JP2005138484A - サーマルヘッド及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 サーマルヘッドの製造工程数及び不良発生率を増加させることなく、ヘッドの保護膜表面に記録面荒れ防止用の粗面部を形成する。
【解決手段】 ヘッド基板上に、発熱抵抗体膜51と電極膜52とを製膜する。この製膜後、発熱抵抗体膜と電極膜とを一緒にエッチング処理して、所定の電極パターンを形成する。このエッチングの際に、発熱素子36に接続されるリード電極38と、前記発熱素子の記録方向の下流側に配置されダミー電極46とを形成する。この後、リード電極38に対して、その一部の電極膜をエッチングして、発熱素子36を形成する。このエッチングの際に、前記ダミー電極46に対して、ディンプルパターン49のエッチング処理を施す。こうしてダミー電極46に複数の窪みを形成することにより、その上に製膜される保護膜の表面に粗面部を形成する。
【選択図】 図5
【解決手段】 ヘッド基板上に、発熱抵抗体膜51と電極膜52とを製膜する。この製膜後、発熱抵抗体膜と電極膜とを一緒にエッチング処理して、所定の電極パターンを形成する。このエッチングの際に、発熱素子36に接続されるリード電極38と、前記発熱素子の記録方向の下流側に配置されダミー電極46とを形成する。この後、リード電極38に対して、その一部の電極膜をエッチングして、発熱素子36を形成する。このエッチングの際に、前記ダミー電極46に対して、ディンプルパターン49のエッチング処理を施す。こうしてダミー電極46に複数の窪みを形成することにより、その上に製膜される保護膜の表面に粗面部を形成する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、感熱プリンタに用いられるサーマルヘッド及びその製造方法に関するものである。
サーマルヘッドは、アルミナやセラミックの素材からなるヘッド基板上にグレーズ層が設けられ、その上に発熱素子とこの発熱素子と接続されるリード電極とが形成され、これらを保護膜によって覆うことによって構成されている。サーマルヘッドのグレーズ層の一部には、主走査方向に沿ってシリンドリカル突条に膨出した部分グレーズが形成され、前記発熱素子及びリード電極は、この部分グレーズに配置される。
カラー感熱プリンタは、熱記録材料であるカラー感熱記録紙をその幅方向が前記主走査方向と一致するように搬送路に給紙し、前記主走査方向と直交する記録方向に移動させながらサーマルヘッドで加熱してフルカラー画像を発色記録する。カラー感熱記録紙は、周知のように、支持体上にシアン感熱発色層、マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層が順に形成されている。カラー感熱プリンタは、これら各感熱発色層を順次加熱することにより選択的に発色させ各色の画像を面順次に熱記録する。また、イエロー感熱発色層の上には透明な保護層が設けられており、この保護層は感熱発色層を保護するとともに記録紙表面に光沢を与えてプリント画質を高める役割を果たしている。
熱記録の際には、前記部分グレーズがカラー感熱記録紙に押し付けられるため、部分グレーズは、カラー感熱記録紙の記録面に食い込む。発熱素子は部分グレーズの頂点付近に設けられており、部分グレーズは、その頂点を中心として記録方向の前後の一定の領域がカラー感熱記録紙の記録面と接触する。部分グレーズの保護膜表面は、カラー感熱記録紙との摩擦を抑えて、その透明保護層に傷が付かないように滑らかに仕上げられているので、カラー感熱記録紙の記録面と部分グレーズとは、密着した状態になる。
発熱素子は高温に達するため、加熱されたカラー感熱記録紙は、発熱素子を通過した直後にその内部の水分が蒸発して、カラー感熱記録紙の表面に水蒸気が発生する。カラー感熱記録紙が発熱素子を通過した直後においても、部分グレーズと密着した状態にあると、この水蒸気の逃げ道がなくなり、その水蒸気によって記録面に凹凸が形成されて、記録面荒れが生じてしまうという問題があった。記録面荒れが生じると、透明保護層の光沢が低下するため、画質が低下してしまう。
