JP2005133119A - 二層コート金属粉及びその二層コート金属粉の製造方法並びにその二層コート金属粉を用いた導電性ペースト - Google Patents

二層コート金属粉及びその二層コート金属粉の製造方法並びにその二層コート金属粉を用いた導電性ペースト Download PDF

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Abstract

【課題】微細な金属粉であっても、焼結可能な温度範囲での良好な耐酸化性、焼結時の収縮挙動の小さな耐熱収縮性に優れた金属粉を提供する。
【解決手段】金属粉の粉粒表面にカルボン酸を用いて形成した有機コート層を備え、当該有機コート層の外層に、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛のいずれかで構成した無機酸化物コート層を備えたことを特徴とする二層コート金属粉等を採用する。
【選択図】 なし

Description

本件出願に係る発明は、金属粉の粉粒表面に有機コート層と無機酸化物コート層とを備える二層コート金属粉及びその二層コート金属粉の製造方法並びにその二層コート金属粉を用いた導電性ペーストに関する。なお、特に低温焼成セラミック材料用途に好適な金属粉の提供を目的とする。
従来から金属粉は、導電性ペーストの原料、低温焼成セラミック基板の導電体部の原料として広く用いられてきた。導電性ペーストは、その簡便な取り扱い性から、実験目的の使用、電子産業用途に到るまで広範な領域において、簡便に導体を形成するために使用されてきた。例えば、電子顕微鏡の試料調整用、プリント配線板の導体回路の引き回し、多層プリント配線板の層間導通を得るためのスルーホールの代替えとしての層間導通導体の形成、セラミックコンデンサの電極形成、低温焼成セラミック基板等に用いられてきた。そして、これらに用いられる金属粉には、導電性ペーストに加工し、上述した製品等の導体を形成したときの、導体の低電気抵抗化が可能な良好な耐酸化性能、及び、焼結したときの寸法変化を最小限にとどめる良好な耐熱収縮性能が求められてきた。
耐酸化性能に関する従来技術: 金属粉の耐酸化性能を改善するためには、従来から金属粉の粉粒表面に有機被膜(有機コート層)を形成した表面処理金属粉が多く用いられてきた。その代表的なものが、特許文献1に示す銅粉であり、粉粒表面の酸化を防止するため、表面処理剤として各種脂肪酸を用いた表面処理が行われてきた。この表面処理銅粉は、表面処理していない銅粉と比較したときに、表面処理銅粉は表面酸化を起こしにくく、焼結して導体形成したときの金属酸化物含有量が少なくなり、電気的伝導性に優れた低抵抗の導体を得ることが可能となるとして知られてきた。
耐熱収縮性能に関する従来技術: 従来から金属粉の耐熱収縮性能を改善するためには、大きく見て2つの手法が有効とされてきた。一つは、特許文献2に開示されたような金属粉の結晶子径の制御であり、もう一つは特許文献3に開示の金属粉の粉粒表面の無機物コートである。耐熱収縮性能が、特に問題となるのは、導電性ペーストを用いてグリーンシート上に導体形状を引き回して、900℃以上の温度で同時焼成する低温焼成セラミック用途においてである。
最初に結晶子径の制御に関して述べることとする。一般的に金属粉の製造は、大別して乾式製造法と湿式製造法とに分類して捉えることができる。後者の湿式製造法とは、目的とする金属元素を含む溶液中から金属粉を直接析出させることにより製造する方法であると言える。これに対し、前者の乾式製造法には、完全にメカニカルな手法のみを用いる粉砕法はもちろん、溶融金属を用いるアトマイズ法を含むものと言える。
これらの手法で得られる金属粉の特徴としては、前者の乾式製造法で得られる金属粉は、その結晶子径が40〜50nmの範囲にあり比較的大きく、当該金属粉は焼成を行う場合の耐酸化性及び耐熱収縮性に優れるという長所を有している。これに対し、湿式製造法で製造した金属粉は、その結晶子径が一般的に35nm以下であり乾式製造法で得られる金属粉と比較して小さく、焼成時の耐酸化性及び耐熱収縮性に劣るという短所を有している。耐熱収縮性は、一般的に金属粉の結晶子の大きさにより左右されると言われ、結晶子径が大きいほど、高温加熱されたときの収縮性が小さく、耐熱収縮性に優れるものとなる。これらのことを考える限り、乾式製造法で製造した金属粉を用いることで全ての問題を解決できるように考えられる。ところが、現実の乾式製造法で得られた粉体と湿式製造法で得られた粉体との耐熱収縮性の差も極めて大きなものではなく、しかも、いずれの製造方法で得られた粉体も低温での焼結が早く起きるという焼結特性を有するものである。
一方、金属粉の粉粒表面の無機物コートとは、金属粉の粉粒表面に耐熱特性に優れる金属酸化物の厚い被覆層を形成することで、外殻にある被服層に高温耐熱性を付与し、外殻形状の加熱変形を防止することで、耐熱収縮性を確保するのである。
特開平2−218762号公報 特願2003−183688 USP5126915号公報
しかしながら、金属粉が、耐酸化性と耐熱収縮性とを兼ね備えるものとすることは非常に困難であり、上述した各種金属粉には以下の欠点が存在するのである。
耐酸化性を持つ表面処理金属粉の問題点: 表面処理金属粉を用いて導電性ペーストを製造する当業者からは、脂肪酸で表面処理した表面処理銅粉を、導電性ペーストに加工したときのペースト粘度は、未だ工程管理に支障がないほど、品質が安定しているものではないとの意見が出されていた。即ち、脂肪酸で処理した表面処理銅粉を用いて製造した導電性ペーストは、初期のペースト粘度が高く、そのペースト粘度が経時変化を起こして増粘することもあり、ペーストに加工して以降の長期保管が困難であり、電子部品の製造等に用いる銅ペースト等の品質管理、品質維持に費やす管理が煩雑であり、その使用が拡大していくための障害ともなっていた。
耐熱収縮性を備える金属粉の問題点: 耐熱収縮性に優れると言われる乾式製造法で得られる粉体の特性として、粒度分布がブロードであり、精度の高い微粉の製造が困難という欠点が存在する。近年の、低温焼成セラミックの表面の仕上げ精度に対する要求は益々厳しくなっており、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D50の値が10μm以下で、シャープな粒度分布を持つ金属粉で、分散性に優れた金属粉に対する要求が顕著になり、乾式製造法で得られる粉体は、この要求には合致しないものである。
従って、微粒にするという観点から、湿式製造法で得られた微細な粒径とシャープな粒度分布を持つ金属粉を用いて、これらの要求を満たすことが望ましいと考えられる。ところが、湿式法で得られた金属粉は結晶子径が小さく、耐熱収縮性を改善することのできるレベルに結晶子径を大きくしようとする場合には、当該金属粉を加熱して、粉粒の内部のグレインサイズを成長させることが必要となる。そこで、湿式法で得られた金属粉を、加熱すればよいと考えられる。よって、湿式法で得られた金属粉の加熱を行うと考えると、通常の金属粉の状態で加熱を行うと、当該金属粉の表面は酸化してしまい、表面に酸化物被膜を形成し著しく凝集状態が進行することになり、粉体の分散性が著しく損なわれるものとなる。このような粉体を低温焼成セラミックの製造に用いると、得られる低温焼成セラミックの表面状態が荒れる結果となるのである。従って、通常の金属粉を単に加熱するのみでは、粉粒の分散性の確保と同時に、優れた耐酸化性及び耐熱収縮性を兼ね備え、粒度分布がシャープで粒径の小さな金属粉の提供を行うことも困難となるのである。
以上に述べてきたことから明らかなように、市場においては、2点を満たす金属粉が要求されてきたのである。i)導電性ペーストに加工したときのペースト粘度を低くでき、しかも、ペースト粘度の経時変化を有効に抑制できる微粒粉であること。ii)微細な金属粉であっても、焼結可能な温度範囲での良好な耐酸化性、焼結時の収縮挙動の小さな耐熱収縮性に優れた粉体であること。
そこで、鋭意研究の結果、本件発明者等は、金属粉の粉粒表面を有機コート層と薄い無機酸化物コート層とで被覆した二層コート金属粉とすることで、導電性ペーストの粘度上昇及び経時変化を抑え、良好な耐酸化性、焼結時の収縮挙動の小さな耐熱収縮性に優れた粉体を得ることが可能であることに想到したのである。以下に、本件発明を説明する。
