JP2958585B2 - 自動変速機の出力軸トルク制御装置 - Google Patents

自動変速機の出力軸トルク制御装置

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JP2958585B2 JP3346075A JP34607591A JP2958585B2 JP 2958585 B2 JP2958585 B2 JP 2958585B2 JP 3346075 A JP3346075 A JP 3346075A JP 34607591 A JP34607591 A JP 34607591A JP 2958585 B2 JP2958585 B2 JP 2958585B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の出力軸トル
ク制御装置に関し、詳しくは、変速中に機関の点火時期
をフィードバック制御することによって変速ショックを
抑制する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車用自動変速機の変速シ
ョック低減装置として、機関の点火時期を遅角制御して
機関出力トルクをダウンさせることにより、変速時にお
ける変速機出力軸トルクの急変を抑制して変速ショック
を緩和するようにしたものがある(例えば特願平1−3
25798号等参照)。
【0003】このような点火時期の遅角制御による従来
の変速ショック低減装置では、変速時において、その時
のスロットル弁開度TVOが予め定めた所定範囲内の時
に、機関出力トルクのダウン要求を発生させ、このトル
クダウン要求の発生により、点火時期を前記スロットル
弁開度領域に対応した予め設定した遅角量だけ遅角制御
して、機関出力軸トルクを低下させて自動変速機出力軸
のトルク変化を抑制するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来装
置では、変速中の実際の変速機出力軸トルクに基づいて
点火時期を制御するものではなく、変速時におけるスロ
ットル弁開度TVOによって点火時期の遅角量が一義的
に設定されるオープン制御方式であり、また、ある範囲
を持ったスロットル弁開度領域に対して同一の遅角量が
設定される。従って、変速中の変速機出力軸トルク制御
精度は、充分とは言えず変速ショックの低減効果が充分
なものではなかった。
【0005】そこで、本出願人は先に、変速機の出力軸
トルクを変速前から変速後まで滑らかに変化させるため
に、変速中における変速機出力軸の目標トルクを設定
し、変速中に変速機の出力軸トルクを検出するセンサの
検出値が前記目標トルクに近づくように、機関の点火時
期をフィードバック制御するよう構成した装置を提案し
た(特願平3−1090号)。
【0006】しかしながら、従来の変速中におけるトル
ク制御では、変速がいわゆるトルクフェイズからイナー
シャフェイズへ移行した直後から(変速比の変化が起き
てから直ちに)、前記フィードバック制御を行なうよう
構成していたので、イナーシャフェイズ初期のトルクの
飛び出しが発生すると、これに伴って大きな点火時期補
正量が発生し、トルクの大きなアンダーシュートが発生
し、変速ショックを良好に制御できないという問題があ
った。
【0007】即ち、図10に示すように、トルクフェイズ
の検出によって変速中のトルク制御の開始を判断し、目
標トルクの設定を行い、次にイナーシャフェイズに移行
してから実際の点火時期フィードバック制御を開始させ
るが、点火時期の補正によるトルク低減効果は遅れて発
生するために、イナーシャフェイズ初期に発生するトル
クの飛び出しを効果的に低減させることはできない。こ
のため、図9に示すように、かかるトルク飛び出し(図
9のA点)を補正すべく点火時期を大きく遅角補正する
補正値が設定され(図9のB点)、かかる遅角補正によ
るトルク低下の効果も遅れて発生するから、大きなトル
クアンダーシュートを発生させてしまうものであり(図
9のC点)、かかるアンダーシュートの発生によってそ
の後のトルクが大きく変動してしまい、目標トルクへの
収束が悪化していたものである。
【0008】本発明は上記の事情に鑑みなされたもの
で、変速機の出力軸トルクを変速時に滑らかに変化させ
るための点火時期のフィードバック制御において、イナ
ーシャフェイズ開始時のトルクの飛び出しによる影響を
