JP2005142721A - フィルタ素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れたノイズ減衰特性を有するフィルタ素子を提供する。
【解決手段】信号用帯状導電体8、誘電率と厚みの積が同等に形成されると共に信号用帯状導電体8を相互間で挟むようにして信号用帯状導電体8の両面側に配設された一対の絶縁体9a,9b、および一対の絶縁体9a,9bにおける信号用帯状導電体8と接触する面の裏面にそれぞれ形成されて基準電位面に接続される接地用導電層10a,10bを備えた帯状積層体7を巻回することによって全体として筒状に形成されたコイル部を備えている。
【選択図】図3
【解決手段】信号用帯状導電体8、誘電率と厚みの積が同等に形成されると共に信号用帯状導電体8を相互間で挟むようにして信号用帯状導電体8の両面側に配設された一対の絶縁体9a,9b、および一対の絶縁体9a,9bにおける信号用帯状導電体8と接触する面の裏面にそれぞれ形成されて基準電位面に接続される接地用導電層10a,10bを備えた帯状積層体7を巻回することによって全体として筒状に形成されたコイル部を備えている。
【選択図】図3
Description
本発明は、帯状導電体を巻回することによって形成されたフィルタ素子に関するものである。
この種のフィルタ素子として、特許第2826320号公報において開示されたフィルタ素子が知られている。このフィルタ素子では、同公報中の第2図に示すように、信号用の帯状導電体(以下、「信号用帯状導電体」ともいう)30−1および接地用帯状導電体30−2を誘電体シート32−1,32−2を介して重ね合わせて積層体を形成し、この積層体を同公報中の第1図(A)に示すように、巻き軸38の回りに複数回巻き回すことによって巻回部40が形成されている。このフィルタ素子では、幅の広い信号用帯状導電体を用いることにより、比較的大きな電流を流すことができると共に、高周波信号に対する表皮効果も小さくすることができて、小形でしかも大きなインダクタンスとキャパシタンスとを得ることができる。また、大きなインダクタンスとキャパシタンスとを得ることができる結果、優れたノイズ減衰特性も得ることが可能となっている。
特許第2826320号公報(第2−3頁、第1−2図)
ところで、近年では、この種のフィルタ素子において、さらに優れたノイズ減衰特性を有するフィルタ素子の実現が望まれている。そこで、本願発明者は、このような要望に応えるべく、この種のフィルタ素子についての研究を独自に重ねた結果、信号用帯状導電体とそれに隣接する内側の接地用帯状導電体との間の単位長さ当たりの静電容量と、信号用帯状導電体とそれに隣接する外側の接地用帯状導電体との間の静電容量とを揃える(バランスさせる)ことにより、この種のフィルタ素子のノイズ減衰特性を一層向上させることを見出した。ところが、従来のフィルタ素子では、信号用帯状導電体30−1および接地用帯状導電体30−2を誘電体シート32−1,32−2を介して重ね合わせた積層体を巻き回すことによって巻回部40を形成しているため、いかに密着させて積層体を巻回したとしても、図7に示すように、積層体におけるn(nは2以上の自然数)ターン目部分LAnとその内側の(n−1)ターン目部分LAn−1との間、および積層体におけるnターン目部分LAnとその外側の(n+1)ターン目部分LAn+1との間に、それぞれ僅かなギャップGが必ず生じる。この場合、このギャップGは、その中に空気が存在しているために空気層として機能する。したがって、従来のフィルタ素子では、このギャップGによる空気層の存在に起因して、一例として、nターン目部分LAnの信号用帯状導電体30−1と接地用帯状導電体30−2との間の静電容量C1と、nターン目部分LAnの信号用帯状導電体30−1と(n+1)ターン目部分LAn+1の接地用帯状導電体30−2との間の静電容量C2との間の静電容量C2とが揃わないため(静電容量バランスが崩れるため)、ノイズ減衰特性をさらに向上させることが困難であるという問題点が存在する。
