JP4773786B2 - 凹凸を有する立体編物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、凹凸を有する立体編物、さらに詳しくはクッション性、風合、触感、着座時の快適性に優れる立体編物、及びその製造方法に関するものである。
従来、表裏の地組織が連結糸で連結されて構成された立体編物は、優れた反発性、クッション性、通気性などから多岐の分野にわたって利用されており、またこの立体編物の表面に凹凸を付与し高低差を設けることによって、肌への接触面積を小さくして、通気性や触感を向上させるなどの工夫がされてきた。
織編物の表面に凹凸を付与し高低差を設ける方法はいくつか提案されており、例えば、特許文献1では、編地をカレンダーロール等で加熱プレスすることにより凹凸のある柄模様を形成させている。また、特許文献2では、ウエルダー等の振動溶着手段によって一面に凹凸模様を付与する方法を提案している。特許文献3では、地組織の編成時の糸振りによる開口部を有する凹凸技術を提案している。特許文献4では、連結糸の地組織への係止方法を編成係止と挿入係止を組み合わせることによって、編成係止部分を凸部、挿入係止部分凹部とする凹凸模様を形成している。また、特許文献5,及び6では、連結糸の供給量を変化させることにより地組織部に凹凸を施す方法を提案している。その他にも、連結糸に熱収縮糸を用いて熱処理により立体模様を形成する方法などが提案されている(特許文献7、及び8)。
しかしながら、カレンダーロールでの加熱プレスや、ウエルダーでの振動溶着手段による凹凸形成方法は、加熱により布地表面が硬化し風合が悪くなったり、編地がつぶれクッション性が悪くなるなどの問題があった。
また、地組織の編成の糸振りによる凹凸形成方法では、地糸に太い糸を用いる必要があり目付が高くなり風合が硬く、また伸びがなくなるといった問題があった。
さらに、連結糸の地組織への係止方法を変化させることによる凹凸形成方法は、クッション性が悪くなったり、連結糸に太い糸を用いないと高低差が得にくいため、生地が硬くなる問題があった。
連結糸の供給量を変化させることによる凹凸形成方法は、凹凸の高低差が小さく、また生地が硬く風合が悪くなるといった問題があった。収縮糸による凹凸形成については、糸が収縮することにより布地が硬化し触感やクッション性が悪くなり、着座時に不快感などを与える問題があった。
特開平04−146246号公報 特開2002−339206号公報 特開2003−183957号公報 特開2001−123361号公報 特開2003−171858号公報 特開2003−13346号公報 特開平04−222260号公報 特開平04−327259号公報
本発明は上記問題点を解決するものである。すなわち、本発明は、特別な後処理工程を必要とせずに高低差つまり凹凸を有する立体編物を形成し、クッション性、風合、触感に優れ、かつ、着座時のムレ感を解消した快適性に優れる立体編物及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、表裏地組織とこれを連結する連結糸からなる立体編物に、挿入糸をある特定の編成方法で地組織に係止することにより、上記問題点を解決する立体編物を提供することを見出した。
すなわち、本発明は、(1)表裏地組織が連結糸で連結された立体編物において、表裏地組織間の空隙部に挿入糸が挿入され、該挿入糸が、少なくとも一部分において、挿入方向に間隔をおいてそれぞれ裏地組織にループ形成して編成係止されるとともに、該挿入糸の両編成係止部間の部分が表地組織の側に渡って該表地組織にループ形成することなく挿入係止されてなり、該挿入糸の両編成係止部間の部分により表地組織が裏地組織の側に引き寄せられ、表地組織の表面に凹部が形成されてなることを特徴とする凹凸を有する立体編物である。
また本発明は、(2)表地組織の側に渡った前記挿入糸が、該表地組織の表面に露出して及び/又は露出することなく該表地組織の一部を跨いで挿入係止されていることを特徴とする(1)に記載の立体編物である。
