JP4324870B2 - 画像処理方法、画像処理プログラム及びその画像処理方法を実施する装置 - Google Patents

画像処理方法、画像処理プログラム及びその画像処理方法を実施する装置 Download PDF

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Description

本発明は、入力画素値を有する複数の画素からなる入力画像データに空間フィルタを用いた空間フィルタ処理を施して出力画像データを作成する画像処理技術に関する。
近年、画像情報をデジタルカメラやフィルムスキャナ等の画像入力装置から取り込み、得られた画像データに基づいて画像のハードコピーを出力するインクジェットプリント装置や銀塩印画紙に光ビームを照射するデジタル露光ヘッドを有する写真プリント装置が普及している。これらの装置では、通常、入力画像データに対して各種空間フィルタによる空間フィルタ処理を施し、鮮鋭性を変化させたり、特徴を抽出したり、特殊な色彩効果を施すことで各種目的に合わせた画像特性を有する出力画像データを作成し、そのような出力画像データ基づいて画像ハードコピーとしての各種プリントが出力される。
特に、入力画像データが撮影画像データの場合、通常の画像処理を施して写真プリント装置で出力すると、その出力画像にシャープネス劣化が生じることが知られており、このため入力した撮影画像データに対してラプラシアンフィルタやアンシャープマスクを用いた画像鮮鋭化処理が施されている。しかしながら、このような画像鮮鋭化処理を行なうと、撮影画像のシャープネスは向上するが、同時にその撮影画像に含まれているノイズ成分も同時に強調されることになり、そのことが画質の低下を引き起こすという問題がある。
このような問題点を解消して、画像ノイズや、画質劣化の少ない、更に処理速度の速い鮮鋭性調整処理や変倍処理、画質調整処理を行なうために、入力画像データに空間フィルタ処理を施して出力画像データを作成する際に、各画素データ値の空間フィルタ処理前後のデータ変化量に所定の変化量上限値を設け、この変化量上限値を超えない強度の画像処理を施すことが提案されている(特許文献1参照。)。例えば、ノイズフィルタ処理では、しきい値よりも大きな画素値差でもって平滑化することをやめて、よりエッジ情報が残りやすくしている。しかしながら、このように変化量上限値を設けてこの変化量上限値を超えないように空間フィルタ処理を行った場合、空間フィルタ特性の不連続点が発生し、出力画像が不自然になったり、ノイズの誤差成分だけでなく、本来の画像のもつ印象を損なってしまう危険性がある。
特開2002−262094号公報(段落番号0009ー0011、0053ー0059、図6)
上記実状に鑑み、本発明の課題は、フィルタ効果を十分に受けながらも本来の画像のもつ印象をできるだけ損なわないような空間フィルタ処理を実現する画像処理技術を提供することである。
入力画素値を有する複数の画素からなる入力画像データに空間フィルタを用いた空間フィルタ処理を施して出力画像データを作成する画像処理方法において、注目画素に対する前記空間フィルタの演算値を仮値として求めるステップと、前記注目画素の入力画素値と前記仮値との差分値を求めるステップと、前記差分値の絶対値が大きくなるに連れて0より大きく1以下の範囲で下に凸な曲線形状で単調減少する値、または、前記差分値の絶対値の大きさの抑制が不要な範囲である0から所定の値までの前記差分値の絶対値に対しては1であり、前記差分値の絶対値が当該所定の値より大きくなるに連れて0より大きく1以下の範囲で下に凸な曲線形状で単調減少する値を前記差分値の絶対値の大きさを漸次的に抑制する漸次抑制係数として求めるステップと、前記差分値に前記漸次抑制係数を乗じることで得られる数値を前記注目画素の入力画素値に加えることで前記注目画素に対する前記空間フィルタ処理の出力値とするステップとからなることを特徴としている。
