JP2005126735A - 耐焼戻し軟化性に優れたブレーキディスクおよびその製造方法 - Google Patents

耐焼戻し軟化性に優れたブレーキディスクおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 適正な焼入れ硬さを有すると共に、耐焼戻し軟化性に優れたブレーキディスクおよびその製造方法を提案する。
【解決手段】 C:0.1mass%以下、Si:1.0mass%以下、Mn:2.0mass%以下、Cr:10.5〜15.0mass%、Ni:2.0mass%以下、Cu:0.5超〜4.0mass%、Nb:0.02超〜0.6mass%、N:0.1mass%以下を含有し、さらにC,N,Nb,Cr,Si,Ni,Mn,MoおよびCuが下記(1)および(2)式を満たして含有するステンレス鋼板を円盤形状に加工し、その後、1000℃超えの温度に加熱してから1℃/sec以上で冷却する焼入れ処理を行うことにより、焼入れ硬さがHRC 32〜38で、かつ650℃で焼戻した後の硬さがHRC 30以上であるブレーキディスクを得る。
5Cr+10Si+15Mo+30Nb−9Ni−5Mn−3Cu−225N−270C < 42 ・・・(1)
0.03 ≦ {C+N−(13/93)Nb} ≦ 0.09 ・・・(2)

Description

本発明は、オートバイや自動車、自転車などのディスクブレーキに用いられるブレーキディスク(回転体)に関し、特に適正な焼入れ硬さを有すると共に、耐焼戻し軟化性にも優れるステンレス鋼製のブレーキディスクとその製造方法に関するものである。
オートバイ等に採用されているディスクブレーキは、ブレーキディスクとブレーキパッドとの摩擦によって運動エネルギーを熱エネルギーに変換することにより、車輪の回転を抑えて制動するものである。そのため、上記ブレーキディスクは、適正な硬さを有すると共に耐磨耗性や靭性等に優れることが必要である。特に、ブレーキディスクの硬さが低いと、ブレーキパッドとの摩擦により磨耗が大きくなるほか、ブレーキの利き(制動性)が悪くなる。一方、ブレーキディスクが硬すぎるといわゆるブレーキ鳴きの原因となる。そのため、ブレーキディスクの硬さは、JIS Z 2245で規定されたロックウェルC硬さ(HRC)で32〜38程度に管理されている。
ブレーキディスクの素材としては、硬さと耐食性の観点から、従来、主にマルテンサイト系ステンレス鋼が使用されている。マルテンサイト系ステンレス鋼としては、一時、SUS 420J2などの炭素量が高いステンレス鋼を、焼入れ焼戻し処理して使用していたが、焼戻し処理が必要であり、製造上の負荷が大きいという問題があった。そのため、近年では、特許文献1や特許文献2に開示されているような、焼入れたままで使用可能な低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼が多用されるようになってきた。
一方、近年では、地球環境を保護する観点から、オートバイや自動車等の燃費向上が求められている。燃費を向上するには、車体重量の低減が有効であり、車両の軽量化が進められている。制動装置であるディスクブレーキも例外ではなく、ブレーキディスクの小型化や厚みの低減(薄肉化)が行われている。しかし、ディスクブレーキの小型化、薄肉化は、ブレーキディスクの熱容量の低下を招き、その結果、制動時の摩擦熱により、ブレーキディスクの温度は650℃以上になることもある。そのため、従来のディスク材料では、上記摩擦熱により焼戻されて軟化し、耐久性が低下するという問題がある。