一方、従来のフィルタ素子において、信号用の帯状導電体30−1および接地用帯状導電体30−2を誘電体シート32−1,32−2を介して重ね合わせると共に、これらを1つの積層体として形成することなく、重ねたままの状態(互いに分離した状態)で巻き軸38の回りに複数回巻き回すことによって巻回部を形成することも考えられる。この構成では、帯状導電体30−1、接地用帯状導電体30−2および各誘電体シート32−1,32−2におけるすべての重ね合わせ面間に空気層によるギャップが生じるため、原理的には、上記したような静電容量バランスの崩れは発生しないと考えられる。しかしながら、この構成では、すべての空気層の厚みを均等に形成することが実質的に不可能であるため、静電容量バランスが崩れる結果、ノイズ減衰特性の向上を図ることが困難である。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、優れたノイズ減衰特性を有するフィルタ素子を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載のフィルタ素子は、信号用帯状導電体、誘電率と厚みの積が同等に形成されると共に前記信号用帯状導電体を相互間で挟むようにして当該信号用帯状導電体の両面側に配設された一対の絶縁体、および当該一対の絶縁体における前記信号用帯状導電体と接触する面の裏面にそれぞれ形成されて基準電位面に接続される接地用導電層を備えた帯状積層体を巻回することによって全体として筒状に形成されたコイル部を備えている。なお、以下の発明を含めて本発明における「帯状導電体」とは、厚みの薄いシート状の導電体に限らず、ある程度の厚みのある導電体、例えば、断面形状が丸形、楕円、四角形、または台形に形成された可撓性を有する板状の導電体をも含むことを意味する。この場合、一対の絶縁体としては、通常、同じ材質を用いるため、同等の厚みに形成することで、誘電率と厚みの積が同等となる。
また、請求項2記載のフィルタ素子は、互いに平行に配設された一対の信号用帯状導電体、誘電率と厚みの積が同等に形成されると共に前記一対の信号用帯状導電体を相互間で挟むようにして当該一対の信号用帯状導電体の両面側に配設された一対の絶縁体、および当該一対の絶縁体における前記一対の信号用帯状導電体と接触する面の裏面にそれぞれ形成されて基準電位面に接続される接地用導電層を備えた帯状積層体を巻回することによって全体として筒状に形成されたコイル部を備えている。
また、請求項3記載のフィルタ素子は、請求項1または2記載のフィルタ素子において、前記信号用帯状導電体は前記一対の絶縁体によって封止されている。
また、請求項4記載のフィルタ素子は、請求項1から3のいずれかに記載のフィルタ素子において、前記接地用導電層は、貼り付け金属箔、導電性めっき皮膜、導電性塗膜または導電性蒸着膜で形成されている。
また、請求項5記載のフィルタ素子は、請求項1から4のいずれかに記載のフィルタ素子において、前記コイル部の中心部に磁性体が配設されている。
請求項1記載のフィルタ素子によれば、信号用帯状導電体、誘電率と厚みの積が同等に形成されると共に信号用帯状導電体を相互間で挟むようにして信号用帯状導電体の両面側に配設された一対の絶縁体、および一対の絶縁体における信号用帯状導電体と接触する面の裏面にそれぞれ形成された接地用導電層を備えた帯状積層体を巻回することによって全体として筒状に形成されたコイル部を備えたことにより、信号用帯状導電体と一対の接地用導電層との間には絶縁体のみが介在する構成になると共に、信号用帯状導電体とそれに隣接する内側の接地用導電層との間の間隔と、信号用帯状導電体とそれに隣接する外側の接地用導電層との間の間隔とが等しくなるため、信号用帯状導電体とそれに隣接する内側の接地用導電層との間の静電容量と、信号用帯状導電体とそれに隣接する外側の接地用導電層との間の静電容量とを揃える(バランスさせる)ことができる。したがって、優れたノイズ減衰特性を有するノーマルモード用のフィルタ素子を実現することができる。