また本発明は、(3)挿入糸が表地組織に挿入係止されて該表地組織を跨いでいる範囲が、ウエル方向が2〜50コースで、コース方向が2ウエル以上であることを特徴とする(2)に記載の立体編物である。
また本発明は、(4)凹部1個当りの面積が、6〜15000mmの範囲であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の立体編物である。
また本発明は、(5)表地組織表面に占める凹部の割合が3〜60%の範囲であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の立体編物である。
また本発明は、(6)表地組織表面と凹部底面の高低差が0.3〜20mmの範囲であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の立体編物である。
また本発明は、(7)挿入糸の繊度が56〜1100dtexの範囲であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の立体編物である。
また、本発明の他の一つは、前記立体編物の製造方法であり、(8)表裏地組織を連結糸で連結した立体編物の編成において、表裏地組織間の空隙部に挿入糸を挿入し、この挿入糸について、少なくとも一部分では、裏地組織に対し一旦ループ形成して編成係止した後、表地組織の側に渡ってループ形成することなく挿入係止し、該表地組織において表面に露出して及び/又は露出することなく該表地組織の一部を跨いで、該表地組織にループ形成することなく挿入係止した後、再度、裏地組織に渡って、該裏地組織にループ形成して編成係止し、その後、前記空隙部に挿入する編成を行うことにより、該挿入糸の裏地組織に対する両編成係止部間の部分により表地組織を裏地組織の側に引き寄せ、表地組織の表面に凹部を形成することを特徴とする。
本発明の立体編物は、特別な後処理工程を必要とせずに高低差を有する立体編物形成が可能で、クッション性、風合、触感に優れ、かつ、着座時のムレ感を解消した快適性に優れる立体編物である。この立体編物は、本発明の製造方法により容易に編成し製造できる。
次に、本発明の立体編物及びその製造方法の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
本発明の立体編物は、表裏地組織2,3とこれを連結する連結糸4から構成される立体編物1であり、例えば図1に例示する、複数の筬(例えばL1〜L6の6枚筬)を有し、かつ前後2列の編針列H,Hを備えるダブルラッセル機を使用して編成し製造することができる。図1において、A1〜A6は各筬L1〜L6に通糸される編糸を示している。
図2の組織図を例に詳しく説明すると、筬L1、L2に通糸した編糸は、表裏地組織の一方、例えば裏地組織3を、筬L4に通糸した編糸は表裏地組織の他方、例えば表地組織2を各々形成する。これら表裏の地組織2,3を筬L3に通糸した連結糸としての編糸によって連結した立体編物1を編成する。
筬L5に通糸した編糸は表裏地組2,3間の空隙部6に挿入される挿入糸である。この挿入糸の動きについて、本発明の立体編物1の外観を略示した斜視図(図3)と、その断面を模式的に示す断面図(図4、図5)を用いて説明する。前記挿入糸7は、前記空隙部6に挿入することを基本にして、少なくとも一部分で、裏地組織3内部の所定の部分8aに一旦ループ形成して編成係止された後、空隙部6を移動して表地組織2の側に渡り、該表地組織2に対し所定の部分9aにループ形成することなく挿入係止されて、該表地組織2の表面においてウエル方向に所定の間隔分(図2の組織図では6コース分)該表地組織2の一部10を跨いで露出した後、再び該表地組織2の所定の部分9bでループ形成することなく挿入係止されて、前記空隙部6を移動して裏地組織3の側に渡り、該裏地組織3内部の部分8b一旦ループ形成して編成係止された後で空隙部6に挿入されるように編成される。
