JP2005143243A - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータと車輪との間に介装されたクラッチの寿命低下を抑えることが可能な車両の駆動力制御装置を提供する。
【解決手段】モータ4と、そのモータ4で駆動される後輪3L、3Rと、モータ4から後輪3L、3Rへの動力伝達経路に介装されるクラッチ12とを備えた車両の駆動力制御装置である。後輪に急激な減速が掛かってクラッチ伝達トルクが限界トルクを越えるおそれあると判定するとモータのトルクを制限して、クラッチ伝達トルクが限界トルクを越えないようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、モータと車輪との間にクラッチを介挿した車両の駆動力制御装置に関するものである。
従来、前輪をエンジンで駆動し、後輪を電動モータで駆動可能とし、モータから後輪までのトルク伝達経路にクラッチが介装されている車両の駆動力制御装置としては、例えば特許文献1に記載されるものがある。そして、4輪駆動時には、クラッチが接続状態に制御されると共にモータが所定の駆動トルクに制御される。
特開平11−243608号公報
ところで、クラッチが接続され且つモータで後輪を駆動している4輪駆動時に、急ブレーキなどで上記後輪が急減速すると、モータからクラッチに伝達されるトルクと後輪からクラッチに伝達されるトルクとが逆向きのトルクとなり、モータ側の慣性によってクラッチに過大なトルクが負荷されるおそれがある。過大なトルクがクラッチに負荷されることは、クラッチの寿命低下に繋がるおそれがある。特に、摩擦クラッチに比べ、ドグクラッチやワンウエイクラッチ等のメカニカルなクラッチの場合に寿命低下に繋がる。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、モータと車輪との間に介装されたクラッチの寿命低下を抑えることが可能な車両の駆動力制御装置を提供する。
上記課題を解決するために、本発明は、モータと、そのモータで駆動される車輪と、モータから車輪への動力伝達経路に介装されるクラッチとを備え、モータ駆動中はクラッチを接続状態に制御する車両の駆動力制御装置であって、クラッチの伝達トルクが当該クラッチの仕様に基づく限界トルクに近づいたことを検知若しくは推定するクラッチトルク状態判定手段と、クラッチトルク状態判定手段の検知若しくは推定に基づきクラッチの伝達トルクが限界トルクに近づいたと判定したら上記モータの駆動トルクを制限するモータトルク制限手段と、を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、クラッチに負荷されるトルクが過大となる際にモータの駆動トルクが小さく又は負となるように制限されるので、クラッチ伝達トルクが抑制される。これによって、クラッチに過大なトルクが負荷されることを防止したり、過大なトルクの負荷時間を短くすることが出来る結果、クラッチの寿命低下を抑えることができる。
次に、本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る車両のシステム構成を説明する図である。
この図1に示すように、本実施形態の車両は、左右前輪1L、1Rが、内燃機関であるエンジン2(主駆動源)によって駆動される主駆動輪であり、左右後輪3L、3Rが、モータ4によって駆動可能な従駆動輪である。
すなわち、エンジン2の出力トルクTeが、トランスミッション30及びディファレンスギア31を通じて左右前輪1L、1Rに伝達されるようになっている。
上記トランスミッション30には、現在の変速のレンジを検出するシフト位置検出手段32が設けられ、該シフト位置検出手段32は、検出したシフト位置信号を4WDコントローラ8に出力する。
上記エンジン2の吸気管路14(例えばインテークマニホールド)には、メインスロットルバルブ15とサブスロットルバルブ16が介装されている。メインスロットルバルブ15は、アクセル開度指示装置(加速指示操作部)であるアクセルペダル17の踏み込み量等に応じてスロットル開度が調整制御される。このメインスロットルバルブ15は、アクセルペダル17の踏み込み量に機械的に連動するか、あるいは当該アクセルペダル17の踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセルセンサ40の踏み込み量検出値に応じて、エンジンコントローラ18が電気的に調整制御することで、そのスロットル開度が調整される。上記アクセルセンサ40の踏み込み量検出値は、4WDコントローラ8にも出力される。
また、サブスロットルバルブ16は、ステップモータ19をアクチュエータとし、そのステップ数に応じた回転角により開度が調整制御される。上記ステップモータ19の回転角は、モータコントローラ20からの駆動信号によって調整制御される。なお、サブスロットルバルブ16にはスロットルセンサが設けられており、このスロットルセンサで検出されるスロットル開度検出値に基づいて、上記ステップモータ19のステップ数はフィードバック制御される。ここで、上記サブスロットルバルブ16のスロットル開度をメインスロットルバルブ15の開度以下等に調整することによって、運転者のアクセルペダルの操作とは独立して、エンジン2の出力トルクを制御することができる。
また、エンジン2の回転数を検出するエンジン回転数検出センサ21を備え、エンジン回転数検出センサ21は、検出した信号をエンジンコントローラ18及び4WDコントローラ8に出力する。
