JP2005349917A - 四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置 - Google Patents

四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置 Download PDF

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秀隆 大塚
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Abstract

【課題】 クラッチ解放時、クラッチ引き摺りトルクを有効に抑え、良好な低μ路走行性能を確保することができる四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置を提供すること。
【解決手段】 モーター4と、該モーター4と共に回転するモーター側回転部材と従駆動輪と共に回転する従駆動輪側回転部材との締結解放を切り換え可能な湿式多板クラッチ12と、を有する従駆動輪駆動ユニットを備えた四輪駆動車において、前記湿式多板クラッチ12の解放時であって、かつ、クラッチ引き摺りトルクが発生している場合、湿式多板クラッチ12を締結すると共に、従駆動輪回転数を主駆動輪回転数に対応させるように、モーター4を連れ回り制御する駆動ユニット制御手段を設けた。
【選択図】 図4

Description

本発明は、従駆動輪の動力源として設けられた電動モーターと、2WD走行時に従駆動輪フリクションの低減を目的として解放するクラッチと、を有する従駆動輪駆動ユニットを備えた四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置に関する。
従来、主駆動輪をエンジンにより駆動し、従駆動輪を電動モーターにより駆動し、前記電動モーターは、前記エンジンにより駆動される発電機にて発電される電気エネルギーによって駆動されるモーター四輪駆動車において、前記電動モーターを有する従駆動輪駆動ユニットに、前記電動モーターと共に回転するモーター側回転部材と、前記従駆動輪と共に回転する従駆動輪側回転部材と、の締結解放を切り換え可能な湿式クラッチを設け、4WD走行時には湿式クラッチを締結し、2WD走行時には従駆動輪フリクションの低減を目的として湿式クラッチを解放するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−130200号公報
しかしながら、従来のモーター四輪駆動車にあっては、例えば、従駆動輪駆動ユニットに充填されている潤滑油の油温が低いとき、潤滑油粘度が高くなり、湿式クラッチを解放しての2WD選択時、湿式クラッチの引き摺りトルクによりモーター側回転部材が従駆動輪側回転部材の回転に連れ回ることになるため、クラッチ引き摺りトルクによる電動モーターの回転抵抗が従駆動輪に伝達し、従駆動輪に負荷を与えることになり、例えば、低μ路走行性能が低下してしまう、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、クラッチ解放時、クラッチ引き摺りトルクを有効に抑え、良好な低μ路走行性能を確保することができる四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、電動モーターと、該電動モーターと共に回転するモーター側回転部材と従駆動輪と共に回転する従駆動輪側回転部材との締結解放を切り換え可能なクラッチと、を有する従駆動輪駆動ユニットを備えた四輪駆動車において、
前記クラッチの解放時であって、かつ、クラッチ引き摺りトルクが発生している場合、前記クラッチを締結すると共に、従駆動輪回転数を主駆動輪回転数に対応させるように、前記電動モーターを連れ回り制御する駆動ユニット制御手段を設けた。
よって、本発明の四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置にあっては、クラッチの解放時であって、クラッチ引き摺りトルクが発生している場合、駆動ユニット制御手段において、クラッチを締結すると共に、従駆動輪回転数を主駆動輪回転数に対応させるように、電動モーターが連れ回り制御される。例えば、潤滑油温が極低油温で粘度が高いとき、クラッチを締結すると共に、従駆動輪駆動ユニットに設けられた電動モーターを用いて従駆動輪回転数を制御し、従駆動輪を電動モーターにより駆動する4輪駆動走行とする制御が行われる。この結果、クラッチ解放時、クラッチ引き摺りトルクを有効に抑え、良好な低μ路走行性能を確保することができる。
以下、本発明の四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1および実施例2に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の従駆動輪駆動ユニット制御装置が適用されたモーター四輪駆動車(四輪駆動車の一例)を示す全体システム図であり、左右前輪1L,1R(主駆動輪)が内燃機関であるエンジン2によって駆動され、左右後輪3L,3R(従駆動輪)がモーター4(電動モーター)によって駆動可能な前輪駆動ベース車両の例である。すなわち、トランスファーやプロペラシャフトを持たず4WD機能を軽量・コンパクトに実現させた4WDシステムとし、2WD車と同様の広い足元空間を確保し、かつ、4WD作動を発進時と前輪スリップ時等の必要時に限ることで燃費の悪化を最小限に抑えている。
