JPH08177541A - エンジントルク制御装置 - Google Patents
エンジントルク制御装置Info
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- JPH08177541A JPH08177541A JP32633894A JP32633894A JPH08177541A JP H08177541 A JPH08177541 A JP H08177541A JP 32633894 A JP32633894 A JP 32633894A JP 32633894 A JP32633894 A JP 32633894A JP H08177541 A JPH08177541 A JP H08177541A
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- Japan
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- engine torque
- engine
- amount
- continuously variable
- variable transmission
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- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Control Of Transmission Device (AREA)
- Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 加速後の無段変速機のダウンシフトによるエ
ンジントルクの落ち込みを防止して、エンジントルクを
単調増加させる。 【構成】 加速に伴うダウンシフト要求を検出して(S
5,S6)、ダウンシフトによる将来の変速比変化速度
から将来のエンジントルク低下量δT0 を予測する(S
7,S8)。そして、加速検出から変速開始までの間、
将来のエンジントルク低下量δT0 分、点火時期を遅角
することにより、エンジントルクを減少させる(S9,
S10,S14)。変速開始後は、実変速比変化量ΔRに依
存させつつ点火時期の遅角を止める(S11〜S14)。
ンジントルクの落ち込みを防止して、エンジントルクを
単調増加させる。 【構成】 加速に伴うダウンシフト要求を検出して(S
5,S6)、ダウンシフトによる将来の変速比変化速度
から将来のエンジントルク低下量δT0 を予測する(S
7,S8)。そして、加速検出から変速開始までの間、
将来のエンジントルク低下量δT0 分、点火時期を遅角
することにより、エンジントルクを減少させる(S9,
S10,S14)。変速開始後は、実変速比変化量ΔRに依
存させつつ点火時期の遅角を止める(S11〜S14)。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無段変速機(CVT)
を備える車両のエンジントルク制御装置に関する。
を備える車両のエンジントルク制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用エンジンは、人為的操作によるエ
ンジントルク制御手段、より具体的にはアクセルに連動
して操作されるスロットル弁を備え、これによりエンジ
ントルク増加命令(加速)又はエンジントルク減少命令
(減速)がなされる。一方、無段変速機では、一般に車
速とスロットル開度とに応じて、変速比が自動的に制御
される(特開昭58−203259号公報等参照)。
ンジントルク制御手段、より具体的にはアクセルに連動
して操作されるスロットル弁を備え、これによりエンジ
ントルク増加命令(加速)又はエンジントルク減少命令
(減速)がなされる。一方、無段変速機では、一般に車
速とスロットル開度とに応じて、変速比が自動的に制御
される(特開昭58−203259号公報等参照)。
【0003】従って、加速時には、スロットル弁が開く
ことにより、エンジントルクが上昇すると共に、これよ
りやや遅れて無段変速機がシフトスケジュールに従って
ダウンシフトする。また、減速時には、スロットル弁が
閉じることにより、エンジントルクが低下すると共に、
これよりやや遅れて無段変速機がシフトスケジュールに
従ってアップシフトする。
ことにより、エンジントルクが上昇すると共に、これよ
りやや遅れて無段変速機がシフトスケジュールに従って
ダウンシフトする。また、減速時には、スロットル弁が
閉じることにより、エンジントルクが低下すると共に、
これよりやや遅れて無段変速機がシフトスケジュールに
従ってアップシフトする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな無段変速機を備える車両用エンジンにおいては、加
速後のダウンシフト時、又は減速後のアップシフト時
に、それぞれ、次のような問題現象があった。 〔加速後のダウンシフト時の問題現象〕図12の(1)を
参照し、変速比が一定の場合、スロットル開度の増加に
よりエンジントルクは増加する。
うな無段変速機を備える車両用エンジンにおいては、加
速後のダウンシフト時、又は減速後のアップシフト時
に、それぞれ、次のような問題現象があった。 〔加速後のダウンシフト時の問題現象〕図12の(1)を
参照し、変速比が一定の場合、スロットル開度の増加に
よりエンジントルクは増加する。
【0005】図12の(2)を参照し、スロットル開度が
一定の場合、ダウンシフト(変速比の増大)により、エ
ンジン回転が上昇し、これによりエンジンイナーシャの
加速分(Ip×dω/dt)だけトルクが吸収されて、
エンジントルクは減少する。いわゆるダウンシフトに伴
う「引き」である。従って、実際の加速によりダウンシ
フトを生じるときは、図12の(1),(2)が同時に発
生し、振動系を考慮しなければ、図12の(3)に示すよ
うなエンジントルク波形となる。すなわち、スロットル
開度の増加によりエンジントルクが大きく上昇した後、
ダウンシフトによりエンジントルクの落ち込みを生じ
る。
一定の場合、ダウンシフト(変速比の増大)により、エ
ンジン回転が上昇し、これによりエンジンイナーシャの
加速分(Ip×dω/dt)だけトルクが吸収されて、
エンジントルクは減少する。いわゆるダウンシフトに伴
う「引き」である。従って、実際の加速によりダウンシ
フトを生じるときは、図12の(1),(2)が同時に発
生し、振動系を考慮しなければ、図12の(3)に示すよ
うなエンジントルク波形となる。すなわち、スロットル
開度の増加によりエンジントルクが大きく上昇した後、
ダウンシフトによりエンジントルクの落ち込みを生じ
る。
【0006】しかし、運転性からすると、エンジントル
クはスロットル操作に忠実であるべきであり、エンジン
トルクは単調増加することが望ましい。 〔減速後のアップシフト時の問題現象〕図13の(1)を
参照し、変速比が一定の場合、スロットル開度の減少に
よりエンジントルクは減少する。
クはスロットル操作に忠実であるべきであり、エンジン
トルクは単調増加することが望ましい。 〔減速後のアップシフト時の問題現象〕図13の(1)を
参照し、変速比が一定の場合、スロットル開度の減少に
よりエンジントルクは減少する。
【0007】図13の(2)を参照し、スロットル開度が
一定の場合、アップシフト(変速比の減少)により、エ
ンジン回転が低下し、これによりエンジンイナーシャの
加速分だけトルクが出力されて、エンジントルクは増加
する。従って、実際の減速によりアップシフトを生じる
ときは、図13の(1),(2)が同時に発生し、振動系
を考慮しなければ、図13の(3)に示すようなエンジン
トルク波形となる。すなわち、スロットル開度の減少に
よりエンジントルクが大きく低下した後、アップシフト
によりエンジントルクの戻りを生じる。
一定の場合、アップシフト(変速比の減少)により、エ
ンジン回転が低下し、これによりエンジンイナーシャの
加速分だけトルクが出力されて、エンジントルクは増加
する。従って、実際の減速によりアップシフトを生じる
ときは、図13の(1),(2)が同時に発生し、振動系
を考慮しなければ、図13の(3)に示すようなエンジン
トルク波形となる。すなわち、スロットル開度の減少に
よりエンジントルクが大きく低下した後、アップシフト
によりエンジントルクの戻りを生じる。
【0008】しかし、運転性からすると、エンジントル
クはスロットル操作に忠実であるべきであり、エンジン
トルクは単調減少することが望ましい。本発明は、上記
の加速後のダウンシフト時の問題現象を解決し、エンジ
ントルクを単調増加させて、運転性の向上を図ることを
第1の目的とする。また、上記の減速後のアップシフト
時の問題現象を解決し、エンジントルクを単調減少させ
て、運転性の向上を図ることを第2の目的とする。
クはスロットル操作に忠実であるべきであり、エンジン
トルクは単調減少することが望ましい。本発明は、上記
の加速後のダウンシフト時の問題現象を解決し、エンジ
ントルクを単調増加させて、運転性の向上を図ることを
第1の目的とする。また、上記の減速後のアップシフト
時の問題現象を解決し、エンジントルクを単調減少させ
て、運転性の向上を図ることを第2の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本発明では、
