JPH09105340A - 内燃機関の出力制御装置 - Google Patents

内燃機関の出力制御装置

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JPH09105340A
JPH09105340A JP7263825A JP26382595A JPH09105340A JP H09105340 A JPH09105340 A JP H09105340A JP 7263825 A JP7263825 A JP 7263825A JP 26382595 A JP26382595 A JP 26382595A JP H09105340 A JPH09105340 A JP H09105340A
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torque
input shaft
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engine
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Hideki Sekiguchi
秀樹 関口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】変速機に過大トルクが入力されることを確実に
回避できるようにする。 【解決手段】トルクコンバータを介して歯車式変速機に
入力されるトルクTqtbn を、機関出力トルクTqeng
とトルクコンバータのトルク比tとに基づいて算出する
(S1)。そして、前記トルクTqtbn が所定値TQTSL
以上であるときには(S2)、入力トルクが許容値を上
回っていると判断し、機関出力トルクを点火時期の遅角
補正等によって強制的に低下させる(S3)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の出力制御
装置に関し、詳しくは、変速機構を含む動力伝達機構の
伝達トルクが許容値を越えることがないように機関出力
トルクを制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、動力伝達機構の伝達トルクが許容
値を越えることを回避すべく、機関出力を制限する技術
としては、例えば特公平4−24536号公報又は特公
平5−19025号公報に開示されるようなものがあっ
た。前記特公平4−24536号公報に開示される機関
出力の制御方法においては、機関の回転数が動力伝達機
構に対して過大な軸トルクを与えると予測される回転域
であるときに、点火時期の遅角制御等によって機関出力
を低下させる構成となっている。
【0003】また、前記特公平5−19025号公報に
開示される制御装置では、機関出力が、変速機の伝達力
を上回ると判断されるときに、機関出力が前記伝達力以
下となるように機関出力を制御する構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記特公平
4−24536号公報に開示される機関出力の制御方法
においては、機関が動力伝達機構に対して過大な軸トル
クを与えると判定する条件が機関の回転数のみであるた
め、トルクコンバータ付き自動変速機においては、機関
出力を制限する必要がある状態を正確に判断できず、動
力伝達機構に対し過大なトルクが作用する場合があっ
た。
【0005】即ち、トルクコンバータ付き自動変速機で
は、機関出力トルクはトルクコンバータで増幅されるた
め、トルクコンバータによるトルク増幅が大きく、か
つ、機関出力トルクが大きいときには、機関出力を制限
する必要が生じるが、機関回転数のみによる判断では前
記トルクコンバータによる増幅が考慮されないため、実
際には過大な軸トルクを与えられる条件下であるにも関
わらず、機関出力が制限されない場合があったものであ
る。
【0006】同様に、特公平5−19025号公報に開
示される技術においても、機関出力に基づいて過大な軸
トルクを判断していて、トルクコンバータによる増幅が
考慮されない構成であるため、トルクコンバータによる
増幅が大きい状態では、必要な機関出力の制限が行われ
ない惧れがあった。例えば、ドライブレンジにシフトし
た状態でスロットル弁を開くと共にブレーキを作用させ
て停止している状態から、ブレーキを解放して急発進さ
せる場合や、牽引を行っていて機関回転数の上昇に対し
て車速の立ち上がりが大きく遅れる場合においては、ト
ルクコンバータの速度比e(タービン回転数/ポンプ回
転数)が小さくなってトルク比tが大きなり、トルク増
幅作用が大きくなるため、機関回転数や機関出力トルク
