JPH07269687A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JPH07269687A
JPH07269687A JP6422594A JP6422594A JPH07269687A JP H07269687 A JPH07269687 A JP H07269687A JP 6422594 A JP6422594 A JP 6422594A JP 6422594 A JP6422594 A JP 6422594A JP H07269687 A JPH07269687 A JP H07269687A
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automatic transmission
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torque
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 学習制御される制御量にガードがかけられる
場合に、誤学習が起こるのを防止することができる自動
変速機の制御装置を提供する。 【構成】 自動変速機4においては、ECU70によっ
てライン圧の学習制御が行われ、変速ショックの発生が
防止される。他方、ライン圧には作動油の静容量限界に
よるガードと、潤滑流量によるガードとがかけられる。
そして、ライン圧に実際にガードがかけられたときに
は、ライン圧の学習制御が禁止され、誤学習が起こらな
い。かくして、変速ショックが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の制御装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用の自動変速機にはトル
クコンバータと機械式の変速機構とが設けられ、トルク
コンバータはエンジンの出力トルクを減速してタービン
シャフトに出力し、変速機構はタービンシャフトのトル
クをさらに減速又は増速してアウトプットシャフトに出
力するようになっている。ここで、変速機構は、通常、
サンギヤ、リングギヤ、ピニオンギヤ等の複数のギヤか
らなる遊星歯車機構とされ、その内部での動力伝達経路
を切り替えることによって変速段あるいはレンジの切り
替え(以下、これを変速という)が行われるようになって
いる。
【0003】そして、自動変速機には、変速機構の動力
伝達経路を切り替えるために、所定のギヤへのトルクの
伝達をオン(伝達)・オフ(遮断)するクラッチ、所定のギ
ヤのブレーキングをオン(固定)・オフ(解放)するブレー
キ等の各種油圧式摩擦要素が設けられる。さらに、自動
変速機には、これらの各摩擦要素に対して作動油圧を給
排する油圧機構が設けられ、この油圧機構によって各摩
擦要素のオン・オフパターンが切り替えられ、変速が行
われるようになっている。
【0004】かかる自動変速機において、各摩擦要素の
締結力すなわち摩擦係合面に垂直な方向の力は、油圧機
構の作動油圧ないしはライン圧(元圧)にほぼ比例する。
そして、変速時においては、各摩擦要素の締結力すなわ
ち油圧機構のライン圧は、該摩擦要素にかかる回転力に
応じた適切なものでなければならず、ライン圧が必要以
上に高いと動力損失の増加を招くとともに、強い変速シ
ョックが発生するなどといった問題が生じる。逆に、ラ
イン圧が低すぎると変速に要する時間が長くなり走行性
能の低下を招くなどといった問題が生じる。また、通常
時(変速時以外)においてもライン圧は伝達トルクに応じ
た適切なものでなければならないのはもちろんであり、
ライン圧が高すぎると動力損失が増加し、ライン圧が低
すぎるとすべりが生じて摩擦係合部に異常摩耗あるいは
異常発熱が発生するなどといった問題が生じる。
【0005】したがって、自動変速機においては、ライ
ン圧を、変速機構への入力トルクあるいはエンジントル
クに応じて制御するのが好ましい。しかしながら、ター
ビンシャフトのトルクを直接検出するのはなかなかむず
かしい。そこで、従来の自動変速機では、通常、変速状
態を反映する何らかの物理量、例えば変速に要する時間
(変速時間)等に基づいてライン圧を制御するようにして
いる。
【0006】すなわち、変速機構への入力トルクに対し
てライン圧が低すぎると変速時間が通常値よりも長くな
り、ライン圧が高すぎると変速時間が短くなる。したが
って、変速時間に基づいてライン圧が適切であるか否か
を判定できることになる。そこで、従来の自動変速機で
は、例えば変速時間の目標値と実際値との差に基づいて
目標ライン圧設定するといったライン圧の学習制御(学
習補正)を行うようにしたものが多い。
【0007】ところで、自動変速機の変速時において
は、所定の単数又は複数の摩擦要素がオン・オフされる
ことになるが、これらの摩擦要素のオン・オフタイミン
グが適切でないとエンジン回転数が異常上昇するといっ
た現象いわゆる吹上がりが生じたり、エンジン回転数が
落ち込むといった現象いわゆる引き込みが生じたりし
て、変速ショックが発生する。
【0008】この場合、摩擦要素の締結タイミングと変
速ショックとの間には密接な関係があり、また摩擦要素
の締結タイミングは作動油絞り量等の作動油給排特性を
変化させることによって変えることができる。このた
め、従来の自動変速機では、作動油の給排特性、例えば
作動油の絞り量を調節することによって、摩擦要素の締
結タイミングを適正値に保持して変速ショックの発生を
防止するなどといった手法が用いられることが多い。そ
して、この場合も締結タイミングの目標値と実際値との
差に基づいて目標絞り量を設定するといった絞り量の学