人為的操作によるエンジントルク制御手段を備えると共
に、出力側に少なくとも前記人為的操作量に応じて変速
比が制御される無段変速機を備える車両用エンジンを前
提として、下記の手段により、エンジントルク制御装置
を構成する。
人為的操作によるエンジントルク制御手段を備えると共
に、出力側に少なくとも前記人為的操作量に応じて変速
比が制御される無段変速機を備える車両用エンジンを前
提として、下記の手段により、エンジントルク制御装置
を構成する。
【0010】請求項1に係る発明では、上記第1の目的
を達成するため、図1の(1)に示すように、人為的操
作によるエンジントルク増加命令に伴う無段変速機に対
するダウンシフト要求を検出するダウンシフト要求検出
手段と、無段変速機のダウンシフトによるエンジントル
ク低下量を予測するエンジントルク低下量予測手段と、
前記エンジントルク増加命令からダウンシフト開始まで
の間、前記予測したエンジントルク低下量分、前記エン
ジントルク制御手段とは別の制御で、エンジントルクを
減少させるエンジントルク減少手段とを設けて、エンジ
ントルク制御装置を構成する。
を達成するため、図1の(1)に示すように、人為的操
作によるエンジントルク増加命令に伴う無段変速機に対
するダウンシフト要求を検出するダウンシフト要求検出
手段と、無段変速機のダウンシフトによるエンジントル
ク低下量を予測するエンジントルク低下量予測手段と、
前記エンジントルク増加命令からダウンシフト開始まで
の間、前記予測したエンジントルク低下量分、前記エン
ジントルク制御手段とは別の制御で、エンジントルクを
減少させるエンジントルク減少手段とを設けて、エンジ
ントルク制御装置を構成する。
【0011】また、請求項2に係る発明では、同じく上
記第1の目的を達成するため、図1の(2)に示すよう
に、人為的操作によるエンジントルク増加命令に伴う無
段変速機に対するダウンシフト要求を検出するダウンシ
フト要求検出手段と、無段変速機のダウンシフト中に、
ダウンシフトによるエンジントルク低下量を算出するエ
ンジントルク低下量算出手段と、無段変速機のダウンシ
フト中に、前記算出したエンジントルク低下量分、前記
エンジントルク制御手段とは別の制御で、エンジントル
クを増加させるエンジントルク増加手段とを設けて、エ
ンジントルク制御装置を構成する。
記第1の目的を達成するため、図1の(2)に示すよう
に、人為的操作によるエンジントルク増加命令に伴う無
段変速機に対するダウンシフト要求を検出するダウンシ
フト要求検出手段と、無段変速機のダウンシフト中に、
ダウンシフトによるエンジントルク低下量を算出するエ
ンジントルク低下量算出手段と、無段変速機のダウンシ
フト中に、前記算出したエンジントルク低下量分、前記
エンジントルク制御手段とは別の制御で、エンジントル
クを増加させるエンジントルク増加手段とを設けて、エ
ンジントルク制御装置を構成する。
【0012】請求項3に係る発明では、上記第2の目的
を達成するため、図1の(3)に示すように、人為的操
作によるエンジントルク減少命令に伴う無段変速機に対
するアップシフト要求を検出するアップシフト要求検出
手段と、無段変速機のアップシフトによるエンジントル
ク増加量を予測するエンジントルク増加量予測手段と、
前記エンジントルク減少命令からアップシフト開始まで
の間、前記予測したエンジントルク増加量分、前記エン
ジントルク制御手段とは別の制御で、エンジントルクを
増加させるエンジントルク増加手段とを設けて、エンジ
ントルク制御装置を構成する。
を達成するため、図1の(3)に示すように、人為的操
作によるエンジントルク減少命令に伴う無段変速機に対
するアップシフト要求を検出するアップシフト要求検出
手段と、無段変速機のアップシフトによるエンジントル
ク増加量を予測するエンジントルク増加量予測手段と、
前記エンジントルク減少命令からアップシフト開始まで
の間、前記予測したエンジントルク増加量分、前記エン
ジントルク制御手段とは別の制御で、エンジントルクを
増加させるエンジントルク増加手段とを設けて、エンジ
ントルク制御装置を構成する。
【0013】また、請求項4に係る発明では、同じく上
記第2の目的を達成するため、図1の(4)に示すよう
に、人為的操作によるエンジントルク減少命令に伴う無
段変速機に対するアップシフト要求を検出するアップシ
フト要求検出手段と、無段変速機のアップシフト中に、
アップシフトによるエンジントルク増加量を算出するエ
ンジントルク増加量算出手段と、無段変速機のアップシ
フト中に、前記算出したエンジントルク増加量分、前記
エンジントルク制御手段とは別の制御で、エンジントル
クを減少させるエンジントルク減少手段とを設けて、エ
ンジントルク制御装置を構成する。
記第2の目的を達成するため、図1の(4)に示すよう
に、人為的操作によるエンジントルク減少命令に伴う無
段変速機に対するアップシフト要求を検出するアップシ
フト要求検出手段と、無段変速機のアップシフト中に、
アップシフトによるエンジントルク増加量を算出するエ
ンジントルク増加量算出手段と、無段変速機のアップシ
フト中に、前記算出したエンジントルク増加量分、前記
エンジントルク制御手段とは別の制御で、エンジントル
クを減少させるエンジントルク減少手段とを設けて、エ
ンジントルク制御装置を構成する。
【0014】尚、請求項1又は請求項4に係る発明での
エンジントルク減少手段は、エンジンに対する点火時期
を遅角する手段により構成することができる。また、請
求項2又は請求項3に係る発明でのエンジントルク増加
手段は、エンジンに対する空気供給量を増加させる手段
により構成することができる。
エンジントルク減少手段は、エンジンに対する点火時期
を遅角する手段により構成することができる。また、請
求項2又は請求項3に係る発明でのエンジントルク増加
手段は、エンジンに対する空気供給量を増加させる手段
により構成することができる。
【0015】
【作用】請求項1に係る発明では、エンジントルク増加
命令(加速)に伴う無段変速機に対するダウンシフト要
求を検出すると、無段変速機のダウンシフトによる将来
のエンジントルク低下量を予測し、エンジントルク増加
命令からダウンシフト開始までの間、前記予測したエン
ジントルク低下量分、エンジンに対する点火時期を遅角
するなどして、エンジントルクを減少させる。かかるエ
ンジントルクの減少はダウンシフト開始まで行い、ダウ
ンシフト後はエンジントルクの減少を停止させる。従っ
て、ダウンシフトにより本来のエンジントルクが減少し
ても、エンジントルクの落ち込みを生じることはなく、
エンジントルクを単調増加させることができる。
命令(加速)に伴う無段変速機に対するダウンシフト要
求を検出すると、無段変速機のダウンシフトによる将来
のエンジントルク低下量を予測し、エンジントルク増加
命令からダウンシフト開始までの間、前記予測したエン
ジントルク低下量分、エンジンに対する点火時期を遅角
するなどして、エンジントルクを減少させる。かかるエ
ンジントルクの減少はダウンシフト開始まで行い、ダウ
ンシフト後はエンジントルクの減少を停止させる。従っ
て、ダウンシフトにより本来のエンジントルクが減少し
ても、エンジントルクの落ち込みを生じることはなく、
エンジントルクを単調増加させることができる。
【0016】また、請求項2に係る発明では、エンジン
トルク増加命令(加速)に伴う無段変速機に対するダウ
ンシフト要求を検出すると、無段変速機のダウンシフト
中に、ダウンシフトによる実際のエンジントルク低下量
を算出し、無段変速機のダウンシフト中に、前記算出し
たエンジントルク低下量分、エンジンに対する空気供給
量を増加させるなどして、エンジントルクを増加させ
る。従って、ダウンシフトにより本来のエンジントルク
が減少しても、その分エンジントルクを増加させるの
で、エンジントルクの落ち込みを生じることはなく、エ
ンジントルクを単調増加させることができる。
トルク増加命令(加速)に伴う無段変速機に対するダウ
ンシフト要求を検出すると、無段変速機のダウンシフト
中に、ダウンシフトによる実際のエンジントルク低下量
を算出し、無段変速機のダウンシフト中に、前記算出し
たエンジントルク低下量分、エンジンに対する空気供給
量を増加させるなどして、エンジントルクを増加させ
る。従って、ダウンシフトにより本来のエンジントルク
が減少しても、その分エンジントルクを増加させるの
で、エンジントルクの落ち込みを生じることはなく、エ
ンジントルクを単調増加させることができる。
【0017】請求項3に係る発明では、エンジントルク
減少命令(減速)に伴う無段変速機に対するアップシフ
ト要求を検出すると、無段変速機のアップシフトによる
将来のエンジントルク増加量を予測し、エンジントルク
減少命令からアップシフト開始までの間、前記予測した
エンジントルク増加量分、エンジンに対する空気供給量
を増加させるなどして、エンジントルクを増加させる。
かかるエンジントルクの増加はアップシフト開始まで行
い、アップシフト後はエンジントルクの増加を停止させ
る。従って、アップシフトにより本来のエンジントルク
が増加しても、エンジントルクの戻りを生じることはな
く、エンジントルクを単調減少させることができる。
減少命令(減速)に伴う無段変速機に対するアップシフ