このような問題に対しては、例えば、特許文献3には、Ti,Nb,V,Zrのうちの1種または2種以上とNとを含有することにより、ディスクブレーキ制動中の昇温による軟化を抑制する低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼が提案されている。また、特許文献4には、NbあるいはNbと共にTi,V,Bのうちの1種または2種以上を複合して添加し、焼戻し軟化を抑制するディスクブレーキ用ステンレス鋼が提案されている。また、特許文献5には、鋼中のC,N,Ni,Cu,Mn,Cr,Si,Mo,V,TiおよびAlの関係式で表されるGP値(高温でのオーステナイト比率)を50%以上に調整すると共に、Nb,Vのうちの1種または2種を添加することにより、制動時の昇温による焼戻し軟化を抑制するディスクブレーキロータ用鋼が提案されている。
特開昭57−198249号公報 特開昭60−106951号公報 特開2002−146489号公報 特許第3315974号公報 特開2002−121656号公報
しかしながら、特許文献3〜5に記載されたブレーキディスク用ステンレス鋼は、高価な合金元素を多量に添加する必要があることから製造コストが高く、また、ブレーキ制動時の摩擦熱による耐焼戻し軟化性も不十分で、650℃以上の温度に長時間保持されると、硬さが急激に低下するという問題があった。
本発明の目的は、従来技術が抱える上記問題点を解決し、適正な焼入れ硬さを有すると共に、耐焼戻し軟化性に優れたブレーキディスクおよびその製造方法を提案することにある。
発明者らは、マルテンサイト系ステンレス鋼により製造されたブレーキディスクの耐焼戻し軟化性に及ぼす各種要因の影響について詳細に調査した。その結果、ブレーキディスク用素材として特定成分組成の低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼を用い、その素材の焼入れ温度を1000℃超の高温とすることにより、適正な焼入れ硬さ(HRC 32〜38)を有し、かつ、耐焼戻し軟化性にも優れる(HRC 30以上)ブレーキディスクが得られることを見出した。
上記知見に導いた実験について説明する。
図1は、C:0.04mass%−Cr:12mass%−Si:0.1mass%−Mn:1.5mass%−N:0.04mass%−Nb:0.12Cr−Ni:0.1mass%−Cu:1.0mass%−Mo:0.03mass%−V:0.05mass%、残部が実質的にFeからなる低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼を、1000〜1150℃の温度に加熱し、10分間保持してから、200℃までを200℃/secの速度で水冷する焼入れ処理をした後、600〜700℃の温度に1hr保持してから空冷する焼戻し処理を施した時の、焼戻し後の硬さに及ぼす焼入れ温度の影響を示したものである。なお、硬さの測定は、焼入れ処理および焼戻し処理した鋼板表層の酸化層を除去してから、ロックウェル硬度計で表面の硬さ(HRC)を測定した。図1から、上記成分組成のステンレス鋼板は、合金元素を多量に添加していないにも拘わらず、1000℃を超える温度に加熱し、焼入れすることにより、焼入れ後の硬さがHRCで32〜38であり、さらに、650℃で1hr保持する焼戻し処理した後でも、HRC 30以上の硬さを維持していることがわかった。本発明は、上記知見に基き開発されたものである。
すなわち、本発明は、C:0.1mass%以下、Si:1.0mass%以下、Mn:2.0mass%以下、Cr:10.5〜15.0mass%、Ni:2.0mass%以下、Cu:0.5超〜4.0mass%、Nb:0.02〜0.6mass%、N:0.1mass%以下を含有し、さらに、C,N,Nb,Cr,Si,Ni,Mn,MoおよびCuが、下記(1)および(2)式を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有すると共に、1000℃超えの温度から1℃/sec以上で冷却する焼入れ処理後の硬さがHRC32〜38であることを特徴とする耐焼戻し軟化性に優れたブレーキディスクである。

5Cr+10Si+15Mo+30Nb−9Ni−5Mn−3Cu−225N−270C < 42 ・・・(1)
0.03 ≦ {C+N−(13/93)Nb} ≦ 0.09 ・・・(2)
