JP5255526B2 - 目地漏水防止構造及び目地漏水防止工法 - Google Patents

目地漏水防止構造及び目地漏水防止工法 Download PDF

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Description

本発明は、水路における目地からの漏水を防止するための目地漏水防止構造及び目地漏水防止工法に関するものである。
一般に、例えばコンクリート製の略U字状の水路構成部材を複数並べて水路を形成することが行われている。このような構造の場合、隣り合う水路構成部材の目地にシーリング材を埋め込んで漏水を防止するようにしているが、地盤沈下や車両の走行振動、温度変化による膨張収縮等によって隣り合う水路構成部材が互いに異なる動きをして変位してしまい、このような水路構成部材の変位にシーリング材が追従できずに漏水が発生することがある。
そこで、従来より、隣り合う水路構成部材の目地からの漏水を防止する構造として、例えば、特許文献1に開示されている構造が知られている。特許文献1では、図10に示すように、隣り合う水路構成部材100,100の内側において目地101及び目地101の周辺にモルタルからなる第1モルタル層102を設け、この第1モルタル層102の水路内側に防水材103を接着し、さらに防水材103の水路内側に第2モルタル層104を設けることで目地101からの漏水を防止するようにしている。防水材103は板状のゴムと、ゴムを被覆する不織布とで構成されている。ゴムを不織布で覆うことで、モルタル層102,104からの剥離を抑制し、これにより、仮にモルタル層102,104にひび割れSができても、水路内の水が漏れにくくなるようにしている。
また、例えば、特許文献2に開示されているように、モルタルとの接着性を有するゴムシートが知られている。
特開2007−198119号公報 特開2007−291802号公報
ところが、特許文献1では上述のようにモルタル層102,104からの剥離を抑制して水を漏れにくくするために防水材103の外面に不織布を設けているのであるが、不織布が存在していると、モルタル層102,104にひび割れSができたときに、不織布の繊維が引き起こす毛細管現象により、図10に太線で示すように、水路の水が防水材103の外面を伝って漏水してしまう虞れがある。
そこで、特許文献1の防水材103に代えて特許文献2に開示されているようなモルタルとの接着性を有するゴムシートを用いることで、不織布を省略して防水材103とモルタル層102,104とを直接接着し、毛細管現象による漏水を防止することが考えられる。
ところが、時間の経過によって地盤沈下等が起こり、水路構成部材が図11に示すように互いに離れるように変位した場合、モルタル層102,104が割れて隙間ができ、このとき、防水材103がモルタル層102,104に接着されていることに起因して、防水材103の外面には、モルタル層102,104の割れの起点に対応する部分に引き裂き力が作用する。この引き裂き力によって防水材103は、いわゆるゼロスパンテンションを受けることになり、局部的に引き裂かれてその箇所から同図に示すように防水材103の破断に至る場合がある。防水材103が破断してしまうと、漏水の原因となる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、防水材がゼロスパンテンションを受けても破断しないようにすることで、長期間に亘って漏水を防止できるようにすることにある。
第1の発明は、所定方向に延びる水路を形成するように並べられた複数の水路構成部材のうち、隣り合う水路構成部材の目地からの漏水を防止するように構成された目地漏水防止構造において、上記水路構成部材の水路内側の目地部分及びその周辺に亘って設けられたモルタルからなる第1モルタル層と、上記第1モルタル層の水路内側に重なるように、かつ、上記目地部分に対応するように設けられた防水材と、上記防水材の水路内側を覆うように設けられたモルタルからなる第2モルタル層とを備え、上記防水材は、モルタルとの接着性を有する板状のゴムと、該ゴムの厚み方向中間部に埋め込まれるとともに、該ゴムとは異なる材料で構成された水不透過性の中間シートとを有していることを特徴とするものである。
