JP2009027254A - 画像補正方法と画像補正装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シャドウ領域とハイライト領域の両方の補正が満足できる適正画像を作り出すことができるような補正曲線をニューラルネットワークを用いて作成できる画像補正技術を提供することである。
【解決手段】入力画像の画像特徴量群をシャドウ領域ニューラルネットワーク部に入力することで出力される出力値からシャドウ領域補正曲線を作成し、画像特徴量群を中間領域ニューラルネットワーク部に入力することで出力される出力値から中間領域補正曲線を作成し、画像特徴量群をハイライト領域ニューラルネットワーク部に入力することで出力される出力値からハイライト領域補正曲線を作成し、シャドウ領域補正曲線と中間領域補正曲線とハイライト領域補正曲線とを連結して実行補正曲線を生成し、この実行補正曲線で入力画像を画像補正する。
【選択図】図2

Description

本発明は、入力画像を適正画像に補正曲線を用いて補正する画像補正技術に関する。
入力画像を適正画像に補正する代表的な分野である写真プリント出力の分野では、写真フィルムに形成された撮影画像をフィルムスキャナを用いてデジタル化して得られた撮影画像(データ)や、デジタルカメラなどのデジタル撮影機器によって直接撮影画像をデジタル化して得られた撮影画像(データ)に濃度補正や色補正などの画像補正を施した後これをプリントデータに変換し、このプリントデータに基づいて写真プリントユニットを駆動して、撮影画像を感光材料(印画紙)に光ビームで焼き付けたり、プリント用紙にカラーインクで形成したりするデジタル写真処理技術が主流である。種々の写真撮影状況下において適正な撮影画像を得るためには、シャッタースピードや絞りの設定、天候、光源の種類などの撮影条件を適切に設定する必要があるが、撮影者はこれらの撮影条件をあまり意識せずに撮影しているのが実情であり、このため、被写体の色調や明暗(コントラスト)の再現性が適正に得られていない不適正な撮影画像が写真プリント装置に入力されることが少なくない。取得した入力撮影画像を適正な出力撮影画像、例えば写真プリントとして再現するために用いられる画像補正の主なものは、色補正、濃度補正、コントラスト補正であり、これらの補正を正しく調整して組み合わせた画像補正が必要となる。
写真撮影によって取得された撮影画像から、色調およびコントラストの補正を必要とする画像部分を選別し、その選別された画像部分に対し、色調およびコントラストの再現性の精度をできるだけ高めることのできる画像補正の1つとして、各色毎の階調ヒストグラムの最高度数に対して、所定割合を下回る度数の画像データを各色毎に除外して残った画像データの階調幅を基準階調幅に引き延ばし又は圧縮し、階調幅の引き延ばし又は圧縮に合わせて画像データの画素値を補正変換することで、カラーバランスおよびコントラストのいずれかまたは両方をある程度補正するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、色補正、濃度補正、コントラスト補正を効率よく実施する画像補正として、撮影画像の低解像度データと所定の濃度・コントラスト補正アルゴリズムに基づいて、まず濃度・コントラスト変換曲線(変換テーブル)が作成され、次いでこの濃度・コントラスト変換曲線を用いて補正された撮影画像の低解像度データと所定のカラー補正アルゴリズムに基づいてカラー補正変換曲線(変換テーブル)が作成され、これらの濃度・コントラスト変換曲線とカラー補正変換曲線を融合させて作成された統合補正変換曲線を用いて写真プリント出力の目的ために撮影画像の高解像度画像データを補正するものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、選択された代表色のRGB信号を入力データとして使用するととともに、出力装置(プリンタ)にて出力された上記の代表色の複製画像を再び入力装置(スキャナ)にて読み取ったRGB信号を教師データとして使用することによってニューラルネットワークを構築し、入力画像の各画素値を入力層に入力することにより、中間層を介して、出力層からプリンタのインク量を出力させ、これにより良好な複製画像を得ようとする画像処理装置も知られている(例えば、特許文献3参照)。
画像補正にニューラルネットワークを用いた技術としては、さらに画像信号を入力データとし画像補正量を教師値として予め学習させたニューラルネットワークを備え、このニューラルネットワークに画像信号を入力することで得られる画像補正量を用いて画像信号を補正して安定した出力画像を得る画像形成装置も知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開2004−145399号公報(段落番号0023−0029) 特開2006−157562号公報(段落番号0026−0029、図6) 特開平09−168095号公報(段落番号0050−0057、0066、図4) 特開平09−018716号公報(段落番号0039−0040、図1)