本発明の上記焼入れ処理後のブレーキディスクは、650℃で1hr保持する焼戻し処理後の硬さがHRC30以上であることが好ましい。
また、本発明は、上記成分組成に加えてさらに、下記A〜C群のうちの少なくとも1群の成分を含有することが好ましい。

A群 Mo:0.01〜2.0mass%、Co:0.01〜1.0mass%のいずれか1種または2種
B群 Ti:0.02〜0.3mass%、V:0.02〜0.3mass%、Zr:0.02〜0.3mass%およびTa:0.02〜0.3mass%のうちから選ばれた1種または2種以上
C群:B:0.0005〜0.0050mass%、Ca:0.0005〜0.0050mass%のいずれか1種または2種
また、本発明は、C:0.1mass%以下、Si:1.0mass%以下、Mn:2.0mass%以下、Cr:10.5〜15.0mass%、Ni:2.0mass%以下、Cu:0.5超〜4.0mass%、Nb:0.02〜0.6mass%、N:0.1mass%以下を含有し、さらに、C,N,Nb,Cr,Si,Ni,Mn,MoおよびCuが下記(1)および(2)式を満たして含有するステンレス鋼板を円盤形状に加工し、その後、1000℃超えの温度に加熱してから1℃/sec以上で冷却する焼入れ処理を行うことを特徴とする耐焼戻し軟化性に優れたブレーキディスクの製造方法を提案する。

5Cr+10Si+15Mo+30Nb−9Ni−5Mn−3Cu−225N−270C < 42 ・・・(1)
0.03 ≦ {C+N−(13/93)Nb} ≦ 0.09 ・・・(2)
また、本発明の製造方法は、上記上記成分組成に加えてさらに、下記A〜C群のうちの少なくとも1群の成分を含有することが好ましい。

A群 Mo:0.01〜2.0mass%、Co:0.01〜1.0mass%のいずれか1種または2種
B群 Ti:0.02〜0.3mass%、V:0.02〜0.3mass%、Zr:0.02〜0.3mass%およびTa:0.02〜0.3mass%のうちから選ばれた1種または2種以上
C群:B:0.0005〜0.0050mass%、Ca:0.0005〜0.0050mass%のいずれか1種または2種
本発明によれば、HRC 32〜38という適正焼入れ硬さを有すると共に、耐焼戻し軟化性に優れるブレーキディスクを、多量の合金元素を添加することなく安価に製造することができる。
本発明は、ブレーキディスクの素材として、C:0.1mass%以下、Si:1.0mass%以下、Mn:2.0mass%以下、Cr:10.5〜15.0mass%、Ni:2.0mass%以下、Cu:0.5超〜4.0mass%、Nb:0.02〜0.6mass%、N:0.1mass%以下を含有する低炭素マルテンサイト系ステンレス鋼板を用いる。なお、上記ステンレス鋼板は、ブレーキディスクとする場合、熱延鋼板、冷延鋼板のいずれを用いてもよい。以下に、上記成分組成に限定する理由について説明する。
C:0.1mass%以下
Cは、焼入後のブレーキディスクの硬さを決定する元素であり、焼入れ後、適正な硬さ(HRC:32〜38)を確保するためには、0.01mass%以上含有することが好ましい。しかし、0.1mass%を超えて含有すると、粗大なCr炭化物(Cr236)を形成して発錆の起点となり、耐食性を低下させるほか、靭性を低下させるので、Cは、0.1mass%以下とする必要がある。なお、耐食性の観点からは、0.05mass%未満とすることが好ましい。
Si:1.0mass%以下
Siは、脱酸剤として添加される元素であり、0.05mass%以上含有することが望ましい。また、Siは、フェライト相安定化元素であり、1.0mass%を超える過剰な添加は、焼入れ性を低下して、焼入れ硬さを下げるほか、靭性を劣化する。そのため、Siは、1.0mass%以下に限定する。靭性の観点からは、好ましくは0.5mass%以下である。
Mn:2.0mass%以下
