JP4402241B2 - 三次元立体シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば自動車座席用のクッションシート材、椅子用のクッションシート材、介護用ベッド等のベッドのクッションシート材等として好適に用いられる三次元立体シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、椅子用のクッションシート材としては、厚さ方向に適度のクッション性を有し、耐久性、通気性、体圧分散性、振動吸収性に優れると共に、表面に着座者に対する適度の滑り抵抗を有したものであることが求められる。従来、このような要請に応えるクッションシート材として、立体二重編物によるものが既に提案されている。即ち、二列針床を有するダブルラッセル編機により、網目構造に編成された表編地と裏編地とを連結糸でつないで三次元の立体編物に構成したものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような構成の三次元立体編物において、連結糸として180デニール程度の比較的繊度の低いモノフィラメントを用いたものでは、良好な触感、着座感が得られるものの、いわゆる腰が弱く、着座による座屈力が加わると過度に沈み込み傾向を示す(底付き感がある)という問題があった。
【0004】
一方、連結糸として800デニール程度の比較的繊度の高いモノフィラメントを用いたものでは、腰が強く、底付き感は解消され着座安定性に優れるものの、連結糸がその剛性によって編目から表面側に飛び出す傾向が強く、該連結糸の硬さにより触感、着座感、風合いが悪くなるという問題があった。更に、編目から表面側に飛び出した連結糸が硬いために、この飛び出した連結糸に衣服が引っかかり易く、またやすり的作用等によって着座者の衣服から毛羽抜けを生じてしまうという問題、またこのような毛羽がシート材に多数付着することによって、シート材としての見栄え、意匠性が低下するという問題もあった。
【0005】
このように、従来の三次元立体編物においては、良好な触感、風合いと、底付き感のない腰の強さとを両立することは困難であった。
【0006】
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、良好なクッション特性を有し、軽量性、耐久性、通気性、体圧分散性、振動吸収性、形態安定性、滑り防止性に優れると共に、腰が強くて底付き感がなく、かつ良好な触感、風合いを有する三次元立体シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者は鋭意研究の結果、表編地の組織構成、立体編物の編成密度、連結糸の配置構成等を所定の範囲に設定すると共に、少なくとも表編地を2本以上の地編糸と1本以上の締糸とで編成し、少なくとも表編地の編目の一部または全部を、1本以上の地編糸と1本以上の締糸とで構成し、該締糸によって連結糸を地編糸に締め付けた構成とすることにより、上記所望の三次元立体シートが得られることを見出すに至り、この発明を完成したものである。
【0008】
即ち、この発明の三次元立体シートは、互いに離間して配置された表編地と裏編地とを連結糸でつないだ厚さ3〜35mmの三次元立体編物からなり、該立体編物は、6〜18ゲージの2列針床を有する編機により8〜28コース/インチの密度に編成され、少なくとも表編地が、メッシュまたはトリコット等の透孔組織に編成されると共に、前記連結糸がモノフィラメント糸からなり、少なくとも表編地が、2本以上の地編糸と1本以上の締糸とで編成され、少なくとも表編地の編目の一部又は全部が、1本以上の地編糸と1本以上の締糸とで構成され、該締糸によって前記連結糸が地編糸に締め付けられ、表裏両編地において、その編目を構成する糸の合計太さが500デニール以上に設定されてなることを特徴とするものである。
【0009】
