JP2010010974A - 写真画像処理方法、写真画像処理プログラム、及び写真画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】デジタルカメラで撮影された写真画像データに対して、輪郭がぼけることの無い状態で、粒状のノイズを効果的に抑制できる簡便且つ高速に処理可能な写真画像処理の方法、プログラム、及び装置を提供する。
【解決手段】写真画像データから輝度成分画像データを抽出する輝度成分画像抽出ステップと、輝度成分画像データを、第一のフィルタサイズで移動平均処理して第一平滑化画像データを算出する第一平滑化処理ステップと、第一のフィルタサイズより小さなフィルタサイズで移動平均処理して第二平滑化画像データを算出する第二平滑化処理ステップと、第一平滑化画像データと第二平滑化画像データとを差分演算して第一差分画像データを求める第一差分画像データ生成ステップと、第一差分画像データの各画素値に基づいて輝度成分画像データを補正する補正処理ステップと、を含む写真画像処理方法。
【選択図】図4
【解決手段】写真画像データから輝度成分画像データを抽出する輝度成分画像抽出ステップと、輝度成分画像データを、第一のフィルタサイズで移動平均処理して第一平滑化画像データを算出する第一平滑化処理ステップと、第一のフィルタサイズより小さなフィルタサイズで移動平均処理して第二平滑化画像データを算出する第二平滑化処理ステップと、第一平滑化画像データと第二平滑化画像データとを差分演算して第一差分画像データを求める第一差分画像データ生成ステップと、第一差分画像データの各画素値に基づいて輝度成分画像データを補正する補正処理ステップと、を含む写真画像処理方法。
【選択図】図4
Description
本発明は、写真画像データに含まれる粒状のノイズを抑制する写真画像処理方法、写真画像処理プログラム、及び写真画像処理装置に関する。
デジタルカメラで撮影された画像を観察すると、画像に細かな粒状のノイズが重畳されていることが観察される。特に画像の暗部でざらつくようなノイズが目立ち、暗所でストロボ発光無しで撮影された画像には同様のノイズが画像全体に現れる。
これらのノイズは、撮像素子のリセットノイズや暗電流ノイズ等、素子の特性等に起因して発生するもので、撮影環境が悪い、つまり被写体の照度が低いほどノイズ成分が勝り、さらにゲイン調整によって明るさを補正する場合にノイズが強調されるようになる。
ところで、光学カメラによって撮影されたフィルム画像に含まれる色素雲の大きさに基づいた粒状ムラを抑制する技術として、フィルムスキャナを介してデジタル画像に変換した写真画像データに、解像度に基づいた所定のフィルタサイズのメジアンフィルタやガウシアンフィルタによるフィルタ処理、つまり、ある画素についてその周囲の画素から求めた所定の平均値に置換する処理を画像全体に施すような処理があるが、画像の輪郭部分にメリハリを与える鮮鋭化処理の後にこのようなぼかし処理を行なうと、輪郭までぼやけてしまうので鮮鋭化した意味が無くなり、上述のぼかし処理を行った後に鮮鋭化処理する場合には画像中の細かい構造(ディテール)が消失するといった不都合がある。
そこで、写真画像データを所定画素数でブロック分割して、各領域の平均値と分散値を求め、分散値が小さい平坦な画像領域では強い平滑化処理を施し、分散値が大きい輪郭を含む画像領域では弱い平滑化処理を施すことが考えられるが、この方法によれば、輪郭を含む画像領域がブロック内に存在すると、一律に弱い平滑化処理が実行されるため、輪郭を中心とする所定幅の帯状の領域でノイズ抑制効果が低減されることになり、あまり好ましい結果が得られなかった。
特許文献1には、フィルムスキャナを介してデジタル画像に変換した写真画像データに加重平均フィルタ処理を行なう画像処理方法として、写真画像データを構成するRGB画素成分毎に、注目画素を順次設定するステップと、注目画素を中心とした加重平均フィルタリング処理のための演算領域内に位置する各周辺画素と注目画素との間の画素値の差分値を算定するステップと、差分値に応じて加重平均フィルタリング処理に用いられる重み係数を決定するステップと、重み係数を用いて加重平均フィルタリング処理を実行して注目画素の補正画素値を求めるステップを備えた方法が提案されている。
この方法によれば、注目画素が平坦領域に位置する場合と輪郭領域に位置する場合とでは、注目画素とその周辺画素の画素値に所定の関係があることから、特定の差分値に対して強い影響力を与えるような重み係数を設定することで、平坦領域はもとより輪郭及びその付近においても十分に粒状ノイズを抑制できるとともに写真がもつ細かいディテールと質感が維持される粒状ノイズ抑制が実現可能となる。
特開2006−302023号公報
しかし、デジタルカメラで撮影された写真画像データは、通常、JPEG画像に圧縮される際に、輝度データに対して色差データが1/2または1/4に低減された後に直交変換されるため、輝度データと比べて色差データのデータ量が減少していることと相俟って、色ノイズが輝度ノイズより大きく現れやすく、上述した特許文献1に記載された色成分毎に加重平均フィルタ処理する方法では、輝度ノイズと色ノイズの双方を適切に抑制することが困難であるという問題があった。
本発明は、上述の従来欠点に鑑み、デジタルカメラで撮影された写真画像データに対して、輪郭がぼけることの無い状態で、粒状のノイズを効果的に抑制できる簡便且つ高速に処理可能な写真画像処理方法、写真画像処理プログラム、及び写真画像処理装置を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による写真画像処理方法の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、写真画像データに含まれる粒状のノイズを抑制する写真画像処理方法であって、前記写真画像データから輝度成分画像データを抽出する輝度成分画像抽出ステップと、前記輝度成分画像データを、第一のフィルタサイズで移動平均処理して第一平滑化画像データを算出する第一平滑化処理ステップと、前記輝度成分画像データを、前記第一のフィルタサイズより小さなフィルタサイズで移動平均処理して第二平滑化画像データを算出する第二平滑化処理ステップと、前記第一平滑化画像データと前記第二平滑化画像データとを差分演算して第一差分画像データを求める第一差分画像データ生成ステップと、前記第一差分画像データの各画素値に基づいて前記輝度成分画像データを補正する補正処理ステップと、を含む点にある。
