JP2015113932A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】数学モデルで考慮する要件を過度に増やすことなく、変速時に考慮していない事象が生じてしまうことを有効に抑制できる自動変速機の制御装置を提供する。【解決手段】クラッチトゥクラッチ変速を行う自動変速機の制御装置であって、クラッチ伝達トルクを決定する出力パラメータTmbを数学モデルを用いて算出するクラッチ伝達トルク算出部156と、数学モデルでの算出に考慮されない要件を考慮した適合値Ttbに基づいて出力パラメータを算出するクラッチ伝達トルク適合値算出部153とを備え、トルク算出部156が、複数の入力パラメータ値に基づいて出力パラメータTmbの値を算出し、適合値算出部153が、一部の特定の入力パラメータ値に基づいて出力パラメータの適合値Ttbを算出し、トルク算出部156でモデル算出された出力パラメータTmbの値に対して、適合値算出部153で算出された適合値Ttbを用いてガード処理がなされる。【選択図】図3

Description

本発明は、自動変速機の制御装置に関し、特にクラッチトゥクラッチ変速を行う自動変速機の制御装置に関する。
複数の摩擦係合要素の作動状態に応じて異なる複数の変速段が成立する自動変速機において、少なくとも特定の変速段への変速時に解放側の摩擦係合要素を解放させる制御と係合側の摩擦係合要素を係合させる制御とを同時に実行するクラッチトゥクラッチ変速(掴み替え変速ともいう)を行うものがある。
また、クラッチトゥクラッチ変速を行う自動変速機において、変速ショックを回避しつつドライバの加速要求等の操作入力に対する良好な応答性を確保すべく、係合側の摩擦係合要素と解放側の摩擦係合要素の切替えタイミングや伝達トルクのバランス等を制御する制御装置が知られている。
そのような自動変速機の制御装置としては、例えば変速機構の入力軸トルクを推定算出し、その推定値に見合う伝達トルク容量になるよう解放側と締結側の摩擦係合要素の係合圧を制御する一方、変速中の入力軸回転速度(機関回転速度変化)の目標値とその目標値に追従すべき入力軸回転速度の実際値とから、前記推定値を補正するための学習値を算出して、前記伝達トルク容量の制御精度を高めるものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、マップや数学的参照モデルを含む計算モジュールにより、アクセルペダル操作に応じてクラッチ伝達トルクおよびエンジントルクの時間的に変動する要求信号を生成し、それらを中間のトルク値に制御した状態でエンジン側の駆動軸と変速機入力軸との角加速度差が閾値まで低下した時点から、エンジントルク制御により変速による慣性変動を補償しつつ、駆動軸と変速機入力軸の同期をとるものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−221334号公報 特開2007−001567号公報
しかしながら、上述のような従来の自動変速機の制御装置にあっては、クラッチ伝達トルクを決定する出力パラメータの算出のための数学モデルを構築する際に、例えば出力軸トルクの段差(急変)や自動変速機ごとの機差ばらつき等といった個別の要因が考慮されていなかった。
そのため、考慮されていない個別の要因によって数学モデル構築時に同定された特性と実際の自動変速機の変速特性が異なってしまい、変速時に、考慮していない事象、例えば変速ショックが発生したりいわゆるヘジテイション(一時的な加速不足感等)が生じたりする場合があった。
そして、そのような考慮していない事象を抑制するために、数学モデルに前記個別の要因を考慮しようとすると、数学モデルが非常に複雑になってしまうという問題があった。
また、自動変速機のシステム構成上で勘案すべき状態量が多い場合、全ての変速パターンに対し前記個別の要因を考慮した数学モデルを構築することは、事実上困難であるという問題があった。
そこで、本発明は、数学モデルで考慮する要件を過度に増やすことなく、数学モデルで考慮できない要因により変速時に考慮していない事象が生じてしまうことを有効に抑制できる自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る自動変速機の制御装置は、上記目的達成のため、クラッチトゥクラッチ変速を行う自動変速機の制御装置であって、クラッチ伝達トルクを決定する出力パラメータを、数学モデルを用いて算出する数学モデル算出部と、前記出力パラメータを、前記数学モデルによる前記出力パラメータの算出に考慮されていない要件を考慮した適合値に基づいて算出する適合値算出部と、を備え、前記数学モデル算出部が、複数の入力パラメータの値に基づいて前記出力パラメータの値を算出し、前記適合値算出部が、前記複数の入力パラメータのうち一部の特定の入力パラメータの値に基づいて前記出力パラメータの適合値を算出し、前記数学モデル算出部によって算出された前記出力パラメータの値に対して、前記適合値算出部によって算出された前記出力パラメータの適合値を用いてガード処理がされることを特徴とする。