また、符号34は制動指示操作部を構成するブレーキペダルであって、そのブレーキペダル34のストローク量がブレーキストロークセンサ35によって検出される。該ブレーキストロークセンサ35は、検出したブレーキストローク量を制動コントローラ36及び4WDコントローラ8に出力する。
制動コントローラ36は、入力したブレーキストローク量に応じて、各車輪1L、2R、3L、3Rに装備したディスクブレーキなどの制動装置37FL、37FR、37RL、37RRを通じて、車両に作用する制動力を制御する。また、制動コントローラ36は、後述のABS装置からの信号を入力したときは、入力したブレーキストローク量に拘わらず制動力を制御する。
符号42は、アンチスキットブレーキ制御を演算するABS装置であって指令値を上記制動コントローラに36に出力する。このABS装置は、自動制動制御装置の一例であり、自動制動制御装置としては、この他、VDC装置やTCS装置などを例示できる。
また、上記エンジン2の回転トルクTeの一部は、無端ベルト6を介して発電機7に伝達されることで、上記発電機7は、エンジン2の回転数Neにプーリ比を乗じた回転数Nhで回転する。
上記発電機7は、図2に示すように、出力電圧Vを調整するための電圧調整器22(レギュレータ)を備え、4WDコントローラ8によって発電機制御指令値c1(デューティ比)が制御されることで、界磁電流Ifhを通じて発電する電圧Vが制御される。すなわち、電圧調整器22は、4WDコントローラ8から発電機制御指令c1を入力し、その発電機制御指令c1に応じた値に発電機7の界磁電流Ifhを調整すると共に、発電機7の出力電圧Vを検出しつつ4WDコントローラ8に出力可能となっている。なお、発電機7の回転数Nhは、エンジン2の回転数Neからプーリ比に基づき演算することができる。
その発電機7が発電した電力は、電線9を介してモータ4に供給可能となっている。その電線9の途中にはジャンクションボックス10が設けられている。上記モータ4の駆動軸は、減速機11及びクラッチ12を介して後輪3L、3Rに接続可能となっている。符号13はデフを表す。
また、上記ジャンクションボックス10内には電流センサ23が設けられ、該電流センサ23は、発電機7からモータ4に供給される電力の電流値Iaを検出し、当該検出した電機子電流信号を4WDコントローラ8に出力する。また、電線9を流れる電圧値(モータ4の電圧)が4WDコントローラ8で検出される。符号24は、リレーであり、4WDコントローラ8から指令によってモータ4に供給される電圧(電流)の遮断及び接続が制御される。
また、モータ4は、4WDコントローラ8からの指令によって界磁電流Ifmが制御され、その界磁電流Ifmの調整によって駆動トルクが目標モータトルクに調整される。なお、符号25はモータ4の温度を測定するサーミスタである。さらに、上記モータ4の駆動軸の回転数Nmを検出するモータ用回転数センサ26を備え、該モータ用回転数センサ26は、検出したモータ4の回転数信号を4WDコントローラ8に出力する。
また、本実施形態のクラッチ12は、次に示すようなメカニカルな機構で接続・切断が行われるクラッチであって、4WDコントローラ8からのクラッチ制御指令に応じて電磁クラッチ部106が接続状態又は切断状態となって、クラッチ12の接続・切断の制御が行われるものである。
次に、そのクラッチ12の機構・構成について図3及び模式図である図4を参照して説明する。
第1の回転部材である外輪部材101と第2の回転部材である内輪部材100とが同軸に配置され、その内輪部材100の外径面と外輪部材101の内径面との間の空間に係合子であるローラ102が周方向に沿って複数介挿されている。外輪部材101の内径面は円筒面となっているが、内輪部材100の外径面には、周方向に沿って所定間隔毎にカム面100aが形成されている。該カム面100aは、例えば平坦面となることで、径方向で対向する外輪部材101の内径面との間に、それぞれ係合空間103を形成し、その係合空間103の円周方向両側が、両側に行くほど狭くなる楔空間103aとなっている。なお、係合空間103は円周方向両側に楔空間103a(内輪部材100と外輪部材102との対向距離がローラ102よりも小さくなる空間)が形成されれば、上記カム面100aは凹面形状などの他の輪郭形状の面となっていても良い。また、隣り合うカム面100a同士は連続している必要はなく、所定間隔だけ開くようにして形成されていても良い。そして、上記各係合空間103内に上記ローラ102がそれぞれ配置されると共に、上記複数のローラ102は、上記内輪部材100と外輪部材101との間に介在された保持器104の各ポケットに収容されている。すなわち、保持器104によって各ローラ102間の間隔が一定に規制されつまり周方向の位置が規制されている。保持器104は、スイッチバネ105を介して内輪部材100に連結している。該スイッチバネ105は、保持器104に対して円周方向に向かうバネ力を発揮可能となっていて、保持器104のポケットに収容されている各ローラ102の位置が対応する係合空間103の略中央位置に配置される中立位置に向けて、保持器104を付与支持している。
さらに、上記クラッチ12には、クラッチ操作部を構成する電磁クラッチ部106を備え、通電をオン(クラッチ制御電流オン)にすることで、上記保持器104を外輪部材101に接続状態(外輪部材101に対し保持器104を固定)とし、通電をオフ(クラッチ制御電流オフ)にすることで上記保持器104と外輪部材101とを非接続状態(外輪部材101に対し保持器104を解放)とする。符号107はアーマチュアを、符号108はローラ102を、符号109は電磁コイルをそれぞれ示している。