Mnは、高温でのδ−フェライト相の生成を抑制して焼入れ性を向上しするので、安定した焼入れ硬さを得るために有用な元素であり、0.3mass%以上含有することが望ましい。しかし、2.0mass%を超えて含有すると、Sと結合してMnSを形成し、耐食性を低下させることから、2.0mass%以下に限定する。なお、焼入れ性向上のためには、1.0mass%超えが好ましく、より好ましくは1.2mass%超えである。
Cr:10.5〜15.0mass%
Crは、ステンレス鋼の特徴である耐食性を向上させる有用な元素であり、十分な耐食性を確保するためには10.5mass%以上含有することが必要である。一方、15.0mass%を超えて含有すると、加工性、靭性の低下が著しくなる。そのため、Crは、10.5〜15.0mass%の範囲に制限する。なお、耐食性の観点からは、11.5mass%超、靭性の観点からは、13mass%未満とすることが好ましい。
Ni:2.0mass%以下
Niは、耐食性を向上し、また、650℃を超える高温でのCr炭化物の析出を遅らせて、過飽和にCを含むマルテンサイト組織の硬さの低下を抑制し、耐焼戻し軟化性の向上に寄与する。さらに、ステンレス鋼の特徴である耐食性を向上すると共に、靭性の改善にも寄与する。それらの効果は、0.01mass%以上の添加で認められる。一方、2.0mass%を超えて添加しても、耐焼戻し軟化性の向上効果は飽和し、含有量に見合う効果が得られなくなるため、2.0mass%以下に限定する。なお、0.5mass%を超えるNiの添加は、Crの拡散速度を低下するため、熱延鋼板の焼鈍時間の大幅な延長を必要とするため、生産性の観点からは、0.5mass%以下として焼鈍時間を10時間程度に抑えることが好ましい。
Cu:0.5超〜4.0mass%
Cuは、焼戻しを受けた際にε−Cuとして微細に析出し、耐焼戻し軟化性を向上する元素であり、0.5mass%超え添加する。しかし、4.0mass%を超えて添加すると、靭性の劣化を招く。よって、耐焼戻し軟化性を向上するためには0.5超〜4.0mass%の範囲で添加する。なお、靭性の観点からは、1.5mass%未満で含有することが好ましい。
Nb:0.02〜0.6mass%
Nbは、焼入後、650℃程度の高温に保持された際に、析出物を形成して析出硬化することにより、耐焼戻し軟化性を改善する元素である。その効果を得るためには、0.02mass%以上添加する必要がある。しかし、0.6mass%を超えて添加すると靭性が低下する。そのため、Nbは0.02〜0.6mass%の範囲に限定する。なお、耐焼戻し軟化性の観点からは、0.08mass%超え、また、靭性の観点からは0.3mass%以下にすることが好ましい。
N:0.1mass%以下
Nは、Cと同様に、焼入後の鋼の硬さを高める元素である。特に、Nは、500〜700℃の温度範囲で微細なCr窒化物(Cr2N)を形成し、その析出硬化作用により耐焼戻し軟化性を向上させる。このような効果を得るためには、Nを0.03mass%超え含有することが望ましい。一方、Nの過度の添加は、靭性の低下を招くので、0.1mass%以下に限定する必要がある。
本発明が用いるステンレス鋼は、上記の基本成分を上記の組成範囲で含有するほか、下記(1)および(2)式;
5Cr+10Si+15Mo+30Nb−9Ni−5Mn−3Cu−225N−270C < 42 ・・・(1)
0.03 ≦ {C+N−(13/93)Nb} ≦ 0.09 ・・・(2)
ここで、Cr,Si,Mo,Nb,Ni,Mn,Cu,NおよびCは、各合金成分の含有量(mass%)
を満たして含有する必要がある。なお、(1)式の左辺、(2)式の中間項の値を計算するに当たっては、Cu:0.01mass%未満、Nb:0.02mass%未満、Mo:0.01mass%未満、Ni:0.01mass%未満の場合には、各元素の含有量は0(ゼロ)として行うものとする。
(1)式; 5Cr+10Si+15Mo+30Nb−9Ni−5Mn−3Cu−225N−270C < 42