入力画像に応じて適切な補正曲線を生成するアルゴリズムを構築する場合、まず多数のサンプル画像を用意しておく。そして、各サンプル画像をサンプル適正画像とする画像補正を熟練者によってマニュアルで行い、この各サンプル画像から算出された画像特徴量群と、このマニュアル画像補正を通じて作り出される元画像の画素値と適正画像の画素値との対応関係(補正曲線)を統計的にあるいは演繹的に評価していくことで、補正曲線を生成するアルゴリズムを構築する。このようなアルゴリズムの構築方法は、上記特許文献だけでなく、数多くの文献によって知られている。また、ニューラルネットワークの技術を画像補正に適用する場合、各サンプル画像から算出された画像特徴量群を入力データとするとともに、このマニュアル画像補正を通じて作り出される元画像の画素値と適正画像の画素値との対応関係を教師データとしてニューラルネットワークを学習させる。このような学習を通じて構築されたニューラルネットワークの入力層に補正対象となる入力画像から算出された画像特徴量を与えることで、この入力画像に適合した補正曲線が出力、より正確にはこの補正曲線を規定する出力値が出力される。生成された補正曲線(画像補正量マトリックスや変換テーブルや変換式とも呼び代えることができる)を用いて元画像としての入力画像を画像補正することにより、補正画像を得ようとしている。例えば、適正な写真プリントを出力するために要求される画像においてシャドウ領域とハイライト領域との協調性が特に重要となるが、従来のアルゴリズム、特にニューラルネットワークを用いた補正では、シャドウ領域の補正が良ければハイライト領域の補正は不十分であったり、その逆であったりして、シャドウ領域の補正性とハイライト領域の補正性が相反するという問題点が生じていた。
上記実状に鑑み、本発明の課題は、シャドウ領域とハイライト領域の両方の補正が満足できる適正画像を作り出すことができるような補正曲線をニューラルネットワークを用いて作成できる画像補正技術を提供することである。
入力画像を適正画像に補正曲線を用いて補正する画像補正方法において、上記課題を解決するため、本発明による方法は、用意された多数のサンプル画像から元画像として順次選択された画像の画像特徴量を入力値とするとともに前記元画像から適正画像を作り出す参照補正曲線のシャドウ領域を教師値として学習させたシャドウ領域ニューラルネットワーク部を構築するステップと、前記参照補正曲線の中間領域を教師値として学習させた中間領域ニューラルネットワーク部を構築するステップと、前記参照補正曲線のハイライト領域を教師値として学習させたハイライト領域ニューラルネットワーク部を構築するステップと、前記入力画像から画像特徴量群を求めるステップと、前記入力画像の画像特徴量群を前記シャドウ領域ニューラルネットワーク部と前記中間領域ニューラルネットワーク部と前記ハイライト領域ニューラルネットワーク部とに入力することでそれぞれのニューラルネットワーク部から出力される出力値に基づいてシャドウ領域補正曲線と中間領域補正曲線とハイライト領域補正曲線とを作成するステップと、前記シャドウ領域補正曲線と前記中間領域補正曲線と前記ハイライト領域補正曲線とを連結して実行補正曲線を生成するステップと、前記実行補正曲線で前記入力画像を画像補正するステップとからなる。
上記方法では、入力画像の画像特徴量から作り出す補正曲線を濃度領域(輝度領域)別にシャドウ領域の補正曲線と中間領域の補正曲線とハイライト領域の補正曲線とに分けていることが重要である。つまり、入力画像の画像特徴量を入力値として、シャドウ領域の補正曲線を規定する出力値を出力するシャドウ領域ニューラルネットワーク部と中間領域の補正曲線を規定する出力値を出力する中間領域ニューラルネットワーク部とハイライト領域の補正曲線を規定する出力値を出力するハイライト領域ニューラルネットワーク部を学習を通じて構築しておき、これらのニューラルネットワーク部の出力値に基づいてシャドウ領域補正曲線と中間領域補正曲線とハイライト領域補正曲線とを別個に作成する。そして、これらの濃度領域別の補正曲線を連結することで全濃度領域にわたって有効な実行補正曲線が生成される。この実行補正曲線を用いて入力画像を補正する。実行補正曲線の元となった各濃度領域の補正曲線は入力画像の特徴量からそれぞれの割り当てられた濃度領域に特化した補正曲線が作成されているので、この実行補正曲線を用いて補正された画像はハイライト領域とシャドウ領域と中間領域のどの濃度領域においてもそれぞれの領域に適したものとなる。特に、補正後の画像を用いて写真プリントが出力される場合、写真プリントで要求されるハイライト領域とシャドウ領域における独特でやや極端な補正も実現できる。
なお、この明細書で用いられている補正曲線なる用語は、画像処理の分野でよく用いられる補正式、補正マトリックスといった、元画像の画素値を適正画像の画素値に変換する機能を総称するものであり、さらにそのような変換機能を作り出すためのデータ群もその用語の範囲に属している。つまり、ここでの補正曲線は元画像の画素値と適正画像の画素値との対応関係を規定するものであり、この補正曲線の具体的な実施形態としてはLUT(ルックアップテーブル)と呼ばれるハードウエア又はソフトウエアあるいはその両方で構築されるモジュールが一般的である。また、明細書では、特別に区別する必要がある場合を除いて、デジタルデータとしての画像データやこの画像データに基づくプリント画像やモニタ表示画像も単に画像という語句で総称している。
シャドウ領域補正曲線と中間領域補正曲線とハイライト領域補正曲線は、それぞれ個別のアルゴリズム(ニューラルネットワーク)によって作成されるので、入力幅(入力範囲)は所定の濃度領域により固定されているが、各補正曲線の出力幅(出力範囲)はばらばらとなる。従って、そのままシャドウ領域補正曲線と中間領域補正曲線とハイライト領域補正曲線を連結すると、実行補正曲線の出力幅が所定の階調範囲(例えば8ビットなら256階調)より下回ったり、上回ったりして、効率的な補正変換とはならない。このため、本発明による好適実施形態では、前記シャドウ領域補正曲線と前記中間領域補正曲線と前記ハイライト領域補正曲線との連結の前に、それぞれの補正曲線の出力幅が正規化され、連結によって得られる実行補正曲線の出力幅が所定値に規定される。例えば、シャドウ領域補正曲線の出力幅をa、中間領域補正曲線の出力幅をb、ハイライト領域補正曲線の出力幅をcとし、規定の出力階調値が8ビットとすれば、