この三次元立体シートは、表裏編地を連結糸でつないだ厚さ3〜35mmの立体編物であることにより、軽量で通気性に優れ、クッション性にも優れるものであるのはもとより、6〜18ゲージの編機により8〜28コース/インチの編成密度を採用しつつ、表裏編地の編目の糸の合計太さを500デニール以上に設定していることにより、表裏編地と連結糸との連結部分が連結強度に優れたものとなる。即ち、連結糸の接結部分における編目の目締力が向上し、形態安定性が向上し、ひいては良好なクッション特性を示すと共に、体圧分散性にも優れたものとなる。また、表編地と裏編地とが連結糸でつながれているから、腰のあるシートとなし得る。更に、上記表裏編地の編目が十分に太い糸で構成されたものとなるため、ウェール方向に膨隆状の畝を形成し、表面における滑り防止性に優れたものとなり、例えば椅子用のシート材として用いる場合には表面側で臀部の過度の滑りを抑制する。
【0010】
また、連結糸にモノフィラメント糸が使用されているから、クッション性と復元力を保有したものとなる。
【0011】
更に、少なくとも表編地の編目の一部又は全部が、1本以上の地編糸と1本以上の締糸とで構成されて、連結糸がこの締糸によって地編糸に締め付けられているので、連結糸が該編目から表面側に飛び出すことが効果的に防止され、ひいては触感、風合いに優れたものとなる。しかも、締糸と地編糸とは相互に撚りがかかったような態様で編成されるので、これにより連結糸の表面側への飛び出しが一層効果的に防止され得る。また、硬い連結糸の表面側への飛び出しが防止されることで、例えば着座者、寝者等の衣服が引っかかりを生じるようなこともなくて、衣服から毛羽抜けを生じることも効果的に防止され、更に毛羽がシート材に付着することもないので、使用を重ねてもシート材としての良好な見栄え、意匠性を損なうことがない。
【0012】
上記三次元立体シートにおいて、下記式で算出される充填指数Pは、5×10-4<P<2×10-2の範囲に設定されているのが好ましい。充填指数Pをこのような範囲に設定することにより、適度のクッション性と圧縮硬さとを保有させつつ、より復元性に優れた、かつ触感の一層良好なものとなし得る。
【0013】
充填指数P=(t×N×D)/(9000×102×ρ×T)
〔t:表裏2層の編地間の内寸距離(cm)、N:連結糸の本数(本/cm2)、D:連結糸の径から算出した平均デニール、ρ:連結糸の平均比重(g/cm3)、T:立体編物の単位体積(cm3)〕
【0014】
また、下記式で算出される隠蔽指数Cは、0.5<C<3.5の範囲に設定されているのが好ましい。隠蔽指数Cをこのような範囲に設定することにより、低コスト、軽量性を十分に確保しつつ、連結糸の編目表面への露出をも抑制(連結糸が編目にもぐって隠れる)し得て、触感、風合いをより向上させることができる。
【0015】
隠蔽指数C=(D1/D2)×(ρ2/ρ1)
〔D1:表編地の編目を構成する地編糸と締糸の合計デニール、ρ1:該表編地編目を構成する地編糸と締糸の平均比重(g/cm3)、D2:該表編地編目と連結する連結糸のデニール、ρ2:該連結糸の平均比重(g/cm3)〕
【0016】
前記連結糸の10%以上が、表裏編地の相対する編目から1ないし複数ウェールおよび/または1ないし複数コース離れた編目に向かって斜めに移行したトラス構造の連結層を構成したものとなされている場合には、連結糸の倒れによる偏座屈を生じることがなく、方向性のない優れたクッション性と復元力を保有したものとなし得る。
【0017】
連結糸の表面側への飛び出しをより十分に抑制するために、締糸として100〜1000デニールのマルチフィラメント糸またはスパン糸を用いるのが好ましい。
【0018】
また、より腰が強くて底付き感のないものとするために、連結糸としては250〜1000デニールのモノフィラメント糸を用いるのが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
この発明に係る三次元立体シートの一実施形態を図1及び図2に示す。この三次元立体シート(1)は、いずれもメッシュ組織等による多数の透孔(2a)(3a)を規則的配置に備えた編組織、即ち透孔組織による表編地(2)と裏編地(3)とが、相互間に所定間隔をおいて離間状態に配置され、これら両編地(2)(3)が該両編地間を往復する連結糸(4)によって連結された厚さ3〜35mmの三次元立体編物からなる。表編地(2)及び裏編地(3)は本実施形態のようにいずれもが透孔組織をもった編地に編成されるのが好ましいが、もちろん裏編地(3)は必ずしも透孔組織によるものでなくても良い。なお、透孔組織としては、前記メッシュ組織以外に、例えばトリコット組織などを例示できる。