前記エンジン2の出力トルクが、変速機&デフギア5を介して左右前輪1L,1Rに伝達されるようになっている。また、エンジン2の出力トルクの一部は、無端ベルト6を介してジェネレーター7(発電機)に伝達される。e-4WDコントロールユニット8によって制御されるジェネレーター7が発電した電力は、パワーケーブル9a,9bを介してモーター4に供給可能になっている。そのパワーケーブル9a,9bの途中位置には、電力遮断リレーを有するジャンクションボックス10が設けられている。前記モーター4の駆動トルクは、ファイナルドライブ11を介して左右後輪3L,3Rに伝達可能になっている。なお、前記モーター4と前記ファイナルドライブ11により、後輪駆動ユニットRT(従駆動輪駆動ユニット)が構成される。
前記ジェネレーター7は、界磁巻線と永久磁石とを備え、無端ベルト6を介して伝達された回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、e-4WDコントロールユニット8からの発電指令に応じた電力をモーター4へ伝達する。詳しい説明は後述する。
前記ジャンクションボックス10は、内蔵したモニター回路により通電電流、ジェネレーター電圧、モーター電圧(逆起電圧)をリアルタイムに監視し、システム制御信号及びフェイルセーフ判断信号をe-4WDコントロールユニット8に伝達し、大容量の電力遮断リレーにて電源のON/OFFを行う。
前記パワーケーブル9a,9bは、ジャンクションボックス10を介してジェネレーター7とモーター4を電気的に接続し、左右後輪3L,3Rを駆動する電力を伝達する。なお、パワーケーブル9a,9bは、前記ジャンクションボックス10と共に車室内空間を犠牲にしない室外レイアウトとしている。
前記モーター4は、パワーケーブル9bを介して供給された電力により駆動力を発生する。モーター4の回転方向は、e-4WDコントロールユニット8から界磁巻線ハーネスを介して界磁巻線へ流す電流の向きを制御することにより制御する。このモーター4のモーター軸は、ファイナルドライブ11に連結されていて、回転力をファイナルドライブ11に伝達する。なお、モーター4の内部にはサーミスタが設置してあり、e-4WDコントロールユニット8でモーター4の温度を監視している。また、モーター4としては、直流モータだけでなく交流モーターを採用することも可能であり、交流モーターの場合は、前段に交流変換を行うインバータを用いるが、インバータのスイッチングを制御することで、モーターの回転方向を制御する。
前記ファイナルドライブ11は、湿式多板クラッチ12(クラッチ)と、電磁クラッチ13と、ギア減速機14と、ディファレンシャルギア15を有し、4WD走行時には湿式多板クラッチ12を係合し、2WD走行時には湿式多板クラッチ12を解放することにより後輪フリクションの低減を図っている。このファイナルドライブ11の詳しい説明は後述する。
前記e-4WDコントロールユニット8は、4WDスイッチ20により「4WD」が選択されているとき、必要に応じて4WD制御を行う制御手段である。このe-4WDコントロールユニット8には、4WDスイッチ20からのスイッチ信号、ABSコントロールユニット21からの4輪の各車輪速信号、自動変速機コントロールユニット22からのシフト位置信号、エンジンコントロールユニット23からのアクセル開度信号、等が入力される。e-4WDコントロールユニット8では、入力情報に基づいて演算処理を行い、ジェネレーター7に対してジェネレーター制御指令、湿式多板クラッチ12に対してクラッチ制御指令、モーター4に対してモーター制御指令、ジャンクションボックス10に対してリレー制御指令、をそれぞれ出力する。なお、e-4WDコントロールユニット8には、上記入力情報以外に、油温センサ27からのセンサ信号が入力される。
前記e-4WDコントロールユニット8での制御概要を説明すると、4WDスイッチ20により「4WD」が選択されている時に発進から必要に応じて4WD制御を行う。つまり、e-4WDコントロールユニット8では、「4WD」の選択時で、かつ、発進時または前輪スリップ時には、最適な後輪駆動トルクを演算し、そのトルクが得られるようにジェネレーター7と湿式多板クラッチ12とモーター4とをそれぞれ制御する。このとき、e-4WDコントロールユニット8とエンジンコントロールユニット23との間ではCAN通信(Controller Area Network通信)が行われ、エンジン出力を調整し、4WDらしい安心感のある走行を確保している。また、前輪スリップの発生に伴い4WD制御を開始した後、左右前輪1L,1Rのスリップが収まると、ジェネレーター7の発電を停止し、後輪駆動ユニットRTの湿式多板クラッチ12を切り離して2WD状態にする。
一方、4WDスイッチ20により「2WD」が選択されている時は、ジャンクションボックス10の電力遮断リレーを遮断することでモーター4を停止すると共に、クラッチ制御電流を非通電とすることで湿式多板クラッチ12を切り離し、エンジン2のみによって左右前輪1L,1Rのみを駆動する二輪駆動状態で走行するように構成されている。なお、システムに異常が発生した場合には、コンビネーションメーター24内の4WD警告灯25を点灯させて異常を知らせる。さらに、4WD走行時には、4WD表示灯26を点灯させて4WD走行中であることをドライバーに知らせる。
図2は巻線界磁型で永久磁石内蔵のジェネレーター7の構成を表す。
前記ジェネレーター7は、図2に示すように、回転子コイル70(界磁巻線)と永久磁石71とを備え、エンジン2のトルクによってプーリー73を介して回転子シャフト74が回転駆動され、回転子鉄心75に発生している磁束が回転磁界となり、ステータ77に誘導起電力を生じさせることで発電を行っている。
前記回転子鉄心75に発生する磁束には、発電機界磁巻線ハーネス72からスリップリング76を経て回転子コイル70に流れる界磁電流により回転子鉄心75に生じる磁束と、回転子鉄心75の間に埋め込まれた永久磁石71により回転子鉄心75に生じる磁束がある。回転子鉄心75に流れる界磁電流が多くなると、回転子鉄心75に生じる磁束も多くなり、ジェネレーター7が発電する発電電力を増加させることができる。一方で、界磁電流を通電しない状態でも、永久磁石71が回転子鉄心75に生じる磁束により、ジェネレーター7は僅かに発電を行う。