シャドウ領域補正曲線の出力幅=256×a/(a+b+c)
中間領域補正曲線の出力幅=256×b/(a+b+c)
ハイライト領域補正曲線の出力幅=256×c/(a+b+c)
というような正規化処理をすることにより、連結によって得られる実行補正曲線の出力幅はちょうど8ビットとなる。
各濃度領域の補正曲線の連結の際、その連結領域が出来るだけスムーズな曲線となるようにしたい。この目的のため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記シャドウ領域補正曲線と前記中間領域補正曲線と前記ハイライト領域補正曲線のそれぞれの連結端領域は互いに重複領域を有するように作成され、前記重複領域を平均、好ましくは重み付け平均したのちに補正曲線の連結が行われる。重み付け平均に関しては、写真画像の特性に鑑み、中間領域補正曲線の重みを大きくするとよい。
また、シャドウ領域補正曲線やハイライト領域補正曲線は中間領域補正曲線に較べやや極端な曲率をもつ傾向があるので、前記シャドウ領域補正曲線と前記中間領域補正曲線と前記ハイライト領域補正曲線との連結の際に、前記シャドウ領域補正曲線と前記ハイライト領域補正曲線が前記中間領域補正曲線の連結端に滑らかに接続するように変形させられると好都合となる。
さらに、画素値の変換曲線でもある補正曲線は、単調増加することが望ましく、減少曲線部があると不都合である。これは余り起こらない現象であるがこれを確実に避けるため、前記シャドウ領域補正曲線と前記中間領域補正曲線と前記ハイライト領域補正曲線との連結の際に、各連結領域の曲率を算定し、その連結領域の曲線が変曲点を持たないように連結されることも、重要である。
入力画像を適正画像に補正曲線を用いて補正する画像補正装置において、上記課題を解決するため、本発明による装置は、用意された多数のサンプル画像から元画像として順次選択された画像の画像特徴量を入力値とするとともに前記元画像から適正画像を作り出す参照補正曲線のシャドウ領域を教師値として学習させて構築したシャドウ領域ニューラルネットワーク部と前記参照補正曲線の中間領域を教師値として学習させて構築した中間領域ニューラルネットワーク部と前記参照補正曲線のハイライト領域を教師値として学習させて構築したハイライト領域ニューラルネットワーク部とを含むニューラルネットワーク部と、前記入力画像から画像特徴量群を求める画像特徴量演算部と、前記入力画像の画像特徴量群を前記シャドウ領域ニューラルネットワーク部に入力することで前記シャドウ領域ニューラルネットワーク部から出力される出力値に基づいてシャドウ領域補正曲線を作成するシャドウ領域補正曲線生成部と、前記入力画像の画像特徴量群を前記中間領域ニューラルネットワーク部に入力することで前記中間領域ニューラルネットワーク部から出力される出力値に基づいて中間領域補正曲線を作成する中間領域補正曲線生成部と、前記入力画像の画像特徴量群を前記ハイライト領域ニューラルネットワーク部に入力することで前記ハイライト領域ニューラルネットワーク部から出力される出力値に基づいてハイライト領域補正曲線を作成するハイライト領域補正曲線生成部と、前記シャドウ領域補正曲線と前記中間領域補正曲線と前記ハイライト領域補正曲線とを連結して実行補正曲線を生成する補正曲線連結部と、前記実行補正曲線で前記入力画像を画像補正する画像補正部とからなる。当然ながら、この画像補正装置も上記画像補正方法で述べたすべての作用効果を得ることができ、さらに上述した付加的技術を組み込むことも可能である。
また、シャドウ領域と中間領域とハイライト領域のうちのいずれかをさらに区分けして4つ以上の濃度領域の補正曲線を個別のニューラルネットワーク部を用いて作成し、それぞれを結合する技術も本発明に含まれていることは当然である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明するが、まず、本発明による補正技術の重要な構成要素となる、補正すべき画像から得られる画像特徴量群に基づいて各濃度領域(シャドウ領域、中間領域、ハイライト領域)のための補正曲線を生成する、より詳しくは補正曲線を規定する出力値を出力するニューラルネットワーク部の構築原理を述べる。
まずは、図1に模式的に示されているように、種々の撮影条件で取得された画像をサンプル画像として多数用意し、これらのサンプル撮影画像を元画像とし、モニタでの表示やテストプリントを通じて適正画像となるようにマニュアルで画像補正を行う(#01)。次に、元画像とマニュアル画像補正によって得られた適正画像との画素値を比較評価して、元画像の画素値と適正画像の画素値との対応関係を規定する画像補正量、結果的にはこの画像補正量によって規定されるマニュアル補正曲線を生成する(#02)。さらに、そのマニュアル補正曲線を所定の濃度領域で区分けして、シャドウ領域補正曲線、中間領域補正曲線、ハイライト領域補正曲線とする(#03)。