この構成により、本発明に係る自動変速機の制御装置では、数学モデル算出部で考慮されない個別の要因によって数学モデル算出部で算出された出力パラメータの値が不適当な値になったとしても、適合値算出部で算出された出力パラメータの適合値によって数学モデル算出部で算出された出力パラメータの値がガード処理される。したがって、数学モデルで考慮する要件を過度に増やすことなく、数学モデルで考慮できない要因により変速時に考慮していない事象が生じてしまうことを有効に抑制できる自動変速機の制御装置となる。
本発明によれば、数学モデルで考慮する要件を過度に増やすことなく、数学モデルで考慮できない要因により変速時に考慮していない事象が生じてしまうことを有効に抑制できる自動変速機の制御装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る自動変速機の制御装置を備えた自動変速機付き車両の概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る自動変速機を含むハイブリッド式の走行駆動装置の概略構成を示すスケルトン図である。 本発明の第1実施形態に係る自動変速機の制御装置の要部概略構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る自動変速機の制御装置の要部概略構成を示すブロック図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1ないし図3は、本発明の第1実施形態に係る自動変速機の制御装置の概略構成を示している。
まず、構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る自動変速機の制御装置を搭載したハイブリッド車両1は、内燃機関であるエンジン10とそれぞれ発電可能な電動機であるモータジェネレータ(以下、単にモータという)MG1、MG2とを含む、走行駆動用のハイブリッド駆動装置20を備えている。このハイブリッド車両1は、さらに、ハイブリッド駆動装置20から入力される回転動力を車両1の車速等の運転状態やドライバからのアクセル操作等の要求操作入力に応じ自動変速して出力する自動変速機50と、公知の差動装置80と、ハイブリッド駆動装置20および自動変速機50を統合制御する制御ユニット100とを備えている。
ハイブリッド駆動装置20は、エンジン10およびモータMG1、MG2のうち少なくとも1つから出力される回転動力に応じて、ハイブリッド車両1を走行駆動する走行駆動力を発生させることができる。
エンジン10は、多気筒の内燃機関、例えば4サイクルのガソリンエンジンである。また、モータMG1、MG2は、それぞれ変速機ケース5(詳細図示せず)の内部に収納されており、変速機ケース5はエンジン10に締結されている。
モータMG1、MG2は、それぞれ例えば永久磁石同期発電電動機として構成され、供給される電力を回転動力に変換して出力する電動機の機能と、入力された回転動力を電力に変換して出力する発電機の機能とを併有している。また、モータMG1は主に発電機として用いられ、モータMG2は主に電動機として用いられるようになっている。
そして、ハイブリッド駆動装置20は、エンジン10およびモータMG1、MG2のうち少なくとも1つから出力される回転動力を、動力分割統合機構40を介して自動変速機50に入力させるようになっている。
図2に示すように、動力分割統合機構40は、例えばエンジン10からの動力をダンパDを介してキャリアCA0に入力する遊星歯車機構で構成されており、キャリアCA0により自転および公転可能に支持された複数のピニオンP0に、外歯のサンギヤS0および内歯のリングギヤR0が噛合している。また、サンギヤS0にモータMG1のロータMG1Rが連結され、リングギヤR0にモータMG2のロータMG2Rが連結されている。
この動力分割統合機構40は、エンジン10からキャリアCA0に入力される回転動力を走行駆動用と発電用の動力に分割したり、エンジン10およびモータMG1、MG2のうちいずれか1つまたは複数からの原動機出力を統合して出力したりする機能を有している。
自動変速機50は、変速機入力軸51と、変速機入力軸51に入力された回転動力を変速する多段変速可能な変速機構52と、変速機構52で変速された回転動力を出力する変速機出力軸53と、変速機構52における変速比(変速段)を複数の油圧式の摩擦係合要素(クラッチやブレーキ)の作動状態に応じて多段に制御する油圧制御装置54と、変速機入力軸51により駆動されるオイルポンプ55(図1参照)とを有している。
具体的には、変速機構52は、例えば図2にその上半部をスケルトン図で示すように、ブレーキB1、B2、クラッチC1、C2、C3、ワンウェイクラッチF1、プラネタリギヤG1、G2、回転要素M1、M2、M3等を含んで構成されている。
プラネタリギヤG1のサンギヤS1には回転要素M3が連結され、プラネタリギヤG1のリングギヤR1にはプラネタリギヤG2のキャリアCA2が連結され、プラネタリギヤG1の複数のピニオンP1を自転および公転可能に支持するキャリアCA1には回転要素M2が一体に連結されている。また、プラネタリギヤG2のサンギヤS2には回転要素M1が連結され、プラネタリギヤG2のリングギヤR2には回転要素M2が連結され、プラネタリギヤG2の複数のピニオンP2を自転および公転可能に支持するキャリアCA2には変速機出力軸53が連結されている。