第一平滑化画像データ及び第二平滑化画像データは、ともに輝度成分画像データに含まれていた粒状の輝度ノイズが抑制された画像データとなる。フィルタサイズの大きな移動平均フィルタにより平滑化された第一平滑化画像データは平滑化の程度が高く、輝度成分画像データに含まれていた粒状のノイズが大きく抑制された画像データとなり、被写体の輪郭情報もある程度不明瞭になる。フィルタサイズの小さな移動平均フィルタにより平滑化された第二平滑化画像データは、比較的荒い粒状のノイズが残るが、被写体の輪郭情報はある程度鮮明に保存されている。従って、第一差分画像データ生成ステップで、第一平滑化画像データと第二平滑化画像データの差分演算により求められた第一差分画像データには、被写体の平坦部の輝度データが相殺され、主に輪郭部の輝度情報のみが含まれた画像データとなる。補正処理ステップでは、第一差分画像データ生成ステップで得られた輪郭情報に基づいて輝度成分画像データに含まれる輪郭領域と、それ以外の平坦領域を区分して、平坦領域での粒状のノイズを適正に抑制処理することができるようになる。そのため、例えば、その後に鮮鋭化処理を行なう場合であっても、粒状のノイズによるざらつきが発生することが効果的に抑制されるようになる。
また、前記第一または第二平滑化画像データと前記輝度成分画像データとを差分演算して第二差分画像データを求める第二差分画像データ生成ステップをさらに備え、前記補正処理ステップは、前記第一差分画像データの各画素値の絶対値に対応付けた重み係数で、前記輝度成分画像データと前記第二差分画像データを画素毎に融合処理して輝度ノイズ抑制画像データを生成するように構成することが好ましい。
粒状の輝度ノイズは、ほぼ一画素単位で発生している細かいノイズであるため、第二差分画像データには、細かいノイズ成分の情報と輪郭線の情報が現れる。特に、フィルタサイズの小さな移動平均フィルタにより平滑化された第二平滑化画像データとの差分画像データでは、シャープな輪郭線が得られる。そこで、補正処理ステップでは、第一差分画像データの各画素値の絶対値に対応付けた重み係数、つまり、輪郭線領域とその他の領域で異なる重み係数により、輝度成分画像データと第二差分画像データを画素毎に融合処理すれば、輝度成分画像データの輪郭線領域と平坦領域に対する第二差分画像データの融合の程度を異ならせることができ、平坦領域で粒状の輝度ノイズを効果的に抑制した輝度ノイズ抑制画像データを生成することができる。このとき、融合処理では、重み係数に基づいて、輝度成分画像データの粒状のノイズ成分が第二差分画像データの粒状のノイズ成分で打ち消されるようになるのである。
前記輝度成分画像抽出ステップは、前記写真画像データを構成する各画素のRGB成分の夫々をYCbCr成分に変換するRGB‐YCbCr変換処理ステップを含み、前記RGB‐YCbCr変換処理ステップで変換された輝度成分を前記輝度成分画像データとして抽出するものであり、前記RGB‐YCbCr変換処理ステップで得られた色差成分画像データの夫々を、所定のフィルタサイズの加重平均フィルタでフィルタ処理して色ノイズ抑制画像データを生成する色ノイズ抑制処理ステップと、前記輝度ノイズ抑制画像データと前記色ノイズ抑制画像データから得られる各画素のYCbCr成分の夫々をRGB成分に逆変換するYCbCr‐RGB逆変換処理ステップをさらに含むことが好ましい。
これにより、色ノイズをも適正に抑制することができるようになる。このような加重平均フィルタとしてガウシアンフィルタやバイラテラルフィルタを好適に用いることができる。
さらに、前記加重平均フィルタは、フィルタサイズ内の中心画素と周辺画素の差分が、零または画像の輪郭部か否かを判断する所定の閾値近傍で大きなフィルタ係数となり、前記閾値からずれるほどに小さなフィルタ係数となるように、対象画像に応じて動的に決定されるフィルタであることが好ましい。
本願発明者は、注目画素とその周辺画素の画素値の差分に基づいて輪郭に近い領域であるか離れた領域であるかを見出すことができることを知見している。つまり、フィルタサイズ内の中心画素と周辺画素の差分が、零または画像の輪郭部か否かを判断する所定の閾値近傍で大きなフィルタ係数に設定し、閾値からずれるほどに小さなフィルタ係数となるように設定することにより、平坦領域はもとより輪郭及びその付近においても十分に粒状のノイズを抑制できるようになるのである。
本発明による写真画像処理プログラムの特徴構成は、同請求項5に記載した通り、写真画像データに含まれる粒状のノイズを抑制する写真画像処理プログラムであって、前記写真画像データから輝度成分画像データを抽出する輝度成分画像抽出ステップと、前記輝度成分画像データを、第一のフィルタサイズで移動平均処理して第一平滑化画像データを算出する第一平滑化処理ステップと、前記輝度成分画像データを、前記第一のフィルタサイズより小さなフィルタサイズで移動平均処理して第二平滑化画像データを算出する第二平滑化処理ステップと、前記第一平滑化画像データと前記第二平滑化画像データとを差分演算して第一差分画像データを求める第一差分画像データ生成ステップと、前記第一または第二平滑化画像データと前記輝度成分画像データとを差分演算して第二差分画像データを求める第二差分画像データ生成ステップと、前記第一差分画像データの各画素値の絶対値に対応付けた重み係数で、前記輝度成分画像データと前記第二差分画像データを画素毎に融合処理して輝度ノイズ抑制画像データを生成する補正処理ステップと、をコンピュータに実行させる点にある。