この方法では、入力画像データに対して空間フィルタ処理を施すために積和演算を施して得られた演算値を仮値として、入力画素値とその仮値との差分値、つまり注目画素における変化量を更に算出し、この変化量の絶対値の大きさに応じて決定されるこの変化量の絶対値を漸次的に抑制する(あまり大きくならないようにする)漸次抑制係数を変化量(差分値)に乗じることで得られる抑制された変化量を入力画素値に加えることでこの空間フィルタ処理の最終的な出力値を求めているので、場合によっては生じるかもしれない突出した変化量、結果的には突出した入力画素値をスムーズに抑え込むことが可能となる。その結果、フィルタ効果を受けながらも本来の画像のもつ印象をできるだけ損なわないような空間フィルタ処理が実現する。
差分値の絶対値の大きさの抑制が不要な範囲である0から所定の値までの前記差分値の絶対値に対しては1であり、前記差分値の絶対値が当該所定の値より大きくなるに連れて0より大きく1以下の範囲で下に凸な曲線形状で単調減少する前記漸次抑制係数を求める具体例として、本発明では、以下の式も提案されている。なお、ここでは、ΔDは前記差分値で、nは抑制度を示す1以上の正数で、kが漸次抑制係数である。
Figure 0004324870
この式は、対数の逆数となっているので、n=1とした時その抑制度合いは対数的であり、差分値が10の時は1であるが、フィルタ演算後の画素値の変化値(差分値)が100の時に0.5となり、結果的にその変化値(差分値)は100×0.5=50となる半分に抑制されることになる。さらに、極端な例を挙げると差分値が250の時は結果的に104程度となる。また、差分値が10以下では抑制をきかなくしているので、該当フィルタ効果を100%受けることができる。抑制度:nの値を大きくすると、漸次抑制が大きくなる。
なお、入力画像データから出力画像データに変換される際の画像データの取り得る画素値範囲、つまりダイナミックレンジと差分値に基づいて、差分値の絶対値が大きくなるに連れて0より大きく1以下の範囲で下に凸な曲線形状で単調減少する漸次抑制係数を求めることもできる。その際、累乗を利用することで、任意の抑制度を選ぶこともできる。そのような関係式として、本発明では、以下の式も提案されている。なお、ここでは、D0は注目画素の入力画素値で、D-rangeは画像データの取りうる画素値範囲(8ビットデータの場合255)で、ΔDは前記差分値で、nは抑制度を示す正数で、kが漸次抑制係数である。
Figure 0004324870
この式において、D-range=255,n=1の場合、差分値が10の時はその抑制された差分値(漸次抑制係数:kで乗算された値)は約9.6であり、差分値が100の時は72であるが、差分値が250の時は125となるが、n=2.0とすると、差分値が10の時はその抑制された差分値は約9.3であり、差分値が100の時は52であるが、差分値が250の時は約62.5まで抑制される。このように抑制度:nの値によりその実際の抑制度合いが大きく変化するので、抑制度:nの値は前記抑制度:nは使用する空間フィルタ特性又は処理される画像データの特性あるいはその両方に応じて最適なものを選択するようにすることが好適である。
本発明では、上述した画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムやそのプログラムを記録した媒体も権利の対象とするものである。
本発明では、さらに、上述した画像処理方法を実施する画像処理装置も権利の対象としており、そのような画像処理装置は、入力画素値を有する複数の画素からなる入力画像データに空間フィルタを用いた空間フィルタ処理を施して出力画像データを作成する画像処理装置において、注目画素に対する前記空間フィルタの演算値を仮値として求める空間フィルタ演算部と、前記注目画素の入力画素値と前記仮値との差分値を求めるとともに、前記差分値の絶対値が大きくなるに連れて0より大きく1以下の範囲で下に凸な曲線形状で単調減少する値、または、前記差分値の絶対値の大きさの抑制が不要な範囲である0から所定の値までの前記差分値の絶対値に対しては1であり、前記差分値の絶対値が当該所定の値より大きくなるに連れて0より大きく1以下の範囲で下に凸な曲線形状で単調減少する値を前記差分値の絶対値の大きさを漸次的に抑制する漸次抑制係数として求める漸次抑制係数決定部と、前記差分値に前記漸次抑制係数を乗じることで得られる数値を前記注目画素の入力画素値に加えることで前記注目画素に対する前記空間フィルタ処理の出力値とする抑制フィルタ処理出力部とを備えている。当然ながら、このような画像処理装置も上述した画像処理方法で述べたすべての実施態様を備えるとともに、それらの作用効果を得ることができる。
