JP2005131226A - パチンコ遊技機 - Google Patents

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Masahiro Takeuchi
正博 竹内
Yoshio Wakana
芳生 若菜
Makoto Tayui
誠 田結
Hidekatsu Takeuchi
英勝 竹内
Seiichi Yanagawa
誠市 梁川
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Abstract

【課題】 遊技者に付与すべき特典の通知に至る一連の演出を保留球の消化数に応じて進展させるセット遊技を行うパチンコ遊技機において、セット遊技における演出の進展の興趣を向上させる。
【解決手段】 保留球の数が一定数に達すると、主制御基板31のCPUは、まず、図柄制御基板37に、保留球数の非表示を指令する(S400)。そして、乱数発生処理から乱数r9を取得して、セット遊技にて消化する保留球の数(セット数S)を設定し、その分の乱数r1(保留球に相当)を取得する(S410及びS420)。ここで、取得した乱数r1の中に「大当たり」に該当するものがあるか否かを確認し、その抽選結果とセット数Sに応じた一連の変動パターンを図柄制御基板37のCPUに表示させるなどしたのち、図柄制御基板37のCPUに残りの保留球を表示させる(S430〜S490)。
【選択図】 図7

Description

本発明は、遊技者に付与すべき特典の通知に至る一連の演出を保留球の消化数に応じて進展させるセット遊技を行うパチンコ遊技機に関する。
従来より、第1種パチンコ遊技機(通称、セブン機)は、一般的に、遊技球が入賞する毎に図柄を変動表示させ、大当たりか否かの抽選結果を遊技者に通知すると共に、大当たりの発生に対する期待感を遊技者に抱かせるために、図柄の変動表示中にスーパーリーチなどの演出を表示するように設定されている。
しかしながら、このような演出が表示されている間では、遊技球が入賞しても保留球として保留されるだけであり、変動表示中の抽選結果に何も関係がないため、遊技者は遊技球の入賞よりも演出を楽しむために遊技球の投入を一時中止することが多く、パチンコ遊技機の稼働率が低下してしまうという問題点があった。又、このような演出は、通常、抽選結果の通知に至るまでに多くの時間を費やすように設定されている一方で、大当たりに結びつかないこともあり、これに起因して、以後の遊技で遊技者の期待感を損ねてしまうという問題点もあった。
そこで、本出願人は、これらの問題点を解決するために、抽選結果の通知に至る一連の演出を保留球の消化数に応じて進展させるセット遊技を行うパチンコ遊技機を提案している(特許文献1参照。)。このパチンコ遊技機では、セット遊技を行うと、抽選結果の通知に至るまでの演出を保留球を消化することで進展させると共に、多くの保留球を消化するほど(つまり、演出を進展させるほど)、高い確率で大当たりを発生するように設定されている。つまり、これにより、抽選結果に至るまでの時間の長さと遊技者の期待感の大きさとを両立させることができると共に、パチンコ遊技機の稼働率の向上を実現可能にしている。
特開2001−293178号公報(段落[0030]〜[0072]、図6〜図8)
しかしながら、本出願人により提案されたパチンコ遊技機では、演出の進展に用いる保留球の数を表示していたため、保留球の数から演出の進展を予測することが容易であり、これに起因して演出の進展の興趣を損ねるという問題点があった。
そこで、本発明は、上記問題点を解決するために、遊技者に付与すべき特典の通知に至る一連の演出を保留球の消化数に応じて進展させるセット遊技を行うパチンコ遊技機において、セット遊技における演出の進展の興趣を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、遊技者に付与すべき特典の通知に至る一連の演出を保留球の消化数に応じて進展させるセット遊技を行うセット遊技実行手段を備えたパチンコ遊技機であって、保留球の数を非表示にしていることを特徴とする。