この構成によれば、防水材のゴムが第1モルタル層及び第2モルタル層に接着する。これにより、第1モルタル層や第2モルタル層にひび割れができた場合に、防水材とモルタル層との間を水が流れるようになることはなく、漏水が防止される。
また、隣り合う水路構成部材が互いに離れる方向に変位して例えば第1モルタル層に割れによる隙間が発生した場合には、防水材のゴムが第1モルタル層に接着されているので、ゴムの第1モルタル層側にはゼロスパンテンションが作用することになる。その結果、ゴムの第1モルタル層側には引き裂き力が作用して引き裂かれていくが、中間シートが存在しているので、ゴムが引き裂かれても中間シートに達したところで中間シートによって防水材の破断が抑制されることになる。そして、中間シートにより漏水が防止される。
第2の発明は、第1の発明において、第1モルタル層と第2モルタル層との少なくとも一方には、該モルタル層に所望のひび割れを誘発するためのひび割れ誘発部が設けられ、上記ひび割れ誘発部は、目地に対応する部位に位置付けられていることを特徴とするものである。
この構成によれば、隣り合う水路構成部材が変位した場合に、目地に対応する部位、すなわち、防水材に対応する部位にひび割れを発生させることが可能になる。
第3の発明は、第1または2の発明において、中間シートは、樹脂材で構成されていることを特徴とするものである。
すなわち、樹脂材はゴムよりもクリープ変形が小さい。この樹脂材で中間シートを構成することで、植物の根が水路構成部材の外部から目地を通って水路内へ向かって延びてきたとき、根はゴムを貫通したとしても、中間シートに達したときに該中間シートを貫通するのは困難であり、中間シートにより根の侵入を防止できる。これにより、防水材が植物の根によって破られることはない。
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、防水材には、ゴムと中間シートとの接着力を弱める接着力低減部材が設けられていることを特徴とするものである。
この構成によれば、防水材のゴムにゼロスパンテンションが作用して該ゴムが引き裂かれたとき、そのゴムと中間シートとの接着力が弱いので、ゴムの引き裂き力が中間シートに直接的に伝わり難くなる。
第5の発明は、所定方向に延びる水路を形成するように並べられた複数の水路構成部材のうち、隣り合う水路構成部材の目地からの漏水を防止する際に用いられる目地漏水防止工法において、モルタルと、上記モルタルとの接着性を有する板状のゴムと、該ゴムの厚み方向中間部に埋め込まれるとともに、該ゴムとは異なる材料で構成された水不透過性の中間シートとを有する防水材とを用意した後、上記水路構成部材の水路内側の目地部分及びその周辺に亘ってモルタルを塗布して第1モルタル層を形成し、その後、上記第1モルタル層の水路内側に重なるように、かつ、上記目地部分に対応するように防水材を該第1モルタル層に貼り付け、しかる後、上記防水材の水路内側を覆うように該防水材にモルタルを塗布して第2モルタル層を形成することを特徴とするものである。
すなわち、第1モルタル層、防水材及び第2モルタル層が積層された目地漏水防止構造が得られる。
そして、防水材のゴムが第1モルタル層及び第2モルタル層に接着するので、第1モルタル層や第2モルタル層にひび割れができた場合に、漏水が防止される。また、第1の発明と同様に、防水材のゴムが引き裂かれたとき、中間シートによって防水材の破断が抑制されることになるので漏水が防止される。
第1の発明によれば、防水材が、モルタルとの接着性を有するゴムを備えているので、第1モルタル層や第2モルタル層にひび割れができても、防水材とモルタル層との間を水が流れることはない。そして、防水材の厚み方向中間部には、ゴムとは異なる材料で構成された水不透過性の中間シートを埋め込んでいるので、水路構成部材が互いに離れる方向に変位した場合に、ゴムにゼロスパンテンションが作用して引き裂かれても、中間シートによって防水材の破断が抑制されるので、長期間に亘って漏水を防止できる。
第2の発明によれば、ひび割れ誘発部を目地に対応する部位に位置付けたので、防水材に対応する部位にひび割れを発生させることができ、漏水を確実に防止できる。
