JP2005137350A - 魚節、魚節製品、嗜好飲料及びその製造方法 - Google Patents

魚節、魚節製品、嗜好飲料及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 表面の酸化臭や煙臭い香りが殆ど無いとともに、ダシをとる際には、色沢良好な上、苦味、酸味や渋味などの雑味が殆ど無い上品な味となる魚節、魚節製品、及びこのような魚節や魚節製品を用いた嗜好飲料、並びにこれら魚節、魚節製品、嗜好飲料の製造方法を提供する。
【解決手段】
魚節は、荒節又は枯れ節の表面全体に亘り略均等に所定量だけ切削除去されており、魚節製品は、破砕及び/又は削り処理され通液性の内袋に充填された魚節が、ガスバリア性袋体の内部に真空封入されているか、又は脱酸素剤と共にガスバリア性袋体の内部に封入されているか、又は不活性ガス置換されたガスバリア性袋体の内部に封入されている。
【選択図】なし

Description

本発明は魚節、魚節製品等及びその製造方法に係り、特に、表面の酸化臭や煙臭い香りが殆ど無く、ダシをとった場合には、色沢良好な上、苦味、酸味や渋味などの雑味の無い上品な味となる魚節、魚節製品、嗜好飲料及びその製造方法に関する。
鰹節、鯖節、鮪節、鰯節、鰺節等の魚節は、破砕及び/又は削り処理し、削り節として食材、ダシの素として利用されている。魚節の内でも本鰹の外、ソーダ鰹などの鰹を原材料とした鰹節が代表的な魚節である。鰹節の一般的な製造工程は、原材料となる鰹の頭を落し、内臓・背鰭を除去した魚体について、3枚に卸し、背側と腹側に断ち分ける合断の後、合断された鰹生肉を篭立てして煮釜で煮熟する。煮熟する温度や時間は、鰹生肉の鮮度や大きさなどにより調節されるが、通常80〜100℃で、30分〜180分間である。煮熟後、水切り放冷されて生利節となる。続いて、骨抜き及び表皮剥ぎされた後、蒸篭蒸しにより殺菌され修繕後に再度蒸篭蒸しが施される。蒸篭蒸しされた鰹肉は、水抜き焙乾(1番火)及びあん蒸の後、焙乾(2番火)及びあん蒸が行われ、さらに3番火、4番火、・・・と焙乾及びあん蒸を繰り返す間欠焙乾が施されて荒節となる。かび付けを容易とするために荒節表面に付着したタールを削って除き裸節が得られ、裸節にかび付けした後(1番かび付け)、日乾し2番かび付けの後、3番かび付け、・・・とかび付けが繰り返され枯れ節となる。
このようにして製造される鰹節等の魚節について、削り器で薄く削った削り節は、長期間保存すると、魚節本来の美味さ、香りが消えたり、保存雰囲気中の悪臭を吸収して不快な風味を発したりすると共に、表面が削られた魚節も長期間の貯蔵により風味の低下は避けられない。そこで、この問題を改善するものとして、例えば、鰹節等を一定の厚さに削り、これを圧縮しつつ所定の大きさに切断した削り節を不活性ガスと共に、適当量、非通気性の袋容器内に収納、封止した削り節パックがある(特許文献1参照)。
特開昭53−121960号公報
しかしながら、特許文献1のような削り節パックであっても、魚節製造における重要な必須工程である焙乾工程において、内部に浸透したフェノール類などの燻煙成分や各種反応により生じた煙臭い香りや酸化臭のような好ましくない香りについても保存されており、また、このような削り節から抽出したダシ汁は渋味や酸味を有し、穏やかで上品な風味とは言えないものである点については、問題が残っていた。したがって、本発明は以上のような問題に鑑みてなされたものであり、表面の酸化臭や煙臭い香りが殆ど無いとともに、ダシをとる際には、色沢良好な上、苦味、酸味や渋味などの雑味が殆ど無い上品な味となる魚節、魚節製品、及びこのような魚節や魚節製品を用いた嗜好飲料、並びにこれら魚節、魚節製品、嗜好飲料の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による魚節は、荒節又は枯れ節の表面全体に亘り略均等に所定量だけ切削除去されていることを特徴とする。このような魚節において、荒節又は枯れ節が、血合肉部分が削り取られた状態の荒節又は枯れ節であることが好ましく、また、加熱殺菌を施す前の生菌数が10/g以下であることを特徴とする。