としては過大な軸トルクを与えるとは判断されなくて
も、実際には、トルクコンバータの増幅作用で動力伝達
機構に過大な軸トルクが与えられてしまう場合があった
ものである。
【0007】また、変速機のオイルやクラッチフェーシ
ングの劣化により、変速機伝達トルクの許容値が初期レ
ベルから低下する場合があり、初期状態に適合した機関
出力トルクの低下量によって機関出力を制限しても、実
際の許容値を越える軸トルクが入力され、これにより、
クラッチの滑りを生じクラッチを破損させる惧れがあっ
た。
【0008】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、機関出力トルクがトルクコンバータを介して変速
機構に伝達される構成の内燃機関において、動力伝達機
構に対して過大な軸トルクが与えられる状態を正確に判
断して、機関出力の制限を適正に実行させ、動力伝達機
構の破損を確実に防止できるようにすることを目的とす
る。
【0009】また、変速機オイルの劣化やクラッチフェ
ーシングの劣化による変速機伝達トルクの低下に対応し
て、動力伝達機構の破損を確実に回避し得る機関出力制
限が行えるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのため請求項1記載の
発明は、機関出力トルクがトルクコンバータを介して変
速機構に伝達される構成の内燃機関の出力制御装置であ
って、図1に示すように構成される。図1において、入
力軸トルク判定手段は、前記変速機構の入力軸トルクが
許容トルクを越える状態を判定する。
【0011】そして、機関出力トルク制限手段は、入力
軸トルク判定手段により前記変速機構の入力軸トルクが
許容トルクを越えることが判定されたときに、機関出力
トルクを強制的に低下させる。かかる構成によると、ト
ルクコンバータを介して変速機構の入力軸に伝達される
トルクが許容トルクを越える場合に、機関出力トルクを
低下させる。従って、トルクコンバータによる増幅が行
われる場合には、増幅されたトルクが許容トルクを越え
ているか否かが判断されることになり、変速機構に対し
て過大な軸トルクが与えられることを確実に回避し得
る。
【0012】請求項2記載の発明では、前記入力軸トル
ク判定手段が、前記変速機構の入力軸トルクを算出する
入力軸トルク算出手段と、該入力軸トルク算出手段で算
出された入力軸トルクと許容トルクとを比較して前記入
力軸トルクが許容トルクを越える状態を判定する比較手
段と、を含んで構成されるものとした。かかる構成によ
ると、変速機構の入力軸トルクを算出して許容トルクと
比較するから、許容トルクを越える状態を確実に判定で
きる。
【0013】請求項3記載の発明では、前記入力軸トル
ク算出手段が、機関出力トルクとトルクコンバータのト
ルク比とに基づいて前記変速機構の入力軸トルクを算出
する構成とした。かかる構成によると、機関出力トルク
Tqeng とトルク比tとによって、入力軸トルクTq
tbn は、Tqtbn =Tqeng ×tとして算出される。こ
こで、トルク比tは、トルクコンバータの速度比eに応
じて決定されるから、例えばタービン回転センサを備え
る場合には、タービン回転数/機関回転数として速度比
eを求め、該速度比eをトルク比tに変換すれば良い。
また、機関出力トルクTqen g は、機関の吸入空気量Q
と機関回転数Neとに基づいて、Tqeng =K×Q/N
e(Kは定数)として算出できる。
【0014】請求項4記載の発明では、前記入力軸トル
ク算出手段が、機関回転数とトルクコンバータのトルク
比及びトルク容量係数に基づいて前記変速機構の入力軸
トルクを算出する構成とした。かかる構成によると、入
力軸トルクTqtbn は、Tqtbn =トルク比t×トルク
容量係数τ×(機関回転数Ne)2 として算出される。
【0015】請求項5記載の発明では、前記入力軸トル
ク判定手段が、前記トルクコンバータのトルク比が所定
値以上である状態を判定するトルク比判定手段と、機関
出力トルクが所定値以上である状態を判定する機関出力
トルク判定手段と、前記トルク比判定手段及び機関出力
トルク判定手段により、トルク比が所定値以上であっ
て、かつ、機関出力トルクが所定値以上であることが判
定されたときに、前記入力軸トルクが許容トルクを越え
ていると判定するトルク比及び出力トルクによる判定手
段と、を含んで構成されるものとした。
【0016】かかる構成によると、トルク比が所定値以
上であって、増幅作用が大きく、然も、トルクコンバー
タに入力されるトルクである機関出力トルクが所定値以
上である場合には、変速機構に対する入力軸トルクが所