本発明によるその他の特徴及び利点は、以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるだろう。
まず、本発明による、入力画像データに空間フィルタを用いた空間フィルタ処理を施して出力画像データを作成する際に入力画素と出力画素との間の画素値の変化量(差分値)を抑制する画像処理技術の原理を説明する。
図1は入力画像データの一部を示しており、以下の説明では太線で示された領域に含まれている画素に対して空間フィルタ処理を行うことにする。カラー画像データの場合、R・G・B毎の色成分画像データが存在するが、説明を簡単にするためここでは1つの色成分画像データに対する処理だけを説明する。また、ここで一例として取り上げる空間フィルタは入力画像からそのラプラシアン演算結果を差し引くことで鮮鋭化画像を得る鮮鋭化フィルタとする。ラプラシアンフィルタのオペレータとして((0,1,0),(1,−4,1),(0,1,0))を有するものを用いて、図1の処理対象領域に対して注目画素を順次設定しながら積和演算を行うことで得られる鮮鋭化フィルタ演算後の各画素の画素値は図2に示されている。入力画像の画素値をD0とし、フィルタ演算後の画素値をD1とすると、
D1=F(D0)、Fはフィルタ関数
と表すことができる。
次に、入力画素の画素値:D0とフィルタ演算後画素値:D1の差分値:ΔDを、
ΔD=D1−D0
のように求める。処理対象画素の全ての差分値:ΔDが図3に示されている。
さらに、この差分値:ΔDの大きさによって漸次抑制係数:kが次のように決定される。
k=K(ΔD)
ここで、Kは差分値:ΔDに応じて漸次抑制係数:k求める関数である。漸次抑制係数:kは各画素毎に設定されるが、これが設定されると、前記差分値:ΔDに前記漸次抑制係数を乗じることで得られる数値を入力画素値:D0に加えることでこの空間フィルタ処理の最終的な出力値:D2とすることができる。つまり、
D2=D0+k×ΔD
となる。
ここでは、漸次抑制係数:k求める関数として、次の式を用いた結果が図4に示されている。
Figure 0004324870
nは抑制度を示す1以上の正数で、ここではn=1としている。
図4で示された漸次抑制係数:kを用いて最終的に算出された空間フィルタ処理出力値の一覧が図5に示されている。
図2に示された画素値が従来の空間フィルタ処理出力結果を示しており、図5に示された画素値が本発明に基づく漸次抑制された空間フィルタ処理出力結果を示しているので、これらを比較することで、例えば、通常のフィルタ処理では「240」に上昇していた画素値が「214」に、「40」に下降していた画素値が「84」に抑制されていることが良く理解できる。
次に、上述した漸次抑制空間フィルタ処理を採用した画像処理ユニットを搭載した写真プリント装置を説明する。図6はその写真プリント装置を示す外観図であり、この写真プリント装置は、印画紙Pに対して露光処理と現像処理とを行う写真プリンタとしてのプリントステーション1Bと、現像済み写真フィルム2aやデジタルカメラ用メモリカード2bなどの画像入力メディアから取り込んだ撮影画像を処理してプリントステーション1Bで使用されるプリントデータの生成・転送などを行う操作ステーション1Aとから構成されている。
