さ方向の領域幅が変わることになる。従って、上記混合割合を精度良く求めるためには、月間流出量だけではなく、総流出量も取得する必要がある。
そこで、本実施形態では、不揮発性メモリ104には、図2に示すように、総流出量カウント情報121、及び前回流出量カウント情報122が記憶されている。
総流出量カウント情報121は、装着時点からの、流出口66から流出したインクの総流出量を示すカウント情報である。CPU101は、印刷処理、及び排出処理等を実行することにより、流出口66からインクが流出される毎に、その流出量を算出して、総流出量カウント情報121のカウント値に加算する。なお、印刷処理やフラッシングの際にノズル46から吐出されるインクの吐出量については、アクチュエータ45の駆動条件により算出することは可能である。また、吸引パージの際に、ノズル46から排出されるインクの排出量については、吸引ポンプ51の回転速度や回転時間などの駆動条件から算出することができる。従って、流出口66から流出したインクの流出量についても算出することができる。
前回流出量カウント情報122は、基準時点における、総流出量カウント情報121のカウント値を示す情報である。従って、CPU101は、粘度推定処理それぞれにおいて、総流出量カウント情報121の現在のカウント値から上記総流出量を取得することができる。また、この総流出量カウント情報121の現在のカウント値から前回流出量カウント情報122のカウント値を減算すれば、月間流出量を取得することができる。
ROM102に記憶された粘度推定プログラム102aには、月間流出量及び総流出量に基づいて、現在時点において各領域M1〜M5,S1〜S5内に存在するインクに関する上記混合割合を、CPU101に算出させることが可能な混合割合算出プログラムが含まれている。CPU101は、粘度推定処理それぞれにおいて、月間流出量及び総流出量を取得する。そして、CPU101は、上記混合割合算出プログラムを実行することで、取得した月間流出量及び総流出量に基づいて、現在時点において各領域M1〜M5,S1〜S5内に存在するインクに関する上記混合割合を算出する。
以下、各領域M1〜M5,S1〜S5内に存在するインクに関する混合割合の算出結果の一例について、図6(c)及び(d)を参照して説明する。図6(c)及び(d)それぞれは、装着時点から1か月経過した時点において各領域M1〜M5,S1〜S5内に存在するインクの、装着時点で各領域M1〜M5,S1〜S5内に存在したインクそれぞれの混合割合を示している。ただし、図6(c)は、月間流出量が、1か月当たりの印刷枚数(以下、PVと称す)が100枚のときの概算流出量に相当する量である。一方で、図6(d)は、月間流出量が、PV500枚のときの概算流出量に相当する量である。
図6(b)及び(c)から分かるように、装着時点から1か月経過した時点において各領域M1〜M5,S1〜S5内に存在するインクの、装着時点で各領域M1〜M5,S1〜S5内に存在したインクそれぞれの混合割合は、月間流出量に応じて異なる。例えば、装着時点から1か月経過した時点において領域M1内に存在するインクは、月間流出量がPV100枚に相当する量である場合、装着時点において、領域M2内に存在したインクの混合割合が60%、領域M3内に存在したインクの混合割合が35%、領域M4内に存在したインクの混合割合が5%、その他の領域内に存在したインクの混合割合が0%である。一方で、月間流出量がPV500枚に相当する量である場合、装着時点において、領域M2内に存在したインクの混合割合が40%、領域M3内に存在したインクの混合割合が35%、領域M4内に存在したインクの混合割合が25%、その他の領域内に存在したインクの混合割合が0%である。
CPU101は、算出した各領域M1〜M5,S1〜S5に関する上記混合割合に基づいて、メインタンク粘度テーブル123及びサブタンク粘度テーブル124の各領域M1〜M5,S1〜S5に対応付けられた粘度情報を更新する。具体的には、任意の領域M1〜M5,S1〜S5に対応付けられた粘度情報については、更新前の各領域M1〜M5,S1〜S5に対応付けられた粘度情報を、当該任意の領域M1〜M5,S1〜S5に関する混合割合に基づいて比例配分することで求める。例えば、更新前の各領域M1〜M5,S1〜S5に対応付けられた粘度情報の粘度が図6(a)及び図6(b)に示す値であり、混合割合が図6(c)に示す値であった場合、領域M1に対応付けられた粘度情報の粘度を、4.71cps(=5.2×0.60+4.0×0.35+3.8×0.05)に更新する。