定値以上になるものと推定されるので、このときに機関
出力トルクを低下させて、前記入力軸トルクの低下を図
る。
【0017】請求項6記載の発明では、前記トルク比判
定手段が、タービン回転数と車速とのうちの少なくとも
一方に基づいて、前記トルクコンバータのトルク比が所
定値以上である状態を判定する構成とした。トルクコン
バータの速度比eは、トルクコンバータの入力トルク
(機関出力トルク)と機関回転数とによって決定される
から、スロットル開度を固定として考えると、機関回転
数に応じて速度比eが決定されることになり、速度比e
とトルク比tとの間には一定の関係があるから、機関回
転数からトルク比tが求められることになる。一方、速
度比eは、タービン回転数/機関回転数であるから、機
関回転数に応じて速度比eが決定されるとすれば、機関
回転数からタービン回転数を求めることができ、結果、
タービン回転数のみからトルク比tを求めることができ
る。また、ギヤ比を固定として考えれば、変速機の出力
軸回転数、即ち、車速のみからトルク比tを求められる
ことになる。
【0018】請求項7記載の発明では、前記機関出力ト
ルク判定手段が、少なくとも機関負荷に基づいて機関出
力トルクが所定値以上である状態を判定する構成とし
た。かかる構成によると、例えば機関負荷を代表するス
ロットル弁開度と機関回転数とに基づいて機関出力トル
クが所定値以上である状態を判定できる。請求項8記載
の発明では、前記変速機構における摩擦要素の滑りを検
出する滑り検出手段と、該滑り検出手段により摩擦要素
の滑りが検出されたときに、前記機関出力トルク制限手
段による機関出力トルクの低下量を増大修正するトルク
低下増大手段と、を設ける構成とした。
【0019】かかる構成によると、変速機のオイル劣化
や、クラッチフェーシングの劣化により変速機伝達トル
クが低下し、初期状態に対応した機関出力トルクの制限
では、変速機に対する過大なトルク入力状態を回避でき
ない場合に、過大な入力トルク状態を摩擦要素の滑りと
して検出し、滑りが発生しているときには、機関出力ト
ルクをより大きく低下させるようにして、許容入力トル
クの低下に対応させる。
【0020】請求項9記載の発明では、前記滑り検出手
段が、タービン回転数と前記変速機構におけるギヤメン
バー回転数との少なくとも一方と、前記変速機構の出力
軸回転数とに基づいて前記摩擦要素の滑りを検出する構
成とした。かかる構成によると、摩擦要素の滑りが発生
すると、摩擦要素前後で回転差が生じるので、タービン
回転数(変速機構の入力回転数)と前記変速機構におけ
るギヤメンバー回転数との少なくとも一方と、変速機構
の出力軸回転数との比が、ギヤ比相当値からずれること
になるので、変速機構内の摩擦要素における滑り(ギヤ
メンバーと出力軸との間の摩擦要素の滑り)を検出でき
る。
【0021】請求項10記載の発明では、前記トルク低下
増大手段による修正結果を学習し、該学習結果に基づい
て前記機関出力トルク制限手段が、機関出力トルクを低
下させる構成とした。かかる構成によると、滑りの発生
が検出されてより大きい機関出力トルクを低下させるよ
う修正した結果が学習されるから、それ以降においては
許容トルクの更なる低下が発生しない限り、滑りを生じ
させないように機関出力トルクを低下させることができ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。実施形態のシステム構成を示す図2において、内
燃機関1の出力側に自動変速機2が設けられている。自
動変速機2は、機関1の出力側に介在するトルクコンバ
ータ3と、このトルクコンバータ3を介して連結された
歯車式変速機(変速機構)4と、この歯車式変速機4中
の各種変速要素の結合・解放操作を行う油圧アクチュエ
ータ5とを備える。油圧アクチュエータ5に対する作動
油圧は各種の電磁バルブを介してON・OFF制御され
るが、ここでは自動変速のためのシフト用電磁バルブ6
A,6Bのみを示してある。
【0023】コントロールユニット7には、各種のセン
サから信号が入力されている。前記各種のセンサとして
は、自動変速機2の出力軸8より回転信号を得て車速
(出力軸回転数)VSPを検出する車速センサ9が設け
られている。また、機関1の吸気系のスロットル弁10の
開度TVOを検出するポテンショメータ式のスロットル
センサ11が設けられている。
【0024】また、機関1のクランク軸又はこれに同期
して回転する軸にクランク角センサ12が設けられてい
る。このクランク角センサ12からの信号は例えば基準ク
ランク角毎のパルス信号で、その周期より機関回転数N
eが算出される。更に、前記スロットル弁10の上流側で