【0020】
上記厚さが3mm未満であるときは、良好なクッション性を保有せしめることが困難であり、一方35mmを超える場合にはクッション性に優れるものの、形態安定性に乏しいものとなる。中でも、上記厚さは5〜20mmの範囲とするのが、良好なクッション性を確保しつつ形態安定性をより向上させることができる点で、好ましい。自動車座席用の置き敷きクッションシートとして用いる場合には10〜15mmの厚さ範囲とするのがより好ましい。
【0021】
上記三次元立体編物は、二列針床を備えた編機、最も一般的にはダブルラッセル機によって編成されるが、ここに本発明の立体編物は特に針列の配置密度が比較的粗い6〜18ゲージ、即ち1インチ当たりに6〜18の針列を有する編機を用いて、しかも針床頂端からのニードルによる編糸の引き込み量(度目)が1.2〜3.0mm程度で、結果的に8〜28コース/インチのコース密度に編成したものとすることが必要である。
【0022】
針列密度が6ゲージ未満あるいはコース密度が8コース/インチ未満では、形態安定性に優れた編地を編成することが困難なものとなる。また、18ゲージを超え、あるいは28コース/インチを超えるときは、後述するように地編糸と締糸と連結糸とでつくる編目部分の糸の合計太さが500デニール以上と太いものとなることとの関係で、編成困難となる。好適には、8〜18ゲージの編機を用い、8〜28コース/インチの編成条件を採用するのが良い。
【0023】
本発明においては、表編地(2)と裏編地(3)のうち、少なくとも表編地(2)が、2本以上の地編糸と1本以上の締糸とで編成され、少なくとも表編地(2)の編目の一部又は全部が、1本以上の地編糸と1本以上の締糸とで構成され、該締糸によって前記連結糸(4)が地編糸に締め付けられた構成とすることが必要である。連結糸(4)が締糸によって地編糸に締め付けられているので、連結糸が編目から表面側に飛び出す(突出する)ことを効果的に防止することができ、ひいては触感、風合いに優れたものとなし得る。加えて、締糸と地編糸とは相互に撚りがかけられたような態様で編成されるので、これにより連結糸の表面側への飛び出しを一層抑制することができるものである。なお、本実施形態では、図3の編組織図に示すように、表編地(2)のみ上記構成が採用されて、裏編地(3)については従来公知の編組織を採用しているが、表裏編地(2)(3)のいずれにも上記構成を採用するものとしても良い。
【0024】
表裏編地(2)(3)を編成する地編糸の種類や太さ等は、特に限定されないが、比較的太い250〜2500デニールのマルチフィラメント糸やスパン糸を用いるのが好適である。250デニール未満の細い糸で編成するときは、立体編地に所要の好ましい腰の強さを具備せしめることが困難になり易いので、好ましくない。一方、2500デニールを超える太すぎる編糸を用いるときは、編成作業が困難になることに加えて編地の表面の風合いが低下しやすいので、好ましくない。なお、地編糸にはモノフィラメント糸を用いても良いが、風合い等の観点から、マルチフィラメント糸またはスパン糸を用いるのが好ましい。
【0025】
一方、前記締糸の種類や太さ等も、特に限定されないものの、100〜1000デニールのマルチフィラメント糸またはスパン糸を用いるのが、連結糸(4)の表面側への飛び出しをより十分に抑制し得る点で、好ましい。100デニール未満では締付力が低下するので好ましくないし、一方1000デニールを超えると、連結糸(4)の隠蔽性能は向上されるものの、触感、風合いが低下するので好ましくない。
【0026】
この発明において、表裏両編地(2)(3)の編目を構成する糸の合計太さは500デニール以上とする必要がある。これにより、連結糸の接結部分における編目の目締力が向上し、形態安定性が向上し、ひいては良好なクッション特性を示すと共に、体圧分散性にも優れたものとなる。中でも、表裏両編地(2)(3)の編目を構成する糸の合計太さは800〜2500デニールの範囲とするのが好ましい。なお、「編目を構成する糸の合計太さ」とは、本実施形態の表編地(2)を例にとれば、地編糸と締糸と連結糸とでつくる編目の糸(3糸)の合計太さ、のことである。
