JP2005130379A - 画像変倍方法とこの方法を実施する写真プリント装置 - Google Patents

画像変倍方法とこの方法を実施する写真プリント装置 Download PDF

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Abstract

【課題】種々の変倍率においても、画像出力時に確実にモアレの発生を抑制することができる画像変倍技術を提供する。
【解決手段】決定された変倍率を等倍を含む第1縮小率と、拡大率と、等倍を含む第2縮小率とに割り振る変倍率割り振り部91と、画像データを平均化処理法を用いて前記第1縮小率で縮小する第1画像縮小部93と、縮小された画像データを補間処理法を用いて前記拡大率で拡大する画像拡大部94と、拡大された画像データを平均化処理法を用いて前記第2縮小率で縮小する第2画像縮小部95とからなる画像変倍処理手段90。
【選択図】 図4

Description

本発明は、決定された任意の変倍率で画像データ、特に写真撮影画像データを変倍する画像変倍方法、画像変倍プログラム、及びこの方法を実施する画像処理装置と写真プリント装置に関する。
デジタルカメラやスキャナといった画像データ取得機器によって生成された画像データの画像サイズは千差万別であるが、そのような画像データをハードコピー、例えばプリントする場合には一般にはプリントサイズというものが規定されていることから、そのプリントサイズに適合するように予め画像データを変倍(縮小・拡大)する必要がある。その際、画像データが撮影画像データの場合には、基本的に縦横比を保持した変倍が行われる。
画像縮小技術において、そのハード構成を単純化するために、1段階で所望の倍率に縮小させる事なく、縮小処理を2段階に分け、第1段階で前記画像データを1/2n(n:0を含む整数)に縮小した後、第2段階で該1/2nに縮小された画像データを1〜1/2の範囲の任意の設定倍率αで画像縮小を行う事により(1/2n)×αの縮小画像を得ようとするものがある(例えば、特許文献1参照。)。つまり、この技術では、前もって1/2nに縮小した画像データを所望倍率αに縮小するものである為に、見掛け上は1〜1/2倍の限定した縮小倍率であるにも拘らず、前記nを0に設定する事により1〜0.5倍の縮小倍率が、又前記nを1に設定する事により0.5〜0.25倍の縮小倍率が、又前記nを2に設定する事により0.25〜0.125倍の縮小倍率が夫々得られ、結果として広い範囲の縮小処理が可能となる。ここで、1/2nに変倍する変倍手段は単にシフトレジスタを用いる事により簡単に構成できるし、1〜1/2の範囲の任意の設定倍率で画像変倍を行う第2の変倍手段も、限定された縮小倍率であり而も参照画素も3つの画素で足りる為に、この縮小処理を行う処理回路も、又倍率に対応させて係数演算を行う係数生成回路等も煩雑化する事がなく、回路構成が簡単となる。しかしながら、この縮小技術では、モアレと呼ばれる縞模様の発生防止策が考慮されていないので、縮小倍率によってはモアレの発生が目立ち、特に写真プリントのような場合では、致命的な画像品質の低下をもたらす。
この問題を解決しようとした画像処理技術として、変倍率指定手段によって指定された変倍率rを、pは自然数、nは0を含む整数、係数αは1≦α<pの範囲として、pのマイナスn乗とαに分解し、先ず、画像縮小手段によって入力した画像データに対して倍率がpのマイナスn乗の縮小処理を施し、次に画像拡大手段によって倍率αに拡大するようにするものがある(例えば、特許文献1参照。)。この技術は、画像縮小手段で全ての画素を計算に用いることになる平均値処理を行えば、モアレの発生を防ぐことが出来るという観点に立っている。しかしながら、このような画像変倍処理技術を用いたとしても、例えば高品質な写真プリント出力においては、その変倍率によってはモアレの発生が画像品質の低下を伴う程度に目立つということが確認されている。
特開平5−4881号公報(段落番号0005−0010、第1図) 特開平11−298724号公報(段落番号0004−0005、第1図)
上記実状に鑑み、本発明の課題は、種々の変倍率においても、画像出力時に確実にモアレの発生を抑制することができる画像変倍技術を提供することである。