そして、前記ステータ77に生じた誘導起電力は、整流回路78にて整流されてパワーケーブル9a,9bを介してモーター4へ発電した電力を供給する。
図3は実施例1の従駆動輪駆動ユニット制御装置が適用されたモーター四輪駆動車のファイナルドライブ11を示す断面図である。
前記ファイナルドライブ11は、ファイナルドライブケース40内に、モータ軸が連結される入力ギア軸41と、中間ギア軸42と、ドライブギア43を入力とし左右の後輪ドライブシャフトを出力とするディファレンシャルギア15と、の3軸が互いに平行に配置されている。なお、このファイナルドライブケース40内には、クラッチ類やギア類の潤滑性を確保し温度上昇を防止するため、ギアの一部が浸漬するレベルまで潤滑油が封入されている。前記油温センサ27は、この潤滑油の温度を計測するためのセンサである。
前記入力ギア軸41には、モーター側端部にモーター4のモーター軸挿入部41aを有し、モーター側端部とは反対側の端部に第1ギア部41bを有する。
前記中間ギア軸42には、前記第1ギア部41bと噛み合う第2ギア42aが設けられると共に、ドライブギア43と噛み合う第3ギア部42bを形成している。
前記ディファレンシャルギア15は、ファイナルドライブケース40に対し回転可能に支持されたデフケース15aと、前記第3ギア部42bと噛み合うドライブギア43との間に湿式多板クラッチ12を介装させている。そして、前記デフケース15aと、該デフケース15aと一体に回転するピニオンメートシャフト15bと、該ピニオンメートシャフト15bに設けられたピニオン15cと、該ピニオン15cに噛み合うと共に左右の後輪ドライブシャフトがスプライン嵌合される左右のサイドギア15d,15eと、を有して構成されている。
前記湿式多板クラッチ12は、前記ドライブギア43に一体固定したクラッチドラム43aと前記デフケース15aとの間に介装した第1クラッチプレート12aと、該第1クラッチプレート12aの一端部を支持するストッパリング12bと、前記第1クラッチプレート12aの他端部位置に配置された押圧カム12cと、を有して構成されている。なお、前記第1クラッチプレート12aは、クラッチドラム43aにスプライン嵌合した複数のドライブプレート(モーター側回転部材)と、前記デフケース15aにスプライン嵌合した複数のドリブンプレート(従駆動輪側回転部材)と、を交互の配置し、積層することで構成されている。
前記電磁クラッチ13は、クラッチ係合時にe-4WDコントロールユニット8からの電流がコイルに印加される電磁石13aと、該電磁石13aの電磁力により引き寄せられるアーマチュア13bと、前記クラッチドラム43aと拘束カム13cとの間に介装された第2クラッチプレート13dと、を有して構成されている。
前記湿式多板クラッチ12の締結は、電磁石13aのコイルへの通電により行われる。このコイル通電により、アーマチュア13bが図2の右方向に引き寄せられ、第2クラッチプレート13dが締結する。この第2クラッチプレート13dの締結により拘束カム13cがドライブギア43と一体回転することで、拘束カム13cと押圧カム12cとの間に回転差が生じ、ボール44がカム斜面を押すことにより押圧カム12cに押し付け力が発生し、第1クラッチプレート12aを締結する。これにより、締結された第1クラッチプレート12aを介し、モーター4からのトルクを左右の後輪ドライブシャフトに伝達する。前記湿式多板クラッチ12の解放は、電磁石13aのコイルへの通電遮断により行われる。このコイル通電遮断により、第2クラッチプレート13dが解放されると、皿ばね構造のリターンスプリング45により押圧カム12cが図2の右方向にストロークし、第1クラッチプレート12aの締結を解放する。
前記ギア減速機14は、前記第1ギア部41bと前記第2ギア42aと前記第3ギア部42bと前記ドライブギア43により構成され、第1ギア部41bと第2ギア42aとの第1減速比と、第3ギア部42bとドライブギア43との第2減速比とを掛け合わせた減速比を得る。
次に、作用を説明する。
実施例1は、主駆動輪である前輪がスリップした場合において、その余剰トルクを用いてジェネレーター7で発電し、モーター4で後輪を駆動する4WD車両である。スリップ検出法およびジェネレーター7の吸収トルク量、目標のジェネレーター負荷トルクの決め方は、特開2002−218605号公報の段落[0077]〜段落[0093]にて公知の方法を使用する。
実施例1は、特開2002−218605号公報にて公知である四輪駆動システムに、引き摺り判定、クラッチ締結とモーター連れ回り制御による引き摺り制御、引き摺り制御終了判定を行う図4に示すフローチャートを追加する。
[後輪駆動ユニット制御処理]
図4は実施例1のe-4WDコントロールユニット8により実行される後輪駆動ユニット制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する(駆動ユニット制御手段)。
ステップS1では、走行中であるか否かを判断し、Yesの場合はステップS2へ移行し、Noの場合はリターンへ移行する。
ここで、「走行中」の判断は、例えば、ABSコントロールユニット21からの車輪速情報や自動変速機コントロールユニット22からのシフト位置情報等を用いて判断される。
ステップS2では、ステップS1での走行中であるとの判断に引き続き、モーター4が停止であり、かつ、湿式多板クラッチ12を解放している2WDモードであるか否かを判断し、Yesの場合はステップS3へ移行し、Noの場合はリターンへ移行する。
