JP2982926B2 - 自動変速機の引込み状態判定装置及び油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の引込み状態判定装置及び油圧制御装置

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JP2982926B2 JP17598291A JP17598291A JP2982926B2 JP 2982926 B2 JP2982926 B2 JP 2982926B2 JP 17598291 A JP17598291 A JP 17598291A JP 17598291 A JP17598291 A JP 17598291A JP 2982926 B2 JP2982926 B2 JP 2982926B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動変速機の変速動作
時における摩擦要素のダブルロック状態に起因して発生
する出力トルクの引込み状態を判定する装置及び自動変
速機の油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載される自動変速機は、トルク
コンバータを介してエンジンの出力トルクが入力される
変速機構の動力伝達経路を複数の摩擦要素の選択的締結
によって切り換えることにより、変速段を運転状態に応
じて自動的に切り換えるように構成したもので、この種
の自動変速機には、上記摩擦要素を締結するためのライ
ン圧を生成する油圧制御回路が備えられる。この油圧制
御回路には、具体的には、エンジンにより駆動されるオ
イルポンプの吐出圧を所定のライン圧に調整するレギュ
レータバルブが設けられると共に、このレギュレータバ
ルブの下流側に、マニュアルバルブやシフトバルブなど
の各種のバルブ類が設置されることになる。
【0003】ところで、この種の自動変速機において
は、所定の変速時に複数の摩擦要素の締結状態を同時に
切り換えるように設定されることがある。例えば、1〜
4速の自動変速が可能とされた自動変速機においては、
3速及び4速で締結される摩擦要素と、2速及び4速で
締結される摩擦要素とが備えられている場合、3−2シ
フトダウン変速時には、前者の摩擦要素が解放されると
共に、後者の摩擦要素が締結されることになる。
【0004】このように複数の摩擦要素の締結状態を同
時に切り換えることによって所定の変速動作を行う場
合、一方の摩擦要素の締結状態が切り換わるタイミング
と、他方の摩擦要素の締結状態が切り換わるタイミング
とが適切に調整されていることがスムーズな変速を行わ
せる上で必要であり、上記のような3−2シフトダウン
変速時に、3,4速用摩擦要素の解放動作に対して、
2,4速用摩擦要素の締結動作が相対的に遅すぎると、
変速機構が一時的にニュートラル状態になってエンジン
回転に空吹き現象が発生し、逆にこの締結動作が早すぎ
ると、変速機構が一時的にダブルロック状態となって、
出力トルクが大幅に低下する所謂引込み状態が発生し、
これに起因して変速ショックが発生することになる。
【0005】このような問題に対しては、例えば特公昭
61−48021号公報に開示されているように、変速
時にライン圧を低下させることが行われる。この公報に
開示された従来技術においては、自動変速機を制御する
コンピュータなどに、エンジン負荷と変速前後の変速段
との組み合わせに応じた目標ライン圧を予めマップとし
て記憶させておき、変速時に現実のエンジン負荷と変速
の種類に対応する目標ライン圧を上記マップから読み出
して、その目標ライン圧が得られるようにライン圧を制
御するようになっている。これによれば、摩擦要素に供
給されるライン圧が変速中に低下されることになるの
で、変速ショックの低減が期待される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の従来技術においても次のような問題を発生する
可能性がある。すなわち、エンジンの出力特性には自動
変速機の摩擦要素の入力トルクに対してばらつきがあ
る。その場合に、エンジン負荷が摩擦要素の入力トルク
に対して相対的に高めに検出されると、それに伴って変
速時のライン圧も相対的に高く設定されることになっ
て、複数の摩擦要素が関与する変速時に変速機構にダブ
ルロック状態が発生し、これに起因して出力トルクに過