習制御を行うようにしたものが多い。
【0009】また、変速時には、点火時期を遅角させる
などしてトルクダウンを行い、変速機構への入力トルク
を低下させて変速ショックの発生を防止するようにした
自動変速機が広く用いられている。そして、かかる自動
変速機でもまた、変速時間等の目標値と実際値との差に
基づいて目標トルクダウン量を設定するといったトルク
ダウン量の学習制御を行うようにしたものが多い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
トルクダウン量の学習制御を行うようにした自動変速機
においては、エンジン側の事情等によってトルクダウン
が禁止される場合がある。例えば、冷機時等において
は、混合気の着火性・燃焼性を高めるためにトルクダウ
ンが禁止されることがある。そして、このようにトルク
ダウンが禁止されているときにトルクダウン量の学習制
御を行うと、トルクダウンが行われていることを前提に
して目標トルクダウン量が設定されるので、誤学習が起
こり変速制御の精度が悪くなる。
【0011】これを改善するため、特開平2−5775
9号公報には、変速時には点火時期を遅角させることに
よりトルクダウン量の学習制御を行う一方、トルクダウ
ンが禁止されたときには学習制御を禁止するようにした
自動変速機が開示されている。そして、この従来の自動
変速機では、トルクダウンが作動したか否かだけで学習
制御を禁止するか否かを判定するようにしている。かく
して、この場合、トルクダウンが実行された場合でも、
失火の発生あるいは未燃焼ガスの発生によってトルクダ
ウン量にガードがかけられる場合は、トルクダウン実行
指令は出力されているので学習制御が行われることにな
る。そして、この場合、上記ガードにより通常通りのト
ルクダウン量にはなっていないのにもかかわらず、トル
クダウンが完全に行われているものとして学習制御が実
行され、誤学習が起こり変速制御の精度が悪くなるとい
った問題がある。
【0012】また、自動変速機においては、ドリフトオ
ンボールガード等により目標ライン圧にもガードがかけ
られることがあるが(例えば、特開平4−165158
号公報参照)、ライン圧の学習制御を行うようにしてい
る場合は、このようにライン圧にガードがかけられたと
きにも誤学習が起こり変速制御の精度が悪くなるといっ
た問題がある。
【0013】本発明は上記従来の問題点を解決するため
になされたものであって、学習制御をできるだけ広く行
うことができるとともに、学習制御される制御量にガー
ドがかけられたようなときでも誤学習が起こるのを有効
に防止することができる自動変速機の制御装置を提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、図1にその構成を示すように、第1の発明は、変速
機構Aと、作動圧が給排されて変速機構Aの変速特性を
切り替える摩擦要素Bと、変速状態を反映する物理量の
目標値と実際値との比較に基づいて摩擦要素Bの作動に
関連する制御量を学習制御する学習制御手段Cとが設け
られている自動変速機の制御装置において、摩擦要素B
の作動に関連する制御量の目標値を設定する制御量目標
値設定手段Dと、該制御量目標値設定手段Dによる制御
量目標値の設定を制限することができる目標値設定制限
手段Eと、該目標値設定制限手段Eによって制御量目標
値の設定が制限される変速においては、学習制御手段C
による学習制御を規制する学習制御規制手段Fとが設け
られていることを特徴とする自動変速機の制御装置を提
供する。
【0015】第2の発明は、第1の発明にかかる自動変
速機の制御装置において、摩擦要素Bの作動に関連する
制御量が、摩擦要素Bに給排される作動圧であることを
特徴とする自動変速機の制御装置を提供する。
【0016】第3の発明は、第1の発明にかかる自動変
速機の制御装置において、摩擦要素Bの作動に関連する
制御量が、変速時用のトルクダウン量であることを特徴
とする自動変速時の制御装置を提供する。
【0017】第4の発明は、第1の発明にかかる自動変
速機の制御装置において、摩擦要素Bの作動に関連する
制御量が、ライン圧であることを特徴とする自動変速機
の制御装置を提供する。
【0018】第5の発明は、第1の発明にかかる自動変
速機の制御装置において、摩擦要素Bの作動に関連する
制御量が、クラッチ圧であることを特徴とする自動変速
機の制御装置を提供する。
【0019】第6の発明は、第1の発明にかかる自動変
速機の制御装置において、摩擦要素Bの作動に関連する
制御量が、摩擦要素Bに対する作動圧の給排タイミング
を制御するタイミングバルブの作動時間であることを特
徴とする自動変速機の制御装置を提供する。
【0020】第7の発明は、第1〜第6の発明のいずれ
か1つにかかる自動変速機の制御装置において、変速状
態を反映させる物理量が、変速時間であることを特徴と
する自動変速機の制御装置を提供する。
【0021】第8の発明は、第1〜第6の発明のいずれ
か1つにかかる自動変速機の制御装置において、変速状
態を反映させる物理量が、変速機構Aの入力回転変化で
あることを特徴とする自動変速機の制御装置を提供す
る。
【0022】第9の発明は、第1〜第8の発明のいずれ
か1つにかかる自動変速機の制御装置において、目標値
設定制限手段Eによる制御量目標値の設定制限が、制御
量目標値に対するガードであることを特徴とする自動変
速機の制御装置を提供する。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図2に示すように、自動車1は、左右の前輪2a,2bが
駆動輪とされているとともに、エンジン3の出力トルク