次に、元画像となっているサンプル画像から画像特徴量が算出されるが、ここでは、画像特徴量として、領域非依存画像特徴量と領域依存特徴量とが採用されているので、当該サンプル画像から生成された濃度ヒストグラムを用いて領域非依存画像特徴量が求められ(#04)、当該サンプル画像から区分けされた領域群を用いて領域依存画像特徴群が求められる(#05)。領域画像特徴量群としては、画像の全域又は部分域における平均濃度値、最大濃度値、最小濃度値といった特徴量が、領域非依存特徴群としては、濃度階調値部分領域毎の積算頻度値などが挙げられる。
ステップ#03で得られた各濃度領域の補正曲線を規定する係数と、ステップ#04と#05とで得られた画像特徴量群は、それぞれの濃度領域のためのニューラルネットワーク部を構築するための学習データとして利用されるため、ステップ#01からステップ#05までの作業は準備された全てのサンプル画像に対して実施される。そして、画像特徴量群を入力データとするとともにそれぞれの濃度領域の補正曲線を規定する係数が出力値となるように各ニューラルネットワークの内部変数を調整する反復シミュレーションを数千回以上行い、各濃度領域のニューラルネットワーク部を構築する(#06)。
このようにして構築された、濃度領域別の複数のニューラルネットワーク部、ここでは、シャドウ領域ニューラルネットワーク部、中間領域ニューラルネットワーク部、ハイライト領域ニューラルネットワーク部を用いて、補正すべき入力画像を適正画像に補正することができる。この画像補正の原理が図2に模式的に示されている。まず、補正目的で入力された画像から、あるいは必要に応じて所定サイズまでの縮小処理を施して生成された補正演算用画像から、濃度ヒストグラムを生成して(#11)、この濃度ヒストグラムから領域非依存画像特徴量群を算出する(#12)。さらに、入力画像または補正演算用画像に対して演算領域の区分けを設定し(#13)、各演算領域から領域依存画像特徴量群を算出する(#14)。このようにして得られた、入力画像に基づく画像特徴量群を、シャドウ領域ニューラルネットワーク部、中間領域ニューラルネットワーク部、ハイライト領域ニューラルネットワーク部に入力する(#15)。この結果、シャドウ領域ニューラルネットワーク部から出力される補正曲線を規定する係数からシャドウ領域補正曲線が作成され(#16)、中間領域ニューラルネットワーク部から出力される補正曲線を規定する係数から中間領域補正曲線が作成され(#17)、ハイライト領域ニューラルネットワーク部から出力される補正曲線を規定する係数からハイライト領域補正曲線が作成される(#18)。
次に、生成されたシャドウ領域補正曲線(シャドウ領域補正曲線を規定する係数)と中間領域補正曲線(中間領域補正曲線を規定する係数)とハイライト領域補正曲線(ハイライト領域補正曲線を規定する係数)とを連結することで、シャドウ領域から中間領域を経てハイライト領域に至る全濃度の補正曲線が得られるでもって融合して、融合補正曲線を得る(#19)。この各濃度領域補正曲線の連結にあたっては、その連結領域がスムーズに移行するように連結することが好ましいが、極端な変曲点を生じないようにすれば、ある程度満足できる結果が得られる。但し、連結後の全領域補正曲線の出力範囲が所定の階調値(例えば8ビット)を得るために、各濃度領域補正曲線に対してその出力幅に関して正規化を施してから連結することが好ましい。このようにして得られた全領域補正曲線が実行補正曲線として設定されることで(#20)、この全領域補正曲線(実行補正曲線)を用いて入力画像が画像補正される(#21)。さらに、この補正画像からプリントデータを生成し、このプリントデータをプリント部に転送することにより、画像プリントが出力される(#22)。
次に、上述したニューラルネットワークの具体的な構築手順の一例を図3から図6を用いて説明する。なお、各濃度領域のニューラルネットワーク部の構築手順は、その教師値がマニュアルで得られた補正曲線の対応する濃度領域を規定する係数であるということ以外は、実質的に同じであるので、ここではシャドウ領域ニューラルネットワーク部に代表させて説明する。図3にシャドウ領域ニューラルネットワーク部の模式的な構造が示されている。このシャドウ領域ニューラルネットワーク部は89個の入力要素を有する入力層と45個の中間要素を有する中間層と30個の出力要素を有する出力層からなり、入力要素には入力画像の画像特徴量群:α0〜α88が入力され、出力要素には、図4に示されるような、各濃度領域の補正曲線を規定する10個の代表点で示されている補正曲線を規定する係数としての出力値、つまりここではシャドウ領域R成分用出力値β(1)〜β(10);シャドウ領域G成分用出力値β(11)〜β(20);シャドウ領域B成分用出力値β(21)〜β(30)が出力されるものである。なお、この出力値を用いてスムーズな各色の補正曲線を作り出すアルゴリズムには公知の近似曲線作成アルゴリズムを用いることができる。上述したシャドウ領域ニューラルネットワーク部の構造は他の濃度領域のニューラルネットワーク部も同じである。
このシャドウ領域ニューラルネットワーク部の学習時に採用されている画像特徴量群:α0〜α88は、各濃度領域ニューラルネットワーク部共通である。
α0:画像全体の平均濃度値
α1:画像中央部(図5の(a)参照)の平均濃度値
α2:画像周辺部(図5の(a)参照)の平均濃度値
α3:画像上側部(図5の(b)参照)の平均濃度値
α4:画像下側部(図5の(b)参照)の平均濃度値
α5:画像左側部(図5の(c)参照)の平均濃度値
α6:画像右側部(図5の(c)参照)の平均濃度値
α7:画像全体の最大濃度値
α8:画像中央部(図5の(a)参照)の最大濃度値
α9:画像周辺部(図5の(a)参照)の最大濃度値
α10:画像上側部(図5の(b)参照)の最大濃度値