さらに、荒節又は枯れ節が鰹を原材料として得られたものであり;20メッシュ篩を通過する粉末としこの粉末について反射法により測定した色調におけるL値が60以上であることが好ましい。そして、荒節又は枯れ節が鰹を原材料として得られたものであり;破砕及び/又は削り処理した処理物2重量部を沸騰水に加えて1分間加熱抽出し、冷却後に水を加えて100重量部としたダシ液について透過法により測定した色調におけるb値が5未満であることが好ましく、また、フェノール類含量が20μg/g以下であることが良く、さらに、粉砕し香気成分についてGC−MS分析を行うとき、フェノール類の総ピーク面積がピラジン類の総ピーク面積の200%以下であること、さらにまた、過酸化物価が20meq/Kg以下であることを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明による魚節製品は、上述のような魚節が破砕及び/又は削り処理されていることを特徴とする。さらに、破砕及び/又は削り処理された上述のような魚節が、ガスバリア性袋体の内部に真空封入されているか、又は脱酸素剤と共にガスバリア性袋体の内部に封入されているか、又は不活性ガス置換されたガスバリア性袋体の内部に封入されていることが好適であり、さらにまた、破砕及び/又は削り処理され通液性の内袋に充填された上述のような魚節が、ガスバリア性袋体の内部に真空封入されているか、又は脱酸素剤と共にガスバリア性袋体の内部に封入されているか、又は不活性ガス置換されたガスバリア性袋体の内部に封入されていても良い。そして、本発明による嗜好飲料は、上述のような魚節を酒類内に投入、抽出して得られた液体であることを特徴とする。また、上述のような魚節製品を酒類内に投入、抽出して得られた液体であることが好適である。
さらに、上記目的を達成するため、本発明による魚節の製造方法は、荒節又は枯れ節の表面全体に亘り略均等に所定量だけ切削除去することを特徴とする。この魚節の製造方法において、荒節又は枯れ節が、血合肉部分が削り取られた状態の裸節又は枯れ節であることが好適である。また、前記所定量を、荒節又は枯れ節に対し20重量%以上とすることが好ましく、またさらに、荒節又は枯れ節が鰹を原材料として得られたものであり;前記切削除去部を20メッシュ篩を通過する粉末とし、この粉末について反射法により測定した色調におけるa値が13未満となるように切削除去することが良い。
また、上記目的を達成するため、本発明による魚節製品の製造方法は、上述のような魚節を破砕及び/又は削り処理することを特徴とする。さらに、上述のような魚節を破砕及び/又は削り処理し、ガスバリア性袋体の内部に真空封入するか、又は脱酸素剤と共にガスバリア性袋体の内部に封入するか、又は不活性ガス置換されたガスバリア性袋体の内部に封入することが好ましく、さらにまた、上述のような魚節を破砕及び/又は削り処理し、通液性の内袋に充填し、ガスバリア性袋体の内部に真空封入するか、又は脱酸素剤と共にガスバリア性袋体の内部に封入するか、又は不活性ガス置換されたガスバリア性袋体の内部に封入することが好適である。そして、本発明による嗜好飲料の製造方法は、上述のような魚節を酒類内に投入、抽出し液体を得ることを特徴とする。また、上述のような魚節製品を酒類内に投入、抽出し液体を得ることが好適である。
本発明における魚節によれば、荒節又は枯れ節の表面全体に亘り略均等に所定量だけ切削除去されているので、削り始めから表面の酸化臭や煙臭い香りが殆ど無く、ダシをとった場合には、色沢良好な上、苦味、酸味や渋味などの雑味が殆ど無い穏やかで上品な風味となる削り節が得られる。また、血合肉部分が削り取られた状態の荒節又は枯れ節からその表面全体に亘り切削除去されている魚節では、より雑味の少ない上品な風味の削り節が得られる。さらに、加熱殺菌を施すことなく魚節の生菌数規格である10/g以下を2桁のレベルで下回っており、加熱殺菌工程を省略又は実施したとしても従来の魚節に対する加熱殺菌条件に比して極めて緩やかな条件とすることが出来、風味の低下が抑えられている。そして、主に表面部分の脂質が酸化された過酸化脂質に由来し、雑味発生の一因でもある過酸化物が低減されている。