第3の発明によれば、防水材の中間シートを樹脂材で構成したので、植物の根によって防水材が破られるのを回避でき、高い漏水防止性能を長期間に亘って得ることができる。
第4の発明によれば、防水材のゴムと中間シートとの接着力を弱めることができるので、ゼロスパンテンションが作用してゴムが引き裂かれても、その引き裂き力が中間シートに伝わり難くなり、中間シートの破れを確実に防止できる。これにより、漏水を確実に防止できる。
第5の発明によれば、第1の発明と同様に、長期間に亘って漏水を防止できる。
実施形態に係る目地漏水防止構造を備えた水路を示す図である。 目地漏水防止構造を設ける前の水路を示す図である。 図1のIII−III線における断面図である。 防水材の断面図である。 接着モルタル層が形成された水路を示す図である。 防水材が接着モルタル層に接着された水路を示す図である。 隣り合う水路構成部材が変位してモルタル層に隙間が形成された状態を示す図3相当図である。 図7の目地近傍を拡大した図である。 変形例に係る図3相当図である。 従来例を示す図である。 従来例に係り、水路構成部材が変位した状態を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る目地漏水防止構造1が適用された水路Aを示すものである。この実施形態の説明では、目地漏水防止構造1を説明する前に、水路Aについて説明する。
図2に示すように、水路Aは、例えば、農業用水や工業用水の他、生活排水を流す際に使用可能であり、複数のコンクリート製の水路構成部材B,B(この図には2つのみ示す)を並べて構成されたものである。各水路構成部材Bは同じものであり、上方に開放する略U字状の断面形状を有するチャンネル状をなしている。隣り合う水路構成部材B,Bの目地Cには、シーリング材Dが埋め込まれている。水路Aの完成時には、隣り合う水路構成部材B,Bの間隔は所定の間隔で維持されているが、完成から長期間経過すると、水路A周辺の地盤沈下や、車両走行の振動、温度変化による膨張収縮等によって、隣り合う水路構成部材B,Bが互いに異なる動きをして変位することがある。水路構成部材B,Bの動きの方向としては、各種あり、例えば、水路Aの延びる方向、上下方向、水路Aの側壁が傾く方向、水路Aの中心線に対し傾く方向等がある。このような水路構成部材B,Bの変位にシーリング材Dが追従できずに隙間ができることがあり、この隙間から水路A内の水が漏れることがある。
本実施形態の目地漏水防止構造1は、上述のように水路Aの完成から長期間を経て漏水が起こるようになった場合に、水路Aの補修時に用いられる構造である。
目地漏水防止構造1は、図3に示すように、水路構成部材Bの水路A内側の目地C部分及びその周辺に亘って設けられたモルタルからなる接着モルタル層(第1モルタル層)10と、接着モルタル層10の水路A内側に重なるように、かつ、上記目地C部分に対応するように設けられた防水材20と、防水材20の水路A内側を覆うように設けられたモルタルからなる保護モルタル層(第2モルタル層)30とを備えている。目地漏水防止構造1は、接着モルタル層10、防水材20及び保護モルタル層30の他に、接着モルタル層10を形成するモルタルを塗布する際に目地Cを覆うように設けられるテープ材40を備えている。また、水路構成部材Bの内面における接着モルタル層10が形成される部分には、モルタルの接着性を向上させるための下地処理としてプライマー50が塗布されている。プライマー50としては、例えばゴム系のものが挙げられるが、これに限られるものではなく、モルタルの接着強度を向上させることができるものであれば特に限定されない。
接着モルタル層10は、防水材20を水路構成部材Bに接着させるためのものであり、目地Cから水路Aの流れ方向両側に数十mm程度離れた領域まで連続して形成されている。また、この接着モルタル層10は、図5に示すように、水路構成部材Bの一方の側面から底面、他方の側面まで連続して形成されている。接着モルタル層10の厚みは、5mm程度が好ましいが、水路構成部材Bの内面の状態(損傷、荒れ具合)や、水路構成部材Bの変位量等によって厚くすることや薄くすることも可能である。また、本実施形態では、接着モルタル層10を構成するモルタルは、セメントと砂とを水で練った単純モルタルである。尚、モルタルに樹脂エマルジョンを混合した樹脂モルタルを用いてもよい。