α11:画像下側部(図5の(b)参照)の最大濃度値
α12:画像左側部(図5の(c)参照)の最大濃度値
α13:画像右側部(図5の(c)参照)の最大濃度値
α14:画像全体の最小濃度値
α15:画像中央部(図5の(a)参照)の最小濃度値
α16:画像周辺部(図5の(a)参照)の最小濃度値
α17:画像上側部(図5の(b)参照)の最小濃度値
α18:画像下側部(図5の(b)参照)の最小濃度値
α19:画像左側部(図5の(c)参照)の最小濃度値
α20:画像右側部(図5の(c)参照)の最小濃度値
α21:上下に隣接する画素の差分値(図5の(d)参照)の平均値
α22:画像全体の濃度標準偏差
α23:R色成分に関する画像全体の最大値
α24:G色成分に関する画像全体の最大値
α25:B色成分に関する画像全体の最大値
α26:R色成分に関する画像全体の最小値
α27:G色成分に関する画像全体の最小値
α28:B色成分に関する画像全体の最小値
α29〜α48:R色成分に関するヒストグラムの階調値軸を20分割した各領域(図6参照)に含まれる階調値の頻度を積算して得られるR積算頻度値
α49〜α68:G色成分に関するヒストグラムの階調値軸を20分割した各領域(図6参照)に含まれる階調値の頻度を積算して得られるG積算頻度値
α69〜α88:B色成分に関するヒストグラムの階調値軸を20分割した各領域(図6参照)に含まれる階調値の頻度を積算して得られるB積算頻度値
上記α0からα28までの画像特徴量は領域依存画像特徴量、つまり画像領域に依存する特徴量であり、上記α29からα88までの画像特徴量は領域非依存画像特徴量、つまり画像領域に依存しない特徴量である。
以上のような入出力形態をもつシャドウ領域ニューラルネットワーク部の構築ルーチンが図7に示されている。
まず、用意しておいたサンプル画像を読み込み(#30)、そのサンプル画像から前述した各画像特徴量を算出し(#31)、それらを画像特徴量群としてメモリに格納する(#32)。読み込んだサンプル画像をモニタ表示しながら熟練者によるマニュアルの画像補正を行う(#33)。必要に応じて補正された画像のプリント出力を行い(#34)、補正された画像が適正であるかどうかをチェックする(#35)。補正された画像が適正と判定されるまで、マニュアル補正を繰り返し、適正な補正画像が得られると、その画像補正に基づいて元画像の画素値を適正補正画像の画素値に変換する補正曲線(補正曲線を規定する係数)を作成して、シャドウ領域と中間領域とハイライト領域毎にメモリに格納する(#36)。ステップ#30〜ステップ#36までの処理が用意されている全てのサンプル画像のための実行される(#37Yes分岐)。全てのサンプル画像に対する処理が完了すると(#37No分岐)、メモリに格納されている画像特徴量群とメモリに格納されているシャドウ領域の補正曲線、正確にはシャドウ領域のマニュアル補正曲線を規定する係数が学習データとしてシャドウ領域ニューラルネットワーク部に割り当てる(#38)。シャドウ領域ニューラルネットワーク部は、画像特徴量群を入力データ、シャドウ領域のマニュアル補正曲線を規定する係数を教師データとして学習し、その入出力関係(結合係数やしきい値)を確定させる(#39)。このようなニューラルネットワーク構築ルーチンを用いて、シャドウ領域ニューラルネットワーク部だけでなく、中間領域ニューラルネットワーク部やハイライト領域ニューラルネットワーク部を構築する。もちろん、ここでは、3つの濃度領域に区分けして、ニューラルネットワーク部を構築しているが、4つ以上の濃度領域に区分けしてニューラルネットワーク部を構築して、それぞれから得られた特定濃度領域補正曲線を連結して全領域補正曲線を作成してもよい。なお、濃度領域の区分けの仕方は、簡単には、全濃度領域を3等分して差し支えないが、写真画像的な観点からその区分けを等分にせず、いずれかの特定濃度領域を広くしたり、狭くしてもよい。
次に、図1と図2を用いて説明した画像補正技術を用いた画像補正装置を搭載し、画像として撮影画像を取り扱う写真プリント装置を説明する。図8はその写真プリント装置を示す外観図であり、この写真プリント装置は、印画紙Pに対して露光処理と現像処理とを行う写真プリント部としてのプリントステーション1Bと、現像済み写真フィルム2aやデジタルカメラ用メモリカード2bなどの画像入力メディアから取り込んだ撮影画像を処理してプリントステーション1Bで使用されるプリントデータの生成・転送などを行う操作ステーション1Aとから構成されている。
この写真プリント装置はデジタルミニラボとも称せられるものであり、図9からよく理解できるように、プリントステーション1Bは2つの印画紙マガジン11に納めたロール状の印画紙Pを引き出してシートカッター12でプリントサイズに切断すると共に、このように切断された印画紙Pに対し、バックプリント部13で色補正情報やコマ番号などのプリント処理情報を印画紙Pの裏面に印字するとともに、プリント露光部14で印画紙Pの表面に撮影画像の露光を行い、この露光後の印画紙Pを複数の現像処理槽を有した処理槽ユニット15に送り込んで現像処理する。乾燥の後に装置上部の横送りコンベア16からソータ17に送られた印画紙P、つまり写真プリントPは、このソータ17の複数のトレイにオーダ単位で仕分けられた状態で集積される(図8参照)。
上述した印画紙Pに対する各種処理に合わせた搬送速度で印画紙Pを搬送するために印画紙搬送機構18が敷設されている。印画紙搬送機構18は、印画紙搬送方向に関してプリント露光部14の前後に配置されたチャッカー式印画紙搬送ユニット18aを含む複数の挟持搬送ローラ対から構成されている。