本発明による魚節の製造方法によれば、上記のような最上級品とも言える魚節を、従来の製造設備を利用して効率良く製造することができる。また、一方で多少脂肪分の多い原材料魚であっても、削り節とした際に粉屑化することなく良好な品質のものとすることができ、原材料選択の幅を広げることができる。
本発明における魚節製品によれば、上記魚節の場合と同様の効果を有する外、不活性ガス置換されたガスバリア性袋体の内部に封入されていることから、穏やかで上品な風味のみが保存され、また、酸化などによる品質低下が抑制されて長期間の保存にも耐え得る。また、通液性の内袋に充填された製品は、熱湯に投入するだけで、色沢良好な上、雑味が殆ど無い穏やかで上品な風味のダシ液が得られる。また、本発明による嗜好飲料によれば、生臭さ、酸化臭や煙臭い香りもなく、ヒレ酒にも劣ることのない一味趣の異なる風味を有する。本発明による魚節製品、及び嗜好飲料の製造方法によれば、それぞれ、上記のような良好な風味のみを長期間保存する魚節製品、及び好ましい風味の嗜好飲料を容易に製造、提供することができる。
本発明の魚節は、荒節又は枯れ節を原料とし、これらの荒節、枯れ節の表面全体に亘り略均等に所定量だけ切削除去することにより製造される。荒節、枯れ節は、従来より公知の方法によって作製することができる。すなわち、内臓・背鰭を除去した魚体を3枚に卸し、篭立てして煮釜で煮熟し、水切り放冷することにより生利節とし、生利節を修繕後、再度蒸篭蒸しを行い、水抜き焙乾及びあん蒸の後、焙乾及びあん蒸を所定回数繰り返して荒節とする。そして、この荒節表面のタールを除去して裸節とし、裸節にかび付けを行い、乾燥、かび付けを繰り返して枯れ節とするものである。このように作製される本発明の魚節としては、鰹節を始めとし、鯖節、鮪節、鰯節、鯵節、さんま節、その他のものを包含するものである。
荒節、枯れ節の表面の切削除去は、グラインダー、削り器、ナイフ、その他の装置や器具を用いて行う。切削除去は、荒節、枯れ節の表面全体に亘って行うものであり、且つ全体に亘り略均等となるように行う。この切削除去に先だって、血合肉部分を荒節や枯れ節の表面から予め削り去ることが好ましい。血合肉は、雑味を呈するため、魚節本来の美味しさや風味を損なう原因となるばかりでなく、色調が悪くなって外観が低下するためである。
予め血合肉部分を除去した後の表面の切削除去に際しては、全体の5〜60%程度、好ましくは10〜40%、さらに好ましくは20〜30%程度の除去率とする。10%未満の除去率では、酸化部分を完全に除去することができず、本発明の目的とする上品な風味を得ることができないためであり、60%を超える除去率では、歩留まりが著しく悪くなり、コスト的に不利となるためである。
このようにして得られた本発明の魚節は、荒節、枯れ節の表面全体が均等に切削除去されているため、焙乾の際の燻煙成分やその他の反応生成物が除去された状態となっている。このため、魚節本来の風味や呈味だけを備えた製品とすることができる。従って、この魚節をダシの原料に用いた場合には、透明感があり、且つその魚節だけの旨味や風味を有したダシ汁とすることができる。また、この魚節を削って得られる削り節をそのまま食した場合には、魚節本来の良好な香りやまろやかさを呈することができる。さらに、本発明の魚節の外観は、濁りがないばかりでなく、魚節独特の良好な光沢や輝きを全体に均一に有した高級感を呈し、他の魚節との明確な差別化を行うことができる。
得られた魚節に対しては、加熱殺菌を行うことができる。加熱殺菌は、通常魚節を不活性ガス雰囲気あるいは乾燥雰囲気内で120〜140℃程度の所定の温度で、10〜20分程度加熱したり、加圧水蒸気滅菌(オートクレーブ、100〜120℃、10〜20分)により行われる。この加熱殺菌によって、魚節表面に付着しているかび及び細菌類を除去することができるため、長期間良好な品質を保持することができる。しかし、かかる加熱殺菌においては、旨味成分が溶出したり風味品質の低下を招くことがある。