また、請求項2記載のフィルタ素子によれば、互いに平行に配設された一対の信号用帯状導電体、誘電率と厚みの積が同等に形成されると共に一対の信号用帯状導電体を相互間で挟むようにして一対の信号用帯状導電体の両面側に配設された一対の絶縁体、および一対の絶縁体における一対の信号用帯状導電体と接触する面の裏面にそれぞれ形成された接地用導電層を備えた帯状積層体を巻回することによって全体として筒状に形成されたコイル部を備えたことにより、一対の信号用帯状導電体それぞれと一対の接地用導電層との間には絶縁体のみが介在する構成になると共に、一対の信号用帯状導電体の各々について、それらに隣接する内側の接地用導電層との間の間隔と、それらに隣接する外側の接地用導電層との間の間隔とが等しくなるため、隣接する内側の接地用導電層との間の静電容量と、隣接する外側の接地用導電層との間の静電容量とを揃える(バランスさせる)ことができる。したがって、優れたノイズ減衰特性を有するコモンモード用のフィルタ素子を実現することができる。
また、請求項3記載のフィルタ素子によれば、一対の絶縁体によって信号用帯状導電体を封止することにより、信号用帯状導電体の線間相互の耐圧および対地耐圧を向上させることができる。
また、請求項4記載のフィルタ素子によれば、貼り付け金属箔、導電性めっき皮膜、導電性塗膜または導電性蒸着膜で接地用導電層を形成することにより、接地用導電層の厚みを薄く形成することができる。したがって、帯状積層体の厚みを薄くすることができる結果、決められた外径の範囲内で積層体をより多く巻回することができる。この結果、コイル部のインダクタンス値を増加させることができるため、フィルタ素子のノイズ減衰特性を一層向上させることができる。
また、請求項5記載のフィルタ素子によれば、前記コイル部の中心部に磁性体を配設したことにより、さらにコイル部のインダクタンス値を増加させることができるため、フィルタ素子のノイズ減衰特性をさらに一層向上させることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係るフィルタ素子の最良の形態について説明する。
まず、フィルタ素子1について、図面を参照して説明する。
フィルタ素子1は、図1に示すように、入力端子2、出力端子3、接地用端子4、コイル部5、および柱状(一例として円柱状)の磁性体(磁性コア)6を備えて構成され、分布定数型の3端子型ノイズフィルタ(低域通過型のノーマルモードフィルタ)として機能する。
コイル部5は、図2に示すように、帯状積層体7を巻回することによって全体として筒状に形成されると共に、中心部に磁性コア6が配設されている。帯状積層体7は、図3に示すように、1つの信号用帯状導電体8、同じ材質で同じ(同等の)厚みに形成されると共に信号用帯状導電体8を相互間で挟むようにして信号用帯状導電体8の両面側に配設された一対の絶縁体9a,9b(以下、特に区別しないときは「絶縁体9」ともいう)、および一対の絶縁体9a,9bにおける信号用帯状導電体8と接触する面の裏面全体にそれぞれ形成された一対の接地用導電層10a,10b(以下、特に区別しないときは「接地用導電層10」ともいう)を備え、信号用帯状導電体8、一対の絶縁体9,9、および一対の接地用導電層10,10が一体的に積層されて構成されている。