そして、上記外輪部材101がモータ4の駆動軸側に接続され、内輪部材100が車輪側の回転軸に接続されている。
上記機構のクラッチ12にあっては、上記保持器104が解放状態の場合には、ローラ102がスイッチバネ105の作用で係合空間103の中立位置に保持されることから、内輪部材100と外輪部材101との間でローラ102を介したトルクの伝達は行われず、内輪部材100と外輪部材101とは独立して回転可能な状態となっている。
一方、保持器104を固定状態とした場合には、内輪部材100と外輪部材101との間の相対的な回転差によって内輪部材100と保持器104との間に位相差が発生すると、上記スイッチバネ105の弾性力に抗してローラ102が左右の楔空間103aの一方へ移動しその一方の楔空間103aに噛み込む、つまり、内輪部材100と外輪部材101との間にローラ102が噛み込むことで、内輪部材100と外輪部材101との間でトルクの伝達が可能となる。なお、トルク伝達方向は、ローラ102が左右どちらの楔空間103aに噛み込むかで異なる。
すなわち、上記構成のクラッチ12にあっては、電磁クラッチ部106への通電のオン・オフ(クラッチ制御電流のオン・オフ)によって、クラッチ12の接続・切断を制御する。
また、各車輪1L、1R、3L、3Rには、車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRが設けられている。各車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRは、対応する車輪1L、1R、3L、3Rの回転速度に応じたパルス信号を車輪速検出値として4WDコントローラ8に出力する。
また、符号41は、2輪駆動モードと4輪駆動モードのいずれかを指示する駆動モードスイッチであって、指示された駆動モード情報を4WDコントローラ8に出力する。ここで、この駆動モードスイッチ41は、運転者が直接指示することで選択される場合に限定されない。他の4輪駆動条件に応じて、2輪駆動モードと4輪駆動モードのいずれかが選択されるようになっていても良い。例えば、前輪1L、1Rに所定以上の加速スリップが生じたり、発進の際の所定時間だけ、自動的に4輪駆動モードとなるように設定されていても良い。
4WDコントローラ8は、図5に示すように、4WDコントローラ本体8A、目標モータトルク算出部8B、モータトルク制限部8C、発電機制御部8D、リレー制御部8E、モータ制御部8F、及びクラッチ制御部8Gを備える。なお、図5には、後述の実施形態で使用される処理部であるクラッチ保護チェック部8Hも併記してある。
上記発電機制御部8Dは、電圧調整器22を通じて、発電機7の発電電圧Vをモニターしながら、当該発電機7の発電機指令値c1を出力して界磁電流Ifhを調整する。
リレー制御部8Eは、発電機7からモータ4への電力供給の遮断・接続を制御する。
モータ制御部8Fは、モータ4の界磁電流Ifmを調整することで、当該モータ4のトルクを所要の値に調整する。
クラッチ制御部8Gは、上記クラッチ12の電磁クラッチ部106への通電のオン・オフによってクラッチ12の状態を制御し、4輪駆動状態と判定している間は電磁クラッチ部106を通電状態とする。
また、4WDコントローラ本体8Aは、所定のサンプリング時間毎に、図6に示すような処理を行う。
まず、ステップS10において、駆動モードスイッチ41に基づき、4輪駆動モード状態か否かを判定し、4輪駆動モードの場合にはステップS20に移行する。一方、2輪駆動モード若しくは2輪駆動モードへの移行の場合にはステップS120に移行する。
ステップS20では、シフト位置検出信号31からの信号に基づいて、変速が駆動レンジ(D・R・1・2)つまり、パーキングやニュートラル以外のレンジか否かを判定し、駆動レンジつまりエンジン2から前輪1L、1Rにトルク伝達される状態若しくは次回の発進時に4輪駆動モードで発進すると判定した場合には、ステップS30に移行し、そうでない場合には、2輪駆動に移行すべく、ステップS120に移行する。
ステップS30では、モータ回転数が仕様的に許容される回転数以内か否かを判定し、許容回転数の範囲で有ればステップS40に移行し、許容限界を越えるおそれがある場合にはステップS120に移行する。
ステップS40では、モータトルク制限部8Cを起動して、続けてステップS50にて、モータトルクの制限つまり抑制が行われたか否かを判定し、抑制が行われた場合にはステップS70に移行し、抑制が行われない通常処理と判定すればステップS60に移行する。
ステップS60では、目標モータトルク算出部8Bを起動し、モータ4の目標モータトルクTmを求めた後にステップS70に移行する。
ここで、目標モータトルク算出部8Bは、車速やアクセル開度などの諸条件に基づき目標モータトルクTmを算出する。また、車両が停止状態(車輪速がゼロ若しくは略ゼロの状態)の場合には、目標モータトルクTmを、次回の発進に備えて、後輪3L、3Rを駆動するだけのトルクはないが、モータ4から後輪3L、3Rまでに存在するガタ分を詰めることができるだけのモータトルクに設定する。また、車両走行中にクラッチオンする場合は、クラッチ入力側の回転数(モータ回転数/減速比)がクラッチ出力側の回転数(後左右輪の平均回転数)に近づくようにモータトルクを設定する。