図3に示すように、防水材20は、板状に形成されたゴム21と、ゴム21の厚み方向中間部に埋め込まれた中間部材22とを備えている。ゴム21は、モルタルとの接着性を有しており、例えば、特開平11−60823号公報に開示されているゴムを用いることができる。すなわち、このゴムは、プライマーを塗布することなくモルタルに接着するように各成分が配合されており、乾燥していないモルタルの上に置いてモルタルを乾燥させると、該モルタルと強固に接着する性質を有している。また、このゴム21は水不透過性を有している。
図6に示すように、防水材20は、接着モルタル層10に沿って水路構成部材Bの一方の側面から底面、他方の側面まで連続して延びている。また、水路A内から見たときに、防水材20は、目地Cと重複するように配置されている。
中間部材22は、図4に示すように、樹脂材で構成された薄肉な中間シート22aと、中間シート22aの水路A内側となる面に設けられた金属膜22bと、中間シート22aの金属膜22bと反対側の面に設けられた複数の第1帯状部材22c及び第2帯状部材22dとを備えている。
中間シート22aを構成する樹脂材は、ゴム21よりも耐クリープ変形性の高い樹脂材であればよく、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンが好ましい。この中間シート22aは、水不透過性を有している。
金属膜22bは、本実施形態ではアルミニウムで構成されており、中間シート22aにアルミニウムを蒸着させることによって形成されている。金属膜22bは、アルミニウム以外の金属で形成してもよい。この金属膜22bは、中間シート22aを補強するためのものである。
第1帯状部材22cは、中間シート22aに沿って所定方向に真っ直ぐに延びており、その長手方向と直交する方向に間隔をあけて複数配置されている。第2帯状部材22dは、第1帯状部材22cの水路A外側となる面に接合するように配置され、中間シート22aに沿って第1帯状部材22cと直交する方向に延びている。第2帯状部材22dは、第1帯状部材2cの長手方向に間隔をあけて複数配置されている。つまり、第1帯状部材22cと第2帯状部材22dとは、平面視で互いに直交して延びており、両者によってメッシュが構成されている。また、第1帯状部材22cと第2帯状部材22dとは接着されていない。
中間部材22の金属膜22bの表面がゴム21に接着され、また、第1帯状部材22c及び第2帯状部材22dがゴム21に接着されている。また、中間シート22aの金属膜22bと反対側の面は、第1帯状部材22cと第2帯状部材22dの間の部分がゴム21に接着されている。中間シート22aの帯状部材22c,22d側のゴム21との接着力は、帯状部材22c,22dが介在していることと、これら帯状部材22c,22d同士が接着されていないこととにより、金属膜22b側のゴム21との接着力に比べて弱くなっている。本発明の接着力低減部材は、第1及び第2帯状部材22c,22dで構成されている。
保護モルタル層30は、防水材20の水路A内側の面の全体を覆うように形成されており、接着モルタル層10と同じモルタルで構成されている。保護モルタル層30の厚みは接着モルタル層10と同じ程度であるが、異ならせることも可能である。保護モルタル層30は、防水材20の保護を目的とするものである。
次に、目地漏水防止工法について説明する。まず、水路構成部材Bの内面における接着モルタル層10を形成する部位にプライマー50(図3に示す)を塗布する。そして、水路構成部材Bの内面には、目地Cを覆うようにテープ材40を貼る。その後、図5に示すように、モルタルを水路構成部材Bの内面のプライマー50上に塗布して接着モルタル層10を形成する。このとき塗布されたモルタルは目地Cがテープ材40で覆われていることにより、水路A外部に漏れるのが防止される。
次いで、図6に示すように、接着モルタル層10が乾かないうちに防水材20を接着モルタル層10に密着させる。このとき、防水材20の金属膜20b側が水路A内に向くようにする。