この写真プリント装置はデジタルミニラボとも称せられるものであり、図7からよく理解できるように、プリントステーション1Bは2つの印画紙マガジン11に納めたロール状の印画紙Pを引き出してシートカッター12でプリントサイズに切断すると共に、このように切断された印画紙Pに対し、バックプリント部13で色補正情報やコマ番号などのプリント処理情報を印画紙Pの裏面に印字するとともに、プリント露光部14で印画紙Pの表面に撮影画像の露光を行い、この露光後の印画紙Pを複数の現像処理槽を有した処理槽ユニット15に送り込んで現像処理する。乾燥の後に装置上部の横送りコンベア16からソータ17に送られた印画紙P、つまり写真プリントPは、このソータ17の複数のトレイにオーダ単位で仕分けられた状態で集積される(図6参照)。
上述した印画紙Pに対する各種処理に合わせた搬送速度で印画紙Pを搬送するために印画紙搬送機構18が敷設されている。印画紙搬送機構18は、印画紙搬送方向に関してプリント露光部14の前後に配置されたチャッカー式印画紙搬送ユニット18aを含む複数の挟持搬送ローラ対から構成されている。
プリント露光部14には、副走査方向に搬送される印画紙Pに対して、主走査方向に沿って操作ステーション1Aからのプリントデータに基づいてR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色のレーザ光線の照射を行うライン露光ヘッドが設けられている。処理槽ユニット15は、発色現像処理液を貯留する発色現像槽15aと、漂白定着処理液を貯留する漂白定着槽15bと、安定処理液を貯留する安定槽15cを備えている。
前記操作ステーション1Aのデスク状コンソールの上部位置には、写真フィルム2aの撮影画像コマから撮影画像データ(以下単に画像データと略称する)を2000dpiを超える解像度でもって取得することができるフィルムスキャナ20が配置されており、デジタルカメラ等に装着される撮影画像記録媒体2bとして用いられている各種半導体メモリやCD−Rなどから画像データを取得するメディアリーダ21は、この写真プリント装置のコントローラ3として機能する汎用パソコンに組み込まれている。この汎用パソコンには、さらに各種情報を表示するモニタ23、各種設定や調整を行う際に用いる操作入力部として利用される操作入力デバイスとしてのキーボード24やマウス25も接続されている。
この写真プリント装置のコントローラ3は、CPUを中核部材として、写真プリント装置の種々の動作を行うための機能部をハードウエア又はソフトウエアあるいはその両方で構築しているが、図8に示されているように、画像処理に関係する機能部としては、フィルムスキャナ20やメディアリーダ21によって読み取られた画像データを取り込んで次の処理のために必要な前処理を行う画像入力部31と、各種ウインドウや各種操作ボタンなどを含むグラフィック操作画面の作成やそのようなグラフィック操作画面を通じてのユーザ操作入力(キーボード24やマウス25などによる)から制御コマンドを生成するグラフィックユーザインターフェース(以下GUIと略称する)を構築するGUI部33と、GUI部33から送られてきた制御コマンドや直接キーボード24等から入力された操作命令に基づいて所望のプリントデータを生成するために画像入力部31からメモリ30に転送された画像データに対する画像処理等を行うプリント管理部32と、色補正等のプレジャッジプリント作業時にプリントソース画像や予想仕上がりプリント画像としてのシミュレート画像さらにはGUI部33から送られてきたグラフィックデータをモニタ23に表示させるためのビデオ信号を生成するビデオ制御部35と、画像処理が完了した処理済み画像データに基づいてプリントステーション1Bに装備されているプリント露光部14に適したプリントデータを生成するプリントデータ生成部36と、顧客の要望に応じて生の画像データや画像処理が完了した処理済み画像データなどをCD−Rに書き込むための形式にフォーマットするフォーマッタ部37などが挙げられる。
画像入力部31は、撮影画像記録媒体がフィルム2aの場合プレスキャンモードと本スキャンモードとのスキャンデータを別々にメモリ30に送り込み、それぞれの目的に合わせた前処理を行う。また、撮影画像記録媒体がメモリカード2bの場合取り込んだ画像データにサムネイル画像データ(低解像度データ)が含まれている場合はモニタ23での一覧表示などの目的で使用するため撮影画像の本データ(高解像度データ)とは別にメモリ30に送り込むが、もしサムネイル画像データが含まれていない場合は本データから縮小画像を作り出してサムネイル画像データとしてメモリ30に送り込む。