が自動変速機4から差動装置5及び左右の駆動軸6a,6
bを介して前輪2a,2bに伝達されるようになっている。
エンジン3には、各気筒ごとに点火プラグ7…7が設け
られている。
【0024】自動変速機4は、図3にも示すように、エ
ンジン3の出力軸8に連結されたトルクコンバータ20
と、その出力トルク(タービントルク)が入力される変速
機構30と、該変速機構30の動力伝達経路を切り換え
るクラッチ、ブレーキ等の複数の摩擦要素41〜46及
びワンウェイクラッチ51,52と、摩擦要素41〜4
6に選択的にライン圧を供給することにより変速機構3
0の変速比(変速段)を切り換える油圧制御ユニット60
とを有し、これらにより走行レンジとしてのD,S,L,
Rの各レンジと、Dレンジでの1〜4速、Sレンジでの
1〜3速、Lレンジでの1〜2速が得られるようになっ
ている。
【0025】トルクコンバータ20は、エンジン出力軸
8に連結されたケース21内に固設されたポンプ22
と、該ポンプ22に対向状に配置されて該ポンプ22に
より作動油を介して駆動されるタービン23と、該ポン
プ22とタービン23との間に介設され且つ変速機ケー
ス9にワンウェイクラッチ24を介して支持されてトル
ク増大作用を行うステータ25と、上記ケース21とタ
ービン23との間に設けられ、該ケース21を介してエ
ンジン出力軸8とタービン23とを直結するロックアッ
プクラッチ26とで構成されている。そして、上記ター
ビン23の回転がタービンシャフト27を介して変速機
構30側に出力されるようになっている。ここで、上記
エンジン出力軸8にはタービンシャフト27内を貫通す
るポンプシャフト10が連結され、該シャフト10によ
り変速機後端部に備えられたオイルポンプ11が駆動さ
れるようになっている。
【0026】変速機構30はラビニョ型プラネタリギヤ
装置で構成され、上記タービンシャフト27上に遊嵌合
された小径のスモールサンギヤ31と、該サンギヤ31
の後方において同じくタービンシャフト27上に遊嵌合
された大径のラージサンギヤ32と、上記スモールサン
ギヤ31に噛合された複数個のショートピニオンギヤ3
3と、前半部が該ショートピニオンギヤ33に噛合さ
れ、後半部が上記ラージサンギヤ32に噛合されたロン
グピニオンギヤ34と、該ロングピニオンギヤ34及び
上記ショートピニオンギヤ33を回転自在に支持するキ
ャリヤ35と、ロングピニオンギヤ34に噛合されたリ
ングギヤ36とで構成されている。
【0027】そして、上記タービンシャフト27とスモ
ールサンギヤ31との間に、フォワードクラッチ41と
第1ワンウェイクラッチ51とが直列に介設され、また
これらのクラッチ41,51に並列にコーストクラッチ
42が介設されているとともに、タービンシャフト27
とキャリヤ35との間には3−4クラッチ43が介設さ
れ、さらに該タービンシャフト27とラージサンギヤ3
2との間にリバースクラッチ44が介設されている。ま
た、上記ラージサンギヤ32とリバースクラッチ44と
の間にはラージサンギヤ32を固定するバンドブレーキ
でなる2−4ブレーキ45が設けられているとともに、
上記キャリヤ35と変速機ケース9との間には、該キャ
リヤ35の反力を受け止める第2ワンウェイクラッチ5
2と、キャリヤ35を固定するローリバースブレーキ4
6とが並列に設けられている。そして、上記リングギヤ
36が出力ギヤ12に連結され、該出力ギヤ12から差
動装置5を介して左右の前輪2a,2bに回転が伝達され
るようになっている。
【0028】ここで、上記各クラッチ、ブレーキ等の摩
擦要素41〜46及びワンウェイクラッチ51,52の
作動状態と変速段との関係をまとめると、表1に示すよ
うになる。
【表1】
【0029】さらに、エンジン3及び自動変速機4を統
合制御するコントロールユニット(以下、ECUとい
う)70が備えられ、このECU70は、自動車1の車
速を検出する車速センサ71からの信号、エンジン3の
スロットルバルブの開度を検出するスロットルセンサ7
2からの信号、エンジン3の吸気流量を検出するエアフ
ローセンサ73からの信号、エンジン回転数を検出する
エンジン回転センサ74からの信号、エンジン3の冷却
水温度を検出する水温センサ75からの信号、トルクコ
ンバータ20の出力回転数(タービン回転数)を検出する
タービン回転センサ76からの信号、変速機構30の出
力回転数を検出する出力回転センサ77からの信号、セ
レクトレバー13によるシフト位置(レンジ)を検出する
シフト位置センサ78からの信号、自動変速機4の作動
油温度を検出する油温センサ79からの信号などを入力
して、自動変速機4に対しては、油圧制御ユニット60
に備えられた変速用ソレノイドバルブ61…61による
変速制御と、同じく油圧制御ユニット60に備えられた
デューティソレノイドバルブ62によるライン圧制御を
行うとともに、エンジン3に対しては点火プラグ7…7
に対する点火制御などを行うようになっている。さら
に、本実施例においては、変速時に点火制御によりエン
ジン3の出力トルクを低減させる制御が行われる。な
お、ECU70は、特許請求の範囲に記載された「学習
制御手段」、「制御量目標値設定手段」、「目標値設定制限
手段」及び「学習制御規制手段」を含む総合的な制御手段
である。
【0030】ここで、油圧制御ユニット60におけるラ
イン圧制御部分の構成について説明する。図4に示すよ
うに、オイルポンプ11から吐出される作動油の圧力を
所定のライン圧に調整するレギュレータバルブ63と、
該レギュレータバルブ63に制御圧を供給するスロット
ルモデュレータバルプ64とが備えられている。このス
ロットルデュレータバルブ64には、オイルポンプ11