ト要求を検出すると、無段変速機のアップシフトによる
将来のエンジントルク増加量を予測し、エンジントルク
減少命令からアップシフト開始までの間、前記予測した
エンジントルク増加量分、エンジンに対する空気供給量
を増加させるなどして、エンジントルクを増加させる。
かかるエンジントルクの増加はアップシフト開始まで行
い、アップシフト後はエンジントルクの増加を停止させ
る。従って、アップシフトにより本来のエンジントルク
が増加しても、エンジントルクの戻りを生じることはな
く、エンジントルクを単調減少させることができる。
【0018】また、請求項4に係る発明では、エンジン
トルク減少命令(減速)に伴う無段変速機に対するアッ
プシフト要求を検出すると、無段変速機のアップシフト
中に、アップシフトによる実際のエンジントルク増加量
を算出し、無段変速機のアップシフト中に、前記算出し
たエンジントルク増加量分、エンジンに対する点火時期
を遅角するなどして、エンジントルクを減少させる。従
って、アップシフトにより本来のエンジントルクが増加
しても、その分エンジントルクを減少させるので、エン
ジントルクの戻りを生じることはなく、エンジントルク
を単調減少させることができる。
トルク減少命令(減速)に伴う無段変速機に対するアッ
プシフト要求を検出すると、無段変速機のアップシフト
中に、アップシフトによる実際のエンジントルク増加量
を算出し、無段変速機のアップシフト中に、前記算出し
たエンジントルク増加量分、エンジンに対する点火時期
を遅角するなどして、エンジントルクを減少させる。従
って、アップシフトにより本来のエンジントルクが増加
しても、その分エンジントルクを減少させるので、エン
ジントルクの戻りを生じることはなく、エンジントルク
を単調減少させることができる。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。図2はシ
ステム構成を示している。エンジン1の吸気通路2には
アクセルに連動するスロットル弁3が設けられ、これに
より吸入空気流量が制御される。このスロットル弁3が
人為的操作によるエンジントルク制御手段に相当する。
ステム構成を示している。エンジン1の吸気通路2には
アクセルに連動するスロットル弁3が設けられ、これに
より吸入空気流量が制御される。このスロットル弁3が
人為的操作によるエンジントルク制御手段に相当する。
【0020】また、スロットル弁3をバイパスして補助
空気通路4が設けられ、この補助空気通路4には主にア
イドル回転数制御用に電磁式の補助空気制御弁5が設け
られている。補助空気制御弁5はエンジンコントロール
ユニット8からのデューティ信号により開度が制御され
るようになっている。吸気通路2のスロットル弁3下流
における各気筒への吸気マニホールド・ブランチ部には
それぞれ電磁式の燃料噴射弁6が設けられている。燃料
噴射弁6はエンジンコントロールユニット8からのエン
ジン回転に同期して所定のタイミングで出力される駆動
パルス信号により通電されて開弁し、所定圧力に調整さ
れた燃料を噴射する。従って、駆動パルス信号のパルス
幅により燃料噴射量が制御されるようになっている。
空気通路4が設けられ、この補助空気通路4には主にア
イドル回転数制御用に電磁式の補助空気制御弁5が設け
られている。補助空気制御弁5はエンジンコントロール
ユニット8からのデューティ信号により開度が制御され
るようになっている。吸気通路2のスロットル弁3下流
における各気筒への吸気マニホールド・ブランチ部には
それぞれ電磁式の燃料噴射弁6が設けられている。燃料
噴射弁6はエンジンコントロールユニット8からのエン
ジン回転に同期して所定のタイミングで出力される駆動
パルス信号により通電されて開弁し、所定圧力に調整さ
れた燃料を噴射する。従って、駆動パルス信号のパルス
幅により燃料噴射量が制御されるようになっている。
【0021】エンジンの各気筒にはそれぞれ点火ユニッ
ト7が設けられ、これらの点火ユニット7はエンジンコ
ントロールユニット8からの点火信号により点火動作す
るようになっている。燃料噴射弁6、点火ユニット7及
び補助空気制御弁5の制御のため、エンジンコントロー
ルユニット8には、吸入空気流量Qaを検出するエアフ
ローメータ9、エンジン回転数Neを検出するエンジン
回転数センサ10などから、それぞれ検出信号が入力され
ている。
ト7が設けられ、これらの点火ユニット7はエンジンコ
ントロールユニット8からの点火信号により点火動作す
るようになっている。燃料噴射弁6、点火ユニット7及
び補助空気制御弁5の制御のため、エンジンコントロー
ルユニット8には、吸入空気流量Qaを検出するエアフ
ローメータ9、エンジン回転数Neを検出するエンジン
回転数センサ10などから、それぞれ検出信号が入力され
ている。
【0022】一方、エンジン1の出力側には、ロックア
ップクラッチ付きのトルクコンバータ11を介して、無段
変速機(CVT)12が装備されている。無段変速機12
は、図3に示すように、エンジン側のプライマリプーリ
13と、駆動軸(デフ)側のセカンダリプーリ14と、これ
らの間に巻掛けられたベルト15とを備え、プライマリプ
ーリ側アクチュエータ13aへの変速圧、及びセカンダリ
プーリ側アクチュエータ14aへのライン圧の調整によ
り、プーリ比を変化させて、変速比を無段階に変化させ
ることができるものである。但し、トロイダル式等の他
のCVTを用いてもよい。
ップクラッチ付きのトルクコンバータ11を介して、無段
変速機(CVT)12が装備されている。無段変速機12
は、図3に示すように、エンジン側のプライマリプーリ
13と、駆動軸(デフ)側のセカンダリプーリ14と、これ
らの間に巻掛けられたベルト15とを備え、プライマリプ
ーリ側アクチュエータ13aへの変速圧、及びセカンダリ
プーリ側アクチュエータ14aへのライン圧の調整によ
り、プーリ比を変化させて、変速比を無段階に変化させ
ることができるものである。但し、トロイダル式等の他
のCVTを用いてもよい。
【0023】変速圧及びライン圧は、オイルポンプ16に
つながる油圧回路17の油圧をリリーフ機能を有する電磁
弁18,19により制御して調圧しており、電磁弁18,19は
A/Tコントロールユニット20により制御される。従っ
て、A/Tコントロールユニット20により、電磁弁18,
19を制御して、変速圧及びライン圧を制御することによ
り、変速比を制御することができる。
つながる油圧回路17の油圧をリリーフ機能を有する電磁
弁18,19により制御して調圧しており、電磁弁18,19は
A/Tコントロールユニット20により制御される。従っ
て、A/Tコントロールユニット20により、電磁弁18,
19を制御して、変速圧及びライン圧を制御することによ
り、変速比を制御することができる。
【0024】変速比の制御のため、A/Tコントロール
ユニット20には、車速VSPを検出する車速センサ21、
スロットル開度TVOを検出するスロットルセンサ22な
どから、それぞれ検出信号が入力されている。A/Tコ
ントロールユニット20は、これらの信号に基づいて、目
標変速比Rtを設定し、この目標変速比Rtを得るよう
に電磁弁18,19を制御して変速制御を行う。A/Tコン
トロールユニット20は、この他、トルクコンバータ11の
ロックアップクラッチの締結・解放をも制御する。
ユニット20には、車速VSPを検出する車速センサ21、
スロットル開度TVOを検出するスロットルセンサ22な
どから、それぞれ検出信号が入力されている。A/Tコ
ントロールユニット20は、これらの信号に基づいて、目
標変速比Rtを設定し、この目標変速比Rtを得るよう
に電磁弁18,19を制御して変速制御を行う。A/Tコン
トロールユニット20は、この他、トルクコンバータ11の
ロックアップクラッチの締結・解放をも制御する。
【0025】また、エンジンコントロールユニット8と
A/Tコントロールユニット20とは通信線23により接続
されており、特に、エンジンコントロールユニット8か
らA/Tコントロールユニット20へエンジン回転数Ne
等の検出データを送信可能であると共に、A/Tコント
ロールユニット20からエンジンコントロールユニット8
へエンジントルク減少要求(点火時期遅角要求)あるい
はエンジントルク増加要求(補助空気量増量要求)を送
信可能である。
A/Tコントロールユニット20とは通信線23により接続
されており、特に、エンジンコントロールユニット8か
らA/Tコントロールユニット20へエンジン回転数Ne
等の検出データを送信可能であると共に、A/Tコント
ロールユニット20からエンジンコントロールユニット8
へエンジントルク減少要求(点火時期遅角要求)あるい
はエンジントルク増加要求(補助空気量増量要求)を送
信可能である。
【0026】次に本発明に関連してA/Tコントロール
ユニット20にて所定の時間隔で実行される変速制御のフ
ローチャートについて説明する。図4は第1の実施例
(請求項1に対応)のフローチャートである。また、第
1の実施例による加速後のダウンシフト時のエンジント
ルク特性を図5に示している。
ユニット20にて所定の時間隔で実行される変速制御のフ
ローチャートについて説明する。図4は第1の実施例
(請求項1に対応)のフローチャートである。また、第
1の実施例による加速後のダウンシフト時のエンジント