このように構成されたパチンコ遊技機では、遊技者が保留球の数を把握することが困難であるため、セット遊技の際にどこまで演出が進展するのかを予測することも困難となる。これにより、遊技者にとって有利な特典の通知に至るまで演出が順調に進展するのか否かといった期待感を遊技者に与えることができるため、セット遊技における演出の進展の興趣を向上させることができる。
尚、「遊技者に付与すべき特典」としては、例えば、通常の「大当たり(通常当たり)」や「はずれ」の他、次回の大当たりの発生率を通常よりも大きく設定する「確率変動当たり」や、抽選結果の通知時間を通常よりも短く設定する「時間短縮当たり」、これら大当たりよりも遊技者に提供する賞球の数を少なく設定した「中当たり」や「小当たり」などが該当する(以下同様)。
次に、請求項1記載の発明と同様、上記目的を達成するためになされた請求項2記載の発明は、遊技者に付与すべき特典の通知に至る一連の演出を保留球の消化数に応じて進展させるセット遊技を行うセット遊技実行手段を備えたパチンコ遊技機であって、保留球の数を表示する保留球数表示手段と、セット遊技実行手段の作動時に、保留球数表示手段による表示を非表示に設定する非表示手段とを備えることを特徴とする。
このパチンコ遊技機では、保留球数表示手段が、保留球の数を表示する一方で、セット遊技実行手段の作動時に、非表示手段が、保留球数表示手段による表示を非表示に設定する。
つまり、このパチンコ遊技機では、セット遊技が実行されるまでは、保留球の数が表示され、セット遊技が実行されている間は、保留球の数が非表示に設定される。
即ち、このパチンコ遊技機によれば、セット遊技が実行されるまでは、獲得した遊技球の数を把握できることに起因して、セット遊技における演出が少しでも多く進展するように保留球を獲得していく楽しみを遊技者に与えることができる。一方、セット遊技が実行されている間は、消化される保留球の数を把握することが困難なことに起因して、獲得した保留球が順調に消化され、演出が順調に進展していくのか否かといった期待感を遊技者に与えることができる。従って、本発明により、セット遊技における演出の進展の興趣を向上させることができる。
尚、非表示手段は、例えば、保留球数表示手段による表示を消去したり、隠したり、又は、保留球表示手段の作動を禁止することによって、保留球数表示手段による表示を非表示に設定すれば良い。
ところで、上述したパチンコ遊技機はいずれも、請求項3記載のように、保留球の数が予め指定された数に達した場合においてのみ、セット遊技実行手段の作動を許可する作動許可手段を備えると良い。
即ち、保留球の数を非表示にしている場合には(請求項1記載のパチンコ遊技機)、保留球の数を把握することが困難なことと合わせて、いつセット遊技が開始されるのかを把握することが困難となるため、セット遊技の開始に対する期待感を遊技者に与えることができる。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
まず、図1は、本発明に係るパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」ともいう。)1の外観を示す平面図である。
図1に示すように、パチンコ機1は、当該パチンコ機1の筐体である外枠3と、この外枠3に開閉自在に取り付けられた内枠5とを備える。
そして、内枠5には、遊技者に遊技を提供する遊技盤7と、遊技者が遊技盤7上への遊技球の発射操作を行うためのハンドル9と、遊技盤7における遊技の結果として当該パチンコ機1から賞品として払い出される遊技球(賞球)を貯留する上受け皿11と、上受け皿11が遊技球を貯留しきれなくなるなどして、上受け皿11から排出される遊技球を受ける下受け皿13とが設けられている。