機関1の吸入空気流量Qを計測するエアフローメータ13
が設けられている。
【0025】コントロールユニット7は、マイクロコン
ピュータを内蔵し、前記各種のセンサからの信号に基づ
いて、変速制御を行う。具体的には、運転者が操作する
セレクトレバーがDレンジの状態では、スロットル弁開
度TVOと車速VSPとに従って1速〜4速の変速位置
を自動設定し、油圧アクチュエータ5を介して歯車式変
速機4をその変速位置に制御する変速制御を行う。
【0026】また、コントロールユニット7は、歯車式
変速機4を含む動力伝達機構の伝達トルクが許容値以下
になるように、機関出力トルクを制限する機能を有して
おり、かかる機能の第1形態を、図3のフローチャート
に従って説明する。尚、入力軸トルク判定手段(入力軸
トルク算出手段,比較手段を含む),機関出力トルク制
限手段としての機能は、前記図3のフローチャートに示
すようにコントロールユニット7が備えている。
【0027】図3のフローチャートにおいて、ステップ
1(図中ではS1としてある。以下同様)では、歯車式
変速機4(変速機構)の入力軸トルクTqtbn を、以下
の式に従って算出する。 Tqtbn =Tqeng ×t ここで、Tqeng は機関出力トルクであり、例えば吸入
空気流量Qと機関回転数Neとに基づいて、Tqeng
K×Q/Ne(Kは定数)として算出される。
【0028】また、tは、前記トルクコンバータ3のト
ルク比tであり、トルクコンバータ3の速度比e(ター
ビン回転数/ポンプ回転数)から求められる(図4参
照)。タービン回転センサを備える場合には、該タービ
ン回転センサで検出されるタービン回転数Ntと、ポン
プ回転数に相当する機関回転数Neとから前記速度比e
を求め、該速度比eをトルク比tに変換すれば良い。
【0029】タービン回転センサを備えない場合には、
ギヤ比と車速VSPとに基づいてタービン回転数を算出
することで、トルク比tが求められる。また、入力軸ト
ルクTqtbn は、以下のようにして算出しても良い。 Tqtbn =t×τ×Ne2 ここで、τは、トルクコンバータ3におけるトルク容量
係数であり、トルク比t同様に、速度比e(=Nt/N
e)から求められる(図5参照)。
【0030】次のステップ2では、前記ステップ1で算
出した入力軸トルクTqtbn (タービントルク)が所定
値TQTSL 以上であるか否かを判別する。前記所定値TQTS
L は、入力軸トルクTqtbn の許容最大値に相当する値
であり、前記入力軸トルクTqtbn が前記所定値TQTSL
以上である場合には、許容レベル(許容伝達トルク)を
越える軸トルクが歯車式変速機4に入力されるものと判
断し、ステップ3へ進んで、機関出力トルクを強制的に
低下させる制御を実行する。
【0031】即ち、動力伝達機構の伝達トルクが許容値
を越えると判定されたので、動力伝達機構の破損を回避
するために入力軸トルクTqtbn を低下させるべく、機
関出力トルクを強制的に低下させるものである。前記機
関出力トルクの低下は、点火時期の遅角制御,過給圧の
低下制御,燃料カットなどによって行われる。
【0032】点火時期の遅角制御は、例えば、予め通常
の点火時期マップの他に、出力制限用の通常よりも遅角
された点火時期マップを備え、前記ステップ2における
判定結果を受けて、参照する点火時期マップを切り換え
ることで行われる。また、過給機を備えた機関では、運
転条件に応じた過給圧の目標を、通常よりも低下させる
ことで、機関出力トルクを低下させることができる。
【0033】また、電子制御燃料噴射装置を備えた機関
では、燃料噴射弁による燃料噴射を強制的に停止させる
燃料カットにより機関出力トルクを低下させることがで
き、各気筒別に燃料噴射弁を備える場合には、一部気筒
においてのみ燃料カットを行わせても良い。また、スロ
ットル弁10の上流側にアクチュエータで開閉される第2
スロットル弁を設け、この第2スロットル弁を閉じるこ
とで、機関出力トルクの低下を図る構成としても良い。
【0034】上記構成によると、トルクコンバータ3に
おける速度比eが小さいために、トルク比eが大きく、
トルクコンバータ3によるトルクの増幅が大きい場合で
あっても、実際に歯車式変速機4に入力される軸トルク
Tqtbn に基づいて過大トルクの入力を判定するので、
トルクコンバータ3によるトルクの増幅が大きい場合に
過大トルクが入力されて歯車式変速機4等が破損するこ
とを確実に回避できる。
【0035】図6のフローチャートは、機関出力トルク
制御の第2形態を示す。尚、入力軸トルク判定手段(ト
ルク比判定手段,機関出力トルク判定手段,トルク比及
び出力トルクによる判定手段を含む),機関出力トルク
