JP2005137092A - モータ、及びワイパ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】呼吸孔の周囲に複数の補強リブを有するギヤケースを備えたモータにおいて、その呼吸孔の呼吸作用によるモータ内への水の浸入を簡単な構成で防ぐことができるモータ、及び該モータを備えたワイパ装置を提供する。
【解決手段】ギヤケース13のギヤ収容部16の外側面には、軸支部16aの外周面から放射状に延びる12個のメインリブ16bが立設されている。さらに、各メインリブ16bの径方向外側端部は、補助リブ16cによって周方向に連結されている。ギヤケース13には、出力軸の軸線L1方向に突出して、メインリブ16b及び補助リブ16cよりも軸線L1方向に高く形成される膨出部16dが設けられており、膨出部16dの上面にはギヤケース13の内部と外部とを連通させる呼吸孔16eが形成されている。即ち、呼吸孔16eの開口部16fは、メインリブ16b及び補助リブ16cよりも軸線L1方向に高い位置に形成されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は呼吸孔を有するギヤケースを備えたモータ、及び該モータを備えたワイパ装置に関するものである。
車両に搭載されるワイパ装置に用いられるモータは、例えば特許文献1にて開示されているモータがある。特許文献1にて開示されているモータは、ヨークハウジング内に回転子が回転可能に収容されている。そして、ヨークハウジングに結合されるギヤケース内には回転子の回転を減速する減速機構が収容され、該減速機構の最終段に出力軸が結合される。この出力軸はギヤケースに立設される筒状の軸支部から外部へ突出している。ギヤケースには、該ギヤケース(軸支部)を補強するためのメインリブが前記軸支部の外周面から複数立設されている。さらに、該メインリブ同士を連結する補助リブが形成されて、よりギヤケースの強度が確保されるようになっている。このモータは、出力軸を下向きにして車体パネルに固定される場合、及び出力軸を横向きにして車体パネルに固定される場合に適用されている。
ところで、このようなモータでは、モータ駆動時の通電による発熱等により、モータ内部(ヨークハウジング内及ギヤケース内)と外部とに気圧差が生じる。この気圧差を解消するために、呼吸作用を生じる呼吸孔(文献中では通気孔としている)がギヤケースに設けられる。モータ駆動時の発熱により、モータ内部の温度が上昇してモータ内の空気が膨張すると、その空気の一部は、ギヤケースに設けられた呼吸孔から外部に放出される。また、モータ駆動時の通電により、内部の温度が上昇した状態のモータに雨水等の水がかかると、ヨークハウジング及びギヤケースの外側面が急激に冷やされる。すると、ヨークハウジング内及びギヤケース内が負圧となるが、前記呼吸孔から外気が吸い込まれてモータ内外の気圧差が解消される。
特許文献1にて開示されているモータには、呼吸孔の呼吸作用により、該呼吸孔からモータ内部へ雨水等の水が吸い込まれることを防止するための別部品としてブリーザが取り付けられている。このブリーザは、モータ側取付軸部と端板と側板とを備えている。ブリーザは、モータ側取付軸部を呼吸孔に嵌合させることによってモータに取り付けられる。円柱状のモータ側取付軸部には、その側面に空気流路が形成され、該空気流路の反モータ側の一端は大気開放部となっている。そして、該モータ側取付軸部の反モータ側の先端に形成される芯部には外部と連通する側孔が形成されている。また、端板は、芯部の先端において、径方向外側に向かって延設され、該端板の先端から軸方向に沿ってモータ側へ向かうように側板が形成されている。側板は前記大気開放部を囲うように設けられており、該側板はメインリブ及び補助リブの先端から基端側に延びている。
モータ駆動時の通電によりモータ内部の空気が加熱されて膨張すると、膨張した空気の一部は、モータ側取付軸部に形成された空気流路、大気開放部、及び端板で囲まれた部分から、または、空気流路及び大気開放部を通った後、芯部に形成された側孔から外部に放出される。モータに雨水等の水滴が付着することにより、モータが冷却されてヨークハウジング内及びギヤケース内が負圧になると、呼吸作用により外部に空気を放出する場合と逆の経路をたどってモータ内部に空気が吸い込まれてモータ内部と外部との気圧差が解消される。