ステップS70では、モータ用回転数センサ21が検出したモータ4の回転数Nmに応じた目標モータ界磁電流Ifmを算出し、当該目標モータ界磁電流Ifmをモータ制御部8Cに出力した後、ステップS75に移行する。
ステップS75では、上記目標モータトルクTm及び目標モータ界磁電流Ifmを変数として、マップなどに基づき、対応する目標電機子電流Iaを求め、ステップS80に移行する。ステップS80では、上記目標電機子電流Iaに基づき、発電機制御指令値であるデューティ比c1を演算し出力した後に、ステップS85に移行する。
ステップS85では、クラッチ差回転、すなわちクラッチ入力側(モータ駆動側)回転数とクラッチ出力側(後輪側)回転数との差が所定値未満か否かを判定し、所定値未満ならステップS90へ移行し、所定値以上なら復帰する。ここでの所定値はクラッチオン時に車両加速度が変化して運転者にショックが感じられないような値であって、実験や計算などによって求める。
ステップS90では、クラッチ制御部8Gに対してクラッチ・オン指令を出力し、続けて、ステップS95にて、クラッチ状態フラグCLSFLGに4輪駆動状態を示す「1」を代入して復帰する。
一方、2輪駆動状態、若しくは4輪駆動状態から2輪駆動状態への移行と判定されてステップS120に移行すると、クラッチ状態フラグCLSFLGが「0」か否かを判定し「0」である場合には、すでに2輪駆動状態であるのでモータ駆動制御を行うこと無く、処理を終了する。一方、クラッチ状態フラグCLSFLGが「0」以外の場合にはステップS130に移行する。ここで、クラッチ状態フラグCLSFLGの初期値は「0」に設定されている。
ステップS130では、クラッチ・オフ指令をクラッチ制御部8Gに出力して、クラッチ12の制御状態を切断状態に変更してステップS160に移行する。ステップS160に移行すると、クラッチ状態フラグCLSFLGを2輪駆動状態を示す「0」に設定し田後にステップS180に移行する。
ステップS180では、モータ界磁電流をオフにするなどのモータをオフにする処理を実施した後、ステップS190にて発電機制御指令値であるc1をゼロに設定した後に、復帰する。
次に、モータトルク制限部8Cの処理を、図7に基づき説明する。
先ずステップS300にて、現在のモータトルクTmaを算出してステップS310に移行する。
モータトルクTmaは、目標モータトルクTmを使用しても良いが、モータ電気子電流等の応答遅れを考慮して、本実施形態では、次の式によって実際のモータトルクを演算してTmaとしている。
Tma=Ka×Φ×Ifm×Ia
ここで、
Ka:モータの諸元で求まる定数
Φ :磁束であり、モータの諸元で決まる定数
である。
モータ電機子電流Iaは、前回値を使用し且つ発電機7からモータ4へ流れる方向を正とする。また、モータ界磁電流Ifmは、前回値を使用し且つ電機子電流Iaが正のときにモータ4が車両前進方向のトルクを出力する方向を正としている。
ステップS310では、クラッチ加速度、つまり後輪3L、3Rの加速度αを求めてステップS320に移行する。なお、加速度αは、単位時間(例えばサンプリング時間)当たりの後輪3L、3Rの車輪速差から求めれば良い。
ここで、クラッチ伝達トルクTCは、次の式で表される。
TC=r×Tma −sign(VWr)×Tf −Ic×α/R・・・(1)
r:減速機の減速比
sign(VWr):sign()は符号関数で、
VWrが正の値なら「+1」,VWrがゼロなら「0」,VWrが負の値なら「−1」を返す。
Tf:クラッチからモータ側のフリクションで、実測により求めることができる定数
Ic:クラッチのモータ側の慣性モーメント、実測や計算により求められる定数
R:後輪のタイヤ半径

したがって、VWr>0、つまり車両が前進している場合には、
TC=r×Tma −Tf −Ic×α/R ・・・(2)
VWr<0、つまり車両が後退している場合には、
TC=r×Tma +Tf −Ic×α/R ・・・(3)
と表される。
このため、以下の処理では、車両が前進しているか否かによってステップS330〜S380の処理と、ステップS400〜450の処理に分かれる。なお、車輪停止状態は、簡便のために車両後退時としている。
すなわち、ステップS320にて、車両が前進中か否かを判定し、前進中と判定した場合にはステップS330に移行し、そうでないと判定した場合にはステップS400に移行する。
ステップS330では、上記(2)式に基づき現在のクラッチ伝達トルクTCを算出してステップS340に移行する。
ステップS340では、クラッチ伝達トルクTCが許容下限トルクTCdrgより小さいか否かを判定し、小さいと判定した場合にはステップS350に移行し、小さくない場合にはステップS360に移行する。
上記許容下限トルクTCdrgは、モータトルクの制御遅れによるアンダーシュートでクラッチ伝達トルクTCがマイナス値とならないと想定される値である。
ステップS350では、下記式に基づき、クラッチ伝達トルクTCが上記許容下限トルクTCdrgとなるモータトルクに目標モータトルクTmを設定して、ステップS380に移行する。なお、クラッチ伝達トルクTCが上記許容下限トルクTCdrg以上となればよいので、下記式で求まる値よりも大きなモータトルク値となるように演算しても良い。
Tm=(TCdgr+Tf+Ic×α/R)/r
ステップS380では、モータトルク制限フラグTmFLGに「1」を代入して処理を終了する。