以上のように、粘度推定処理それぞれにおいて、メインタンク粘度テーブル123及びサブタンク粘度テーブル124に対して、顔料の沈降に関する更新処理、及びインクの流れに関する更新処理の2回の更新処理行うことで、メインタンク粘度テーブル123及びサブタンク粘度テーブル124それぞれが示すメインタンク粘度分布及びサブタンク粘度分布の精度を向上させることができる。
CPU101は、以上の更新処理により更新されるメインタンク粘度テーブル123及びサブタンク粘度テーブル124に基づいて、流出口66から流出されるインクの粘度を推定する。以下、具体的に説明する。
ここで、基準時点から現在時点までの間に流出口66から流出されるインクについても、基準時点で領域M1〜M5,S1〜S5内それぞれに存在したインクが所定の混合割合で混合したインクである。しかしながら、本願発明者は、流出口66から流出されるインクは、基準時点で全領域M1〜M5,S1〜S5内に存在したインクが混合したインクではなく、一部の領域M1〜M5,S1〜S5内に存在したインクのみが混合したインクであることを見出した。つまり、流出口66から流出されるインクの粘度は、基準時点においてメインタンク30内において所定の高さ(以下、第1高さH1)以下に存在するインク、及び、サブタンク6内において所定の高さ(以下、第2高さH2)以下に存在するインクの影響を受けることを見出した。換言すれば、流出口66から流出されるインクの粘度は、メインタンク30内の第1高さH1よりも上の領域に存在するインク、及び、サブタンク6の第2高さよりも上の領域に存在するインクの影響を殆ど受けないことを見出した。加えて、この第1高さH1及び第2高さH2が、月間流出量に応じて変化することを見出した。つまり、月間流出量によって、流出口66から流出されるインクの粘度に影響を与える、メインタンク30内に存在するインクの高さ範囲、及びサブタンク6内に存在するインクの高さ範囲が変わることを見出した。
例えば、図4に示すように月間流出量が、PV100枚に相当する流出量である場合、第1高さH1は、メインタンク30内における仕切板32よりも下側、且つ、供給口33のよりも上側の高さ位置となり、第2高さH2は、サブタンク6の流入口64よりも下側、且つ、フロート機構69の遮蔽部69cよりも上側の高さ位置となる。従って、基準時点が装着時点である場合、流出口66から流出されるインクの粘度は、図4(a)に示すように、領域M1,S1,S2内のインクの影響を受けることになる。また、基準時点がメインタンク30のインク残量が半分の時点である場合、流出口66から流出されるインクの粘度は、図4(b)に示すように、領域M1,M2,S1,S2,S3内のインクの影響を受けることになる。
また、図5に示すように月間流出量が、PV500枚に相当する流出量である場合、第1高さH1は、メインタンク30内における仕切板32よりも上側の高さ位置となり、第2高さH2は、月間流出量が、PV500枚に相当する流出量のときよりも若干上方となる高さ位置となる。従って、例えば、基準時点が装着時点である場合、流出口66から流出されるインクの粘度は、図5(a)に示すように、領域M1,M2,S1,S2内のインクの影響を受けることになる。また、基準時点がメインタンク30のインク残量が半分の時点である場合、流出口66から流出されるインクの粘度は、図5(b)に示すように、領域M1〜M4,S1〜S3内のインクの影響を受けることになる。
そこで、本実施形態では、CPU101は、粘度推定処理それぞれにおいて、取得した月間流出量に基づいて、第1高さH1及び第2高さH2を調整する調整処理を実行する。具体的には、取得した月間流出量が多いほど、第1高さH1及び第2高さH2それぞれの高さを上昇させる。ただし、上述したようにサブタンク6の上側貯溜室62aの各高さの水平断面積は、メインタンク30における、仕切板32よりも高い位置の水平断面積よりも小さい。加えて、サブタンク6内のインクの液面及びメインタンク30内のインクの液面は同一高さに保つように構成されている。このため、基準時点から現在時点までの間に流出口66から流出されるインクの、基準時点においてサブタンク6の上側貯溜室62a内に存在するインクの混合割合は極めて小さい。そこで、本実施形態では、粘度の推定を簡易化するために、第2高さH2の上限を下側貯溜室61a内に設定し、上側貯溜室62aよりも低い位置となるように構成されている。なお、調整処理により調整された第1高さH1及び第2高さH2については、不揮発性メモリ104において高さ情報126として記憶される。