特開2000−116049号公報
しかしながら、特許文献1にて開示されているモータは、文献中に記載されているように、出力軸を下向きにして車体パネルに固定される場合と、出力軸を横向きにして車体パネルに固定される場合とのみではなく、出力軸を上向き、つまり出力軸が天方向側を向くように車体パネルに固定することも可能である。出力軸が天方向側を向くように車体パネルに固定される場合、特許文献1にて開示されているモータは、ギヤケースの外側面においてメインリブ及び補助リブに囲まれた部分に、雨水等の水が溜まることがある。メインリブ及び補助リブに囲まれた部分に水が溜まると、側板は補助リブの先端から基端側に向かうように設けられているために、側板の先端側開口部が溜まった水の中に浸ってしまう。この時、芯部に形成された側孔に異物等が付着して該側孔を塞いでしまうと、呼吸作用によってモータが外気をモータ内部に取り込もうとした際に、側板の先端側開口部から大気開放部及び空気流路へ水が吸い込まれて、モータ内部に水が浸入する恐れがあるという問題があった。
また、ブリーザは別部品であるため部品数が増加するに伴って組付工数が増加してしまうという問題があった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、呼吸孔の周囲に複数の補強リブを有するギヤケースを備えたモータにおいて、その呼吸孔の呼吸作用によるモータ内への水の浸入を簡単な構成で防ぐことができるモータ、及び該モータを備えたワイパ装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、回転子を収容するヨークハウジングと、前記ヨークハウジングに結合されて前記回転子の回転を減速出力する出力軸を回転可能に支持する軸支部が立設されるギヤケースとを備えたモータにおいて、前記ギヤケースには、前記軸支部の強度を向上させるための複数の補強リブが立設されるとともに、天方向側に開口部を有するように形成されて該ギヤケースの内部と外部とを連通させる呼吸孔が前記複数の補強リブが周囲に配置された内側に位置するように設けられており、前記呼吸孔の開口部は、前記補強リブの天方向側の高さよりも高い位置に形成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータにおいて、前記補強リブは、前記軸支部から放射状に形成される複数のメインリブと、前記メインリブの一部を互いに連結する補助リブとを有する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のモータにおいて、前記呼吸孔は、前記補強リブよりも天方向側に膨出形成された膨出部に設けられる。
請求項4に記載の発明は、フレームに固定されるモータの駆動によってワイパアームが往復回動されるワイパ装置において、前記モータは、回転子を収容するヨークハウジングと、前記ヨークハウジングに結合されて前記回転子の回転を減速出力する出力軸を回転可能に支持する軸支部が立設されるギヤケースとを備え、前記ギヤケースには、前記軸支部の強度を向上させるための複数の補強リブが立設されるとともに、天方向側に開口部を有するように形成されて該ギヤケースの内部と外部とを連通させる呼吸孔が前記複数の補強リブが周囲に配置された内側に位置するように設けられており、前記呼吸孔の開口部は、前記補強リブの天方向側の高さよりも高い位置に形成される。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のワイパ装置において、
前記補強リブは、前記軸支部から放射状に形成される複数のメインリブと、前記メインリブの一部を互いに連結する補助リブとを有する。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載のワイパ装置において、前記呼吸孔は、前記補強リブよりも天方向側に膨出形成された膨出部に設けられることを特徴とするワイパ装置。
(作用)
