JP2005138004A - 遮水シートの接合部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 所定領域に構築された構造物の壁面Wに、遮水シート1、2を敷設するとともに、隣接する遮水シート1、2の端部同士を重ね合わせて接合する、遮水シートの接合部構造において、遮水シートは芯シート13、23の両面に保護層14、24を被覆した三層構造とし、隣接する遮水シート1,2の端部には、接合部に沿って一部を前記芯シート13に固着するラップシート12を設けた第一接続部11と、表面に保護層24を被覆しない露出部22を形成した第二接続部21と、を対峙させて設けて、第一接続部11を構築物の壁面W側に配置して、ラップシート12と露出部22とを接面し、隣接する遮水シート1,2を一体化することを特徴とした、遮水シートの接合部構造である。
【選択図】図1
Description
ところで、広範囲に亘りシート材を敷設する際、小さく分割した複数のシート材を継ぎ合わせて敷設するが、この場合取付け対象箇所に予め一列にスタッドボルトeを設けておき、ここをシートの継目部分としてシート材端部に設けた孔を挿通し、重なり合う二枚のシート材の端部を、押え金具c、平座金およびナットdで固定している。
また、そのほかにも表面を保護した各種構造の遮水シートが提案されている(例えば、特許文献1)。
さらに、保護シートが一体に被覆してあるため、運搬やその他の取り扱い性の面でも優れる。
図1に、本発明の遮水シート1、2の接合部の断面を示す。
本発明に係る遮水シート1、2の接合部の構造は、遮水シート1の第一接続部11と、隣接する遮水シート2の第二接続部21とを接合して、両シート1、2を一体化する接合部の構造である。
第一接続部11と第二接続部21には、所定の間隔をおいて連通する複数の孔16、27を穿設し、ここに構造物の壁面に設けたスタッドボルト32を挿入して、二枚の遮水シート1、2を接合する形態とする。
以下、本発明を構成する各部について詳述する。
遮水シート1、2は、表面を保護層14、24で被覆した三層構造からなるシート材で、シート1、2の接合端部には、第一接続部11若しくは第二接続部21を設ける。
遮水シート1,2の形状は特に制約を受けないが、本例においては略矩形を呈するシートを用い、シート1、2の左右(側辺)に相当する辺にそれぞれ第一接続部11と第二接続部21を設ける。
保護層14、24は、芯シート13、23を傷つけないように保護する層であり、芯シート13、23の表面に固着させて設ける。保護層14、24には、たとえばシート材や塗膜などが使用できる。
芯シート13、23と保護層14、24との固着は、素材に応じて接着、熱溶着などが選択でき、たとえば芯シート13、23に塩化ビニルを使用する場合、熱溶着によって固着する。
ラップシート12には遮水構造の、たとえばシート1、2の接合部と同等の長さを有する、幅細に形成したシート材が使用でき、素材には芯シート13と同じ素材を用いることができる。
ラップシート12の定着は、たとえばラップシート12の幅方向のうち、芯シート13の外周側に相当する縁部分を、芯シート13に固着させ、残りの部分を保護層14に重ねる形態とできる(図1)。保護層14に重ねる残りの部分は、必ずしも保護層14に貼着させる必要はない。
また、反対にラップシート12の幅方向のうち、芯シート13の外周側に相当する縁部分を固着せずに、内方側を固着しても良い。しかし、このときには固着部分に保護層14を被覆しないでおく。
なお、本例では第二接続部21の露出部22を、第一接続部11のラップシート12の配した面と反対面に備える。
以下、図2を参照にしながら説明する。
本実施例は、連続して打設した鋼管矢板3、3・・の側面に、複数に分割する遮水シート1、2を横方向に敷設するものである。
CT形鋼31のピッチより長さの短いRC版33、33・・を、上部からCT形鋼31、31の間に建てこむ。所要の高さまでRC版33、33、・・を積上げた後、鋼管矢板3とRC版33の間に生じた空間内に、間詰材34を打設する。
こうして、遮水シート1、2を敷設する構造物壁面を構築する。
次に、予め所要の形状に作製した遮水シート1、2を、順次、構造物壁面に取り付けてゆく。
現場へ搬入した遮水シート1の上辺の孔15に、トラバーサ4(吊上げ治具)に設けたフック41を引掛け、クレーンを用いて遮水シート1を所要の位置へ運ぶ。
遮水シート1の左右に穿設する孔16、17を、スタッドボルト32に挿入して、遮水シート1を構造物壁面に取付ける。このとき第一接続部11のラップシート12が、遮水シート1右側の表側(取付け箇所と反対側)にくるように配置する。遮水シート1は、必要に応じて仮止めを行っても良い。
こうして、一枚目の遮水シート1を取付ける。
遮水シート1を仮固定した後、次の遮水シート2を同様の要領で所要の取付け位置まで移動させる。本形態においては、次に敷設する遮水シート2を、先に取付けた遮水シート1の向かって右側へ配置する。二枚目の遮水シート2は、左辺に第二接続部21がくるようにする。また、露出部22を遮水シート1のラップシート12に接面するような配置とする。
第二接続部21に設けた孔27をスタッドボルト32に挿入し、遮水シート1,2の端部を重ねる。このとき、ラップシート12と露出部22との接面には、所要の貼着手段を用いて連結しても良い。
これは、たとえばナット34の締め付けが弱く、遮水シート1、2の取り付け側から、第一接続部11と第二接続部21の隙間に水が浸入した場合でも(矢印)、芯シート13とラップシート12との固着部分で水を捕らえるため、漏洩を防止することができる。
また、万一、二枚の遮水シート1、2がずれて接合され、同幅に構成するラップシート12と露出部22とが完全に重ならずに、表面から見てラップシート12の一部が露出したような接合状態になる場合でも(図示せず)、接合部の保護は図れる。これは、ラップシート12の裏面に位置する芯シート13の表面が、保護層14で被覆されているからである。つまり、ラップシート12が破れようとも、常に後ろから保護層14が現れて、芯シート13を保護することができる。一方、遮水シート2の露出部22には、壁面W側より埋戻し用の砕石などがぶつかり、傷つく心配がないため、接合部の構造は保持できる。
以降、同様の手順を繰り返してゆき、隣り合う遮水シートを接合しつつ、取り付け箇所へ敷設してゆく。
2・・・遮水シート
11・・第一接続部
12・・ラップシート
13・・芯シート
14・・保護層
21・・第二接続部
22・・露出部
23・・芯シート
24・・保護層
Claims (2)
- 所定領域に構築された構造物の壁面に、遮水シートを敷設するとともに、隣接する遮水シートの端部同士を重ね合わせて接合する、遮水シートの接合部構造において、
前記遮水シートは芯シートの両面に保護層を被覆した三層構造とし、
隣接する遮水シートの端部には、接合部に沿って一部を前記芯シートに固着するラップシートを設けた第一接続部と、表面に保護層を被覆しない露出部を形成した第二接続部と、を対峙させて設けて、
前記第一接続部を構築物の壁面側に配置して、前記ラップシートと前記第二接続部の露出部とを接面し、隣接する遮水シートを一体化することを特徴とした、
遮水シートの接合部構造。
- 請求項1に記載する遮水シートの接合部構造において、
前記構造物の壁面にスタッドボルトを配置し、
前記第一接続部と第二接続部に設けた前記スタッドボルトが貫通可能な孔に、前記スタッドボルトを挿通して、
積層した遮水シートの端部を押え金具を介してナットで押圧し、隣接する遮水シートを一体化することを特徴とした、
遮水シートの接合部構造。
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