大な引込み状態が発生して大きな変速ショックを引き起
こす場合があるのである。
【0007】この発明は、複数の摩擦締結要素が関与す
る変速時における自動変速機の上記の実情に対処するも
ので、変速機構とエンジンとの間に介設されたトルクコ
ンバータの入力回転数と出力回転数との関係が変速時に
過渡的に変化することに着目して、変速時における引込
み状態を精度良く判定しうるようにすることを第1の目
的とし、また引込み状態を判定したときに、適切なライ
ン圧が得られるようにすることを第2の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1の発明(以下、第1発明という)に係る自動変速機の
引込み状態判定装置は、図1に示すように、エンジン
出力がトルクコンバータ 1 を介して入力される変速
機構 2 と、この変速機構 2 に設けられた複数の摩擦要
素を選択的に締結させることにより該変速機構 2 の動
力伝達経路を切り換える動力伝達経路切換手段 3 とを
備えた自動変速機において、上記変速機構 2 ギヤ比
が変化したときに変速動作の開始を判定する変速開始判
定手段と、変速開始時点とその後の変速中とにおける
トルクコンバータ 1 の速度比もしくはトルク比を比較
することにより引込み状態を判定する引込み状態判定手
とを設けたことを特徴とする。
【0009】一方、本願の請求項2の発明(以下、第2
発明という)に係る自動変速機の油圧制御装置は、図2
に示すように、エンジンの出力がトルクコンバータ
1 を介して入力される変速機構 2 と、この変速機構 2
に設けられた複数の摩擦要素を選択的に締結させること
により該変速機構 2 の動力伝達経路を切り換える油圧
制御回路に設けられて上記摩擦要素に供給されるライン
圧を調整するライン圧調整手段 4 と、エンジンの運
転状態量に基づいて目標ライン圧を設定する目標ライン
圧設定手段と、設定された目標ライン圧が生成される
ように上記ライン圧調整手段 4 を作動させるライン圧
制御手段とを備えた自動変速機において、トルクコン
バータ 1 の入出回転数に基づいてトルク比を演算する
トルク比演算手段と、上記変速機構 2 ギヤ比が変
化したときに変速動作の開始を判定する変速開始判定手
と、シフトダウン変速時に上記トルク比演算手段
で求められるトルク比が変速開始時点におけるトルク比
よりも大きいときに、ライン圧が低下するように目標ラ
イン圧を補正する目標ライン圧補正手段とを設けたこ
とを特徴とする。
【0010】また、本願の請求項3の発明(以下、第3
発明という)に係る自動変速機の油圧制御装置は、同じ
く図2に示すように、エンジンの出力がトルクコンバ
ータ 1 を介して入力される変速機構 2 と、この変速機
2 に設けられた複数の摩擦要素を選択的に締結させ
ることにより該変速機構 2 の動力伝達経路を切り換え
る油圧制御回路に設けられて上記摩擦要素に供給される
ライン圧を調整するライン圧調整手段 4 と、エンジン
の運転状態量に基づいて目標ライン圧を設定する目標
ライン圧設定手段と、設定された目標ライン圧が生成
されるように上記ライン圧調整手段 4 を作動させるラ
イン圧制御手段とを備えた自動変速機において、トル
クコンバータ 1 の入出回転数に基づいて速度比を演算
する速度比演算手段と、上記変速機構 2 ギヤ比が
変化したときに変速動作の開始を判定する変速開始判定
手段と、シフトダウン変速時に上記速度比演算手段
で求められる速度比が変速開始時点における速度比より
も小さいときに、ライン圧が低下するように目標ライン
圧を補正する目標ライン圧補正手段とを設けたことを
特徴とする。
【0011】また、本願の請求項4の発明(以下、第4
発明という)に係る自動変速機の油圧制御装置は、上記
第2、第3発明における目標ライン圧補正手段Iを、エ
ンジンの出力トルクから慣性トルクを差し引いた値を用
いて目標ライン圧を補正するように構成したことを特徴
とする。
【0012】
【作用】まず、第1発明によれば、変速機構に過度の引
込み状態が発生するときには、例えば変速中のトルク比
が変速開始時点のトルク比に対して大きく変化すること
になるので、引込み状態がリアルタイムで精度良く判定
されることになって、当該変速動作中に変速タイミング
をずらせたり、変速動作中のライン圧を低下させること
により、変速ショックの発生を適切に防止することが可
能となる。
【0013】また、第2発明によれば、シフトダウン変