ルク特性を図5に示している。
【0027】ステップ1(図にはS1と記してある。以
下同様)では、現在の車速VSP、スロットル開度TV
O、エンジン回転数Neなどを検出する。このとき、前
回検出したスロットル開度は、TVOold として記憶保
持する。ステップ2では、車速VSP及びエンジン回転
数Neなどから計算により現在の変速比Rを検出する。
このとき、前回検出した変速比は、Rold として記憶保
持する。尚、本明細書での変速比は、入力回転数/出力
回転数と定義し、ギヤ比と同様に、ロー側で大きな値、
ハイ側で小さな値となるものとする。
下同様)では、現在の車速VSP、スロットル開度TV
O、エンジン回転数Neなどを検出する。このとき、前
回検出したスロットル開度は、TVOold として記憶保
持する。ステップ2では、車速VSP及びエンジン回転
数Neなどから計算により現在の変速比Rを検出する。
このとき、前回検出した変速比は、Rold として記憶保
持する。尚、本明細書での変速比は、入力回転数/出力
回転数と定義し、ギヤ比と同様に、ロー側で大きな値、
ハイ側で小さな値となるものとする。
【0028】ステップ3では、現在の車速VSPとスロ
ットル開度TVOとに基づき、マップを参照して、最終
目標変速比Rfを算出する。ステップ4では、現在の変
速比Rと最終目標変速比Rfとの間に差がある場合、こ
の差を徐々に小さくするように、周知の手法により、目
標変速比Rtを算出する。目標変速比Rtが算出される
と、この目標変速比Rtを得るように電磁弁18, 19を介
して変速制御が行われる。
ットル開度TVOとに基づき、マップを参照して、最終
目標変速比Rfを算出する。ステップ4では、現在の変
速比Rと最終目標変速比Rfとの間に差がある場合、こ
の差を徐々に小さくするように、周知の手法により、目
標変速比Rtを算出する。目標変速比Rtが算出される
と、この目標変速比Rtを得るように電磁弁18, 19を介
して変速制御が行われる。
【0029】ステップ5では、加速又はその直後か否か
を判定する。具体的には、現在のスロットル開度TVO
から前回のスロットル開度TVOold を減算して、スロ
ットル開度の変化量ΔTVO=TVO−TVOold を求
め、これを所定値SLと比較して、ΔTVO≧SLの場
合に加速と判定してステップ6へ進み、また一旦加速と
判定した場合は、その加速判定から所定時間内であれば
同様にステップ6へ進む。それ以外の場合は本ルーチン
を終了する。
を判定する。具体的には、現在のスロットル開度TVO
から前回のスロットル開度TVOold を減算して、スロ
ットル開度の変化量ΔTVO=TVO−TVOold を求
め、これを所定値SLと比較して、ΔTVO≧SLの場
合に加速と判定してステップ6へ進み、また一旦加速と
判定した場合は、その加速判定から所定時間内であれば
同様にステップ6へ進む。それ以外の場合は本ルーチン
を終了する。
【0030】ステップ6では、ダウンシフト要求である
か否かを判定する。具体的には、現在の変速比Rと目標
変速比Rtとを比較し、R<Rtであれば、ダウンシフ
ト要求と判定して、ステップ7へ進む。それ以外の場合
は本ルーチンを終了する。ステップ7では、現在の変速
比Rと最終目標変速比Rfなどから将来起こる変速比の
変化速度を予測する。すなわち、現在の変速比Rや最終
目標変速比Rfの他、エンジン回転数Neの変化量、油
温等の条件から、マップの形で持っているデータを使っ
たり、又は制御モデルから計算して、変速の速さを予測
する。
か否かを判定する。具体的には、現在の変速比Rと目標
変速比Rtとを比較し、R<Rtであれば、ダウンシフ
ト要求と判定して、ステップ7へ進む。それ以外の場合
は本ルーチンを終了する。ステップ7では、現在の変速
比Rと最終目標変速比Rfなどから将来起こる変速比の
変化速度を予測する。すなわち、現在の変速比Rや最終
目標変速比Rfの他、エンジン回転数Neの変化量、油
温等の条件から、マップの形で持っているデータを使っ
たり、又は制御モデルから計算して、変速の速さを予測
する。
【0031】ステップ8では、変速比変化速度の予測値
から将来起こる変速比変化によるエンジントルク低下量
δT0 を予測する。すなわち、将来の変速の速さの予測
値から、マップの形で持っているデータを使ったり、又
は制御モデルから計算して、将来起こるであろう変速に
伴うエンジントルク低下量δT0 を予測する。ステップ
9では、現在のスロットル開度TVO及びエンジン回転
数Neにおける本制御が関与しない場合の定常エンジン
トルクT0 をマップを用いて算出する。
から将来起こる変速比変化によるエンジントルク低下量
δT0 を予測する。すなわち、将来の変速の速さの予測
値から、マップの形で持っているデータを使ったり、又
は制御モデルから計算して、将来起こるであろう変速に
伴うエンジントルク低下量δT0 を予測する。ステップ
9では、現在のスロットル開度TVO及びエンジン回転
数Neにおける本制御が関与しない場合の定常エンジン
トルクT0 をマップを用いて算出する。
【0032】ステップ10では、定常エンジントルクT0
から予測エンジントルク低下量δT 0 を減算して、目標
エンジントルクTt=T0 −δT0 を求める。ステップ
11では、現在の変速比Rから前回の変速比Rold を減算
して、実際の変速比の変化量(実変速比変化速度)ΔR
=R−Rold を求める。尚、変速開始前はΔR=0であ
る。
から予測エンジントルク低下量δT 0 を減算して、目標
エンジントルクTt=T0 −δT0 を求める。ステップ
11では、現在の変速比Rから前回の変速比Rold を減算
して、実際の変速比の変化量(実変速比変化速度)ΔR
=R−Rold を求める。尚、変速開始前はΔR=0であ
る。
【0033】ステップ12では、実際の変速比の変化量Δ
Rから実エンジントルク低下量δTを算出する。尚、変
速開始前はΔR=0であるのでδT=0である。ステッ
プ13では、目標エンジントルクTtに実エンジントルク
低下量δTを加算して、補正目標エンジントルクT=T
t+δTを求める。尚、変速開始前はδT=0であるの
でT=Ttである。
Rから実エンジントルク低下量δTを算出する。尚、変
速開始前はΔR=0であるのでδT=0である。ステッ
プ13では、目標エンジントルクTtに実エンジントルク
低下量δTを加算して、補正目標エンジントルクT=T
t+δTを求める。尚、変速開始前はδT=0であるの
でT=Ttである。
【0034】ステップ14では、補正目標エンジントルク
Tを実現するための点火時期の遅角量δADVを算出す
る。これにより、エンジンコントロールユニット8に対
し、遅角量δADVに対応する点火時期遅角要求信号を
出力して、点火時期の遅角を行わせる。この第1の実施
例の作用を図5をあわせて参照しつつ説明する。
Tを実現するための点火時期の遅角量δADVを算出す
る。これにより、エンジンコントロールユニット8に対
し、遅角量δADVに対応する点火時期遅角要求信号を
出力して、点火時期の遅角を行わせる。この第1の実施
例の作用を図5をあわせて参照しつつ説明する。
【0035】例えば図5の時点Pにて、加速に伴うダウ
ンシフト要求を検出すると(ステップ5,6)、ダウン
シフトによる将来の変速比変化速度を予測し(ステップ
7)、これに基づいて将来のエンジントルク低下量δT
0 を予測する(ステップ8)。そして、定常エンジント
ルクT0 を算出し(ステップ9)、定常エンジントルク
T0 から将来のエンジントルク低下量δT0 を減算し
て、目標エンジントルクTt=T0 −δT0 を求める
(ステップ10)。この目標エンジントルクTtは加速検
出から変速終了までの目標エンジントルクである。
ンシフト要求を検出すると(ステップ5,6)、ダウン
シフトによる将来の変速比変化速度を予測し(ステップ
7)、これに基づいて将来のエンジントルク低下量δT
0 を予測する(ステップ8)。そして、定常エンジント
ルクT0 を算出し(ステップ9)、定常エンジントルク
T0 から将来のエンジントルク低下量δT0 を減算し
て、目標エンジントルクTt=T0 −δT0 を求める
(ステップ10)。この目標エンジントルクTtは加速検
出から変速終了までの目標エンジントルクである。
【0036】特に、加速検出から変速開始までの間は、
実際の変速比の変化量ΔR=0であることにより、補正
目標エンジントルクT=Ttであり(ステップ11〜1
3)、目標エンジントルクTtを得るように点火時期が
遅角される(ステップ14)。また、変速開始後も変速終
了まで目標エンジントルクTtを得るようにするのであ
るが、実際にダウンシフトが開始されたときには、ダウ
ンシフトに伴うトルク低下分を考慮してエンジン出力を
補正する必要がある。実際にダウンシフトが開始された
ときに、本制御を補正無しで行ってしまうと、ダウンシ
フトに伴うトルク低下分だけ実際のエンジン出力が低下
してしまうからである。従って、実際起こっている変速
に伴うトルク低下分だけ補正した出力が得られる制御と
する。このため、実際の変速比の変化量ΔRを算出し
(ステップ11)、これに基づいて実エンジントルク低下
量δTを算出し(ステップ12)、目標エンジントルクT
tに実エンジントルク低下量δTを加算して補正目標エ
ンジントルクT=Tt+δTを求め(ステップ13)、こ