からの作動油が吐出されるメインライン65から該作動
油を一定圧に減圧するレデューシングバルブ66を介し
て導かれた一定圧ライン67が接続されていると共に、
該モブュレータバルブ64からレギュレータバルブ63
の一端に設けられた増圧ポート63aに増圧ライン68
が導かれている。また、該スロットルモデュレータバル
ブ64の一端の制御ポート64aには、一定圧ライン6
7から分岐されたパイロットライン69が接続されてい
る。
【0031】そして、このパイロットライン69に、図
2に示したライン圧制御用のデューティソレノイドバル
ブ62が設置されて、該デューティソレノイドバルブ6
2のデューティ比に応じたパイロット圧が上記スロット
ルモデュレータバルブ64の制御ポート64aに導入さ
れることにより、上記ラインから供給された一定圧が、
該パイロット圧ないし上記デューティ比に応じた圧力に
調整された上で、増圧ライン68を介してレギュレータ
バルブ63の増圧ポート63aに供給されるようになっ
ている。したがって、このレギュレータバルブ63によ
って圧力が調整されたライン圧は上記デューティ比に応
じた圧力となる。
【0032】次に、車速の上昇に伴って行われるスケジ
ュールアップ変速時におけるライン圧制御を、図5に示
すフローチャートに従って説明する。すなわち、ECU
70は、ステップ#1で各種信号を読み込んだ上で、次
のステップ#2で変速判定を行い、シフトアップ変速判
定フラグSFTUPを出力する。このシフトアップ変速
判定フラグSFTUPは変速指令が出力されたときに1
がたてられ、該シフトアップ変速が終了したときに0に
リセットされるフラグである。
【0033】次に、ステップ#3で、今回のシフトアッ
プ変速判定フラグSFTUP[i]が0を超えているか否
かを判定し、SFTUP[i]>0であれば(YES)、す
なわち現在変速中であればステップ#3〜ステップ#2
5のシフトアップルーチンを実行する。他方、SFTU
P[i]≦0であれば(NO)、すなわちシフトアップ変速
中でなけばステップ#26〜ステップ#29の非シフト
アップルーチンを実行する。
【0034】シフトアップルーチンを実行する場合は、
まずステップ#4で次の式1に従って変速前後のタービ
ン回転数Ntの回転変化量ΔNtを算出するとともに、ス
テップ#5で式2に従ってタービントルクTtを算出す
る。
【数1】 ΔNt=Nts−Nos・Go………………………………………………式1
【数2】 Tt=(Nts/Nes)・Te・t……………………………………………式2 ここで、Ntsは変速判定時のタービン回転数、Nosは同
じく変速機構30の出力回転数、Goは変速終了後のギ
ヤ比、Teはエンジントルク、tはトルクコンバータ20
のトルク増大係数を示す。なお、エンジントルクTe
は、例えばエンジン回転数、吸気流量、点火時期などに
基づいて求められる。
【0035】次いで、ECU70はステップ#6に進ん
でトルクダウン可能フラグFtdが1にセットされている
か否かを判定する。なお、トルクダウン可能フラグFtd
は、例えば水温センサ75からの信号が示す冷却水温度
がエンジン3の暖機状態を示す時に1にセットされるよ
うになっている。ECU70は、トルクダウン可能フラ
グFtdが1にセットされていると判定したときには、ス
テップ#7に進んで予めタービントルクTtと回転変化
量ΔNtと目標変速段Lmとをパラメータとして設定され
たトルクダウン時用目標変速時間マップに従って目標変
速時間Tsを算出した上で、ステップ#8で次の式3に
従って目標角加速度Amを演算する。
【数3】 Am=|ΔNt/Ts|……………………………………………………式3 つまり、回転変化量ΔNtを目標変速時間Tsで徐算した
値の絶対値を目標角加速度Amとするのである。
【0036】次に、ECU70は、ステップ#9を実行
して、予めタービントルクと角加速度とをパラメータと
して設定したマップに従って、現実のタービントルクT
tと目標角加速度Amとに対応する変速時目標入力トルク
Tmを求めた上で、ステップ#13を実行する。他方、
ECU70は、前記のステップ#6においてトルクダウ
ン可能フラグFtdが1にセットされていないと判定した
とき、すなわちトルクダウンが不可能であると判定した
ときには、ステップ#10に移って予めタービントルク
Ttと回転変化量ΔNtと目標変速段Lmとをパラメータ
として設定された非トルクダウン時用目標変速時間マッ
プに従って目標変速時間Tsを算出した上で、ステップ
#11で回転変化量ΔNtと目標変速時間Tsとを前記の
式3に代入することにより、目標角加速度Amを演算す
る。その場合に、非トルクダウン時用目標変速時間マッ
プは、前記のトルクダウン時用目標変速時間マップに対
して目標変速時間が長くなるように設定されている。そ
して、ECU70は、ステップ#12を実行して、エン
ジントルクTeを変速時目標トルクTmとしてセットす
る。したがって、この場合にはエンジン3のトルクダウ
ンが行われない。この後、ステップ#13を実行する。
【0037】ステップ#13では、目標入力トルクTm
が入力トルクガード値TNXを超えているか否かを判定
し、Tm>TNXであれば(YES)ステップ#15で目
標入力トルクTmを入力トルク出力値TNとする。他
方、Tm≦TNXであれば(NO)ステップ#14で入力
トルクガード値TNXを入力トルク出力値TNとした上
で、学習許可フラグXPLRNを0にリセットする。学
習フラグXPLRNは、1がセットされたときには学習
制御が許可され、0にリセットされたときには学習制御
が禁止されるフラグである。したがって、入力トルク出
力値TNにガード(TNX)がかけられたときには学習制