一方、ステップS360では、クラッチ伝達トルクTCが許容上限トルクTCdmgより大きいか否かを判定し、大きいと判定した場合にはステップS370に移行し、大きくないと判定した場合にはステップS390に移行する。
上記許容上限トルクTCdmgは、クラッチ12の仕様等から決まる、クラッチ伝達トルクTCの限界トルクに対しモータトルクの制御マージン分だけ余裕のある(小さい)値であり、モータトルクの制御遅れによるオーバーシュートで上記限界トルクを確実に越えない値である。
ステップS370では、下記式に基づき、クラッチ伝達トルクTCが許容上限トルクTCdmgとなるモータトルクに目標モータトルクTmを設定してステップS380に移行する。クラッチ伝達トルクTCが上記許容下限トルクTCdmg以下となればよいので、下記式で求まる値よりも小さなモータトルク値となるように演算しても良い。
Tm=(TCdmg+Tf+Ic×α/R)/r
また、ステップS390では、モータトルク制限フラグTmFLGに「0」を代入して処理を終了する。
一方、ステップS320にて車両が後退走行と判定されてステップS400に移行すると、上記(3)式に基づき現在のクラッチ伝達トルクTCを算出してステップS410に移行する。
ステップS410では、クラッチ伝達トルクTCがマイナス側の許容下限トルク−TCdrgより大きいか(絶対値では小さいか)否かを判定し、大きいと判定した場合にはステップS420に移行し、大きくない場合にはステップS430に移行する。
ステップS420では、下記式に基づき、クラッチ伝達トルクTCが上記マイナス側の許容下限トルクTCdrgとなるモータトルクに目標モータトルクTmを設定して、ステップS450に移行する。なお、クラッチ伝達トルクTCが上記許容下限トルクTCdrg以下となればよいので、下記式で求まる値よりも小さなモータトルク値となるように演算しても良い。
Tm=(−TCdgr−Tf+Ic×α/R)/r
ステップS450では、モータトルク制限フラグTmFLGに「1」を代入して処理を終了する。
一方、ステップS430では、クラッチ伝達トルクTCがマイナス側の許容上限トルク−TCdmgより小さいか否かを判定し、小さいと判定した場合にはステップS440に移行し、小さくないと判定した場合にはステップS390に移行する。
ステップS440では、下記式に基づき、クラッチ伝達トルクTCがマイナス側の許容上限トルク−TCdmgとなるモータトルクに目標モータトルクTmを設定してステップS450に移行する。クラッチ伝達トルクTCが上記許容下限トルクTCdmg以上となればよいので、下記式で求まる値よりも大きなモータトルク値となるように演算しても良い。
Tm=(−TCdmg−Tf+Ic×α/R)/r
また、ステップS390では、モータトルク制限フラグTmFLGに「0」を代入して処理を終了する。
ここで、上記ステップS340及びS410がクラッチトルク状態判定手段を構成し、ステップS350及びS420がモータトルク抑制手段を構成する。
なお、エンジンコントローラ18では、アクセル開度や車速などに基づき制御量(スロットル開度など)を演算してエンジンを目標出力トルクに制御する。また、車両が停止状態であっても、発電機制御指令値であるデューティ比c1がゼロより大きければ、発電機7を作動させるだけの出力トルクを出せるだけの制御量を演算してエンジン2を稼働させる。
次に、上記構成の装置における作用などについて説明する。
運転者による4輪駆動モードの選択や、予め決められた4輪駆動条件に合致と自動判定されると、車速やアクセル開度、前輪1L、1Rの加速スリップ量などに応じたモータトルクでモータ4が駆動されることで、4輪駆動状態となって車両の加速性が向上する。
また、この4輪駆動状態から、駆動モードスイッチ41が2輪駆動モードに切り替わると、2輪駆動状態への移行処理として、クラッチ12が切断状態に制御されると共にモータ4の停止処理が行われる。
ここで、本実施形態で採用する上記クラッチ12の作動について説明すると、電磁クラッチ部106が通電状態となると、保持器104を介して各ローラ102の円周方向位置が外輪に拘束(固定)された状態となる。この状態でモータ4からの駆動トルクが外輪部材101に伝達されると、外輪部材101及びローラ102と内輪部材100との間に位相差が発生し、相対的に係合空間103の中央部に位置していた各ローラ102がそれぞれ左側の楔空間103aに噛み込むことで、図8に示すように、当該ローラ102を介して外輪部材101から内輪部材100へトルクが伝達可能な状態となり、この結果、モータ4のトルクによって従駆動輪である後輪3L、3Rが駆動される。
また、このモータ4からのトルク伝達状態で、電磁クラッチ部106の通電を停止すると、つまりクラッチ制御電流をオフ状態にして保持器104を解放すると、通常は、モータ4からのトルク伝達トルクが徐徐に小さくなり、スイッチバネ105のばね力が勝った時点でローラ102が係合空間103の中央部位置に復帰して、実際にクラッチ12が切断状態となる。
したがって、上述のような機構のクラッチ12を採用すると、通常走行中にモータトルクが大きい状態でクラッチ12をオフに制御(電磁クラッチ部106の通電を停止)してもクラッチ12の実際の切断はモータトルクの小さい状態のときに(クラッチ位置におけるモータ4側の加速度αと車輪側の加速度αとが同じ値に近づいたとき)常に実施される結果、実際のクラッチ12の切断時に発生するショックを抑えることができ、しかもクラッチ12のオフ制御が容易となる。また、上記クラッチ12は安価である。