A.二層コート金属粉: 本件発明に係る二層コート金属粉の基本的構成を言い表せば、「金属粉の粉粒表面に有機コート層と無機酸化物コート層とを備える二層コート金属粉であって、金属粉の粉粒表面に有機剤を用いて形成した有機コート層を備え、当該有機コート層の外層に、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛のいずれか一種又は二種以上で構成した無機酸化物コート層を備えたことを特徴とする二層コート金属粉。」となる。
ここで言う無機酸化物コート層は、特許文献3に開示された無機酸化物層と比べると、その厚さが極めて薄いものであるという点が第1の特徴である。そして、この薄い無機酸化物コート層を形成するためには、その下に有機コート層が必須のものとなるのである。この有機コート層が存在し、後述するメカノケミカル的は製造方法で無機酸化物コート層を採用することで、初めて耐酸化性を具備したまま耐熱収縮性を向上することが出来るのである。
(有機コート層)
最初に金属粉の粉粒表面に位置する有機コート層に関して説明する。この有機コート層は、金属粉が加熱を受けるときの酸素の芯材内部への拡散を防止して余分な酸化被膜の成長を防止するバリアとしての役割と、有機コート層上に設ける無機酸化物コート層の固着バインダとしての役割とを果たすものである。余分な酸化被膜を形成しないと言うことは、焼結加工により得られた導体の電気的抵抗上昇を有効に防止できることを意味しており、形成した導体の良好な導通性確保のためには必要不可欠な要素である。
この有機コート層の形成には、有機剤の内、以下に述べる飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸を用いることができる。ここで言う飽和脂肪酸の種類を具体的に列挙すると、エナント酸(C13COOH)、カプリル酸(C15COOH)、ペラルゴン酸(C17COOH)、カプリン酸(C19COOH)、ウンデシル酸(C1021COOH)、ラウリン酸(C1123COOH)、トリデシル酸(C1225COOH)、ミリスチン酸(C1327COOH)、ペンタデシル酸(C1429COOH)、パルミチン酸(C1531COOH)、ヘプタデシル酸(C1633COOH)、ステアリン酸(C1735COOH)、ノナデカン酸(C1837COOH)、アラキン酸(C1939COOH)、ベヘン酸(C2143COOH)のいずれか1種又は2種以上である。
そして、本件発明において用いることのできる不飽和脂肪酸の種類を具体的に列挙すると、アクリル酸(CH=CHCOOH)、クロトン酸(CHCH=CHCOOH)、イソクロトン酸(CHCH=CHCOOH)、ウンデシレン酸(CH=CH(CHCOOH)、オレイン酸(C1733COOH)、エライジン酸(CH(CHCH=CH(CHCOOH)、セトレイン酸(CH(CHCH=CH(CHCOOH)、ブラシジン酸(C2141COOH)、エルカ酸(C2141COOH)、ソルビン酸(CCOOH)、リノール酸(C1731COOH)、リノレン酸(C1729COOH)、アラキドン酸(C1331COOH)のいずれか1種又は2種以上である。
以上に述べた飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸を用いて、これらを金属粉の粉粒表面に吸着させ有機コート層を形成するのである。ここに列挙した化合物は、金属粉表面への付着性に優れ、均一な厚さの有機コート層の形成が可能で、しかも、その導電性を損なう可能性を低くできるのである。ここで「2種以上」としているのは、以上に列挙した飽和脂肪酸の複数種、不飽和脂肪酸の複数種を混合して用いるものであっても構わないことを意味しているのである。
更に、有機コート層の形成に用いる有機剤は、以下に述べる窒素含有有機化合物及び硫黄含有有機化合物の中から選択される1種又は2種以上からなるものを用いることが好ましい。この窒素含有有機化合物及び硫黄含有有機化合物のうち、窒素含有有機化合物には、置換基を有する窒素含有有機化合物を含んでいる。具体的には、窒素含有有機化合物としては、置換基を有するトリアゾール化合物である1,2,3−ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、N’,N’−ビス(ベンゾトリアゾリルメチル)ユリア、1H−1,2,4−トリアゾール及び3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール等を用いることが好ましい。硫黄含有有機化合物には、メルカプトベンゾチアゾール、チオシアヌル酸及び2−ベンズイミダゾールチオール等を用いることが好ましい。これらは、以下に述べる無機酸化物コート層を構成する成分との相性に優れ、しかも金属の防錆被膜としても寄与するものである。
また、ここで言う有機コート層として上記飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸を吸着させた場合には、脂肪酸の金属塩で構成したものを含む概念として記載しているのである。通常、脂肪酸で処理した表面処理銅粉の表面には、処理に用いた脂肪酸、脂肪酸の金属塩、脂肪酸イオンが存在している。このことは、従来の脂肪酸で表面処理した銅粉を、フーリエ変換吸光分光分析装置(FT−IR)を用いて、その吸収ピークを分析することから、明瞭に見て取ることが可能である。FT−IR分析によれば、脂肪酸に起因するピークと脂肪酸の金属塩に起因するピークとを分別して検出可能だからである。
ところが、本件発明者等は、上記脂肪酸で表面処理した表面処理金属粉の表面に吸着残留した脂肪酸、脂肪酸の金属塩の影響を種々の方法を用いて検討した結果、有機コート層を脂肪酸の金属塩のみとした場合が、最も良好な耐酸化性を備え、酸化バリアとして最も有効に機能するものであることに想到したのである。
ここで言う「脂肪酸の金属塩」とは、脂肪酸を用いて金属粉の粉粒を表面処理する際に、金属粉の金属成分と脂肪酸とが反応し形成された金属塩のことである。そして、前出の「吸着残留した脂肪酸」とは、銅成分と反応せず、脂肪酸を溶解させた溶媒中においてもイオン状態に解離することのなかった脂肪酸が表面に吸着したものである。本明細書中では、ここに述べた意味合いとして、これらの用語を用いている。
(無機酸化物コート層)
次に、有機コート層の上に設ける無機酸化物コート層に関して説明する。この無機酸化物コート層は、特許文献3に開示の方法で形成すると厚いものであり、粉粒を完全に被覆した状態とならざるを得なかった。しかしながら、当該無機酸化物コート層を、粉粒の表面に予め有機コート層を設け、その上にメカノケミカル的な方法で形成することで、密着性に優れた薄いコート層として形成できるのである。しかも、この無機酸化物コート層は、粉粒表面を完全に被覆していても構わないが、部分的に粉粒の有機コート層が露出した不連続な付着状態であることが好ましいのである。
この無機酸化物コート層には、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛のいずれか一種又は二種以上を用いるものである。中でも酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムのいずれかを用いることが好ましいのである。また、酸化亜鉛は、芯材に銀粉を用いる場合に特に好ましいものである。酸化ケイ素並びに酸化アルミニウム並びに酸化マグネシウムは、金属粉の粉粒の表面に均一に固着させやすいのである。しかも同時に、低温焼成セラミックの焼成温度が、一般的に900℃以上であることを考えれば、最も有効に芯材である金属粉の凝集を防止するものとして機能するからである。
この無機酸化物コート層の厚さを物理的にゲージ厚さとして示すことは、微細な粉粒の集合体である金属粉という性格上困難である。従って、本件発明者等は、無機酸化物コート層の厚さを、換算質量厚さとして表すこととした。換算質量厚さとは、無機酸化物コート金属粉重量の中の無機酸化物コート層の占める割合として質量%で捉えることとする。そして、厳密に考えれば、換算質量厚さを適用して考える場合には、金属粉の持つ粒径を考慮することが必要になる。金属粉の重量が一定として、粒径が小さい金属粉と粒径が大きな金属粉とが存在していれば、前者の比表面積の方が大きく、同量の無機酸化物で粉粒の表面被覆を行えば、前者の金属粉の無機酸化物コート層の方が薄くなるからである。