変速機入力軸51に入力される回転動力は、クラッチC1〜C3を介して3つの回転要素M1〜M3のうちいずれか1つまたは2つに選択的に入力される。そして、回転要素M2の回転方向がワンウェイクラッチF1によって一方向に制限されるとともに、回転要素M2、M3の回転がブレーキB1、B2によって選択的に制限されることにより、多段の変速比のうちいずれか1つの変速比で変速された回転動力が変速機出力軸53から出力されるようになっている。なお、変速機出力軸53からの出力回転は、差動装置80を介して左右の駆動車輪6L、6R側に伝達される。
油圧制御装置54は、変速機構52で形成すべき変速段に応じて、クラッチC1、C2、C3およびブレーキB1、B2の作動状態(係合状態と解放状態)をリニアソレノイドバルブ等によって切り替えるようになっており、変速機構52の少なくとも特定の変速段への変速時にクラッチトゥクラッチ変速を実行させるようになっている。油圧制御装置54は、また、オイルポンプ55からのライン油圧を調圧するモジュレータバルブや、ドライバのセレクト操作に応じて切り換えられるマニュアルバルブ相当のバルブを含んで構成されている。
この油圧制御装置54は、詳細な構成を図示しないが、例えば複数のソレノイドバルブやリニアソレノイドバルブ(電磁比例バルブ)の出力圧によって、複数の油圧式摩擦係合要素であるクラッチC1〜C3およびブレーキB1、B2の作動油圧を、個別に制御するようになっている。このような油圧制御自体は、公知のものと同様であり、例えば始動スイッチがONとなるのに連動してソレノイドバルブのいずれかを励磁してクラッチ作動油圧を制御したり、リニアソレノイドバルブ(電磁比例バルブ)の出力圧に応じてブレーキ作動油圧を制御したりするようになっている。
油圧制御装置54により制御される変速機構52の変速段は、主として車速とスロットル開度をパラメータとするシフトパターンに従って、制御ユニット100により決定される。そして、変速機構52内のクラッチC1〜C3およびブレーキB1、B2が、制御ユニット100により決定されたシフトパターンに従って、最適な変速段を形成するように制御される。
図1に示すように、制御ユニット100には、ハイブリッド車両1のアクセルペダル61の踏込み量を検知するアクセル開度センサ71と、エンジン10のスロットルバルブ62の開度を検出するスロットル開度センサ72と、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサ73と、エンジン10の吸入空気温度を検出する吸入空気量センサ74と、所定角度毎のクランク回転角を検出可能なエンジン回転速度センサ75とが装着されている。
また、制御ユニット100には、ハイブリッド車両1のブレーキペダル66の踏込み量又はブレーキペダル66に加えられる踏力を検出するブレーキペダルセンサ76と、車室内に設けられたシフトレバー67のアップ・ダウン操作を検出するシフト位置センサ77とが装着されている。
さらに、制御ユニット100には、変速機入力軸51の回転速度Nt1[rpm]を検出する回転速度センサ78Aと、変速機出力軸53の回転速度Nt2[rpm]を検出する回転速度センサ78Bと、駆動車輪6L、6Rの回転速度を検出する車速センサとしての車輪速センサ79とが接続されている。
制御ユニット100は、ハイブリッド駆動装置20の出力を制御したり自動変速機50の変速を制御したりするコンピュータ構成のもので、HVECU110、エンジンECU120、モータECU130およびトランスミッション制御ECU140を含んで構成されている。
この制御ユニット100は、詳細な構成を図示しないが、例えばCPU、ROM、RAMおよび書換え可能な不揮発性メモリを備えるとともに、A/D変換器を有する入力インターフェース回路、ドライバやリレースイッチを有する出力インターフェース回路、他の車載ECUとの間でデータ通信を行う通信ポート等を含んで構成されている。制御ユニット100のROMおよび書換え可能な不揮発性メモリ(以下、ROM等という)には、後述する複数の機能部のそれぞれの機能を達成するための制御プログラムが格納されるとともに、各種のマップや設定値データ等が格納されている。
HVECU110は、ハイブリッド駆動装置20を制御する電子制御ユニットであり、原動機であるエンジン10およびモータMG1、MG2を要求出力に応じて作動させる統合制御プログラムを内蔵している。ここにいう要求出力(要求パワー)とは、ドライバのアクセルペダル操作に対応する要求出力であるが、クルーズコントロール等の他の走行制御機能から要求される要求出力分を考慮したものであってもよい。
HVECU110は、例えばアクセル開度センサ71からの要求アクセル開度、車輪速センサ79からの車速信号、エンジン回転速度センサ75からのエンジン回転速度信号等を入力するとともに、例えば図示しないスキッド制御ECUからの駆動力分割比(エンジン10からの走行駆動のための配分動力と発電機作動時のモータMG1またはMG2への配分動力との比率)の要求値を入力する。