しかる後、図1に示すように、モルタルを防水材20の水路A内側の面に塗布して保護モルタル層30を形成する。接着モルタル層10及び保護モルタル層30が乾燥すると、防水材20の外面全体が両モルタル層10,30に接着される。
このようにして目地漏水防止構造1が得られ、目地Cからの漏水が防止されるが、時間の経過とともに、隣り合う水路構成部材B,Bが変位した場合には、例えば、接着モルタル層20及び保護モルタル層30にひび割れができることがある。このひびから水路A内の水が防水材20側へ向けて流れると、防水材20のゴム21が両モルタル層10,30に接着されているので、水がモルタル層10,30と防水材20との間を流れることはなく、漏水が防止される。
また、隣り合う水路構成部材B,Bが互いに離れる側に変位し、その変位量が大きいと、図7及び図8に示すように、接着モルタル層10及び保護モルタル層30に隙間Eが形成されることがある。こうなった場合、防水材20のゴム21が両モルタル層10,30に接着されているので、ゴム21の接着モルタル層10側及び保護モルタル層30側には、ゼロスパンテンションがそれぞれ作用することになる。その結果、ゴム21の接着モルタル層10側及び保護モルタル層30側には引き裂き力が作用して引き裂かれていくが、防水材20には中間シート22aが存在しているので、ゴム21が引き裂かれても中間シート22aに達したところで防水材20全体として見たときに中間シート22aによって破断が抑制されることになる。そして、中間シート22aにより漏水が防止される。尚、このとき中間シート22aは引っ張られて延びる。
また、防水材20の接着モルタル層10側のゴム21と中間シート22aとの接着力を弱めているので、ゴム21にゼロスパンテンションが作用してゴム21が引き裂かれても、その引き裂き力が直接的には中間シート22aに伝わり難くなり、中間シート22aの破れを確実に防止できる。
また、目地漏水防止構造1を設けた後に、植物の根が水路構成部材Bの外側から内側に向けて目地Cを通って延びようとすることがある。この場合、植物の根は接着モルタル層10のひび割れ箇所を通って水路A内へ延びてくる。防水材20のゴム21はクリープ変形し易いものであるため、植物の根はゴム21を貫通する。一方、中間シート22aは、ゴム21よりも耐クリープ性が高いので変形し難く、植物の根は中間シート22aの表面を滑るようになって該中間シート22aにより延びが止まり、中間シート22aを貫通することは殆どない。これにより、中間シート22aが破られるのを回避でき、高い漏水防止性能を得ることができる。
以上説明したように、この実施形態によれば、防水材20が、モルタルとの接着性を有するゴム21を備えているので、接着モルタル層10や保護モルタル層30にひび割れができても、防水材20とモルタル層10,20との間を水が流れることはない。そして、防水材20の厚み方向中間部には、ゴム21とは異なる材料で構成された水不透過性の中間シート22aを埋め込んでいるので、水路構成部材Bが互いに離れる方向に変位した場合に、ゴム21にゼロスパンテンションが作用して引き裂かれても、中間シート22aによって防水材20の破断が抑制されるので、長期間に亘って漏水を防止できる。
また、防水材20の中間シート22aを樹脂材で構成したので、植物の根が貫通するのを回避でき、高い漏水防止性能を長期間に亘って得ることができる。
また、防水材20のゴム21と中間シート22aとの接着力を弱めることができるので、ゼロスパンテンションが作用してゴム21が引き裂かれても、その引き裂き力が中間シート22aに直接的に伝わり難くなり、中間シート22aの破れを確実に防止でき、漏水を確実に防止できる。
尚、図9に示す変形例のように、接着モルタル層10と保護モルタル層30とに、該モルタル層10,30に所望のひび割れを誘発するためのひび割れ誘発部10a,30aをそれぞれ設けるようにしてもよい。これらひび割れ誘発部10a,30aは、目地Cに対応する部位に位置付けられている。具体的には、接着モルタル層10のひび割れ誘発部10aは、接着モルタル層10に、目地Cに沿って延びるように形成された溝で構成されていて、この溝の形成された部分が他の部分に比べて脆弱となり、その結果、ひび割れが発生し易くなっている。このひび割れ誘発部10aには、溝を形成するためのスポンジ60が埋め込まれている。また、保護モルタル層30のひび割れ誘発部30aは、保護モルタル層30に、目地Cに沿って延びるように形成された溝で構成されている。このひび割れ誘発部30aにもスポンジ61が埋め込まれている。