速中のトルク比が変速開始時点のトルク比よりも大きく
なったときに変速動作中のライン圧が低下されるこ
とになるので、ライン圧過多による過度の引込みが防止
されることになって、変速ショックが大幅に緩和される
ことになる。
【0014】また、第3発明によれば、シフトダウン変
速中の速度比が変速開始時点の速度比よりも小さくなっ
たときに、変速動作中のライン圧が低下されることにな
るので、この場合においてもライン圧過多による過度の
引込みが防止されることになって、変速ショックが大幅
に緩和されることになる。
【0015】そして、第4発明によれば、エンジンの出
力トルクから慣性トルクを差し引いた値を用いて目標ラ
イン圧を補正するようにしているので、変速機構に実際
に入力される入力トルクに応じたライン圧が得られるこ
とになり、これによってシフトダウン変速時の変速ショ
ックが確実に防止されることになる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0017】図3に示すように、この実施例に係るエン
ジン10には、吸気通路11に、上流側から吸入空気量
を検出するエアフローセンサ12と、、吸入空気量ない
しエンジン出力を調整するスロットルバルブ13とが配
設されていると共に、各気筒ごとに燃料噴射弁14…1
4と、点火プラグ15…15とが配設されている。
【0018】また、このエンジン10と共にパワーユニ
ットを構成する自動変速機20は、エンジン10の出力
軸16に連結されたトルクコンバータ21と、その出力
トルク(タービントルク)が入力される変速機構22
と、複数の摩擦要素(図示せず)に選択的にライン圧を
供給することにより上記変速機構22の変速比(変速
段)を切り換える油圧制御回路23とで構成されてい
る。
【0019】さらに、上記エンジン10及び自動変速機
20に対する各種の制御のためのコントロールユニット
30が備えられ、該コントロールユニット30に、上記
エンジン10からは、吸気通路11におけるエアフロー
センサ12からの信号と、スロットルバルブ13の開度
を検出するスロットル開度センサ31からの信号と、エ
ンジン出力軸17の回転数を検出するエンジン回転数セ
ンサ32からの信号と、冷却水の温度を検出する水温セ
ンサ33からの信号とが入力され、また、自動変速機2
0からは、トルクコンバータ21の出力回転数(タービ
ン回転数)を検出するタービン回転数センサ34からの
信号と、変速機構22の出力回転数を検出する出力回転
数センサ35からの信号と、作動油の温度を検出する油
温センサ36からの信号とが入力されるようになってい
る。
【0020】そして、コントロールユニット30は、上
記各入力信号に基づいて、エンジン10における燃料噴
射弁14…14による燃料噴射制御と、点火プラグ15
…15に対する点火制御を行い、また、自動変速機20
に対しては、上記油圧制御回路23に備えられたソレノ
イドバルブ24…24による変速制御と、同じく油圧制
御回路23に備えられたデューティソレノイドバルブ2
5によるライン圧制御とを行うようになっている。
【0021】ここで、上記油圧制御回路23のうちの本
案の特徴部を構成するライン圧制御に関連する部分の構
成を説明する。
【0022】図4に示すように、油圧制御回路23に
は、ライン圧制御用として、オイルポンプ41から吐出
される作動油の圧力を所定のライン圧に調整するレギュ
レータバルブ42と、該レギュレータバルブ42に制御
圧を供給するスロットルモデュレータバルブ43とが備
えられている。このスロットルモデュレータバルブ43
には、上記オイルポンプ41から作動油が吐出されるメ
インライン44から該作動油を一定圧に減圧するレデュ
ーシングバルブ45を介して導かれた一定圧ライン46
が接続され、また、該スロットルモデュレータバルブ4
3から上記レギュレータバルブ42の一端に設けられた
増圧ポート42aに増圧ライン47が導かれていると共
に、上記一定圧ライン46から分岐されたパイロットラ
イン48がスロットルモデュレータバルブ43の一端の
制御ポート43aに接続されている。
【0023】そして、このパイロットライン48に、図
3に示したにライン圧制御用のデューティソレノイドバ
ルブ25が設置され、該デューティソレノイドバルブ2
5のデューティ率(1ON,OFFサイクル中のON時
間比率)に応じたパイロット圧が上記スロットルモデュ