又、遊技盤7上には、LCD(Liquid Crystal Display)からなり、1〜9の数字やキャラクタ(本実施形態では、狼男、フランケン、ドラキュラ、魔女、ミイラ男)を要素とした3つの特別図柄を図中横方向に並べて表示したり、遊技に関わる各種画像を表示するディスプレイ15と、特別図柄の変動表示を開始させるために遊技者が遊技球を投入する始動入賞装置19と、大当たり遊技の際に、遊技者が遊技球を投入する可動入賞装置21とが設けられている。尚、始動入賞装置19は、所謂、チューリップ式からなり、図中左右方向に開閉動作する1対の可動片191を備える。又、可動入賞装置21は、図中手前方向に傾倒動作して当該可動入賞装置21の入賞口を開放する開閉板211を備える。
更に、遊技盤7上には、7セグメントLEDからなり、1桁の数字(本実施形態では0〜9)からなる普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置23と、普通図柄の変動表示が保留されていることを遊技者に示す4つの普通図柄保留ランプ25と、遊技球の通過を検出する1対の始動ゲート27とが設けられている。
次に、図2は、パチンコ機1における制御系統の構成ブロック図である。
図2に示すように、パチンコ機1には、CPUやROM、RAMなどを搭載してなり、当該パチンコ機1における遊技を統括する主制御基板31が具備され、この主制御基板31に、CPUやROM、RAMなどを搭載してなる各種制御基板や、各種装置を接続して当該パチンコ機1の制御系統が構築されている。
即ち、主制御基板31には、まず、遊技球が始動ゲート27を通過したことを検出するゲートセンサ271と、始動入賞装置19の始動口に遊技球が投入されたことを検出する始動口センサ193と、始動入賞装置19の可動片191を駆動するソレノイド195とが接続されている。
又、主制御基板31には、可動入賞装置21の入賞口における特定領域に遊技球が投入されたことを検出する特定領域センサ213と、可動入賞装置21の入賞口における特定領域とは別の一般領域に遊技球が投入されたことを検出するカウントセンサ215と、可動入賞装置21の開閉板211を駆動するソレノイド217とが接続されている。
又、主制御基板31には、上受け皿11への賞球の払出を行う払出装置35を制御する賞球制御基板33と、パチンコ機1に設置されたスピーカ41を介して声や効果音、音楽などを出力する音声制御基板39と、普通図柄保留ランプ25を点灯させるランプ制御基板43とが接続されている。
更に、主制御基板31には、ディスプレイ15に特別図柄や遊技に関わる各種画像を表示したり、普通図柄表示装置23に普通図柄を表示する図柄制御基板37が接続されている。
そして、この制御系統では、主制御基板31のCPUが、遊技に連動して遊技者に付与すべき特典を抽選し、抽選結果に応じたコマンドを上述の各種制御基板や各種装置に送信する一方、これら各種制御基板や各種装置が、このコマンドに従って動作し、普通図柄や特別図柄を変動表示して抽選結果の通知を行ったり、抽選結果に応じた遊技を実行する。
尚、ランプ制御基板43は、遊技に連動して、内枠5に敷設された他のLEDランプ(図示せず)などを点灯して光による演出を行うようにも設定されているが、これは後述のセット遊技における保留球の消化数を示すものではない。
又、音声制御基板39も、遊技に連動して、音楽を出力し、音楽による演出を行うように設定されているが、これも後述のセット遊技における保留球の消化数を示すものではない。
以下、主制御基板31のCPUが行う処理について詳述する。但し、普通図柄の変動表示やこれに伴う遊技(つまり、始動入賞装置19の始動口の開放)に関わる処理については、周知のパチンコ遊技機と同様であるため、ここでは説明を省略する。
まず、主制御基板31のCPUは、一定の周期にて数値が循環するように9種類の乱数r1〜r9を発生する乱数発生処理を常時実行し、この乱数r1〜r9を用いて、遊技者に付与すべき特典(「大当たり」や「はずれ」)の抽選や特別図柄の変動表示などに関わる処理を実行する。尚、本実施形態では、乱数r1は、0〜1574の数値からなり、各数値がそれぞれ、「大当たり」や「はずれ」に対応づけられている。又、乱数r2〜r4はそれぞれ、0〜13の数値からなり、各数値がそれぞれ各特別図柄に対応づけられている。又、乱数r5,r6はそれぞれ、0〜11及び0〜62の数値からなり、各数値がそれぞれ、リーチを発生するか否かの判定結果や、リーチを示す特別図柄の組み合わせに対応づけられている。又、乱数r7は、0〜13の数値からなり、各数値がそれぞれ、大当たりを示す特別図柄の組み合わせに対応づけられている。又、乱数r8は、0〜51の数値からなり、各数値がそれぞれ、特別図柄の変動パターンに対応づけられている。又、乱数r9は、0〜3の数値からなり、各数値がそれぞれ、後述するセット遊技における保留球のセット数に対応づけられている。