このとき、挿入糸7の裏地組織3内部での編成係止は、図6に示すように前記裏地組織3内部の部分8a,8bの前後で複数回行ってもよい。このように挿入糸7を裏地組織3内部に複数回編成係止することにより、編成条件によっては生じる挿入糸7の張力による地組織のヒキツレが緩和され、外観の良好な立体編物が編成される。
また、図7のように、表地組織2が複数の筬で複層構造をなすように形成された立体編物1の場合は、表裏地組織2,3間の空隙部6に挿入される挿入糸7は、裏地組織3内部の部分8aで一旦ループ形成して編成係止された後、空隙部6を移動して複層構造の前記表地組織2の側に渡り、該表地組織2の空隙側地組織2aの部分11aにループ形成することなく挿入係止されて、表地組織2の表面に露出することなく該表地組織2中で前記空隙側地組織2aの一部12aを跨いでウエル方向に所定の間隔分(主に複数コース分)に渡って挿入された後、再び表地組織2の空隙側地組織2aの部分11bにループ形成することなく挿入係止されて前記空隙部6を移動して裏地組織3の側に渡り、該裏地組織3内部の部分8b一旦ループ形成して編成係止された後で空隙部6に挿入されるものであってもよい。
本発明でいう編成係止とは、挿入糸が地組織に対しループ形成して固定されている状態のことをいい、また挿入係止とは、挿入糸が地組織を形成するループとループの間に挟まれて挿入糸がループ形成すること無しに地組織に係止されて保持されている状態のことをいう。すなわち、前記部分8a,8bは地組織のループ部分であり、9a,9bは地組織のループ間の部分となる。
上記のように挿入編成される挿入糸7は、裏地組織3内部の部分8aにループ形成して編成係止された後、表地組織2の表面に露出して及び/又は露出することなく該表地組織2の一部を跨いでループ形成することなく挿入係止されて、再び裏地組織3内部の部分8bでループ形成して編成係止されるまで、表裏両地組織に対しループ形成による固定がされない。したがって、前記2個所の編成係止部と編成係止部の間の挿入糸7の糸長を短くすることにより、該挿入糸7に張力が働くことになり、挿入糸7は最初の部分8aでの編成係止部から次の部分8bでの編成係止部の間まで、表地組織2を裏地組織3側へ挿入糸7に掛かる張力によって引き寄せることになる。このため、表地組織2の一部10又は12aにおける前記挿入糸7の露出部分、又は前記挿入糸7が表地組織2に挿入されている部分の立体編物1の空隙間(厚み)が薄くなり、表地組織2の表面に凹部5が形成され、凹凸による高低差が付与される。また、このような編成を、ウエル方向及びコース方向の任意の位置に設定することにより、例えば図3のように表地組織2の表面の任意の個所に凹部5を形成できる。
なお、前記の編成において、前記挿入糸7の裏地組織3に対する編成係止部と編成係止部の間の糸長を任意に変えることにより、前記凹凸の高低差を変えることも容易である。この凹凸の高低差により接地面積が小さくなり、着座時のムレ感を解消し快適性に優れた立体編物1となる。
本発明の立体編物1は、エンボスや連結糸の熱収縮によって凹凸を付与した立体編物に比べて凹部での連結糸の硬化が殆ど生じないため、凹部においても凸部と同様の立体編物固有の特性であるクッション性、圧縮回復性を維持することができ、風合、触感に優れた立体編物となる。
また、挿入糸の表地組織へのウエル方向及びコース方向の挿入係止の間隔、つまりは露出量及び/又は挿入量を適宜選択することにより、凹部5の面積を目的に応じて設定することが可能である。
この挿入糸を表地組織のウエル方向に連続して露出し及び/又は表地組織に挿入する範囲、すなわち表地組織を跨ぐ範囲は、2〜50コース、さらには2〜30コースが好ましい。2コースより小さい場合は、高低差が出にくいため接地面積が大きくなり、着座時の快適性が損なわれる虞がある。50コースより大きい場合は、挿入糸の張力が弱くなり高低差のある凹部が形成されにくく、また挿入糸を表地組織表面に露出させる場合には、挿入糸の係止されていない部分が多くなるために摩耗性が悪くなる虞がある。