受けずに、変速中における目標トルクへの収束性を向上
させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため本発明にかかる
自動変速機の出力軸トルク制御装置は、機関トルクをト
ルクコンバータを介して変速機構に伝達するように構成
された自動変速機の出力軸トルク制御装置であって、図
1に示すように構成される。図1において、目標トルク
設定手段は、少なくとも変速開始時に機関運転状態検出
手段で検出された機関運転状態とギヤ比検出手段で検出
された自動変速機の変速前後のギヤ比と目標変速時間と
に基づいて、変速中の変速機出力軸の目標トルクを設定
する。
【0010】そして、点火時期フィードバック制御手段
は、トルク検出手段で検出される変速機出力軸のトルク
を前記目標トルクに近づけるように変速中の機関点火時
期をフィードバック制御する。ここで、イナーシャフェ
イズ検出手段は、変速中のイナーシャフェイズを検出
し、フィードバック制御禁止手段は、イナーシャフェイ
ズ検出手段によるイナーシャフェイズ検出の初回から所
定時間が経過するまでの間、点火時期フィードバック制
御手段による点火時期のフィードバック制御を禁止す
る。
【0011】
【作用】かかる構成によると、変速中の変速機出力軸ト
ルクを目標トルクに近づけるために点火時期をフィード
バック制御するが、イナーシャフェイズ初期の所定時間
においては、かかる点火時期のフィードバック制御を禁
止し、前記所定時間が経過してからフィードバック制御
を開始させる。
【0012】即ち、トルクフェイズからイナーシャフェ
イズへの移行初期から直ちに点火時期のフィードバック
制御を実行させると、制御遅れによって移行直後に大き
なアンダーシュートを生じ、このアンダーシュートによ
ってその後の目標トルクへの収束性を悪化させてしまう
ことになるので、イナーシャフェイズ初期の所定時間に
おいてはフィードバック制御を禁止し、以て、大きなア
ンダーシュートの発生を回避し、その後の目標トルクへ
の収束性を確保する。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。本実施例の構成を示す図2において、機関1の
出力側に自動変速機2が接続されている。自動変速機2
は、機関1の出力側に介在する流体式トルクコンバータ
3と、このトルクコンバータ3を介して連結された歯車
式変速機4と、この歯車式変速機4中の各種変速要素の
結合・解放操作を行う油圧アクチュエータ5とを備え
る。油圧アクチュエータ5に対する作動油圧は、図示し
ない各種の電磁バルブを介してON・OFF制御され
る。
【0014】コントロールユニット6には、各種のセン
サからの信号が入力される。前記各種のセンサとして
は、機関1の吸気系のスロットル弁7の開度TVOを検
出するスロットルセンサ8が設けられている。また、機
関1のクランク軸又はこれに同期して回転する軸にクラ
ンク角センサ9が設けられている。このクランク角セン
サ9からの信号は例えば基準クランク角毎のパルス信号
で、その周期より機関回転速度Nが算出される。
【0015】また、自動変速機2の出力軸10より回転信
号を得て車速VSPを検出する車速センサ11が設けられ
ている。また、自動変速機2の出力軸10に取付けられて
変速機2の出力軸トルクTRQを検出するトルク検出手
段としてのトルクセンサ12が設けられている。前記コン
トロールユニット6は、例えば、機関制御(燃料噴射制
御や点火時期制御)用CPUと、自動変速機制御用CP
Uとを内蔵する一体型のもので、両CPUからアクセス
可能なデュアルポートRAMを使用しており、かかる構
成とすることにより、両CPUで算出されるデータを共
用できるようになっている。
【0016】コントロールユニット6の自動変速機制御
用CPUは、運転者が操作するセレクトレバーの操作位
置信号に基づき、例えばセレクトレバーがDレンジの状
態では、スロットル弁開度TVOと車速VSPとに従っ
て1速〜4速の変速位置を自動設定し、油圧アクチュエ
ータ5を介して歯車式変速機4をその変速位置に制御す
る自動変速制御を行う。
【0017】即ち、予め機関負荷を代表するスロットル
弁開度TVOと車速VSPとに基づいて変速パターンマ
ップが設定されており、前記センサで検出される実際の
開度TVOと車速VSPとに対応する変速位置を前記変
速パターンマップから参照し、現状の変速位置とマップ