上記目的を達成するため、決定された任意の変倍率で画像データを変倍する本発明による画像変倍方法は、前記決定された変倍率を等倍を含む第1縮小率と、拡大率と、等倍を含む第2縮小率とに割り振るステップと、前記画像データを平均化処理法を用いて前記第1縮小率で縮小するステップと、前記縮小された画像データを補間処理法を用いて前記拡大率で拡大するステップと、前記拡大された画像データを平均化処理法を用いて前記第2縮小率で縮小するステップとから構成されている。
本発明では、画像変倍処理において、線形補間法や3次補間法などが用いられるが、線形補間法では拡大縮小後の画素を対応点の周囲4点、3次補間法では対応点の周囲16点の画素値を用いて計算を行うが、高率の縮小を行う場合では、補間計算に使われない画素が存在するため、モアレの発生が起こりえるという観点に立ち、3つに分けられた変倍処理過程の内の中間過程を補間処理法を用いた画像拡大処理とし、その前後の出発過程と最終過程を平均化処理法を用いた画像縮小処理とすることで、補間処理において使われない画素が存在したとしてもその前後の処理を全ての画素が処理対象となる平均化処理とすることで、モアレの発生を抑制している。なお、縮小処理において等倍を含む縮小率が採用されているのは、特殊な変倍率においては、画像拡大を行う補間処理の前後の縮小過程において等倍、つまり縮小処理を行わなくともモアレが発生が観察されず、画像拡大を行う補間処理だけでよいからである。
決定された任意の変倍率を、補間処理法を用いた画像拡大処理で用いる拡大率と、平均化処理法を用いた画像縮小処理で用いる縮小率を割り振る際、本発明の好適な実施形態では、前記第1縮小率を1/N1(N1は自然数)で、前記第2縮小率を1/N2(N2は自然数)で表すと、前記拡大率Rは前記変倍率をMとしてR=M×N1×N2で求められ、前記変倍率Mが1.2以上の場合前記N2が1に設定され、前記変倍率Mが1.2未満の場合前記N2が2に設定される。つまり、これは、変倍率Mが1.2以上の場合では、最終過程である縮小処理を等倍、つまり省略してもモアレの発生が画像品質の低下を伴う程度には目立たないという発明者の所見に基づいている。変倍率Mが1.2未満の場合では、最終過程において最も簡単な縮小処理である縮小率1/2での画像縮小処理を行うことで、全画素を処理対象として画像が締められることになり、モアレの発生を抑制している。
本発明の好適な実施形態の1つとして、前記決定された変倍率に基づいて割り振られる前記第1縮小率と前記拡大率と前記第2縮小率の各値が前もってテーブル化されているならば、変倍率が決定されると、即座に前記第1縮小率と前記拡大率と前記第2縮小率の各値がいわゆるルックアップテーブルから引き出されることになり、変倍率の割り振り処理が簡単化される。
また、本発明は、上述した画像変倍方法をコンピュータに実行させるプログラムやそのプログラムを記録した媒体も権利の対象とするものである。
本発明では、さらに、上述した画像変倍方法を採用した画像処理装置や写真プリント装置をも権利の対象としており、特にこの写真プリント装置は、撮影画像データを入力する画像データ入力部と、入力された撮影画像データに基づく撮影画像を選択されたプリントサイズで写真プリントとして出力するプリント出力部とを備えるとともに、さらに本発明による画像変倍機能を実現するために、前記入力された撮影画像データの画像サイズと前記プリントサイズから変倍率を決定する変倍率決定部と、前記決定された変倍率を等倍を含む第1縮小率と、拡大率と、等倍を含む第2縮小率とに割り振る変倍率割り振り部と、前記画像データを平均化処理法を用いて前記第1縮小率で縮小する第1画像縮小部と、前記縮小された画像データを補間処理法を用いて前記拡大率で拡大する画像拡大部と、前記拡大された画像データを平均化処理法を用いて前記第2縮小率で縮小する第2画像縮小部とが備えられている。当然ながら、このような画像変倍機能を備えた写真プリント装置も上述した画像変倍方法におけるすべての作用効果を得ることができる。さらに、その際、前記第1縮小率を1/N1(N1は自然数)で、前記第2縮小率を1/N2(N2は自然数)で表すと、前記拡大率Rは前記変倍率をMとしてR=M×N1×N2で求められ、前記変倍率Mが1.2以上の場合前記N2が1に設定され、前記変倍率Mが1.2未満の場合前記N2が2に設定されるような構成を採用するならば、前述したように、画像変倍機能に係わる構成は簡単であるにもかかわらず、写真プリントの作成において特に頻繁に用いられる変倍率での画像変倍が、画像品質の低下となるようなモアレの発生を伴うことなしに実行される。