レータバルブ43の制御ポート43aに導入されること
により、上記ライン46から供給された一定圧が該パイ
ロット圧ないし上記デューティ率に応じた圧力に調整さ
れ、この油圧がライン47によりレギュレータバルブ4
2の増圧ポート42aに供給されるようになっている。
したがって、このレギュレータバルブ42によって圧力
が調整されるライン圧は上記デューティ率に応じた圧力
となる。
【0024】次に、上記コントロールユニット30によ
るライン圧制御の具体的動作を図5に示すフローチャー
トにしたがって説明する。
【0025】すなわち、コントロールユニット30は、
フローチャートのステップS1で各種信号を読み込んだ
上で、ステップS2,S3で、エンジン10の出力トル
クTE及びトルクコンバータ21の出力トルク(タービ
ントルク)TTを順次算出する。
【0026】その場合に、通常状態におけるエンジント
ルクTEは、図6に示すように点火時期IGについての2
次関数として近似することができ、これを式で示せば次
の式1のようになる。
【0027】
【式1】 ここで、A,B,Cはエンジン10の運転状態に応じて
変化する係数であって、図7(a),(b),(c)に
示すように、それぞれエンジン回転数NEと空気充填効
率CEとをパラメータとするマップとして予め設定され
ている。そこで、上記ステップS2においては、まず、
エンジン回転数NEと吸入空気量Qとから現時点の空気
充填効率CE1を求めると共に、この空気充填効率CE1
現時点のエンジン回転数NE1とを用いて上記各マップか
ら現時点のエンジン10の運転状態に対応した係数
1,B1,C1を求める。そして、これらの係数A1,B
1,C1と現時点の点火時期IGとを上記式1に代入する
ことによりエンジントルクTEを算出する。これによ
り、実際のエンジントルクが精度よく推定されることに
なる。
【0028】また、ステップS3では、トルクコンバー
タ21の現時点での速度比eに基づいて、図8のトルク
増大特性を示すマップからトルク比t(=TT/TE)を
求め、このトルク比tを上記ステップS2で求めたエン
ジントルクTEに乗算することによりタービントルクTT
を求める。このようにして、ライン圧の設定の基礎とな
るタービントルクTTが正しく算出されることになる。
【0029】次に、コントロールユニット30は、ステ
ップS4で自動変速機20の変速段を切り換えるための
変速信号を出力したか否かを判定し、運転状態が変速段
を切り換えるべき時期でなく、変速信号がOFFのとき
は、ステップS5〜S10をスキップしてステップS1
1に移り、図9に示すようにタービントルクTTをパラ
メータとして設定したマップから、その時のタービント
ルクTTに応じた目標ライン圧Pを読み出すと共に、ス
テップS12で、この目標ライン圧Pに対応するデュー
ティソレノイドバルブ25のデューティ率Dを演算す
る。その場合に、同一デューティ率Dに対して得られる
ライン圧は作動油の油温によって異なるので、図10に
示すように、油温をパラメータとして予め設定されたマ
ップから、そのときの油温に応じて目標ライン圧Pに対
応するデューティ率Dを求める。
【0030】そして、コントロールユニット30は、ス
テップS13で、上記のようにして設定されたデューテ
ィ率Dのデューティ信号を上記デューティソレノイドバ
ルブ25に出力する。これにより、図4に示す油圧制御
回路23のレギュレータバルブ42により、そのときの
摩擦要素の入力トルクに対して精度よく対応したライン
圧が生成されることになる。
【0031】一方、運転状態が自動変速機20の変速段
を切り換えるべき状態であって、変速信号がONとなっ
たときは、コントロールユニット30は、上記ステップ
S4からステップS5に進み、変速信号がシフトダウン
信号であるかを否かを判定して、シフトダウン信号のO
N時にはステップS6に進んで変速開始時のギヤ比GS
を演算すると共に、ステップS7で変速機構22が実際
に変速動作を開始したか否かを判定する。つまり、コン
トロールユニット30は上記タービン回転数センサ34
からの信号が示す変速機構22の入力回転数と出力回転
数センサ35からの信号が示す変速機構22の出力回転
数とから変速機構22の実際のギヤ比Gをリアルタイム
で演算し、このギヤ比Gが上記ステップS6で求めた変
速開始時のギヤ比GSから変化したときに変速動作の開
始を判定するのである。