本発明による写真画像処理装置の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、写真画像データに含まれる粒状のノイズを抑制する写真画像処理装置であって、前記写真画像データから輝度成分画像データを抽出する輝度成分画像抽出部と、前記輝度成分画像データを、第一のフィルタサイズで移動平均処理して第一平滑化画像データを算出する第一平滑化処理部と、前記輝度成分画像データを、前記第一のフィルタサイズより小さなフィルタサイズで移動平均処理して第二平滑化画像データを算出する第二平滑化処理部と、前記第一平滑化画像データと前記第二平滑化画像データとを差分演算して第一差分画像データを求める第一差分画像データ生成部と、前記第一または第二平滑化画像データと前記輝度成分画像データとを差分演算して第二差分画像データを求める第二差分画像データ生成部と、前記第一差分画像データの各画素値の絶対値に対応付けた重み係数で、前記輝度成分画像データと前記第二差分画像データを画素毎に融合処理して輝度ノイズ抑制画像データを生成する補正処理部と、を含む点にある。
以上説明した通り、本発明によれば、写真画像データに対して、輪郭がぼけることの無い状態で、粒状のノイズを効果的に抑制できる簡便且つ高速に処理可能な写真画像処理方法、写真画像処理プログラム、及び写真画像処理装置を提供することができるようになった。
以下に本発明による写真画像処理装置の実施の形態を説明する。
図1に示すように、写真画像処理装置1は、印画紙Pに対して出力画像データに基づいた露光処理を行ない、露光された印画紙を現像処理して写真プリントを生成出力する写真プリンタ2と、写真画像に対するプリントオーダ情報を設定入力するとともに、各種の画像補正処理を行ない、原画像から編集処理した出力画像データを写真プリンタ2に出力する操作ステーション3を備えて構成されている。
操作ステーション3は、現像済みの写真フィルムFから画像を読み込むフィルムスキャナ31と、デジタルスチルカメラ等で撮影された画像データが格納されたメモリカード等の画像データ記憶メディアMから画像データを読み取るメディアドライバ32と、コントローラ33としての汎用コンピュータ等を備えている。
図1及び図2に示すように、写真プリンタ2は、ロール状の印画紙Pを収容した二系統の印画紙マガジン21と、印画紙マガジン21から引き出された印画紙Pを所定のプリントサイズに切断するシートカッター22と、切断後の印画紙Pの背面にコマ番号等のプリント情報を印字するバックプリント部23と、プリントデータに基づいて印画紙Pを露光する露光部24と、露光後の印画紙Pを現像、漂白、定着するための各処理液が充填された複数の処理槽25a、25b、25cを備えた現像処理部25が印画紙Pの搬送経路に沿って配置され、現像処理後に乾燥処理された印画紙Pが排出される横送りコンベア26と、横送りコンベア26に集積された複数枚の印画紙(写真プリント)Pがオーダー単位で仕分けられるソータ27を備えている。
露光部24には、搬送機構28によって副走査方向に搬送される印画紙Pに対して、搬送方向に直交する主走査方向に前記プリントデータに基づき変調されたRGB三色のレーザ光線束を出力して露光する露光ヘッド24aが収容されている。
搬送経路に沿って配置された露光部24や現像処理部25に、所定のプロセス速度で印画紙Pを搬送する複数のローラ対でなる搬送機構28が配置され、露光部24の前後には印画紙Pを複列に搬送可能なチャッカー式搬送機構28aが設けられている。
操作ステーション3に設けられたコントローラ33には、汎用のオペレーティングシステムの管理下で動作し、写真処理装置1の各種の画像処理や入出力制御を実行するための複数のアプリケーションプログラムがインストールされ、オペレータとの操作インターフェースとしてモニタ34、キーボード35、マウス36等が接続されている。当該アプリケーションプログラムに本発明による画像処理プログラムが含まれる。
コントローラ33は、そのハードウェア及びソフトウェアが協働して写真処理プロセスを実行するブロックで、以下に、各機能ブロックに分けて説明する。
図3に示すように、コントローラ33は、フィルムスキャナ31やメディアドライバ32によって読み取られた原画像としての写真画像データを受け取り、所定の前処理を行なってメモリ41に転送する画像入力部40と、モニタ34の画面にプリントオーダ情報や画像編集情報を表示するとともに、それらに対して必要なデータ入力のための操作用アイコンを表示するグラフィック操作画面を生成し、或いは表示されたグラフィック操作画面に対するキーボード35やマウス36からの入力操作に基づいて各種の制御コマンドを生成するグラフィックユーザーインターフェース部42と、画像入力部40から転送される写真画像データ及び画像処理部47による補正処理後の写真画像データやそのときの補正パラメータ、更には設定されたプリントオーダ情報等が所定領域に区画されて格納されるメモリ41と、プリントオーダ情報を生成するオーダー処理部43と、メモリ41に格納された各写真画像データに対してコマ画像毎または所定枚数のコマ画像に濃度補正処理やコントラスト補正処理等を行なう画像処理部47を備えている。
さらに、グラフィックユーザーインターフェース部42からの表示コマンドに基づいてメモリ41に展開された画像データや各種の入出力用グラフィックデータ等をモニタ34に表示処理するビデオRAM等を備えた表示制御部46と、各種の補正処理が終了した最終の補正画像を写真プリンタ2に出力するためのプリントデータを生成するプリントデータ生成部44と、顧客のオーダーに応じて最終の補正画像をCD−R等の記憶媒体に書き込むためのファイル形式に変換するフォーマッタ部45等を備えている。
フィルムスキャナ31は、フィルムFに記録された画像を低解像度ではあるものの高速で読み取るプレスキャンモードと、低速ではあるものの高解像度で読み取る本スキャンモードの二モードで作動するように構成され、プレスキャンモードで読み込まれた低解像度の画像に対して各種の補正処理が行なわれ、その際に前記メモリ41に記憶された補正パラメータに基づいて本スキャンモードで読み込まれた高解像度の画像に対する最終の補正処理が実行されてプリンタ2に出力される。