本実施の形態においては、加熱殺菌処理前における魚節の生菌数を10/g以下とするものである。生菌数を10/gとすることにより、魚節についての生菌数規格である10/g以下に対し2桁のレベルで下回っており、加熱殺菌工程を省略又は実施したとしても従来の魚節に対する加熱殺菌条件に比して極めて緩やかな条件とすることが出来、風味の低下が抑えられる。その後の加熱殺菌における魚節表面でのかび及び細菌数をさらに少なくすることができるため、品質保持を長期間とすることができる。
以上の本発明の魚節を数値的に規定する場合には、以下のような条件となるものである。
(1)荒節又は枯れ節が鰹を原材料として得られたものの場合、20メッシュ篩を通過する粉末とし、この粉末について測色色差計を用い反射法により測定した色調におけるL値が60以上である。色差測定法は、JIS規格に準じて試験を行う。L値は、色の明るさを反映し、L値を60以上とすることにより、節表面の褐色成分含有率を低減できる。
(2)荒節又は枯れ節が鰹を原材料として得られたものの場合、破砕及び/又は削り処理した処理物2重量部を沸騰水に加えて1分間加熱抽出し、冷却後に水を加えて100重量部としたダシ液について測色色差計を用い透過法により測定した色調におけるb値が5未満である。色差測定法は、JIS規格に準じて試験を行う。 b値は黄色の色調(色相)を反映し、b値を5未満とすることにより、
酸化油脂など黄色味を有する成分を低減することができる。
(3)魚節におけるフェノール類含量は20μg/g以下である。
フェノール類は、焙乾に用いる燻煙中に含まれており、これが魚節に付着あるいは浸透している場合には、抗菌性、抗酸化性を付与する一方、煙臭い香りの一因でもあり、渋味、苦味を与えるという好ましくない作用を行う。フェノール類を20μg/g以下の含量とすることにより、魚節を穏やかな風味とする一因と推定される。
(4)魚節を粉砕し、香気成分についてGC−MS分析を行うとき、フェノール類の総ピーク面積がピラジン類の総ピーク面積の200%以下である。
香気成分(揮発性成分)についてのGC−MS分析は、粉砕した魚節の揮発性成分をトラップ濃縮し、ガスクロマトグラフ(GC)により分離した各香気成分ピークを質量分析装置に導き各ピーク成分を同定すると共に、フェノール類と同定された各ピーク面積の総和と、ピラジン類と同定された各ピーク面積の総和を比較する。この発明では、フェノール類の総ピーク面積をピラジン類の総ピーク面積の200%以下とすることにより、焙乾により出現、又は増加し主な香気成分の一つであるフェノール類の比率が減少し、フェノール類より穏やかな香気成分のピラジン類が相対的に増加していることが確認できる。
(5)魚節の過酸化物価が20meq/Kg以下である。
過酸化物価は、食品衛生検査指針・理化学編(社団法人 日本食品衛生協会)に準じて測定する。 本発明では、過酸化物価を20meq/Kg以下とすることにより、主に表面部分の脂質が酸化された過酸化脂質に由来し、雑味発生の一因でもある過酸化物が低減されていることが確認できる。
本発明の魚節製品は、以上の魚節を破砕及び/又は削り処理することにより得られるものである。破砕処理は、魚節をライカイ器、粉砕器等に投入して細かな粉末状に砕く処理であり、削り処理は、魚節を削り器等によって細片状とする処理である。これらの破砕処理及び削り処理は、それぞれの単一の処理であっても良く、組み合わせによる複合した処理であっても良い。
このような破砕及び/又は削り処理によって得られる結果物は、嵩が大きくなるため、単位体積における表面積が格段に大きくなっており、魚節独特の香味、風味を広範囲に引き出すことができる。従って、そのまま食した場合には、魚節の旨味を濃厚に味わうことができる。また、ダシに用いた場合には、濃厚な旨味を有したものとすることができる。
本発明において、このような破砕及び/又は削り処理を行った魚節製品及び上述した魚節を、ガスバリア性の袋体の内部に投入し、袋体の内部を不活性ガス置換して袋口をシールして供給することができる。このように不活性ガス置換された雰囲気内に封入することにより、経時的な酸化や色沢の劣化を防止できるため、良好な品質を保持した状態で長期の保存に耐えることができる。また、市販に便利な形態とすることができる。