御が禁止され、誤学習が起こらず、学習制御の制御精度
が高められる。
【0038】本実施例では、変速時には基本的には点火
時期の遅角(リタード)により、トルクダウンを行うよう
にしている。そして、吸入空気量とエンジン回転数とが
一定であれば、エンジンの出力トルクの点火時期(進角
量)に対する変化特性は図9中の曲線G1に示すとおりで
ある。したがって、図9から明らかなとおり、点火時期
を遅角させればさせるほど出力トルク小さくなり有効に
トルクダウンを行うことができることになるが、点火時
期をあまり遅角させると失火が発生し、あるいは触媒コ
ンバータの温度が異常に上昇する。そこで、本実施例で
は、エンジンの出力トルクを直線G2より低下させない
ようにして、学習制御により点火時期が許容限界を超え
て遅角されるのを防止するようにしている。つまり、ト
ルクないしはトルクダウン量には直線G2に対応するガ
ードがかけられていることになる。そして、この直線G
2に対応するトルクが入力トルクガード値TNXであ
る。
【0039】次に、ステップ#16に進んで、図示して
いないが予め入力トルクをパラメータとして変速段ごと
に設定された入力トルク油圧設定マップに基づいて、入
力トルク出力値TNと変速段Lmとに対応する入力トル
ク油圧Ptを設定する。ここで、入力トルク油圧設定マ
ップは、入力トルク出力値TNが増大するほど該入力ト
ルク油圧Ptが増加するように設定されている。また、
ECU70はステップ#17を実行して、図示していな
いが角加速度をパラメータとして変速段ごとに設定され
たイナーシャトルク油圧設定マップに基づいて、目標角
加速度Amと変速段Lmとに対応するイナーシャトルク油
圧Piを設定する。この場合においても、イナーシャト
ルク油圧設定マップは、目標角加速度Amが増大するほ
どイナーシャトルク油圧Piが増加するように設定され
ている。
【0040】そして、ECU70はステップ#18を実
行して、図示していないが変速段ごとに設定したシフト
アップ用学習油圧テーブルから、今回の目標変速段Lm
に対応する学習油圧Pgを読み出した上で、ステップ#
19を実行して、次の式4に従って、入力トルク油圧P
tとイナーシャトルク油圧Piと学習油圧Pgとから目標
ライン圧Pcl(目標クラッチ圧)を演算する。
【数4】 Pc1=Pt+Pi+Pg……………………………………………………式4
【0041】次にステップ#20で、目標ライン圧Pcl
がライン圧ガード値PLXを超えているか否かを判定
し、Pcl>PLXであれば(YES)ステップ#22で目
標ライン圧Pclをライン圧出力値Plとする。他方、Pc
l≦PLXであれば(NO)ステップ#21でライン圧ガ
ード値PLXをライン圧出力値Plとした上で、学習許
可フラグXPLRNを0にリセットする。学習フラグX
PLRNは、前記したとおり1がセットされたときには
学習制御が許可され、0にリセットされたときには学習
制御が禁止される。
【0042】本実施例では、制御量であるライン圧に対
して2種のガードをかけるようにしている。一方は、作
動油の静容量限界を確保するためのガードである。この
静容量限界によるガードは、例えば図10中の曲線G3
に示すような特性をもつガードである。なお、このガー
ドは、ライン圧を曲線G3よりも低下させないといった
ガードである。他方は、必要最小限の潤滑流量を確保す
るためのガードである。この潤滑流量によるガードは、
例えば図11中の曲線G4に示すような特性をもつガー
ドである。なお、このガードは、ライン圧を曲線G4
りも低下させないといったガードである。
【0043】そして、ここでは、静容量限界によるガー
ドと潤滑流量によるガードの2つを重複してかけるよう
にしているので、図10中の曲線G3と図11中の曲線
4のうちのいずれか一方のガードにかかったときに
は、学習許可フラグXPLRNが0にリセットされるこ
とにある。かくして、ライン圧に実際にガードがかけら
れたときにはライン圧の学習制御が禁止され、誤学習が
起こらずライン圧の学習制御の精度が高められる。な
お、図示していないが、ライン圧にドリフトオンボール
ガードをかけるようにしてもよい。
【0044】次に、ECU70はステップ#23に進ん
で、前記のライン圧出力値Plに油温補正を行うことに
より、最終目標ライン圧Pleを演算する。つまり、一般
に、摩擦要素は摩擦部材同士が摩擦接触することにより
締結されることになるが、対接する摩擦部材の接触面な
いし摺動面の摩擦係数μは、両摩擦部材間の作動油温度
Toによって左右される。具体的には、作動油温度Toが
低いほど摩擦係数μが増大する。したがって、図示して
いないが作動油温度をパラメータとして設定した油温補
正係数のテーブルから、現在の作動油温度Toに対応す
る油温補正係数Kμを読み出した上で、この補正係数K
μと上記目標締結圧Pc1とを次の式5に代入すること
により、最終目標ライン圧Pleを求めるのである。
【数5】 Ple=Pcl・kμ………………………………………………………式5 そして、ECU70はステップ#24を実行してこの最
終目標ライン圧P1eと上記ステップ#14又はステッ
プ#15で求めた入力トルク出力値TNとを出力する。
そして、ステップ#25でライン圧学習値を演算し、こ
の後ステップ#1に復帰するる。なお、ライン圧学習値
演算は、後で図7に示すフローチャートに従って説明す
るとおりである。
【0045】ところで、前記のステップ#3でSFTU
P[i]≦0であると判定した場合は(NO)、非シフトア
ップルーチンを実行する。まず、ステップ#26で前回
のSFTUP[i−1]が0を超えているか否かを判定
し、超えていれば今回から非シフトアップ状態になった