そこで、本件発明者等は、現在の金属粉を用いた導体形成に用いられる粒径を考慮し、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積累積粒径D50の値が0.1μm〜10μmである金属粉を対象にした場合を想定した。その結果、無機酸化物コート層の厚さ(換算質量厚さ)は、二層コート金属粉の無機酸化物コート量が0.1質量%〜10質量%の範囲にあることが好ましいのである。
コート量が0.1質量%未満の場合には、低温焼成セラミックの焼成時レベルの加熱による粉粒の凝集進行の防止の役割を果たさなくなる。これに対して、10質量%を超える厚さの場合には、以下に述べる製造方法に起因することであると考えられるが、得られる二層コート金属粉の分散性が悪くなるのである。このように均一に薄い無機酸化物コート層を作り込むことによって、本件発明に係る二層コート金属粉は、その粉体自体の電気的導電性の劣化を最小限にとどめることができるようになるのである。更に、以下に述べる製造上のバラツキを無くし、得られる耐熱収縮性を安定化させるためには、0.2質量%〜5質量%を採用することが、より好ましいのである。
以上に述べたような構成の二層コート金属粉を採用することで、事後的に行う熱処理が容易に行えるものとなり、結晶子径の調整が可能となるのである。即ち、加熱して結晶子径の調整を行おうとしても、無機酸化物コート層が外殻に存在することで粉粒形状の変化を最小限に止め、しかも、有機コート層が、加熱時に拡散して粉粒内に侵入する酸素を遮断し、芯材である金属粉の表面に到達し酸化層が成長するのを防止するのである。その結果、結晶子径を調整するための加熱を行っても、粉粒の凝集を有効に防止して、粉体特性としての分散性を顕著に劣化させることがないため、初めて十分な熱処理が行えるのである。
このときに、芯材である金属粉の粉粒の持つ結晶子径は、50nm以上とすることが好ましいのである。この結晶子径50nm以上という値は、乾式製造方法で得られた金属粉の持つ結晶子径と同等若しくはそれ以上の大きさであり、湿式法で得られる金属粉が熱処理なしでは備えることが出来ない結晶子径の値である。また、この結晶子径の値が50nm以上になると、耐熱収縮性が急激に改善し出すのである。
(芯材として用いる金属粉)
この金属粉には、銅粉、銀粉、ニッケル粉のいずれかを用いることが最も好ましく、用途に応じて選択的に芯材材質の選択を行えばよいのである。例えば、本件発明に係る二層コート金属粉は、その粉粒表面に無機酸化物コート層が存在しているため、この二層コート金属粉を用いて形成した導体の電気的導電性を高くしようとすれば、ニッケル粉の使用を避け、芯材となる金属粉に銅粉若しくは銀粉を用いる。また、高温加熱による耐熱収縮性を最も重要視する場合には、高融点を持つニッケル粉を芯材として用い、銅粉若しくは銀粉の芯材の使用を避ける等である。更に、銅粉、銀粉、ニッケル粉を芯材として用いる理由としては、現在の製造技術レベルを考慮するに最も分散性に優れた微粒粉体の製造が可能であるからである。
B.二層コート金属粉の製造方法: 本件発明に係る二層コート金属粉の製造は、金属粉の粉粒表面への有機コート層形成を行い、その後有機コート層の表面に無機酸化物コート層の形成を順次行うことによる。また、必要に応じて結晶子径の調整工程を付加するのである。以下、各工程ごとに詳細に説明する。
(有機コート層の形成工程)
有機コート層の形成は、脂肪酸等で金属粉を処理して、一旦、金属粉の粉粒の表面に有機物を吸着させる事によるのである。従って、金属粉を、脂肪酸等を含有した溶液と接触させるのである。このとき、金属粉を当該溶液中に入れ、所定時間、攪拌することで金属粉の表面に脂肪酸等を吸着させる方法でも、当該溶液中に所定時間の浸漬を行う方法等であっても構わない。特にその接触手法に限定はない。以上のようにして、脂肪酸等を含有した溶液との接触処理の終了した金属粉(この段階の金属粉を「表面処理金属粉」と称する。)は、当該溶液と濾別して、採取するのである。また、この脂肪酸等による処理方法には、脂肪酸等を気化させた気流中に金属粉を入れて処理することも可能である。
そして、脂肪酸の金属塩のみの表面処理金属粉とする場合には、以上に述べた表面処理金属粉として、その後、有機溶媒を用いて洗浄することで、脂肪酸の金属塩のみを金属粉の粉粒表面に残すのである。即ち、金属粉と脂肪酸を含有した溶液とを所定時間接触させ、有機コート層を形成した金属粉とし、当該金属粉を、有機溶媒を用いて、少なくとも1回の洗浄を行い、乾燥するのである。
前述した有機溶媒を用いた洗浄は、当該表面処理金属粉に有機溶媒をシャワーリングして洗浄する方法、有機溶媒中に入れ攪拌しつつ洗浄する方法等であり有機溶媒と表面処理金属粉の粉粒の表面とが万遍なく接触し、効率よく洗浄可能な方法であれば、どのような手法を用いても構わない。
この有機溶媒による表面処理金属粉の洗浄は、1回洗浄よりも、複数回の洗浄を行った方が好ましい。1回の洗浄でも、かなりの吸着した脂肪酸の除去は可能ではあるが、完全には除去できず、FT−IR分析でも、脂肪酸単独の吸収ピークが、僅かに検出される場合があり、安定性に欠ける。ところが、2回以上の複数回の洗浄を行うと、脂肪酸単独の吸収ピークは完全に消滅し、脂肪酸の金属塩の吸収ピークのみが検出されるようになるのである。一方で、複数回の洗浄を行うと考えても、洗浄し過ぎれば、脂肪酸の金属塩のみの表面処理層も損傷を受ける場合もある。従って、繰り返し洗浄の適正回数の上限は、脂肪酸の種類によっても、僅かながらの差異がみられるが、研究結果を統計的に考えて、3回を超えない範囲での繰り返し洗浄が好ましいと言える。
ここで用いる有機溶媒は、エチルアルコール、メチルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、プロパノールのいずれか1種又は2種以上を用いることが好ましい。金属粉は比表面積が大きいため、その表面を短時間で迅速に乾燥させるために、低温加熱で気散し易く、上述した脂肪酸の金属塩を変質させないものであれば、洗浄に用いる有機溶媒に特に限定は要さない。しかしながら、工業的に見て、環境負荷を増大させることなく、揮発ガスの処理が容易で、揮発したガスが人体に可能な限り悪影響を及ぼさないものとして、上述の有機溶媒を選択使用するのである。
以上に述べたようなプロセスにより、粉粒表面への有機コート層の形成が終了すると、表面処理金属粉は、濾別採取して、乾燥させることになる。この乾燥は、乾燥温度50℃〜100℃、乾燥時間2〜8時間の条件で行うことが好ましい。乾燥温度は、表面処理金属粉の表面酸化を防止するため、可能な限り低温領域を採用することが望まれる。乾燥温度が50℃未満では、金属粉という粉粒体に吸着した溶媒を十分に除去する事ができず、しかも、有機コート層の定着が強固に出来ないためである。一方、乾燥温度を、100℃を超える温度とすると、有機コート層の損傷が起こりやすくなるためである。この乾燥温度範囲を採用すると、その加熱温度に合わせた加熱時間も採用すべきである。低温でも、あまりに長時間の乾燥を行うと有機コート層が損傷を起こすためである。そして、乾燥時間が短すぎると、有機コート層の吸着溶媒の除去が不完全となるのである。以上のようにして有機コート層の形成が完了するのである。
(無機酸化物コート層の形成工程)
無機酸化物コート層の形成は、以下のような方法で行われる。即ち、上記有機コート層の更に外側に、無機酸化物を定着させることで無機酸化物層を形成するのである。この無機酸化物層の形成は、湿式コート法若しくは乾式コート法のいずれをも用いることが可能である。湿式コート法に関しては、特に手法を限定する必要はなく、定法に従い無機酸化物層を形成することが可能であり、無機酸化物コート層の粉粒表面への密着性が向上するのである。一方、無機酸化物層の成分バランスのコントロールという観点からすると、乾式コート法であるメカノケミカル的な手法で固着させることもできる。
ここでは金属粉の粉粒の表面に、無機酸化物をメカノケミカル的な手法で固着させる方法に関して説明する。メカノケミカルな手法とは、表面処理金属粉とその粉粒表面に固着させる無機酸化物の粉体とを、攪拌混合したり、ボールミル方式のメディアを用いる等して、当該表面処理金属粉の粉粒表面に無機酸化物を固着させるのであり、表面処理金属粉の粉粒と無機酸化物粉体の粉粒とを混合衝突させることのできる装置であれば足りるのであり、特殊な設備を必要とするものではない。このときに用いる無機酸化物粉体としては、粉体の持つ比表面積が50m/g以上のものを用いることが好ましい。この比表面積は、主に無機酸化物粉体の粉粒の径により左右されるものであり、比表面積が大きくなれば、粉粒の径も小さくなるものと言える。