この場合に用いるガスバリア性の袋体としては、例えば、ポリビニリデンやエチレン−ビニルアルコール共重合体(エバール)等の樹脂、アルミニウム箔を積層した樹脂等を用いることができる。不活性ガスとしては、窒素ガス、二酸化炭素ガス等を用いることができる。
なお、破砕及び/又は削り処理を行った魚節製品においては、これを不織布や薄紙、網目体等の通液性の内袋内に充填した状態でガスバリア性の袋体内に封入することができる。このような形態とすることにより、内袋を湯や水に投入するだけでダシ汁を取ることができるため、使用上便利となる。
さらに、本発明においては、魚節や破砕及び/又は削り処理を行った魚節製品を用いることにより嗜好飲料とすることができる。嗜好飲料は、魚節や破砕及び/又は削り処理を行った魚節製品を酒類内に投入し、これらからエキス分を抽出することにより得ることができる。酒類としては、清酒、焼酎、果実酒、その他のものを適宜選択することができる。抽出は、魚節や破砕及び/又は削り処理を行った魚節製品を酒類に投入し、常温下で放置しても良く、幾分加温しても良い。なお、抽出後には、魚節や破砕及び/又は削り処理を行った魚節製品を酒類内から引き上げることが好ましい。
このような嗜好飲料では、酒類の風味に魚節の旨味が加わるため、重厚な味となり、そのまま飲んでも、水等によって割って飲んでも、今までの飲料とは異なった興味深い味を楽しむことができる。従来の魚節を使用した場合とは異なり、生臭さ、酸化臭や煙臭い香りもなく、ヒレ酒にも劣ることのないひと味趣の異なる風味を有する嗜好飲料を実現、提供することができる。
以下、本発明による魚節、魚節製品、嗜好飲料、並びにこれらの製造方法について、実施例を示して具体的に説明するが、これによって本発明を限定するものではない。
〔実施例1〕:(鰹荒節を原材料とした切削除去)
血合肉部分が削り取られた状態の鰹荒節の雄節3本と雌節3本を原材料として、それぞれその表面全体をほぼ均等に表面側からグラインダーを用いて切削除去した。切削除去部の重量が切削除去前の荒節重量の10重量%相当となる毎に、所定量をサンプリングしながら、切削除去部の重量が50重量%となるまで切削除去操作を続けた。なお、タールが付着した状態の鰹荒節に対するあらかじめ削り取った血合肉部分の比率は、雄節では13〜19重量%、平均で16.0重量%、雌節では14〜18重量%、平均で16.0重量%であった。
〔実施例2〕:(鰹枯れ節を原材料とした切削除去)
血合肉部分が削り取られた状態の鰹枯れ節の雄節3本と雌節3本を原材料として、それぞれその表面全体を表面側からほぼ均等にグラインダーを用いて切削除去した。切削除去部の重量が切削除去前の枯れ節重量の10重量%相当となる毎に、所定量をサンプリングしながら、切削除去部の重量が70重量%となるまで切削除去操作を続けた。なお、鰹枯れ節に対するあらかじめ削り取った血合肉部分の比率は、雄節では11〜20重量%、平均で15.7重量%、雌節では11〜17重量%、平均で14.0重量%であった。
〔試験1〕
実施例1及び実施例2においてサンプリングした切削除去部について、それぞれ粉砕し、20メッシュ篩(JIS Z8801、ふるい番号20号)を通過する粉末とし、各粉末試料について、日本電色工業株式会社製、測色色差計ZE−2000型により、反射により色差(色調)測定を行った。その結果は、色調におけるa値を表1に示すとおりであった。
Figure 2005137350
〔実施例3〕
予め血合肉部分が削り取られた状態の鰹荒節の雄節3本と雌節3本を原材料として、それぞれその表面全体をほぼ均等に表面側からグラインダーを用いて切削除去した。切削除去部の重量が切削除去前の予め血合肉部分が削り取られた荒節重量の20重量%となるまで切削除去操作を続け、表面切削鰹節を得た。
〔実施例4〕
切削除去部の重量が切削除去前の予め血合肉部分が削り取られた荒節重量の50重量%となるまで切削除去操作を続けた以外は、実施例3と同様にして表面切削鰹節を得た。
〔実施例5〕
予め血合肉部分が削り取られた状態の鰹枯れ節の雄節3本と雌節3本を原材料として、それぞれその表面全体を表面側からほぼ均等にグラインダーを用いて切削除去した。切削除去部の重量が切削除去前の予め血合肉部分が削り取られた枯れ節重量の20重量%となるまで切削除去操作を続け、表面切削鰹節を得た。