そして、CPU101は、不揮発性メモリ104に記憶された高さ情報126の第1高さH1及び第2高さH2に基づいて、メインタンク粘度テーブル123の各領域M1〜M5に対応付けられた粘度情報のうち、第1高さH1以下の領域M1〜M5に対応付けられた粘度情報、及び、サブタンク粘度テーブル124の各領域S1〜S5に対応付けられた粘度情報のうち、第2高さH2以下の領域に対応する粘度情報のみをそれぞれ抽出する。なお、この粘度情報の抽出対象となるメインタンク粘度テーブル123及びサブタンク粘度テーブル124は、当該粘度推定処理で顔料インクに関する更新処理が終了した後であり、且つ、インクの流れに関する更新処理をする前のテーブルである。
CPU101は、抽出した粘度情報に基づいて、流出口66から流出されるインクの粘度を推定する。この推定の際には、流出口66から流出されるインクの、基準時点で各領域M1〜M5,S1〜S5内それぞれに存在したインクの混合割合を算出する。そして、この算出した混合割合に基づいて、抽出した粘度情報の粘度値を、比例配分することで、流出口66から流出されるインクの粘度を推定する。
なお、流出口66から流出されるインクに関する混合割合についても、上記領域M1〜M5,S1〜S5内のインクの関する混合割合と同様に、月間供給量及び総供給量を取得すれば、求めることができる。そこで、粘度推定プログラム102aに含まれる混合割合算出プログラムは、流出口66から流出されるインクに関する上記混合割合についてもCPU101に算出させることが可能にされている。そして、CPU101は、この混合割合算出プログラムを実行することで、取得した月間流出量及び総流出量に基づいて、流出口66から流出されるインクに関する上記混合割合を算出する。
図6(e)に、この流出口66から流出されるインクに関する混合割合の算出結果の一例を示す。図6(e)は、基準時点が、装着時点及びメインタンク30のインク残量が半分の時点それぞれの時点である場合の、月間流出量が、PV100枚及びPV500枚それぞれに相当する流出量であるときの、流出口66から流出した流出インクの、基準時点で各領域M1〜M5,S1〜S5内に存在したインクそれぞれの混合割合を図示している。例えば、基準時点がメインタンク30のインク残量が半分の時点であり、月間流出量が、PV100枚に相当する流出量である場合、流出口66から流出されるインクは、装着時点において、領域M1内に存在したインクの混合割合が3%、領域M2内に存在したインクの混合割合が2%、領域S1内に存在したインクの混合割合が70%、領域S2内に存在したインクの混合割合が20%、領域S3内に存在したインクの混合割合が5%、その他の領域内に存在したインクの混合割合が0%である。
CPU101は、このようにして算出した流出口66から流出されるインクに関する混合割合と、メインタンク粘度テーブル123及びサブタンク粘度テーブル124から第1高さH1及び第2高さH2に応じて抽出した粘度情報に基づいて、流出口66から流出されるインクの粘度を推定する。例えば、基準時点がメインタンク30のインク残量が半分の時点であり、月間流出量が、PV100枚に相当する流出量である場合において、顔料に関する更新処理が行われた後の各領域M1〜M5,S1〜S5の粘度値が図6(a)及び図6(b)に示す値であるときには、流出口66から流出されるインクの粘度を、4.36cps(=6.0×0.03+5.2×0.02+4.4×0.70+4.2×0.20+4.0×0.05)と推定する。
次に、粘度推定処理に係るプリンタ1の一連の処理動作について、図7を参照しつつ説明する。
まず、CPU101は、基準時点から1か月経過したか否かを判断する(A1)。そして、1か月経過したと判断した場合(A1:YES)には、CPU101は、不揮発性メモリ104の総流出量カウント情報121及び前回流出量カウント情報122を参照して、月間流出量、及び、総流出量を取得する(A2)。次に、CPU101は、基準時点から現在時点までの時間経過に伴う顔料の沈降に基づく、各領域M1〜M5,S1〜S5内に存在するインクの粘度変化量を推定し、その推定結果に基づいてメインタンク粘度テーブル123及びサブタンク粘度テーブル124を更新する更新処理(顔料の沈降に関する更新処理)を実行する(A3)。