の補正目標エンジントルクTtを得るように点火時期を
遅角している(ステップ14)。これにより、ダウンシフ
トが開始されると、点火時期の遅角量が徐々に減少し
て、通常の最適点火時期に戻る。
実際の変速比の変化量ΔR=0であることにより、補正
目標エンジントルクT=Ttであり(ステップ11〜1
3)、目標エンジントルクTtを得るように点火時期が
遅角される(ステップ14)。また、変速開始後も変速終
了まで目標エンジントルクTtを得るようにするのであ
るが、実際にダウンシフトが開始されたときには、ダウ
ンシフトに伴うトルク低下分を考慮してエンジン出力を
補正する必要がある。実際にダウンシフトが開始された
ときに、本制御を補正無しで行ってしまうと、ダウンシ
フトに伴うトルク低下分だけ実際のエンジン出力が低下
してしまうからである。従って、実際起こっている変速
に伴うトルク低下分だけ補正した出力が得られる制御と
する。このため、実際の変速比の変化量ΔRを算出し
(ステップ11)、これに基づいて実エンジントルク低下
量δTを算出し(ステップ12)、目標エンジントルクT
tに実エンジントルク低下量δTを加算して補正目標エ
ンジントルクT=Tt+δTを求め(ステップ13)、こ
の補正目標エンジントルクTtを得るように点火時期を
遅角している(ステップ14)。これにより、ダウンシフ
トが開始されると、点火時期の遅角量が徐々に減少し
て、通常の最適点火時期に戻る。
【0037】このように加速検出からダウンシフト開始
までの間、ダウンシフトによる将来のエンジントルク低
下量分、点火時期を遅角してエンジントルクを減少さ
せ、ダウンシフト開始後は点火時期の遅角を止める。従
って、ダウンシフトにより本来のエンジントルクが減少
しても、エンジントルクの落ち込みを生じることはな
く、エンジントルクを単調増加させることができる。
までの間、ダウンシフトによる将来のエンジントルク低
下量分、点火時期を遅角してエンジントルクを減少さ
せ、ダウンシフト開始後は点火時期の遅角を止める。従
って、ダウンシフトにより本来のエンジントルクが減少
しても、エンジントルクの落ち込みを生じることはな
く、エンジントルクを単調増加させることができる。
【0038】尚、本実施例においては、ステップ5,6
の部分がダウンシフト要求検出手段に相当し、ステップ
7,8の部分がエンジントルク低下量予測手段に相当
し、ステップ9〜14の部分がエンジントルク減少手段に
相当する。図6は第2の実施例(請求項2に対応)のフ
ローチャートである。また、第2の実施例による加速後
のダウンシフト時のエンジントルク特性を図7に示して
いる。
の部分がダウンシフト要求検出手段に相当し、ステップ
7,8の部分がエンジントルク低下量予測手段に相当
し、ステップ9〜14の部分がエンジントルク減少手段に
相当する。図6は第2の実施例(請求項2に対応)のフ
ローチャートである。また、第2の実施例による加速後
のダウンシフト時のエンジントルク特性を図7に示して
いる。
【0039】ステップ1〜6は第1の実施例と同じであ
り、説明を省略する。この第2の実施例において、加速
又はその直後にダウンシフト要求を検出した場合は、ス
テップ21へ進む。ステップ21では、現在の変速比Rから
前回の変速比Rold を減算して、実際の変速比の変化量
(実変速比変化速度)ΔR=R−Rold を求める。尚、
変速開始前はΔR=0である。
り、説明を省略する。この第2の実施例において、加速
又はその直後にダウンシフト要求を検出した場合は、ス
テップ21へ進む。ステップ21では、現在の変速比Rから
前回の変速比Rold を減算して、実際の変速比の変化量
(実変速比変化速度)ΔR=R−Rold を求める。尚、
変速開始前はΔR=0である。
【0040】ステップ22では、実際の変速比の変化量Δ
Rから実エンジントルク低下量δTを算出する。尚、変
速開始前はΔR=0であるのでδT=0である。ステッ
プ23では、目標エンジントルクTtに実エンジントルク
低下量δTを加算して、補正目標エンジントルクT=T
t+δTを求める。尚、変速開始前はδT=0であるの
でT=Ttである。
Rから実エンジントルク低下量δTを算出する。尚、変
速開始前はΔR=0であるのでδT=0である。ステッ
プ23では、目標エンジントルクTtに実エンジントルク
低下量δTを加算して、補正目標エンジントルクT=T
t+δTを求める。尚、変速開始前はδT=0であるの
でT=Ttである。
【0041】尚、ここで用いる目標エンジントルクTt
は、変速開始前のスロットル開度TVO及びエンジン回
転数Neにおける定常エンジントルクT0 と等しく、マ
ップを用いて算出する。ステップ24では、補正目標エン
ジントルクTを実現するために補助空気制御弁5により
供給する補助空気の増加量δAirを算出する。これによ
り、エンジンコントロールユニット8に対し、補助空気
増加量δAirに対応する補助空気量増量要求信号を出力
して、補助空気供給量を増加させる。
は、変速開始前のスロットル開度TVO及びエンジン回
転数Neにおける定常エンジントルクT0 と等しく、マ
ップを用いて算出する。ステップ24では、補正目標エン
ジントルクTを実現するために補助空気制御弁5により
供給する補助空気の増加量δAirを算出する。これによ
り、エンジンコントロールユニット8に対し、補助空気
増加量δAirに対応する補助空気量増量要求信号を出力
して、補助空気供給量を増加させる。
【0042】この第2の実施例の作用を図7をあわせて
参照しつつ説明する。加速に伴うダウンシフト要求を検
出すると(ステップ5,6)、実際の変速比の変化量Δ
Rを算出し(ステップ21)、これに基づいて実エンジン
トルク低下量δTを算出し(ステップ22)、本来の目標
エンジントルクTtに実エンジントルク低下量δTを加
算して補正目標エンジントルクT=Tt+δTを求め
(ステップ23)、この補正目標エンジントルクTを得る
ように補助空気供給量を増加させる(ステップ24)。
参照しつつ説明する。加速に伴うダウンシフト要求を検
出すると(ステップ5,6)、実際の変速比の変化量Δ
Rを算出し(ステップ21)、これに基づいて実エンジン
トルク低下量δTを算出し(ステップ22)、本来の目標
エンジントルクTtに実エンジントルク低下量δTを加
算して補正目標エンジントルクT=Tt+δTを求め
(ステップ23)、この補正目標エンジントルクTを得る
ように補助空気供給量を増加させる(ステップ24)。
【0043】よって、加速検出から変速開始までの間
は、実際の変速比の変化量ΔR=0であることにより、
実エンジントルク低下量δT=0であり、補助空気供給
量の増加はないが、変速開始後は、実際の変速比の変化
量ΔRに基づいてダウンシフトによる実エンジントルク
低下量δTを算出し、そのδT分、補助空気供給量を増
加させて、エンジントルクを増加させる。従って、ダウ
ンシフトにより本来のエンジントルクが減少しても、そ
の分エンジントルクを増加させるので、エンジントルク
の落ち込みを生じることはなく、エンジントルクを単調
増加させることができる。
は、実際の変速比の変化量ΔR=0であることにより、
実エンジントルク低下量δT=0であり、補助空気供給
量の増加はないが、変速開始後は、実際の変速比の変化
量ΔRに基づいてダウンシフトによる実エンジントルク
低下量δTを算出し、そのδT分、補助空気供給量を増
加させて、エンジントルクを増加させる。従って、ダウ
ンシフトにより本来のエンジントルクが減少しても、そ
の分エンジントルクを増加させるので、エンジントルク
の落ち込みを生じることはなく、エンジントルクを単調
増加させることができる。
【0044】尚、本実施例においては、ステップ5,6
の部分がダウンシフト要求検出手段に相当し、ステップ
21,22の部分がエンジントルク低下量算出手段に相当
し、ステップ23,24の部分がエンジントルク増加手段に
相当する。図8は第3の実施例(請求項3に対応)のフ
ローチャートである。また、第3の実施例による減速後
のアップシフト時のエンジントルク特性を図9に示して
いる。
の部分がダウンシフト要求検出手段に相当し、ステップ
21,22の部分がエンジントルク低下量算出手段に相当
し、ステップ23,24の部分がエンジントルク増加手段に
相当する。図8は第3の実施例(請求項3に対応)のフ
ローチャートである。また、第3の実施例による減速後
のアップシフト時のエンジントルク特性を図9に示して
いる。
【0045】ステップ1〜4は第1の実施例と同じであ
り、説明を省略する。この第3の実施例において、変速
制御の後は、ステップ31へ進む。ステップ31では、減速
又はその直後か否かを判定する。具体的には、現在のス
ロットル開度TVOから前回のスロットル開度TVOol
d を減算して、スロットル開度の変化量ΔTVO=TV
O−TVOold を求め、これを所定値−SLと比較し
て、ΔTVO≦−SLの場合に減速と判定してステップ
32へ進み、また一旦減速と判定した場合は、その減速判
定から所定時間内であれば同様にステップ32へ進む。そ
れ以外の場合は本ルーチンを終了する。
り、説明を省略する。この第3の実施例において、変速
制御の後は、ステップ31へ進む。ステップ31では、減速
又はその直後か否かを判定する。具体的には、現在のス
ロットル開度TVOから前回のスロットル開度TVOol
