JP2005132534A - クレーン給電装置 - Google Patents

Abstract

【課題】故障発生時に早期復旧が図れるクレーン給電装置を提供する。
【解決手段】巻上モータ１に付帯する巻上インバータ２、起伏モータ３に付帯する起伏インバータ４、旋回モータ５に付帯する旋回インバータ６、及びこれらのインバータ２，４，６の故障時支援用の予備インバータ７と、インバータ２，４，６，７が共用する共通コンバータ８、及びその故障時支援用の予備コンバータ９と、演算ユニット１０及び選択スイッチ１１と、切換スイッチ１２とを備えている。
常用されるインバータ２，４，６が故障した場合に、選択スイッチ１１を操作して演算ユニット１０により予備インバータ７のパラメータ特性を、常用のインバータ２，４，６のうちの故障したものに応じて設定する。
共通コンバータ８が故障した場合には、切換スイッチ１２を操作して予備コンバータ９を常用のインバータ２，４，６に接続する。
【選択図】図１

Description

本発明はクレーン給電装置に関するものである。

資材の揚重作業に用いるクレーンは、巻上機能と吊り位置の移動機能とを有している。

また、巻上モータ及び吊り位置移動（旋回、起伏、横行、走行）モータを、インバータによって可変速制御することが実施されている（例えば、非特許文献１参照）。
インバータ応用マニュアル 三菱電機株式会社 編 発行所 株式会社 電気書院 昭和６１年２月１９日 第１版第２刷発行

しかしながら、巻上モータあるいは吊り位置移動モータに付帯するインバータのいずかに故障が発生すると、長時間にわたって資材の揚重作業が中断されることになる。

本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、故障発生時に早期復旧が図れるクレーン給電装置を提供することを目的としている。

上記目的を達成するため、請求項１に記載の発明は、巻上モータ及び吊り位置移動モータごとにそれぞれ設けた常用インバータと、当該常用インバータとは別に設けた予備インバータと、常用インバータを指定し得る選択スイッチと、当該選択スイッチにより指定された常用インバータに応じた特性のパラメータを予備インバータに設定し得る演算ユニットとを備えている。

請求項２に記載の発明は、常用インバータが共用する共通コンバータと、当該共通コンバータとは別に設けた予備コンバータと、回路中の共通コンバータを予備コンバータに組み替え得る切換スイッチとを備えている。

請求項１に記載の発明では、巻上モータまたは吊り位置移動モータのいずれかに給電を行なう常用インバータが故障した際に選択スイッチを操作して、演算ユニットにより予備インバータのパラメータ特性を、故障した常用インバータに応じて設定する。

更に、請求項２に記載の発明では、共通コンバータが故障したときに、切換スイッチを操作することにより予備コンバータを常用インバータに接続する。

（１）請求項１に記載の発明においては、特定の常用コンバータが故障した際に、その常用インバータに応じたパラメータ特性を予備インバータに設定して、該予備インバータから給電を受けるモータの操作性を巻上あるいは吊り位置移動に適した状態にするので、特定の常用インバータが故障しても資材の揚重作業を短時間のうちに再開できる。

（２）請求項２に記載の発明においては、回路中の共通コンバータを予備コンバータに組み替えるので、共通コンバータが故障しても資材の揚重作業を短時間のうちに再開することができる。

以下、本発明の実施の形態を図示例とともに説明する。

図１乃至図３は本発明のクレーン給電装置の実施の形態の一例を示すものである。、

このクレーン給電装置は、巻上モータ１に付帯する巻上インバータ２と、起伏モータ３に付帯する起伏インバータ４と、旋回モータ５に付帯する旋回インバータ６と、これらのインバータ２，４，６の故障時支援用の予備インバータ７と、各インバータ２，４，６，７が共用する共通コンバータ８と、該共通コンバータ８の故障時支援用の予備コンバータ９と、予備インバータ７に付帯する演算ユニット１０並びに選択スイッチ１１と、前記のコンバータ８，９に付帯する切換スイッチ１２とを備えている。

モータ１，３，５とインバータ２，４，６，７との間には接続盤１３が介在し、通常時は常用のインバータ２，４，６に対応するモータ１，３，５が結線してあり（図１参照）、非常時には、予備インバータ７にモータ１，３，５のうちの任意のものを結線することができるようになっている（図２参照）。