【0027】
連結糸(4)は、表裏編地(2)(3)の各ウェール間を往復して編込まれ、両編地間に所定の空間を保持して良好な通気性、クッション性、更には腰の強さを保有せしめるものである。このために、連結糸(4)としてはモノフィラメント糸を用いることを必要とし、またその太さは250〜1000デニールとするのが好ましい。マルチフィラメント糸では復元力の良好なクッション性を付与することができないし、体圧荷重を受けたときに過度に沈み込む。また、250デニール未満のモノフィラメント糸を用いた場合には、腰の強さが十分に得られ難くなるので好ましくないし、1000デニールを超えるモノフィラメント糸を用いると、硬くなりすぎて適度のクッション性を得ることが困難となる上に、重量の増大、コストの増大を招来するので好ましくない。
【0028】
また、連結糸(4)によって構成される表裏編地(2)(3)間の連結層の構造は、連結糸の10%以上が、表裏編地の相対する編目から1ないし複数ウェールおよび/または1ないし複数コース離れた編目に向かって斜めに移行したトラス構造とするのが好ましい。即ち、連結糸(4)は、表裏編地(2)(3)の互いに相対する編目間を両編地面とほぼ直角に往復した部分を90%未満の割合で有しても良いが、上記の相対する編目から1ないし複数ウェールおよび/または1ないし複数コース離れた編目に向かって斜めに移行した斜行部分を10%以上有するものとすることが好ましい。連結層を上記のような構造とすることで、連結糸(4)の倒れによる偏座屈を効果的に防止し、方向性の殆どないクッション性と復元力を保有させることができる。中でも、連結糸の30%以上が、表裏編地の相対する編目から1ないし複数ウェールおよび/または1ないし複数コース離れた編目に向かって斜めに移行したトラス構造となされているのが一層好ましい。
【0029】
上記地編糸、締糸、連結糸の素材は特に限定されるものではない。例えばポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、レーヨンなどの合成繊維や再生繊維、ウール、絹、綿などの天然繊維等が挙げられる。上記素材を単独で用いても良いし、これらのいくつかを併用しても良い。素材としてポリエステル系繊維を用いればリサイクル性に優れ好適である。また、地編糸、締糸、連結糸の糸形状としては、特に限定されず、例えば丸断面糸でも異形断面糸等でも良い。
【0030】
この発明に係る三次元立体シート(1)は、全体として、下記式で算出される充填指数Pが、5×10-4<P<2×10-2の範囲に設定されているのが好ましい。
【0031】
充填指数P=(t×N×D)/(9000×102×ρ×T)
〔t:表裏2層の編地間の内寸距離(cm)、N:連結糸の本数(本/cm2)、D:連結糸の径から算出した平均デニール、ρ:連結糸の平均比重(g/cm3)、T:立体編物の単位体積(cm3)〕
なお、上記T(立体編物の単位体積)は、単位面積1cm2に表裏2層の編地(2)(3)間の外寸距離t2を乗じた値である。即ち、
T(cm3)=1(cm)×1(cm)×t2(cm)
である。
【0032】
上記充填指数Pが5×10-4より小さいと、反発弾性が低下して好適なクッション性と圧縮硬さを実現するのが困難となるので、好ましくない。充填指数Pが2×10-2を超えると反発弾性が強いものとなり過ぎて、触感、風合いが低下するので、好ましくない。中でも、充填指数Pは、6×10-4<P<1×10-2の範囲に設定されるのが、より好ましい。
【0033】
更に、この発明の三次元立体シート(1)は、下記式で算出される隠蔽指数Cが、0.5<C<3.5の範囲に設定されているのが望ましい。
【0034】
隠蔽指数C=(D1/D2)×(ρ2/ρ1)
〔D1:表編地の編目を構成する地編糸と締糸の合計デニール、ρ1:該表編地編目を構成する地編糸と締糸の平均比重(g/cm3)、D2:該表編地編目と連結する連結糸のデニール、ρ2:該連結糸の平均比重(g/cm3)〕
【0035】
なお、ρ1に関して、地編糸の平均比重と締糸の平均比重が相違する場合には、下記算出式で算出される平均比重をρ1とするものとする。