(1)式は、優れた焼入安定性を確保するための条件を示すものである。ここで「優れた焼入れ安定性」とは、焼入れ加熱時にオーステナイト(γ)相が80vol%以上生成し、空冷以上の速い速度で冷却する焼入れを行った際に、オーステナイト相がマルテンサイト相に変態して所定の焼入れ硬さが安定して確保でき、かつ、オーステナイト領域が広く、焼入れ温度範囲が広いことを意味する。(1)式の左辺の値が42以上では、焼入れ加熱した際に、オーステナイト相が80vol%以上生成しないか、あるいは生成する温度範囲が極端に狭くなり、安定した焼入れ硬さを確保できなくなる。そのため、安定した焼入性を得るためには、(1)式の左辺の値は42未満に規制する必要がある。
(2)式; 0.03 ≦ {C+N−(13/93)Nb} ≦ 0.09
(2)式は、焼入れ硬さを所定の適正範囲内とするための条件を示すものである。焼入れ硬さは、C,Nの量と強い相関がある。しかし、Nbと結合し、炭窒化物を形成したC,Nは硬さには寄与しなくなる。そのため、焼入れ後の硬さは、鋼中のC,N量から析出物として消費されたC,N量を差し引いた、(2)式の中間項{C+N−(13/93)Nb}で考える必要がある。(2)式の中間項の値が、0.03未満では焼入れ後の硬さがHRC 32を下回り、一方、0.09を超えると硬さがHRC 38を上回るようになる。従って、焼入後のブレーキディスクの硬さを適正な硬さ(HRC 32〜38)とするためには、(1)式の中間項を0.03〜0.09の範囲に制限する必要がある。
本発明で用いるステンレス鋼板は、上記に説明した基本成分以外に、さらにP,SおよびAlを下記の範囲に調整したものであることが好ましい。
P:0.04mass%以下
Pは、熱間加工性を低下させる元素であり、できる限り低減することが好ましい。しかし、過剰な低減は、製鋼コストの上昇を招くため0.04mass%を上限とすることが好ましい。熱間圧延性の観点からは、含有量を0.03mass%以下にすることがより好ましい。
S:0.010mass%以下
Sは、Pと同様に、熱間加工性を低下するため低いほど好ましいが、製鋼での脱S処理コストとの兼ね合いから、0.010mass%以下とするのが好ましい。熱間加工性の観点からは、含有量を0.005mass%以下にすることがより好ましい。
Al:0.2mass%以下、
Alは、脱酸剤として添加する元素であるが、不純物として過剰に残留していると、耐食性、靭性および表面性状を低下させる。そのため、Alは0.2mass%以下に制限することが好ましく、十分な耐食性を得るためには、0.05mass%以下がより好ましい。
また、本発明で用いるステンレス鋼板は、前述した基本成分以外に、必要に応じて、(1)式および(2)式を満たす範囲で、以下の成分を添加することができる。
Mo:0.01〜2.0mass%、Co:0.01〜1.0mass%のうちの1種または2種
Mo,Coは、いずれも耐食性の向上に有効な成分であり、必要に応じて0.01mass%以上添加することができる。特に、Moは、炭窒化物の析出を抑制し、耐焼戻し軟化性を向上する効果も有しており、この効果を安定して得るためには、0.02mass%以上添加することがより好ましい。なお、Moの耐焼戻し軟化性の向上効果は、0.05mass%未満の添加でも十分に得ることができる。一方、Moが2.0mass%、Coが1.0mass%を超えて含有しても、それら元素の耐食性向上効果、あるいはMoの耐焼戻し軟化性の向上効果が飽和し、含有量に見合う効果が得られなくなる。そのため、Moは2.0mass%、Coは1.0mass%を上限とするのが好ましい。
Ti:0.02〜0.3mass%、V:0.02〜0.3mass%、Zr:0.02〜0.3mass%、Ta:0.02〜0.3mass%のうちの1種または2種以上