請求項1,4に記載の発明によれば、呼吸孔の開口部は補強リブの天方向側の高さよりも高い位置に形成されている。従って、複数の補強リブによって囲まれた部分に雨水等の水が溜まった場合に、複数の補強リブが周囲に配置された内側に位置する呼吸孔であっても、呼吸孔の開口部が溜まった水に浸かることが防止される。その結果、呼吸作用により呼吸孔の開口部からギヤケースの内部に水が吸い込まれることが防止される。また、呼吸孔の開口部が補強リブの天方向側の高さよりも高い位置に形成されていることから、補強リブの形成位置に関わらず、呼吸孔の開口部からギヤケースの内部へ水が浸入することが防止されるため、補強リブの設計自由度が向上される。さらに、呼吸孔からのギヤケースの内部への水の浸入を防止するための別部材を必要とせず、呼吸孔の開口部を補強リブの天方向側の高さよりも高い位置に形成しただけの簡単な構成で、ギヤケースの内部に水が浸入することを防止することができる。
請求項2,5に記載の発明によれば、補強リブは、メインリブと補助リブとを有している。そして、メインリブが軸支部を補強するとともに、補助リブがメインリブの一部を連結して該メインリブを補強するため、軸支部がより高強度に補強される。従って、軸支部に支持される出力軸がより高強度に支持される。また、呼吸孔がメインリブ及び補助リブを備えた複数の補強リブによって囲まれた内側に配置されても、呼吸孔の開口部はそれらの補強リブよりも天方向側に高い位置に形成されるため、補強リブにより囲まれた部分に雨水等の水が溜まった場合に、その溜まった水が呼吸孔の開口部からギヤケースの内部に浸入することが防止される。
請求項3,6に記載の発明によれば、呼吸孔は、補強リブよりも天方向側に膨出形成された膨出部に設けられるため、より確実に呼吸孔の開口部は補強リブよりも天方向に高い位置に形成される。従って、膨出部が補強リブによって囲まれ、その補強リブによって囲まれた部分に水が溜まった場合でも、その溜まった水が呼吸作用によって呼吸孔の開口部からギヤケースの内部に浸入することがさらに防止される。
本発明によれば、呼吸孔の周囲に複数の補強リブを有するギヤケースを備えたモータにおいて、その呼吸孔の呼吸作用によるモータ内への水の浸入を簡単な構成で防ぐことができるモータ、及び該モータを備えたワイパ装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1乃至図5に従って説明する。
図1は本実施形態のモジュール型ワイパ装置1を示す図である。モジュール型ワイパ装置1は、駆動機構2と、モータ3とから構成されている。駆動機構2は、一対の図示しないピボット軸をそれぞれ回動可能に支持するピボットホルダ2a,2bを備えている。このピボットホルダ2a,2bは、フレーム2cの両端に固定され、一体化されている。フレーム2cの略中央にはモータ3の固定部3aが直接固定されている。そして、ピボットホルダ2a,2bを車体に固定することにより、モジュール型ワイパ装置1が車体に固定される。
各ピボット軸の基端部2e,2fには、それぞれピボットレバー4a,4bの基端部が一体回動するように設けられている。各ピボットレバー4a,4bの先端部は、リンクロッド4cにより互いに連結されている。つまり、ピボットレバー4a,4b及びリンクロッド4cによりリンク機構が構成されている。このリンクロッド4cの略中央部は、前記モータ3の出力軸に一体回転可能に固定された図示しないクランクアームに連結されている。そして、モータ3が回転すると、クランクアームが回動し、該クランクアームの回動運動によりリンクロッド4cを介してピボットレバー4a,4bが往復揺動運動される。このような各ピボットレバー4a,4bの揺動によりピボット軸が所定角度範囲で往復運動し、各ピボット軸の先端部にそれぞれ固定される各ピボット軸(図示しない)の先端部にそれぞれ固定されるワイパアーム(図示しない)が揺動されて所定の払拭動作が行われる。
図2に示すように、モータ3はモータ部5と減速部6とから構成される。モータ部5は、略有底円筒状に形成されるヨークハウジング7を備えており、該ヨークハウジング7の内周面には複数個のマグネット8が固定されている。そして、マグネット8の内側には回転子9が回転可能に収容されている。ヨークハウジング7の底部には、回転子9の回転軸10のヨークハウジング7の底部側端部を回転可能に支持するスラスト軸受11及びラジアル軸受12が設けられている。ヨークハウジング7のヨーク開口部7aには、回転軸10のウォームW1が形成されている側を覆う減速部6のギヤケース13がネジ14により組み付けられている。尚、ヨークハウジング7の内部とギヤケース13の内部とはヨーク開口部7aにおいて連通されている。
