JP2005126884A - 浮遊糸を有する立体構造経編地 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】表裏の2枚の地組織とその地組織を連結する連結部から成る立体構造経編地において、該経編地の通気性を損なうことなく地組織表面に浮遊糸が挿入編成によって係止され、地組織表面における、浮遊糸の浮遊部分の比率が20〜70%になるように製編した立体構造経編地であり、表面触感に優れた立体構造経編地を提供することができる。
【選択図】 図2
Description
また、特許文献3,4の方法では、表面に露出しているループの糸の長さが短く構成されているため、柔らかい糸を使用しても風合が硬くなり、さらには、小さな起伏で構成されるため、用途によっては問題が多く残っていた。
このほか、表面の触感を改善する先行技術としては、表面を起毛するなどの技術があるが、加工工程が増える、地組織の強度低下といった問題点や、また、地組織がメッシュ構造の場合は、メッシュ開口部から連結糸が飛び出して触感が悪くなる虞があった。
また特許文献5の方法は、連結糸の調整によって得られる凹部は期待する大きな凹凸の効果が得られず、また、凹部では地組織のループが連結糸に引っ張られることにより地組織が固くなるという問題があった。
また、(2)浮遊糸が立体構造経編地の地組織表面にウエル方向に挿入編成によって係止されていることを特徴とする(1)記載の立体構造経編地である。
また、(3)浮遊糸の浮遊部分の地組織表面との高低差が0.1mm〜2.0mmであることを特徴とする(1)乃至(2)記載の立体構造経編地である。
また、(4)浮遊糸の繊度が220〜1200dtexで且つ地組織にウエル方向に挿入編成によって係止され地組織上に浮遊している範囲が2〜30コースである(1)乃至(3)記載の立体構造経編地である。
本発明者らは、前述の問題点を解決すべく鋭意研究の結果、図1に示すような編機を用いて編成される、表裏の2枚の地組織と、その地組織を連結する連結部から成る立体構造経編地において、前記地組織の少なくとも一方の地組織表面に、浮遊糸が挿入編成によって係止され、所定の間隔で該地組織の表面に浮遊する浮遊糸部を有する立体構造経編地により、上述の問題を解決し得ることを見いだしたものである。
本発明において、浮遊糸とは、少なくとも一方の地組織の表面に、地組織に編成されずにウエル方向に露出した状態を有する糸のことを言う。
また、浮遊糸の地組織表面への挿入編成による係止とは、図2に示すように、少なくとも一方の地組織、例えば表地組織に浮遊糸がループ形成することなく、表地組織の裏側に挿入され地糸によって係止された状態のことを言う。
また、浮遊糸が挿入編成によって係止された地組織表面における、浮遊糸の浮遊部分の比率は20〜70%であり、更には30〜60%であることが好ましい。浮遊糸の浮遊部分の比率が20%未満であると優れた触感が得られない虞があり、70%より大きいと十分な通気性が得られない虞がある。
本発明における地組織表面の浮遊糸浮遊部比率FR(%)は下記の(式1)で算出される。
[式1]
A・・・ゲージ間に入るウエル方向の浮遊糸本数
B・・・編み機のゲージ数
C・・・コース密度(本/吋)
D・・・浮遊糸の吋間の係止数
また、地組織表面と浮遊糸の高低差は、図5に示すように、浮遊糸を含む立体構造経編地の全厚と浮遊糸の無い部分の立体構造経編地の全厚の差で表される。浮遊糸と地組織表面との高低差は0.1mm〜2.0mmであることが好ましい。更に0.2mm〜1.0mmであることが好ましい。浮遊糸と地組織表面の高低差が0.1mm未満であると生地と肌との接地面積が大きくなり、十分な通気性が得られない虞がある。2.0mmより大きいと人体接触面の触感が損なわれる虞があるため好ましくない。
本発明で用いることのできる浮遊糸としては、地組織を構成する糸条より太いフィラメントヤーンやスパンヤーンやこれらの捲縮加工糸を用いることが可能であるが、糸の側面が有毛調のモール糸や紡績糸、加工糸などの糸の側面がソフトなものが好ましく用いられる。また、浮遊糸をバフなどで起毛を施すことにより、触感が向上する。更に、綿やレーヨン等の親水性繊維、或いは吸汗処理された合成繊維などの吸汗性に優れた繊維を用いることもできる。