ことになるので、ステップ#27でXPLRN>である
と判定された場合に限りステップ#28でライン圧学習
値を更新し、続いてステップ#29で学習許可フラグX
PLRNを1にセットしてステップ#1に復帰する。つ
まり、シフトアップ終了毎にライン圧学習値が更新され
る。なお、ステップ#26又はステップ#27でNOと
判定したときは、ライン圧学習値の更新を行わず、ステ
ップ#29を実行した後でステップ#1に復帰する。
【0046】したがって、自動変速機4においては、最
終目標ライン圧P1eが得られるようにデューティソレ
ノイドバルブ62がデューティ制御されるとともに、エ
ンジン3においては、目標入力トルクTmが実現される
ように所定のプログラムに従ってエンジン出力がトルク
ダウン制御される。このようにトルクダウン可能時にお
いては、目標角加速度AmとタービントルクTtとに基づ
いてエンジン3の変速時目標トルクTmが設定されると
共に、変速機構30の入力トルクに対応する入力トルク
油圧Ptが目標入力トルクTmに基づいて設定されること
になるので、該入力トルク油圧Ptが変速時における変
速機構30への実際の入力トルクに精度よく対応するこ
とになる。
【0047】そして、ECU70は上記スケジュールア
ップ変速時のライン圧制御と平行してイナーシャトルク
油圧Piの学習処理を図7に示すフローチャートに従っ
て次のように実行するようになっている。すなわち、E
CU70はステップ#31で各種信号を読み込んだ上
で、ステップ#32で学習フラグFgが1にセットされ
ているか否かを判定する。ここで、学習フラグFgは自
動車1がエンジン出力で駆動される正駆動状態でのシフ
トアップ変速時に1にセットされるようになっている。
【0048】そして、ECU70は学習フラグFgが1
にセットされていないと判定したときには、ステップ#
33を実行して変速時間タイマのタイマ値を0にセット
するとともに、学習フラグFgの値が1にセットされて
いるときには、ステップ#34に進んでタービン回転数
Ntと出力回転数Noとから求めた変速機構30の現在の
ギヤ比Grが所定の変速開始判定値Gsよりも小さいか否
かを判定する。つまり、変速動作が実際に開始したかど
うかを判定する。
【0049】ECU70は、ステップ#34においてギ
ヤ比Grが変速開始判定値Gsよりも小さいと判定したと
きには、ステップ#35に進んで上記変速時間タイマの
タイマ値を1だけインクリメントするとともに、ステッ
プ#36で上記ギヤ比Grが所定の変速終了判定値Geよ
りも小さいか否かを判定して、YESと判定するまでス
テップ#35,#36のループ処理を実行する。そし
て、ギヤ比Grが上記変速終了判定値Geよりも小さいと
判定した時に、上記ループ処理から抜け出してステップ
#37へ移り、上記変速時間タイマのタイマ値が示す実
変速時間Tと回転変化量ΔNtとから次の式6に従って
実際の平均角加速度Arを演算する。
【数6】 Ar=|ΔNt/T|……………………………………………………式6 そして、ステップ#38を実行して補正油圧ΔPiを演
算する。つまり、ECU70は、平均角加速度Arと目
標角加速度Amとを、図示していないライン圧制御用の
シフトアップ用イナーシャトルク油圧テーブルに当ては
めて、目標角加速度Amに対応するイナーシャトルク油
圧Pimに対する実際の平均角加速度Arに対応するイナ
ーシャトルク油圧Pirの差分量を補正油圧ΔPiとす
る。この場合、目標角加速度Amよりも実際の平均角加
速度Arが大きい時には、補正油圧ΔPiの値はマイナス
となる。
【0050】次に、ECU70は、ステップ#39を実
行して、ステップ#38で求めた補正油圧ΔPiを次の
式7に代入して学習補正油圧ΔPgを算出する。
【数7】 ΔPg=ΔPi・Ko/Kμ………………………………………………式7 ここで、Koは学習反映係数を示す。そして、ECU7
0はステップ#40を実行して、学習油圧Pgの前回値
に学習補正油圧ΔPgを加算した値を今回値として学習
油圧Pgを更新する。
【0051】このような構成によれば次のような作用が
得られる。図8に示すように、トルクダウンが可能な状
態で、例えば時刻t1で1−2変速が行われるものとする
と、矢印aに示すように、シフトアップ用学習油圧テー
ブルに基づいて学習油圧Pgが設定されるともに、この
学習油圧Pgと、入力トルク出力値TNに基づいて設定
された入力トルク油圧Ptと、イナーシャトルク油圧設
定マップから求められたイナーシャトルク油圧Piとに
より、矢印bで示すようにライン圧出力値Plが設定され
る。そして、ギヤ比Grが変速終了判定ギヤ比Geに収束
した時点で学習油圧Pgが更新される。その場合に、図
のように変速時間タイマが示す実変速時間Tが目標変速
時間Tsよりも短い時には、目標角加速度Amよりも実際
の平均角加速度Arの方が大きくなるから、前述したよ
うに補正油圧ΔPiの値がマイナスとなり、それに伴っ
て学習補正油圧ΔPgもマイナスとなる。したがって、
学習油圧の今回値Pg'は、矢印cで示すように前回値Δ
Pgに学習補正油圧ΔPg(マイナスの値)を加算した値と
なる。なお、上述のように学習補正油圧ΔPgがマイナ
スの場合は実際には減算した値となる。この場合、上記
表1に示したシフトアップ用学習油圧テーブルにおける
2速に対応する学習油圧Pgが更新されることになる。
【0052】そして、次回の1−2変速におけるライン
圧出力値Plが、図の2点鎖線で示すように上記学習補
正油圧ΔPgの分だけ減圧されることになる。その場合
に、変速前後におけるタービン回転数の変化量と変速機
構30への入力トルクとに基づいて目標変速時間を設定