プリント管理部32は、プリントサイズやプリント枚数などを管理するプリント注文処理ユニット60、メモリ30に展開された画像データに対して各種画像処理を施す画像処理ユニット70を備えている。
前述した画像処理ユニット70には本発明による画像処理技術を採用した漸次抑制空間フィルタ処理手段80やその他のフォトレタッチ機能を実現する手段が含まれている。この漸次抑制空間フィルタ処理手段80は、実質的にはプログラムとして画像処理ユニット70に実装されているが、図9に示すように、種々の空間フィルタから所望の空間フィルタを選択するとともに選択された空間フィルタに調整すべきパラメータが存在する場合そのパラメータ値を処理対象となっているメモリ30に展開されている入力画素値を有する画像データの画像特性等から設定する空間フィルタ選択部81、処理対象画像データから順次設定される注目画素に対する前記選択された空間フィルタによる演算値を仮値として求める空間フィルタ演算部82と、前記注目画素の入力画素値と前記仮値との差分値を求めるとともにこの差分値の大きさに応じてこの差分値の大きさを漸次的に抑制する漸次抑制係数を求める漸次抑制係数決定部83と、求められた差分値に決定された漸次抑制係数を乗じることで得られる数値を注目画素の入力画素値に加えることで注目画素に対する該当空間フィルタ処理の出力値を算出して出力する抑制フィルタ処理出力部84とから構成されている。
漸次抑制係数決定部83は、差分値に応じた漸次抑制係数を導く関係式(関数)をテーブル化して格納している漸次抑制テーブル83aを備えている。この漸次抑制テーブル83aは1つの関係式に基づくテーブルだけではなく、差分値に応じた漸次抑制係数を導く他の関係式に基づくテーブルも用意すると好都合である。複数種類のテーブル(関係式)が用意されている場合、使用する空間フィルタの種類や、処理対象となる画像データの画像特性などによりマニュアル又は自動で選択できるように構成するとよい。
この項目の最初のところで、入力画素と出力画素との間の画素値の変化量(差分値)を抑制する画像処理技術の原理を説明した際に紹介した、第1の関係式以外に、例えば、以下の第2の関係式が例示される。
Figure 0004324870
ここで、D0は注目画素の入力画素値で、D-rangeは画像データの取りうる画素値範囲で、ΔDは前記差分値で、nは抑制度を示す正数で、kは漸次抑制係数である。
抑制度:nは、一般には1〜4ぐらいまでの値を用いることになるが、いくつかの抑制度別のテーブルを用意しておき、使用する空間フィルタの種類や処理画像データの特性等で最適なものを選択するとよい。もちろん、これらは、あくまで例示的なものであり、空間フィルタに関する演算前と演算後の変化量が大きいほどその演算後の値が抑制されるような漸次抑制係数を導き出す関係式であれば、本発明に適用することができる。
図10に、先に説明した対数の逆数を基本とした第1の関係式での抑制された差分値(変化量)と、第2の関係式で抑制度:n=1.0、1.5、2.0、3.0での差分値(変化量)の数表が示されている。この数表からは、第1の関係式では、抑制の度合いが緩やかなので一般的な空間フィルタ処理に適しており、第2の関係式では、変化量が大きくなると極端に抑制されるので大きな変化量が生じうる空間フィルタ処理に適していることが理解できる。
なお、第2の関係式で抑制度:n=2.0の場合、差分値:ΔDが240を超えてくると漸次抑制係数:kが小さくなり過ぎて(k×ΔD)の値が減少し始めるという不都合が生じるので、そのようなケースでは、(k×ΔD)の値が減少し始める点で漸次抑制係数:kが一定値に固定される。このような例外処理は全ての関係式において適用される。例えば、図10の例では、差分値:ΔD=250あたりのkの値は0.27で固定されている。