そして、主制御基板31のCPUは、始動口センサ193から遊技球の検出信号を受信する度に、乱数発生処理から乱数r1を取得し、これを主制御基板31のRAMに確保された入賞記憶領域に順次格納する(本実施形態では7つまでを格納)。又、この際、主制御基板31のCPUは、入賞記憶領域における乱数r1の格納数を図柄制御基板37に通知して、図柄制御基板37が保留球としてディスプレイ15に表示している乱数r1の格納数(図17の矢印Aを参照)を更新させると共に、賞球制御基板33に賞球の払い出しを指令する。
ここで、図3は、主制御基板31のCPUが実行する遊技処理の流れを示すフローチャートである。尚、主制御基板31のCPUは、この遊技処理をほぼ一定の周期毎に繰り返し実行する。
図3に示すように、本処理が起動されると、主制御基板31のCPUは、まず、入賞記憶領域に乱数r1が格納されているか否かを確認する(S10)。ここで、乱数r1が一切格納されていない場合には、本処理を直ちに終了する。
一方、乱数r1が格納されている場合には、乱数r1の格納数が予め設定された規定個(本実施形態では4つ)以上であるか否かを確認する(S20)。ここで、乱数r1の格納数が4つ未満である場合には、後述の通常遊技処理に移行し(S30)、又、乱数r1の格納数が4つ以上である場合には、後述のセット遊技処理に移行する(S40)。そして、これら通常遊技処理やセット遊技処理の終了と共に、本処理を終了する。
次に、図4は、通常遊技処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、本処理が起動されると、主制御基板31のCPUは、まず、入賞記憶領域に格納した順序に従って、入賞記憶領域に格納されている乱数r1のうちの1つを入賞記憶領域から取得したのち(S100)、入賞記憶領域における乱数r1の格納数(取得前の格納数から1つだけ減算した数)を図柄制御基板37に通知する(S110)。
そして、現在の遊技の態様を確認したのち(S120)、取得した乱数r1が「大当たり」に該当するか否かを確認する(S130)。尚、主制御基板31のRAMには、通常よりも大当たりの発生率が高い遊技状態(確率変動状態)が発生しているか否かを示す確変フラグFを設定するための態様記憶領域が確保されており、主制御基板31のCPUは、S120にて、確変フラグFの状態を確認することで現在の遊技の態様を確認する(初期設定では、確変フラグF=0)。そして、確率変動状態が発生している場合には(確変フラグF=1)、S130にて、乱数r1が通常よりも高い確率で「大当たり」に該当するように乱数r1と遊技者に付与すべき特典とをそれぞれ割り当てた参照テーブルを用いて、取得した乱数r1が「大当たり」に該当しているか否かを確認する。一方、確率変動状態が発生していない場合には(確変フラグF=0)、乱数r1が通常の確率で「大当たり」に該当するように乱数r1と遊技者に付与すべき特典とをそれぞれ割り当てた参照テーブルを用いて、取得した乱数r1が「大当たり」に該当しているか否かを確認する。
ここで、S130にて、取得した乱数r1が「大当たり」に該当していない場合(つまり、「はずれ」に該当する場合)には、後述のはずれ図柄表示処理に移行したのち(S140)、このはずれ図柄表示処理の終了と共に、本処理を終了する。
一方、S130にて、取得した乱数r1が「大当たり」に該当する場合には、後述の大当たり図柄表示処理に移行したのち(S150)、予め設定された大当たり遊技処理を実行する(S160)。尚、この大当たり遊技処理では、主制御基板31のCPUは、入賞期間(ラウンド)と非入賞期間(インターバル)とを予め設定された回数だけ交互に繰り返す周知の大当たり遊技を実行するように、上述の各種制御基板や各種装置に各種コマンドを送信する。