同様に、メディアドライバ32から読み込まれた画像ファイルには高解像度の撮影画像とそのサムネイル画像が含まれ、サムネイル画像に対して後述の各種の補正処理が行なわれ、その際にメモリ41に記憶された補正パラメータに基づいて高解像度の撮影画像に対する最終の補正処理が実行される。尚、画像ファイルにサムネイル画像が含まれないときには、画像入力部40で高解像度の撮影画像からサムネイル画像が生成されてメモリ41に転送される。
このように、頻繁に試行錯誤される各種の編集処理が低解像度の画像に対して実行されることによりコントローラ33の演算負荷が低減されるように構成されている。
画像処理部47には、メモリ41に格納された原画像である写真画像データに対して撮影レンズに起因する歪を補正する歪補正部50と、粒状ノイズを抑制する粒状ノイズ抑制処理部51と、画像のエッジを強調し、ノイズを抑制する鮮鋭化処理部52と、自然なカラーを再現できるようにカラーバランスを調整するカラー補正部53と、写真プリントのサイズに適した画像サイズに変換する拡縮処理部54等の複数の画像処理ブロックを備えている。
粒状ノイズ抑制処理部51は、写真フィルムFから本スキャンモードで読み込まれた画像データに含まれる粒状ノイズを抑制するフィルム画像用の粒状ノイズ抑制処理部51と、本発明による画像処理装置として機能し、メディアドライバ32から読み込まれた高解像度の画像データに含まれる粒状ノイズを抑制するデジタルカメラ撮影画像用の粒状ノイズ抑制処理部51を備えている。
以下、メディアドライバ32から入力されるデジタルカメラで撮影された写真画像データの処理について詳述する。
メディアドライバ32から読み込まれた複数のサムネイル画像データ及び高解像度の画像データがメモリ41に格納されると、モニタ34の画面にサムネイル画像データに基づく数コマの写真画像とグラフィック操作画面が表示される。尚、通常、メディアに格納されているデジタル画像はJPEG方式により圧縮されているため、逆変換して伸長処理した画像データが格納される。
モニタ34の画面に表示された各コマ画像に対して、グラフィック操作画面に対するオペレータの操作を介してオーダー処理部43によりプリント条件、つまり、プリント枚数やプリントサイズ等が設定される。
さらに、各コマ画像に対して、オペレータの操作を介して画像処理部47により歪補正、鮮鋭化処理、カラー補正が実行され、このとき設定された画像の補正処理条件がメモリ41に格納される。
モニタ34の画面に表示された各コマ画像に対するプリント条件の設定や補正処理の操作が終了すると、次画面にスクロールして、全コマ画像に対して同様の処理が実行される。
全ての操作処理が終了し、グラフィック操作画面を介してプリント出力操作が行なわれると、メモリ41に格納されている高解像度の写真画像データに対して、歪補正、粒状ノイズ抑制処理、鮮鋭化処理、カラー補正処理、拡縮処理等の画像処理が順番に実行され、プリントデータ生成部44によって画像処理後の画像データがプリントデータに変換生成され、写真プリンタ2に出力される。
高解像度の写真画像データに対する歪補正、鮮鋭化処理、カラー補正処の夫々は、サムネイル画像に対して設定された補正処理条件、つまりメモリ41に格納された補正処理条件に基づいて自動的に補正処理が実行される。
以下、本発明によるデジタルカメラ撮影画像用の粒状ノイズ抑制処理部51について詳述するが、写真フィルムFから本スキャンモードで読み込まれた写真画像データも同様の処理を行なうことが可能である。
図4に示すように、粒状ノイズ抑制処理部51は、写真画像データを構成する各画素のRGB色成分を、YCbCrの輝度色差成分に変換し、輝度成分画像データを出力する輝度成分画像抽出部510と、輝度成分画像抽出部510で得られた輝度成分画像データを、第一のフィルタサイズで移動平均処理して第一平滑化画像データを算出する第一平滑化処理部511と、輝度成分画像データを、第一のフィルタサイズより小さなフィルタサイズで移動平均処理して第二平滑化画像データを算出する第二平滑化処理部512と、第一平滑化画像データと第二平滑化画像データとを差分演算して第一差分画像データを求める第一差分画像データ生成部513と、第一または第二平滑化画像データと輝度成分画像データとを差分演算して第二差分画像データを求める第二差分画像データ生成部515と、
第一差分画像データの各画素値の絶対値に対応付けた重み係数で、輝度成分画像データと第二差分画像データを画素毎に融合処理して輝度ノイズ抑制画像データを生成する補正処理部514と、を備えている。
第一差分画像データの各画素値の絶対値に対応付けた重み係数で、輝度成分画像データと第二差分画像データを画素毎に融合処理して輝度ノイズ抑制画像データを生成する補正処理部514と、を備えている。
輝度成分画像抽出部510は、写真画像データを構成する各画素のRGB色成分を、YCbCrの輝度色差成分に変換するRGB−YCbCr変換処理部517と、RGB−YCbCr変換処理部517で得られた色差成分画像データの夫々を、所定のフィルタサイズの加重平均フィルタでフィルタ処理して色ノイズ抑制画像データを生成する色差フィルタ処理部516(516a,516b)を備えている。
さらに、輝度成分画像抽出部510は、補正処理部514から得られた輝度ノイズ抑制画像データと色差フィルタ処理部516から得られた色ノイズ抑制画像データから、各画素のYCbCr成分の夫々を得て、RGB成分に逆変換するYCbCr−RGB変換処理部518を備えている。
RGB−YCbCr変換処理部517は、以下の変換式に基づいて、メモリ41から読み出した高解像度の原画像である写真画像データ(例えば、800万画素であれば、横3264画素×縦2448画素程度である)を構成する各画素のR(赤)、G(緑)、B(青)の夫々の色成分(以下、「RGB」と記す。)を、輝度色差成分に変換してメモリ41に格納する。
Y = 0.29900R+0.58700G+0.11400B
Cb = −0.16874R−0.33126G+0.50000B
Cr = 0.50000R−0.41869G−0.08131B
Y = 0.29900R+0.58700G+0.11400B
Cb = −0.16874R−0.33126G+0.50000B