このように構成された漸次抑制空間フィルタ処理手段80による画像処理の手順を以下に説明する。なお、画像データがカラー画像データである場合、各画素はR・G・Bといった色成分毎の濃度値を有するので、各色成分毎の処理が必要となるが、説明を簡単化するため、ここでは特定色成分データの処理の形でこの処理を説明する。
この画像処理の流れは、図11に示されているが、まず、フィルムスキャナ20やメディアリーダ21を通じて画像データを取り込んでメモリ30に展開する(#01)。メモリ30に展開された画像データに対して、まず、シェーディング補正などの前処理を施す(#02)。この前処理された画像データが以下の空間フィルタ処理される入力画像データとなる。使用する空間フィルタを選択し(#03)、選択された空間フィルタ及び入力画像データの特性等から最適な漸次抑制係数テーブル(又は漸次抑制係数を求める関数)を選択する(#04)。
メモリ30に展開されている画像データ(入力画像データ)から順次注目画素を設定する(#05)。注目画素及びその周辺画素の画素値を用いて空間フィルタ演算を行って空間フィルタ演算値を算出する(#06)。注目画素の画素値と空間フィルタ演算値との差分値を算出する(#07)。選択された漸次抑制係数テーブル83aを用いて算出した差分値に対応する漸次抑制係数を決定する(#08)。決定された漸次抑制係数を空間フィルタ演算値に乗じて抑制された差分値(変化量)を求め、この抑制された差分値(変化量)を注目画素の画素値に加えて、最終的な空間フィルタ出力値を演算する(#09)。演算された最終空間フィルタ出力値は空間フィルタ出力画素マップに書き込まれる(#10)。
以上のステップ#05〜ステップ#10までの処理がメモリ30に展開された画像データを構成する全ての画素が注目画素として処理され、それらの最終空間フィルタ出力値が空間フィルタ出力画素マップに書き込まれるまで繰り返される(#11No分岐)。全ての画素に対する処理が完了すると(#11Yes分岐)、空間フィルタ出力画素マップに格納された画素値で、入力画像データの画素値が書き換えられ(#12)、この空間フィルタ処理が完了する。
上述した実施の形態では、本発明による漸次抑制空間フィルタ画像処理技術は、印画紙Pに対し、露光エンジンを備えたプリント露光部14で撮影画像の露光を行い、この露光後の印画紙Pを複数の現像処理する、いわゆる銀塩写真プリント方式の写真プリント装置に採用されていたが、もちろん、例えば、フィルムや紙にインクを吐出して画像を形成するインクジェットプリント方式や感熱転写シートを用いた熱転写方式など、種々の写真プリント装置にも採用することができる。
本発明による漸次抑制空間フィルタ処理を受ける前の画像データの入力画素値を示す図 空間フィルタ演算後の画素値を示す図 入力画素値と空間フィルタ演算後の画素値の差分値を示す図 各画素に与えられた漸次抑制係数を示す図 漸次抑制された空間フィルタ処理後の画素値を示す図 本発明による漸次抑制空間フィルタ処理技術を採用した画像処理ユニットを搭載した写真プリント装置の外観図 写真プリント装置のプリントステーションの構成を模式的に示す模式図 写真プリント装置のコントローラ内に構築される機能要素を説明する機能ブロック図 漸次抑制空間フィルタ処理手段の機能構成を示す機能ブロック図 漸次抑制係数を求める2つの関係式による演算結果を示す図 漸次抑制空間フィルタ処理の手順を示すフローチャート
符号の説明
20:フィルムスキャナ
30:メモリ
70:画像処理ユニット
80:漸次抑制空間フィルタ処理手段
81:空間フィルタ選択部
82:空間フィルタ演算部
83:漸次抑制係数決定部
83a:漸次抑制係数テーブル
84:抑制フィルタ処理出力部

Claims (6)

  1. 入力画素値を有する複数の画素からなる入力画像データに空間フィルタを用いた空間フィルタ処理を施して出力画像データを作成する画像処理方法において、