そして、大当たり遊技処理が終了すると、主制御基板31のCPUは、遊技の態様を設定し(S170)、本処理を終了する。尚、S170では、主制御基板31のCPUは、S130における抽選結果が「確率変動当たり(以下、単に「確変当たり」という。)であった場合に、主制御基板31のRAMの態様記憶領域に確変フラグF=1を設定する。一方、S130における抽選結果が「通常当たり」であった場合に、態様記憶領域に確変フラグF=0を設定する。
ここで、図5は、上述のはずれ図柄表示処理の流れを示すフローチャートである。
図5に示すように、本処理が起動されると、主制御基板31のCPUは、まず、乱数発生処理から乱数r5を取得し(S200)、取得した乱数r5がリーチの発生に該当するか否かを確認する(S210)。ここで、リーチの発生に該当しない場合には、図柄制御基板37に停止表示させる特別図柄がそれぞれ一致しないように、乱数発生処理から一定の間隔(本実施形態では4ms)をおいて乱数r2〜r4をそれぞれ取得し(S220)、これら乱数r2〜r4をリーチの非発生を示す非発生信号と共に図柄制御基板37に送信する(S230)。尚、この際、図柄制御基板37のCPUは、受信した乱数r2〜r4に対応する特別図柄をそれぞれ図柄制御基板37のROMから取得し、図柄制御基板37のRAMに確保された図柄バッファ領域に格納する。
一方、S210にて、乱数r5がリーチの発生に該当する場合には、主制御基板31のCPUは、乱数発生処理から乱数r6を取得し(S240)、この乱数r6をリーチの発生を示すリーチ信号と共に図柄制御基板37に送信する(S250)。尚、この際、図柄制御基板37のCPUは、受信した乱数r6に対応する特別図柄の組み合わせ(つまり、リーチを示す特別図柄の組み合わせ)を図柄制御基板37のROMから取得し、図柄制御基板37のRAMの図柄バッファ領域に格納する。
そして、乱数r2〜r4もしくは乱数r6の送信を終了すると、主制御基板31のCPUは、乱数発生処理から乱数r8を取得し(S260)、この乱数r8を図柄制御基板37に送信して(S270)、本処理を終了する。尚、この際、図柄制御基板37のCPUは、受信した乱数r8及び非発生信号やリーチ信号に基づいて、対応する特別図柄の変動パターン(図8(a),(b)を参照)を図柄制御基板37のROMに設定された種々の変動パターン群から取得し、取得した変動パターンと図柄バッファ領域の特別図柄の組み合わせとに基づいて、特別図柄を変動表示する。
ここで、図6は、上述の大当たり図柄表示処理の流れを示すフローチャートである。
図6に示すように、本処理が起動されると、主制御基板31のCPUは、まず、乱数発生処理から乱数r7を取得すると共に(S300)、通常遊技処理のS100にて取得した乱数r1が「確変当たり」に該当するか否かを確認する(S310)。ここで、「確変当たり」に該当しない場合(つまり「通常当たり」に該当する場合)には、取得した乱数r7を「通常当たり」の発生を示す通常当たり信号と共に図柄制御基板37に送信する(S320)。尚、この際、図柄制御基板37のCPUは、受信した乱数r7と通常当たり信号に基づいて、対応する特別図柄の組み合わせ(つまり、「通常当たり」を示す特別図柄の組み合わせ)を図柄制御基板37のROMから取得し、図柄制御基板37のRAMに確保された図柄バッファ領域に格納する。
一方、S310にて、「確変当たり」に該当する場合には、取得した乱数r7を「確変当たり」の発生を示す確変当たり信号と共に図柄制御基板37に送信する(S330)。尚、この際、図柄制御基板37のCPUは、受信した乱数r7と確変当たり信号に基づいて、対応する特別図柄の組み合わせ(つまり、「確変当たり」を示す特別図柄の組み合わせ)を図柄制御基板37のROMから取得し、図柄制御基板37のRAMに確保された図柄バッファ領域に格納する。