挿入糸表地組織コース方向に連続して露出し及び/又は表地組織に挿入する範囲、すなわち表地組織を跨ぐ範囲は、2ウエル以上が好ましい。2ウエルより小さい場合は、高低差が出にくいため接地面積が大きくなり、着座時の快適性が損なわれる虞がある。
このとき、挿入糸が連続して表地組織表面に露出及び/又は表地組織に挿入するコース数、ウエル数を適宜選択して組み合わせることにより、ドット柄、市松模様柄、ボーダー柄などの凹凸模様の形成が可能である。
挿入糸によって形成される凹部1個当りの面積は、6〜15000mmの範囲が好ましい。さらには、8〜7500mmの範囲が好ましい。6mmより小さい場合は、接地面積が大きくなり着座時の快適性を損なう虞がある。15000mmより大きい場合は、風合や触感が硬く、クッション性が悪くなる虞がある。
本発明における凹部1個当りの面積は下記の式を用いて算出される。
凹部1個当りの面積(mm)=(C×W×25.4)/(C×W)
・・・ 挿入糸が連続して表地組織の表面に露出して及び/又は露出することなく表地組織に挿入されているコース数
・・・ 挿入糸が連続して表地組織の表面に露出して及び/又は露出することなく表地組織に挿入されているウエル数
C ・・・ 立体編物の仕上がり時のコース密度
W ・・・ 立体編物の仕上がり時のウエル密度
立体編物の表地組織において挿入糸によって形成される凹部の占める割合は、3〜60%の範囲が好ましい。さらには10〜40%の範囲が好ましい。前記凹部の割合が3%より少ない場合は、接地面積が大きくなり、着座時の快適性が損なわれる虞がある。また前記凹部の割合が60%を超える場合は、風合や触感が硬く、クッション性が悪くなる虞がある。
本発明における表地組織において挿入糸によって形成される凹部の占める割合は、以下の式から算出される。
凹部の割合(%)=(C×W)/(C′×W′)×100
・・・ 挿入糸が連続して表地組織の表面に露出して及び/又は露出することなく表地組織に挿入されているコース数
・・・ 挿入糸が連続して表地組織の表面に露出して及び/又は露出することなく表地組織に挿入されているウエル数
C′・・・ 挿入糸の繰返しパターンのコース数
W′・・・ 挿入糸の繰返しパターンのウエル数
また、立体編物の厚みと挿入糸の糸長を適宜選択することにより、凹凸の高低差を目的に応じて設定することが可能である。このとき凹凸の高低差は0.3〜20mmの範囲が好ましく、さらには0.5〜10mmの範囲が好ましい。0.3mmより小さい場合は、充分な高低差が得られないため接地面積が大きくなり、着座時の快適性を損なう虞がある。20mmより大きい場合は、編成しがたく、また凹部の形状保持ができない虞がある。本発明でいう凹凸の高低差Aとは、図8に示すように立体編物1の厚みBから、挿入糸によって形成された凹部5の裏面からの高さCを引いたものである。
挿入糸として用いる糸は、公知の天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維を用いることが可能であり、また、糸種に付いても、フィラメント糸、紡績糸、加工糸など特に制限はされない。例えば、物性や堅牢性を重視する場合にはポリエステル等の合成繊維を選択し、また機能性を付与したい場合には、例えば吸湿性であれば綿やレーヨンなど目的の機能性に応じて選択し、また表地組織とは異なる意匠性を付与してアクセントにする場合には地組織と異なる染着性を持つ糸やモール糸などを選択する等、目的に応じて適宜選択することが可能である。
挿入糸の繊度についても目的に応じて適宜選択可能であるが、56〜1100dtexの範囲が好ましい。56dtexより小さい場合は、挿入糸の強度が弱く、充分に張力がかけられないため、表地組織を押さえられず、十分な高低差を得られない虞がある。1100dtexより大きい場合は、目付が高くなり、生地が硬く、風合が固くなる虞がある。
また、本発明において立体編物の地組織は、無地組織、メッシュ組織など目的に応じて適宜選択が可能である。