    注目画素に対する前記空間フィルタの演算値を仮値として求めるステップと、前記注目画素の入力画素値と前記仮値との差分値を求めるステップと、前記差分値の絶対値が大きくなるに連れて0より大きく1以下の範囲で下に凸な曲線形状で単調減少する値、または、前記差分値の絶対値の大きさの抑制が不要な範囲である0から所定の値までの前記差分値の絶対値に対しては1であり、前記差分値の絶対値が当該所定の値より大きくなるに連れて0より大きく1以下の範囲で下に凸な曲線形状で単調減少する値を前記差分値の絶対値の大きさを漸次的に抑制する漸次抑制係数として求めるステップと、前記差分値に前記漸次抑制係数を乗じることで得られる数値を前記注目画素の入力画素値に加えることで前記注目画素に対する前記空間フィルタ処理の出力値とするステップと、からなることを特徴とする画像処理方法。
  2. 前記差分値の絶対値の大きさの抑制が不要な範囲である0から所定の値までの前記差分値の絶対値に対しては1であり、前記差分値の絶対値が当該所定の値より大きくなるに連れて0より大きく1以下の範囲で下に凸な曲線形状で単調減少する前記漸次抑制係数が前記差分値をΔDとおいて以下の式によって求められる、その際ΔDは前記差分値で、nは抑制度を示す1以上の正数で、kが漸次抑制係数である、
    Figure 0004324870
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記差分値の絶対値が大きくなるに連れて0より大きく1以下の範囲で下に凸な曲線形状で単調減少する前記漸次抑制係数が前記差分値をΔDとおいて以下の式によって求められる、その際D0は注目画素の入力画素値で、D-rangeは画像データの取りうる画素値範囲で、ΔDは前記差分値で、nは抑制度を示す1以上の正数で、kが漸次抑制係数である、
    Figure 0004324870
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  4. 前記抑制度:nは、使用する空間フィルタの特性又は処理される画像データの特性あるいはその両方の特性に基づいて選択されることを特徴とする請求項又はに記載の画像処理方法。
  5. 入力画素値を有する複数の画素からなる入力画像データに空間フィルタを用いた空間フィルタ処理を施して出力画像データを作成するために、
    注目画素に対する前記空間フィルタの演算値を仮値として求める機能と、前記注目画素の入力画素値と前記仮値との差分値を求める機能と、前記差分値の絶対値が大きくなるに連れて0より大きく1以下の範囲で下に凸な曲線形状で単調減少する値、または、前記差分値の絶対値の大きさの抑制が不要な範囲である0から所定の値までの前記差分値の絶対値に対しては1であり、前記差分値の絶対値が当該所定の値より大きくなるに連れて0より大きく1以下の範囲で下に凸な曲線形状で単調減少する値を前記差分値の絶対値の大きさを漸次的に抑制する漸次抑制係数として求める機能と、前記差分値に前記漸次抑制係数を乗じることで得られる数値を前記注目画素の入力画素値に加えることで前記注目画素に対する前記空間フィルタ処理の出力値とする機能とをコンピュータに実現させる画像処理プログラム。
  6. 入力画素値を有する複数の画素からなる入力画像データに空間フィルタを用いた空間フィルタ処理を施して出力画像データを作成する画像処理装置において、
    注目画素に対する前記空間フィルタの演算値を仮値として求める空間フィルタ演算部と、前記注目画素の入力画素値と前記仮値との差分値を求めるとともに、前記差分値の絶対値が大きくなるに連れて0より大きく1以下の範囲で下に凸な曲線形状で単調減少する値、または、前記差分値の絶対値の大きさの抑制が不要な範囲である0から所定の値までの前記差分値の絶対値に対しては1であり、前記差分値の絶対値が当該所定の値より大きくなるに連れて0より大きく1以下の範囲で下に凸な曲線形状で単調減少する値を前記差分値の絶対値の大きさを漸次的に抑制する漸次抑制係数として求める漸次抑制係数決定部と、前記差分値に前記漸次抑制係数を乗じることで得られる数値を前記注目画素の入力画素値に加えることで前記注目画素に対する前記空間フィルタ処理の出力値とする抑制フィルタ処理出力部とからなることを特徴とする画像処理装置。
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