図2乃至図5に示すように、ギヤケース13はヨーク開口部7aとほぼ同形状の開口凹部15aを有する取付部15と、出力軸17の軸線L1方向視略円形状をなすとともに、前記ウォームW1及びウォームホイールW2から構成される減速機構を収容するために外方へ膨らむ凹部を有するギヤ収容部16とが一体に形成されて構成されている。尚、ギヤケース13はアルミ合金等の金属製である。ギヤ収容部16の略中央には、ウォームホイールW2と駆動連結される出力軸17を回転可能に支持する筒状の軸支部16aが立設されている。また、ギヤ収容部16の外側面には、ギヤ収容部16、特に軸支部16aを補強して強度を向上させるために、前記軸支部16aの外周面から放射状に延びる補強リブとしての12個のメインリブ16bが立設されている。メインリブ16bの軸支部16a付近の高さは、ギヤ収容部16の径方向外側端部の高さよりも若干高く形成されている。さらに、各メインリブ16bの径方向外側端部は、メインリブ16bを補強してメインリブ16bの強度を向上させるために、補強リブとしての補助リブ16cによって周方向に連結されている。尚、メインリブ16bの径方向外側端部の高さ(出力軸17の軸線L1方向の高さ)と補助リブ16cの高さとは等しく形成されている。
取付部15とギヤ収容部16との境界付近には、出力軸17の軸線L1方向に突出して、メインリブ16b及び補助リブ16cよりも軸線L1方向に高く形成される直方体状の膨出部16dが設けられている。そして、該膨出部16dの上面にはギヤケース13の内部と外部とを連通させる呼吸孔16eが出力軸17の軸線L1方向に延びるように設けられている。即ち、呼吸孔16eの開口部16fは、メインリブ16b及び補助リブ16cよりも軸線L1方向に高い位置に形成されている。また、呼吸孔16eの開口部16fの周縁には呼吸孔16eを延長するように筒状の周壁16gが形成されている。膨出部16dの周囲には、メインリブ16bと、補助リブ16cと、膨出部16dの側壁部16hとに囲まれることにより囲繞凹部16iが形成される。
また、図2に示すように、ギヤケース13には減速機構を収容するために該ギヤケース13に形成される凹部の開口部を閉塞するプレートカバー18が装着されている。プレートカバー18には、車体側から延びる図示しない車体側コネクタと連結して車体側から駆動電源の供給を受ける給電用コネクタ18aが一体に設けられている。モータ3は給電用コネクタ18aから駆動電源の供給を受けると、モータ部5が回転駆動され、回転軸10の回転が減速されて出力軸17に伝達される。このようなモータ3は、給電用コネクタ18aから駆動電源の供給を受けてモータ部5を駆動させ、減速された回転を出力軸17から出力する。
上記のようなギヤケース13を備えたモータ3は、モジュール型ワイパ装置1として車体に固定される際に、出力軸17が天方向側を向くように搭載される。即ち、呼吸孔16eの開口部16fが天方向側に向くように車両に搭載される。膨出部16dはメインリブ16b及び補助リブ16cよりも出力軸17の軸線L1方向に高く形成されているため、呼吸孔16eが天方向側を向くように車両に搭載されると、膨出部16dに形成される呼吸孔16eの開口部16fはメインリブ16b及び補助リブ16cの天方向側の高さよりも高い位置に設けられていることになる。
このように車体に搭載されたモータ3のモータ部5が駆動されると、モータ部5を駆動するための通電により、ヨークハウジング7の内部の温度が上昇し、該ヨークハウジング7の内部の空気が膨張する。この時、膨張した空気の一部は、ヨークハウジング7の内部からギヤケース13の内部へと移動し、ギヤケース13に設けられた呼吸孔16eから外部へ放出されて、モータ3の内部と外部、即ち、ヨークハウジング7の内部及びギヤケース13の内部と外部との気圧差が解消される。
また、車体内部に浸入した雨粒等の水がかかるような環境下にモータ3が配置されている場合、モータ3が駆動中であると、その水によりモータ3が冷却されてモータ3の内部、即ち、ヨークハウジング7の内部及びギヤケース13の内部が負圧となる。すると、モータ3の内部と外部との気圧差を解消するために、呼吸孔16eからギヤケース13の内部、ひいてはヨークハウジング7の内部へ空気が吸い込まれる。この時、メインリブ16b、補助リブ16c、及び膨出部16dの側壁部16hから構成される囲繞凹部16iに水が溜まっていても、膨出部16dに形成される呼吸孔16eの開口部16fはメインリブ16b及び補助リブ16cよりも天方向側に高い位置にあるため、呼吸孔16eからギヤケース13の内部、ひいてはモータ3の内部に水が浸入し難い。