d を減算して、スロットル開度の変化量ΔTVO=TV
O−TVOold を求め、これを所定値−SLと比較し
て、ΔTVO≦−SLの場合に減速と判定してステップ
32へ進み、また一旦減速と判定した場合は、その減速判
定から所定時間内であれば同様にステップ32へ進む。そ
れ以外の場合は本ルーチンを終了する。
【0046】ステップ32では、アップシフト要求である
か否かを判定する。具体的には、現在の変速比Rと目標
変速比Rtとを比較し、R>Rtであれば、アップシフ
ト要求と判定して、ステップ33へ進む。それ以外の場合
は本ルーチンを終了する。ステップ33では、現在の変速
比Rと最終目標変速比Rfなどから将来起こる変速比の
変化速度を予測する。すなわち、現在の変速比Rや最終
目標変速比Rfの他、エンジン回転数Neの変化量、油
温等の条件から、マップの形で持っているデータを使っ
たり、又は制御モデルから計算して、変速の速さを予測
する。
か否かを判定する。具体的には、現在の変速比Rと目標
変速比Rtとを比較し、R>Rtであれば、アップシフ
ト要求と判定して、ステップ33へ進む。それ以外の場合
は本ルーチンを終了する。ステップ33では、現在の変速
比Rと最終目標変速比Rfなどから将来起こる変速比の
変化速度を予測する。すなわち、現在の変速比Rや最終
目標変速比Rfの他、エンジン回転数Neの変化量、油
温等の条件から、マップの形で持っているデータを使っ
たり、又は制御モデルから計算して、変速の速さを予測
する。
【0047】ステップ34では、変速比変化速度の予測値
から将来起こる変速比変化によるエンジントルク増加量
δT0 を予測する。すなわち、将来の変速の速さの予測
値から、マップの形で持っているデータを使ったり、又
は制御モデルから計算して、将来起こるであろう変速に
伴うエンジントルク増加量δT0 を予測する。ステップ
35では、現在のスロットル開度TVO及びエンジン回転
数Neにおける本制御が関与しない場合の定常エンジン
トルクT0 をマップを用いて算出する。
から将来起こる変速比変化によるエンジントルク増加量
δT0 を予測する。すなわち、将来の変速の速さの予測
値から、マップの形で持っているデータを使ったり、又
は制御モデルから計算して、将来起こるであろう変速に
伴うエンジントルク増加量δT0 を予測する。ステップ
35では、現在のスロットル開度TVO及びエンジン回転
数Neにおける本制御が関与しない場合の定常エンジン
トルクT0 をマップを用いて算出する。
【0048】ステップ36では、定常エンジントルクT0
に予測エンジントルク増加量δT0を加算して、目標エ
ンジントルクTt=T0 +δT0 を求める。ステップ37
では、現在の変速比Rから前回の変速比Rold を減算し
て、実際の変速比の変化量(実変速比変化速度)ΔR=
R−Rold を求める。尚、変速開始前はΔR=0であ
る。
に予測エンジントルク増加量δT0を加算して、目標エ
ンジントルクTt=T0 +δT0 を求める。ステップ37
では、現在の変速比Rから前回の変速比Rold を減算し
て、実際の変速比の変化量(実変速比変化速度)ΔR=
R−Rold を求める。尚、変速開始前はΔR=0であ
る。
【0049】ステップ38では、実際の変速比の変化量Δ
Rから実エンジントルク増加量δTを算出する。尚、変
速開始前はΔR=0であるのでδT=0である。ステッ
プ39では、目標エンジントルクTtから実エンジントル
ク増加量δTを減算して、補正目標エンジントルクT=
Tt−δTを求める。尚、変速開始前はδT=0である
のでT=Ttである。
Rから実エンジントルク増加量δTを算出する。尚、変
速開始前はΔR=0であるのでδT=0である。ステッ
プ39では、目標エンジントルクTtから実エンジントル
ク増加量δTを減算して、補正目標エンジントルクT=
Tt−δTを求める。尚、変速開始前はδT=0である
のでT=Ttである。
【0050】ステップ40では、補正目標エンジントルク
Tを実現するために補助空気制御弁5により供給する補
助空気の増加量δAirを算出する。これにより、エンジ
ンコントロールユニット8に対し、補助空気増加量δA
irに対応する補助空気量増量要求信号を出力して、補助
空気供給量を増加させる。この第3の実施例の作用を図
9をあわせて参照しつつ説明する。
Tを実現するために補助空気制御弁5により供給する補
助空気の増加量δAirを算出する。これにより、エンジ
ンコントロールユニット8に対し、補助空気増加量δA
irに対応する補助空気量増量要求信号を出力して、補助
空気供給量を増加させる。この第3の実施例の作用を図
9をあわせて参照しつつ説明する。
【0051】例えば図9の時点Pにて、減速に伴うアッ
プシフト要求を検出すると(ステップ31,32)、アップ
シフトによる将来の変速比変化速度を予測し(ステップ
33)、これに基づいて将来のエンジントルク増加量δT
0 を予測する(ステップ34)。そして、定常エンジント
ルクT0 を算出し(ステップ35)、定常エンジントルク
T0 に将来のエンジントルク増加量δT0 を加算して、
目標エンジントルクTt=T0 +δT0 を求める(ステ
ップ36)。この目標エンジントルクTtは減速検出から
変速終了までの目標エンジントルクである。
プシフト要求を検出すると(ステップ31,32)、アップ
シフトによる将来の変速比変化速度を予測し(ステップ
33)、これに基づいて将来のエンジントルク増加量δT
0 を予測する(ステップ34)。そして、定常エンジント
ルクT0 を算出し(ステップ35)、定常エンジントルク
T0 に将来のエンジントルク増加量δT0 を加算して、
目標エンジントルクTt=T0 +δT0 を求める(ステ
ップ36)。この目標エンジントルクTtは減速検出から
変速終了までの目標エンジントルクである。
【0052】特に、減速検出から変速開始までの間は、
実際の変速比の変化量ΔR=0であることにより、補正
目標エンジントルクT=Ttであり(ステップ37〜3
9)、目標エンジントルクTtを得るように補助空気供
給量が増加される(ステップ40)。また、変速開始後も
変速終了まで目標エンジントルクTtを得るようにする
のであるが、実際にアップシフトが開始されたときに
は、アップシフトに伴うトルク増加分を考慮してエンジ
ン出力を補正する必要がある。実際にアップシフトが開
始されたときに、本制御を補正無しで行ってしまうと、
アップシフトに伴うトルク増加分だけ実際のエンジン出
力が増加してしまうからである。従って、実際起こって
いる変速に伴うトルク増加分だけ補正した出力が得られ
る制御とする。このため、実際の変速比の変化量ΔRを
算出し(ステップ37)、これに基づいて実エンジントル
ク増加量δTを算出し(ステップ38)、目標エンジント
ルクTtから実エンジントルク増加量δTを減算して補
正目標エンジントルクT=Tt−δTを求め(ステップ
39)、この補正目標エンジントルクTtを得るように補
助空気供給量を増加している(ステップ40)。これによ
り、アップシフトが開始されると、補助空気供給量が徐
々に減少して、通常の値に戻る。
実際の変速比の変化量ΔR=0であることにより、補正
目標エンジントルクT=Ttであり(ステップ37〜3
9)、目標エンジントルクTtを得るように補助空気供
給量が増加される(ステップ40)。また、変速開始後も
変速終了まで目標エンジントルクTtを得るようにする
のであるが、実際にアップシフトが開始されたときに
は、アップシフトに伴うトルク増加分を考慮してエンジ
ン出力を補正する必要がある。実際にアップシフトが開
始されたときに、本制御を補正無しで行ってしまうと、
アップシフトに伴うトルク増加分だけ実際のエンジン出
力が増加してしまうからである。従って、実際起こって
いる変速に伴うトルク増加分だけ補正した出力が得られ
る制御とする。このため、実際の変速比の変化量ΔRを
算出し(ステップ37)、これに基づいて実エンジントル
ク増加量δTを算出し(ステップ38)、目標エンジント
ルクTtから実エンジントルク増加量δTを減算して補
正目標エンジントルクT=Tt−δTを求め(ステップ
39)、この補正目標エンジントルクTtを得るように補
助空気供給量を増加している(ステップ40)。これによ
り、アップシフトが開始されると、補助空気供給量が徐
々に減少して、通常の値に戻る。
【0053】このように減速検出からアップシフト開始
までの間、アップシフトによる将来のエンジントルク増
加量分、補助空気供給量を増加してエンジントルクを増
加させ、アップシフト開始後は補助空気供給量の増加を
止める。従って、アップシフトにより本来のエンジント
ルクが増加しても、エンジントルクの戻りを生じること
はなく、エンジントルクを単調減少させることができ
る。
までの間、アップシフトによる将来のエンジントルク増
加量分、補助空気供給量を増加してエンジントルクを増
加させ、アップシフト開始後は補助空気供給量の増加を
止める。従って、アップシフトにより本来のエンジント
ルクが増加しても、エンジントルクの戻りを生じること
はなく、エンジントルクを単調減少させることができ
る。
【0054】尚、本実施例においては、ステップ31,32
の部分がアップシフト要求検出手段に相当し、ステップ
33,34の部分がエンジントルク増加量予測手段に相当