このように有機コート層の表面に、メカノケミカル的な手法で無機酸化物コート層を形成することで、本来であれば硬く脆いはずの無機酸化物の密着性が向上し、薄く均一な厚さの無機酸化物コート層が形成できるのである。この無機酸化物コート層の形成が終了すると、本件発明に係る二層コート金属粉の形態を一応備えるものとなるのである。
(結晶子径の調整工程)
以上に述べた工程により得られた二層コート金属粉は、芯材として用いた金属粉の結晶子径が小さな場合には、結晶子径の調整を目的とした熱処理を施し、芯材の金属粉の結晶子径を50nm以上とすることが好ましいのである。この熱処理は、以下のようなコンディションの下で行われる。厳密に言えば、金属粉の種類に応じてコンディションを変更して行われる。この熱処理は、いわゆる再結晶化を促し、結晶子径を大きくするためのものである。しかしながら、この熱処理は、無機酸化物コート金属粉の品質を変質させたり、金属粉の表面自体の凝集を促進するものであってはならない。
これらのことを考慮して、芯材に銅粉及びニッケル粉を用いる場合に於いては、熱処理は500℃〜1000℃の還元雰囲気若しくは不活性ガス雰囲気中で行うことが望ましい。500℃未満の温度での加熱では、湿式製造法で得られた銅粉及びニッケル粉の結晶を再結晶化させることが困難となる。これに対して、1000℃を超える温度での加熱を行うと、無機酸化物コート層が存在しても、芯材である金属粉の凝集が進行すると共に、金属粉自体が軟化して粉粒形状が悪化する事となるのである。また、芯材自体の意図せぬ酸化を防止するため、加熱雰囲気は還元雰囲気若しくは不活性ガス雰囲気を採用することが好ましいのである。
また、芯材に銀粉を用いる場合に於いては、熱処理は350℃〜900℃の温度で、大気雰囲気、還元雰囲気若しくは不活性ガス雰囲気のいずれかの雰囲気中で行うことが望ましい。この加熱処理は、結晶子径を調整することと、銀粉内に含まれ、加熱膨張の原因になる有機不純物を気化させ脱ガス処理することを目的として行うものである。従って、350℃未満の温度での加熱では、不純物の脱ガス処理が良好に行えず、湿式製造法で得られた銀粉の結晶を再結晶化させることが困難となる。これに対して、900℃を超える温度での加熱を行うと、無機酸化物コート層が存在しても、銀粉自体が軟化して粉粒形状が悪化する事となるのである。そして、銀の場合には銅と比較して酸化しにくいため、加熱雰囲気には大気雰囲気を用いることが可能であり、当然に還元雰囲気若しくは不活性ガス雰囲気を採用することも品質の安全性を考えれば好ましいのである。
以上に述べてきたような製造方法を採用することで、二層コート金属粉の凝集の進行を防止して、「レーザー回折散乱式粒度分布測定法による平均粒径D50と粒度分布の標準偏差SDとの関係式SD/D50で表される変動係数CV値」を悪化させないようにできるのである。なお、「標準偏差SD」とは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法を用いて測定した結果として得られる粉体の粒度分布のから得られる標準偏差のことであり、このCV値の値が小さいほど、粉粒の粒径が揃っており、分散性に優れ、大きなバラツキをもっていないことを意味している。
本件発明に係る二層コート金属粉は、有機コート層と無機酸化物コート層とを備えるものであり、芯材となる金属粉の粉粒表面の有機コート層の存在により、無機酸化物コート層の密着性が向上し、均一で薄い無機酸化物層が形成されたものである。従って、耐酸化性能及び耐熱収縮性能に優れるものとなる。その効果として、本件発明に係る二層コート金属粉を用いて製造した導電性ペーストの低粘度化も達成できるのである。また、本件発明で採用した二層コート金属粉の製造方法は、二層コート金属粉の製造安定性に優れ製品品質のバラツキの少ない二層コート金属粉の供給には最適のものとなる。
以下、本発明を実施形態を通じて、比較例と対比しつつ、本件発明に関し、より詳細に説明する。
銅粉の製造: 最初に芯材として用いた銅粉の製造方法を説明する。硫酸銅(五水塩)4kg及びアミノ酢酸120gを水に溶解させて、液温60℃の8L(リットル)の銅塩水溶液を作製した。そして、この水溶液を撹拌しながら、5.75kg(1.15当量)の25wt%水酸化ナトリウム溶液を約30分間かけて定量的に添加し、液温60℃で60分間の撹拌を行い、液色が完全に黒色になるまで熟成させて酸化第二銅を生成した。その後30分間放置し、グルコース1.5kg添加して、1時間熟成することで酸化第二銅を酸化第一銅に還元した。さらに、水和ヒドラジン1kgを5分間かけて定量的に添加して酸化第一銅を還元することで金属銅にして、銅粉スラリーを生成した。
そして、得られた銅粉スラリーを濾過し、純水で十分に洗浄し、再度濾過した後、乾燥して銅粉を得た。この銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は0.93μmであり、変動係数CV値は0.22であり、結晶子径は32.2nmであった。そして、熱膨張係数の測定を行った結果、600℃付近から収縮が開始し、900℃での収縮率が13.0%であった。
なお、本件明細書における結晶子径の測定は、RIGAKU社製 RINT200Vを用い結晶子解析ソフトを用いて平均結晶子径を求めたものであり、本件明細書における結晶子径とは、この平均結晶子径のことである。そして、収縮率の測定は、得られた粉体を熱機械分析装置(セイコー電子工業社製TMA/SS6000)を用いて所定の雰囲気中で、昇温速度10℃/分で加熱しつつ熱膨張率を連続して測定し、雰囲気温度が900℃のときの熱収縮率を測定したのである。
有機コート層の形成: この有機コート層の形成には、脂肪酸であるオレイン酸を用いた。上述の方法で得られた銅粉5kgを、ヌッチェに入れ、5gのオレイン酸を加えて分散させた5リットルのメタノール溶液を添加して、当該銅粉の粉粒表面に有機コート層を形成した。そして、吸引濾過することで、表面処理銅粉と溶液とを濾別し、70℃の温度で5時間の乾燥を行った。このときの当該表面処理金属粉には、表面に吸着残留した脂肪酸、脂肪酸の金属塩が存在しているのである。この有機コート層を形成した銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は0.93μmであり、変動係数CV値は0.22であり、結晶子径は32.1nmであった。そして、熱膨張係数の測定を行った結果、700℃付近から収縮が開始し、900℃での収縮率が12.8%であった。なお、この段階の銅粉を用いて後述するテルピネオール系導電ペーストとして粘度を測定すると820Pa・sであった。
無機酸化物コート層の形成: そして、この表面処理銅粉1kgと無機酸化物である酸化ケイ素粉0.05kgとを、ハイブリタイザーを用いて、回転数6000rpmで、5分間のメカノケミカルな固着処理を行い、無機酸化物コート層を酸化ケイ素で構成した二層コート銅粉を製造した。この二層コート銅粉の表面に被覆された酸化ケイ素の被覆量は、5質量%であった。この被覆直後の二層コート銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は0.94μmであり、変動係数CV値は0.25であり、結晶子径は28.2nmであった。そして、熱膨張係数の測定を行った結果、900℃での収縮率が3.5%であった。即ち、芯材である銅粉がメカノケミカルな加工を受けることで、本来の湿式製造法で得られた銅粉に比べ、結晶子径は小さくなるが、酸化物被覆層が存在している事から、熱膨張時の収縮率も小さくなり、市場で要求されている範囲内に収まる収縮率となった。
結晶子径の調整: そこで、以上のようにして得られた二層コート銅粉を、水素濃度1wt%の窒素ガス雰囲気中で、500℃、700℃、900℃の各温度で1時間の加熱を行い結晶子径を調整した3種類の二層コート銅粉を得た。この結果、I.500℃の温度を採用した場合の、加熱後の二層コート銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は0.96μmであり、結晶子径は50.6nm、変動係数CV値は、0.24であり、II.700℃の温度を採用した場合の、加熱後の二層コート銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は0.97μmであり、結晶子径は58.4nm、変動係数CV値は、0.25であり、III.900℃の温度を採用した場合の、加熱後の二層コート銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は0.99μmであり、結晶子径は66.8nm、変動係数CV値は、0.24であった。