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第一平滑化処理部511は、図5(a)に例示するように、輝度成分画像データに対して、9×9程度の第一のフィルタサイズの移動平均フィルタを利用して移動平均処理を実行し、第一平滑化画像データを生成する。
フィルタサイズの大きな移動平均フィルタにより平滑化された第一平滑化画像データは平滑化の程度が高く、輝度成分画像データに含まれていた粒状のノイズが大きく抑制された画像データとなり、被写体の輪郭情報もある程度不明瞭になる。
第二平滑化処理部512は、図5(b)に例示するように、輝度成分画像データに対して、5×5程度の第一のフィルタサイズより小さなフィルタサイズの移動平均フィルタを利用して移動平均処理を実行し、第二平滑化画像データを生成する。
フィルタサイズの小さな移動平均フィルタにより平滑化された第二平滑化画像データは、比較的荒い粒状のノイズが残るが、被写体の輪郭情報はある程度鮮明に保存される。
第一差分画像データ生成部513は、第一平滑化画像データと第二平滑化画像データとの差分を演算する。演算結果の第一差分画像データは、被写体の平坦部の輝度データが相殺され、主に輪郭部の輝度情報のみが含まれた画像データとなる。
第二差分画像データ生成部515は、第一または第二平滑化画像データと輝度成分画像データとの差分を演算する。粒状の輝度ノイズは、ほぼ一画素単位で発生している細かいノイズであるため、演算結果である第二差分画像データには、細かいノイズ成分の情報と輪郭線の情報が現れる。特に、フィルタサイズの小さな移動平均フィルタにより平滑化された第二平滑化画像データとの差分画像データでは、シャープな輪郭線が得られる。
補正処理部514は、まず、第一差分画像データに対して、例えば、ラプラシアンフィルタ処理やソーベルのエッジ検出オペレータ、あるいは、鮮鋭化処理をかけることにより、輪郭線領域を高速に検出する。続いて、検出された輪郭線領域の各画素値の絶対値に対応付けた重み係数、つまり、輪郭線領域とその他の領域で異なる重み係数を決定する。
続いて、第二差分画像データの加算率を決定された重み係数で抑制しながら、第二差分画像データと輝度成分画像データを画素毎に融合処理する。当該融合処理の結果、重み係数に基づいて、輝度成分画像データの粒状のノイズ成分が第二差分画像データの粒状のノイズ成分で打ち消されることになり、また、輝度成分画像データの輪郭線領域と平坦領域に対する第二差分画像データの融合の程度が異なることにより、平坦領域で粒状の輝度ノイズを効果的に抑制した輝度ノイズ抑制画像データが生成される。
色差フィルタ処理部516(516a,516b)は、RGB−YCbCr変換処理部517から得られた色差成分画像データの夫々に対して、例えば、9×9或いは11×11程度のフィルタサイズの加重平均フィルタでフィルタ処理を実行し、色ノイズ抑制画像データを生成する。
通常、JPEG方式では、YCrCb変換された画素を8×8のブロック毎にDCT変換し、得られた周波数成分を量子化し、ジグザグスキャンにより配列された量子化データをハフマン符合化するが、各ブロック内の色差データはDCT変換する前に輝度データの1/4に間引き処理される。人間の目が細かな輝度の違いには敏感であるのに対して、色相の細かな違いには比較的気付かないという特性に基づいて、色差データを削減するためである。
従って、デジタルカメラで撮影された写真画像に現れるざらつきの原因である粒状のノイズを輝度ノイズと色ノイズに分けると、輝度ノイズが略一画素単位で現れるのに対して、色ノイズは比較的大きな画素サイズで現れ、その傾向がDCT変換時のブロックサイズと相関を持つという特性が見られる。
そのため、色ノイズを抑制するためには、フィルタサイズをJPEGによる圧縮のためのブロックサイズより大きなフィルタサイズに設定することが好ましく、本実施形態では、9×9或は11×11程度のフィルタサイズに設定されている。
加重平均フィルタとして、一般的なガウシアンフィルタや被写体の輪郭の保存特性に優れたバイラテラルフィルタを採用することも可能であるが、本実施形態では、被写体の輪郭をぼかすことなく、輪郭に近い領域まで粒状のノイズを適切に抑制可能な動的フィルタを用いている。
フィルタサイズ内の中心画素と周辺画素の差分が、零または画像の輪郭部か否かを判断する所定の閾値近傍で大きなフィルタ係数となり、閾値からずれるほどに小さなフィルタ係数となるように、対象画像データに応じて動的に決定される加重平均フィルタである。
図6(a)(b)に示すように、当該加重平均フィルタのフィルタ係数Fi,jは、中心画素P0,0と周辺画素Pi,jの画素値の差分に応じて0から1の範囲の値が出力される係数決定関数(Fi,j=f(Δ))に基づいて決定される。尚、実際には、係数決定関数に従って差分Δに対応したフィルタ係数が予め定義されたテーブルデータを参照することにより各フィルタ係数が決定される。
図7に示すように、係数決定関数は、注目画素P0,0とその周辺画素Pi,jの画素値の差分Δに基づいて、被写体の輪郭に近い領域であるか離れた領域であるかを判断し、差分Δが0のとき、つまり中心画素と周辺画素の色差値が等しいときにフィルタ係数Fi,jが1に設定されるとともに、中心画素と周辺画素の色差値が予め設定した閾値と等しいときにフィルタ係数Fi,jが1に設定され、中心画素と周辺画素の色差値が閾値から小さくなるほどフィルタ係数Fi,jが小さな値に設定されるような関数で、閾値を中心とする所定幅では、フィルタ係数が1から次第に小さくなるガウス関数として定義されている。
当該閾値は、原画像データの隣接画素同士に色相差がある場合、その差を「ノイズ」と認識するか「被写体の一部」と認識するかの境界を示す値として、多くのサンプル画像に対する感応検査等の統計的手法を用いて求められた値で、当該閾値より差分が十分に大きいときには、被写体の輪郭を表す画素である確率が高く、当該閾値より差分が小さいときには、粒状のノイズである確率が高いと判断するための指標である。
当該閾値は、各画素の色差を0から255の8ビットの数値として表す場合に、10から20の間の値、特に16程度の値を採用することが好ましい。差分Δが1または2の微小値である場合にはノイズと認識されるが、それほど大きな値ではないため、逆にそのまま残すことにより、適度なざらつきを維持して、のっぺりとした平坦部となるような不都合を回避することができる。