から参照して求めた運転条件に見合った変速位置とが異
なる場合に、前記マップ参照の変速位置への変速を行わ
せるものである。
【0018】次に、本実施例による変速中の変速機出力
軸トルクの制御動作を、図3及び図4のフローチャート
に従って説明する。尚、本実施例においてギア比検出手
段,目標トルク設定手段,点火時期フィードバック制御
手段,イナーシャフェイズ検出手段,フィードバック制
御禁止手段としての機能は、前記図3及び図4のフロー
チャートに示すようにソフトウエア的に備えられてい
る。
【0019】まず、ステップ1(図中ではS1と記し、
以下同様とする)では、制御開始フラグFの値を判定す
る。前記フラグFは、後述するように変速操作(イナー
シャフェイズ)の開始(変速比の変化開始)が検出され
たときに1がセットされ、変速時間が終了すると0にリ
セットされるものである。前記フラグFが0であるとき
には、ステップ2へ進み、変速操作(イナーシャフェイ
ズ)の開始を判定する。例えば、変速開始時にクラッチ
解放により変速機の出力軸トルクが急減し(トルクフェ
イズ)、その後クラッチ接続開始によりトルクが急増す
るため(イナーシャフェイズ)、かかるトルク変化を検
知することによって、前記変速操作(イナーシャフェイ
ズ)の開始(変速比の変化の開始)を判定できる。
【0020】該ステップ2で変速操作(イナーシャフェ
イズ)の開始でないと判定された場合は、そのままこの
ルーチンを終了する。ステップ2で変速操作開始と判定
されると、ステップ3で前記制御開始フラグFに1をセ
ットすると共に、変速操作開始後の経過時間を計測する
タイマTを0リセットした後、ステップ4へ進んで後述
する点火時期制御における基本制御量RETINの初期
値及び目標変速時間t2を設定する。これらの値は、図
5に示したように、変速種類(1速→2速,2速→3速
等)に応じた変速前ギヤ比Gbと変速後ギヤ比Gaとか
ら得られたギヤ段間比GR(=Ga/Gb)と、スロッ
トル弁開度TVOとをパラメータとして、予め基本制御
量RETINの初期値及び目標変速時間tを記憶したマ
ップから検索して設定される。
【0021】前述のようにして変速操作開始時に、ステ
ップ3でフラグFに1がセットされると、次回からは、
ステップ1でフラグFが1であると判別されることによ
り、ステップ5へ進むようになる。ステップ5では、前
記変速操作開始後(トルクフェイズからイナーシャフェ
イズへの移行から)の経過時間を計測するタイマTの値
が、フィードバック制御の禁止期間を決定する所定時間
t1と比較され、前記所定時間t1内であれば、ステッ
プ6へ進み、基本制御量RETIN(オープンループ制
御値)の初期値を出力し、制御を終了させる。
【0022】一方、変速操作が開始されてから(イナー
シャフェイズに移行してから)前記所定時間t1以上経
過している場合には、ステップ7へ進み、前記ステップ
4で設定された目標変速時間t2に達したか否かを判定
する。そして、タイマTの値が前記目標変速時間t2に
達しているときは変速が終了したと判断し、ステップ9
で前記フラグFを0リセットした後、この制御を終了す
る。一方、タイマTの値が前記目標変速時間t2に達し
ていない時は、変速中であるからステップ8へ進んで、
前記ステップ4で初期設定された基本制御量RETIN
を変速操作開始後の時間経過Tと共に漸増させるため、
ΔRETIN (>0) を加算した値で更新する。
【0023】ステップ8を経た後は、ステップ10以降へ
進み、変速中の変速機出力軸トルクを目標トルクに近づ
けるための点火時期フィードバック制御を実行させる。
即ち、基本的にイナーシャフェイズ中において目標トル
クへのフィードバック制御を行なわせるものであるが、
トルクフェイズからイナーシャフェイズへの移行直後の
所定時間t1においては、前記フィードバック制御が禁
止されるようにしてある。かかる制御の禁止によってイ
ナーシャフェイズへの移行直後に発生する大きなトルク
の飛び出しに基づいて過大な点火時期補正量が設定され
て、かかる過大な点火時期補正量が効力を発揮するとき
にトルクの大きなアンダーシュートが発生してしまうこ
とを回避でき、前記アンダーシュートの発生に伴いその
後大きなトルク変動の発生することを防止できる。従っ
て、変速中における目標トルクへの収束性を改善できる
ものである。
【0024】尚、前記所定時間t1は、変速前の出力軸