ここで、4輪駆動状態、つまりクラッチ12を接続状態としてモータ4で後輪を駆動している状態で走行中に、急ブレーキ等によって後輪に急制動が掛かると、上述の(1)〜(3)式から分かるように、クラッチ12に作用するクラッチ伝達トルクTCがモータ側からのトルクと後輪側からのトルクの合成となって、クラッチ伝達トルクTCが限界トルクに近づくつまりクラッチ寿命に対する影響が大きな過大トルクとなるおそれがある。これに対し、本実施形態では、クラッチ伝達トルクTCが過大トルクとなる前の上限許容トルクTCdmgを越えると、クラッチ伝達トルクTCが上限許容トルクTCdmgにまで抑えることができるモータトルクに目標モータトルクTmを制限することで、クラッチ伝達トルクTCが限界トルク以上となることを防止し、もってクラッチ12の寿命低下を抑えている。
なお、制動によって後輪からクラッチ12に伝達するトルク分だけで上記許容トルクTCdmgを越えている場合には、上記目標モータトルクTmはマイナス値に制限される。このように目標モータトルクTmがマイナス値となることで、後輪に掛かる制動力をその分、大きく設定することができる。
一方、電磁クラッチ部106が通電状態、つまりクラッチ制御オンでの走行中において、例えば急勾配の下り坂を走行中などの走行状態を想定した場合には、後輪3L、3Rの車輪速が大きくなって、外輪部材101よりも内輪部材100の加速が大きくなると、つまり、車輪側からのトルクがモータ4側からのトルクを上回る状態になると、上記外輪部材101及びローラ102と内輪部材100との間にあった上記位相差が解消し、さらに反対方向の位相差が発生する結果、上記ローラ102の噛み込みが外れ、続けて図9のように、反対側に位置する右側の楔空間103aに対してローラ102が噛み込む。つまり、いわゆる逆噛み込み状態となって、後輪側からモータ4側に向けてのトルク伝達状態となる。この状態で、電磁クラッチ部106の通電を中止して保持器104を解放した場合には、通常は、モータ4のトルクを大きくしないと(若しくは車輪からのトルクが小さくならないと)、上記逆噛み込み状態が解消することない。
これに対し、本実施形態ではクラッチ伝達トルクTCが引きずり方向のトルク(前進走行中であれば負の値)となるおそれあるほどクラッチ伝達トルクTCが小さくなるとつまり下限許容トルクTCdrgよりも小さくなると、ステップS320,S330(後退時はステップS410,S420)にてクラッチ伝達トルクTCの絶対値を下限許容トルクTCdrg以上に制限することで、上記逆噛み込みとなることを防止している。
なお、上述の説明は車両が前進走行していることを想定して行っているが、車両後退時であっても同様の作用・効果を奏する。
ここで、上記実施形態では、クラッチ伝達トルクTCが上限許容トルクを越えて限界トルクに近づくと、クラッチ伝達トルクTCが上限許容トルクとなるようにモータトルクに制限を掛けているが、モータトルクに制限を掛ける代わりに、モータ4をオフ、若しくは例えば摩擦クラッチのように伝達トルクTCが掛かっている状態でもクラッチオフ可能なクラッチを用い且つクラッチ12を切断状態に制御することで、クラッチ12に掛かるクラッチ伝達トルクTCが限界トルク以上の過大なトルクとなることを防止しても良い。
また、上記実施形態では後輪の加速度αから後輪からクラッチ12に伝達されるトルクを求めてクラッチ伝達トルクTCが限界トルクに近づいたか否かを判定しているが、これに限定されない。制動の操作量、つまりブレーキペダルの踏み込み量や、マスタシリンダ圧から後輪の減速度を予測することで後輪側からクラッチ12に伝達されるトルクを演算しても良い。この場合にはフィードフォワードでクラッチ伝達トルクTCが限界トルクに近づいたか否かを判定可能となる。また、実際の後輪の加速度αからの演算と制動操作量による推定値との両方からクラッチ伝達トルクTCが限界トルクに近づく否かを判定しても良い。または、ABS装置などの自動制動装置が作動している場合には、無条件にクラッチ伝達トルクTCが限界トルクに近づいたと判定して、モータトルクを半減させるなどの制限を掛けたり、モータをオフとしたりしても良い。
また、上記実施形態では、発電機7の発電した電圧でモータ4を駆動して4輪駆動を実施する構成の場合で説明しているが、これに限定されない。モータ4ヘ電力供給できるバッテリを備える駆動システムに採用しても良い。この場合には、バッテリから電力を供給するようにすればよいし、さらにはバッテリからの供給と共に発電機7からの電力供給も併行して行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、主駆動源として内燃機関を例示しているが、主駆動源をモータ等から構成しても良い。また、上記実施形態では、4輪自動車を例に説明しているが、モータを駆動源とする2輪車に適用しても構わない。
また、上記クラッチ12の説明では、内輪部材100と外輪部材101との径方向で対向する部分に係合空間103が形成されるとしているが、これに限定されず、軸方向などに係合空間103が形成するような構造であっても良い。また、カム面100aを外輪部材101側に設けて、内輪部材100と保持器104とをクラッチ作動部で固定・解放するようにしても良い。また、クラッチ操作部として、電磁クラッチ以外のクラッチ機構を採用しても良い。
また、上記クラッチ12は、上述のようなクラッチに限定されず、ドグクラッチや摩擦クラッチであってもよい。上述のようなメカニカルクラッチは摩擦クラッチに比べて伝達トルク容量が大きくコストが易いが、過大トルクを掛かった場合には、摩擦クラッチによりもトルク寿命低下が大きい。