このように、色差フィルタ処理部516は、所定のフィルタサイズの加重平均フィルタにより、処理対象画像データの一行目の左端の画素から行方向に配列された各画素を、順次注目画素として加重平均フィルタ処理を繰り返し、右端の画素まで処理が終了すると二行目の左端の画素から行方向に同様の処理を行ない、最終行の右端の画素まで処理を繰り返す。
このような処理を行なうことにより、被写体の輪郭領域の近傍まで適切に粒状のノイズを抑制することができるようになる。
尚、処理対象画像データの端部領域では、実際の画素が存在しないため、端部画素と同じ画素値のダミー画素を生成して処理されるが、実際にプリントされる有効画像サイズは原画像サイズよりやや小さいサイズとなるので、プリント画像に影響を与えるものではない。
YCbCr−RGB変換処理部518は、補正処理部514で得られた輝度ノイズ抑制画像データと、色差フィルタ処理部516で得られた色ノイズ抑制画像データで構成される補正後の新たな輝度色差成分を、次式に基づいてRGB色成分に逆変換して、鮮鋭化処理部52に出力する。
R = Y−0.000007Cb+1.401998Cr
G = Y−0.344133Cb−0.714138Cr
B = Y+1.772003Cb+0.000015Cr
R = Y−0.000007Cb+1.401998Cr
G = Y−0.344133Cb−0.714138Cr
B = Y+1.772003Cb+0.000015Cr
以下に、上述した粒状ノイズ抑制処理部51による各処理の手順を、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、写真画像データを構成する各画素のRGB色成分データが、輝度成分画像抽出部510に入力されると、輝度成分画像抽出ステップ(S1)が実行される。
輝度成分画像抽出ステップ(S1)は、RGB‐YCbCr変換処理ステップ(S11)と、色ノイズ抑制処理ステップ(S12)と、YCbCr‐RGB変換処理ステップ(S13)で構成される。
RGB‐YCbCr変換処理ステップ(S11)が実行されると、入力された各画素のRGB成分の夫々がYCbCr成分に変換され、輝度成分画像データと色差成分画像データが出力される。
出力された輝度成分画像データが第一平滑化処理部511に入力されると、第一平滑化処理ステップが実行され、第一のフィルタサイズで移動平均処理された第一平滑化画像データと入力された輝度成分画像データが、第二平滑化処理部512と第二差分画像データ生成部515に出力される(S2)。
第一平滑化画像データと輝度成分画像データが第二平滑化処理部512に入力されると、第二平滑化処理ステップが実行され、第一のフィルタサイズより小さなフィルタサイズで移動平均処理された第二平滑化画像データと、入力された第一平滑化画像データと輝度成分画像データが、第一差分画像データ生成部513と第二差分画像データ生成部515に出力される(S3)。
出力された輝度成分画像データと第一平滑化画像データと第二平滑化画像データが第一差分画像データ生成部513に入力されると、第一差分画像データ生成ステップが実行され、第一平滑化画像データと第二平滑化画像データとを差分演算して求められた第一差分画像データと、入力された輝度成分画像データが、補正処理部514に出力される。(S4)
出力された輝度成分画像データと第一平滑化画像データと第二平滑化画像データが第二差分画像データ生成部515に入力されると、第二差分画像データ生成ステップが実行され、第一または第二平滑化画像データと輝度成分画像データとを差分演算して求められた第二差分画像データが、補正処理部514に出力される。(S6)
第一差分画像データ生成ステップ(S4)と第二差分画像データ生成ステップ(S6)から出力された、輝度成分画像データと第一差分画像データと第二差分画像データが補正処理部514に入力されると、補正処理ステップ(S5)が実行される。
補正処理ステップ(S5)は、重み係数決定ステップ(S51)と融合処理ステップ(S52)で構成される。
まず、重み係数決定ステップ(S51)が実行され、入力された第一差分画像データに対して、ラプラシアンフィルタ処理やソーベルのエッジ検出オペレータなどの鮮鋭化処理がかけられた後、各画素値の絶対値に対応付けた重み係数が出力される。
続いて、融合処理ステップ(S52)が実行され、重み係数決定ステップ(S51)で出力された重み係数を利用して、第二差分画像データの加算率を抑制しながら、輝度成分画像データと第二差分画像データが画素毎に融合処理され、融合処理の結果である輝度ノイズ抑制画像データが、YCbCr−RGB変換処理部518に出力される。
一方、RGB‐YCbCr変換処理ステップ(S11)で出力された色差画像成分データは、色差フィルタ処理部516(516a、516b)に出力され、色ノイズ抑制処理ステップ(S12)が実行される。
色ノイズ抑制処理ステップ(S12)は、画素差分データ算出処理ステップ(S121)と、フィルタ係数決定処理ステップ(S122)と、加重平均フィルタ処理ステップ(S123)で構成される。
まず、画素差分データ算出処理ステップ(S121)が実行され、図6(a)に示すように、所定の加重平均フィルタサイズに応じて、入力された輝度成分画像データの中心画素P0,0と周辺画素Pi,jの画素値の差分Δが算出される。
続いて、フィルタ係数決定処理ステップ(S122)が実行され、図6(b)、図7に示すように、所定の係数決定関数に従って差分Δに対応したフィルタ係数が予め定義されたテーブルデータを参照することにより各フィルタ係数Fi,jが決定される。
続いて、加重平均フィルタ処理ステップ(S123)が実行され、フィルタ係数決定処理ステップ(S122)で決定された加重平均フィルタを利用したフィルタ処理が実行され、実行結果である色ノイズ抑制画像データがYCbCr−RGB変換処理部518に出力される。
