JP2005131392A - やすり、とりわけ爪用やすり - Google Patents

Abstract

【課題】爪用やすりは、その使用形態に応じて祖面を有する種々の金属、その合金、紙あるいは織物からなっているが、風呂場等湿気の多い場所で用いられるため、その表面及び研磨部が腐食し、研磨効率が低下することがある。このため種々の非腐食性材料を使用した技術が開示されているが、実地において複雑であるとともにコスト等の欠点をふくんでいる。これらの欠点を除去した爪やすりを提供する。
【解決手段】やすりは、少なくともその一面に表面粗さ１０〜１００μｍの粗面を有する本体１からなっている。本体１は平坦で、圧縮または硬化されたガラスからなっている。やすりは種々の幾何学形状または断面を有している。
【選択図】 図１

Description

本発明はガラス製のやすり、とりわけ爪用やすりに関する。

爪用やすりは、種々の化粧用具の主要構成部となっている。このような爪用やすりは、その使用形態に応じて、現在では粗面を有する種々の金属、その合金、紙あるいは織物からなっている。このような目的に使用されるやすりは、しばしば風呂場等で身体を洗う時等、湿気の多い場所で用いられる。

このため爪用やすりおよびその材料も湿気を帯び、一方ではその表面が腐食したり、他方では腐食および湿気によってやすりの研磨部も腐食し、研磨効率が低下することがある。

やすりの製造にあたって、しばしば非腐食性材料が使用されるが、この場合は製造コスト増加につながるという問題がある。研磨部が機械的に形成される金属やすりの欠点としては、やすりの平滑性に限度があるという問題がある。また機械的に研磨部を形成する場合は、研磨面の平滑さの程度が限られてしまう。同様に段階的に細かな表面粗さをもった一連のやすりを作製することもむずかしい。やすりの使用にあたって側縁を粗くしておいて機能させることは都合が良い。しかしながら、金属やすりは平坦状でかつ薄いため、このような側縁を用いて爪をとぐことは実用的でない。

ＵＳ−Ａ−３，８６６，６１８は、穴が設けられ弾力性のあるプラスチック層上に搭載されたエメリー紙または生地のサンドイッチ構造からなる爪やすりが開示されている。サンドイッチ構造の中間は剛性をもたらす粘着層である。粘着層は硬化剤を含むように記載されており、硬化剤はガラス粉末を含んでもよい。ＵＳ−Ａ−５，１１９，８３９は人間の爪にシーリング剤を供給する塗布具に関する。シーリング剤は多層細長状板の上方層に含まれる。ＵＳ−Ａ−３，６４８，３１８はブラシを開示しており、その毛はガラス繊維からなるようにしてもよい。またブラシはその後方にペン、くし、爪やすりを保持する収容部を有するようにしてもよく、これにより、コンパクトな身づくろいセットを構成するようになる。

１９４５年４月１５日に発行された文献ＣＨ２３７２７７は、“みがき用やすり”として言及されたやすりを開示している。やすりは、一組の平行な歯を研削砥石により切り込まれたストリップ状のガラスからなる。歯は全長に沿って連続し、ストリップの一端から他端まで延在している。このような構成は、商業的展開を阻害するであろういくつかの重大な欠陥を有している。まず第１に、一端から他端まで延びる引き延ばされた形状により弱くなり、ガラスにおいては加工ラインに沿って破損しやすくなるであろう。第２の不都合は、やすりが１つづつ製造され、高価になるとともに多大な時間を要することである。さらに、このようなやすりは指の爪の上面をみがく場合のみに有用であろう。爪の端部を削り取る試みは困難であろう。なぜなら、指の爪は歯間の溝に入り込みやすく、削られるというよりはむしろ案内されやすいからである。