〔実施例6〕
切削除去部の重量が切削除去前の予め血合肉部分が削り取られた荒節重量の50重量%となるまで切削除去操作を続けた以外は、実施例5と同様にして表面切削鰹節を得た。
〔試験2〕
実施例3〜6により得られた表面切削鰹節について、それぞれ粉砕し、20メッシュ篩(JIS Z8801、ふるい番号20号)を通過する粉末とし、実施例3〜6の各粉末試料について、日本電色工業株式会社製、測色色差計ZE−2000型により、反射により色差(色調)測定を行った。なお、対照として、鰹荒節(対照1)、及び鰹枯れ節(対照2)を用い、実施例3〜6と同様に粉砕して色差(色調)を測定した。その結果は、色調におけるL値、a値を表2に示すとおりであった。
Figure 2005137350
〔試験3〕
実施例3〜6により得られた表面切削鰹節について、それぞれ0.1〜0.5mmの厚さで削り、さらに破砕処理した実施例3〜6の各処理物2重量部を、それぞれ沸騰水に加えて1分間加熱抽出し、冷却後に水を加えて100重量部とし、実施例3〜6の各ダシ液を得た。各ダシ液について、日本電色工業株式会社製、測色色差計ZE−2000型により、透過により色差(色調)測定を行った。なお、対照として、鰹荒節(対照1)、及び鰹枯れ節(対照2)を用い、実施例3〜6と同様にして得たダシ液について色差(色調)測定を行った。その結果は、色調におけるb値を表3に示すとおりであった。
Figure 2005137350
〔試験4〕
実施例5、6により得られた各表面切削鰹節について、食品衛生検査指針・微生物編(社団法人 日本食品衛生協会)に準じて、生菌数を測定した。その結果は、1g当りの一般生菌数を表4に示すとおりであった。
Figure 2005137350
〔実施例7〕
実施例5により得られた表面切削鰹節について、0.1〜0.5mmの厚さで削り、さらに破砕処理し、処理物を不織布の内袋に充填した。この内袋を窒素ガス置換したエチレン−ビニルアルコール共重合体(エバール)からなるガスバリア性袋体の内部に封入しダシパックを得た。
〔実施例8〕
実施例6により得られた表面切削鰹節について、実施例7と同様にしてダシパックを得た。
〔官能評価〕
3重量%に相当する実施例7及び8のダシパックをそれぞれ沸騰水に投入し、1分間加熱抽出し、実施例7及び8の各ダシ液を調製した。
また、3重量%に相当する実施例7及び8のダシパックをそれぞれ80℃まで加温した清酒に投入し、実施例7及び8の各ダシ清酒を調製した。
また、対照として、鰹枯れ節につき実施例7及び8と同様にして得たダシパックを用いて同様にダシ液、ダシ清酒を調製した。
各ダシ液並びに各ダシ清酒の風味について、対照をダシ液A及びダシ清酒A、実施例7をダシ液B及びダシ清酒B、実施例8をダシ液C及びダシ清酒Cとして、15名のパネリストにより官能評価を行った。官能評価の結果は、表5及び表6に示すとおりであった。
また、官能評価の結果について、各試料間で有意差が認められるか否かを総合評価として、NeWellとMacFarlaneの多重比較検定(新・食品分析法、806頁:光琳)により検討した。総合評価の検定結果は、表7に示すとおりであった。
Figure 2005137350
Figure 2005137350
Figure 2005137350
本発明の魚節は、削り節パック、ダシパック、嗜好飲料以外に、ふりかけ、でんぶ用製品、つゆ類等の調味液など従来の魚節を利用する如何なる食品にも適用できる。

Claims (22)

  1. 荒節又は枯れ節の表面全体に亘り略均等に所定量だけ切削除去されていることを特徴とする魚節。
  2. 前記荒節又は枯れ節が、血合肉部分が削り取られた状態の荒節又は枯れ節であることを特徴とする請求項1に記載の魚節。
  3. 加熱殺菌を施す前の生菌数が10/g以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の魚節。
  4. 前記荒節又は枯れ節が鰹を原材料として得られたものであり、
    20メッシュ篩を通過する粉末としこの粉末について反射法により測定した色調におけるL値が60以上であることを特徴する請求項1又は2に記載の魚節。