【0036】
ρ1=(D3+D4)×(ρ3×ρ4)÷(D3×ρ4+D4×ρ3)
〔D3:地編糸のデニール、D4:締糸のデニール、ρ3:地編糸の比重、ρ4:締糸の比重〕
【0037】
上記隠蔽指数Cが0.5より小さいと、連結糸(4)の隠蔽効果が不十分となって連結糸(4)が編目の表面に露出する程度が増大し、ひいては優れた触感、風合いを十分に確保することができなくなるので、好ましくない。隠蔽指数Cが3.5を超えると、目付の増大により高コストとなる上に、軽量性を十分に確保することができなくなるので、好ましくない。中でも、隠蔽指数Cは、1.0<C<2.5の範囲に設定されるのがより望ましい。
【0038】
なお、上記実施形態においては、表裏編地(2)(3)ともに六角形の亀甲状透孔(2a)(3a)による網組織に編成されているが、特にこのような形態に限定されるものではなく、例えば表編地(2)を六角形の亀甲状透孔による網組織とし、一方裏編地(3)を相対的に大きさの小さい菱形透孔による網組織に編成するものとしても良い。
【0039】
また、上記実施形態においては、表編地(2)の編目が、1本の地編糸と1本の締糸とで構成されているが、例えば表編地(2)の編目を2本の地編糸と1本の締糸とで構成するものとしても良く、このように糸の本数を増やすことにより、更に変化に富んだ意匠を創出できると共に、触感、風合いもより向上させることができる。
【0040】
また、表裏両編地(2)(3)において、地編糸、締糸等の構成糸の色は、同色であっても良いし、類似色であっても良いし、あるいは相互に補色であっても良く、特に限定されず、意匠性との兼ね合いで自由な組み合わせを採用することができる。
【0041】
この発明の三次元立体シート(1)は、例えば自動車座席用のクッションシート材、椅子用のクッションシート材、介護用ベッド等のベッドのクッションシート材等として好適に用いられるが、特にこのような用途に限定されるものではない。
【0042】
【実施例】
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
【0043】
<実施例1>
図3に示す編組織により下記仕様による三次元立体編物シートを編成した。
【0044】
編機:ダブルラッセル編機(9ゲージ/インチ、釜間距離12mm)
ウェール密度:9本/インチ
コース密度:11本/インチ
仕上がり厚みt2:12mm
表編地の編糸:750d(デニール)/192fポリエステル・BCFマルチフィラメント(捲縮加工糸)
裏編地の編糸:750d(デニール)/192fポリエステル・BCFマルチフィラメント(捲縮加工糸)
締糸:225d/72fポリエステル
連結糸:600d/1fポリエステル
表編地の組織:1リピート6コースの亀甲メッシュ(1イン・1アウト)
裏編地の組織:1リピート6コースの亀甲メッシュ(1イン・1アウト)
充填指数P:1.36×10-3
隠蔽指数C:1.625
【0045】
<実施例2>
図4に示す編組織により下記仕様による三次元立体編物シートを編成した。
【0046】
編機:ダブルラッセル編機(9ゲージ/インチ、釜間距離15mm)
ウェール密度:9本/インチ
コース密度:13本/インチ
仕上がり厚みt2:13.5mm
表編地の編糸:750d/192fポリエステル・BCFマルチフィラメント(捲縮加工糸)
裏編地の編糸:500d/70fポリエステルマルチフィラメント
締糸:225d/72fポリエステルマルチフィラメント加工糸
連結糸:600d/1fポリエステル
表編地の組織:1リピート6コースの亀甲メッシュ(1イン・1アウト)
裏編地の組織:1リピート6コースの亀甲メッシュ(1イン・1アウト)
充填指数P:1.53×10-3
隠蔽指数C:1.625
【0047】
<実施例3>
図5に示す編組織により下記仕様による三次元立体編物シートを編成した。
【0048】
編機:ダブルラッセル編機(18ゲージ/インチ、釜間距離15mm)
ウェール密度:18本/インチ
コース密度:24本/インチ
仕上がり厚みt2:13mm
表編地の編糸:200d/60fポリエステルマルチフィラメント加工糸