演算ユニット１０には、常用のインバータ２，４，６のパラメータ特性のデータが保持されており、選択スイッチ１１からの指令（インバータ２，４，６の選択指定）によって、巻上、起伏、あるいは旋回に応じたパラメータ特性を予備インバータ７に設定するように構成されている。

切換スイッチ１２は、共通コンバータ８と電源１４及び各インバータ２，４，６の間の接点１５，１６がそれぞれ閉じ且つ予備コンバータ９と電源１４及び予備インバータ７の間の接点１７，１８がそれぞれ開いた通常状態（図１参照）と、前記の接点１５，１６がそれぞれ開き且つ接点１７，１８がそれぞれ閉じた非常状態（図３参照）に択一的に設定することができるようになっている。

通常は、接続盤１３内部において、巻上モータ１、起伏モータ３、旋回モータ５を巻上インバータ２、起伏インバータ４、旋回インバータ６に結線し、また、切換スイッチ１２を通常状態に設定して、電源１４から共通コンバータ８、及び各インバータ２，４，６を介してモータ１，３，５に給電が行なわれるようにしておく（図１参照）。

例えば、巻上インバータ２が故障した場合には、電源１４からの給電を中断したうえ、接続盤１３内部において、巻上モータ１を予備インバータ７に結線する（図２参照）。

更に、選択スイッチ１１を操作して、演算ユニット１０により巻上に応じたパラメータ特性を予備インバータ７に設定する。

これにより、電源１４から共通コンバータ８、予備インバータ７を介して巻上モータ１に給電が行なわれ、資材の揚重作業を短時間で再開できる。

起伏インバータ４もしくは旋回インバータ６が故障した場合には、電源１４からの給電を中断したうえ、接続盤１３内部において、インバータ４，６に関連するモータ３，５を予備インバータ７に結線する。

更に、選択スイッチ１１を操作して、演算ユニット１０によりインバータ４，６に関連のパラメータ特性（起伏もしくは旋回）を予備インバータ７に設定する。

これにより、電源１４から共通コンバータ８、予備インバータ７を介して起伏モータ３もしくは旋回モータ５に給電が行なわれ、資材の揚重作業を短時間のうちに再開できる。

共通コンバータ８が故障した場合には、切換スイッチ１２を非常状態に設定することによって、電源１４から予備コンバータ９、及び各インバータ２，４，６を介してモータ１，３，５に給電を行なうようにすれば、資材の揚重作業を短時間で再開できる（図３参照）。

これに加えて、インバータ２，４，６のいずれかと共通コンバータ８とが故障した場合には、先述したような手順により、インバータ２，４，６のうちの故障したものの代わりに予備インバータ７を使用するとともに、共通コンバータ８の代わりに予備コンバータ９を使用すれば、資材の揚重作業を短時間で再開できる。

なお、本発明のクレーン給電装置は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において変更を加え得ることは勿論である。

本発明のクレーン給電装置は、タワークレーンをはじめとして天井クレーンなど様々な機種に適用することができる。

本発明のクレーン給電装置の実施の形態の一例において通常運転状態を示す概念図である。 図１のクレーン給電装置において巻上インバータに代えて予備インバータを使用している状態を示す概念図である。 図１のクレーン給電装置において共通コンバータに代えて予備コンバータを使用している状態を示す概念図である。

符号の説明

１ 巻上モータ
２ 巻上インバータ（常用インバータ）
３ 起伏モータ（位置移動モータ）
４ 起伏インバータ（常用インバータ）
５ 旋回モータ（位置移動モータ）
６ 旋回インバータ（常用インバータ）
７ 予備インバータ
８ 共通コンバータ
９ 予備コンバータ
１０ 演算ユニット
１１ 選択スイッチ
１２ 切換スイッチ

Claims (2)

1. 巻上モータ及び吊り位置移動モータごとにそれぞれ設けた常用インバータと、当該常用インバータとは別に設けた予備インバータと、常用インバータを指定し得る選択スイッチと、当該選択スイッチにより指定された常用インバータに応じた特性のパラメータを予備インバータに設定し得る演算ユニットとを備えてなることを特徴とするクレーン給電装置。
2. 常用インバータが共用する共通コンバータと、当該共通コンバータとは別に設けた予備コンバータと、回路中の共通コンバータを予備コンバータに組み替え得る切換スイッチとを備えた請求項１に記載のクレーン給電装置。

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