信号用帯状導電体8は、その一端側に入力端子2の一端側が電気的に接続されると共に、その他端側に出力端子3の一端側が電気的に接続されている。絶縁体9a,9bは、誘電性および電気的絶縁性を有する同じ材料で構成されている。また、各絶縁体9は、図3に示すように、その幅およびその長さが信号用帯状導電体8よりも大きめに形成されると共に、互いの外周縁部分が互いに密着することにより、その相互間で、信号用帯状導電体8、および信号用帯状導電体8に接続された入力端子2と出力端子3の各一端側を被覆している。この構成により、特に、信号用帯状導電体8は、各絶縁体9によって封止された状態になっている。各接地用導電層10は、一例として、薄膜状の導電性めっき皮膜(金属めっき皮膜)で構成されている。接地用端子4は、接地用導電層10に電気的に接続されている。
このフィルタ素子1によれば、信号用帯状導電体8、同じ厚みに形成されると共に信号用帯状導電体8を相互間で挟むようにして信号用帯状導電体8の両面側に配設された一対の絶縁体9、および一対の絶縁体9における信号用帯状導電体8と接触する面の裏面にそれぞれ形成された一対の接地用導電層10を備えた帯状積層体7を巻回することによって全体として筒状に形成されたコイル部5を備えたことにより、信号用帯状導電体8と一対の接地用導電層10a,10bとの間には絶縁体9のみが介在する構成になると共に、信号用帯状導電体8とそれに隣接する内側の接地用導電層10bとの間の間隔と、信号用帯状導電体8とそれに隣接する外側の接地用導電層10aとの間の間隔とが常に等しくなるため、信号用帯状導電体8と内側の接地用導電層10bとの間の静電容量と、信号用帯状導電体8と外側の接地用導電層10aとの間の静電容量とを揃える(バランスさせる)ことができる。したがって、優れたノイズ減衰特性を有するノーマルモード用のフィルタ素子1を実現することができる。
また、一対の絶縁体9a,9bによって信号用帯状導電体8を封止したことにより、信号用帯状導電体8の線間相互の耐圧および対地耐圧を向上させることができる。さらに、導電性めっき皮膜などで各接地用導電層10を形成したことにより、各接地用導電層10の厚みを薄く形成することができる。このため、帯状積層体の厚みを薄くすることができる結果、決められた外径の範囲内で積層体をより多く巻回することができる。したがって、コイル部5のインダクタンス値を増加させることができる結果、フィルタ素子1のノイズ減衰特性をより一層向上させることができる。さらに、コイル部5の中心部に磁性コア6を配設したことにより、コイル部5のインダクタンス値を一層増加させることができる結果、フィルタ素子1のノイズ減衰特性をより一層向上させることができる。
なお、本発明は、上記した構成に限定されない。例えば、上述したフィルタ素子1では、1つの信号用帯状導電体8を備えた帯状積層体7を用いることによってノーマルモード用のフィルタ素子に構成した例について説明したが、帯状積層体7に代えて、図4に示す帯状積層体22を用いることにより、図5に示すコモンモード用のフィルタ素子21を構成することもできる。このフィルタ素子21は、同図に示すように、一対の入力端子2a,2b、一対の出力端子3a,3b、接地用端子4、コイル部23および磁性コア6を備えて構成されて、分布定数型の3端子型ノイズフィルタ(低域通過型のコモンモードフィルタ)として機能する。なお、フィルタ素子1と同一の構成要素については同一の符号を付して重複する説明を省略する。
帯状積層体22は、図4に示すように、互いに平行に配設された一対の信号用帯状導電体8a,8b、各信号用帯状導電体8a,8bを相互間で挟むようにして信号用帯状導電体8a,8bの両面側に配設された一対の絶縁体9、および一対の絶縁体9の裏面全体にそれぞれ形成された一対の接地用導電層10を備え、信号用帯状導電体8、各絶縁体9、および各接地用導電層10が一体的に積層されて構成されている。各信号用帯状導電体8a,8bは、フィルタ素子1における信号用帯状導電体8と同様にして、各絶縁体9によって封止された状態になっている。また、信号用帯状導電体8aは、その一端側に入力端子2aの一端側が電気的に接続されると共に、その他端側に出力端子3aの一端側が電気的に接続されている。一方、信号用帯状導電体8bは、その一端側に入力端子2bの一端側が電気的に接続されると共に、その他端側に出力端子3bの一端側が電気的に接続されている。接地用端子4は、その一端側が接地用導電層10に電気的に接続されている。コイル部23は、この帯状積層体22を磁性コア6に巻回することによって全体として図5に示すように筒状に形成されている。