浮遊部間隔はウエル方向に対して2〜30コースの間隔、好ましくは2〜20コース間隔で係止することが好ましい。2コース未満であると、浮遊糸が地組織表面に露出しにくくなる虞があり、30コースより大きくなると地組織表面に露出した浮遊糸がひっかかりやすくなりピリングの発生や耐摩耗性が悪くなる虞があるため好ましくない。コース方向の浮遊糸の配列は浮遊糸の繊度、意匠などにより適宜設定配列することができる。
用いる浮遊糸の繊度は220〜1200dtex、好ましくは500〜900dtexのマルチフィラメント糸或いはこの繊度に相当するスパン糸、及びこれらの複合されたものを用いることができる。浮遊糸の繊度が220dtex未満であると地組織表面に現れにくく、優れた触感が十分発揮できなかったり、浮遊糸が損傷しやすくなる虞がある。また1200dtexより大きくなると、地組織表面の凹凸が大きく成りすぎ触感が悪くなる虞がある。用いる繊維種は公知の合成繊維や天然繊維を用いることができるが、耐久性などの点でポリエステルが好ましく用いられる。
本発明に用いられる繊維としては、立体編物に使用した場合にその効果に支障をきたさないものであれば繊度は特に限定はないが、表裏地組織を形成する糸の繊度は33〜500dtex、間隙を形成する連結糸は22〜220dtexのモノフィラメント糸又マルチフィラメント糸、或いは加工糸を使用するのが好ましい。
上述の構造をとることにより、地組織の表面に編成されたループにより地組織表面に凹凸が発生したり、固くなった凸部が露出しても、接触面に嵩高な加工糸などが表面に露出することで柔らかい触感が得られ、更に、地組織表面に露出した加工糸などの浮遊糸と地組織面間の高低差による空隙が得られるために、通気性に優れた立体構造経編地を提供することができる。
また、浮遊糸と地組織面との間に適度の間隔ができるため通気性に優れ、蒸れ感の少ない立体構造経編地を提供することができる。
[実施例]
[評価方法]
布帛の通気性をJIS L1096 6.27 に準じて測定した。
[表面触感]
布帛の表面触感を官能検査にて評価した。
◎ 非常に良好
○ 良好
△ やや悪い
× 悪い
[実施例1]
[実施例2]
[実施例3]
[実施例4]
[実施例5]
[比較例1]
[比較例2]
A2・・・編糸
A3・・・編糸(連結糸)
A4・・・編糸
A5・・・編糸
A6・・・編糸
L1・・・筬
L2・・・筬
L3・・・筬
L4・・・筬
L5・・・筬
L6・・・筬
G1・・・ガイド
G2・・・ガイド
G3・・・ガイド
G4・・・ガイド
G5・・・ガイド
G6・・・ガイド
1・・・表面地組織
2・・・裏面地組織
3・・・連結糸
4・・・浮遊糸
5・・・係止部
6・・・浮遊部
7・・・裏地組織側針釜
8・・・表地組織側針釜
9・・・裏地組織側編針
10・・・表地組織側編針
11・・・ビーム
12・・・ビーム
13・・・ビーム
14・・・ビーム
15・・・ビーム
16・・・ビーム
17・・・裏の地組織(裏地組織)
18・・・表の地組織(表地組織)
B・・・浮遊糸の浮遊部分の地組織表面との高低差
C・・・浮遊糸無し部の厚み
D・・・浮遊糸部を含む厚み
Claims (4)
- 表裏の地組織を連結糸で連結してなる立体構造経編地において、少なくとも一方の地組織の表面に、浮遊糸が挿入編成によって係止されており、地組織表面における、浮遊糸の浮遊部分の比率が20〜70%である立体構造経編地。
- 浮遊糸が立体構造経編地の地組織表面にウエル方向に挿入編成によって係止されていることを特徴とする請求項1記載の立体構造経編地。
- 浮遊糸の浮遊部分の地組織表面との高低差が0.1mm〜2.0mmであることを特徴とする請求項1乃至2記載の立体構造経編地。
- 浮遊糸の繊度が220〜1200dtexで且つ地組織にウエル方向に挿入編成によって係止され地組織表面に浮遊している範囲が2〜30コースである請求項1乃至3記載の立体構造経編地。
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