ステップS3では、ステップS2での2WDモード選択時であるとの判断に引き続き、湿式多板クラッチ12の引き摺り判定を行い、クラッチ引き摺りトルクが発生していると判定された場合にはステップS4へ移行し、クラッチ引き摺りトルクが発生していないと判定された場合にはリターンへ移行する。
ここで、「(1)引き摺り判定」は、下記の3項の何れかで行う。
1) 前輪回転数(主駆動輪回転数)>後輪回転数(従駆動輪回転数)の場合、クラッチ引き摺りトルクが発生していると判定する。
2) クラッチ温度検出値(=潤滑油温検出値)が第1設定温度(例えば、-30℃)以下の場合、クラッチ引き摺りトルクが発生していると判定する。
3) クラッチ温度検出値が第1設定温度以下であり、かつ、前輪回転数>後輪回転数である場合、クラッチ引き摺りトルクが発生していると判定する。
ステップS4では、ステップS3での引き摺り判定に基づき、湿式多板クラッチ12を締結し、ステップS5へ移行する。
ステップS5では、ステップS4での湿式多板クラッチ12の締結に引き続き、モーター連れ回り制御を実行し、ステップS6へ移行する。
ここで、「モーター連れ回り制御」とは、後輪回転数が前輪回転数に一致するように、モーター4の回転数を制御する。つまり、前輪回転数を読み込み、フィードバック制御をかけ、後輪回転数を調整する。
ステップS6では、ステップS5でのモーター連れ回り制御に引き続き、クラッチ締結とモーター連れ回り制御による引き摺り制御の終了判定を行い、引き摺り制御の終了と判定された場合にはステップS7へ移行し、引き摺り制御継続と判定された場合にはステップS5へ戻る。
ここで、「引き摺り制御の終了判定」は、下記の4項目の何れかにより実施する。
1) クラッチ油温検出値(=潤滑油温検出値)が、第2設定油温(>第1設定油温)以上となった場合、引き摺り制御を終了する。なお、第2設定油温は、事前に実験で求めておく。
2) 引き摺り制御を開始してから予め定められた所定時間を経過した場合、引き摺り制御を終了する。なお、所定時間は、引き摺り制御によってクラッチ油が十分暖まる程度の時間を予め実験により求めておく。但し、引き摺り制御中、車両が停止した場合、時間のカウントはリセットする。時間のカウントは、車両が停止した場合に即座にリセットしても良いが、例えば、車両が停止した時にカウントを停止し、車両の停止時間が油温に影響しない様な短時間の間に発進した場合にはカウントを再開し、車両の停止時間が油温に影響する様な長時間の停止であればカウントをリセットする様にしても良い。また、車両停止後の油温を計測し、油温が所定値以下に低下した場合にリセットする等、リセット条件は適宜変更しても良い。
3) モーター回転数相当値(モーター回転数もしくは後輪回転数)と引き摺り制御実施時間(モーター駆動時間)とに基づいて引き摺り制御時間を算出し、引き摺り制御を開始してから算出された引き摺り制御時間を経過した場合、引き摺り制御を終了する。
例えば、図5に示すようなモーター回転数−引き摺り制御時間のマップを用い、判定時点でのモーター回転数と引き摺り制御実施時間により決まる動作点が、マップの引き摺り制御実施の枠内に存在する場合には、引き摺り制御を継続し、判定時点でのモーター回転数と引き摺り制御時間により決まる動作点が、マップの引き摺り制御実施の枠外となった場合には、引き摺り制御を終了する。つまり、モーター4の回転数が高い場合には早期タイミングにて引き摺り制御を終了し、モーター4の回転数が低い場合には遅いタイミングにて引き摺り制御を終了する。但し、引き摺り制御中、車両が停止した場合、時間のカウントはリセットする。
4) クラッチ油温検出値とモーター回転数相当値とに基づいて引き摺り制御時間を算出し、引き摺り制御を開始してから算出された引き摺り制御時間を経過した場合、引き摺り制御を終了する。
例えば、図6に示すようなモーター回転数−クラッチ油温−引き摺り制御時間のマップを用い、判定時点でのモーター回転数とクラッチ油温により決まる動作点が、マップの引き摺り制御時間の例えば10分の枠内に存在する場合には、10分間だけ引き摺り制御を継続し、10分を経過した後、引き摺り制御を終了する。つまり、モーター4の回転数が高いほど早期タイミングにて引き摺り制御を終了し、また、クラッチ油温が高いほど早期タイミングにて引き摺り制御を終了する。但し、引き摺り制御中、車両が停止した場合、時間のカウントはリセットする。
ステップS7では、ステップS6での引き摺り制御の終了判定に基づき、湿式多板クラッチ12を解放し、モーター4を停止してリターンへ移行する。
[低温環境での2WD走行時における課題]
車両の前後輪の一方をエンジンで駆動し、他方は減速ギア、クラッチを介して電動機で駆動する四輪駆動車が知られている(例えば、特開2002−200932号公報)。
このような四輪駆動車においては、通常、運転者により操作される4WDスイッチを備え、この4WDスイッチがオンである場合には、クラッチを接続してエンジンと電動機によって四輪を駆動する四輪駆動状態で走行し、4WDスイッチがオフである場合には、電動機を停止すると共にクラッチを解放して、エンジンのみによって前後輪の一方を駆動する二輪駆動状態で走行するように構成されている。
ところが、クラッチが、例えば、湿式多板クラッチ等の内部に潤滑油が充填されたクラッチである場合、クラッチ内部の潤滑油粘度が高くなる低温環境では、クラッチを解放しているにもかかわらず、クラッチプレート間での引き摺りにより、従駆動輪の回転トルクが潤滑油によって電動機へ伝達されるようになる。しかも、氷結した路面のような摩擦抵抗が小さい低μ路においては、従駆動輪の回転トルクが非常に小さく、停止している電動機を加速させることができないため、従駆動輪は減速方向に引き摺られる状態となり、走行安定性を低下させてしまう可能性がある。