補正処理部514から出力された輝度ノイズ抑制画像データと、色差フィルタ処理部516から出力された色ノイズ抑制画像データがYCbCr−RGB変換処理部518に入力されると、YCbCr‐RGB変換処理ステップが実行され、RGB色成分データが出力される(S13)。
上述した粒状ノイズ抑制処理部51による各処理は、コントローラ33に備えたハードディスクにインストールされた本発明の写真画像処理プログラムが実行されることにより実現される。
つまり、写真画像データに含まれる粒状のノイズを抑制する写真画像処理プログラムであって、写真画像データから輝度成分画像データを抽出する輝度成分画像抽出ステップ(S1)と、輝度成分画像データを、第一のフィルタサイズで移動平均処理して第一平滑化画像データを算出する第一平滑化処理ステップ(S2)と、輝度成分画像データを、第一のフィルタサイズより小さなフィルタサイズで移動平均処理して第二平滑化画像データを算出する第二平滑化処理ステップ(S3)と、第一平滑化画像データと第二平滑化画像データとを差分演算して第一差分画像データを求める第一差分画像データ生成ステップ(S4)と、第一または第二平滑化画像データと輝度成分画像データとを差分演算して第二差分画像データを求める第二差分画像データ生成ステップ(S6)と、第一差分画像データの各画素値の絶対値に対応付けた重み係数で、輝度成分画像データと第二差分画像データを画素毎に融合処理して輝度ノイズ抑制画像データを生成する補正処理ステップ(S5)と、をコンピュータに実行させる写真画像処理プログラムが記憶されたCDやDVD等の記憶媒体を介してインストールされている。
図9(a)に示す原画像に対して、第一平滑化処理ステップ(S2)で5×5のフィルタサイズの移動平均フィルタによる移動平均処理を行った第一平滑化画像データを示す写真画像を図9(b)、第二平滑化処理ステップ(S3)で3×3のフィルタサイズの移動平均フィルタによる移動平均処理を行った第二平滑化画像データを示す写真画像を図9(c)に例示する。
図9(b)では、まぶたや目じり付近の肌にあった影のようなノイズが大きく抑制されていることがわかる。さらに、頬の輪郭もある程度不明瞭になり、ぼやけていることがわかる。一方、図9(c)では、額部分に影のような粗い粒状のノイズが残っているが、頬の輪郭は鮮明になっていることがわかる。
上述の結果を利用し、第一差分画像データ生成ステップ(S4)によって、第一平滑化画像データと第二平滑化画像データとを差分演算した結果である第一差分画像データを図9(e)に例示する。図9(e)では、背景や頬などの平坦部の輝度データが相殺されてグレー表示され、主に輪郭部の輝度情報のみが表示されていることがわかる。
また、第二差分画像データ生成ステップ(S6)により、第一平滑化画像データと原画像データとを差分演算した結果である第二差分画像データを図9(f)に例示する。図9(f)では、輪郭線の情報だけでなく、細かいノイズが現れていることがわかる。
そこで、補正処理ステップ(S5)により、図9(e)をさらにラプラシアンフィルタ処理あるいはソーベルのエッジ検出オペレータなどの鮮鋭化処理をかけて輪郭領域を強調し、各画素値の絶対値に対応付けた重み係数、つまり、輪郭線領域とその他の領域で異なる重み係数を算出する。続いて、第二差分画像データの加算率を当該重み係数で抑制しながら、第二差分画像データと原画像データを画素毎に融合処理した結果を図9(d)に示す。
図9(d)に示すように、額のような平坦領域に見られる適度なノイズが残り、のっぺりとした感がなくなり適度なざらつき感が残っていることがわかる。一方、頬の輪郭は鮮明に表示され、まぶた辺りの影のようなノイズも適度に抑制されており、のっぺりとしていないことがわかる。
尚、上述した実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において各ブロックの具体的構成等を適宜変更設計できることは言うまでもない。
1:写真画像処理装置
51:粒状ノイズ抑制処理部
510:輝度成分画像抽出部
511:第一平滑化処理部
512:第二平滑化処理部
513:第一差分画像データ生成部
514:補正処理部
515:第二差分画像データ生成部
516:色差フィルタ処理部
517:RGB‐YCbCr変換処理部
518:YCbCr‐RGB変換処理部
S1:輝度成分画像抽出ステップ
S2:第一平滑化処理ステップ
S3:第二平滑化処理ステップ
S4:第一差分画像データ生成ステップ
S5:補正処理ステップ
S6:第二差分画像データ生成ステップ
S11:RGB‐YCbCr変換処理ステップ
S12:色ノイズ抑制処理ステップ
S13:YCbCr‐RGB変換処理ステップ
51:粒状ノイズ抑制処理部
510:輝度成分画像抽出部
511:第一平滑化処理部
512:第二平滑化処理部
513:第一差分画像データ生成部
514:補正処理部
515:第二差分画像データ生成部
516:色差フィルタ処理部
517:RGB‐YCbCr変換処理部
518:YCbCr‐RGB変換処理部
S1:輝度成分画像抽出ステップ
S2:第一平滑化処理ステップ
S3:第二平滑化処理ステップ
S4:第一差分画像データ生成ステップ
S5:補正処理ステップ
S6:第二差分画像データ生成ステップ
S11:RGB‐YCbCr変換処理ステップ
S12:色ノイズ抑制処理ステップ
S13:YCbCr‐RGB変換処理ステップ
Claims (6)
- 写真画像データに含まれる粒状のノイズを抑制する写真画像処理方法であって、
前記写真画像データから輝度成分画像データを抽出する輝度成分画像抽出ステップと、
前記輝度成分画像データを、第一のフィルタサイズで移動平均処理して第一平滑化画像データを算出する第一平滑化処理ステップと、
前記輝度成分画像データを、前記第一のフィルタサイズより小さなフィルタサイズで移動平均処理して第二平滑化画像データを算出する第二平滑化処理ステップと、
前記第一平滑化画像データと前記第二平滑化画像データとを差分演算して第一差分画像データを求める第一差分画像データ生成ステップと、
前記第一差分画像データの各画素値に基づいて前記輝度成分画像データを補正する補正処理ステップと、
を含む写真画像処理方法。 - 前記第一または第二平滑化画像データと前記輝度成分画像データとを差分演算して第二差分画像データを求める第二差分画像データ生成ステップをさらに備え、