トルクや、機関負荷・機関回転速度などのパラメータに
よって可変設定させるようにしても良いし、また、一定
値であっても良い。ステップ10では、変速中における変
速機出力軸の目標トルクTRQREFを設定する。
【0025】具体的には変速前後のギア比と変速開始時
の機関回転速度Nとに基づいて車速VSPが一定に保た
れた場合の変速後の機関回転速度Nafを求める。そし
て、図6に示すように、機関回転速度Nとスロットル弁
開度TVOとトルクとの関係を予め設定してあるマップ
を参照し、スロットル弁開度TVOも変速中に一定に保
たれると仮定して、変速直前の機関回転速度Nに対応す
るトルクTRQstと変速後の目標トルクTRQend とを
それぞれ求める。
【0026】ここで、目標変速時間t2で前記変速前ト
ルクTRQstから変速後トルクTRQend まで一定割合
で変化するように、変速開始からの経過時間で変化する
変速中の目標トルクTRQREFを、変速開始時からの
経過時間Tに基づいてその都度更新設定する。但し、前
記変速開始時のトルクTRQstは、図6のようなマップ
から検索した値ではなく、トルクセンサ12による検出値
を用いても良い。更に、変速開始時にトルクセンサ12で
検出されたトルクと、変速開始時の運転状態から図6の
マップを参照して求めたトルクとを比較し、この比較結
果に基づいてマップから求めた変速後の目標トルクを補
正するようにしても良い。
【0027】尚、変速前後のギア比は前記スロットル弁
開度TVOと車速VSPとに従って設定される1速〜4
速の変速位置のパターンから求められる。従って、ギア
比検出手段は、該変速位置パターンを設定したマップ
と、該マップからの検索機能とで構成される。また、目
標トルクは、前述のように、変速開始時の機関回転速度
Nとスロットル弁開度TVOと車速VSPとに基づいて
設定されるから、本実施例における運転状態検出手段
は、スロットルセンサ8,クランク角センサ9,車速セ
ンサ11が相当する。
【0028】ステップ11では、トルクセンサ12により検
出された変速機の出力軸トルクTRQと、ステップ10で
設定された変速中に経過時間Tと共に変化する目標トル
クTRQREFとの偏差TRQERR (=TRQ−TR
QREF) を演算する。ここで、トルクセンサ12からの
出力をそのままA/D変換して用いるのではなく、ロー
パスフィルターによって高周波成分(例えば40Hz以
上)を除いた信号値を用いることが望ましい。これは、
点火時期の応答性が20Hz以下であり、高周波成分を含
むトルク検出信号に基づいて点火時期を制御させると、
応答遅れによってハンチングが発生してしまうためであ
る。
【0029】ステップ12では、本発明に係る変速時の点
火時期制御と並行して行われる燃料供給気筒数制御にお
いて燃料供給が停止される気筒数を示す値CUTCYL
を0リセットする。ステップ13では、燃料供給気筒数制
御を行うのに適当な機関の高出力領域であるか否かを、
出力混合比補正係数KMRの値によって判定する。前記
出力混合比補正係数KMRは、機関への燃料供給制御に
おいて、基本燃料噴射量Tpを補正するための係数であ
り、高出力が要求される機関の高負荷・高回転域では0
を越えるプラスの値に設定されて基本燃料噴射量Tpを
増量補正し、それ以外の運転域では0に設定されて基本
燃料噴射量Tpを補正しないものとする。
【0030】ステップ13でKMR=0であると判別され
た場合には、高出力領域以外の領域であり、この場合に
は燃料供給気筒数制御を行うことなくステップ17へジャ
ンプして点火時期制御を実行するが、KMR≠0である
高出力領域では、ステップ14へ進む。ステップ14では、
前記ステップ11で演算した偏差TQRERRと所定のト
ルク量TRQDWNとを比較する。
【0031】そして、TQRERR>TRQDWNのと
きは燃料供給を停止する気筒を増やせるだけトルクの偏
差が大きいと判断してステップ15へ進み、前記燃料供給
が停止される気筒数を示す値CUTCYLの値をカウン
トアップした上でステップ16へ進む。ステップ16では、
燃料供給停止気筒数CUTCYLを1増やした場合に減
少すると推定されるトルク量TD1CYLを、偏差TQ
RERRから減算した値で偏差TQRERRを更新した
後、ステップ14へ戻り再度同様の判定を行う。このよう
にしてTQRERR≦TRQDWNとなった段階でステ
ップ17へ進み、点火時期制御を実行する。