このため、クラッチを解放した二輪駆動状態では、従駆動輪の回転トルクが潤滑油によって電動機に伝達しないようにするために、クラッチプレートの枚数やクラッチプレートの大きさ、クラッチの配置位置、潤滑油の粘度等に制約が発生し、コストアップの要因となっていた。
[後輪駆動ユニット制御作用]
これに対し実施例1では、湿式多板クラッチ12の解放時であって、かつ、クラッチ引き摺りトルクが発生している場合、湿式多板クラッチ12を締結すると共に、後輪回転数を前輪回転数に対応させるように、モーター4を連れ回り制御する駆動ユニット制御手段を設けることで、湿式多板クラッチ12の解放時、クラッチ引き摺りトルクを有効に抑え、良好な低μ路走行性能を確保するようにした。
例えば、寒冷地で4WDスイッチ20をOFFにしての2WD走行時には、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進み、ステップS3では、引き摺り判定が行われる。
この「(1)引き摺り判定」は、
1) 前輪回転数>後輪回転数の場合
2) クラッチ温度検出値が第1設定温度(例えば、-30℃)以下の場合
3) クラッチ温度検出値が第1設定温度以下であり、かつ、前輪回転数>後輪回転数である場合
上記3項目の条件のうち、少なくとも何れか1つの条件が成立すると、クラッチ引き摺りトルクが発生していると判定する。
すなわち、クラッチ引き摺りトルクが発生している場合、後輪に対し制動方向のトルクが作用し、後輪が減速気味となるため、前輪回転数>後輪回転数の関係(なお、前輪回転数−後輪回転数≧所定回転数としても良い。)により、クラッチ引き摺りトルクの発生を推定することができる(上記1)の条件)。
また、クラッチ引き摺りトルクは潤滑油の粘度が高いとき、つまり、潤滑油温度(=クラッチ温度)が低い場合にのみ発生する。よって、2WD走行中にクラッチ温度検出値が第1設定温度以下であることにより、クラッチ引き摺りトルクの発生を推定することができる(上記2)の条件)。
さらに、上記クラッチ温度条件と上記前輪後輪回転数差条件とを組み合わせれば、例えば、単にアクセル踏み込み過ぎによる前輪スリップの発生で前輪後輪回転数差条件が成立するときにクラッチ引き摺りトルクの発生であると誤判定することなく、1)の条件や2)の条件による判定に比べ、より精度良くクラッチ引き摺りトルクの発生を推定することができる(上記3)の条件)。
そして、ステップS3にて引き摺り判定がなされると、図4のフローチャートにおいて、ステップS3→ステップS4→ステップS5へと進み、ステップS4において、湿式多板クラッチ12が締結され、ステップS5において、モーター4による連れ回り制御が行われる。
すなわち、クラッチ締結とモーター連れ回り制御により、2WD走行モードから4WD走行モードへとモード遷移が行われ、しかも、モーター連れ回り制御は、後輪回転数が前輪回転数に一致するように、モーター4の回転数がフィードバック制御されることで、後輪に負荷を与えることなく、しかも、違和感の無い4WD走行を確保することができる。
この4WD走行により、左右後輪3L,3Rにより湿式多板クラッチ12を介してモーター4を回そうとする制動方向の引き摺りトルクが解消され、湿式多板クラッチ12や潤滑油に課せられる上記制約が緩和され、コストダウンした構成を採用することができると共に、湿式多板クラッチ12が負荷となって左右後輪3L,3Rが引き摺られる状態が解消されるため、氷結した路面のような摩擦抵抗が小さい低μ路における走行安定性を確保することができる。
上記クラッチ締結とモーター連れ回り制御による引き摺り制御は、ステップS6の引き摺り制御終了判定が出されるまで継続され、ステップS6の引き摺り制御終了判定が出されると、ステップS7へ進んで、湿式多板クラッチ12を解放し、モーター4を停止して4WD走行モードから2WD走行モードへとモード遷移し、引き摺り制御を終了する。
この「引き摺り制御の終了判定」は、
1) クラッチ油温検出値が、第2設定油温以上となった場合
2) 引き摺り制御を開始してから予め定められた所定時間を経過した場合
3) モーター回転数相当値と引き摺り制御実施時間とに基づいて引き摺り制御時間を算出し、引き摺り制御を開始してから算出された引き摺り制御時間を経過した場合
4) クラッチ油温検出値とモーター回転数相当値とに基づいて引き摺り制御時間を算出し、引き摺り制御を開始してから算出された引き摺り制御時間を経過した場合
上記4項目の条件うち、少なくとも何れか1つの条件が成立すると、引き摺り制御を終了する。
すなわち、クラッチ油温が高いとクラッチ引き摺りトルクの発生が無いため、クラッチ油温検出値が第2設定油温以上となった場合には、適正なタイミングにて引き摺り制御を終了することができる(上記1)の条件)。
また、クラッチ油温は時間の経過に伴って攪拌熱や摩擦熱等により上昇するため、引き摺り制御を開始してから予め定められた所定時間を経過した場合には、その後、クラッチ引き摺りトルクの発生が無いとみなして引き摺り制御を終了することができる(上記2)の条件)。
さらに、引き摺り制御実施時間は長時間であるほど引き摺り対策としては好ましい。しかし、モーター連れ回り制御で、モーター4を高速にて回転しつづけると、モーター負荷が高くなり耐久性を低下させることになる。そこで、引き摺り解消の実効とモーター耐久性の確保とを両立させるため、モーター回転数相当値と引き摺り制御実施時間とに基づいて算出された引き摺り制御時間を経過した場合に引き摺り制御を終了する(上記3)の条件)。
加えて、上記のように、クラッチ油温が高くなるとクラッチ引き摺りトルクの発生が無くなる。一方、上記のように、モーター4を高速にて回転しつづけると、モーター負荷が高くなり耐久性を低下させる。そこで、引き摺り解消の実効とモーター耐久性の確保とを両立させるため、クラッチ油温検出値とモーター回転数相当値とに基づいて算出された引き摺り制御時間を経過した場合に引き摺り制御を終了する(上記4)の条件)。