このフィルタ素子21によれば、互いに平行に配設された一対の信号用帯状導電体8a,8b、同じ(同等の)厚みに形成されて一対の信号用帯状導電体8a,8bを相互間で挟むようにして一対の信号用帯状導電体8a,8bの両面側に配設された一対の絶縁体9、および一対の絶縁体9における一対の信号用帯状導電体8と接触する面の裏面にそれぞれ形成された一対の接地用導電層10を備えた帯状積層体22を巻回して形成されたコイル部23を備えたことにより、各信号用帯状導電体8a,8bと一対の接地用導電層10a,10bとの間には絶縁体9のみが介在する構成になると共に、一対の信号用帯状導電体8a,8bの各々について、それらに隣接する内側の接地用導電層10bとの間の間隔と、それらに隣接する外側の接地用導電層10aとの間の間隔とが等しくなるため、隣接する内側の接地用導電層10bとの間の静電容量と、隣接する外側の接地用導電層10aとの間の静電容量とを揃えることができる。したがって、優れたノイズ減衰特性を有するコモンモード用のフィルタ素子を実現することができる。
また、本発明は上記した構成に限定されない。例えば、上述した各フィルタ素子1,21では、コイル部5,23の中心部に磁性コア6を配設してインダクタンス値を大きくする例について説明したが、柱状の磁性コア6に代えてEI型コアを用いることもできるし、またポットコア内にコイル部5,23を装着する構成を採用することもできる。特に、ポットコアを用いる構成によれば、インダクタンス値をさらに大きくしつつ、外部磁界のコイル部5,23に対する影響を十分に低減することができる。一方、インダクタンス値を小さくするときには、磁性コア6を配設しない構成(コイル部5,23を空芯)とすることもできる。また、上述した各フィルタ素子1,21では、各接地用導電層10を導電性めっき皮膜で構成した例について説明したが、貼り付け金属箔、導電性塗膜あるいは導電性蒸着膜で構成することもできる。この構成によれば、各接地用導電層10の膜厚を薄く形成することができるため、コイル部5,23のインダクタンス値を大きくすることができる。また、各接地用導電層10については、各絶縁体9における信号用帯状導電体8と接触する面の裏面全体に形成する構成に代えて、接地用帯状導電体8の幅に合わせた幅に形成する(つまり、絶縁体9よりも幅狭に形成する)構成を採用することもできる。また、フィルタ素子21では、一対の信号用帯状導電体8a,8bを備えてコモンモードフィルタとして機能させる構成について説明したが、3本以上の信号用帯状導電体を備えて構成することもできる。
具体的に、上記したフィルタ素子1についての実施例を挙げて、本発明を詳細に説明する。
信号用帯状導電体8とそれに隣接する内側の接地用導電層10bとの間の単位長さ当たりの静電容量C1と、信号用帯状導電体8とそれに隣接する外側の接地用導電層10aとの間の単位長さ当たりの静電容量C2とが共に所定の単位長さ当たりの静電容量Crに等しくなる(C1=C2=Cr)フィルタ素子のサンプルを作製して、実施例とした。また、静電容量C2が静電容量C1(=Cr)の2倍になるフィルタ素子のサンプルを作製して比較例1とした。また、逆に、静電容量C2が静電容量C1(=Cr)の0.5倍になるフィルタ素子のサンプルを作製して比較例2とした。また、静電容量C1が静電容量C2(=Cr)の2倍になるフィルタ素子のサンプルを作製して比較例3とした。また、逆に、静電容量C1が静電容量C2(=Cr)の0.5倍になるフィルタ素子のサンプルを作製して比較例4とした。なお、実施例の詳細なサンプルスペックについて下記する。