次に、CPU101は、A2の処理で取得した月間流出量及び総流出量に基づいて、流出口66から流出されるインクに関する混合割合を算出する(A4)。次に、CPU101は、A2の処理で取得した月間流出量に基づいて第1高さH1及び第2高さH2を調整し、高さ情報126として不揮発性メモリ104に記憶する(A5)。この後、CPU101は、メインタンク粘度テーブル123の領域M1〜M5のうち、高さ情報126が示す第1高さH1以下の領域に対応付けられた粘度情報、サブタンク粘度テーブル124の領域S1〜S5のうち、高さ情報126が示す第2高さH2以下の領域に対応付けられた粘度情報をそれぞれ抽出し、A4の処理で取得した混合割合に基づいて比例配分して、流出口66から流出されるインクの粘度を推定する(A6)。
この後、CPU101は、推定した粘度と、総流出量カウント情報121のカウント値とを関連付けて、不揮発性メモリ104の流出口粘度テーブル125に記憶する(A7)。この流出口粘度テーブル125は、推定した粘度と、その推定時の総流出量カウント情報121のカウント値とを関連付けたテーブルである。次に、CPU101は、A2の処理で取得した月間流出量及び総流出量に基づいて、各領域M1〜M5,S1〜S5内に存在するインクに関する混合割合を算出し、この混合割合に基づいてメインタンク粘度テーブル123及びサブタンク粘度テーブル124を更新する更新処理(インクの流れに関する更新処理)を実行する(A8)。このA8の処理が終了すると、A1の処理に戻る。
次に、プリンタ1の処理動作の一例について、図8を参照しつつ説明する。尚、以下では、印刷指令を受信した後、印刷処理を実行する前において、排出処理としてアクチュエータ45にフラッシングを行わせる態様について説明するが、特にこれに限定されるものでなく、排出処理としてパージ装置9に吸引パージを行なわせる態様であってもよい。
CPU101は、まず、外部装置200から印刷指令を受信したか否かを判断する(S1)。印刷指令を受信したと判断した場合(S1:YES)には、CPU101は、流出口粘度テーブル125、及び、総流出量カウント情報121が示す現在の総流出量に基づいて、ノズル46内のインクの粘度を推定する(S2)。具体的には、総流出量カウント情報121が示すカウント値から、流出口66からノズル46に至るインク流路の流路容量に相当するカウント値だけ減算した減算量を算出する。そして、流出口粘度テーブル125において、この減算量に最も近いカウント値に関連付けられた粘度(流出時粘度)を、ノズル46内の現在の粘度と推定する。なお、インクが流出口66からノズル46に至るまでのインク流路内における乾燥による粘度上昇量も推定し、その粘度上昇量を上記流出時粘度に加算した粘度を、ノズル46内のインクの粘度と推定してもよい。
次に、CPU101は、推定したノズル46内のインクの粘度に応じて、フラッシングを行わせる際のアクチュエータ45の駆動条件(フラッシング条件)を決定する(S3)。そして、CPU101は、決定したフラッシング条件に従って、アクチュエータ45にフラッシングを行わせるフラッシング処理を実行する(S4)。この後、CPU101は、キャリッジ駆動モータ20、ヘッド4等を制御して、外部装置200から受信した印刷指令に従って、用紙Pに画像を印刷する印刷処理を実行する(S5)。次に、CPU101は、S1の処理で印刷指令を受信してから、当該印刷指令に係る印刷処理が終了するまでの間に、ノズル46から吐出又は排出されたインクの消費量を算出し、算出した消費量を、流出口66から流出したインクの流出量として、総流出量カウント情報121のカウント値に加算する(S6)。
次に、CPU101は、残量検出センサ120の出力結果に基づいて、サブタンク6内のインクの液面が検出位置未満となるニアエンプティ状態か否かを判断する(S7)。ニアエンプティ状態ではないと判断した場合(S7:NO)には、S1の処理に戻る。一方で、ニアエンプティ状態と判断した場合(S7:YES)には、CPU101は、メインタンク30の交換を促す交換画面をタッチパネル161に表示する(S8)。この後、装着検知センサ130の検知結果に基づいて、メインタンク30の交換がユーザにより行われて新たなメインタンク30がタンク装着部5に装着されたと判断した場合(S9:YES)には、CPU101は、不揮発性メモリ104に記憶された、総流出量カウント情報121、前回流出量カウント情報122、メインタンク粘度テーブル123、サブタンク粘度テーブル124、流出口粘度テーブル125等を初期化し(S10)、S1の処理に戻る。