なお、上記2)の条件で引き摺り制御中に車両が停止した場合、時間のカウントをリセットし、また、上記3)および4)の条件で、引き摺り制御中に車両が停止した場合、引き摺り制御時間をリセットすることで、引き摺り制御が開始された直後に車両が停止した場合であっても、引き摺り解消の実効を図ることができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) モーター4と、該モーター4と共に回転するモーター側回転部材と従駆動輪と共に回転する従駆動輪側回転部材との締結解放を切り換え可能な湿式多板クラッチ12と、を有する従駆動輪駆動ユニットを備えた四輪駆動車において、前記湿式多板クラッチ12の解放時であって、かつ、クラッチ引き摺りトルクが発生している場合、湿式多板クラッチ12を締結すると共に、従駆動輪回転数を主駆動輪回転数に対応させるように、モーター4を連れ回り制御する駆動ユニット制御手段を設けたため、湿式多板クラッチ12の解放時、クラッチ引き摺りトルクを有効に抑え、良好な低μ路走行性能を確保することができる。
(2) 前記駆動ユニット制御手段は、クラッチ解放状態による走行中であって、主駆動輪回転数が従駆動輪回転数よりも大きくなった場合、引き摺りトルクが発生したと判定するため、クラッチ引き摺りトルクの発生により従駆動輪回転数が減速することを利用し、精度良く引き摺りトルクの発生を判定することができる。
(3) 前記駆動ユニット制御手段は、クラッチ解放状態による走行中であって、クラッチ温度検出値が第1設定温度以下の場合、引き摺りトルクが発生したと判定するため、クラッチ引き摺りトルクは潤滑油粘度に依存し、潤滑油粘度はクラッチ温度に決まることを利用し、精度良く引き摺りトルクの発生を判定することができる。
(4) 前記駆動ユニット制御手段は、クラッチ解放状態による走行中であって、クラッチ油温検出値が第1設定温度以下であり、かつ、主駆動輪回転数が従駆動輪回転数よりも大きくなった場合、引き摺りトルクが発生したと判定するため、一方の条件のみの成立により引き摺りトルクの発生を誤判定することなく、より精度良く引き摺りトルクの発生を判定することができる。
(5) 前記駆動ユニット制御手段は、モーター連れ回り制御時、主駆動輪回転数を読み込み、従駆動輪回転数が主駆動輪回転数に一致するように電動モーターの回転数制御を行うため、従駆動輪回転数が主駆動輪回転数より低回転数であることによる従駆動輪への負荷を防止すると共に、従駆動輪回転数が主駆動輪回転数より高回転数であることによる走行性能の低下を防止し、モーター連れ回り制御時に違和感無く安定した4WD走行性能を確保することができる。
(6) 前記駆動ユニット制御手段は、クラッチ油温検出値が第2設定温度以上になった場合、クラッチ締結とモーター連れ回り制御による引き摺り制御を終了するため、引き摺り制御終了後、クラッチ引き摺りトルクの発生が無いか、もしくは、クラッチ引き摺りトルクの発生が僅かであると推定される最適なタイミングにて引き摺り制御を終了することができる。
(7) 前記駆動ユニット制御手段は、引き摺り制御を開始してから予め定められた所定時間を経過した場合、クラッチ締結とモーター連れ回り制御による引き摺り制御を終了するため、固定値による所定時間を決めるだけの簡単な判定条件としながら、引き摺り制御終了後、クラッチ引き摺りトルクの発生を抑えたタイミングにて引き摺り制御を終了することができる。
(8) 前記駆動ユニット制御手段は、モーター回転数相当値と引き摺り制御実施時間とに基づいて引き摺り制御時間を算出し、引き摺り制御を開始してから算出された引き摺り制御時間を経過した場合、クラッチ締結とモーター連れ回り制御による引き摺り制御を終了するため、引き摺り解消の実効とモーター耐久性の確保とを両立させたタイミングにて引き摺り制御を終了することができる。
(9) 前記駆動ユニット制御手段は、クラッチ油温検出値とモーター回転数相当値とに基づいて引き摺り制御時間を算出し、引き摺り制御を開始してから算出された引き摺り制御時間を経過した場合、クラッチ締結とモーター連れ回り制御による引き摺り制御を終了するため、引き摺り解消の実効とモーター耐久性の確保とを両立させたタイミングにて引き摺り制御を終了することができる。
(10) 前記四輪駆動車は、左右前輪1L,1Rをエンジン2により駆動し、左右後輪3L,3Rをモーター4により駆動し、前記モーター4は、前記エンジン2により駆動されるジェネレーター7にて発電される電気エネルギーによって駆動されるモーター四輪駆動車であるため、2WD走行時に解放される湿式多板クラッチ12にて引き摺りトルクが発生した場合にこれを有効に低減し、低温環境下においても湿式多板クラッチ12の設定目的である左右後輪3L,3Rのフリクション低減を達成することができる。
実施例2は、実施例1の固定ギア比を持つギア減速機を有する後輪駆動ユニットRTに代え、可変減速比を持つ減速機を有する後輪駆動ユニットRT'を適用した例である。
構成を説明すると、実施例2の後輪駆動ユニットRT'(従駆動輪駆動ユニット)は、図7に示すように、モーター4とファイナルドライブ11とを備えていて、ファイナルドライブ11には、オイルポンプ16とベルトCVT17(減速機)と油圧式湿式多板クラッチ18(クラッチ)とディファレンシャルギア15とを有する。
前記オイルポンプ16は、ベルトCVT17に対し潤滑油と変速油圧を供給し、油圧式湿式多板クラッチ18に対し締結油圧を供給する。また、オイルポンプ16からの油によりモーター4を冷却するようにしても良い。このオイルポンプ16は、モーター4を動力源としており、モーター4は、後輪駆動とオイルポンプ16の駆動とを兼用している。