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)呼吸孔16eの開口部16fはメインリブ16b及び補助リブ16cの天方向側の高さよりも高い位置に形成されている。従って、囲繞凹部16iに雨水等の水が溜まった場合に、膨出部16dの周囲に囲繞凹部16iが形成される構成であっても、呼吸孔16eの開口部16fが囲繞凹部16iに溜まった水に浸かることを防止することができる。その結果、呼吸作用により呼吸孔16eの開口部16fからギヤケース13の内部に水が浸入することを防止することができる。また、呼吸孔16eが形成される膨出部16dは、メインリブ16b及び補助リブ16cと離れて設けられ、しかも、膨出部16dによって呼吸孔16eの高さがそれを取り囲んでいる補強リブ(メインリブ16b及び補助リブ16c)よりも天方向側に高い位置に設けられている。そのため、例えば、ワイパ装置の取り付けによってモータ3の姿勢が、鉛直上方方向に対して出力軸17傾いた姿勢にて搭載された場合、囲繞凹部16iに溜まった水が落下する継路に呼吸孔16eの開口部16fが配置されることは無いので、呼吸孔16eからギヤケース13の内部へ水が浸入することを防止することができる。
さらに、呼吸孔16eの開口部16fがメインリブ16b及び補助リブ16cの天方向側の高さよりも高い位置に形成されていることから、メインリブ16b及び補助リブ16cの形成位置に関わらず、開口部16fからギヤケース13の内部へ水が浸入することを防止することができ、補強リブの設計自由度を向上させることができる。
(2)呼吸孔16eからのギヤケース13の内部への水の浸入を防止するための別部材を必要とせず、呼吸孔16eの開口部16fをメインリブ16b及び補助リブ16cの天方向側の高さよりも高い位置に形成しただけの簡単な構成で、ギヤケース13の内部に水が浸入することを防止することができる。
(3)メインリブ16bが軸支部16aを補強するとともに、補助リブ16cがメインリブ16bのギヤ収容部16の径方向外側端部を連結してメインリブ16bを補強しているため、軸支部16aをより高強度に補強することができる。従って、軸支部16aに支持される出力軸17をより高強度に支持することができる。
(4)呼吸孔16eは、天方向側に膨出形成された膨出部16dに設けられているため、呼吸孔16eの開口部16fをメインリブ16b及び補助リブ16cよりも天方向側に高い位置に形成し易い。従って、膨出部16dがメインリブ16b及び補助リブ16cによって囲まれることにより形成される囲繞凹部16iに雨水等の水が溜まった場合でも、囲繞凹部16iに溜まった水が、呼吸作用によって呼吸孔16eからギヤケース13の内部に吸い込まれることをより防止することができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、モータ3はモジュール型ワイパ装置1に備えられているがこの限りでなく、例えば、パワーウインド装置に備えてもよい。
○上記実施形態では、ギヤケース13はアルミ合金等の金属製であったが、合成樹脂製であってもよい。
○上記実施形態では、メインリブ16bは、周方向に等角度間隔に12個形成されているが、数及び位置・形状はこの限りでない。
○上記実施形態では、取付部15とギヤ収容部16との境界付近に膨出部16dが形成されているが、この位置でなくとも、出力軸17が天方向側を向くように車体に搭載された際に、呼吸孔16eの開口部16fがメインリブ16b及び補助リブ16cよりも天方向側に高い位置に形成されるように膨出部16dを形成すればよい。
○上記実施形態では、メインリブ16b及び補助リブ16cは、呼吸孔16eの開口部16fの天方向側の高さ位置よりも低く形成されているが、呼吸孔16eを囲むメインリブ16b及び補助リブ16cのうち少なくとも一つが、呼吸孔16eの開口部16fよりも天方向側に低く形成される部分を備えた低位リブとなるように形成してもよい。ただし、メインリブ16b及び補助リブ16cは連続した壁状となるように形成される。このようにすると、囲繞凹部16iに溜まった雨水等の水は、低位リブの最も低く形成される部分から囲繞凹部16iの外部へ流れていくため、呼吸孔16eからギヤケース13の内部へ浸入することを防ぐことができる。