以上、本実施形態によると、メインタンク粘度テーブル123の領域M1〜M5のうち、第1高さH1以下の領域に対応付けられた粘度情報、及び、サブタンク粘度テーブル124の領域S1〜S5のうち、第2高さH2以下の領域に対応付けられた粘度情報に基づいて、流出口66から流出されるインクの粘度を推定することで、その推定精度を高めることができる。
また、領域M1〜M5のうちの第1高さH1以下の領域に対応付けられた粘度情報、及びの領域S1〜S5のうち、第2高さH2以下の領域に対応付けられた粘度情報のみ基づいて粘度を推定するため、全て領域M1〜M5,S1〜S5に対応付けられた粘度情報を用いて粘度を推定する場合と比べて、粘度推定を簡易に行うことができる。例えば、本実施形態では、メインタンク粘度テーブル123及びサブタンク粘度テーブル124から粘度情報を抽出する際には、領域M1〜M5のうち、第1高さH1以下の領域に対応付けられた粘度情報のみ抽出し、領域S1〜S5のうち、第2高さH2以下の領域に対応付けられた粘度情報のみ抽出しているため、全ての領域M1〜M5,S1〜S5の粘度を抽出する場合と比べて、その抽出に要する処理負担を低減することができる。
以上説明した実施形態において、メインタンク30が「第1タンク」に相当し、サブタンク6が「第2タンク」に相当する。タンク装着部5が「装着部」に相当する。メインタンク粘度テーブル123が表すメインタンク粘度分布が「第1粘度分布」に相当する。サブタンク粘度テーブル124が表すサブタンク粘度分布が「第2粘度分布」に相当する。大気連通口35が「第1大気連通口」に相当し、大気連通口63が「第2大気連通口」に相当する。下側貯溜室61aが「第1貯溜室」に相当し、上側貯溜室62aが「第2貯溜室」に相当する。遮蔽部69cが「被検出部」に相当する。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、メインタンク粘度分布は、メインタンク30内におけるインクの液面以下の領域を、高さ方向に5個に均等に分割した5個の領域に対応付けられた粘度情報であったが、これに限定されるものではなく、インクの液面以下の領域をN個(Nは、N>1を満たす自然数)以上に均等に分割した各領域に対応付けられた粘度情報であればよい。サブタンク粘度分布についても、同様に、サブタンク6内におけるインクの液面以下の領域をM個(Mは、M>1を満たす自然数)以上に均等に分割した各領域に対応付けられた粘度情報であればよい。また、上述の実施形態のように、上記N個と上記M個とを互いに等しい数にすると、メインタンク粘度テーブル123及びサブタンク粘度テーブル124を同じテーブル構造にすることができ、また、これら粘度テーブルを参照した算出処理を簡易化することができる場合がある。一方で、上記N個と上記M個は互いに異なる数であってもよい。例えば、メインタンク30は、サブタンク6と比べて単位時間当たりの顔料の沈降量が多く、メインタンク30に貯溜されているインクの下部と上部との間での粘度差が大きいため、メインタンク粘度分布については、より細分化するために、上記N個はM個よりも大きくされていてもよい。
また、メインタンク30及びサブタンク6の形状や、それぞれの内部の流路形状は上記実施形態の態様に限定されるものではない。例えば、サブタンクが全体的に直方体形状をしていてもよい。この場合、サブタンク内の各高さの水平断面積が、メインタンク内の底面積や各高さの水平断面積が異なれば、サブタンクはメインタンクと比べて底部に沈降する顔料の沈降量が少なく、上述の実施形態と同様に、サブタンク粘度分布は、メインタンク粘度分布とは異なる分布となる。
また、メインタンク粘度テーブル123及びサブタンク粘度テーブル124の、顔料の沈降に関する更新処理において、基準時点から現在時点までの顔料の沈降による粘度変化量を推定していたが、これに限定されるものではない。例えば、基準時点から、当該基準時点と現在時点との間の中間時点までの顔料の沈降による粘度変化量を推定してもよい。即ち、基準時点から現在時点までの所定期間内における、各領域M1〜M5,S1〜S5内に存在するインクの平均粘度を推定するように構成されていてもよい。また、粘度推定処理それぞれにより推定する流出口66から流出されるインクの粘度は、現在時点のインクの粘度である必要はなく、基準時点から現在時点までの間の平均粘度であってもよい。