そして、HVECU110は、要求出力に対応するハイブリッド駆動装置20のトータル出力値および駆動力分割比を設定するとともに、ハイブリッド駆動装置20に要求されるトータル出力値とエンジン10およびモータMG1、MG2の作動により発生するトータル出力値とのエネルギ収支を合わせるよう、エンジン10に要求されるパワー指令値やモータMG1、MG2に要求されるトルク指令値等を算出して、エンジンパワー指令値およびエンジン回転速度指令値をエンジンECU120に出力するとともに、MGトルク指令値をモータECU130に出力するようになっている。
エンジンECU120は、前記パワー指令値および各種センサ情報を基にエンジン10の出力を制御するための制御プログラムやマップを有している。このエンジンECUは、パワー指令値を入力すると、そのパワー指令値に対応するエンジン出力が得られるスロットル開度と、燃料噴射時間(燃料噴射量および噴射期間)および点火時期とを、マップおよび各種センサ情報を基に算出して、図示しない電子制御スロットル弁、インジェクタおよびイグニッションコイルに対して制御信号を出力するようになっている。
モータECU130は、インバータ回路131を介してモータMG1、MG2を制御するための制御プログラムを有しており、HVECU110からのトルク指令値に応じてインバータ回路131からモータMG1、MG2のステータMG1S、MG2Sに3相交流電力を供給させる。このモータECU130は、モータMG1、MG2の電動機としての出力トルクや回転速度あるいは発電機出力を、HVECU110からの指令値に応じて制御するようになっている。さらに、モータECU130は、モータMG1、MG2のいずれかによってエンジン10を始動させる場合に、その始動に必要な電力量を算出できるようになっている。
トランスミッション制御ECU140は、シフト位置、車速およびスロットル開度等に応じて、油圧制御装置54内の複数のリニアソレノイドバルブその他のバルブ(以下、単にソレノイドバルブ等という)を制御する信号を生成して、変速機構52の変速点制御を実行する。
トランスミッション制御ECU140は、また、変速機構52におけるクラッチトゥクラッチ変速時に、クラッチC1〜C3およびブレーキB1、B2の一部であってその変速時に掴み替えを行う係合側の摩擦係合要素(以下、単に係合側のクラッチという)および解放側の摩擦係合要素(以下、単に解放側のクラッチという)の伝達トルクを、対応するソレノイドバルブ等による供給油圧制御によって、制御できるようになっている。
例えば、トランスミッション制御ECU140は、制御ユニット100の他のECU110、120、130等と協働して、変速機構52の入力トルク(入力軸トルク)を推定し、その推定値に見合う伝達トルクになるよう解放側と締結側の摩擦係合要素の係合油圧を制御する。そして、トランスミッション制御ECU140は、変速機構52における変速ショックを抑制しつつ、ドライバからの加速要求等の操作入力に対する良好な応答性を確保すべく、係合側のクラッチと解放側のクラッチの切替えタイミングや伝達トルクのバランス等を制御する機能を有している。
具体的には、トランスミッション制御ECU140は、係合側のクラッチの油圧指令値については、例えば予めの適合時に定められた油圧指令パターンに従って、従来知られているフィードフォワード制御を主体として制御する(例えば、特開2004−340287号公報参照)。
一方、解放側のクラッチの油圧指令値については、トランスミッション制御ECU140は、例えば係合側の油圧指令値に基づいて係合側トルク容量を算出した後、予め設定し釣り合い運動方程式に従って係合側トルク容量および入力トルクを基に解放側トルク容量を算出し、その解放側トルク容量を解放側の油圧指令値に換算することで、リアルタイムの制御を実行するようになっている。
制御ユニット100は、そのような制御機能を発揮するために、HVECU110およびトランスミッション制御ECU140の機能の一部として、図3に機能ブロック図で示すような複数の機能部を有している。
すなわち、制御ユニット100は、アクセル操作情報入手部151、推定入力トルク算出部152、クラッチ伝達トルク適合値算出部153、変速指示入力判定部154、回転変化率指示値算出部155、クラッチ伝達トルク算出部156、パワー収支制限値算出部157、ガード処理部158、油圧値算出部159、ソレノイド制御出力部160、適合有無判定部161および回転変化率変更指示値算出部162を含んで構成されている。
アクセル操作情報入手部151は、アクセル開度センサ71の検出情報を基にアクセル開度Paccを検出する。このアクセル操作情報入手部151は、さらに、アクセル開度Paccの関数として算出可能な加速要求変化量f(Pacc)を入手するものであってもよい。
推定入力トルク算出部152は、アクセル操作情報入手部151からのアクセル開度Pacc等に基づいて、ハイブリッド駆動装置20のトータルの出力値に対応する変速機入力軸51の推定入力トルクTinおよび回転速度Nt1を算出するようになっている。この推定入力トルク算出部152での推定算出方法については、従来知られている各種の方法が採用できる。