上記のような手法をとることにより、本発明の立体編物は、風合、触感、クッション性に優れ、かつ着座時にムレ感のない快適性を有した高低差のある立体編物となる。
・評価方法
<接地面積率>
被試験布を7cm×7cmの大きさにカットした。表地組織にスタンプ用のインク(シャチハタ社製のスタンプ台)を満遍なく付着させた後、白紙を載せた。その上から直径7cmの円柱形の錘5kgを載せて、10秒間放置した。その後、被試験布から白紙を取り除き、5cm×5cmの大きさに整えた後、スキャナーでパソコンに読み込み、インクと白紙の色を2値化してインク色のドット積分により集計して、白紙に付着したインクの面積(接地面積)を測定した。接地面積率は下記の式を用いて求めた。
接地面積率(%)=インクの付着面積/白紙の面積×100
<圧縮率(クッション性)>
被試験布を7cm×7cmの大きさにカットし、厚みの変化がわかりやすいように4枚重ねにした。その上に直径7cmの円柱型の錘5kgを載せ、この状態での厚みをT2とし、錘を載せる前の厚みをT1として下記の式を用いて圧縮率を求めた。
圧縮率(%)=T2/T1×100
<ムレ感>
被試験布でシートカバーを作成し、カーシートに被せた。そのシートに着座する人(被験者)の衣服とシートカバーの間に湿度測定機を挟み、室温25℃、湿度60%RHの環境下で1時間着座した時の、湿度を測定した。値は被験者5人の平均値である。
<風合>
実施例・比較例で作製した立体編物を10人の被験者に触ってもらい、以下のような基準で官能評価を行った。一番人数の多かった評価を立体編物の評価とした。
◎ ・・・ 非常に良好
○ ・・・ 良好
△ ・・・ やや悪い
× ・・・ 悪い
[実施例1]
マイヤー社製のダブルラッセル機(RD6DPLM−77E−22G)を使用して、図2に示すように、筬L−1,L−2で裏地組織を編成し、筬L−4で表地組織を編成した。筬L−3は連結糸であり、該連結糸で表裏地組織を連結し、立体編物を編成した。
筬L−5は挿入糸(330dtex)の編糸であり、筬L−4の地組織を避けて、連結糸間に挿入した後に裏面地組織内部に編成係止した。
挿入糸はコース方向に3本糸入れ12本糸抜きの配列をして、表地組織の上部にウエル方向に6コース露出させた後、表地組織を避けて連結糸間に24コース挿入し、その後、裏地組織の内側に編成係止する編成を行い、これをウエル方向に繰り返して凹凸を有する立体編物を編成した。得られた立体編物を190℃で1分間熱処理し、仕上がり36コース/インチ、23ウエル/インチで厚み5.0mmのドット柄の立体編物を作成した。
評価結果を表1に示す。
[実施例2]
マイヤー社製のダブルラッセル機(RD6DPLM−77E−22G)を使用して、図9に示すように、筬L−1,L−2で裏地組織を編成し、筬L−4で表地組織を編成した。筬L−3は連結糸であり、該連結糸で表裏地組織を連結し、立体編物を編成した。
筬L−5は挿入糸(220dtex)の編糸であり、筬L−4の地組織を避け連結糸間に挿入した後に裏面地組織内部に編成係止した。
挿入糸はコース方向に6本糸入れ6本糸抜きの配列をして、表地組織の上部にウエル方向に8コース露出させた後、表地組織を避けて連結糸間に20コース挿入し、その後、裏地組織の内側に編成係止する編成を行い、これをウエル方向に繰り返して凹凸を有する立体編物を編成した。得られた立体編物を190℃で1分間熱処理し、仕上がり38コース/インチ、24ウエル/インチで厚み4.0mmのドット柄の立体編物を作成した。
評価結果を表1に示す。
[実施例3]
マイヤー社製のダブルラッセル機(RD6DPLM−77E−22G)を使用して、図10に示すように、筬L−1,L−2で裏地組織を編成し、筬L−4で表地組織を編成した。筬L−3は連結糸であり、該連結糸で表裏地組織を連結し、立体編物を編成した。
筬L−5は挿入糸(220dtex)の編糸であり、筬L−4の地組織を避け連結糸間に挿入した後に裏面地組織内部に編成係止した。