本発明によるその他の特徴及び利点は、以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるだろう。
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は本発明による画像変倍技術を採用した写真プリント装置を示す外観図であり、この写真プリント装置は、印画紙Pに対して露光処理と現像処理とを行う写真プリンタとしてのプリントステーション1Bと、現像済み写真フィルム2aやデジタルカメラ用メモリカード2bなどの画像入力メディアから取り込んだ撮影画像を処理してプリントステーション1Bで使用されるプリントデータの生成・転送などを行う操作ステーション1Aとから構成されている。
この写真プリント装置はデジタルミニラボとも称せられるものであり、図2からよく理解できるように、プリントステーション1Bは2つの印画紙マガジン11に納めたロール状の印画紙Pを引き出してシートカッター12でプリントサイズに切断すると共に、このように切断された印画紙Pに対し、バックプリント部13で色補正情報やコマ番号などのプリント処理情報を印画紙Pの裏面に印字するとともに、プリント露光部14で印画紙Pの表面に撮影画像の露光を行い、この露光後の印画紙Pを複数の現像処理槽を有した処理槽ユニット15に送り込んで現像処理する。乾燥の後に装置上部の横送りコンベア16からソータ17に送られた印画紙P、つまり写真プリントPは、このソータ17の複数のトレイにオーダ単位で仕分けられた状態で集積される(図1参照)。
上述した印画紙Pに対する各種処理に合わせた搬送速度で印画紙Pを搬送するために印画紙搬送機構18が敷設されている。印画紙搬送機構18は、印画紙搬送方向に関してプリント露光部14の前後に配置されたチャッカー式印画紙搬送ユニット18aを含む複数の挟持搬送ローラ対から構成されている。
プリント露光部14には、副走査方向に搬送される印画紙Pに対して、主走査方向に沿って操作ステーション1Aからのプリントデータに基づいてR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色のレーザ光線の照射を行うライン露光ヘッドが設けられている。処理槽ユニット15は、発色現像処理液を貯留する発色現像槽15aと、漂白定着処理液を貯留する漂白定着槽15bと、安定処理液を貯留する安定槽15cを備えている。
前記操作ステーション1Aのデスク状コンソールの上部位置には、写真フィルム2aの撮影画像コマから撮影画像データ(以下単に画像データと略称する)を取得するフィルムスキャナ20が配置されており、デジタルカメラ等に装着される撮影画像記録媒体2bとして用いられている各種半導体メモリやCD−Rなどから画像データを取得するメディアリーダ21は、この写真プリント装置のコントローラ3として機能する汎用パソコンに組み込まれている。この汎用パソコンには、さらに各種情報を表示するモニタ23、各種設定や調整を行う際に用いる操作入力部として利用される操作入力デバイスとしてのキーボード24やマウス25も接続されている。
この写真プリント装置のコントローラ3は、CPUを中核部材として、写真プリント装置の種々の動作を行うための機能部をハードウエア又はソフトウエアあるいはその両方で構築しているが、図3に示されているように、本発明に特に関係する機能部としては、スキャナ20やメディアリーダ21によって読み取られた画像データを取り込んで次の処理のために必要な前処理を行う画像入力部31と、各種ウインドウや各種操作ボタンなどを含むグラフィック操作画面の作成やそのようなグラフィック操作画面を通じてのユーザ操作入力(キーボード24やマウス25などによる)から制御コマンドを生成するグラフィックユーザインターフェース(以下GUIと略称する)を構築するGUI部33と、GUI部33から送られてきた制御コマンドや直接キーボード24等から入力された操作命令に基づいて所望のプリントデータを生成するために画像入力部31からメモリ30に転送された画像データに対する画像処理等を行うプリント管理部32と、色補正等のプレジャッジプリント作業時にプリントソース画像や予想仕上がりプリント画像としてのシミュレート画像さらにはGUI部33から送られてきたグラフィックデータをモニタ23に表示させるためのビデオ信号を生成するビデオ制御部35と、画像処理が完了した処理済み画像データに基づいてプリントステーション1Bに装備されているプリント露光部14に適したプリントデータを生成するプリントデータ生成部36と、顧客の要望に応じて生の画像データや画像処理が完了した処理済み画像データなどをCD−Rに書き込むための形式にフォーマットするフォーマッタ部37などが挙げられる。