制限手段としての機能は、前記図6のフローチャートに
示すようにコントロールユニット7が備えている。
【0036】図6のフローチャートにおいて、ステップ
11では、機関出力トルクTqeng が所定値以上であるか
否かを判別する。該ステップ11における判別は、機関回
転数Neが所定値以上で、かつ、スロットル弁開度TV
Oが所定値以上であるか否かに基づいて行われる(図7
参照)。尚、前記図7及び後述の図8中における「WO
T」は、スロットル全開状態を示す。
【0037】機関出力トルクTqeng が所定値以上であ
ると判別されると、ステップ12へ進む。ステップ12で
は、トルクコンバータ3のトルク比tが所定値以上であ
るか否かを判別する。かかる判別は、タービン回転数N
tが所定値以下であるか、又は、車速VSPが所定値以
下であるかに基づいて簡便に行わせることが可能であ
る。
【0038】即ち、図8に示すように、トルクコンバー
タの速度比eは、機関出力トルクTqeng と機関回転数
Neとによって決定されるから、スロットル開度TVO
を固定として考えると、機関回転数Neに応じて速度比
eが決定されることになり、図4に示すように速度比e
とトルク比tとの間には一定の関係があるから、機関回
転数からトルク比tが求められることになる。一方、速
度比eは、タービン回転数Nt/機関回転数Neである
から、機関回転数Neに応じて速度比eが決定されると
すれば、機関回転数Neからタービン回転数Ntを求め
ることができ、結果、図9に示すように、タービン回転
数Ntのみからトルク比tを求めることができる。ま
た、ギヤ比を固定として考えれば、図10に示すように、
変速機の出力軸回転数、即ち、車速VSPのみからトル
ク比tを求められることになる。
【0039】ステップ12で、トルク比tが所定値以上で
あると判別されたとき、即ち、機関出力トルクTqeng
が所定値以上であって、かつ、トルク比tが所定値以上
である場合には、入力軸トルクTqtbn が許容値を越え
ているものと判断し、ステップ13へ進んで、機関出力ト
ルクを強制的に低下させる制御を、前記ステップ3と同
様にして実行する。
【0040】ところで、変速機オイルの劣化やクラッチ
フェーシングの劣化により変速機伝達トルクが低下する
と、例えば点火時期の遅角制御によって機関出力トルク
を低下させる場合に、初期設定された遅角制御量では、
充分な機関出力トルクの低下が図られず、遅角制御して
いるにも関わらず入力軸トルクTqtbn が許容値を越え
てしまう可能性がある。
【0041】そこで、前記許容伝達トルクの低下を検知
し、機関出力トルクを低下させるための制御値(例えば
点火時期遅角補正量)の初期値が不適切になった場合に
は、より大きく機関出力トルクを低下させるべく制御値
を修正することが好ましい。かかる制御値の修正制御
を、図11のフローチャートに示してある。尚、滑り検出
手段,トルク低下増大手段としての機能は、前記図11の
フローチャートに示すようにコントロールユニット7が
備えている。
【0042】図11のフローチャートにおいて、ステップ
21では、前記図6のフローチャートのステップ11〜ステ
ップ12に示すように、機関出力トルクTqeng が所定値
以上であって、かつ、トルク比tが所定値以上である機
関出力制限領域であるか否かを判別する。そして、制限
領域であるときには、ステップ22へ進み、予め出力制限
用として設定されて点火時期マップから求めた点火時期
ADVDNを、更に遅角補正学習値ADVLN(初期値
=0)に基づいて遅角補正し、機関出力トルクの低下を
図る。
【0043】ステップ23では、前述のようにして点火時
期を遅角補正して機関出力トルクを低下させた状態で、
歯車式変速機4内の摩擦要素としてのクラッチに滑りが
生じたか否かを判別する。かかるクラッチの滑りは、タ
ービン回転数Ntと、車速VSPとの差に基づいて検出
できる。
【0044】即ち、クラッチの滑りが発生すると、クラ
ッチ前後で回転差が生じるので、タービン回転数Nt
(変速機の入力回転数)と歯車式変速機4の出力軸回転
数である車速VSPとの比がギヤ比相当値からずれるの
で、以て、変速機構内のクラッチ等の摩擦要素における
滑りを検出できる。尚、タービン回転数Ntの代わり
に、クラッチ等の摩擦要素よりも前段に位置する歯車式
変速機4のギヤメンバー回転数を用いて滑りを検出する
こともできる。
【0045】ステップ23でクラッチの滑りがないと判別
されたときには、前記ステップ22における遅角補正学習
値ADVLNによる機関出力トルクの低下によって、機
関出力トルクを、動力伝達機構における許容レベル以下