し、ステップ35〜40の部分がエンジントルク増加手段に
相当する。図10は第4の実施例(請求項4に対応)のフ
ローチャートである。また、第4の実施例による減速後
のアップシフト時のエンジントルク特性を図11に示して
いる。
の部分がアップシフト要求検出手段に相当し、ステップ
33,34の部分がエンジントルク増加量予測手段に相当
し、ステップ35〜40の部分がエンジントルク増加手段に
相当する。図10は第4の実施例(請求項4に対応)のフ
ローチャートである。また、第4の実施例による減速後
のアップシフト時のエンジントルク特性を図11に示して
いる。
【0055】ステップ1〜4,31〜32は第3の実施例と
同じであり、説明を省略する。この第2の実施例におい
て、減速又はその直後にアップシフト要求を検出した場
合は、ステップ41へ進む。ステップ41では、現在の変速
比Rから前回の変速比Rold を減算して、実際の変速比
の変化量(実変速比変化速度)ΔR=R−Rold を求め
る。尚、変速開始前はΔR=0である。
同じであり、説明を省略する。この第2の実施例におい
て、減速又はその直後にアップシフト要求を検出した場
合は、ステップ41へ進む。ステップ41では、現在の変速
比Rから前回の変速比Rold を減算して、実際の変速比
の変化量(実変速比変化速度)ΔR=R−Rold を求め
る。尚、変速開始前はΔR=0である。
【0056】ステップ42では、実際の変速比の変化量Δ
Rから実エンジントルク増加量δTを算出する。尚、変
速開始前はΔR=0であるのでδT=0である。ステッ
プ43では、目標エンジントルクTtから実エンジントル
ク増加量δTを減算して、補正目標エンジントルクT=
Tt−δTを求める。尚、変速開始前はδT=0である
のでT=Ttである。
Rから実エンジントルク増加量δTを算出する。尚、変
速開始前はΔR=0であるのでδT=0である。ステッ
プ43では、目標エンジントルクTtから実エンジントル
ク増加量δTを減算して、補正目標エンジントルクT=
Tt−δTを求める。尚、変速開始前はδT=0である
のでT=Ttである。
【0057】尚、ここで用いる目標エンジントルクTt
は、変速開始前のスロットル開度TVO及びエンジン回
転数Neにおける定常エンジントルクT0 と等しく、マ
ップを用いて算出する。ステップ44では、補正目標エン
ジントルクTを実現するための点火時期の遅角量δAD
Vを算出する。これにより、エンジンコントロールユニ
ット8に対し、遅角量δADVに対応する点火時期遅角
要求信号を出力して、点火時期の遅角を行わせる。
は、変速開始前のスロットル開度TVO及びエンジン回
転数Neにおける定常エンジントルクT0 と等しく、マ
ップを用いて算出する。ステップ44では、補正目標エン
ジントルクTを実現するための点火時期の遅角量δAD
Vを算出する。これにより、エンジンコントロールユニ
ット8に対し、遅角量δADVに対応する点火時期遅角
要求信号を出力して、点火時期の遅角を行わせる。
【0058】この第4の実施例の作用を図11をあわせて
参照しつつ説明する。減速に伴うアップシフト要求を検
出すると(ステップ31,32)、実際の変速比の変化量Δ
Rを算出し(ステップ41)、これに基づいて実エンジン
トルク増加量δTを算出し(ステップ42)、本来の目標
エンジントルクTtから実エンジントルク増加量δTを
減算して補正目標エンジントルクT=Tt−δTを求め
(ステップ43)、この補正目標エンジントルクTを得る
ように点火時期を遅角させる(ステップ44)。
参照しつつ説明する。減速に伴うアップシフト要求を検
出すると(ステップ31,32)、実際の変速比の変化量Δ
Rを算出し(ステップ41)、これに基づいて実エンジン
トルク増加量δTを算出し(ステップ42)、本来の目標
エンジントルクTtから実エンジントルク増加量δTを
減算して補正目標エンジントルクT=Tt−δTを求め
(ステップ43)、この補正目標エンジントルクTを得る
ように点火時期を遅角させる(ステップ44)。
【0059】よって、減速検出から変速開始までの間
は、実際の変速比の変化量ΔR=0であることにより、
実エンジントルク増加量δT=0であり、点火時期の遅
角はないが、変速開始後は、実際の変速比の変化量ΔR
に基づいてアップシフトによる実エンジントルク増加量
δTを算出し、そのδT分、点火時期を遅角させて、エ
ンジントルクを減少させる。従って、アップシフトによ
り本来のエンジントルクが増加しても、その分エンジン
トルクを減少させるので、エンジントルクの戻りを生じ
ることはなく、エンジントルクを単調減少させることが
できる。
は、実際の変速比の変化量ΔR=0であることにより、
実エンジントルク増加量δT=0であり、点火時期の遅
角はないが、変速開始後は、実際の変速比の変化量ΔR
に基づいてアップシフトによる実エンジントルク増加量
δTを算出し、そのδT分、点火時期を遅角させて、エ
ンジントルクを減少させる。従って、アップシフトによ
り本来のエンジントルクが増加しても、その分エンジン
トルクを減少させるので、エンジントルクの戻りを生じ
ることはなく、エンジントルクを単調減少させることが
できる。
【0060】尚、本実施例においては、ステップ31,32
の部分がアップシフト要求検出手段に相当し、ステップ
41,42の部分がエンジントルク増加量算出手段に相当
し、ステップ43,44の部分がエンジントルク減少手段に
相当する。以上の実施例では、エンジントルク減少手段
として、点火時期を遅角する手段を用いたが、これに代
えて、燃料噴射弁6による燃料噴射量を減少させる手
段、あるいは、補助空気制御弁5による補助空気供給量
を減少させる手段を用いるようにしてもよい。
の部分がアップシフト要求検出手段に相当し、ステップ
41,42の部分がエンジントルク増加量算出手段に相当
し、ステップ43,44の部分がエンジントルク減少手段に
相当する。以上の実施例では、エンジントルク減少手段
として、点火時期を遅角する手段を用いたが、これに代
えて、燃料噴射弁6による燃料噴射量を減少させる手
段、あるいは、補助空気制御弁5による補助空気供給量
を減少させる手段を用いるようにしてもよい。
【0061】また、エンジントルク増加手段として、補
助空気供給量を増加させる手段を用いたが、これに代え
て、燃料噴射弁6による燃料噴射量を増加させる手段を
用いるようにしてもよい。更に、アクセルとスロットル
弁とを機械的に連結せずに、スロットル弁を電子制御す
る場合は、電子制御スロットル弁を用いて、エンジンに
対する空気量を増減することにより、エンジントルクを
増加させたり、減少させるようにしてもよい。
助空気供給量を増加させる手段を用いたが、これに代え
て、燃料噴射弁6による燃料噴射量を増加させる手段を
用いるようにしてもよい。更に、アクセルとスロットル
弁とを機械的に連結せずに、スロットル弁を電子制御す
る場合は、電子制御スロットル弁を用いて、エンジンに
対する空気量を増減することにより、エンジントルクを
増加させたり、減少させるようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、エンジントルク増加命令(加速)に伴う無
段変速機のダウンシフトに際し、ダウンシフト開始前に
おいてエンジントルクを減少させることにより、エンジ
ントルクを単調増加させて、運転性を向上できるという
効果が得られる。
明によれば、エンジントルク増加命令(加速)に伴う無
段変速機のダウンシフトに際し、ダウンシフト開始前に
おいてエンジントルクを減少させることにより、エンジ
ントルクを単調増加させて、運転性を向上できるという
効果が得られる。
【0063】また、請求項2に係る発明によれば、エン
ジントルク増加命令(加速)に伴う無段変速機のダウン
シフトに際し、ダウンシフト中においてエンジントルク
を増加させることにより、エンジントルクを単調増加さ
せて、運転性を向上できるという効果が得られる。ま
た、請求項3に係る発明によれば、エンジントルク減少
命令(減速)に伴う無段変速機のアップシフトに際し、
アップシフト開始前においてエンジントルクを増加させ
ることにより、エンジントルクを単調減少させて、運転
性を向上できるという効果が得られる。
ジントルク増加命令(加速)に伴う無段変速機のダウン
シフトに際し、ダウンシフト中においてエンジントルク
を増加させることにより、エンジントルクを単調増加さ
せて、運転性を向上できるという効果が得られる。ま
た、請求項3に係る発明によれば、エンジントルク減少
命令(減速)に伴う無段変速機のアップシフトに際し、
アップシフト開始前においてエンジントルクを増加させ
ることにより、エンジントルクを単調減少させて、運転
性を向上できるという効果が得られる。
【0064】また、請求項4に係る発明によれば、エン
ジントルク減少命令(減速)に伴う無段変速機のアップ
シフトに際し、アップシフト中においてエンジントルク
を減少させることにより、エンジントルクを単調減少さ
せて、運転性を向上できるという効果が得られる。更
に、請求項5に係る発明では、点火時期を遅角すること
でエンジントルクを減少させるので、簡単な制御でエン
ジントルクを減少させることができる。
ジントルク減少命令(減速)に伴う無段変速機のアップ
シフトに際し、アップシフト中においてエンジントルク
を減少させることにより、エンジントルクを単調減少さ