Ti,V,ZrおよびTaはいずれも、Nbと同様に、炭窒化物を形成して析出し、耐焼戻し軟化性を向上する元素であり、必要に応じて添加することができる。この耐焼戻し軟化性を向上する効果は、Ti,V,ZrおよびTaの各元素とも、0.02mass%以上の添加で得ることができる。特に、Vの効果は大きいので、Vを0.05mass%以上添加することが好ましい。一方、Ti,V,ZrおよびTaの各元素の添加量が0.3mass%を超えると靭性の低下が著しくなる。そのため、Ti,V,ZrおよびTaは、Ti:0.02〜0.3mass%、V:0.02〜0.3mass%、Zr:0.02〜0.3mass%、Ta:0.02〜0.3mass%の範囲で添加することが好ましい。
B:0.0005〜0.0050mass%、Ca:0.0005〜0.0050mass%の1種または2種
B,Caは、微量の添加で、鋼の焼入れ性、靭性を高める効果があり、必要に応じてそれぞれ0.0005mass%以上添加することができる。しかしながら、0.0050mass%を超えて添加しても、効果が飽和するばかりでなく、耐食性を低下させるため、0.0050mass%を上限とするのが好ましい。
本発明が用いるステンレス鋼は、上記成分以外は、Feおよび不可避的不純物からなる。ただし、不可避的不純物以外の成分として、Na,Li等のアルカリ金属、Mg,Ba等のアルカリ土類金属、Y,La等の希土類元素およびHf等の遷移金属などがそれぞれ0.05mass%以下含有されていても、本発明の効果を何ら妨げるものではない。
次に、本発明がブレーキディスクの素材として用いるステンレス鋼板の製造方法について説明する。
ステンレス鋼板の製造方法は、特に限定する必要はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、上記成分組成を有する溶鋼を、転炉あるいは電気炉等で溶製し、さらにその溶鋼を、VOD(Vacuum Oxygen Decarburization)あるいはAOD(Argon Oxygen Decarburization)等で2次精錬し、公知の鋳造方法で鋼素材とする。鋳造方法としては、生産性および品質面からは、連続鋳造法が好ましい。鋼素材は、その後、1100〜1200℃に加熱し、熱間圧延して所定の板厚の熱延鋼帯(鋼板)とする。なお、ブレーキディスク用の素材には、一般に、板厚3〜8mm程度の熱延鋼板が用いられている。この熱延鋼板に、必要に応じて、バッチ式炉で650〜800℃の温度で10hr程度保持する熱延板焼鈍を施し、ディスク素材とするのが好ましい。さらに必要に応じて、酸洗やショットブラスト等を行い脱スケールを行ってもよい。なお、自転車用ブレーキディスクは、その厚さが2mm程度であるため、上記熱延鋼帯を、さらに冷間圧延したのち、600〜800℃の焼鈍と、必要に応じて酸洗処理を行い、ディスク素材としてもよい。
次に、熱延鋼板あるいは冷延鋼板の素材から、ブレーキディスクを製造する方法について説明する。
上記のようにして製造したマルテンサイト系ステンレス鋼板を、打ち抜き加工等により所定の寸法のディスク形状に加工し、さらに、制動時に発生する摩擦熱を逃がし制動性を高めるのに効果がある冷却穴等を加工した後、ブレーキパッドが当たる部分である摩擦部を高周波誘導加熱等により所定の焼入れ温度まで加熱し冷却する焼入れ処理を施し、所望の硬さに調整する。次いで、焼入れ処理により表面に生成したスケールをショットブラスト等により除去し、さらに必要に応じて、摩擦部以外の部分や打抜き剪断面に塗装を施し、最後に、機械的精度を出すために上記摩擦部を機械研削して製品(ブレーキディスク)とするのが一般的である
ここで、本発明における上記焼入れ処理は、γ領域内の温度である1000℃超えの温度に加熱した後、冷却速度1℃/sec以上で冷却することが必要である。
焼入れ温度:1000℃超え