クラッチ伝達トルク適合値算出部153は、推定入力トルクTinおよび回転速度Nt1に基づいて、油圧算出対象となっている解放側のクラッチCLbについて予め作成されたクラッチ伝達トルク適合値マップを参照し、変速機構52の入力トルクTinおよび入力回転速度Nt1に対応するクラッチ伝達トルクの適合値Ttbを算出する適合値算出部となっている。なお、クラッチ伝達トルク適合値マップは、クラッチトゥクラッチ変速に係る解放側のクラッチCLbについて、自動変速機50の適合作業時等に変速機構52の入力トルクTinおよび入力回転速度Nt1を変化させた各変速条件での実クラッチ伝達トルクの適合値をマップ化したものである。また、そのクラッチ伝達トルク適合値は、各変速条件での実クラッチ伝達トルクの許容限界値を特定可能な値(許容誤差と併用して許容限界値を特定可能な基準値、許容限界を示す上限値、下限値等)であり、クラッチ摩擦係数等を考慮して、変速ショックとして許容できない限界値を適合により探し出して設定している。
クラッチ伝達トルク適合値算出部153は、さらに、係合側のクラッチCLaに対して予めの適合作業時に定められた油圧指令パターンに従って、従来と同様なフィードフォワード制御を実行するフィードフォワード制御部の機能を併有し、係合側のクラッチCLaに対応するクラッチ伝達トルク指令値Ttaを出力するようになっている。
変速指示入力判定部154は、トランスミッション制御ECU140で変速指示信号が生成されたか(変速指示入力有りか)否かを判定する。
回転変化率指示値算出部155は、変速指示入力判定部154で変速指示入力有りと判定されたとき、その変速指示で指示される変速条件(変速パターン)に基づいて、エンジン10およびモータMG1、MG2の回転速度[rpm]の変化率の指示値Ke、Km1、Km2を算出するようになっている。ここにいう変化率とは、変速中の入力回転数の変化率である。変速後の入力軸回転数になった時点で変速が完了すると考えると、変速中の入力回転数の変化率を与えることで変速時間を設定でき、それにより、変速の進行度と出力軸回転数による変速毎の適合マップを用いる変速制御が可能になる。
クラッチ伝達トルク算出部156は、まず、回転変化率指示値算出部155からの回転変化率指示値Ke、Km1、Km2、推定入力トルク算出部152からの推定入力トルクTinおよび回転速度Nt1、前述の動力分割比率の要求値に対応するエンジン10のパワー指令値およびモータMG1、MG2のトルク指令値等の入力パラメータに基づいて、エンジン10に要求される出力トルクを算出する。
そして、クラッチ伝達トルク算出部156は、エンジン10に要求される出力トルクに基づき、変速機構52の入力トルクTin、係合側のクラッチ伝達トルクおよび解放側クラッチ伝達トルクの釣り合い関係を表す運動方程式に相当する数学モデルを用いて、解放側のクラッチのCLbの伝達トルクの推定値Tmbを算出するようになっている。すなわち、クラッチ伝達トルク算出部156は、数学モデル算出部となっている。
ここにいう運動方程式は、例えば変速後の変速ギヤ段(変速比)において釣り合う推定入力トルクTinと係合側のクラッチCLaのトルク容量T1とのトルク比をAとし、変速前の変速段において釣り合う推定入力トルクTinと解放側のクラッチCLbのトルク容量T2とのトルク比をBとするとき、実際の変速状態に基づいて適宜変更される補正項Cを用いて、次式(1)のように表すことができる(例えば、特開2004−340287号公報参照)。
Tin=A・T1+B・T2+C ・・・(1)
なお、ここでのトルク容量T1、T2は、対応する摩擦係合要素であるクラッチCLa、CLbがそれぞれの係合時に伝達できる最大のトルクを意味する。
クラッチ伝達トルク算出部156は、あるいは、ハイブリッド駆動装置20からの推定入力トルクTin、変速機入力軸51の角加速度、自動変速機50の各回転要素の慣性モーメント等を考慮した他の運動方程式を用いて、クラッチ伝達トルクを算出するものであってもよい(例えば、特開2007−270924号公報参照)。
パワー収支制限値算出部157は、ハイブリッド駆動装置20に要求されるトータル出力値とエンジン10およびモータMG1、MG2の作動により発生するトータル出力値とのエネルギ収支を合わせるように各原動機出力を制限するためのトルク制限値を設定する。このトルク制限値は、クラッチ伝達トルク算出部156に入力され、例えば前述の補正項Cがトルク制限値に応じて変更される。
ガード処理部158は、解放側のクラッチCLbについて、クラッチ伝達トルク算出部156で算出されたクラッチ伝達トルクTmbを入力するとともに、クラッチ伝達トルク適合値算出部153でクラッチ伝達トルク適合値マップから抽出されたクラッチ伝達トルク適合値Ttbを入力する。そして、ガード処理部158は、クラッチ伝達トルク算出部156で数学モデルにより算出されたクラッチ伝達トルクの推定値Tmbを、クラッチ伝達トルク適合値算出部153から取り込んだ実クラッチ伝達トルクの許容限界値に相当するクラッチ伝達トルク適合値Ttbで、ガード処理するようになっている。
ここにいうガード処理は、クラッチ伝達トルク算出部156で数学モデルにより算出されたクラッチ伝達トルクの推定値Tmbが、クラッチ伝達トルク適合値算出部153から取り込んだ対応する実クラッチ伝達トルクの許容限界値Ttbを超える場合に、その値をクラッチ伝達トルク適合値Ttbに制限する処理であり、例えばトルク(例えば駆動方向を正とするときにはトルクの絶対値)の最小値に制限するMin調停処理として実行することができる。