前記ベルトCVT17は、減速比の高いローギア比(例えば、ギア比2.0)と減速比の低いハイギア比(例えば、ギア比0.3)を備え、ローギア比とハイギア比との切り換えはオイルポンプ16からの油圧によって行う。ギア比の切り換えは、e-4WDコントロールユニット8からの指令で実施され、通常走行ではローギア比側が選択されるものとする。なお、減速機としては、図示するベルトCVT17に限らず、例えば、2段減速比を持つ平行2軸歯車減速機や遊星歯車減速機等でもよい。
前記油圧式湿式多板クラッチ18は、オイルポンプ16からの油圧供給により締結され、また、油圧解除により解放される多板クラッチである。そして、ファイナルドライブケース内には、実施例1と同様に潤滑油が充填されていて、油温センサ27により潤滑油温(=クラッチ油温)を測定するようにしている。なお、他の構成は、実施例1の構成と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
次に、作用を説明すると、実施例2では、図4のステップS5へ進んでモーター連れ回り制御が行われるとき、モーター回転数が許容最大回転数を超える場合には、ベルトCVT17のギア比を、通常走行時に選択されているローギア比からハイギア比に変更し、後輪回転数を調整する。すなわち、ハイギア比への変更により、モーター4の回転数が許容最大回転数を超えることなく、後輪回転数を高回転数に調整でき、これによって、高速走行時であっても4WD走行を確保することができる。なお、他の作用については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2の四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置にあっては、実施例1の(1)〜(10)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(11) 後輪駆動ユニットRT'は、モーター4と油圧式湿式多板クラッチ18との間に減速比を変更可能なベルトCVT17を備え、駆動ユニット制御手段は、モーター連れ回り制御時、モーター4の回転数が予め定められた所定回転数以上とならないように減速比を変更するため、高速走行時であっても、モーター回転数が最大許容回転数を超えることなく、モーター連れ回り制御を行いながら4WD走行を確保することができる。
以上、本発明の四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置を実施例1および実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1,2では、クラッチとして湿式多板クラッチ12および油圧式湿式多板クラッチ18を適用する例を示したが、2ウェイクラッチタイプ(例えば、特開平10−226246号公報の図10や図14に記載)や単板クラッチタイプ(特開2003−335141号公報の図3に記載)等、解放時に相対回転数差を生じるタイプのクラッチであれば効果がある。
本発明の従駆動輪駆動ユニット制御装置は、左右前輪をエンジンにより駆動する前輪駆動ベースのモーター四輪駆動車への適用例を示したが、左右後輪をエンジンにより駆動する後輪駆動ベースのモーター四輪駆動車へも適用することができる。
さらに、電動モーターとクラッチとを有する従駆動輪駆動ユニットを備えた四輪駆動車であれば、バッテリ電源により駆動する電動モーターを備え、主駆動輪を電動モーターにより駆動するような電気自動車や燃料電池車にも適用することができるし、さらに、バッテリ電源により駆動する電動モーターを備え、主駆動輪をエンジンや電動モーターにより駆動するシリーズあるいはパラレルによるハイブリッド車にも適用することができる。
実施例1の従駆動輪駆動ユニット制御装置が適用されたモーター四輪駆動車を示す全体システム図である。 実施例1の従駆動輪駆動ユニット制御装置が適用されたモーター四輪駆動車のジェネレーター構造を示す断面図である。 実施例1の従駆動輪駆動ユニット制御装置が適用されたモーター四輪駆動車のファイナルドライブを示す断面図である。 実施例1のe-4WDコントロールユニットにより実行される後輪駆動ユニット制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の引き摺り制御終了判定で用いられるモーター回転数−引き摺り制御実施時間のマップの一例を示す図である。 実施例1の引き摺り制御終了判定で用いられるモーター回転数−クラッチ油温−引き摺り制御時間のマップの一例を示す図である。 実施例2の従駆動輪駆動ユニット制御装置が適用されたモーター四輪駆動車の後輪駆動ユニットを示す図である。
符号の説明
1L,1R 左右前輪(主駆動輪)
2 エンジン
3L,3R 左右後輪(従駆動輪)
4 モーター(電動モーター)
5 変速機&デフギア
6 無端ベルト
7 ジェネレーター(発電機)
8 e-4WDコントロールユニット
9a,9b パワーケーブル
10 ジャンクションボックス
RT,RT' 後輪駆動ユニット(従駆動輪駆動ユニット)
11 ファイナルドライブ
12 湿式多板クラッチ(クラッチ)
13 電磁クラッチ
14 ギア減速機
15 ディファレンシャルギア
16 オイルポンプ
17 ベルトCVT(減速機)
18 油圧式湿式多板クラッチ(クラッチ)
20 4WDスイッチ
21 ABSコントロールユニット
22 自動変速機コントロールユニット
23 エンジンコントロールユニット
24 コンビネーションメーター
25 4WD警告灯
26 4WD表示灯
27 油温センサ(油温検出手段)

Claims (11)

  1. 電動モーターと、該電動モーターと共に回転するモーター側回転部材と従駆動輪と共に回転する従駆動輪側回転部材との締結解放を切り換え可能なクラッチと、を有する従駆動輪駆動ユニットを備えた四輪駆動車において、