この結果から、結晶子径は、500℃及び700℃の温度を採用した場合に乾式製造法で得られる銅粉と同等の結晶子径が得られ、900℃の温度で加熱した場合には乾式製造法で得られる銅粉以上の大きさの結晶子径が得られている事が分かるのである。また、いずれの温度で加熱しても、無機酸化物層を形成する前の銅粉のCV値から見て大きく悪化していないことが分かる。
耐熱特性の評価: 更に、3種類の二層コート銅粉を用いて、上述したと同様の方法で熱膨張係数の測定を行った結果、900℃での収縮率は、I.500℃の加熱温度を採用した場合の、加熱後の二層コート銅粉の収縮率が2.5%、II.700℃の加熱温度を採用した場合の、加熱後の二層コート銅粉の収縮率が2.0%、III.900℃の加熱温度を採用した場合の、加熱後の二層コート銅粉の収縮率が1.2%であり、全てが理想的と思われる5%以内の収縮率に収まっていた。
膜の比抵抗の評価: 膜の比抵抗は、測定に用いる20gの粉体を、95wt%のターピネオールCと、5wt%のエチルセルロースの組成の溶液20gに入れ、三本ロールで混練後、アルミナ基板にスクリーン印刷を行い、80℃の温度で1時間乾燥した。その後、水素を1wt%含有する窒素置換雰囲気において300℃で1時間保持後、950℃で1時間焼成した。その後、得られた焼成膜を、室温に戻してから膜抵抗を測定した。その結果、コート前の芯材の銅粉を用いた場合には1.9×10−6Ω・cm、熱処理前の本実施例で得られた二層コート銅粉を用いた場合には2.5×10−6Ω・cm、500℃での加熱後の二層コート銅粉を用いた場合には2.3×10−6Ω・cm、700℃での加熱後の二層コート銅粉を用いた場合には2.2×10−6Ω・cm、900℃での加熱後の二層コート銅粉を用いた場合には2.1×10−6Ω・cmであった。この結果から、明らかなように二層のコート層を設けても、膜の比抵抗は大きく変化せず、二層コート銅粉に加熱を加えることで膜の比抵抗が小さくなることが分かるのである。
更に、本件発明者等は、以上のようにして得られた二層コート銅粉を用いてテルピネオール系導電ペーストを製造した。ここで製造したテルピネオール系導電ペーストは、当該二層コート銅粉を88重量部、バインダーを12質量部の組成として、これらの混錬を行って得たのである。このときのバインダーは、テルピネオール93質量部、エチルセルロース7質量部の組成を持つものを用いた。このテルピネオール系導電ペーストの粘度を測定すると418Pa・sである。
この実施例では、実施例1の有機コート層の形成方法を異なるものとして、有機コート層を脂肪酸の金属塩のみで形成したのである。従って、銅粉の製造に関する説明は省略し、有機コート層の形成から説明する事とする。
有機コート層の形成: この有機コート層の形成には、脂肪酸であるオレイン酸を用いた。上述の方法で得られた銅粉5kgを、ヌッチェに入れ、5gのオレイン酸を加えて分散させた5リットルのメタノール溶液を滴下して、当該銅粉の粉粒表面に有機コート層を形成し表面処理銅粉とした。そして、2リットルのメタノール液を滴下してかけることで、表面処理銅粉の洗浄を行い、吸引濾過することで、銅粉の表面処理層にオレイン酸の金属塩のみが残留したものとした。吸引濾過で分取した洗浄後の表面処理銅粉は、70℃の温度で5時間の乾燥を行った。この表面処理銅粉をFT−IR分析すると、脂肪酸に起因するピークが消失し、脂肪酸の金属塩のピークのみが検出されていた。
無機酸化物コート層の形成: そして、この銅粉1kgと無機酸化物である酸化ケイ素粉0.05kgとを、ハイブリタイザーを用いて、回転数6000rpmで、5分間のメカノケミカルな固着処理を行い、無機酸化物コート層を酸化ケイ素で構成した二層コート銅粉を製造した。この二層コート銅粉の表面に被覆された酸化ケイ素の被覆量は、5質量%であった。この被覆直後の二層コート銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は0.94μmであり、変動係数CV値は0.25であり、結晶子径は27.9nmであった。そして、熱膨張係数の測定を行った結果、900℃での収縮率が3.3%であった。
膜の比抵抗の評価: 膜の比抵抗は、実施例1と同様にして測定した。その結果、本実施例で得られた二層コート銅粉を用いた場合には2.4×10−6Ω・cmであり、非常に良好な値が得られた。
更に、本件発明者等は、以上のようにして得られた二層コート銅粉を用いて実施例1と同様のテルピネオール系導電ペーストを製造した。このテルピネオール系導電ペーストの粘度を測定すると410Pa・sである。
この実施例では、実施例1の有機コート層の形成方法を異なるものとして、有機コート層を脂肪酸の金属塩のみで形成したのである。従って、銅粉の製造に関する説明は省略し、有機コート層の形成から説明する事とする。
有機コート層の形成: この有機コート層の形成には、脂肪酸であるステアリン酸を用いた。上述の方法で得られた銅粉5kgを、ヌッチェに入れ、5gのステアリン酸を加えて分散させた5リットルのメタノール溶液を滴下して、当該銅粉の粉粒表面に有機コート層を形成し表面処理銅粉とした。そして、2リットルのメタノール液を滴下してかけることで、表面処理銅粉の洗浄を行い、吸引濾過することで、銅粉の表面処理層にステアリン酸の金属塩のみが残留したものとした。吸引濾過で分取した洗浄後の表面処理銅粉は、70℃の温度で5時間の乾燥を行った。この表面処理銅粉をFT−IR分析すると、脂肪酸に起因するピークが消失し、脂肪酸の金属塩のピークのみが検出されていた。
無機酸化物コート層の形成: そして、この銅粉1kgと無機酸化物である酸化ケイ素粉0.05kgとを、ハイブリタイザーを用いて、回転数6000rpmで、5分間のメカノケミカルな固着処理を行い、無機酸化物コート層を酸化ケイ素で構成した二層コート銅粉を製造した。この二層コート銅粉の表面に被覆された酸化ケイ素の被覆量は、5質量%であった。この被覆直後の二層コート銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は0.98μmであり、変動係数CV値は0.25であり、結晶子径は30.0nmであった。そして、熱膨張係数の測定を行った結果、900℃での収縮率が3.2%であった。
膜の比抵抗の評価: 膜の比抵抗は、実施例1と同様にして測定した。その結果、本実施例で得られた二層コート銅粉を用いた場合には2.7×10−6Ω・cmであり、非常に良好な値が得られた。
更に、本件発明者等は、以上のようにして得られた二層コート銅粉を用いて実施例1と同様のテルピネオール系導電ペーストを製造した。このテルピネオール系導電ペーストの粘度を測定すると412Pa・sである。
この実施例では、実施例1の有機コート層の形成方法を異なるものとしたのである。従って、銅粉の製造に関する説明は省略し、有機コート層の形成から説明する事とする。
有機コート層の形成: この有機コート層の形成には、カルボキシベンゾトリアゾールを用いた。上述の方法で得られた銅粉を、濃度5g/lのCBTAを含む、液温40℃、pH5の水溶液中に入れ、10分間の攪拌を行った後、吸引濾過で分取した洗浄後の表面処理銅粉は、70℃の温度で5時間の乾燥を行い、当該銅粉の粉粒表面に有機コート層を形成し表面処理銅粉とした。
無機酸化物コート層の形成: そして、この表面処理銅粉1kgと無機酸化物である酸化ケイ素粉0.05kgとを、ハイブリタイザーを用いて、回転数6000rpmで、5分間のメカノケミカルな固着処理を行い、無機酸化物コート層を酸化ケイ素で構成した二層コート銅粉を製造した。この二層コート銅粉の表面に被覆された酸化ケイ素の被覆量は、5質量%であった。この被覆直後の二層コート銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は0.94μmであり、変動係数CV値は0.25であり、結晶子径は29.5nmであった。そして、熱膨張係数の測定を行った結果、900℃での収縮率が3.6%であった。