プリント露光部14には、副走査方向に搬送される印画紙Pに対して、主走査方向に沿って操作ステーション1Aからのプリントデータに基づいてR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色のレーザ光線の照射を行うライン露光ヘッドが設けられている。処理槽ユニット15は、発色現像処理液を貯留する発色現像槽15aと、漂白定着処理液を貯留する漂白定着槽15bと、安定処理液を貯留する安定槽15cを備えている。
前記操作ステーション1Aのデスク状コンソールの上部位置には、写真フィルム2aの撮影画像コマから撮影画像データ(以下単に撮影画像と略称する)を2000dpiを超える解像度でもって取得することができるフィルムスキャナ20が配置されており、デジタルカメラ等に装着される画像記録媒体2bとして用いられている各種半導体メモリやCD−Rなどから撮影画像を取得するメディアリーダ21は、この写真プリント装置のコントローラ3として機能する汎用パソコンに組み込まれている。この汎用パソコンには、さらに各種情報を表示するモニタ23、各種設定や調整を行う際に用いる操作入力部として利用される操作入力デバイスとしてのキーボード24やマウス25も接続されている。
この写真プリント装置のコントローラ3は、CPUを中核部材として、写真プリント装置の種々の動作を行うための機能部をハードウエア又はソフトウエアあるいはその両方で構築しているが、図10に示されているように、本発明に特に関係する機能部としては、フィルムスキャナ20やメディアリーダ21によって読み取られた撮影画像を取り込んで次の処理のために必要な前処理を行う画像入力部31と、各種ウインドウや各種操作ボタンなどを含むグラフィック操作画面の作成やそのようなグラフィック操作画面を通じてのユーザ操作入力(キーボード24やマウス25などによる)から制御コマンドを生成するグラフィックユーザインターフェース(以下GUIと略称する)を構築するGUI部33と、GUI部33から送られてきた制御コマンドや直接キーボード24等から入力された操作命令に基づいて所望のプリントデータを生成するために画像入力部31からメモリ30に転送された撮影画像に対する画像処理等を行うプリント管理部32と、色補正等のプレジャッジプリント作業時にプリントソース画像や予想仕上がりプリント画像としてのシミュレート画像さらにはGUI部33から送られてきたグラフィックデータをモニタ23に表示させるためのビデオ信号を生成するビデオ制御部35と、画像処理が完了した処理済み撮影画像に基づいてプリントステーション1Bに装備されているプリント露光部14に適したプリントデータを生成するプリントデータ生成部36と、顧客の要望に応じて生の撮影画像や画像処理が完了した処理済み撮影画像などをCD−Rに書き込むための形式にフォーマットするフォーマッタ部37などが挙げられる。
画像入力部31は、撮影画像記録媒体がフィルム2aの場合プレスキャンモードと本スキャンモードとのスキャンデータを別々にメモリ30に送り込み、それぞれの目的に合わせた前処理を行う。また、撮影画像記録媒体がメモリカード2bの場合取り込んだ撮影画像にサムネイル画像(低解像度データ)が含まれている場合はモニタ23での一覧表示などの目的で使用するため撮影画像の本データ(高解像度データ)とは別にメモリ30に送り込むが、もしサムネイル画像が含まれていない場合は本データから縮小画像を作り出してサムネイル画像としてメモリ30に送り込む。
プリント管理部32は、プリントサイズやプリント枚数などを管理するプリント注文処理ユニット40、メモリ30に展開された撮影画像に対して各種画像処理を施す画像処理ユニット50を備えている。
画像処理ユニット50には、メモリ30に展開された撮影画像に対してマニュアルで各種画像処理などを行うためのフォトレタッチプログラムを実装している第1画像補正ユニット60と、前述したようなニューラルネットワーク画像補正技術を用いてメモリ30に展開された入力撮影画像に対する自動的な画像補正を行う第2画像補正ユニット70とが基本的にはプログラムの形で組み込まれている。
図11で示されているように、本発明による画像補正装置としての機能を有する第2画像補正ユニット70には、メモリ30に展開された入力撮影画像から作り出された補正演算用撮影画像(256×384の画像)から前述した領域非依存画像特徴量と領域依存画像特徴量からなる画像特徴量を求める画像特徴量演算部71と、図7を用いた説明された手順によって構築されたシャドウ領域ニューラルネットワーク部72aと中間領域ニューラルネットワーク部72bとハイライト領域ニューラルネットワーク部72cと、シャドウ領域ニューラルネットワーク部72aに画像特徴量群を入力することによって出力された出力値に基づいてシャドウ領域補正曲線を生成するシャドウ領域補正曲線生成部73aと、中間領域ニューラルネットワーク部72bに画像特徴量群を入力することによって出力された出力値に基づいて中間領域補正曲線を生成する中間領域補正曲線生成部73bと、ハイライト領域ニューラルネットワーク部72cに画像特徴量群を入力することによって出力された出力値に基づいてハイライト領域補正曲線を生成するハイライト領域補正曲線生成部73cと、生成された各濃度領域補正曲線の出力幅を正規化する正規化部74と、正規化された各濃度領域補正曲線を連結して全領域補正曲線を生成する連結部75と、この全領域補正曲線を実行補正曲線として入力撮影画像を画像補正する画像補正部76が備えられている。画像補正部76は、補正曲線設定部76bによって設定された補正曲線に基づいて入力撮影画像を画像補正する画像補正実行部76aを備えている。