また、メインタンク粘度分布及びサブタンク粘度分布を、CPU101が推定して取得するのではなく、外部装置200において推定し、その推定結果をCPU101が取得するように構成されていてもよい。流出口66から流出されるインクの混合割合については、各領域M1〜M5,S1〜S5内それぞれに存在したインクの混合割合ではなく、基準時点においてサブタンク6内に存在したインク、メインタンク30内に存在したインクそれぞれの混合割合であってもよい。
上述の粘度推定プログラム102aは制御装置100のROM102に記憶されていたが、特にこれに限定されるものではなく、USBメモリ250等の記憶媒体に記憶されていてもよい。この場合、プリンタ1の制御装置100や外部装置200等の流出口66から流出されるインクの粘度を推定する推定装置が、USBメモリ250等の記憶媒体に記憶されている粘度推定プログラムをインストールすることで、上記の粘度推定処理を実行することになる。また、上記粘度推定プログラムがプリンタドライバに組み込まれており、プリンタドライバをインストールしたPCが粘度推定処理を実行するように構成されていてもよい。
また、外部装置200が、流出口66から流出されるインクの粘度の予測推移をシミュレーションする際に、上記粘度推定処理を実行するように構成されていてもよい。例えば、流出口66から流出されるインクの単位時間当たりの流出量を固定量とした場合における、流出口66から流出されるインクの粘度の予測推移に関する粘度推移データを生成する際に、上記粘度推定処理を実行してもよい。この場合、第1高さH1及び第2高さH2は固定値となる。尚、このような予測推移データを、上記固定量を変えて複数生成して、プリンタ1に記憶しておけば、例えば、CPU101が流出口66から流出した単位時間当たりの流出量を取得し、この複数の予測推移データと、取得した単位時間当たりの流出量に基づいて、補間等の計算を行うことで、流出口66から流出した実際のインクの粘度を推定することも可能となる。
パージ装置9により実行されるインク排出動作は、ノズル46に吸引力を作用させる吸引パージであったが、例えば、供給チューブ22の途中部位に加圧ポンプを設け、この加圧ポンプを駆動して、ヘッド4にインクを供給することで、ノズル46からインクを排出させる加圧パージであってもよい。また、パージ装置が、これら吸引パージ及び加圧パージの両方を実行可能にされていてもよい。
また、メインタンクが装着されるタンク装着部は、サブタンクも収容可能に構成されていてもよい。つまり、サブタンクが、タンク装着部内に設けられていてもよい。
また、本発明は、インクジェットヘッドを固定した状態で、搬送機構により搬送される用紙に画像を印刷する、所謂ライン式のインクジェットプリンタにも適用されうる。
1 インクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)
4 インクジェットヘッド
5 タンク装着部(装着部)
6 サブタンク(第2タンク)
30 メインタンク(第1タンク)
101 CPU(制御部)

Claims (18)

  1. 顔料インクを貯留する第1タンクであって、下部に供給口を有する第1タンクが装着される装着部と、
    前記第1タンクの前記供給口と連通する流入口と、前記流入口よりも下側に配置された流出口とを有する第2タンクと、
    前記流出口と接続するインクジェットヘッドと、
    制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記装着部に装着された前記第1タンク内の高さ方向の顔料インクの粘度分布である第1粘度分布、及び前記第2タンク内の高さ方向の顔料インクの粘度分布である第2粘度分布をそれぞれ取得し、
    取得した前記第1粘度分布における前記第1タンクの第1高さ以下の粘度情報、及び前記第2粘度分布における前記第2タンクの第2高さ以下の粘度情報に基づいて、前記流出口から流出される顔料インクの粘度を推定することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記第1タンクは、前記第1タンク内と大気とを連通させる第1大気連通口を有しており、