膜の比抵抗の評価: 膜の比抵抗は、実施例1と同様にして測定した。その結果、本実施例で得られた二層コート銅粉を用いた場合には2.6×10−6Ω・cmであり、非常に良好な値が得られた。
更に、本件発明者等は、以上のようにして得られた二層コート銅粉を用いて実施例1と同様のテルピネオール系導電ペーストを製造した。このテルピネオール系導電ペーストの粘度を測定すると425Pa・sである。
この実施例では、実施例1の無機酸化物コート層の形成方法を異なるものとしたのである。従って、その前段の銅粉の製造及び有機コート層の形成に関する説明は省略し、無機酸化物コート層の形成から説明する事とする。
無機酸化物コート層の形成: 表面処理銅粉1kgと無機酸化物である酸化アルミニウム粉0.03kgとを、ハイブリタイザーを用いて、回転数6000rpmで、5分間のメカノケミカルな固着処理を行い、二層コート銅粉を製造した。この段階の二層コート銅粉の表面に被覆された酸化アルミニウムの被覆量は、3質量%であった。この加熱前の二層コート銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は0.92μmであり、変動係数CV値は0.25であり、結晶子径は27.2nmであった。そして、熱膨張係数の測定を行った結果、900℃での収縮率が4.2%であった。即ち、銅粉がメカノケミカルな加工を受けることで、本来の湿式製造法で得られた銅粉に比べ、結晶子径は小さくなるが、酸化物被覆層が存在している事から、熱膨張時の収縮率も小さくなり、市場で要求されている範囲内に収まる収縮率となった。
膜の比抵抗の評価: 膜の比抵抗は、実施例1と同様にして測定した。その結果、本実施例で得られた二層コート銅粉を用いた場合には2.5×10−6Ω・cmであり、非常に良好な値が得られた。
更に、本件発明者等は、以上のようにして得られた二層コート銅粉を用いて実施例1と同様のテルピネオール系導電ペーストを製造した。このテルピネオール系導電ペーストの粘度を測定すると410Pa・sである。
この実施例では、実施例1の無機酸化物コート層の形成方法を異なるものとしたのである。従って、その前段の銅粉の製造及び有機コート層の形成に関する説明は省略し、無機酸化物コート層の形成から説明する事とする。
無機酸化物コート層の形成: 表面処理銅粉1kgと無機酸化物である酸化マグネシウム粉0.03kgとを、ハイブリタイザーを用いて、回転数6000rpmで、5分間のメカノケミカルな固着処理を行い、二層コート銅粉を製造した。この段階の二層コート銅粉の表面に被覆された酸化マグネシウムの被覆量は、3質量%であった。この加熱前の二層コート銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は0.92μmであり、変動係数CV値は0.28であり、結晶子径は28.1nmであった。そして、熱膨張係数の測定を行った結果、900℃での収縮率が5.8%であった。即ち、銅粉がメカノケミカルな加工を受けることで、本来の湿式製造法で得られた銅粉に比べ、結晶子径は小さくなるが、酸化物被覆層が存在している事から、熱膨張時の収縮率も小さくなるが、市場で要求されている範囲内に収まる収縮率までは及ばないものであった。
膜の比抵抗の評価: 膜の比抵抗は、実施例1と同様にして測定した。その結果、本実施例で得られた二層コート銅粉を用いた場合には2.8×10−6Ω・cmであり、非常に良好な値が得られた。
更に、本件発明者等は、以上のようにして得られた二層コート銅粉を用いて実施例1と同様のテルピネオール系導電ペーストを製造した。このテルピネオール系導電ペーストの粘度を測定すると410Pa・sである。
銀粉の製造方法: 最初に芯材として用いた銀粉の製造方法を説明する。ここでは、反応容器内でイオン交換水360mlに硝酸銀300gを添加し、完全に溶解させた後、25wt%濃度のアンモニア水300mlを添加し、攪拌してアンミン銀錯体水溶液を調整し、17℃に温調した。そして、そのアンミン銀錯体水溶液を約3秒間で添加し、約3分間攪拌することにより銀粒子の還元析出を完了させた。その後、銀粒子を濾別採取し、純水で十分に洗浄し、乾燥して銀粉を得た。
この銀粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は1.51μmであり、変動係数CV値は0.34であり、結晶子径は7.7nmであった。そして、熱膨張係数の測定を行った結果、850℃での収縮率が10.0%であった。なお、熱膨張係数の測定は、実施例1に記載したと同様の方法で行った。
有機コート層の形成: この有機コート層の形成には、脂肪酸であるオレイン酸を用いた。上述の方法で得られた銅粉5kgを、ヌッチェに入れ、5gのオレイン酸を加えて分散させた5リットルのメタノール溶液を滴下して、当該銅粉の粉粒表面に有機コート層を形成し表面処理銅粉とした。そして、2リットルのメタノール液を滴下してかけることで、表面処理銅粉の洗浄を行い、吸引濾過することで、銅粉の表面処理層にオレイン酸の金属塩のみが残留したものとした。吸引濾過で分取した洗浄後の表面処理銅粉は、70℃の温度で5時間の乾燥を行った。この表面処理銅粉をFT−IR分析すると、脂肪酸に起因するピークが消失し、脂肪酸の金属塩のピークのみが検出されていた。
無機酸化物コート層の形成: この表面処理銀粉1kgと無機酸化物である酸化ケイ素粉0.05kgとを、ハイブリタイザーを用いて、回転数6000rpmで、5分間のメカノケミカルな固着処理を行い、二層コート銀粉を製造した。この段階の二層コート銀粉の表面に被覆された酸化ケイ素の被覆量は5質量%であった。この加熱前の二層コート銀粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は1.30μmであり、変動係数CV値は0.27であり、結晶子径は6.8nmであった。そして、熱膨張係数の測定を行った結果、850℃での収縮率が4.2%であった。即ち、銀粉がメカノケミカルな加工を受けることで、本来の湿式製造法で得られた銀粉に比べ、結晶子径は小さくなるが、酸化物被覆層が存在している事から、熱膨張時の収縮率も小さくなるが、市場で要求されている範囲内に収まる収縮率までは及ばないものであった。
そこで、以上のようにして得られた二層コート銀粉を、大気雰囲気中で、450℃の温度で1時間の加熱を行い結晶子径を調整した二層コート銀粉を得た。この結果、加熱後の二層コート銀粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は1.32μmであり、結晶子径は60.0nm、変動係数CV値は、0.33であった。
この結果から、結晶子径は、乾式製造法で得られる銀粉(乾式製造法で得られる銀粉の結晶子径は、一般的に30〜40nm)以上の大きさの結晶子径が得られている事が分かるのである。また、加熱後に於いても、無機酸化物層を形成する前の銀粉のCV値から見て大きく悪化していないことが分かる。
そして、加熱後の二層コート銀粉を用いて、上述したと同様の方法で熱膨張係数の測定を行った結果、850℃での収縮率が2.1%であり、理想的といわれる5%以内の収縮率に収まっていた。
更に、本件発明者等は、以上のようにして得られた二層コート銀粉を用いて実施例1と同様のテルピネオール系導電ペーストを製造した。このテルピネオール系導電ペーストの粘度を測定すると420Pa・sである。
この実施例で用いた銀粉及び有機コート層は、実施例7で用いたと同じ製造方法で得られたものを用いたため、重複した記載を避けるため、ここでの説明は省略する。従って、無機酸化物コート層の形成から以降に関して説明する。
無機酸化物コート層の形成: 表面処理銀粉1kgと無機酸化物である酸化アルミニウム粉0.05kgとを、ハイブリタイザーを用いて、回転数6000rpmで、5分間のメカノケミカルな固着処理を行い、二層コート銀粉を製造した。この段階の二層コート銀粉の表面に被覆された酸化アルミニウムの被覆量は5質量%であった。この加熱前の二層コート銀粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は1.33μmであり、変動係数CV値は0.27であり、結晶子径は6.3nmであった。そして、熱膨張係数の測定を行った結果、900℃での収縮率が6.5%であった。即ち、銀粉がメカノケミカルな加工を受けることで、本来の湿式製造法で得られた銀粉に比べ、結晶子径は小さくなるが、酸化物被覆層が存在している事から、熱膨張時の収縮率も小さくなるが、市場で要求されている範囲内に収まる収縮率までは及ばないものであった。