裏編地の編糸:200d/60fポリエステルマルチフィラメント加工糸
締糸:100d/36fポリエステル
連結糸:300d/1fポリエステル
表編地の組織:1リピート6コースの亀甲メッシュ(1イン・1アウト)
裏編地の組織:1リピート6コースのクインズコード組織
充填指数P:3.66×10-3
隠蔽指数C:1.0
【0049】
<比較例>
図6に示す編組織により下記仕様(締糸のない構成)による三次元立体編物シートを編成した。
【0050】
編機:ダブルラッセル編機(9ゲージ/インチ、釜間距離12mm)
ウェール密度:9本/インチ
コース密度:11本/インチ
仕上がり厚みt2:13mm
表編地の編糸:750d(デニール)/192fポリエステル・BCFマルチフィラメント(捲縮加工糸)
裏編地の編糸:750d(デニール)/192fポリエステル・BCFマルチフィラメント(捲縮加工糸)
連結糸:600d/1fポリエステル
表編地の組織:1リピート6コースの亀甲メッシュ(1イン・1アウト)
裏編地の組織:1リピート6コースの亀甲メッシュ(1イン・1アウト)
充填指数P:1.60×10-3
【0051】
上記のようにして編成された各三次元立体シートに対して、下記評価法により評価を行った。
【0052】
<圧縮率及び圧縮復元率測定法>
三次元立体シートを5×5cmの試験片に切出し、その初期厚みAを測定した。次に試験片上に5kgの重りを載せて10分間放置し、そのときの厚さBを測定したのち、重りを取り除いて10分経過後の厚さCを測定した。下記算出式により圧縮率、圧縮復元率を求めた。
【0053】
圧縮率(%)={(A−B)/A}×100
圧縮復元率(%)={(C−B)/(A−B)}×100
<触感、風合い評価法>
表編地の表面を手でさするように触れた際の感触で評価した。即ち、ザラザラ感が全くなく非常に滑らかな柔らかい感触で風合いに優れるものを「○」、ザラザラ感が少し感じられるものの、相対的に風合いの比較的良好なものを「△」、ザラザラ感があって、柔らかい感触が乏しく風合いに劣るものを「×」として示した。
【0054】
<毛羽抜け防止性評価法>
摩擦試験機II形(学振形)を用い、表編地を上側にして配置した三次元立体シートの上に500gの荷重をかけた状態で綿ネル(グローリ500)をウェール方向に100往復、コース方向に100往復させた後、表編地に付着した毛羽の量を目視で調べ、毛羽の付着が殆ど認められないものを「○」、毛羽の付着が少しあるものを「△」、毛羽の付着が顕著であるものを「×」として示した。
【0055】
なお、腰の強さについては、表1中に記載しないが、実施例1〜3、比較例1のいずれも同等レベルの十分な腰の強さを備えていることを確認した。
【0056】
【表1】
Figure 0004402241
表1から明らかなように、この発明の実施例1〜3の三次元立体シートは、圧縮率及び圧縮復元率ともに優れており、偏座屈を生じることがなく、適度のクッション性を有していると共に、腰が強くて底付き感がなく、かつ良好な触感、風合いを備え、また毛羽抜け防止性にもすぐれていることを確認し得た。
【0057】
これに対して、従来品相当の比較例では、腰の強さはあるものの、触感、風合いに劣っており、また毛羽抜けも顕著であった。
【0058】
【発明の効果】
この発明の三次元立体シートは、軽量で通気性に優れ、クッション性に優れるものである上に、形態安定性、体圧分散性、滑り防止性にも優れている。また、連結糸にモノフィラメント糸を使用しているから、クッション性と復元力を保有したものとなる。
【0059】
更に、少なくとも表編地の編目の一部又は全部が、1本以上の地編糸と1本以上の締糸とで構成されて、連結糸がこの締糸によって地編糸に締め付けられているので、連結糸が該編目から表面側に飛び出すことを効果的に防止でき、ひいては触感、風合いに優れたものとなし得る。また、連結糸の飛び出しを防止できることにより、シートに接触する着座者、寝者等の衣服からの毛羽抜けを防止できる利点があり、またシート表面への毛羽の付着がないので、シート材としての優れた意匠性を損なうこともない。
【0060】
充填指数Pが5×10-4<P<10×10-2の範囲に設定されている場合には、適度のクッション性と圧縮硬さとを保有させつつ、より復元性に優れた、かつ触感の一層良好なものとなし得る。