そこで、これを改善するために、本出願人は、部分グレーズの剥離点付近の保護膜の表面を粗面化することを提案している(特願2002−075131号明細書)。こうすれば、カラー感熱記録紙から発生した水蒸気を保護膜の粗面部によって逃がすことができるので、記録面荒れを防止することができる。この保護膜を粗面化する方法としては、保護膜の製膜時又は製膜後に、保護膜に対して直接加工を施す方法が検討されていた。
しかしながら、保護膜に対して直接加工を施す方法は技術的に難しいという問題があった。すなわち、サーマルヘッドは薄膜プロセスで製造されるため、保護膜製膜時にその表面を粗面化する方法(例えば、熱処理時の再結晶化の際に発生するヒロック(hillock)を利用する方法)には、粗さのコントロールが難しく、粗面部の品質のバラツキや欠陥が出易くなる。また、保護膜製膜後の後処理でその表面を荒らす方法では、サーマルヘッドの製造工程数が増加するとともに、ヒロックを利用する方法と同様に品質のバラツキや欠陥も出易くなる。
本発明は、工程数の増加がなく、かつ、安定した品質で、保護膜の粗面部の形成が可能なサーマルヘッド及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のサーマルヘッドは、基板上に主走査方向に沿ってシリンドリカル突条に形成された部分グレーズと、この部分グレーズ上に順次層設された発熱抵抗体膜と電極膜とに対してエッチングを施すことにより形成され、前記部分グレーズの主走査方向に沿って配列された複数の発熱素子からなる発熱素子アレイ及びこの発熱素子アレイに接続されるリード電極と、これら発熱素子アレイ及びリード電極が形成された部分グレーズの全面を覆う保護膜とを有し、前記発熱素子を含む部分グレーズを熱記録材料に圧接させ、前記主走査方向と直交する記録方向に熱記録材料を相対移動させながら前記発熱素子を発熱させて熱記録を行うサーマルヘッドにおいて、前記電極膜をエッチングする際に、前記発熱素子の記録方向下流側で、かつ、前記発熱素子を通過した熱記録材料が前記部分グレーズから剥離する剥離点までの部分に、所定パターンのエッチングを施すことにより、前記所定パターンに対応する保護膜の表面に、粗面部を形成したことを特徴とする。
前記所定パターンのエッチングは、前記リード電極よりも記録方向下流側に設けられたダミー電極上に施されることが好ましい。
本発明のサーマルヘッドの製造方法は、基板上に主走査方向に沿ってシリンドリカル突条に形成された部分グレーズに、発熱抵抗体膜と電極膜とを製膜により順次層設し、前記各膜をエッチングすることにより主走査方向に配列された複数の発熱素子及びこれらに接続される複数のリード電極とを形成した後、これら発熱素子及びリード電極が形成された部分グレーズの全面を覆う保護膜を製膜することにより、前記主走査方向と直交する記録方向に熱記録材料を移動させながら前記各発熱素子を発熱させて熱記録するサーマルヘッドの製造方法において、前記電極膜をエッチングする際に、前記発熱素子よりも記録方向下流側で、かつ、前記発熱素子を通過した熱記録材料が前記部分グレーズから剥離する剥離点までの部分に、所定パターンのエッチングを施すことにより、前記所定パターンに対応する保護膜の表面に、粗面部を形成する。
本発明は、サーマルヘッドの部分グレーズ上に製膜された電極膜に対してエッチングを施す際に、発熱素子よりも記録方向の下流側で、かつ、前記発熱素子を通過した熱記録材料が前記部分グレーズから剥離する剥離点までの部分に、所定パターンのエッチングを施すことにより、前記所定パターンに対応する保護膜の表面に、熱記録材料から放出される水蒸気を逃がす記録面荒れ防止用の粗面部を形成するようにしたから、サーマルヘッドの製造工程を増加させずに、前記粗面部を形成することができる。また、所定パターンはエッチングにより形成されるから、粗面部の品質のバラツキや欠陥などの不良発生率も低減することができ、安定した製造品質が確保される。