画像入力部31は、撮影画像記録媒体がフィルム2aの場合プレスキャンモードと本スキャンモードとのスキャンデータを別々にメモリ30に送り込み、それぞれの目的に合わせた前処理を行う。また、撮影画像記録媒体がメモリカード2bの場合取り込んだ画像データにサムネイル画像データ(低解像度データ)が含まれている場合はモニタ23での一覧表示などの目的で使用するため撮影画像の本データ(高解像度データ)とは別にメモリ30に送り込むが、もしサムネイル画像データが含まれていない場合は本データから縮小画像を作り出してサムネイル画像データとしてメモリ30に送り込む。また、この画像入力部31には、写真プリント受付装置と呼ばれているセルフサービスで写真プリントを受け付ける装置も接続されており、この写真プリント受付装置からプリントサイズプリント枚数を記録しているプリント注文データと画像データとからなるプリント注文ファイル情報を受け取ると、画像データをメモリ30に転送し、プリント注文データをプリント管理部32に転送する。通常の写真プリント注文の場合には、プリントサイズやプリント枚数は、キーボード24を通じてオペレータの操作入力によってプリント管理部32に与えられる。
プリント管理部32は、プリントサイズやプリント枚数などを管理するプリント注文処理ユニット60、入力された画像データサイズとプリントサイズから画像変倍率を決定する変倍率決定部70、メモリ30に展開された画像データに対して色補正やフィルタリング(ぼかしやシャープネスなど)などのフォトレタッチ処理を施す画像処理ユニット80を備えており、この画像処理ユニット80には本発明による技術を採用した画像変倍処理手段90が含まれている。
画像変倍処理手段90は、図4に示すように、変倍率決定部70で決定された変倍率を等倍を含む第1縮小率と、拡大率と、等倍を含む第2縮小率とに割り振る変倍率割り振り部91と、前記画像データを平均化処理法を用いて前記第1縮小率で縮小する第1画像縮小部93と、前記縮小された画像データを補間処理法を用いて前記拡大率で拡大する画像拡大部94と、前記拡大された画像データを平均化処理法を用いて前記第2縮小率で縮小する第2画像縮小部95と、変倍率毎に適合する第1縮小率と拡大率と第2縮小率の組み合わせをテーブル化して格納しているルックアップテーブル92とから構成されている。
このように構成された画像変倍処理手段90による画像変倍の流れを図5に示されたフローチャートを用いて以下に説明する。
画像入力部31を通じてメモリ30に展開された画像データの画像サイズと、プリント処理注文ユニット60に設定されているプリントサイズからこの画像データに対する変倍率(画像縮小の場合縮小率、画像拡大の場合拡大率)が変倍率決定部70によって決定される(#01)。変倍率:Mが決定されると、変倍率割り振り部91は、ルックアップテーブル92にアクセスして、この変倍率:Mのための変倍セットを取り込む(#02)。このルックアップテーブル92は、図6に示されているように、各変倍率:M毎に第1縮小率:1/N1と拡大率:Rと第2縮小率:1/N2が登録されている。例えば、変倍率:M=1.199なら、第1縮小率:1/N1=1/1と拡大率:R=2.398と第2縮小率:1/N2=1/2が割り当てられ、変倍率:M=0.449なら、第1縮小率:1/N1=1/2と拡大率:R=1.796と第2縮小率:1/N2=1/2が割り当てられる。入力される画像データのサイズは使用されるフィルムスキャナ20やデジタルカメラの仕様がある程度のレベルに統一されていることからほぼ決まっており、プリントサイズも写真プリントの分野では予め決まっており、当然プリント露光部14の解像度も写真プリント装置の機種により決まっているので、使用される変倍率はほとんど予め予想でき、そのために使用されうる変倍率:Mのための変倍セット(第1縮小率:1/N1と拡大率:Rと第2縮小率:1/N2)を登録しておくことができる。もちろん、登録されていない変倍率に関しては、類似する登録された変倍率のための変倍セットの内の拡大率:Rだけを変更して使用する。あくまでも、第1縮小率:1/N1と第2縮小率:1/N2は自然数の逆数となる値とし、平均化処理を用いた縮小処理が可能としている。