挿入糸はコース方向に地組織と同一本数配列をして、表地組織の上部にウエル方向に12コース露出させた後、表地組織を避けて連結糸間に12コース挿入し、その後、裏地組織の内側に編成係止する編成を行い、これをウエル方向に繰り返して凹凸を有する立体編物を編成した。得られた立体編物を190℃で1分間熱処理し、仕上がり38コース/インチ、24ウエル/インチで厚み4.0mmのボーダー柄の立体編物を作成した。
評価結果を表1に示す。
[実施例4]
マイヤー社製のダブルラッセル機(RD6DPLM−77E−22G)を使用して、図11に示すように、筬L−1,L−2で裏地組織を編成し、筬L−4,L−6で表地組織を編成した。筬L−3は連結糸であり、該連結糸で表裏地組織を連結し、立体編物を編成した。
筬L−5は挿入糸(1100dtex)の編糸であり、筬L−4の地組織を避け連結糸間に挿入した後に裏面地組織内側に編成係止した。
挿入糸はコース方向に3本糸入れ12本糸抜きの配列をして、表地組織にウエル方向に6コース挿入させた後、表地組織を避けて連結糸間に24コース挿入し、その後、裏地組織の内側に編成係止する編成を行い、これをウエル方向に繰り返して凹凸を有する立体編物を編成した。得られた立体編物を190℃で1分間熱処理し、仕上がり36コース/インチ、23ウエル/インチで厚み7.0mmのドット柄の立体編物を作成した。
評価結果を表1に示す。
[比較例1]
マイヤー社製のダブルラッセル機(RD6DPLM−77E−22G)を使用して、図12に示すように、筬L−6とL−5で表地組織を編成し、筬L−1、L−2で裏地組織を編成し、筬L−3の連結糸で表裏地組織を連結し、立体編物を編成した。得られた立体編物を190℃で1分間熱処理し、仕上がり36コース/インチ、23ウエル/インチで厚み4.0mmの立体編物を作成した。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
マイヤー社製のダブルラッセル機(RD6DPLM−77E−22G)を使用して、図12に示すように、筬L−6、L−5で表地組織を編成し、筬L−1、L−2で裏地組織を編成し、筬L−3の連結糸で表裏地組織を連結し、立体編物を編成した。
得られた立体編物を190℃で1分間熱処理後、200℃に加熱したステンレス製エンボスローラー(凹凸高低差約2mm、凸部3mm四方、ドット柄)で1秒のエンボス熱加工を施して表地組織にドット柄の凹凸模様を付与し、仕上がり36コース/インチ、23ウエル/インチで厚み4.0mmのドット柄の立体編物を作成した。
評価結果を表1に示す。
[比較例3]
マイヤー社製のダブルラッセル機(RD6DPLM−77E−22G)を使用して、図13に示すように、筬L−6、L−5で表地組織を編成し、筬L−1,L−2で裏地組織を編成した。筬L−3の連結糸は8本糸入れ8本糸抜きの配列をし、筬L−4の連結糸は8本糸抜きし8本糸入れの配列をして、表裏地組織を連結した。連結糸筬L−3は、ウエル方向に12コース規定の糸長より15%多くして編成した後、12コース規定の糸長より15%少なくして編成し、連結糸筬L−4は、12コース規定の糸長より15%少なくして編成した後、12コース規定の糸長より15%多くして編成した。得られた立体編物を190℃で1分間熱処理し、仕上がり36コース/インチ、23ウエル/インチで厚み4.0mmの市松柄の立体編物を作成した。
評価結果を表1に示す。
[比較例4]
マイヤー社製のダブルラッセル機(RD6DPLM−77E−22G)を使用して、図14に示すように、筬L−6、L−5の編糸は3本糸抜きをして3本編糸を入れる配列をし、筬の糸振りを3針振りで表地組織を編成し、筬L−1、L−2の編糸は裏地組織を編成し、筬L−3、L−4の連結糸で表裏地組織を連結し、立体編物を編成した。得られた立体編物を190℃で1分間熱処理し、仕上り36コース/インチ、23ウエル/インチで厚み4.0mmの立体編物を作成した。
評価結果を表1に示す。