図1は、本発明のサーマルヘッドを内臓したカラー感熱プリンタ10の概略構成を示す。カラー感熱プリンタ10には、長尺のカラー感熱記録紙11を巻き取った記録紙ロール12がセットされている。給紙ローラ13は、カラー感熱記録紙11をサーマルヘッド14に向けて給紙する。給紙されたカラー感熱記録紙11は、搬送ローラ16,17,18にニップされて記録方向と戻し方向とに搬送されながら、3色の画像が面順次に熱記録される。搬送ローラ16,17,18及び給紙ローラ13は、駆動モータによって駆動される。記録済みのカラー感熱記録紙11は、図示しないカッタによって所定の長さのシートに切り離される。カラー感熱記録紙11の未記録部分は、搬送ローラ16,17,18及び給紙ローラ13によって、再び記録紙ロール12に巻き戻される。搬送ローラ16,17は、記録中はカラー感熱記録紙11に対してバックテンションとフロントテンションを与える。
カラー感熱記録紙11は、周知のとおり、支持体上にシアン感熱発色層、マゼンタ感熱発色層、イエロー感熱発色層、透明な保護層を順次層設したものである。各感熱発色層は、より深層の感熱発色層ほど熱感度が低い。最上層のイエロー感熱発色層の熱感度が最も高く、最も小さい熱エネルギーで発色し、最下層のシアン感熱発色層の熱感度が最も低く、最も大きな熱エネルギーで発色する。また、イエロー感熱発色層及びマゼンタ感熱発色層には、それぞれ特有の波長の定着光により発色能力が消失する光定着性が与えられており、より深層の感熱発色層を加熱したときに上層の感熱発色層が発色することがないようにしている。
サーマルヘッド14は、主走査方向に延びた発熱素子アレイ14aを備えており、この発熱素子アレイ14aをカラー感熱記録紙11に圧接して発熱させることにより各色の感熱発色層を面順次に加熱して発色記録する。サーマルヘッド14に対向する位置には、プラテンローラ21が配置されている。サーマルヘッド14は、プラテンローラ21に接近して発熱素子アレイ14aをカラー感熱記録紙11に圧接する記録位置と、発熱素子アレイ14aを前記プリント位置から退避させて、プラテンローラ21との間に所定の間隔を空ける退避位置との間で揺動する。給紙時には、サーマルヘッド14は、退避位置に位置しており、給紙されたカラー感熱記録紙11がサーマルヘッド14とプラテンローラ21との間を通過した後、記録位置に揺動して、該ローラ21とともにカラー感熱記録紙11をニップする。この状態でカラー感熱記録紙11を搬送させながら熱記録が行われる。
光定着器22は、イエロー定着用ランプ23とマゼンタ定着用ランプ24と反射板26とから構成される。イエロー定着用ランプ23は、カラー感熱記録紙11にイエロー画像がプリントされるときに点灯し、約420nm付近に発光波長のピークを有する青紫色の可視光(イエロー定着光)を照射してイエロー画像の定着処理をする。マゼンタ定着用ランプ24は、カラー感熱記録紙11にマゼンタ画像がプリントされるときに点灯し、約365nm付近に発光波長のピークを有する近紫外線(マゼンタ定着光)を照射してマゼンタ画像の定着処理をする。
カラー感熱記録紙11が給紙されると、カラー感熱記録紙11を記録方向に搬送させながら、1画面分のイエロー画像の熱記録が行われる。この熱記録の開始とともに、イエロー定着用ランプ23が点灯し、カラー感熱記録紙11のイエロー画像の記録済み部分が順次光定着器22に送られて、イエロー感熱発色層の光定着がなされる。イエローの光定着が終了すると、カラー感熱記録紙11は、その記録エリアの記録開始位置がサーマルヘッド14に達するまで戻し方向に搬送される。この後、イエロー画像と同様の手順でマゼンタ画像の熱記録及び光定着が行われる。マゼンタの光定着が終了すると、カラー感熱記録紙11は、再び戻し方向に搬送されて、その記録開始位置がサーマルヘッド14に達するまで戻された後、記録方向に搬送されながらシアン画像が熱記録される。こうして3色の画像が面順次に記録されてフルカラー画像が得られる。