油圧値算出部159は、クラッチ伝達トルク適合値算出部153から取り込んだ係合側のクラッチ伝達トルク指令値Ttaと、ガード処理部158でガード処理された後の要求される解放側のクラッチ伝達トルクTcbと、係合側のクラッチCLaおよび解放側のクラッチCLbのそれぞれの摩擦プレートの面積や枚数、復帰ばね力、有効半径および摩擦係数等とに基づいて、要求されるクラッチ伝達トルクに対応するクラッチCLa、CLbへの制御油圧値Pca、Pcbを算出するようになっている。
ソレノイド制御出力部160は、油圧値算出部159で算出された制御油圧値Pca、Pcbとライン油圧値等に基づいて、係合側のクラッチCLaおよび解放側のクラッチCLbに対応するソレノイドバルブ等を制御する制御信号、例えばリニアソレノイドバルブSva、Svbを制御するデューティ制御信号を出力して、係合側のクラッチCLaおよび解放側のクラッチCLbのクラッチ伝達トルクを要求される値に制御する。
適合有無判定部161は、ガード処理部158においてクラッチ伝達トルク適合値を選択するガード処理がなされたか否かを判定する。
回転変化率変更指示値算出部162は、適合有無判定部161からガード処理部がなされたことを示す判定結果が入力されたとき、そのガード処理によるクラッチ伝達トルクの修正分に対応するエンジン10およびモータMG1、MG2の回転速度変化率指示値の修正量を、修正係数に相当する回転変化率変更指示値として算出し、回転変化率指示値算出部155にフィードバックするようになっている。この算出は、例えばクラッチ伝達トルクの算出に用いた演算式の逆演算等により可能である。
このように、制御ユニット100では、クラッチトゥクラッチ変速に際して制御ユニット100で要求される係合側および解放側のクラッチ伝達トルクが算出されるとき、クラッチ伝達トルク算出部156が、複数の入力パラメータTin、Nt1、Ke、Km1、Km2等の値に基づいて、数学モデルで出力パラメータTmbの値を算出する。また、クラッチ伝達トルク適合値算出部153が、入力パラメータのうち一部の特定の入力パラメータTin、Nt1の値に基づいて、出力パラメータの適合値であるクラッチ伝達トルク適合値Ttbを算出する。そして、ガード処理部158が、予めクラッチ伝達トルク算出部156で数学モデルを用いて算出した出力パラメータTmbを、その数学モデルでの算出に考慮されていない個別の要件(許容限界値までの変化を生じさせ得る特定の条件)を考慮したことになるクラッチ伝達トルク適合値Ttbを用いて、ガード処理する構成となっている。
次に、作用について説明する。
上述のように構成された本実施形態の自動変速機の制御装置においては、制御ユニット100でのハイブリッド駆動制御の制御周期毎に、アクセル開度センサ71からの要求アクセル開度Paccやその時点での車速その他の車両走行状態に関するセンサ情報を基に、エンジンパワー指令値やMGトルク指令値が生成され、ハイブリッド駆動装置20の出力が制御される。
また、本実施形態の制御ユニット100では、ハイブリッド駆動制御の制御周期に対応する所定の周期で、図3に概略の流れを示したようなクラッチ油圧制御が実行され、クラッチトゥクラッチ変速を要求する変速指示が発生すると、要求される変速時間内に変速指示に従った変速後の変速段が成立するように、係合側のクラッチCLaおよび解放側のクラッチCLbの作動油圧が前述のように制御される。
そして、クラッチ伝達トルク算出部156での数学モデルを用いた算出に考慮されない個別の何らかの要因によって、クラッチ伝達トルク算出部156で算出されたクラッチ伝達トルクの推定値Tmbの値が不適当な出力パラメータ値になったときには、ガード処理部158において、そのクラッチ伝達トルクの推定値Tmbが、クラッチ伝達トルク適合値算出部153で算出されたクラッチ伝達トルク適合値Ttbによってガード処理された上で、クラッチ伝達トルクTcbとして出力される。
したがって、クラッチ伝達トルク算出部156の数学モデルで考慮する要件を過度に増やすことなく、その数学モデルで考慮できない要因により変速時に考慮していない事象、例えば変速ショックが発生したりいわゆるヘジテイションが生じたりすることを有効に抑制することができる。
なお、変速指示入力判定部154で変速指示入力が無いと判定された場合や、適合有無判定部161で適合値を選択するガード処理が無かった(Tmb=Tcb)と判定された場合には、その判定部より下流側の部録での処理は実行されることなく、その回の処理が終了する。
このように、本実施形態では、クラッチトゥクラッチ変速に係るクラッチ作動油圧を制御するための出力パラメータを算出する数学モデルについて、考慮する要件(入力パラメータ)を過度に増やすことなく、数学モデルで考慮できない一部の特定の要因により変速時に考慮していない事象が生じてしまうことを有効に抑制できる構成の簡素な自動変速機の制御装置を提供することができる。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る自動変速機の制御装置の要部概略構成を示している。