磁性コア6は直径3cmで高さ2cmのものを用いた。帯状積層体7については、信号用帯状導電体8として、材質がCu、幅が1.2cm、厚みが35μmのものを用い、接地用導電層10a,10bとして、材質がCu、幅が1.2cm、厚みが35μmのものを用い、絶縁体9a,9bとして、材質がポリイミド、幅が1.7cm、厚みが50μmのものを用いて1.5mの長さに構成した。また、作製した各フィルタ素子を、外形3cm、中心軸直径12mm、高さ2.3cmのポット型フェライト磁性体(TDK製MnZnフェライトH5C2材)内に配設した。このようにして、信号用帯状導電体8のターン数が35であってインダクタンスが全体として9mHとなり、上記の単位長さ当たりの静電容量C1,C2(=Cr)が2000pF/mとなる実施例のフィルタ素子を作製した。
次いで、実施例および比較例1〜4に係るフィルタ素子の各周波数毎のノイズ減衰量を測定した。実施例および比較例1〜4に係るフィルタ素子の各ノイズ減衰特性を図6に示す。なお、同図において、実施例に係るフィルタ素子のノイズ減衰特性を符号Aで示し、比較例1,2,3,4に係るフィルタ素子のノイズ減衰特性をそれぞれ符号B,C,D,Eで示す。なお、測定には、ネットワークアナライザHP8751Aを用い、50Ω系で測定した後に、取付対象のスイッチング電源装置の出力インピーダンス特性(125pFの容量性出力インピーダンス)に合わせてインピーダンス交換を行った。
図6に示すノイズ減衰特性図によれば、実施例に係るフィルタ素子と比較例1〜4に係る各フィルタ素子とは、300kHz未満の周波数帯域および30MHzを超える周波数帯域では、ほぼ同等のノイズ減衰特性を示す。しかしながら、300kHz以上30MHz以下の範囲の周波数帯域では、比較例1〜4に係る各フィルタ素子が45dB未満の減衰量しか確保できないのに対して、実施例に係るフィルタ素子によれば、大きな減衰量(45dB以上の減衰量)が確保されている。
1,21 フィルタ素子
2,2a 入力端子
3,3a 出力端子
4 接地用端子
5,23 コイル部
6 磁性コア
7,22 帯状積層体
8,8a,8b 信号用帯状導電体
9a,9b 絶縁体
10a,10b 接地用導電層
2,2a 入力端子
3,3a 出力端子
4 接地用端子
5,23 コイル部
6 磁性コア
7,22 帯状積層体
8,8a,8b 信号用帯状導電体
9a,9b 絶縁体
10a,10b 接地用導電層
Claims (5)
- 信号用帯状導電体、誘電率と厚みの積が同等に形成されると共に前記信号用帯状導電体を相互間で挟むようにして当該信号用帯状導電体の両面側に配設された一対の絶縁体、および当該一対の絶縁体における前記信号用帯状導電体と接触する面の裏面にそれぞれ形成されて基準電位面に接続される接地用導電層を備えた帯状積層体を巻回することによって全体として筒状に形成されたコイル部を備えているフィルタ素子。
- 互いに平行に配設された一対の信号用帯状導電体、誘電率と厚みの積が同等に形成されると共に前記一対の信号用帯状導電体を相互間で挟むようにして当該一対の信号用帯状導電体の両面側に配設された一対の絶縁体、および当該一対の絶縁体における前記一対の信号用帯状導電体と接触する面の裏面にそれぞれ形成されて基準電位面に接続される接地用導電層を備えた帯状積層体を巻回することによって全体として筒状に形成されたコイル部を備えているフィルタ素子。
- 前記信号用帯状導電体は前記一対の絶縁体によって封止されている請求項1または2記載のフィルタ素子。
- 前記接地用導電層は、貼り付け金属箔、導電性めっき皮膜、導電性塗膜または導電性蒸着膜で形成されている請求項1から3のいずれかに記載のフィルタ素子。
- 前記コイル部の中心部に磁性体が配設されている請求項1から4のいずれかに記載のフィルタ素子。
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