    前記第2タンクは、
    第1貯溜室と、
    前記第1貯溜室から上方に延び、且つ、水平断面積が、前記第1貯溜室の水平断面積よりも小さい第2貯溜室と、
    前記第2貯溜室内と大気とを連通させる第2大気連通口と、
    を有し、
    前記流入口及び前記流出口は、前記第1貯溜室に形成されており、
    前記第2貯溜室の水平断面積が、前記第1タンクにおける、前記第1貯溜室よりも高い位置の水平断面積よりも小さく、
    前記第2高さは、前記第2貯溜室よりも低い位置にあることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記第1貯溜室内に収容され、前記第1貯溜室内の顔料インクの液面の上下方向の変位に応じて、上下方向に変位する被検出部と、
    前記被検出部に基づいて、前記第1貯溜室内の顔料インクの液面レベルに関する情報を出力するセンサと
    を更に備え、
    前記第2高さは、前記被検出部よりも上方に位置することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記第1タンクは、前記第1タンク内と大気とを連通させる第1大気連通口を有しており、
    前記第2タンクは、前記第2タンク内と大気とを連通させる第2大気連通口を有していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記制御部は、
    前記第1粘度分布として、前記第1タンク内における顔料インクの液面以下の領域を、高さ方向にN(N>1)個に均等に分割したN個の領域毎の粘度情報を取得し、
    前記第2粘度分布として、前記第2タンク内における顔料インクの液面以下の領域を、高さ方向にM(M>1)個に均等に分割したM個の領域毎の粘度情報を取得しており、
    前記流出口から流出される顔料インクの粘度を推定する際には、
    前記第1粘度分布としての前記N個の粘度情報のうち前記第1高さ以下にある領域に対応する粘度情報と、前記第2粘度分布としての前記M個の粘度情報のうち前記第2高さ以下にある領域に対応する粘度情報と、に基づいて、前記流出口から流出される顔料インクの粘度を推定しており、
    さらに、
    前記第1タンク及び前記第2タンクそれぞれの顔料インクの残量に関わらず、前記第1粘度分布として前記N個の領域毎の粘度情報を取得し、前記第2粘度分布として前記M個の領域毎の粘度情報を取得することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記N個と前記M個は等しいことを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記制御部は、
    所定期間内に前記流出口から流出される顔料インクの、前記所定期間の開始時点において前記第1タンク内に存在した顔料インク、及び前記開始時点において前記第2タンク内に存在した顔料インクの混合割合をさらに取得し、且つ、
    前記所定期間に関する、前記第1粘度分布及び前記第2粘度分布をそれぞれ取得し、
    取得した前記第1粘度分布における前記第1高さ以下の粘度情報、及び前記第2粘度分布における前記第2高さ以下の粘度情報と、取得した前記混合割合とに基づいて、前記所定期間に関する、前記流出口から流出される顔料インクの粘度を推定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 顔料インクを貯溜する第1タンクであって、下部に供給口を有する第1タンクが装着される装着部、前記第1タンクの前記供給口と連通する流入口と前記流入口よりも下側に配置された流出口とを有する第2タンク、及び、前記流出口と接続するインクジェットヘッドを有するインクジェット記録装置における、前記流出口から流出される顔料インクの粘度を推定する粘度推定方法であって、
    前記装着部に装着された前記第1タンク内の高さ方向の顔料インクの粘度分布である第1粘度分布、及び前記第2タンク内の高さ方向の顔料インクの粘度分布である第2粘度分布をそれぞれ取得する粘度分布取得ステップと、
    前記粘度分布取得ステップにより取得した、前記第1粘度分布における前記第1タンクの第1高さ以下の粘度情報、及び前記第2粘度分布における前記第2タンクの第2高さ以下の粘度情報に基づいて、前記流出口から流出される顔料インクの粘度を推定する粘度推定ステップと、