なお、本実施形態は、自動変速機50の変速機構52や油圧制御装置54の構成が第1実施形態と同一であるが、クラッチトゥクラッチ変速時の油圧制御に係る制御ユニット200の構成の一部が第1実施形態とは相違するものである。したがって、第1実施形態と同一または類似する構成については、図1ないし図3に示した第1実施形態の対応する構成要素の符号を用いて、以下、特に第1実施形態との相違する点について説明する。
本実施形態では、ハイブリッド車両1が、走行駆動用のハイブリッド駆動装置20と、自動変速機50と、差動装置80と、ハイブリッド駆動装置20および自動変速機50を統合制御する制御ユニット200とを備えている。
そして、制御ユニット200は、クラッチトゥクラッチ変速時の油圧制御に係る制御機能を発揮すべく、HVECU110およびトランスミッション制御ECU140の機能の一部として、図4に機能ブロック図で示すような複数の機能ブロックを構成している。
具体的には、制御ユニット200は、アクセル操作情報入手部151、推定入力トルク算出部152、変速指示入力判定部154、回転変化率指示値算出部155、クラッチ伝達トルク算出部156、パワー収支制限値算出部157およびソレノイド制御出力部160を備えるとともに、油圧適合値算出部253、油圧値算出部258、ガード処理部259、適合有無判定部261および回転変化率変更指示値算出部262を含んで構成されている。
油圧適合値算出部253は、推定入力トルクTinおよび回転速度Nt1に基づいて、油圧算出対象となっている解放側のクラッチCLbについて予め作成された油圧適合値マップを参照し、変速機構52の入力トルクTinおよび入力回転速度Nt1に対応する油圧適合値Ptbを算出する適合値算出部となっている。なお、油圧適合値マップは、クラッチトゥクラッチ変速に係る解放側のクラッチCLbについて、自動変速機50の適合作業時等に変速機構52の入力トルクTinおよび入力回転速度Nt1を変化させた各変速条件での実クラッチ作動油圧または実ブレーキ作動油圧の適合値をマップ化したものである。また、その油圧適合値Ptbは、各変速条件での実クラッチ作動油圧の許容限界値を特定可能な値(許容誤差と併用して許容限界値を特定可能な基準値、許容限界を示す上限値および下限値等)である。
油圧適合値算出部253は、さらに、係合側のクラッチCLaに対して予めの適合作業時に定められた油圧指令パターンに従って、従来と同様なフィードフォワード制御を実行するフィードフォワード制御部の機能を併有し、そのフィードフォワード制御部で得られるクラッチ伝達トルクに対しトルク・油圧変換処理を行って、係合側のクラッチCLaに対応する油圧指令値Ptaを出力するようになっている。
油圧値算出部258は、クラッチ伝達トルク算出部156で算出された解放側のクラッチ伝達トルクの推定値Tmbと、解放側のクラッチCLbの摩擦プレートの面積や枚数、復帰ばね力、有効半径および摩擦係数等とに基づいて、クラッチ伝達トルクの推定値Tmbに対応する解放側のクラッチCLbの制御油圧推定値Pmbを算出するようになっている。
ガード処理部259は、解放側のクラッチCLbについてモデル算出されたクラッチ伝達トルク推定値Tmbから油圧値算出部258によりトルク・油圧変換された制御油圧推定値Pmbを入力するとともに、油圧適合値算出部253により油圧適合値マップから抽出された油圧適合値Ptbを入力する。そして、ガード処理部259は、数学モデル算出結果に対応する油圧値算出部258からの制御油圧推定値Pmbを、油圧適合値算出部253から取り込んだ実クラッチ作動油圧(または実ブレーキ作動油圧)の許容限界値に相当する油圧適合値Ptbで、ガード処理するようになっている。
ここでのガード処理は、クラッチ伝達トルク算出部156で数学モデルにより算出された後に油圧算出部258でトルク・油圧変換された制御油圧値(推定値)Pmbが、油圧適合値算出部253から取り込んだ対応する実クラッチ作動油圧の許容限界値(適合値)Ptbを超える場合に、その油圧値を適合値Ptbに制限した油圧値Pcbを算出する処理である。勿論、そのガード処理は、第1実施形態の場合と同様に、油圧値の最小値を選択してその油圧値に制限するMin調停処理として実行することができる。
適合有無判定部261は、ガード処理部259において油圧適合値を選択するガード処理がなされたか否かを判定する。
回転変化率変更指示値算出部262は、適合有無判定部261からガード処理部がなされたことを示す判定結果が入力されたとき、そのガード処理によるクラッチ伝達トルクの修正分に対応するエンジン10およびモータMG1、MG2の回転速度変化率指示値の修正量を、修正係数に相当する回転変化率変更指示値として算出し、回転変化率指示値算出部155にフィードバックするようになっている。
このように、制御ユニット200では、クラッチトゥクラッチ変速に際して制御ユニット200で要求される係合側および解放側のクラッチCLa、CLbの作動油圧が算出されるとき、クラッチ伝達トルク算出部156が、複数の入力パラメータTin、Nt1、Ke、Km1、Km2等の値に基づいて数学モデルで出力パラメータTmbの値を算出する。そして、油圧算出部258が、その出力パラメータTmbの値を制御油圧値の推定値Pmbにトルク・油圧変換する。