図2に示すように、サーマルヘッド14は、ヘッド基板31上に、グレーズドガラスによってグレーズ層34が形成されている。ヘッド基板31は、アルミナ基板31aとこのアルミナ基板31a上に形成されたセラミック基板31bとからなり、グレーズ層34はセラミック基板31b上に形成される。このグレーズ層34の一部には、シリンドリカル突条に膨出された部分グレーズ34aが形成される。この部分グレーズ34aの長手方向は、カラー感熱記録紙11の搬送方向と直交する主走査方向(カラー感熱記録紙の幅方向)に一致しており、この部分グレーズ34aの頂上付近に、前記主走査方向に沿って、複数の発熱素子36が配列される。これら複数の発熱素子36が発熱素子アレイ14aを構成する。
部分グレーズ34a上には、各発熱素子36と接続されるリード電極38が形成されており、これらのリード電極38は、ヘッド基板31に取り付けられたプリント基板33に接続される。プリント基板33には、各発熱素子36への通電を制御するドライバIC39と、共通電極40とが設けられている。プリント基板33には、ドライバIC39を保護するとともにカラー感熱記録紙11の進路を案内するヘッドカバー41(図1参照)が取り付けられる。
図3に示すように、リード電極38は、正負両極の各リード部が同じ向きに配設されるように、略U字形の折り返し部分を持つ折り返し電極になっている。1つのリード電極38は、例えば、略M字形状をしており、2つの折り返し部分と、3つのリード部38a,38b,38cを持っている。両側の2つのリード部38a,38cがマイナス側のリード部であり、それらの間にプラス側のリード部38bが設けられている。マイナス側の2つのリード部38a,38cからプラス側のリード部38bへ至るまでの経路内にそれぞれ2つの発熱素子36が直列に接続され、1つのリード電極38に合計4つの発熱素子36が接続される。直列に接続される2つの発熱素子36が1画素を構成し、各画素の階調に応じて発熱が制御される。ドライバIC39には、個別電極42が設けられており、この個別電極42にマイナス側のリード部38a,38cがそれぞれ接続される。プラス側のリード部38bは、共通電極40に接続される。各リード部38a,38b,38cと、個別電極42又は共通電極40とは、ワイヤ43によってボンディングされて、電気的に接続される。
図4は、部分グレーズ34a及びカラー感熱記録紙11の断面図を示す。この図に示すように、これら発熱素子36及びリード電極38が形成された部分グレーズ34aの全面には、それらを覆って保護するための保護膜48が製膜される。熱記録時には、この部分グレーズ34aがカラー感熱記録紙11と圧接されて該記録紙11の表面に食い込む。発熱素子36が発する熱は、保護膜48を介してカラー感熱記録紙11に伝達される。
また、部分グレーズ34a上には、発熱素子36の記録方向の下流側に、ダミー電極46が設けられている。このダミー電極46は、部分グレーズ34aからグレーズ層34の平面部に渡って形成されている。ダミー電極46は、保護膜48の剥離防止用の凸部として設けられるものであり、発熱素子36とは絶縁(電気的に接続されない)されている。
このダミー電極46の表面には、発熱素子36と、カラー感熱記録紙11が部分グレーズ34aから剥離する剥離点Pとの間に、複数の窪み47からなるディンプルパターン49が形成されている。ディンプルパターン49は、長さが発熱素子アレイ14aの長手方向の長さに対応する帯状のエリア全域に形成される。保護膜48は、部分グレーズ34aの全面に一様な厚みになるようにその材料が塗布されて形成されるので、保護膜48の表面形状は、下地となる部分グレーズ34aの表面形状に従って形成される。ダミー電極46上の保護膜48は、その一部が窪み47に進入するため、保護膜48の表面にディンプルパターン49に対応した窪みが形成されて粗面化される。
この粗面部48aは、カラー感熱記録紙11の記録面荒れを防止するためのものである。上述したとおり、カラー感熱記録紙11が発熱素子36によって加熱されると、カラー感熱記録紙11内の水分が蒸発して記録面から水蒸気が放出される。粗面部48aは、カラー感熱記録紙11が発熱素子36を通過した後、剥離点Pに達するまでの間に前記水蒸気を、その窪みによって逃がす。これにより、カラー感熱記録紙11の記録面荒れが防止される。