【0061】
また、隠蔽指数Cが0.5<C<3.5の範囲に設定されている場合には、低コスト、軽量性を十分に確保しつつ、触感、風合いをより向上させることができる。
【0062】
連結糸の10%以上が表裏編地間に連結糸が斜めに移行したトラス構造の連結層を形成している場合には、連結糸の倒れによる偏座屈を生じることがなく、方向性のない優れたクッション性と復元力を保有したものとなる。
【0063】
締糸が、100〜1000デニールのマルチフィラメント糸またはスパン糸からなる場合には、一層触感、風合いに優れたものとできる。
【0064】
連結糸が、250〜1000デニールのモノフィラメント糸からなる場合には、一層腰の強い底付き感のないものとできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る三次元立体シートを示す斜視図である。
【図2】同側断面図である。
【図3】実施例1に係る立体編物の編組織図である。
【図4】実施例2に係る立体編物の編組織図である。
【図5】実施例3に係る立体編物の編組織図である。
【図6】比較例に係る立体編物の編組織図である。
【符号の説明】
1…三次元立体シート
2…表編地
2a…透孔
3…裏編地
3a…透孔
4…連結糸

Claims (7)

  1. 互いに離間して配置された表編地と裏編地とを連結糸でつないだ厚さ3〜35mmの三次元立体編物からなり、
    該立体編物は、6〜18ゲージの2列針床を有するダブルラッセル編機により8〜28コース/インチの密度に編成され、
    少なくとも表編地が、透孔組織に編成されると共に、
    前記連結糸がモノフィラメント糸からなり、
    少なくとも表編地が、2本以上の地編糸と1本以上の締糸とで編成され、
    少なくとも表編地の編目の一部又は全部が、1本以上の地編糸と1本以上の締糸とで構成され、前記地編糸と前記締糸とが相互に撚りがかかった態様で編成され、該締糸によって前記連結糸が地編糸に締め付けられ、
    表裏両編地において、その編目を構成する糸の合計太さが500デニール以上に設定されてなることを特徴とする三次元立体シート。
  2. 下記式で算出される充填指数Pが、5×10-4<P<2×10-2の範囲に設定されてなる請求項1に記載の三次元立体シート。
    充填指数P=(t×N×D)/(9000×102×ρ×T)
    〔t:表裏2層の編地間の内寸距離(cm)、N:連結糸の本数(本/cm2)、D:連結糸の径から算出した平均デニール、ρ:連結糸の平均比重(g/cm3)、T:立体編物の単位体積(cm3)〕
  3. 下記式で算出される隠蔽指数Cが、0.5<C<3.5の範囲に設定されてなる請求項1または2に記載の三次元立体シート。
    隠蔽指数C=(D1/D2)×(ρ2/ρ1)
    〔D1:表編地の編目を構成する地編糸と締糸の合計デニール、ρ1:該表編地編目を構成する地編糸と締糸の平均比重(g/cm3)、D2:該表編地編目と連結する連結糸のデニール、ρ2:該連結糸の平均比重(g/cm3)〕
  4. 前記連結糸の10%以上が、表裏編地の相対する編目から1ないし複数ウェールおよび/または1ないし複数コース離れた編目に向かって斜めに移行したトラス構造の連結層を構成したものとなされている請求項1〜3のいずれか1項に記載の三次元立体シート。
  5. 前記締糸が、100〜1000デニールのマルチフィラメント糸またはスパン糸からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の三次元立体シート。
  6. 前記連結糸が、250〜1000デニールのモノフィラメント糸からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の三次元立体シート。
  7. 自動車座席用のクッションシート材、椅子用のクッションシート材またはベッドのクッションシート材として用いられる請求項1〜6のいずれか1項に記載の三次元立体シート。
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