  5. 前記荒節又は枯れ節が鰹を原材料として得られたものであり、
    破砕及び/又は削り処理した処理物2重量部を沸騰水に加えて1分間加熱抽出し、冷却後に水を加えて100重量部としたダシ液について透過法により測定した色調におけるb値が5未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の魚節。
  6. 過酸化物価が20meq/Kg以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の魚節。
  7. フェノール類含量が20μg/g以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の魚節。
  8. 粉砕し香気成分についてGC−MS分析を行うとき、フェノール類の総ピーク面積がピラジン類の総ピーク面積の200%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の魚節。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の魚節が破砕及び/又は削り処理されていることを特徴とする魚節製品。
  10. 破砕及び/又は削り処理された請求項1乃至8のいずれかに記載の魚節が、ガスバリア性袋体の内部に真空封入されているか、又は脱酸素剤と共にガスバリア性袋体の内部に封入されているか、又は不活性ガス置換されたガスバリア性袋体の内部に封入されていることを特徴とする魚節製品。
  11. 破砕及び/又は削り処理され通液性の内袋に充填された請求項1乃至8のいずれかに記載の魚節が、ガスバリア性袋体の内部に真空封入されているか、又は脱酸素剤と共にガスバリア性袋体の内部に封入されているか、又は不活性ガス置換されたガスバリア性袋体の内部に封入されていることを特徴とする魚節製品。
  12. 請求項1乃至8のいずれかに記載の魚節を酒類内に投入、抽出して得られた液体であることを特徴とする嗜好飲料。
  13. 請求項9乃至11のいずれかに記載の魚節製品を酒類内に投入、抽出して得られた液体であることを特徴とする嗜好飲料。
  14. 荒節又は枯れ節の表面全体に亘り略均等に所定量だけ切削除去することを特徴とする魚節の製造方法。
  15. 前記荒節又は枯れ節が、血合肉部分が削り取られた状態の荒節又は枯れ節であることを特徴とする請求項13に記載の魚節の製造方法。
  16. 前記所定量を、荒節又は枯れ節に対し20重量%以上とすることを特徴とする請求項14又は15に記載の魚節の製造方法。
  17. 前記荒節又は枯れ節が鰹を原材料として得られたものであり、
    前記切削除去部を20メッシュ篩を通過する粉末とし、この粉末について反射法により測定した色調におけるa値が13未満となるように切削除去することを特徴とする請求項14又は15に記載の魚節の製造方法。
  18. 請求項1乃至8のいずれかに記載の魚節を破砕及び/又は削り処理することを特徴とする魚節製品の製造方法。
  19. 請求項1乃至8のいずれかに記載の魚節を破砕及び/又は削り処理し、ガスバリア性袋体の内部に真空封入するか、又は脱酸素剤と共にガスバリア性袋体の内部に封入するか、又は不活性ガス置換されたガスバリア性袋体の内部に封入することを特徴とする魚節製品の製造方法。
  20. 請求項1乃至8のいずれかに記載の魚節を破砕及び/又は削り処理し、通液性の内袋に充填し、ガスバリア性袋体の内部に真空封入するか、又は脱酸素剤と共にガスバリア性袋体の内部に封入するか、又は不活性ガス置換されたガスバリア性袋体の内部に封入することを特徴とする魚節製品の製造方法。
  21. 請求項1乃至8のいずれかに記載の魚節を酒類内に投入、抽出し液体を得ることを特徴とする嗜好飲料の製造方法。
  22. 請求項9乃至11のいずれかに記載の魚節製品を酒類内に投入、抽出し液体を得ることを特徴とする嗜好飲料の製造方法。
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