図5は、サーマルヘッド14の製造工程の一部である、発熱素子及び電極の形成工程を示す説明図である。まず、ヘッド基板31上に、発熱素子36を構成する発熱抵抗体膜51(図4参照)を、その全面に一様に塗布して製膜した後、その上に重ねて、リード電極38及びダミー電極46を構成する電極膜52(図4参照)を、同様に製膜する。これにより、部分グレーズ34aを含むヘッド基板31の全面に、発熱抵抗体膜51と電極膜52とが層設される。この製膜後、発熱抵抗体膜51と電極膜52とに対して、エッチング処理を施して、所定の電極パターンを形成する。このエッチングに際しては、発熱抵抗体膜51と電極膜52とを一緒にエッチングする。これにより、部分グレーズ34a上に、リード電極38及びダミー電極46が形成される。
この後、リード電極38の一部に対して、電極膜52のみをエッチングして、発熱素子36を形成する。このエッチングの際に、ダミー電極46に対して、ディンプルパターン49のエッチング処理を施して、窪み47を形成する。この後、保護膜48が製膜されて、部分グレーズ34aの全面が覆われる。保護膜48の表面には、部分グレーズ34aの表面形状に応じた凹凸が形成される。ダミー電極46に対応する部位には、ディンプルパターン49に対応した複数の窪みからなる粗面部48aが形成される。
以下、上記構成による作用について説明する。サーマルヘッドの製造工程においては、ヘッド基板31上に、発熱抵抗体膜51及び電極膜52を製膜した後、エッチング処理が施されて、発熱素子36及びリード電極38が形成される。このエッチングの際に、ダミー電極46が形成されるとともに、その表面にディンプルパターン49が形成される。エッチング処理の後、保護膜48が形成されて、部分グレーズ34a全体が覆われる。保護膜48の表面には、ディンプルパターン49に対応した粗面部48aが形成される。
ダミー電極46及びディンプルパターン49は、発熱素子36やリード電極38のエッチング工程において形成されるから、それらを形成するための専用の工程が増加することはない。また、粗面部48aは、エッチング処理によって形成されるディンプルパターン49に対応して形成されるため、従来のように保護膜48に対して直接加工を加える場合と比較して、不良発生率が低く、安定した製造品質を確保することができる。
こうして製造されたサーマルヘッド14は、本体組み立て工程に送られて、カラー感熱プリンタ10に組み込まれる。完成したカラー感熱プリンタ10でプリント処理を行う場合には、本体に記録紙ロール12を装填してプリント指示を与える。これにより、カラー感熱記録紙11が給紙されて、給紙されたカラー感熱記録紙11は搬送されながらサーマルヘッド14によって熱記録される。この記録時には、図4に示すように、カラー感熱記録紙11はサーマルヘッド14とプラテンローラ21とに圧接される。カラー感熱記録紙11は、発熱素子36によって加熱されると、水蒸気を発するが、その水蒸気は、粗面部48aの窪みに逃げるので、記録面荒れが生じることはない。このため、カラー感熱記録紙11の記録面の光沢が失われることなく、良好な画質のプリント画像が得られる。
上記実施形態では、ダミー電極にディンプルパターンを形成することによって保護膜の表面に粗面部を形成しているが、ディンプルパターンでなくてもよく、図6(A)に示すように、ダミー電極61に対して、縦縞パターンのエッチング処理を施して縦方向の複数の溝を形成することにより、保護膜表面を粗面化してもよいし、また、図6(B)に示すように、ダミー電極62に対して、斜め縞パターンのエッチング処理を施して斜め方向の複数の溝を形成することにより、保護膜表面を粗面化してもよい。さらには、横縞パターンでもよい。これら以外にも粗面化するエッチングパターンは各種のものが考えられ、それらのいずれを採用してもよい。