前記正規化部74は、各濃度領域別の補正曲線生成部73a、73b、73cで生成された補正曲線をそのまま連結部75で連結した場合、連結された全領域補正曲線の出力幅が所定の階調範囲ここでは、8ビット階調(256階調)より大きくなったり、小さくなったりする不都合を避けるため、連結の前にそれぞれの領域別の補正曲線の出力幅を正規化する。この正規化処理においては、シャドウ領域補正曲線の出力幅をa、中間領域補正曲線の出力幅をb、ハイライト領域補正曲線の出力幅をcとし、規定の出力階調値が8ビットとすれば、
シャドウ領域補正曲線の出力幅=256×a/(a+b+c)
中間領域補正曲線の出力幅=256×b/(a+b+c)
ハイライト領域補正曲線の出力幅=256×c/(a+b+c)
というような処理が行われる。この正規化処理をうけた各濃度領域別の補正曲線の連結によって得られる全領域補正曲線の出力幅はちょうど8ビットとなる。
連結部75における、各濃度領域の補正曲線の連結処理は、以下に述べる代表的ないくつかのモードの1つ又はそれらを組み合わせたモードで行うことができる。
その連結処理モードの1つは、シャドウ領域補正曲線と中間領域補正曲線とハイライト領域補正曲線のそれぞれの連結端領域を予め互いに重複領域を有するように作成しておき、この重複領域の2つの補正曲線を平均、好ましくは中間領域補正曲線に重きをおいた重み付け平均することによって得られる接続領域平均補正曲線部分を用いて互いの補正曲線の連結を行う。もう1つの連結処理モードは、前記シャドウ領域補正曲線と前記中間領域補正曲線と前記ハイライト領域補正曲線との連結の際に、前記シャドウ領域補正曲線と前記ハイライト領域補正曲線が前記中間領域補正曲線の連結端に滑らかに接続するように変形させる。ここでいう滑らかな接続を実現する1つの方法は、連結すべき曲線の双方の連結端の傾きの平均を求め、その平均傾きに各連結端の傾きを合わせて接続することである。連結端のさらに別な連結処理モードは、各連結領域の曲率を算定し、その連結領域の曲線が変曲点を持たないように、変曲点を取り除いて連結する。
以上のように構成された写真プリント装置における写真プリント処理を図12のフローチャートを用いて説明する。まず、写真プリント出力を行うために入力された撮影画像を読み込み(#50)、その撮影画像から作り出された補正演算用画像から画像特徴量群を算出する(#51)。画像特徴量群をシャドウ領域ニューラルネットワーク部72aの入力要素に与える(#52)。シャドウ領域ニューラルネットワーク部72aからの出力値に基づいてシャドウ領域補正曲線を作成する(#53)。画像特徴量群を中間領域ニューラルネットワーク部72bの入力要素に与える(#54)。中間領域ニューラルネットワーク部72bからの出力値に基づいて中間領域補正曲線を作成する(#55)。画像特徴量群をハイライト領域ニューラルネットワーク部72cの入力要素に与える(#56)。ハイライト領域ニューラルネットワーク部72cからの出力値に基づいてハイライト領域補正曲線を作成する(#57)。シャドウ領域補正曲線と中間領域補正曲線とハイライト領域補正曲線とに対して正規化処理を施す(#58)。正規化されたシャドウ領域補正曲線と中間領域補正曲線とハイライト領域補正曲線を連結して全領域補正曲線を作成する(#59)。この作成された全領域補正曲線は、実行補正曲線として画像補正部77の補正曲線設定部76bに与えられる(#60)。続いて、画像補正実行部76aが設定された実行補正曲線を用いて入力撮影画像を画像補正し(#61)、この補正された撮影画像からプリントデータ生成部36がプリントデータを生成する(#62)。プリントデータがプリントステーション1Bに転送されることによりプリント処理が行われ(#63)、写真プリントが出力される(#64)。
上述した実施形態では、シャドウ領域ニューラルネットワーク部72a、中間領域ニューラルネットワーク部72b、ハイライト領域ニューラルネットワーク部72cに入力される画像特徴量群の内容は全て同じであったが、それぞれの領域ニューラルネットワーク部によって異なる画像特徴量からなる画像特徴量群を入力してもよい。つまり、前述したα0からα88の画像特徴量群からそれぞれの領域ニューラルネットワーク部毎に適切に選択した複数の画像特徴量を入力して、それぞれの領域の補正曲線を作り出すようにしてもよい。
上述した実施形態の説明では、本発明による画像補正技術が、DPショップに設置されているミニラボと呼ばれている写真プリント装置に組み込まれた例を取り上げたが、コンビニやDPショップの店頭に設置されているセルフサービス式の写真プリント装置など、種々の写真プリント装置に組み込んでもよいし、画像処理ソフトウエアの撮影画像補正機能の1つとして、この画像処理ソフトウエアのプログラムに組み込んでもよい。
なお、上述した実施の形態では、画像プリント出力部としてのプリントステーション1Bは、印画紙Pに対し、レーザ式露光エンジンを備えたプリント露光部14で撮影画像の露光を行い、この露光後の印画紙Pを現像処理する、いわゆる銀塩写真プリント方式を採用していたが、もちろん、本発明によって補正された撮影画像のプリント方式は、このような方式に限定されるわけではなく、例えば、フィルムや紙にインクを吐出して画像を形成するインクジェットプリント方式や感熱転写シートを用いた熱転写方式など、種々の写真プリント方式を含む。