そして、乱数r7の送信を終了すると、主制御基板31のCPUは、はずれ図柄表示処理のS260,S270と同様に、乱数発生処理から乱数r8を取得し(S340)、この乱数r8を図柄制御基板37に送信して(S350)、本処理を終了する。尚、この際、図柄制御基板37のCPUは、受信した乱数r8及び通常当たり信号や確変当たり信号に基づいて、対応する特別図柄の変動パターン(図9(a),(b)を参照)を図柄制御基板37のROMに設定された種々の変動パターン群から取得し、取得した変動パターンと図柄バッファ領域の特別図柄の組み合わせとに基づいて、特別図柄を変動表示する。
そして、図7は、上述のセット遊技処理の流れを示すフローチャートである。
図7に示すように、本処理が起動されると、主制御基板31のCPUは、まず、図柄制御基板37に、保留球数の非表示を指令する(S400)。尚、この際、図柄制御基板37は、遊技者に付与すべき特典の通知に至る演出として、セット遊技に関わる画像をディスプレイ15に表示すると共に、保留球数を覆うように、保留球数の表示部位に特別図柄を表示し、保留球の数を非表示に設定する(図17参照)。
そして、乱数発生処理から乱数r9を取得したのち(S410)、乱数r9の数値に応じた数の乱数r1を主制御基板31のRAMにおける入賞記憶領域から取得する(S420)。これにより、セット遊技にて消化する保留球の数(セット数S)が設定される。例えば、乱数r9=0ならセット数S=1、乱数r9=1ならセット数S=2という具合に、乱数r9を使って、1〜4までの範囲で、セット数Sを決定している。尚、セット数S=1というのは、単数であるが、この単数という構成を加えることで、即ち、「1乃至複数の保留球を消化して、遊技者に付与すべき特典を抽選し、該抽選結果の通知に至るまでに、遊技者に保留球の消化状況を認識できる態様で、保留球の消化数に応じた一連の演出を遊技者に提供するセット遊技を行うセット遊技実行手段」という技術思想を本実施形態のパチンコ機1に採用することで、セット遊技では複数の保留球が消化されると思い込んでいる遊技者に驚きを与えることができるため、その分、セット遊技に意外性を与えることができ、ひいては、セット遊技の興趣を向上させることができる。
乱数r1の取得を終了すると、主制御基板31のCPUは、通常遊技処理のS120と同様に、現在の遊技の状態を確認し(S430)、取得した乱数r1のなかに「大当たり」に該当するものがあるか否かを確認する(S440)。
ここで、「大当たり」に該当するものが一切ない場合には、上述のはずれ図柄表示処理に移行したのち(S450)、後述のS490を経て、本処理を終了する。
但し、このはずれ図柄表示処理の際、図柄制御基板37のCPUは、図柄制御基板37のROMに設定された種々の変動パターン群からセット遊技に対応するはずれ変動パターンやリーチ変動パターン(図10〜図12を参照)を取得し、取得した変動パターンと図柄バッファ領域の特別図柄の組み合わせとに基づいて、特別図柄を変動表示する。尚、セット遊技に対応する変動パターンはそれぞれ、セット数S(つまり、消化する保留球の数)に応じて、特別図柄の停止表示(つまり、抽選結果の通知)に至る一連の演出が進展するように設定されている。
一方、S440にて、取得した乱数r1のなかに「大当たり」に該当するものがある場合には、上述の大当たり図柄表示処理に移行する(S460)。但し、この大当たり図柄表示処理の際、図柄制御基板37のCPUは、図柄制御基板37のROMに設定された種々の変動パターン群からセット遊技に対応する通常当たり変動パターンや確変当たり変動パターン(図13〜図16を参照)を取得し、取得した変動パターンと図柄バッファ領域の特別図柄の組み合わせとに基づいて、特別図柄を変動表示する。
尚、図10〜図16には、セット遊技におけるはずれ用、リーチ用、通常当たり用、確変当たり用の変動パターンが複数集まったセット数Sに対応した変動パターン群が示されているが、セット数S=1に関するものは、音の演出及び変動時間が若干相違するだけで、基本的に、変動パターン群としては、図8及び図9に示す変動パターン群と同一であるため、省略とした。