すると共に、該目標変速時間を実現するための角加速度
と入力トルクとに基づいて変速時における目標ライン圧
を設定しているので、運転状態に適切に対応した変速時
ライン圧が得られることになる。しかも、変速時におけ
る変速機構30の回転変化に伴うイナーシャトルクに対
応するイナーシャトルク油圧を学習補正しているので、
運転環境の変化に適切に対応した変速時ライン圧が得ら
れることになる。
【0053】特に、学習用パラメータとして変速時にお
ける平均角加速度を採用しているので、良好な学習精度
が得られることになって、さらに変速時ライン圧がさら
に精度よく設定されることになる。しかも、学習パラメ
ータとしてタービン回転数の角加速度を採用することに
より、学習油圧を変速段ごとに記憶させるだけでよく、
ECU70のメモリ容量が節約される。特に、実施例の
ようにトルクダウン制御を行うようにしたものにおいて
は、トルクダウン制御の実行いかんにかかわらず常に学
習処理を行うことができるので、運転状態にさらに適切
に対応した変速時ライン圧が得られることになる。
【0054】なお、前記の特開平2−57759号公報
に開示されている従来技術(以下、単に従来技術という)
と本発明の違いはおよそ以下のとおりである。すなわ
ち、従来技術と本発明とでは、まずもって変速時の油圧
の設定手法とトルクダウンの制御手法とが全く異なる。
そして、従来技術においては、油圧の設定、トルクダウ
ンは全く一般的な考え方を用いており、油圧はスロット
ル開度に対応して設定され、トルクダウンは所定量だけ
遅角するものである。この従来技術では、変速ポイント
がスロットル開度に対して一義的に決まっている場合
は、その状態での入力トルクとイナーシャとに応じた油
圧、トルクダウンとなるが、変速ポイントあるいは環境
の変化によってエンジントルクが変化したときには、こ
れに対応した制御を行うことが困難である。
【0055】他方、本発明では、入力トルク(Q/N)と
タービン回転変化量とで目標時間を設定し、この時間内
での入力軸の角速度と入力トルクとから目標入力トルク
を求め、実際のトルクがこの目標トルクとなるように、
エンジントルクを制御(通常は、トルクダウン)し、また
油圧を入力トルクに応じた油圧と上記入力軸の角加速度
(イナーシャに相当)に対応する油圧とに対応して設定す
る。このため、変速ポイントやエンジントルクの変動に
かかわらず、所望の目標時間で変速を行わせることがで
きる。なお、学習制御は経時変化やユニットのばらつき
等を補正するようにしている。なお、上記実施例はライ
ン圧の学習制御を例示したが、クラッチの作動圧がデュ
ーティソレノイド、又は調整弁をデューティソレノイド
等の組合せによって制御されるクラッチ圧の学習制御や
クラッチ作動回路のオリフィスをバイパスさせるタイミ
ングバルブの学習制御にも適用できるものである。
【0056】
【発明の作用・効果】一般に、学習制御される制御量
(例えばライン圧)の目標値の設定が何らかの制限を受け
ているときには、学習制御手段はかかる制限がないもの
として学習を行うので、誤学習が起こり学習制御の精度
が悪くなる。しかしながら、第1の発明によれば、制御
量の目標値の設定が制限される変速時には、学習制御が
規制されるので、誤学習が防止され、学習制御の精度が
高められる。また、制御量の目標値の設定が現実に制限
されたときに学習制御が規制され、換言すれば制御量の
目標値の設定が制限されるおそれがあるだけでは学習制
御が規制されないので、学習制御の規制が必要最小限度
に抑えられ、学習制御を行う機会が多くなる。
【0057】第2の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、制御量が摩
擦要素の作動圧とされるので、作動圧を学習制御する際
の誤学習が防止される。
【0058】第3の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、制御量がト
ルクダウン量とされるので、変速時にトルクダウン量の
学習制御を行う際の誤学習が防止される。
【0059】第4の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、制御量がラ
イン圧とされるので、ライン圧を学習制御する際の誤学
習が防止される。
【0060】第5の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、制御量がク
ラッチ圧とされるので、クラッチ圧を学習制御する際の
誤学習が防止される。
【0061】第6の発明によれば、基本的には第1の発
明と同様の作用・効果が得られる。さらに、制御量がタ
イミングバルブの作動時間であるので、タイミングバル
ブの作動時間を学習制御する際の誤学習が防止される。
【0062】第7の発明によれば、基本的には第1〜第
6の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得られ
る。さらに、変速状態を反映させる物理量が変速時間で
あるので、変速時間を適正値に保持することができ、変
速ショックの発生を防止することができる。
【0063】第8の発明によれば、基本的には第1〜第
6の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得られ
る。さらに、変速状態を反映させる物理量が変速機構の
入力回転変化とされるので、摩擦要素のオン・オフタイ
ミングを適正に保持することができ、変速ショックの発
生が防止される。
【0064】第9の発明によれば、基本的には第1〜第
8の発明のいずれか1つと同様の作用・効果が得られ
る。さらに、制御量の設定の制限が制御量のガードであ