上記実施形態では、ダミー電極表面の一部に、エッチングパターンを形成した例で説明しているが、加工の容易さ等を考慮して、例えば、ダミー電極の全面にエッチングパターンを形成するなど、剥離点よりも上流側の部分だけでなくそれよりも下流側の部分にもエッチングパターンを形成してもよい、
上記実施形態では、粗面部を形成するために、ダミー電極の表面に所定のエッチングパターンを形成した例で説明したが、エッチングを施す部位はダミー電極でなくてもよく、例えば、リード電極の折り返し部分を剥離点方向に延長し、その延長部分にエッチングを施すことにより粗面部を形成してもよい。
上記実施形態では、電極膜のみをエッチングして、粗面部に対応するエッチングパターンを形成する例で説明したが、電極パターンの形成時、すなわち、電極膜とともに発熱抵抗体膜を一緒にエッチングする際に形成してもよい。
10 カラー感熱プリンタ
11 カラー感熱記録紙
14 サーマルヘッド
14a 発熱素子アレイ
21 プラテンローラ
36 発熱素子
38 リード電極
46 ダミー電極
47 窪み
48 保護膜
48a 粗面部
49 ディンプルパターン
11 カラー感熱記録紙
14 サーマルヘッド
14a 発熱素子アレイ
21 プラテンローラ
36 発熱素子
38 リード電極
46 ダミー電極
47 窪み
48 保護膜
48a 粗面部
49 ディンプルパターン
Claims (3)
- 基板上に主走査方向に沿ってシリンドリカル突条に形成された部分グレーズと、この部分グレーズ上に順次層設された発熱抵抗体膜と電極膜とに対してエッチングを施すことにより形成され、前記部分グレーズの主走査方向に沿って配列された複数の発熱素子からなる発熱素子アレイ及びこの発熱素子アレイに接続されるリード電極と、これら発熱素子アレイ及びリード電極が形成された部分グレーズの全面を覆う保護膜とを有し、前記発熱素子を含む部分グレーズを熱記録材料に圧接させ、前記主走査方向と直交する記録方向に熱記録材料を相対移動させながら前記発熱素子を発熱させて熱記録を行うサーマルヘッドにおいて、
前記電極膜をエッチングする際に、前記発熱素子の記録方向下流側で、かつ、前記発熱素子を通過した熱記録材料が前記部分グレーズから剥離する剥離点までの部分に、所定パターンのエッチングを施すことにより、前記所定パターンに対応する保護膜の表面に、粗面部を形成したことを特徴とするサーマルヘッド。 - 前記所定パターンのエッチングは、前記リード電極よりも記録方向下流側に設けられたダミー電極上に施されることを特徴とする請求項1記載のサーマルヘッド。
- 基板上に主走査方向に沿ってシリンドリカル突条に形成された部分グレーズに、発熱抵抗体膜と電極膜とを製膜により順次層設し、前記各膜をエッチングすることにより主走査方向に配列された複数の発熱素子及びこれらに接続される複数のリード電極とを形成した後、これら発熱素子及びリード電極が形成された部分グレーズの全面を覆う保護膜を製膜することにより、前記主走査方向と直交する記録方向に熱記録材料を移動させながら前記各発熱素子を発熱させて熱記録するサーマルヘッドの製造方法において、
前記電極膜をエッチングする際に、前記発熱素子よりも記録方向下流側で、かつ、前記発熱素子を通過した熱記録材料が前記部分グレーズから剥離する剥離点までの部分に、所定パターンのエッチングを施すことにより、前記所定パターンに対応する保護膜の表面に、粗面部を形成するサーマルヘッドの製造方法。
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US20200247140A1 (en) * | 2017-03-29 | 2020-08-06 | Kyocera Corporation | Thermal head and thermal printer |
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2003
- 2003-11-07 JP JP2003378656A patent/JP2005138484A/ja active Pending
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