そして、上述の大当たり遊技処理が終了すると(S470)、通常遊技処理S170と同様に、遊技の態様を設定したのち(S480)、入賞記憶領域における乱数r1の格納数(取得前の格納数からセット数Sだけ減算した数)を図柄制御基板37に通知して(S490)、本処理を終了する。尚、S490にて、図柄制御基板37のCPUは、保留球の表示部位に表示していた特別図柄を元の部位に表示させ、保留球の数を再度表示する。
以上のように構成された本実施形態のパチンコ機1では、保留球の数が規定個(本実施形態では4つ)に達するまでは、保留球の数を表示しながら通常の遊技を実行する一方、保留球の数が規定個に達した際には、保留球の数を非表示に設定して、抽選結果の通知に至る一連の演出(変動パターン)を保留球の消化数に応じて進展させるセット遊技を実行する。
即ち、本実施形態のパチンコ機1によれば、セット遊技が実行されるまでは、保留球の数を把握できることに起因して、セット遊技における演出が少しでも多く進展するように保留球を獲得していく楽しみを遊技者に与えることができる。一方、セット遊技が実行されている間は、消化される保留球の数を把握することが困難なことに起因して、獲得した保留球が順調に消化され、演出が順調に進展していくのか否かといった期待感を遊技者に与えることができる。つまり、特別図柄の停止表示に至る一連の演出の進展数(発展数)のみが、保留球の消化数と対応しているため、遊技者は、セット遊技の演出に釘付けとなり、「今回のセット遊技は、何個分の保留球によるものなのだろうか?」とか、「今回のセット遊技は、3個分の保留球によるものであろうから、チャンスがあるのでは?」とか様々な推測を行うようになり、今まで以上にセット遊技の演出に興味を抱くようになるため、その分、セット遊技の興趣を向上できる。尚、セット遊技の際に消費される保留球の数(セット数S)は、遊技者が遊技によって獲得した保留球が大当たりか否かを判定する前に(S440より前にという意味)、所定の乱数処理により、即ち、1つの乱数r9により、画一的に選択決定しているため、セット数Sの各々に、一様性を持たせることがでできるだけでなく、先行技術文献(特開2001−293178号)の技術のように、複数の乱数を用いる必要が無くなり、制御的に楽である。勿論、乱数r9の数を増やすことで、セット数Sの各々に、格差を持たせることもできる。
尚、本実施形態では、主制御基板31のCPUが実行する遊技処理のS20が本発明の作動許可手段に相当し、主制御基板31のCPUが実行するセット遊技処理(遊技処理のS20)が本発明のセット遊技実行手段に相当する。
又、主制御基板31のCPUが図柄制御基板37に対して行う乱数r1の格納数の通知処理(始動口センサ193から検出信号を受信毎に行う通知処理や通常遊技処理のS110、セット遊技処理のS490)及び図柄制御基板37、ディスプレイ15が本発明の保留球数表示手段に相当する。
又、主制御基板31のCPUが実行するセット遊技処理のS400及び図柄制御基板37、ディスプレイ15が本発明の非表示手段に相当する。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態において、パチンコ機1は、保留球の数をディスプレイ15に表示するように設定されていたが、一切表示を行わないように設定されていても良い(請求項1記載のパチンコ遊技機に相当。)。この場合、遊技者は、保留球の数を把握することが一切困難となるため、セット遊技の開始時期やセット遊技の演出がどこまで進展するのかを予測することが困難となる。これにより、遊技者にセット遊技が開始されるのか否かといった期待感や、セット遊技における演出が順調に進展するのか否かといった期待感を遊技者に与えることができる。
又、上記実施形態では、セット遊技の際に保留球の数を特別図柄で一時隠すことにより非表示にしていたが、特別図柄などの画像で隠さずに、そのまま消去しても良いし、保留球の表示を取り止めても良いし、表示している箇所を部材などで隠しても良い。
又、保留球の数をディスプレイ15外に表示した場合にも適用しても良い。