文献ＣＡ−Ａ−２，１４２，９４９から、繊維ガラス材のストリップの上表面上にダイヤモンド粒子を電気メッキすることにより爪やすりを製造することが知られている。開示されたダイヤモンド粒子は３０から１２００メッシュの範囲で、この範囲は直径５９５ミクロンから１５ミクロンに相当する。この文献の図４に示されているように粒子が略５０％の深さまで埋め込まれると想定すると、頂点から谷底までの寸法は２９７．５ミクロンから７．５ミクロンの範囲となるだろう。頂点から谷底までの平均寸法は実地において粗面計で測定され、ＤＩＮ４７６８およびＤＩＮ−ＥＮ−ＩＳＯ４２８７に従ってパラメータＲｚで与えられる。文献ＵＳ−Ａ−２，６９９，７９１において、粉状のガラスが指爪板上の研磨材として用いられている。この場合、典型的には基層はレモン木材（lemon wood）からなる。文献ＤＥ−Ｕ−１８２８８１３においては、ダイヤモンド粉末が研磨材料であって、鋼製基層上に被覆された材料に埋め込まれている。鋼製基層は同様にＤＥ−Ｕ−１９７１１５２においても用いられている。ＤＥ−Ｕ−１９７１１５２は指の爪用の案内溝および研磨効果を得るための硬い粉末を開示している。文献ＵＳ−Ａ−４，４２２，４６５においては、ステンレス鋼プレートの表面に任意のパターンのくぼみをエッチングして形成することにより、研磨効果が得られている。これは、感光性樹脂を用いた写真用マスキングと、その後のエッチングとにより達成される。マスキングおよびエッチング技術は、感光性樹脂下における削り込み作用に起因して凹部状のくぼみを生じさせる。くぼみは１０から８０ミクロンの深さにエッチングされ、これは、ＤＩＮ−ＥＮ−ＩＳＯ４２８７およびＤＩＮ４７６８に従って粗面計を用いて測定された場合の粗さ測定値Ｒｚにおいて同様に１０から８０ミクロンの範囲に相当するだろう。この文献および上述したＣＡ−Ａ−２，１４２，９４９に示された構成において、研磨面は爪やすりの一部を覆うだけで、把持部がそのままに残されることが予想される。

これらのすべての先行技術は実地において複雑であるとともに、上述したように他の欠点を含んでいる。異なる技術として、エッチングされあるいはやすりがけされたストリップ状のガラスを、かみそり刃を研ぐためのホーニング面としてボックスの底面に用いることが、ＵＳ−Ａ−５，０３６，７３１から公知である。しかしながら、十分に平滑なガラスが好ましいと記載されている。

上記の欠点は本発明によるやすりによって除去することができる。本発明はガラスからなるやすりであって、その少なくとも一部の表面に、１０−１００μｍの範囲内で一様でない表面粗さの粗面を有している。

このようなやすりの利点としては、使用される環境に対して完全な抵抗力を示すことである。このような非腐食特性によって、研磨面は流水によって清浄に保たれるという利点がある。

また表面粗さの程度は、最も平滑な仕上げの１０μｍから最も粗い１００μｍまで変化させることができることは重要な点である。

やすりのガラス本体が細長状をなし、少なくともその一端に鋭端部を設けるようにしてもよい。このようなガラス本体の形状によってその鋭端部による使用の利便性があり、また手の洗浄時の実用価値が増加している。

本発明の他の特徴として、やすりのガラス本体に少なくとも一側全域に沿って粗面が形成されるようにし、先端部をＶ字状とすることができる。このようなやすりの利点はやすりの使用時および製造時に現れる。例えばガラス本体全面に研削を施す場合、例えば酸性食刻を使用する際の研削加工中に表面を覆うためのマスクを設ける必要はない。またＶ字状に形成した場合、その対象形状のために左右の両手でやすりを使用する場合に便利である。

更なる特徴としては、やすり本体は少なくとも一側全域に沿って粗面が形成されてもよく、また少なくともその一端部が鋭角状となるよう研削されてもよい。やすりの本体の一端に細長状の端縁を設けることにより、爪用やすりの機能的可能性が上昇する。