さらに、油圧適合値算出部253が、入力パラメータのうち一部の特定の入力パラメータTin、Nt1の値に基づいて、出力パラメータの適合値である油圧適合値Ptbを算出する。そして、ガード処理部259が、予めクラッチ伝達トルク算出部156で数学モデルを用いて推定算出した後、トルク・油圧変換した油圧値(出力パラメータ)Pmbを、その数学モデルでの算出に考慮されていない個別の要件(許容限界値までの変化を生じさせ得る特定の条件)を考慮したことになる油圧適合値Ptbを用いて、ガード処理する構成となっている。
本実施形態においても、前述の第1実施形態と同様に、クラッチトゥクラッチ変速に係るクラッチ作動油圧を制御するための出力パラメータを算出する数学モデルについて、考慮する要件(入力パラメータ)を過度に増やすことなく、数学モデルで考慮できない一部の特定の要因により変速時に考慮していない事象が生じてしまうことを有効に抑制できる構成の簡素な自動変速機の制御装置を提供することができる。
なお、上述の各実施形態に係る自動変速機の制御装置おいては、クラッチトゥクラッチ変速に係る係合側のクラッチCLaおよび解放側のクラッチCLbをそれぞれ1つずつとしていたが、係合側のクラッチCLaや解放側のクラッチCLbは、いずれも2つ以上の摩擦係合要素であってもよい。また、係合側のクラッチCLaや解放側のクラッチCLbがブレーキであってもよいことは前述の通りである。
また、前述の第1、第2実施形態のように、クラッチ伝達トルクを決定する出力パラメータは、数学モデルを用いて算出する値そのものであるクラッチ伝達トルク推定値Tmbであってもよいし、それをトルク・油圧変換したクラッチ作動油圧推定値Pmbであってもよい。
さらに、クラッチ伝達トルク適合値Ttbや油圧適合値Ptbは、個々の自動変速機50ごとの変速機構52の部品のばらつきや油圧制御装置54の部品のばらつき等の影響を含み得るが、それらを考慮した上で適合調整される段階で設定されるので、本発明にいう数学モデルによる出力パラメータの算出に考慮されていない要件を考慮した出力パラメータとなっていることはいうまでもない。
以上説明したように、本発明は、数学モデルで考慮する要件を過度に増やすことなく、数学モデルで考慮できない要因により変速時に考慮していない事象が生じてしまうのを有効に抑制できる自動変速機の制御装置を提供することができる。このような本発明は、クラッチトゥクラッチ変速を行う自動変速機の制御装置全般に有用である。
1…ハイブリッド車両(車両)、10…エンジン(内燃機関,原動機)、20…ハイブリッド駆動装置(駆動力源)、50…自動変速機、51…変速機入力軸、52…変速機構、54…油圧制御装置、71…アクセル開度センサ、75…エンジン回転速度センサ(クランク角センサ)、77…シフト位置センサ、78A…回転速度センサ(入力回転速度センサ)、78B…回転速度センサ(出力回転速度センサ)、79…車輪速センサ(車速センサ)、100…制御ユニット、110…HVECU、120…エンジンECU、130…モータECU、140…トランスミッション制御ECU、151…アクセル操作情報入手部、152…推定入力トルク算出部、153…クラッチ伝達トルク適合値算出部(適合値算出部)、154…変速指示入力判定部、155…回転変化率指示値算出部、156…クラッチ伝達トルク算出部(数学モデル算出部)、157…パワー収支制限値算出部、158…ガード処理部、159…油圧値算出部、160…ソレノイド制御出力部、161…適合有無判定部、162…回転変化率変更指示値算出部、200…制御ユニット、253…油圧適合値算出部(適合値算出部)、258…油圧値算出部、259…ガード処理部、261…適合有無判定部、262…回転変化率変更指示値算出部、CLa…係合側のクラッチ(係合側の摩擦係合要素)、CLb…解放側のクラッチ(解放側の摩擦係合要素)、Ke,Km1,Km2…回転変化率指示値(入力パラメータ)、MG1,MG2…モータ(モータジェネレータ)、Nt1…回転速度(入力回転速度,入力パラメータ)、Nt2…回転速度(出力回転速度)、Pca,Pcb…制御油圧値、Pmb…制御油圧推定値(出力パラメータ)、Ptb…油圧適合値(適合値)、Tin…推定入力トルク(入力パラメータ)、Tmb…クラッチ伝達トルクの推定値(出力パラメータ)、Ttb…クラッチ伝達トルク適合値

Claims (1)

  1. クラッチトゥクラッチ変速を行う自動変速機の制御装置であって、
    クラッチ伝達トルクを決定する出力パラメータを、数学モデルを用いて算出する数学モデル算出部と、
    前記出力パラメータを、前記数学モデルによる前記出力パラメータの算出に考慮されていない要件を考慮した適合値に基づいて算出する適合値算出部と、を備え、
    前記数学モデル算出部が、複数の入力パラメータの値に基づいて前記出力パラメータの値を算出し、
    前記適合値算出部が、前記複数の入力パラメータのうち一部の特定の入力パラメータの値に基づいて前記出力パラメータの適合値を算出し、
    前記数学モデル算出部によって算出された前記出力パラメータの値に対して、前記適合値算出部によって算出された前記出力パラメータの適合値を用いてガード処理がされることを特徴とする自動変速機の制御装置。
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