この平均化処理を用いた縮小処理は、図7で模式的に示されているように、元の画像データを構成する複数の画素(図では正方形を構成する4つの画素)の全ての画素値(濃度値)を平均し、得られた平均値を新しい画像データ、つまり縮小率1/2で縮小された、面積で1/4に縮小された画像データの対応する1つの画素の画素値とするのである。このように自然数の逆数を縮小率とする平均化処理を用いた縮小処理は元の画像データの全ての画素の画素値を新しい画像データのために用いるので、モアレの発生が抑制される。
なお、このルックアップテーブル92に登録された変倍セットでは、特例的に、変倍率:Mが1.2を超えた場合のみ、第1縮小率と第2縮小率の両者が等倍となって、実質的に縮小処理がなされないことになるが、これは、この変倍率においては、写真プリントでのモアレの発生がほとんど目立たないことが観察されているからである。また、写真プリントの分野においては、元の画像データを拡大して写真プリントを行うということは例外的な処理といえる。第1縮小率はほぼ変倍率:Mが0.5を超えると等倍となっているが、補間処理法を用いて行われる実数倍の変倍の後に平均化処理を用いた縮小処理を行うことで、写真プリントでのモアレの発生がほとんど目立たないことが観察されているからである。従って、第1縮小率を用いた縮小処理は、拡大処理における拡大率を余り大きくしないことを主な目的としている。補間処理法を用いて行われる拡大処理において大きな拡大率は演算負荷の増大をもたらすからである。
変倍率割り振り部91によって所定の変倍率のための変倍セットが取り込まれると、変倍率割り振り部91は、第1画像縮小部93に第1縮小率:1/N1を設定し(#03)、画像拡大部94に拡大率:Rを設定し(#04)、第2画像縮小部95に第2縮小率:1/N2を設定する(#05)。メモリ30に展開されている画像データに対する実際の画像変倍処理は、第1画像縮小部93による縮小処理、画像拡大部94による拡大処理、第2画像縮小部95に縮小処理の順で行われるのであるが、ここでの縮小処理には等倍、つまり何も処理を行わない縮小処理も含まれているので、縮小処理の前にはそのチェックがなされる。つまり、第1縮小率:1/N1が1であるかどうかがチェックされ(#06)、1でないならその第1縮小率:1/N1を用いて前述した平均化処理法を用いた画像縮小が第1画像縮小部93によって行われ(#07)、1であるなら第1画像縮小部93による画像縮小が割愛される。
次に、拡大率:Rを用いて補間処理法を用いた画像拡大が画像拡大部94によって行われる(#08)。補間処理法を用いた画像拡大処理に関してはよく知られているので、詳しい説明は省略するが、線形補間法(バイリニア法)や3次補間法(バイキュービック法)が主なものであり、ここではいずれかの補間法を選択可能となっている。
画像拡大処理が終わると、第2縮小率:1/N2が1であるかどうかがチェックされ(#09)、1でないならその第1縮小率:1/N1を用いて前述した平均化処理法を用いた画像縮小が第2画像縮小部95によって行われ(#10)、1であるなら第2画像縮小部95による画像縮小が割愛される。
このようにして、変倍処理を施された画像データは、必要な画像処理を施された後、プリントデータに変換されて、プリント露光部14に転送される。プリント露光部14はプリントデータに基づいて最終的に写真プリントとなる印画紙Pを露光する。
上述した実施の形態では、プリントステーション1Bは、印画紙Pに対し、露光エンジンを備えたプリント露光部14で撮影画像の露光を行い、この露光後の印画紙Pを複数の現像処理する、いわゆる銀塩写真プリント方式を採用していたが、もちろん、本発明におけるプリントステーション1Bは、このような方式に限定されるわけではなく、例えば、フィルムや紙にインクを吐出して画像を形成するインクジェットプリント方式や感熱転写シートを用いた熱転写方式など、種々の写真プリント方式を採用することができる。