【0032】即ち、燃料供給停止では、細かなトルク制
御が行えないものの、大きくトルクを減少させることが
できるので、目標トルクに対するTRQREFに対する
実際のトルクTRQの偏差が大きいときには、燃料供給
停止によって大きなトルクダウンを図り、目標に対する
比較的小さなトルク偏差を点火時期制御によって制御さ
せるようにするものである。
【0033】ステップ17では、点火時期(点火進角値)
の遅角制御量RETATを前記偏差TQRERRに基づ
いて制御するときの制御定数(比例定数Kp ,積分定数
i ,微分定数KD )をスロットル弁開度TVO等で代
表される機関負荷に応じて可変設定する。そして、次の
ステップ18では、前記ステップ17で設定された制御定数
を用いて点火時期の遅角制御量RETATを次式に従っ
て演算する。
【0034】 RETAT=Kp ・TRQERR+Ki ∫TRQERR +KD ・d/dt (TRQERR) +RETIN つまり、フィードフォワード分としての基本制御量RE
TINを基に、比例分Kp ・TRQERR,積分分Ki
∫TRQERR,微分分KD ・d/dt (TRQER
R) を加算した補正量でフィードバック制御を行うので
あり、前記基本制御量が与えられることで、変速開始か
ら応答性のよい点火時期制御を行うことができ以て変速
ショックを可及的に低減できるようにしている(図7参
照)。
【0035】また、前記基本制御量RETINはステッ
プ8において変速経過時間の増大に従って漸増され、こ
れにより、フィードバック補正分の負担を軽減して、フ
ィートバック制御の安定性を向上させることができる。
更に、本実施例では、前述のようにステップ17におい
て、図8に示すように前記比例定数Kp ,積分定数
i ,微分定数KD (制御操作量)を、機関負荷に応じ
て変化させるようにしてある。即ち、機関負荷の状態が
異なると、同じ定数(操作量)で制御したときに所定の
トルクダウン量を得るのに要する時間が異なり、高負荷
時ほど高い応答性を示し、逆に、低負荷時には応答性が
悪化するので、機関負荷が変化しても一定の応答特性で
トルクをフィードバック制御できるように、前記遅角制
御量RETATの設定制御に用いる比例定数Kp ,積分
定数Ki ,微分定数KD などの制御操作量を、機関負荷
に応じて変化させるものである。
【0036】このように、機関負荷に応じて点火時期制
御の操作量を変化させれば、一定の応答特性で目標トル
クへ近づけることができ、目標トルクへの追従性が悪化
したり、逆に、制御のオーバーシュートによってハンチ
ングが発生することを防止できるようになり、機関負荷
が変化しても一定の応答特性で変速機出力軸トルクを目
標に制御することができ、以て、フィードバック制御を
行うことによる変速ショックの緩和効果を安定的に発揮
させることができるようになる。
【0037】尚、前記機関負荷は、スロットルセンサ8
で検出されるスロットル弁開度TVOで代表させること
ができるが、燃料制御用CPUにおいて燃料供給制御用
として演算される基本燃料噴射量Tpを用いても良い。
更に、ブースト圧(吸入負圧)を検出するセンサを備え
る場合には、ブースト圧を用いても良い。また、上記の
遅角制御量RETATの設定では、比例・積分・微分制
御(PID制御)を行ったが、比例制御,積分制御又は
比例・積分制御によって遅角制御量RETATを設定し
ても良いことは明らかである。
【0038】ステップ19では、該点火時期のフィードバ
ック制御が実行された初回か否かを判定する (例えば前
記制御開始フラグFが0から1に判定したか否かで判定
できる) 。そして、初回であると判定されたときはステ
ップ20へ進んで、ステップ18でフィードバック補正分と
フィードフォワード分(基本制御量RETIN)との加
算によって設定された遅角制御量RETATに基づき、
前記基本制御量RETINの初期値を記憶したマップの
同一条件におけるデータを書き換える。一方、ステップ
19で2回目以降と判定された場合は、ステップ20をジャ
ンプしてステップ21へ進む。
【0039】このように、基本制御量RETINの初期
値を初回のフィードバック制御結果に応じた値に学習修
正することにより、クラッチ摩擦係数等の経時変化に伴
い機関回転速度Nと目標トルクTRQREFとの相関が
ずれてきた場合でも、基本制御量RETINの修正によ
って良好なフィードバック制御性能を維持することがで