    を含むことを特徴とする粘度推定方法。
  9. 所定期間において、前記流出口から流出される顔料インクの流出量を取得する流出量取得ステップと、
    前記流出量取得ステップにより取得した前記流出量に基づいて、前記第1高さ及び前記第2高さを調整する調整ステップと、
    をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の粘度推定方法。
  10. 前記第2タンクの水平断面積が、前記第1タンクの底面積よりも小さいことを特徴とする請求項8又は9に記載の粘度推定方法。
  11. 前記第2タンクの容量が、前記第1タンクの容量よりも小さいことを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の粘度推定方法。
  12. 前記第2タンクは、
    第1貯溜室と、
    前記第1貯溜室から上方に延び、且つ、水平断面積が、前記第1貯溜室の水平断面積よりも小さい第2貯溜室と、
    を有していることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の粘度推定方法。
  13. 前記流入口及び前記流出口は、前記第1貯溜室に形成されていることを特徴とする請求項12に記載の粘度推定方法。
  14. 前記インクジェット記録装置は、
    前記第1貯溜室内に収容され、前記第1貯溜室内の顔料インクの液面の上下方向の変位に応じて、上下方向に変位する被検出部と、
    前記被検出部に基づいて、前記第1貯溜室内の顔料インクの液面レベルに関する情報を出力するセンサと
    を備えていることを特徴とする請求項12又は13に記載の粘度推定方法。
  15. 前記第1タンク及び前記第2タンクは、水平方向に関して並んで配置されていることを特徴とする請求項8〜14のいずれか一項に記載の粘度推定方法。
  16. 前記第1タンクは、前記第1タンク内と大気とを連通させる第1大気連通口を有しており、
    前記第2タンクは、前記第2タンク内と大気とを連通させる第2大気連通口を有していることを特徴とする請求項8〜15のいずれか一項に記載の粘度推定方法。
  17. 所定期間内に前記流出口から流出される顔料インクの、前記所定期間の開始時点において前記第1タンク内に存在した顔料インク、及び前記開始時点において前記第2タンク内に存在した顔料インクの混合割合を取得する混合割合取得ステップを更に含み、
    前記粘度分布取得ステップにおいては、前記所定期間に関する、前記第1粘度分布及び前記第2粘度分布をそれぞれ取得し、
    前記粘度推定ステップにおいては、前記粘度分布取得ステップにより取得した、前記第1粘度分布における前記第1高さ以下の粘度情報、及び前記第2粘度分布における前記第2高さ以下の粘度情報と、前記混合割合取得ステップにより取得した前記混合割合とに基づいて、前記所定期間に関する、前記流出口から流出される顔料インクの粘度を推定することを特徴とする請求項8〜16のいずれか一項に記載の粘度推定方法。
  18. 顔料インクを貯溜する第1タンクであって、下部に供給口を有する第1タンクが装着される装着部と、前記第1タンクの前記供給口と連通する流入口と前記流入口よりも下側に配置された流出口とを有する第2タンク、及び、前記流出口と接続するインクジェットヘッドを有するインクジェット記録装置における、前記流出口から流出される顔料インクの粘度を推定する推定装置に実行させるプログラムを記憶する記憶媒体であって、
    前記プログラムは、前記推定装置に、
    前記装着部に装着された前記第1タンク内の高さ方向の顔料インクの粘度分布である第1粘度分布、及び前記第2タンク内の高さ方向の顔料インクの粘度分布である第2粘度分布をそれぞれ取得する粘度分布取得処理と、
    前記粘度分布取得処理により取得した、前記第1粘度分布における前記第1タンクの第1高さ以下の粘度情報、及び前記第2粘度分布における前記第2タンクの第2高さ以下の粘度情報に基づいて、前記流出口から流出される顔料インクの粘度を推定する粘度推定処理と、
    を実行させることを特徴とする記憶媒体。
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