本発明は、写真プリント出力を目的として画像データを変倍、一般的に縮小する際、出力される写真プリントにモアレを目立たせないための変倍処理アルゴリズムを提供しており、特に写真プリント装置への組み込み技術として広く利用できる。
本発明による変倍処理技術を採用した写真プリント装置の外観図 写真プリント装置のプリントステーションの構成を模式的に示す模式図 写真プリント装置のコントローラ内に構築される機能要素を説明する機能ブロック図 画像変倍処理手段の機能構成を示す機能ブロック図 画像変倍処理のフローチャート 変倍セットを登録したルックアップテーブルの説明図 平均化処理法による縮小処理を模式的に示す説明図
符号の説明
60:プリント注文処理ユニット
70:変倍率決定部
80:画像処理ユニット
90:画像変倍処理手段
91:変倍率割り振り部
92:ルックアップテーブル
93:第1画像縮小部
94:画像拡大部
95:第2画像縮小部

Claims (6)

  1. 決定された任意の変倍率で画像データを変倍する画像変倍方法において、
    前記決定された変倍率を等倍を含む第1縮小率と、拡大率と、等倍を含む第2縮小率とに割り振るステップと、
    前記画像データを平均化処理法を用いて前記第1縮小率で縮小するステップと、
    前記縮小された画像データを補間処理法を用いて前記拡大率で拡大するステップと、
    前記拡大された画像データを平均化処理法を用いて前記第2縮小率で縮小するステップとからなることを特徴とする画像変倍方法。
  2. 前記第1縮小率を1/N1(N1は自然数)で、前記第2縮小率を1/N2(N2は自然数)で表すと、前記拡大率Rは前記変倍率をMとしてR=M×N1×N2で求められ、前記変倍率Mが1.2以上の場合前記N2が1に設定され、前記変倍率Mが1.2未満の場合前記N2が2に設定されることを特徴とする請求項1に記載の画像変倍方法。
  3. 前記決定された変倍率に基づいて割り振られる前記第1縮小率と前記拡大率と前記第2縮小率の各値は前もってテーブル化されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像変倍方法。
  4. 画像データを変倍するための変倍率を決定する機能と、
    前記決定された変倍率を等倍を含む第1縮小率と、拡大率と、等倍を含む第2縮小率とに割り振る機能、
    前記画像データを平均化処理法を用いて前記第1縮小率で縮小する機能と、
    前記縮小された画像データを補間処理法を用いて前記拡大率で拡大する機能と、
    前記拡大された画像データを平均化処理法を用いて前記第2縮小率で縮小する機能とをコンピュータに実現させる画像変倍プログラム。
  5. 決定された任意の変倍率で画像データを変倍する画像処理装置において、
    前記決定された変倍率を等倍を含む第1縮小率と、拡大率と、等倍を含む第2縮小率とに割り振る変倍率割り振り部と、
    前記画像データを平均化処理法を用いて前記第1縮小率で縮小する第1画像縮小部と、
    前記縮小された画像データを補間処理法を用いて前記拡大率で拡大する画像拡大部と、
    前記拡大された画像データを平均化処理法を用いて前記第2縮小率で縮小する第2画像縮小部とからなることを特徴とする画像処理装置。
  6. 撮影画像データを入力する画像データ入力部と入力された撮影画像データに基づく撮影画像を選択されたプリントサイズで写真プリントとして出力するプリント出力部からなる写真プリント装置において、
    前記入力された撮影画像データの画像サイズと前記プリントサイズから変倍率を決定する変倍率決定部と、
    前記決定された変倍率を等倍を含む第1縮小率と、拡大率と、等倍を含む第2縮小率とに割り振る変倍率割り振り部と、
    前記画像データを平均化処理法を用いて前記第1縮小率で縮小する第1画像縮小部と、
    前記縮小された画像データを補間処理法を用いて前記拡大率で拡大する画像拡大部と、
    前記拡大された画像データを平均化処理法を用いて前記第2縮小率で縮小する第2画像縮小部とが備えられていることを特徴とする写真プリント装置。
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