きる。
【0040】ステップ21では、CUTCYLに示された
数の気筒への燃料供給を停止する。但し、0であるとき
は燃料供給停止気筒はない。ステップ22では、ステップ
18で設定された遅角制御量RETATだけ、点火時期を
遅角制御する。尚、本実施例では、上記のように、燃料
供給の停止によっても変速中のトルク制御を行わせるよ
うにしたが、点火時期のフィードバック補正のみを行わ
せるものであっても良い。
【0041】更に、前記基本制御量RETINを用い
ず、フィードバック補正分のみによって点火時期を遅角
制御するものであっても良い。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、変速時に目標トル
クを得るための点火時期のフィードバック制御におい
て、イナーシャフェイズ開始初期の所定時間において前
記フィードバック制御を禁止するようにしたので、イナ
ーシャフェイズ開始直後のトルクの飛び出しの影響を受
けることなく、良好に変速機出力軸トルクを目標に制御
でき、変速ショックの低減効果が良好に発揮されるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を説明するブロック図。
【図2】本発明の一実施例の全体システム構成図。
【図3】同上実施例のトルク制御ルーチンのフローチャ
ート。
【図4】同上実施例のトルク制御ルーチンのフローチャ
ート。
【図5】同上実施例の点火時期の基本制御量及び目標変
速時間のマップを示す図。
【図6】同上実施例の目標トルクの設定を説明する図。
【図7】同上実施例の変速時の点火時期の遅角制御量の
特性を示すタイムチャート。
【図8】同上実施例のフィードバック制御の定数マップ
を示す図。
【図9】変速中のトルク変動と点火時期補正量(フィー
ドバック制御量)との関係を示すタイムチャート。
【図10】変速時における制御遅れの発生を説明するため
のタイムチャート。
【符号の説明】
1 機関 2 自動変速機 3 トルクコンバータ 6 コントロールユニット 8 スロットルセンサ 9 クランク角センサ 10 変速機出力軸 12 トルクセンサ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16H 59:70 (56)参考文献 特開 平5−44825(JP,A) 特開 平2−80853(JP,A) 特開 平5−99306(JP,A) 特開 昭60−248445(JP,A) 特開 平3−92666(JP,A) 特開 平4−241773(JP,A) 特開 平3−189369(JP,A) 特開 平3−275950(JP,A) 実開 平2−25765(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 F02D 29/00 F02P 5/15

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関トルクをトルクコンバータを介して変
    速機構に伝達するように構成された自動変速機の出力軸
    トルク制御装置であって、 機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、自動変
    速機の変速前後のギヤ比を検出するギヤ比検出手段と、
    少なくとも変速開始時に検出された機関運転状態と変速
    前後のギヤ比と目標変速時間とに基づいて変速中の変速
    機出力軸の目標トルクを設定する目標トルク設定手段
    と、変速機出力軸のトルクを検出するトルク検出手段
    と、該トルク検出手段で検出される変速機出力軸のトル
    クを前記目標トルクに近づけるように変速中の機関点火
    時期をフィードバック制御する点火時期フィードバック
    制御手段と、変速中のイナーシャフェイズを検出するイ
    ナーシャフェイズ検出手段と、該イナーシャフェイズ検
    出手段によるイナーシャフェイズ検出の初回から所定時
    間が経過するまでの間、前記点火時期フィードバック制
    御手段による点火時期のフィードバック制御を禁止する
    フィードバック制御禁止手段と、 を含んで構成されたことを特徴とする自動変速機の出力
    軸トルク制御装置。
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