上記のように、本発明の実施例1−4の立体編物は、いずれも、クッション性、ムレ感及び風合いが、比較例1−4のものに比して良好であった。
本発明の立体編物は、衣料のほか、自動車用シート、椅子、ベッド、ソファ等の人体と接触する各種分野に好適に利用できる。
本発明の立体編物の製造に使用するダブルラッセル機の要部を例示する概略図である。 本発明の立体編物の実施例1の組織を示す図である。 本発明の1実施例の立体編物の略示斜視図である。 同上の一部のウエル方向に沿う略示拡大断面図である。 同上の一部のコース方向に沿う略示拡大断面図である。 本発明の他の実施例の一部の略示拡大断面図である。 本発明のさらに他の実施例の一部の略示拡大断面図である。 凹凸の高低差を表示するための略示略示断面図である。 本発明の立体編物の実施例2の組織を示す図である。 本発明の立体編物の実施例3の組織を示す図である。 本発明の立体編物の実施例4の組織を示す図である。 従来の立体編物の比較例1と2の組織を示す図である。 従来の立体編物の比較例3の組織を示す図である。 従来の立体編物の比較例4の組織を示す図である。
符号の説明
1…立体編物、2…表地組織、2a…空隙側地組織、3…裏地組織、5…凹部、6…空隙部、7…挿入糸、8a,8b…挿入糸を編成係止する部分、9a,9b…挿入糸を挿入係止する部分、10…地組織の一部、12a…地組織の一部。

Claims (8)

  1. 表裏地組織が連結糸で連結された立体編物において、表裏地組織間の空隙部に挿入糸が挿入され、該挿入糸が、少なくとも一部分において、挿入方向に間隔をおいてそれぞれ裏地組織にループ形成して編成係止されるとともに、該挿入糸の両編成係止部間の部分が表地組織の側に渡って該表地組織にループ形成することなく挿入係止されてなり、該挿入糸の両編成係止部間の部分により表地組織が裏地組織の側に引き寄せられ、表地組織の表面に凹部が形成されてなることを特徴とする凹凸を有する立体編物。
  2. 表地組織の側に渡った前記挿入糸が、該表地組織の表面に露出して及び/又は露出することなく該表地組織の一部を跨いで挿入係止されていることを特徴とする請求項1に記載の立体編物。
  3. 挿入糸が表地組織に挿入係止されて該表地組織を跨いでいる範囲が、ウエル方向が2〜50コースで、コース方向が2ウエル以上であることを特徴とする請求項2に記載の立体編物。
  4. 凹部1個当りの面積が、6〜15000mmの範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の立体編物。
  5. 表地組織の表面に占める凹部の割合が3〜60%の範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の立体編物。
  6. 表地組織表面と凹部底面の高低差が0.3〜20mmの範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の立体編物。
  7. 挿入糸の繊度が56〜1100dtexの範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の立体編物。
  8. 表裏地組織を連結糸で連結した立体編物の編成において、表裏地組織間の空隙部に挿入糸を挿入し、この挿入糸について、少なくとも一部分では、裏地組織に対し一旦ループ形成して編成係止した後、表地組織の側に渡ってループ形成することなく挿入係止し、該表地組織において表面に露出して及び/又は露出することなく該表地組織の一部を跨いで、該表地組織にループ形成することなく挿入係止した後、再度、裏地組織に渡って、該裏地組織にループ形成して編成係止し、その後、前記空隙部に挿入する編成を行うことにより、該挿入糸の裏地組織に対する両編成係止部間の部分により表地組織を裏地組織の側に引き寄せ、表地組織の表面に凹部を形成することを特徴とする凹凸を有する立体編物の製造方法。
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