    前記クラッチの解放時であって、かつ、クラッチ引き摺りトルクが発生している場合、前記クラッチを締結すると共に、従駆動輪回転数を主駆動輪回転数に対応させるように、前記電動モーターを連れ回り制御する駆動ユニット制御手段を設けたことを特徴とする四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置。
  2. 請求項1に記載された四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置において、
    前記駆動ユニット制御手段は、クラッチ解放状態による走行中であって、主駆動輪回転数が従駆動輪回転数よりも大きくなった場合、引き摺りトルクが発生したと判定することを特徴とする四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置。
  3. 請求項1に記載された四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置において、
    前記駆動ユニット制御手段は、クラッチ解放状態による走行中であって、クラッチ温度検出値が第1設定温度以下の場合、引き摺りトルクが発生したと判定することを特徴とする四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置。
  4. 請求項1に記載された四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置において、
    前記駆動ユニット制御手段は、クラッチ解放状態による走行中であって、クラッチ油温検出値が第1設定温度以下であり、かつ、主駆動輪回転数が従駆動輪回転数よりも大きくなった場合、引き摺りトルクが発生したと判定することを特徴とする四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載された四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置において、
    前記駆動ユニット制御手段は、モーター連れ回り制御時、主駆動輪回転数を読み込み、従駆動輪回転数が主駆動輪回転数に一致するように電動モーターの回転数制御を行うことを特徴とする四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載された四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置において、
    前記駆動ユニット制御手段は、クラッチ油温検出値が第2設定温度以上になった場合、クラッチ締結とモーター連れ回り制御による引き摺り制御を終了することを特徴とする四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置。
  7. 請求項1乃至5の何れか1項に記載された四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置において、
    前記駆動ユニット制御手段は、引き摺り制御を開始してから予め定められた所定時間を経過した場合、クラッチ締結とモーター連れ回り制御による引き摺り制御を終了することを特徴とする四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置。
  8. 請求項1乃至5の何れか1項に記載された四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置において、
    前記駆動ユニット制御手段は、モーター回転数相当値と引き摺り制御実施時間とに基づいて引き摺り制御時間を算出し、引き摺り制御を開始してから算出された引き摺り制御時間を経過した場合、クラッチ締結とモーター連れ回り制御による引き摺り制御を終了することを特徴とする四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置。
  9. 請求項1乃至5の何れか1項に記載された四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置において、
    前記駆動ユニット制御手段は、クラッチ油温検出値とモーター回転数相当値とに基づいて引き摺り制御時間を算出し、引き摺り制御を開始してから算出された引き摺り制御時間を経過した場合、クラッチ締結とモーター連れ回り制御による引き摺り制御を終了することを特徴とする四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか1項に記載された四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置において、
    前記従駆動輪駆動ユニットは、モーターとクラッチとの間に減速比を変更可能な減速機を備え、
    前記駆動ユニット制御手段は、モーター連れ回り制御時、電動モーターの回転数が予め定められた所定回転数以上とならないように減速比を変更することを特徴とする四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置。
  11. 請求項1乃至10の何れか1項に記載された四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置において、
    前記四輪駆動車は、主駆動輪をエンジンにより駆動し、従駆動輪を電動モーターにより駆動し、前記電動モーターは、前記エンジンにより駆動される発電機にて発電される電気エネルギーによって駆動されるモーター四輪駆動車であることを特徴とする四輪駆動車の従駆動輪駆動ユニット制御装置。
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