更にやすりの本体の両端縁に傾斜をつけ、この傾斜した端縁が側縁に対して鋭角をなすようにしてもよい。このようにしてやすりの使用範囲を増加させることができる。

少なくとも一つの端縁およびやすりの本体の一つの端部に粗面を形成し、これによってやすりの使用範囲を増加させてもよい。

やすりの本体の端縁を曲面状に仕上げてもよく、これによって手の洗浄の特別な場合における使用範囲を増加させることができる。

やすりを製造する観点では、やすりの本体を平坦状ガラスまたは圧縮ガラスから作製することができる。

すべての形状のやすりは、硬化されたガラスからなるガラス本体を有していてもよい。そのような処理されたガラス本体は安定性を増加させ、とりわけ、落下した場合等にガラス本体全体が破損した場合の安全性を増加させる。ガラスからなるやすりを硬化することは、処理されたガラスの公知の特性をやすりにもたらす。

本発明は以下の添付図面により、より良く説明される。

図１に示すやすりは、細長板状のガラス本体１からなり、このガラス本体１はその表面２に粗面４を有している。この粗面４は種々の方法によって得ることができ、この方法は粗さの程度で選択される。最も平滑な、例えば表面粗さ約１０μｍの仕上面を得るためには、例えばフッ化水素溶液を用いた酸性食刻等の化学的手法を取ることができる。例えば表面粗さが約１００μｍの粗い仕上面を得るためには、例えばやすりがけ等により機械的に作製することができる。

図２は図１に示すやすりのガラス本体１の断面を示すものであり、ガラス本体１は一方の面全域に粗面４を有している。

図３および図４は、細長板状やすりのガラス本体の変形例を示している。

ここではやすりのガラス本体１の断面形状が示されており、ガラス本体１の一方の面に粗面４が形成され、やすりのガラス本体１は曲面状の端縁３を有している。一方、図４に示すやすりのガラス本体１は、その端縁３が鋭角状に傾斜して仕上げられ、やすりのガラス本体１は両面２に粗面４を有している。

ガラス本体を有するやすりは、爪用やすりとして使用される観点から説明されてきた。しかしながら、本実施の形態は、ガラス本体を有するやすりによって得られる広範囲の表面粗さに関する他の分野での利用を排除するものではない。

粗さの程度が低い、すなわち細かなやすりは研磨用に用いることができ、一方粗いやすりは研削用に用いることができる。

やすりのガラス本体を示す斜視図。 一面に粗面を有するやすりのガラス本体を示す断面図。 一面に粗面を有し、一端に曲面状端縁を有するやすりのガラス本体を示す断面図。 両端に傾斜する端縁を有するやすりのガラス本体を示す断面図。

Claims (10)

1. やすり、とりわけ爪用やすりにおいて、
   表面（２）を有するやすりの本体（１）を備え、
   この本体（１）は単一の一体成形されたガラスからなり、表面の少なくとも一部に研磨面が形成され、この研磨面の表面粗さは１０〜１００μｍの範囲内で一様でないことを特徴とするやすり。
2. やすりの本体（１）は細長板状をなし、少なくともその一端に鋭端部（５）を有することを特徴とする請求項１記載のやすり。
3. やすりの本体には、少なくとも一側全体に沿って粗面が形成され、鋭端部（５）はＶ字状となっていることを特徴とする請求項１または２のいずれか記載のやすり。
4. やすりの本体には、少なくとも一側全体に沿って粗面が形成され、その端縁（３）が鋭角状に傾斜して仕上げられていることを特徴とする請求項１または２のいずれか記載のやすり。
5. やすりの本体（１）の両端縁（３）または少なくとも一端縁（３）は傾斜し、この傾斜した端縁（３）は側端に対して鋭角をなして先端部を形成することを特徴とする請求項４記載のやすり。
6. 少なくとも一つの端縁（３）およびやすりの本体（１）の一つの端部に粗面が形成されていることを特徴とする請求項４記載のやすり。
7. 端縁（３）は曲面状をなしていることを特徴とする請求項４記載のやすり。
8. やすりの本体（１）は、平坦状ガラスからなることを特徴とする請求項１乃至７のいずれか記載のやすり。
9. やすりの本体（１）は、圧縮ガラスからなることを特徴とする請求項１乃至７のいずれか記載のやすり。
10. やすりの本体（１）は、硬化されたガラスであることを特徴とする請求項１乃至１０のいずれか記載のやすり。

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