そこで、以上のようにして得られた二層コート銀粉を、大気雰囲気中で、450℃の温度で1時間の加熱を行い結晶子径を調整した。この結果、加熱後の二層コート銀粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は1.31μmであり、結晶子径は68.0nm、変動係数CV値は、0.32であった。この結晶子径は、乾式製造法で得られる銀粉以上の大きさの結晶子径が得られている事が分かるのである。また、加熱後においても、加熱前の無機酸化物層を形成した後の銀粉のCV値から見て、むしろ良好な値となっていることが分かるのである。更に、上述の二層コート銀粉を用いて、上述したと同様の方法で熱膨張係数の測定を行った結果、900℃での収縮率が1.8%であり、5%以内の収縮率に収まっていた。
更に、本件発明者等は、以上のようにして得られた二層コート銅粉を用いて実施例1と同様のテルピネオール系導電ペーストを製造した。このテルピネオール系導電ペーストの粘度を測定すると425Pa・sである。
この実施例で用いた銀粉及び有機コート層は、実施例6で用いたと同じ製造方法で得られたものを用いたため、重複した記載を避けるため、ここでの説明は省略する。従って、無機酸化物コート層の形成から以降に関して説明する。
無機酸化物コート層の形成: 表面処理銀粉1kgと無機酸化物である酸化マグネシウム粉0.05kgとを、ハイブリタイザーを用いて、回転数6000rpmで、5分間のメカノケミカルな固着処理を行い、二層コート銀粉を製造した。この段階の二層コート銀粉の表面に被覆された酸化マグネシウムの被覆量は5質量%であった。この加熱前の二層コート銀粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は1.21μmであり、変動係数CV値は0.28であり、結晶子径は6.5nmであった。そして、熱膨張係数の測定を行った結果、850℃での収縮率が4.9%であった。即ち、銀粉がメカノケミカルな加工を受けることで、本来の湿式製造法で得られた銀粉に比べ、結晶子径は小さくなるが、酸化物被覆層が存在している事から、熱膨張時の収縮率も小さくなり、収縮率も良好であった。
そこで、以上のようにして得られた二層コート銀粉を、大気雰囲気中で、450℃の温度で1時間の加熱を行い結晶子径を調整した。この結果、加熱後の二層コート銀粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は1.23μmであり、結晶子径は60.6nm、変動係数CV値は、0.33であった。この結晶子径は、乾式製造法で得られる銀粉以上の大きさの結晶子径が得られている事が分かるのである。また、加熱後においても、加熱前の無機酸化物層を形成した後の銀粉のCV値から見て、むしろ良好な値となっていることが分かるのである。更に、上述の二層コート銀粉を用いて、上述したと同様の方法で熱膨張係数の測定を行った結果、850℃での収縮率が3.7%であり、5%以内の収縮率に収まっていた。
更に、本件発明者等は、以上のようにして得られた二層コート銅粉を用いて実施例1と同様のテルピネオール系導電ペーストを製造した。このテルピネオール系導電ペーストの粘度を測定すると426Pa・sである。
ニッケル粉の製造: ポリオール金属粉反応工程を用いて、水酸化ニッケルをエチレングリコール中に入れ、190℃に加熱してニッケル粉を生成し、エチレングリコールを取り除くことなくスラリー状態のままで一時的に保持しポリオールニッケル粉スラリーとしたのである。そして、このポリオールニッケルスラリー中に存在するニッケル粉の粉粒が凝集した状態にあるため、この凝集状態を一定レベルまで解消することを目的に、粉粒の分散性を高めるための処理として、ポリオールニッケル粉スラリーを流体ミルで処理し、スラリー中の粉粒同士を衝突させ解粒させたのである。そして、この分散処理の終了したポリオールニッケル粉スラリーの固液分離を行いニッケル粉を回収したのである。このときの固液分離には、磁力選鉱法を採用し、ニッケル粉のみを回収したのである。
このニッケル粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は1.51μmであり、変動係数CV値は0.34であり、結晶子径は7.7nmであった。そして、熱膨張係数の測定を行った結果、900℃での収縮率が16.0%であった。なお、熱膨張係数の測定は、実施例1に記載したと同様の方法で行った。
有機コート層の形成: この有機コート層の形成には、脂肪酸であるオレイン酸を用いた。上述の方法で得られたニッケル粉5kgを、ヌッチェに入れ、5gのオレイン酸を加えて分散させた5リットルのメタノール溶液を滴下して、当該ニッケル粉の粉粒表面に有機コート層を形成した。そして、吸引濾過することで、表面処理ニッケル粉と溶液とを濾別し、70℃の温度で5時間の乾燥を行った。即ち、当該表面処理金属粉には、表面に吸着残留した脂肪酸、脂肪酸の金属塩が存在しているのである。
無機酸化物コート層の形成: そして、この表面処理ニッケル粉1kgと無機酸化物である酸化ケイ素粉0.05kgとを、ハイブリタイザーを用いて、回転数6000rpmで、5分間のメカノケミカルな固着処理を行い、無機酸化物コート層を酸化ケイ素で構成した二層コートニッケル粉を製造した。この二層コートニッケル粉の表面に被覆された酸化ケイ素の被覆量は、5質量%であった。この被覆直後の二層コートニッケル粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は0.94μmであり、変動係数CV値は0.25であり、結晶子径は28.2nmであった。
結晶子径の調整: ここでは、特に結晶子径の調整のための加熱処理は行わなかった。仮に、いずれの温度で加熱しても、無機酸化物層を形成する前のニッケル粉のCV値から見て大きく変化しないことが予測されるからである。
耐熱特性の評価: 更に、二層コートニッケル粉を用いて、上述したと同様の方法で熱膨張係数の測定を行った結果、900℃での収縮率は1.2%であり、全てが理想的といわれる5%以内の収縮率に収まっていた。
膜の比抵抗の評価: 膜の比抵抗は、実施例1と同様にして測定した。その結果、本実施例で得られた二層コートニッケル粉を用いた場合には9.2×10−6Ω・cmであり、非常に良好な値が得られた。
更に、本件発明者等は、以上のようにして得られた二層コートニッケル粉を用いて実施例1と同様のテルピネオール系導電ペーストを製造した。このテルピネオール系導電ペーストの粘度を測定すると430Pa・sである。
比較例1
この比較例では、実施例1で用いたと同様の銅粉500gを2リットルの純水に分散させ銅スラリーとし、浴温を60℃とした。ここに、0.4g/l濃度のNaAl(OH)水溶液40mlを1時間かけて攪拌しつつ添加した。この添加中には、20wt%塩酸水溶液を用いて、溶液pHが8となるように維持した。その後、30分間攪拌を続け、濾過、洗浄、乾燥し、表面処理銅粉を得た。
この表面処理銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は1.50μmであり、変動係数CV値は0.52であり、結晶子径は32.0nmであった。そして、熱膨張係数の測定を行った結果、900℃での収縮率が3.2%であった。
更に、膜の比抵抗は、実施例1と同様にして測定した。その結果、本実施例で得られた表面処理銅粉を用いた場合には3.5×10−5Ω・cmであり、上述の実施例とオーダーの異なる値が得られた。
更に、本件発明者等は、以上のようにして得られた表面処理銅粉を用いて実施例1と同様のテルピネオール系導電ペーストを製造した。このテルピネオール系導電ペーストの粘度を測定すると640Pa・sであった。
比較例2
この比較例では、実施例1で用いたと同様の銅粉を用いて、有機コート層を形成することなく、銅粉の粉粒表面へ実施例1の無機酸化物コート層の形成と同様の手順により、無機記酸化物層の形成を行い、無機酸化物コート層のみの無機酸化物コート銅粉を得た。
この無機酸化物コート銅粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は0.98μmであり、変動係数CV値は0.27であり、結晶子径は27.9nmであった。そして、熱膨張係数の測定を行った結果、800℃から収縮が開始し、900℃での収縮率が4.1%であった。