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様な装置などについては同一の符号を付して説明する。
本第2実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様であるが、4WDコントローラ本体8Aの処理の一部が異なり、モータトルク制限部8Bの代わりにクラッチ保護チェック部8Hの処理を組み込んだ点が異なる。
すなわち、本実施形態の4WDコントローラ本体では、図10に示すように、ステップS30とS60の間にステップS33及びステップS34の処理を挿入し、図6におけるステップS40及びS50の処理を削除したものである。その他の構成や処理は上記第1実施形態と同様である。
すなわち、通常のモータトルク制御(ステップS60〜ステップS80)の処理を行う前に、ステップS33にて、クラッチ保護チェック部8Hを起動して、クラッチ伝達トルクTCの状態を推定した後にステップS34に移行し、CP=1つまりクラッチ伝達トルクTCが限界トルクを越えるおそれあると判定した場合にはステップS120に移行して、2輪駆動状態に移行してモータ4をオフとし、CPが0つまりクラッチ伝達トルクTCが限界トルクを越えるおそれがないと判定した場合にはステップS60に移行して、通常の4輪駆動処理を行う。
次に、上記クラッチ保護チェック部8Hの処理を図11及び図12を参照して説明する。
本実施形態では、図12に示すように、従動輪車輪速とモータトルクとを変数として、予めクラッチ伝達トルクTCが限界トルクを越える可能性のある領域(図12中斜線部分)を実験や計算から求めておく。
そして、図11におけるステップS600にて、従駆動輪(後輪)の車輪速VRを検出し、続いてステップS610にてモータトルクTmaを求めて、ステップS620に移行する。モータトルクTmaは、上述のように実際のモータトルクを演算しても良いし、目標モータトルクTmを使用しても良い。
ステップS630で制動操作が行われたか否かを判定し、制動操作が行われたと判定した場合にはステップS640に移行し、制動操作が行われていない場合にはステップS650に移行してクラッチ保護領域フラグCPに「0」を代入して処理を終了する。
制動操作は、ブレーキペダルの操作量で判定すればよい。また、パーキングブレーキが操作された場合にもブレーキ操作が行われたと判定する。
ステップS640では、図12のようなマップなどに基づき、現在のモータトルクと従動輪車輪速との関係が、保護領域(斜線部分)か否かを判定し、保護領域と判定した場合にはCPに1を非保護領域と判定した場合にはCPに0を代入して、処理を終了する。
ここで、ステップS630及びS640がクラッチトルク状態判定手段を構成し、ステップS34がモータトルク制限手段を構成する。
次に、本実施形態の作用効果などについて説明する。
通常、後輪に大きな急減速が掛かるのは後輪に制動が掛かるときであるので、本実施形態では、制動操作が有った場合に、予め求めたモータトルクと従動輪の車輪速との関係から、クラッチ伝達トルクTCが限界トルクを越える可能性があると判定するとクラッチを切断状態してクラッチの保護を図っている。
その他の構成や作用効果は上記第1実施形態と同様である。
ここで、上記実施形態では、クラッチ伝達トルクTCが限界トルクを越える可能性があると判定するとクラッチを切断状態とすると共にモータを切断状態に制御しているが、クラッチを切断状態に制御するだけでモータをオフ(2輪駆動状態への移行)にしなくても良い。すなわち4WDコントローラ本体(図10)のステップS34においてCP=1と判定されたら、クラッチ・オフ指令を出力して処理を終了するようにしても良い。
また、上記実施形態では、運転者による制動操作を検知したら上述の処理を行うようにしているが、ABS装置などの自動制動装置が作動したら、クラッチ保護チェック部8H(図11)におけるステップS630にてステップS640に移行するようにしても良い。
本発明に基づく実施形態に係る概略装置構成図である。 本発明に基づく実施形態に係るシステム構成図である。 本実施形態に係るクラッチの構造を示す断面図である。 本実施形態に係るクラッチの機構を示す模式図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る4WDコントローラを示すブロック図である。 本実施形態に係る4WDコントローラ本体の処理を示す図である。 本発明に基づく第1実施形態に係るモータトルク制限部の処理を示す図である。 モータから車輪にトルク伝達がある状態を示す図である。 車輪からモータにトルク伝達がある状態を示す図である。 本実施形態に係る4WDコントローラ本体の処理を示す図である。 本発明に基づく第2実施形態に係るクラッチ保護チェック部の処理を示す図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る保護領域の例を示す図である。
符号の説明
1L、1R 前輪
2 エンジン
3L、3R 後輪
4 モータ
6 ベルト
7 発電機
8 4WDコントローラ
8A 4WDコントローラ本体
8B 目標モータトルク算出部
8C 停止前トルク算出部
8D 発電機制御部
8E リレー制御部
8F モータ制御部
8G クラッチ制御部
8H クラッチ保護チェック部
9 電線
10 ジャンクションボックス
11 減速機
12 クラッチ