ひび割れ誘発部10a,30aが形成されていることで、接着モルタル層10及び保護モルタル層30にひび割れが発生する際には、ひび割れ誘発部10a,30aに発生することになる。これにより、防水材20に対応する部位にひび割れを発生させることができるので、ひび割れが発生したときに防水材20によって漏水を確実に防止できる。尚、ひび割れ誘発部10a,30aのうち、一方を省略してもよい。
また、ひび割れ誘発部10a,30aとしては、例えばモルタルよりも脆弱な部材を接着モルタル層10や保護モルタル層30に埋め込むことによって構成してもよい。
また、上記実施形態では、防水材20に金属膜22bや第1帯状部材22c、第2帯状部材22dを設けているが、これらのうち、任意の1つまたは全てを省略してもよい。
また、本発明は、上記した水路以外にも各種水路に適用することが可能であり、また、補修時以外にも用いることができる。
以上説明したように、本発明にかかる目地漏水防止構造及び目地漏水防止工法は、例えば、農業用水路の補修するのに適している。
1 目地漏水防止構造
10 接着モルタル層
10a ひび割れ誘発部
20 防水材
21 ゴム
22a 中間シート
22c,22d 第1及び第2帯状部材(接着力低減部)
30 保護モルタル層
30a ひび割れ誘発部
A 水路
B 水路構成部材
C 目地

Claims (5)

  1. 所定方向に延びる水路を形成するように並べられた複数の水路構成部材のうち、隣り合う水路構成部材の目地からの漏水を防止するように構成された目地漏水防止構造において、
    上記水路構成部材の水路内側の目地部分及びその周辺に亘って設けられたモルタルからなる第1モルタル層と、
    上記第1モルタル層の水路内側に重なるように、かつ、上記目地部分に対応するように設けられた防水材と、
    上記防水材の水路内側を覆うように設けられたモルタルからなる第2モルタル層とを備え、
    上記防水材は、モルタルとの接着性を有する板状のゴムと、該ゴムの厚み方向中間部に埋め込まれるとともに、該ゴムとは異なる材料で構成された水不透過性の中間シートとを有していることを特徴とする目地漏水防止構造。
  2. 請求項1に記載の目地漏水防止構造において、
    第1モルタル層と第2モルタル層との少なくとも一方には、該モルタル層に所望のひび割れを誘発するためのひび割れ誘発部が設けられ、
    上記ひび割れ誘発部は、目地に対応する部位に位置付けられていることを特徴とする目地漏水防止構造。
  3. 請求項1または2に記載の目地漏水防止構造において、
    中間シートは、樹脂材で構成されていることを特徴とする目地漏水防止構造。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の目地漏水防止構造において、
    防水材には、ゴムと中間シートとの接着力を弱める接着力低減部材が設けられていることを特徴とする目地漏水防止構造。
  5. 所定方向に延びる水路を形成するように並べられた複数の水路構成部材のうち、隣り合う水路構成部材の目地からの漏水を防止する際に用いられる目地漏水防止工法において、
    モルタルと、
    上記モルタルとの接着性を有する板状のゴムと、該ゴムの厚み方向中間部に埋め込まれるとともに、該ゴムとは異なる材料で構成された水不透過性の中間シートとを有する防水材とを用意した後、
    上記水路構成部材の水路内側の目地部分及びその周辺に亘ってモルタルを塗布して第1モルタル層を形成し、
    その後、上記第1モルタル層の水路内側に重なるように、かつ、上記目地部分に対応するように防水材を該第1モルタル層に貼り付け、
    しかる後、上記防水材の水路内側を覆うように該防水材にモルタルを塗布して第2モルタル層を形成することを特徴とする目地漏水防止工法。
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