又、上記実施形態のパチンコ機1は、所定の始動信号(始動入賞装置19の始動入賞口に遊技球が入賞することにより発生する始動信号、即ち、遊技球1個に対する始動信号若しくは保留球1個に対する始動信号)を起因に、所定数の特別図柄をディスプレイ15等の表示手段にキャラクタや背景画像等の趣向を凝らした演出を交えながら変動表示させ、該変動表示の結果、所定の態様(ゾロ目等)に特別図柄が揃ったことを条件に、遊技者に付与すべき特典としての所定の大当たり遊技を実行する特別図柄遊技実行手段を備える、所謂、第1種パチンコ遊技機に関するものであったが、本発明の技術思想から逸脱していなければ、所謂、権利物と言われる第3種パチンコ遊技機でも良いし、それ以外、例えば、複数の始動信号を起因に実行されるセット遊技を行うセット遊技実行手段しか備えていない新しいタイプのパチンコ遊技機でも良い。なお、第1種パチンコ遊技機の場合、「セット遊技実行手段」は、特別図柄遊技実行手段内に含まれる。
本発明に係るパチンコ機1の外観を示す平面図である。 パチンコ機1における制御系統の構成ブロック図である。 主制御基板31のCPUが実行する遊技処理の流れを示すフローチャートである。 主制御基板31のCPUが実行する通常遊技処理の流れを示すフローチャートである。 主制御基板31のCPUが実行するはずれ図柄表示処理の流れを示すフローチャートである。 主制御基板31のCPUが実行する大当たり図柄表示処理の流れを示すフローチャートである。 主制御基板31のCPUが実行するセット遊技処理の流れを示すフローチャートである。 はずれ変動パターン群及びリーチ変動パターン群の一例である。 通常当たり変動パターン群及び確変当たり変動パターン群の一例である。 セット数S=2におけるはずれ変動パターン群、セット数S=3におけるはずれ変動パターン群、セット数S=4におけるはずれ変動パターン群の一例である。 セット数S=2におけるリーチ変動パターン群及びセット数S=3におけるリーチ変動パターン群の一例である。 セット数S=4におけるリーチ変動パターン群の一例である。 セット数S=2における通常当たり変動パターン群及びセット数S=3における通常当たり変動パターン群の一例である。 セット数S=4における通常当たり変動パターン群の一例である。 セット数S=2における確変当たり変動パターン群及びセット数S=3における確変当たり変動パターン群の一例である。 セット数S=4における確変当たり変動パターン群の一例である。 ディスプレイ15における画像の表示態様を示す説明図である。
符号の説明
1…パチンコ機、3…外枠、5…内枠、7…遊技盤、9…ハンドル、11…上受け皿、13…下受け皿、15…ディスプレイ、19…始動入賞装置、21…可動入賞装置、23…普通図柄表示装置、25…普通図柄保留ランプ、27…始動ゲート、31…主制御基板、33…賞球制御基板、35…払出装置、37…図柄制御基板、39…音声制御基板、41…スピーカ、43…ランプ制御基板、191…可動片、193…始動口センサ、195,217…ソレノイド、211…開閉板、213…特定領域センサ、215…カウントセンサ、271…ゲートセンサ。

Claims (3)

  1. 遊技者に付与すべき特典の通知に至る一連の演出を保留球の消化数に応じて進展させるセット遊技を行うセット遊技実行手段を備えたパチンコ遊技機であって、
    保留球の数を非表示にしていることを特徴とするパチンコ遊技機。
  2. 遊技者に付与すべき特典の通知に至る一連の演出を保留球の消化数に応じて進展させるセット遊技を行うセット遊技実行手段を備えたパチンコ遊技機であって、
    保留球の数を表示する保留球数表示手段と、
    前記セット遊技実行手段の作動時に、前記保留球数表示手段による表示を非表示に設定する非表示手段と、
    を備えることを特徴とするパチンコ遊技機。
  3. 保留球の数が予め指定された数に達した場合においてのみ、前記セット遊技実行手段の作動を許可する作動許可手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパチンコ遊技機。
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