14 吸気管路
15 メインスロットルバルブ
16 サブスロットルバルブ
18 エンジンコントローラ
19 ステップモータ
20 モータコントローラ
21 エンジン回転数センサ
22 電圧調整器
23 電流センサ
26 モータ用回転数センサ
27FL、27FR、27RL、27RR
車輪速センサ
30 トランスミッション
31 ディファレンシャル・ギヤ
32 シフト位置検出手段
34 ブレーキペダル
35 ブレーキストロークセンサ
36 制動コントローラ
37FL、37FR、37RL、37RR
制動装置
40 アクセルセンサ
41 駆動モードスイッチ
42 ABS装置(自動減速装置)
100 内輪部材
101 外輪部材
102 ローラ(係合子)
103 係合空間
103a 楔空間
104 保持器
105 スイッチバネ
106 電磁クラッチ部
Ifh 発電機の界磁電流
V 発電機の電圧
Nh 発電機の回転数
Ia 目標電機子電流
Ifm 目標モータ界磁電流
E モータの誘起電圧
Nm モータの回転数(回転速度)
Th 目標発電機負荷トルク
Tm モータの現在の目標トルク
Tma 現在のモータトルク
Te エンジンの出力トルク
α 後輪の加速度
TC クラッチ伝達トルク
TCdmg 上限許容トルク
TCdrg 下限許容トルク

Claims (9)

  1. モータと、そのモータで駆動される車輪と、モータから車輪への動力伝達経路に介装されるクラッチとを備え、モータ駆動中は上記クラッチを接続状態に制御する車両の駆動力制御装置であって、
    上記クラッチの伝達トルクが、当該クラッチの仕様に基づく限界トルクに近づいたことを検知若しくは推定するクラッチトルク状態判定手段と、
    そのクラッチトルク状態判定手段の検知若しくは推定に基づきクラッチの伝達トルクが上記限界トルクに近づいたと判定したら上記モータの駆動トルクを制限するモータトルク制限手段と、を備えることを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  2. 上記モータトルク制限手段は、車輪からクラッチに伝達されるトルクが上記限界トルクに近づくことで、クラッチ伝達トルクが限界トルクに近づくと判定したら、上記モータの駆動トルクを逆回転方向のトルクとすることを特徴とする請求項1に記載した車両の駆動力制御装置。
  3. 上記モータトルク制限手段は、クラッチの伝達トルクが上記限界トルクに近づいたと判定したら、上記モータの駆動トルクの制限と共に、若しくは当該モータの駆動トルクを制限する代わりに、クラッチを切断状態にすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した車両の駆動力制御装置。
  4. 上記クラッチトルク状態判定手段は、上記車輪の減速度とモータトルクとからクラッチの伝達トルクを求めて、クラッチ伝達トルクが限界トルクに近づいたことを検知若しくは推定することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した車両の駆動力制御装置。
  5. 上記車輪を制動する制動装置を備え、上記クラッチトルク状態判定手段は、その制動装置に対する制動指令に基づき上記車輪の減速度を推定することを特徴とする請求項4に記載した車両の駆動力制御装置。
  6. 上記車輪を制動する制動装置を備え、
    上記クラッチトルク状態判定手段は、上記制動装置に対し制動指令が出力され、且つモータトルクに対する上記車輪の速度が、クラッチ伝達トルクが上記限界トルクに近づく可能性のある速度であると判定すると、クラッチの伝達トルクが上記限界トルクに近づいたと推定することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した車両の駆動力制御装置。
  7. 主駆動輪を駆動する主駆動源を備えると共に、上記モータで駆動される車輪を従駆動輪とすることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した車両の駆動力制御装置。
  8. 運転者の加速指示とは関係なく車両の走行状態に応じた制動力を車両に掛ける自動制動装置を備える車両の駆動力制御装置において、
    上記クラッチトルク状態判定手段は、上記自動制動装置が作動していることを検知すると、クラッチの伝達トルクが当該クラッチの仕様に基づく限界トルクに近づいたと推定することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載した車両の駆動力制御装置。
  9. 上記クラッチは、モータ側の回転軸に連結する第1の回転部材と、車輪側の回転軸に連結する第2の回転部材と、その第1及び第2の回転部材の間に形成された係合空間に介挿される係合子と、その係合子の周方向の位置を規制する保持器と、第1及び第2の回転部材の一方に対する上記保持器の固定・解放を行うことでクラッチの接続・切断を制御するクラッチ操作部と、を備え、上記クラッチ操作部による上記保持器の固定状態で第1及び第2の回転部材の他方と保持器との間の位相が変わることによって、上記係合子が第1及び第2の回転部材の間に噛み込んで第1及び第2の回転部材間でトルク伝達可能となる機構のクラッチであることを特徴とする請求項1、請求項2、及び請求項4〜請求項8のいずれか1項に記載した車両の駆動力制御装置。
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