更に、膜の比抵抗は、実施例1と同様にして測定した。その結果、本実施例で得られた表面処理銅粉を用いた場合には6.8×10−6Ω・cmであり、上述の実施例とオーダーの異なる値が得られた。この結果から判断するに、無機酸化物コート層の密着性が悪いため、収縮の開始が多少早くなり、収縮率も大きくなっている。また、膜の比抵抗も極めて大きくなっている。
更に、本件発明者等は、以上のようにして得られた無機酸化物コート銅粉を用いて実施例1と同様のテルピネオール系導電ペーストを製造した。このテルピネオール系導電ペーストの粘度を測定すると1100Pa・sであった。
比較例3
この比較例では、実施例6で用いたと同様の銀粉500gを2リットルの純水に分散させ銀スラリーとし、浴温を60℃とした。ここに、0.4g/l濃度のNaAl(OH)水溶液40mlを1時間かけて攪拌しつつ添加した。この添加中には、20wt%塩酸水溶液を用いて、溶液pHが8となるように維持した。その後、30分間攪拌を続け、濾過、洗浄、乾燥し、表面処理銀粉を得た。
この表面処理銀粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は3.3μmであり、熱膨張係数の測定を行った結果、900℃での収縮率が4.3%であった。
更に、膜の比抵抗は、実施例1と同様にして測定した。その結果、本実施例で得られた表面処理銀粉を用いた場合には4.2×10−5Ω・cmであり、上述の実施例とオーダーの異なる値が得られた。
更に、本件発明者等は、以上のようにして得られた表面処理銀粉を用いて実施例1と同様のテルピネオール系導電ペーストを製造した。このテルピネオール系導電ペーストの粘度を測定すると650Pa・sであった。
比較例4
この比較例では、実施例10で用いたと同様のニッケル粉500gを2リットルの純水に分散させニッケルスラリーとし、浴温を60℃とした。ここに、0.4g/l濃度のNaAl(OH)水溶液40mlを1時間かけて攪拌しつつ添加した。この添加中には、20wt%塩酸水溶液を用いて、溶液pHが8となるように維持した。その後、30分間攪拌を続け、濾過、洗浄、乾燥し、表面処理ニッケル粉を得た。
この表面処理ニッケル粉のレーザー回折散乱式粒度分布測定法の重量累積粒径D50は1.70μmであり、熱膨張係数の測定を行った結果850℃から収縮が開始して900℃での収縮率が2.8%であった。
更に、膜の比抵抗は、実施例1と同様にして測定した。その結果、本実施例で得られた表面処理ニッケル粉を用いた場合には3.5×10−4Ω・cmであり、上述の実施例とオーダーの異なる値が得られた。
更に、本件発明者等は、以上のようにして得られた表面処理ニッケル粉を用いて実施例1と同様のテルピネオール系導電ペーストを製造した。このテルピネオール系導電ペーストの粘度を測定すると700Pa・sであった。
本件発明に係る二層コート金属粉は、湿式製造法で得られた金属粉の長所である均一微細性、優れた分散性を維持したまま、高温加熱を受けたときの耐酸化性及び耐熱収縮性に優れた品質を同時に具備したものである。この二層コート金属粉を用いることで、低温焼成セラミック等の金属粉を含む焼結体の寸法安定性を向上させることが可能であり、製品歩留まりを飛躍的に向上させることが可能となる。また、二層コート金属粉は、芯材に銅粉、銀粉、ニッケル粉を用い、その表層に無機酸化物層を備える構成を持つことで、芯材の金属粉の凝集を進行させることなく、高温加熱が可能であるため芯材の金属粉の結晶子径の調整を行いやすく、上述した独特の製造方法を採用することが可能となるのである。
また、本件発明に係る二層コート金属粉は、芯材である金属粉の粉粒表面に有機コート層を備えているため、その表層に設ける無機酸化物コート層を従来にないほど薄くできるため、電気的導電特性の低下を最小限に止めることが可能である。

Claims (11)

  1. 金属粉の粉粒表面に有機コート層と無機酸化物コート層とを備える二層コート金属粉であって、
    金属粉の粉粒表面に有機剤を用いて形成した有機コート層を備え、
    当該有機コート層の外層に、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛のいずれか一種又は二種以上で構成した無機酸化物コート層を備えたことを特徴とする二層コート金属粉。
  2. 有機コート層は、飽和脂肪酸であるエナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸のいずれか1種又は2種以上を用いて形成したものである請求項1に記載の二層コート金属粉。
  3. 有機コート層は、不飽和脂肪酸であるアクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ウンデシル酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、ブラシジル酸、エルカ酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸のいずれか1種又は2種以上を用いて形成したものである請求項1に記載の二層コート金属粉。
  4. 金属粉は、銅粉、銀粉、ニッケル粉のいずれかである請求項1〜請求項3のいずれかに記載の二層コート金属粉。
  5. レーザー回折散乱式粒度分布測定法による重量累積粒径D50の値が0.1μm〜10μm、無機酸化物層の厚さ(換算質量厚さ)は、無機酸化物コート金属粉重量の0.1質量%〜10質量%である請求項1〜請求項4に記載の二層コート金属粉。
  6. 金属粉の粉粒の持つ結晶子径が50nm以上である請求項1〜請求項5のいずれかに記載の二層コート金属粉。
  7. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の二層コート金属粉の製造方法であって、以下に示すA)有機コート層形成工程とB)無機酸化物コート層形成工程とを備えたことを特徴とする二層コート金属粉の製造方法。
    A)金属粉と脂肪酸を含む溶液とを接触させ、有機コート層を粉粒表面に形成する。
    B)更に、有機コート層を形成した金属粉の粉粒の表面に、無機酸化物コート層を形成する。
  8. 請求項6のいずれかに記載の二層コート金属粉の製造方法であって、以下に示すA)有機コート層形成工程とB)無機酸化物コート層形成工程、C)結晶子径調整工程とを備えたことを特徴とする二層コート金属粉の製造方法。
    A)金属粉として銅粉を用い、当該金属粉と脂肪酸を含む溶液とを接触させ、有機コート層を粉粒表面に形成する。
    B)更に、有機コート層を形成した金属粉の粉粒の表面に、無機酸化物コート層を形成する。
    C)以上のようにして無機酸化物コート層を形成した金属粉を、500℃〜1000℃の還元雰囲気若しくは不活性ガス雰囲気中で熱処理することで金属粉の結晶子径が50nm以上となるように調整する。
  9. 請求項6のいずれかに記載の二層コート金属粉の製造方法であって、以下に示すA)有機コート層形成工程とB)無機酸化物コート層形成工程、C)結晶子径調整工程とを備えたことを特徴とする二層コート金属粉の製造方法。
    A)金属粉として銅粉を用い、当該金属粉と脂肪酸を含む溶液とを接触させ、有機コート層を粉粒表面に形成する。
    B)更に、有機コート層を形成した金属粉の粉粒の表面に、無機酸化物コート層を形成する。
    C)以上のようにして無機酸化物コート層を形成した金属粉を、350℃〜900℃の大気雰囲気、還元雰囲気若しくは不活性ガス雰囲気のいずれかの雰囲気中で熱処理することで金属粉の結晶子径が50nm以上となるように調整する。
  10. 有機コート層形成工程で洗浄に用いる有機溶媒は、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトンのいずれか1種又は2種以上である請求項7〜請求項9のいずれかに記載の二層コート金属粉の製造方法。
  11. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の二層コート金属粉を用いて製造した導電性ペースト。
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