【0032】そして、コントロールユニット30は変速
開始を判定したときには、ステップS8に進んで変速開
始時点におけるトルク比を引込み判定値τSとして設定
すると共に、ステップS9で変速動作中のトルク比τが
上記ステップS8で算出した引込み判定値τSより大き
いか否かを判定し、YESと判定したときにステップS
10に進んで所定のタービントルクTTの補正演算を行
う。
【0033】つまり、トルクコンバータ21に入力され
る正味のエンジントルクは、エンジン回転の上昇によっ
て消費されるエンジン10の慣性トルクを差し引いた値
となり、したがって変速機構22に入力される現実のタ
ービントルクTTは、次の式2に従って算出されること
になる。
【0034】
【式2】 なお、上記式2において、IEはエンジン系の等価慣性
モーメントを示し、ωNEはエンジン出力軸16の角速度
を示している。したがって、式2で求められるタービン
トルクTTは、エンジン回転の上昇に消費される慣性ト
ルクを補正した値となる。これにより、上記ステップS
11で設定される目標ライン圧Pも低めに補正された値
となると共に、油圧制御回路23のレギュレータバルブ
42によって生成されるライン圧も、慣性トルクを反映
した値に低下することになる。
【0035】次に、キックダウン変速時を例に本実施例
の作用を説明する。
【0036】すなわち、図11(a),(c)に示すよ
うに、急激なアクセル操作によってエンジン回転数NE
の上昇が開始した時点t1からトルク比τが上昇するこ
とになるが、同図(b)に示すようにギヤ比Gが実際に
変化し始めた時点t2におけるトルク比が引込み判定値
τSとして設定されることになる。その場合に、変速動
作中のトルク比τが上記判定値τSよりも大きくなった
ときには、変速機構22から出力される出力軸トルクT
Oが、同図(d)に示すように、引込みが生じないとき
の鎖線の状態から実線の状態にまで落ち込んでいると推
定されることになる。したがって、この間のライン圧を
低下させることにより過度の変速ショックが防止される
ことになる。
【0037】特に、この実施例においては、目標ライン
圧Pの算出基礎とするタービントルクTTを、図11
(e)に示すように、エンジントルクTEから破線で示
す過渡的な慣性トルクを差し引くことにより算出するよ
うになっているので、図11(f)に示すように、変速
機構22に実際に入力される入力トルクに応じたライン
圧が得られることになって、シフトダウン変速時の変速
ショックが確実に防止されることになる。
【0038】なお、変速中の速度比が変速開始時点の速
度比よりも小さくなったときに、引込み状態を判定する
ようにしても良い
【0039】
【発明の効果】以上のように本願の第1発明によれば、
変速機構に過度の引込み状態が発生するときには、例え
ば変速中のトルク比が変速開始時点のトルク比に対して
大きく変化することになるので、引込み状態がリアルタ
イムで精度良く判定されることになって、当該変速動作
中に変速タイミングをずらせたり、変速動作中のライン
圧を低下させることにより、変速ショックの発生を適切
に防止することが可能となる。
【0040】また、第2発明によれば、シフトダウン変
速中のトルク比が変速開始時点のトルク比よりも大きく
なったときに変速動作中のライン圧が低下されるこ
とになるので、ライン圧過多による過度の引込みが防止
されることになって、変速ショックが大幅に緩和される
ことになる。
【0041】また、第3発明によれば、シフトダウン変
速中の速度比が変速開始時点の速度比よりも小さくなっ
たときに、変速動作中のライン圧が低下されることにな
るので、この場合においてもライン圧過多による過度の
引込みが防止されることになって、変速ショックが大幅
に緩和されることになる。
【0042】そして、第4発明によれば、エンジンの出
力トルクから慣性トルクを差し引いた値を用いて目標ラ
イン圧を補正するようにしているので、変速機構に実際
に入力される入力トルクに応じたライン圧が得られるこ
とになり、これによってシフトダウン変速時の変速ショ
ックが確実に防止されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1発明の全体構成を示す機能ブロック図で
ある。
【図2】 第2、第3発明の全体構成を示す機能ブロッ
ク図である。
【図3】 実施例の制御システムを示すシステム構成図
である。