本発明による画像補正技術で用いられる基本原理を説明する説明図 本発明による画像補正技術で用いられる基本原理を説明する説明図 ニューラルネットワークの構成を示す模式図 ニューラルネットワークの出力としての補正曲線を説明する説明図 画像領域に依存する画像特徴量を説明する説明図 画像領域に依存しない画像特徴量を説明する説明図 ニューラルネットワークの構築ルーチンを示すフローチャート 本発明による画像補正技術を採用した写真プリント装置の外観図 写真プリント装置のプリントステーションの構成を模式的に示す模式図 写真プリント装置のコントローラ内に構築される機能要素を説明する機能ブロック図 本発明の画像補正技術を採用した画像補正ユニットの機能構成を示す機能ブロック図 写真プリント処理の手順を示すフローチャート
符号の説明
1B:プリントステーション(プリント部)
31:画像入力部
36:プリントデータ生成部
70:第2画像補正ユニット(画像補正装置)
71:画像特徴量算出部
72a:シャドウ領域ニューラルネットワーク部
72b:中間領域ニューラルネットワーク部
72c:ハイライト領域ニューラルネットワーク部
73a:シャドウ領域補正曲線生成部
73b:中間領域補正曲線生成部
73c:ハイライト領域補正曲線生成部
74:正規化部
75:連結部
76:画像補正部
76a:画像補正実行部
76b:補正曲線設定部

Claims (6)

  1. 入力画像を適正画像に補正曲線を用いて補正する画像補正方法において、
    用意された多数のサンプル画像から元画像として順次選択された画像の画像特徴量を入力値とするとともに前記元画像から適正画像を作り出す参照補正曲線のシャドウ領域を教師値として学習させたシャドウ領域ニューラルネットワーク部を構築するステップと、
    前記参照補正曲線の中間領域を教師値として学習させた中間領域ニューラルネットワーク部を構築するステップと、
    前記参照補正曲線のハイライト領域を教師値として学習させたハイライト領域ニューラルネットワーク部を構築するステップと、
    前記入力画像から画像特徴量群を求めるステップと、
    前記入力画像の画像特徴量群を前記シャドウ領域ニューラルネットワーク部と前記中間領域ニューラルネットワーク部と前記ハイライト領域ニューラルネットワーク部とに入力することでそれぞれのニューラルネットワーク部から出力される出力値に基づいてシャドウ領域補正曲線と中間領域補正曲線とハイライト領域補正曲線とを作成するステップと、
    前記シャドウ領域補正曲線と前記中間領域補正曲線と前記ハイライト領域補正曲線とを連結して実行補正曲線を生成するステップと、
    前記実行補正曲線で前記入力画像を画像補正するステップと、
    からなる画像補正方法。
  2. 前記シャドウ領域補正曲線と前記中間領域補正曲線と前記ハイライト領域補正曲線との連結の前に、それぞれの補正曲線の出力幅が正規化されることを特徴とする請求項1に記載の画像補正方法。
  3. 前記シャドウ領域補正曲線と前記中間領域補正曲線と前記ハイライト領域補正曲線のそれぞれの連結端領域は互いに重複領域を有するように作成され、前記重複領域を平均化したのちに補正曲線の連結が行われることを特徴とする請求項1に記載の画像補正方法。
  4. 前記シャドウ領域補正曲線と前記中間領域補正曲線と前記ハイライト領域補正曲線との連結の際に、前記シャドウ領域補正曲線と前記ハイライト領域補正曲線が前記中間領域補正曲線の連結端に滑らかに接続するように変形させられることを特徴とする請求項1に記載の画像補正方法。
  5. 前記シャドウ領域補正曲線と前記中間領域補正曲線と前記ハイライト領域補正曲線との連結の際に、各連結領域の曲率を算定し、その連結領域の曲線が変曲点を持たないように連結されることを特徴とする請求項1に記載の画像補正方法。
  6. 入力画像を適正画像に補正曲線を用いて補正する画像補正装置において、
    用意された多数のサンプル画像から元画像として順次選択された画像の画像特徴量を入力値とするとともに前記元画像から適正画像を作り出す参照補正曲線のシャドウ領域を教師値として学習させて構築したシャドウ領域ニューラルネットワーク部と前記参照補正曲線の中間領域を教師値として学習させて構築した中間領域ニューラルネットワーク部と前記参照補正曲線のハイライト領域を教師値として学習させて構築したハイライト領域ニューラルネットワーク部とを含むニューラルネットワーク部と、
    前記入力画像から画像特徴量群を求める画像特徴量演算部と、
    前記入力画像の画像特徴量群を前記シャドウ領域ニューラルネットワーク部に入力することで前記シャドウ領域ニューラルネットワーク部から出力される出力値に基づいてシャドウ領域補正曲線を作成するシャドウ領域補正曲線生成部と、
    前記入力画像の画像特徴量群を前記中間領域ニューラルネットワーク部に入力することで前記中間領域ニューラルネットワーク部から出力される出力値に基づいて中間領域補正曲線を作成する中間領域補正曲線生成部と、
    前記入力画像の画像特徴量群を前記ハイライト領域ニューラルネットワーク部に入力することで前記ハイライト領域ニューラルネットワーク部から出力される出力値に基づいてハイライト領域補正曲線を作成するハイライト領域補正曲線生成部と、
    前記シャドウ領域補正曲線と前記中間領域補正曲線と前記ハイライト領域補正曲線とを連結して実行補正曲線を生成する補正曲線連結部と、
    前記実行補正曲線で前記入力画像を画像補正する画像補正部と、
    からなる画像補正装置。
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