に抑制できたことになるので、そのまま本ルーチンを終
了させる。一方、ステップ23でクラッチに滑りが生じた
ことが判別された場合には、遅角補正学習値ADVLN
による機関出力トルクの低下では不充分であることにな
るから、ステップ24へ進んで、前記遅角補正学習値AD
VLNを所定値DADVだけ増大修正してより大きく遅
角補正されるようにし、該修正結果を更新記憶して学習
する。そして、次回以降の機関出力制限領域において
は、前記学習更新された遅角補正学習値ADVLNと、
予め出力制限用として設定されて点火時期マップから求
めた点火時期ADVDNとによって遅角制御を実行させ
る。
【0046】尚、機関出力トルクを低下させるために学
習させる制御値を、前記点火時期遅角補正量に限定する
ものではなく、過給圧目標値などであっても良い。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
かかる内燃機関の出力制御装置によると、トルクコンバ
ータにより増幅される入力軸トルクが許容トルクを越え
ているか否かを判定するので、変速機に対して過大な軸
トルクが与えられることを確実に回避できるという効果
がある。
【0048】請求項2記載の発明によると、変速機構の
入力軸トルクを算出して許容トルクと比較するから、許
容トルクを越える状態を確実に判定して、的確に機関出
力トルクを低下させることができるという効果がある。
請求項3記載の発明によると、機関出力トルクとトルク
比とによって、入力軸トルクを算出するので、機関出力
トルク及びトルク比の変化に応じて実際の入力軸トルク
を算出できるという効果がある。
【0049】請求項4記載の発明によると、機関回転数
とトルクコンバータのトルク比及びトルク容量係数とに
よって入力軸トルクを算出するので、回転数のパラメー
タのみから実際の入力軸トルクを算出できるという効果
がある。請求項5記載の発明によると、トルク比が所定
値以上であって、増幅作用が大きく、然も、トルクコン
バータに入力されるトルクである機関出力トルクが所定
値以上である場合には、変速機構に対する入力軸トルク
が所定値以上になるものと推定して機関出力トルクを低
下させるので、変速機に対して過大な軸トルクが与えら
れることを簡便に回避できるという効果がある。
【0050】請求項6記載の発明によると、トルクコン
バータのトルク比が所定値以上である状態を、タービン
回転数と車速とのうちの少なくとも一方に基づいて簡便
に判定できるという効果がある。請求項7記載の発明に
よると、例えば機関負荷を代表するスロットル弁開度と
機関回転数とに基づいて機関出力トルクが所定値以上で
ある状態を簡便に判定できるという効果がある。
【0051】請求項8記載の発明によると、変速機のオ
イル劣化やクラッチフェーシングの劣化により変速機伝
達トルクが低下したときに、これに対応して機関出力ト
ルクをより低下させて、過大トルクの入力を確実に回避
できるという効果がある。請求項9記載の発明による
と、摩擦要素の滑りにより摩擦要素前後で回転差が生じ
ることに基づいて、変速機構内の摩擦要素における滑り
を検出できるという効果がある。
【0052】請求項10記載の発明によると、滑りの発生
が検出されてより大きい機関出力トルクを低下させるよ
う修正した結果が学習されるから、それ以降においては
許容トルクの更なる低下が発生しない限り、滑りを生じ
させないように機関出力トルクを低下させることができ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の基本構成ブロック図。
【図2】実施形態のシステム構成図。
【図3】機関出力制限制御の第1形態を示すフローチャ
ート。
【図4】速度比eとトルク比tとの相関を示す線図。
【図5】速度比eとトルク容量係数τとの相関を示す線
図。
【図6】機関出力制限制御の第2形態を示すフローチャ
ート。
【図7】機関回転数Ne,機関出力トルクTqeng ,ス
ロットル弁開度の相関を示す線図。
【図8】機関回転数Ne,機関出力トルクTqeng ,速
度比eの相関を示す線図。
【図9】タービン回転数Ntとトルク比tとの相関を示
す線図。
【図10】車速VSPとトルク比tとの相関を示す線図。
【図11】遅角補正の学習制御の様子を示すフローチャー
ト。
【符号の説明】
1 内燃機関 2 自動変速機 3 トルクコンバータ 4 歯車式変速機(変速機構) 5 油圧アクチュエータ 6 シフト用電磁バルブ 7 コントロールユニット 8 出力軸 9 車速センサ 10 スロットル弁 11 スロットルセンサ 12 クランク角センサ 13 エアフローメータ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関出力トルクがトルクコンバータを介し