せて、運転性を向上できるという効果が得られる。更
に、請求項5に係る発明では、点火時期を遅角すること
でエンジントルクを減少させるので、簡単な制御でエン
ジントルクを減少させることができる。
【0065】更に、請求項6に係る発明では、空気供給
量を増加することでエンジントルクを増加させるので、
簡単な制御でエンジントルクを増加させることができ
る。
量を増加することでエンジントルクを増加させるので、
簡単な制御でエンジントルクを増加させることができ
る。
【図1】 本発明の構成を示す機能ブロック図
【図2】 本発明の実施例を示すエンジンのシステム図
【図3】 同上実施例の無段変速機のシステム図
【図4】 第1の実施例のフローチャート
【図5】 第1の実施例のエンジントルク特性を示す図
【図6】 第2の実施例のフローチャート
【図7】 第2の実施例のエンジントルク特性を示す図
【図8】 第3の実施例のフローチャート
【図9】 第3の実施例のエンジントルク特性を示す図
【図10】 第4の実施例のフローチャート
【図11】 第4の実施例のエンジントルク特性を示す図
【図12】 加速後のダウンシフト時の問題現象を示す図
【図13】 減速後のアップシフト時の問題現象を示す図
1 エンジン 2 吸気通路 3 スロットル弁 4 補助空気通路 5 補助空気制御弁 6 燃料噴射弁 7 点火ユニット 8 エンジンコントロールユニット 11 トルクコンバータ 12 無段変速機 13 プライマリプーリ 14 セカンダリプーリ 15 ベルト 17 油圧回路 18,19 電磁弁 20 A/Tコントロールユニット 21 車速センサ 22 スロットルセンサ 23 通信線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16H 59/06 (72)発明者 滝沢 哲 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 皆川 裕介 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】人為的操作によるエンジントルク制御手段
を備えると共に、出力側に少なくとも前記人為的操作量
に応じて変速比が制御される無段変速機を備える車両用
エンジンにおいて、 前記人為的操作によるエンジントルク増加命令に伴う無
段変速機に対するダウンシフト要求を検出するダウンシ
フト要求検出手段と、 無段変速機のダウンシフトによるエンジントルク低下量
を予測するエンジントルク低下量予測手段と、 前記エンジントルク増加命令からダウンシフト開始まで
の間、前記予測したエンジントルク低下量分、前記エン
ジントルク制御手段とは別の制御で、エンジントルクを
減少させるエンジントルク減少手段と、 を設けたことを特徴とするエンジントルク制御装置。 - 【請求項2】人為的操作によるエンジントルク制御手段
を備えると共に、出力側に少なくとも前記人為的操作量
に応じて変速比が制御される無段変速機を備える車両用
エンジンにおいて、 前記人為的操作によるエンジントルク増加命令に伴う無
段変速機に対するダウンシフト要求を検出するダウンシ
フト要求検出手段と、 無段変速機のダウンシフト中に、ダウンシフトによるエ
ンジントルク低下量を算出するエンジントルク低下量算
出手段と、 無段変速機のダウンシフト中に、前記算出したエンジン
トルク低下量分、前記エンジントルク制御手段とは別の
制御で、エンジントルクを増加させるエンジントルク増
加手段と、 を設けたことを特徴とするエンジントルク制御装置。 - 【請求項3】人為的操作によるエンジントルク制御手段
を備えると共に、出力側に少なくとも前記人為的操作量
に応じて変速比が制御される無段変速機を備える車両用
エンジンにおいて、 前記人為的操作によるエンジントルク減少命令に伴う無
段変速機に対するアップシフト要求を検出するアップシ
フト要求検出手段と、 無段変速機のアップシフトによるエンジントルク増加量
を予測するエンジントルク増加量予測手段と、 前記エンジントルク減少命令からアップシフト開始まで
の間、前記予測したエンジントルク増加量分、前記エン
ジントルク制御手段とは別の制御で、エンジントルクを
増加させるエンジントルク増加手段と、 を設けたことを特徴とするエンジントルク制御装置。 - 【請求項4】人為的操作によるエンジントルク制御手段
を備えると共に、出力側に少なくとも前記人為的操作量
に応じて変速比が制御される無段変速機を備える車両用
エンジンにおいて、 前記人為的操作によるエンジントルク減少命令に伴う無
段変速機に対するアップシフト要求を検出するアップシ
フト要求検出手段と、 無段変速機のアップシフト中に、アップシフトによるエ
ンジントルク増加量を算出するエンジントルク増加量算
出手段と、 無段変速機のアップシフト中に、前記算出したエンジン
トルク増加量分、前記エンジントルク制御手段とは別の
制御で、エンジントルクを減少させるエンジントルク減
少手段と、 を設けたことを特徴とするエンジントルク制御装置。 - 【請求項5】前記エンジントルク減少手段は、エンジン
に対する点火時期を遅角する手段であることを特徴とす
る請求項1又は請求項4記載のエンジントルク制御装
置。 - 【請求項6】前記エンジントルク増加手段は、エンジン
に対する空気供給量を増加させる手段であることを特徴
とする請求項2又は請求項3記載のエンジントルク制御
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32633894A JPH08177541A (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | エンジントルク制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32633894A JPH08177541A (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | エンジントルク制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08177541A true JPH08177541A (ja) | 1996-07-09 |
Family
ID=18186669
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32633894A Pending JPH08177541A (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | エンジントルク制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08177541A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0925992A2 (en) | 1997-12-19 | 1999-06-30 | Nissan Motor Company, Limited | Engine-CVT drive train control system |
JP2007303344A (ja) * | 2006-05-10 | 2007-11-22 | Toyota Motor Corp | 制御装置 |
JP2011514472A (ja) * | 2008-02-28 | 2011-05-06 | クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 内燃機関に連結された自動化された変速機の出力トルクを制御するための方法および装置 |
-
1994
- 1994-12-27 JP JP32633894A patent/JPH08177541A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0925992A2 (en) | 1997-12-19 | 1999-06-30 | Nissan Motor Company, Limited | Engine-CVT drive train control system |
US6272414B1 (en) | 1997-12-19 | 2001-08-07 | Nissan Motor Co., Ltd. | Engine-CVT drive train control system |
EP1470947A2 (en) | 1997-12-19 | 2004-10-27 | Nissan Motor Co., Ltd. | Engine-CVT drive train control system |
JP2007303344A (ja) * | 2006-05-10 | 2007-11-22 | Toyota Motor Corp | 制御装置 |
JP2011514472A (ja) * | 2008-02-28 | 2011-05-06 | クノル−ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 内燃機関に連結された自動化された変速機の出力トルクを制御するための方法および装置 |
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