前記補正処理ステップは、前記第一差分画像データの各画素値の絶対値に対応付けた重み係数で、前記輝度成分画像データと前記第二差分画像データを画素毎に融合処理して輝度ノイズ抑制画像データを生成する請求項1記載の写真画像処理方法。 - 前記輝度成分画像抽出ステップは、前記写真画像データを構成する各画素のRGB成分の夫々をYCbCr成分に変換するRGB‐YCbCr変換処理ステップを含み、前記RGB‐YCbCr変換処理ステップで変換された輝度成分を前記輝度成分画像データとして抽出するものであり、
前記RGB‐YCbCr変換処理ステップで得られた色差成分画像データの夫々を、所定のフィルタサイズの加重平均フィルタでフィルタ処理して色ノイズ抑制画像データを生成する色ノイズ抑制処理ステップと、
前記輝度ノイズ抑制画像データと前記色ノイズ抑制画像データから得られる各画素のYCbCr成分の夫々をRGB成分に逆変換するYCbCr‐RGB逆変換処理ステップをさらに含む請求項1または2記載の写真画像処理方法。 - 前記加重平均フィルタは、フィルタサイズ内の中心画素と周辺画素の差分が、零または画像の輪郭部か否かを判断する所定の閾値近傍で大きなフィルタ係数となり、前記閾値からずれるほどに小さなフィルタ係数となるように、対象画像に応じて動的に決定されるフィルタである請求項3記載の写真画像処理方法。
- 写真画像データに含まれる粒状のノイズを抑制する写真画像処理プログラムであって、
前記写真画像データから輝度成分画像データを抽出する輝度成分画像抽出ステップと、
前記輝度成分画像データを、第一のフィルタサイズで移動平均処理して第一平滑化画像データを算出する第一平滑化処理ステップと、
前記輝度成分画像データを、前記第一のフィルタサイズより小さなフィルタサイズで移動平均処理して第二平滑化画像データを算出する第二平滑化処理ステップと、
前記第一平滑化画像データと前記第二平滑化画像データとを差分演算して第一差分画像データを求める第一差分画像データ生成ステップと、
前記第一または第二平滑化画像データと前記輝度成分画像データとを差分演算して第二差分画像データを求める第二差分画像データ生成ステップと、
前記第一差分画像データの各画素値の絶対値に対応付けた重み係数で、前記輝度成分画像データと前記第二差分画像データを画素毎に融合処理して輝度ノイズ抑制画像データを生成する補正処理ステップと、
をコンピュータに実行させる写真画像処理プログラム。 - 写真画像データに含まれる粒状のノイズを抑制する写真画像処理装置であって、
前記写真画像データから輝度成分画像データを抽出する輝度成分画像抽出部と、
前記輝度成分画像データを、第一のフィルタサイズで移動平均処理して第一平滑化画像データを算出する第一平滑化処理部と、
前記輝度成分画像データを、前記第一のフィルタサイズより小さなフィルタサイズで移動平均処理して第二平滑化画像データを算出する第二平滑化処理部と、
前記第一平滑化画像データと前記第二平滑化画像データとを差分演算して第一差分画像データを求める第一差分画像データ生成部と、
前記第一または第二平滑化画像データと前記輝度成分画像データとを差分演算して第二差分画像データを求める第二差分画像データ生成部と、
前記第一差分画像データの各画素値の絶対値に対応付けた重み係数で、前記輝度成分画像データと前記第二差分画像データを画素毎に融合処理して輝度ノイズ抑制画像データを生成する補正処理部と、
を含む写真画像処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008166624A JP2010010974A (ja) | 2008-06-25 | 2008-06-25 | 写真画像処理方法、写真画像処理プログラム、及び写真画像処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008166624A JP2010010974A (ja) | 2008-06-25 | 2008-06-25 | 写真画像処理方法、写真画像処理プログラム、及び写真画像処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010010974A true JP2010010974A (ja) | 2010-01-14 |
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ID=41590952
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008166624A Withdrawn JP2010010974A (ja) | 2008-06-25 | 2008-06-25 | 写真画像処理方法、写真画像処理プログラム、及び写真画像処理装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111415317A (zh) * | 2020-03-20 | 2020-07-14 | 苏州杰锐思智能科技股份有限公司 | 图像处理方法及装置、电子设备、计算机可读存储介质 |
-
2008
- 2008-06-25 JP JP2008166624A patent/JP2010010974A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111415317A (zh) * | 2020-03-20 | 2020-07-14 | 苏州杰锐思智能科技股份有限公司 | 图像处理方法及装置、电子设备、计算机可读存储介质 |
CN111415317B (zh) * | 2020-03-20 | 2024-01-05 | 苏州杰锐思智能科技股份有限公司 | 图像处理方法及装置、电子设备、计算机可读存储介质 |
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---|---|---|---|
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