    て変速機構に伝達される構成の内燃機関において、 前記変速機構の入力軸トルクが許容トルクを越える状態
    を判定する入力軸トルク判定手段と、 該入力軸トルク判定手段により前記変速機構の入力軸ト
    ルクが許容トルクを越えることが判定されたときに、機
    関出力トルクを強制的に低下させる機関出力トルク制限
    手段と、 を含んで構成されたことを特徴とする内燃機関の出力制
    御装置。
  2. 【請求項2】前記入力軸トルク判定手段が、 前記変速機構の入力軸トルクを算出する入力軸トルク算
    出手段と、 該入力軸トルク算出手段で算出された入力軸トルクと許
    容トルクとを比較して前記入力軸トルクが許容トルクを
    越える状態を判定する比較手段と、 を含んで構成されることを特徴とする請求項1記載の内
    燃機関の出力制御装置。
  3. 【請求項3】前記入力軸トルク算出手段が、機関出力ト
    ルクとトルクコンバータのトルク比とに基づいて前記変
    速機構の入力軸トルクを算出することを特徴とする請求
    項2記載の内燃機関の出力制御装置。
  4. 【請求項4】前記入力軸トルク算出手段が、機関回転数
    とトルクコンバータのトルク比及びトルク容量係数に基
    づいて前記変速機構の入力軸トルクを算出することを特
    徴とする請求項2記載の内燃機関の出力制御装置。
  5. 【請求項5】前記入力軸トルク判定手段が、 前記トルクコンバータのトルク比が所定値以上である状
    態を判定するトルク比判定手段と、 機関出力トルクが所定値以上である状態を判定する機関
    出力トルク判定手段と、 前記トルク比判定手段及び機関出力トルク判定手段によ
    り、トルク比が所定値以上であって、かつ、機関出力ト
    ルクが所定値以上であることが判定されたときに、前記
    入力軸トルクが許容トルクを越えていると判定するトル
    ク比及び出力トルクによる判定手段と、 を含んで構成されたことを特徴とする請求項1記載の内
    燃機関の出力制御装置。
  6. 【請求項6】前記トルク比判定手段が、タービン回転数
    と車速とのうちの少なくとも一方に基づいて、前記トル
    クコンバータのトルク比が所定値以上である状態を判定
    することを特徴とする請求項5記載の内燃機関の出力制
    御装置。
  7. 【請求項7】前記機関出力トルク判定手段が、少なくと
    も機関負荷に基づいて機関出力トルクが所定値以上であ
    る状態を判定することを特徴とする請求項5記載の内燃
    機関の出力制御装置。
  8. 【請求項8】前記変速機構における摩擦要素の滑りを検
    出する滑り検出手段と、 該滑り検出手段により摩擦要素の滑りが検出されたとき
    に、前記機関出力トルク制限手段による機関出力トルク
    の低下量を増大修正するトルク低下増大手段と、 を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つ
    に記載の内燃機関の出力制御装置。
  9. 【請求項9】前記滑り検出手段が、タービン回転数と前
    記変速機構におけるギヤメンバー回転数との少なくとも
    一方と、前記変速機構の出力軸回転数とに基づいて前記
    摩擦要素の滑りを検出することを特徴とする請求項8記
    載の内燃機関の出力制御装置。
  10. 【請求項10】前記トルク低下増大手段による修正結果を
    学習し、該学習結果に基づいて前記機関出力トルク制限
    手段が、機関出力トルクを低下させることを特徴とする
    請求項8又は9に記載の内燃機関の出力制御装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005143243A (ja) * 2003-11-07 2005-06-02 Nissan Motor Co Ltd 車両の駆動力制御装置
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WO2015029855A1 (ja) * 2013-08-30 2015-03-05 アイシン精機株式会社 エンジン制御装置
JP2017115783A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 ダイハツ工業株式会社 変速機の制御装置

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