【図4】 油圧制御回路の要部を示す回路図である。
【図5】 ライン圧制御の動作を示すフローチャート図
である。
【図6】 エンジントルクの点火時期に対する特性図で
ある。
【図7】 エンジントルクの近似式における各係数を求
めるマップである。
【図8】 トルクコンバータのトルク増大特性のマップ
である。
【図9】 目標ライン圧を求めるマップである。
【図10】 デューティ率を求めるマップである。
【図11】 実施例の作用を示すタイムチャート図であ
る。
【符号の説明】
10 エンジン 20 自動変速機 21 トルクコンバータ 22 変速機構 23 油圧制御回路 30 コントロールユニット

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン出力がトルクコンバータを介し
    て入力される変速機構と、この変速機構に設けられた複
    数の摩擦要素を選択的に締結させることにより該変速機
    構の動力伝達経路を切り換える動力伝達経路切換手段と
    が備えられた自動変速機における出力トルクの引込みを
    判定する引込み状態判定装置であって、上記変速機構の
    ギヤ比が変化したときに変速動作の開始を判定する変速
    開始判定手段と、変速開始時点とその後の変速中とにお
    けるトルクコンバータの速度比もしくはトルク比を比較
    することにより上記出力トルクの引込み状態を判定する
    引込み状態判定手段とが設けられていることを特徴とす
    る自動変速機の引込み状態判定装置。
  2. 【請求項2】 エンジン出力がトルクコンバータを介し
    て入力される変速機構と、この変速機構に設けられた複
    数の摩擦要素を選択的に締結させることにより該変速機
    構の動力伝達経路を切り換える油圧制御回路に設けられ
    て上記摩擦要素に供給されるライン圧を調整するライン
    圧調整手段と、エンジンの運転状態量に基づいて目標ラ
    イン圧を設定する目標ライン圧設定手段と、設定された
    目標ライン圧が生成されるように上記ライン圧調整手段
    を作動させるライン圧制御手段とが備えられた自動変速
    機の油圧制御装置であって、トルクコンバータの入出回
    転数に基づいてトルク比を演算するトルク比演算手段
    と、上記変速機構のギヤ比が変化したときに変速動作の
    開始を判定する変速開始判定手段と、シフトダウン変速
    時に上記トルク比演算手段で求められるトルク比が変速
    開始時点におけるトルク比よりも大きいときに、ライン
    圧が低下するように目標ライン圧を補正する目標ライン
    圧補正手段とが設けられていることを特徴とする自動変
    速機の油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 エンジン出力がトルクコンバータを介し
    て入力される変速機構と、この変速機構に設けられた複
    数の摩擦要素を選択的に締結させることにより該変速機
    構の動力伝達経路を切り換える油圧制御回路に設けられ
    て上記摩擦要素に供給されるライン圧を調整するライン
    圧調整手段と、エンジンの運転状態量に基づいて目標ラ
    イン圧を設定する目標ライン圧設定手段と、設定された
    目標ライン圧が生成されるように上記ライン圧調整手段
    を作動させるライン圧制御手段とが備えられた自動変速
    機の油圧制御装置であって、トルクコンバータの入出回
    転数に基づいて速度比を演算する速度比演算手段と、上
    記変速機構のギヤ比が変化したときに変速動作の開始を
    判定する変速開始判定手段と、シフトダウン変速時に上
    記速度比演算手段で求められる速度比が変速開始時点に
    おける速度比よりも小さいときに、ライン圧が低下する
    ように目標ライン圧を補正する目標ライン圧補正手段と
    が設けられていることを特徴とする自動変速機の油圧制
    御装置。
  4. 【請求項4】 目標ライン圧が、エンジンの出力トルク
    から慣性トルクを差し引いた値を用いて補正されるよう
    に構成されている請求項2または請求項3のいずれかに
    記載の自動変速機の油圧制御装置。
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