るので、制御量にガードがかけられているときには学習
制御が規制され、誤学習が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1〜請求項9に対応する第1〜第9の
発明の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明にかかる制御装置を備えた自動変速機
のシステム構成図である。
【図3】 自動変速機の動力伝達機構を示すスケルトン
図である。
【図4】 自動変速機の油圧機構の回路図である。
【図5】 本発明にかかるライン圧制御の制御方法を示
すフローチャートの一部である。
【図6】 本発明にかかるライン圧制御の制御方法を示
すフローチャートの一部である。
【図7】 油圧の学習制御の制御方法を示すフローチャ
ートである。
【図8】 油圧の学習制御が行われた場合のタイムチャ
ートである。
【図9】 トルクダウン量に対するガードの特性を示す
図である。
【図10】 ライン圧に対するガードの特性を示す図で
ある。
【図11】 ライン圧に対するガードの特性を示す図で
ある。
【符号の説明】
3…エンジン 4…自動変速機 30…変速機構 41〜46…摩擦要素(クラッチ、ブレーキ) 60…油圧制御ユニット 63…レギュレータバルブ 70…ECU

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速機構と、作動圧が給排されて変速機
    構の変速特性を切り替える摩擦要素と、変速状態を反映
    する物理量の目標値と実際値との比較に基づいて、摩擦
    要素の作動に関連する制御量を学習制御する学習制御手
    段とが設けられている自動変速機の制御装置において、 摩擦要素の作動に関連する制御量の目標値を設定する制
    御量目標値設定手段と、 該制御量目標値設定手段による制御量目標値の設定を制
    限することができる目標値設定制限手段と、 該目標値設定制限手段によって制御量目標値の設定が制
    限される変速においては、学習制御手段による学習制御
    を規制する学習制御規制手段とが設けられていることを
    特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された自動変速機の制御
    装置において、 摩擦要素の作動に関連する制御量が、摩擦要素に給排さ
    れる作動圧であることを特徴とする自動変速機の制御装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された自動変速機の制御
    装置において、 摩擦要素の作動に関連する制御量が、変速時用のトルク
    ダウン量であることを特徴とする自動変速時の制御装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された自動変速機の制御
    装置において、 摩擦要素の作動に関連する制御量が、ライン圧であるこ
    とを特徴とする自動変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載された自動変速機の制御
    装置において、 摩擦要素の作動に関連する制御量が、クラッチ圧である
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載された自動変速機の制御
    装置において、 摩擦要素の作動に関連する制御量が、摩擦要素に対する
    作動圧の給排タイミングを制御するタイミングバルブの
    作動時間であることを特徴とする自動変速機の制御装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれか1つに記
    載された自動変速機の制御装置において、 変速状態を反映させる物理量が、変速時間であることを
    特徴とする自動変速機の制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項6のいずれか1つに記
    載された自動変速機の制御装置において、 変速状態を反映させる物理量が、変速機構の入力回転変
    化であることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜請求項8のいずれか1つに記
    載された自動変速機の制御装置において、 目標値設定制限手段による制御量目標値の設定制限が、
    制御量目標値に対するガードであることを特徴とする自
    動変速機の制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007278415A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Honda Motor Co Ltd 自動変速機の制御装置
WO2009119242A1 (ja) * 2008-03-28 2009-10-01 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 自動変速機の変速制御装置
JP2010031900A (ja) * 2008-07-25 2010-02-12 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
JP2015113932A (ja) * 2013-12-12 2015-06-22 トヨタ自動車株式会社 自動変速機の制御装置

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