上記各実施形態から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(イ)回転子を収容するヨークハウジングと、前記ヨークハウジングに結合されて前記回転子の回転を減速出力する出力軸を回転可能に支持する軸支部が立設されるギヤケースとを備えたモータであって、前記ギヤケースには、前記軸支部の強度を向上させるための複数の補強リブが連続した壁状となるように立設されるとともに、天方向側に開口部を有するように形成されて該ギヤケースの内部と外部とを連通させる呼吸孔が前記複数の補強リブが周囲に配置された内側に位置するように設けられており、前記複数の補助リブのうち少なくとも1つは、前記呼吸孔の開口部の天方向側の高さ位置よりも低く形成される部分を有する低位リブであることを特徴とするモータ。
本実施形態のモジュール型ワイパ装置を示す正面図。 本実施形態のモータを示す破断図。 本実施形態のギヤケースを示す正面図。 本実施形態のギヤケースを示す斜視図。 本実施形態のギヤケースのA−A端面図。
符号の説明
1…ワイパ装置としてのモジュール型ワイパ装置、2c…フレーム、3…モータ、7…ヨークハウジング、9…回転子、13…ギヤケース、16a…軸支部、16b…補強リブとしてのメインリブ、16c…補強リブとしての補助リブ、16d…膨出部、16e…呼吸孔、16f…開口部、17…出力軸。

Claims (6)

  1. 回転子を収容するヨークハウジングと、
    前記ヨークハウジングに結合されて前記回転子の回転を減速出力する出力軸を回転可能に支持する軸支部が立設されるギヤケースと
    を備えたモータであって、
    前記ギヤケースには、前記軸支部の強度を向上させるための複数の補強リブが立設されるとともに、天方向側に開口部を有するように形成されて該ギヤケースの内部と外部とを連通させる呼吸孔が前記複数の補強リブが周囲に配置された内側に位置するように設けられており、
    前記呼吸孔の開口部は、前記補強リブの天方向側の高さよりも高い位置に形成されることを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載のモータであって、
    前記補強リブは、前記軸支部から放射状に形成される複数のメインリブと、前記メインリブの一部を互いに連結する補助リブとを有することを特徴とするモータ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のモータであって、
    前記呼吸孔は、前記補強リブよりも天方向側に膨出形成された膨出部に設けられることを特徴とするモータ。
  4. フレームに固定されるモータの駆動によってワイパアームが往復回動されるワイパ装置であって、
    前記モータは、回転子を収容するヨークハウジングと、前記ヨークハウジングに結合されて前記回転子の回転を減速出力する出力軸を回転可能に支持する軸支部が立設されるギヤケースとを備え、
    前記ギヤケースには、前記軸支部の強度を向上させるための複数の補強リブが立設されるとともに、天方向側に開口部を有するように形成されて該ギヤケースの内部と外部とを連通させる呼吸孔が前記複数の補強リブが周囲に配置された内側に位置するように設けられており、
    前記呼吸孔の開口部は、前記補強リブの天方向側の高さよりも高い位置に形成されることを特徴とするワイパ装置。
  5. 請求項4に記載のワイパ装置であって、
    前記補強リブは、前記軸支部から放射状に形成される複数のメインリブと、前記メインリブの一部を互いに連結する補助リブとを有することを特徴とするワイパ装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載のワイパ装置であって、
    前記呼吸孔は、前記補強リブよりも天方向側に膨出形成された膨出部に設けられることを特徴とするワイパ装置。
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