焼入れ温度(焼入れ前の鋼板の加熱温度)は、γ領域内の温度、特に、1000℃超えの温度とすることが重要である。ここで、γ領域とは、オーステナイト相の分率が80vol%以上生成する温度領域を言う。焼入れ温度を1000℃超えとすることにより、適正な焼入れ硬さを確保できると共に、650℃を超える高温に保持された場合でも、硬さ低下が抑制され、耐焼戻し軟化性が著しく向上する。一方、焼入れ温度が1000℃以下では、650℃を超える高温で容易に焼戻されて、硬さの低下が大きくなる。耐焼戻し軟化性の観点からは、焼入れ温度は、好ましくは1050℃超え、より好ましくは1100℃超えとするのがよい。なお、焼入れ温度が1200℃を超えると、δ−フェライトの生成量が多くなり、80vol%以上のオーステナイト(γ)相を得ることができなくなる場合があるため、焼入れ温度は1200℃以下とすることが好ましい。焼入れ安定性の観点からは、1150℃以下がより好ましい。なお、焼入れ温度での保持時間は、フェライト相からオーステナイト相への変態を十分に行う観点から30sec以上とすることが望ましい。また、焼入れのための加熱方法は、特に限定されないが、生産性の観点からは高周波誘導加熱であることが好ましい。
冷却速度:1℃/sec以上
上記焼入れ温度に加熱後、1℃/sec以上の冷却速度でMs点以下、望ましくは200℃以下まで冷却する。冷却速度が1℃/sec未満では、焼入れ温度で生成したオーステナイト相の一部が、フェライト相に変態し、マルテンサイト相の生成量が低下して、適正範囲内の焼入れ硬さを得ることができなくなる。好ましい冷却速度は、5〜500℃/secであるが、安定した焼入れ硬さを得るためには、100℃/sec以上の冷却速度がより好ましい。
このようにして得られた本発明のステンレス鋼製ブレーキディスクは、1000℃超えの焼入れ温度に加熱後、1℃/sec以上で冷却した焼入れ後の硬さがHRC 32〜38の適正範囲内であり、かつ、650℃を超える焼戻し後の硬さがHRC 30以上の優れた耐焼戻し軟化性を有するものとなる。
表1に示すA〜Iの化学成分を有する鋼を50kg高周波溶解炉で溶製し、鋳造して50kg鋼塊とした後、通常の条件で熱間圧延を行い、厚さ5mmの熱延鋼板とした。その後、この熱延鋼板を、還元性雰囲気中で800℃×8hrの熱延板焼鈍し、徐冷し、酸洗を行って表面のスケールを除去し、ブレーキディスク用の供試材とした。これらの供試材から、試験片(板厚×30mm×30mm)を採取し、表2に示す焼入れ温度に加熱し、10分間保持してから、表2に示す冷却速度で焼入れ処理を行い、この焼入れ後の試験片を用いて、焼入れ安定性試験、耐焼戻し軟化性試験を、下記の要領で行った。
(焼入れ安定性試験)
上記焼入れ後の試験片を酸洗し、表面のスケールを除去してから、JIS Z 2245に準拠してロックウェル硬度計で試験片表面の硬さ(HRC)を各5点ずつ測定し、その平均値を焼入れ硬さとし、この硬さがHRC 32〜38の範囲内ならば、十分な焼入れ安定性を具えていると評価した。
(耐焼戻し軟化性試験)
上記焼入れ後の試験片を、さらに表2に示す条件で、加熱、保持し、空冷する焼戻し処理を施し、この試験片を酸洗して表面のスケールを除去してから、JIS Z 2245に準拠してロックウェル硬度計で試験片表面の硬さ(HRC)を各5点ずつ測定し、その平均値の値を求め、その硬さがHRC 30以上ならば、十分な耐焼戻し軟化性を具えていると評価した。
Figure 2005126735




Figure 2005126735



Figure 2005126735

上記試験の結果を、表2中に併記して示した。本発明の条件を満たした実施例はいずれも、焼入れ硬さがHRC 32〜38 の範囲内で焼入れ安定性に優れていると共に、焼戻し後の硬さもHRC 30以上が得られており、十分な耐焼戻し軟化性を有している。一方、本発明の条件を外れた比較例は、焼入れ硬さがHRC 32〜38 の範囲を外れるか、あるいは、焼戻し後の硬さがHRC 30未満に低下し、耐焼戻し軟化性が劣っていることがわかる。
焼入れ焼戻し後の硬さに及ぼす焼入れ温度の影響を示すグラフである。

Claims (7)

  1. C:0.1mass%以下、
    Si:1.0mass%以下、
    Mn:2.0mass%以下、
    Cr:10.5〜15.0mass%、
    Ni:2.0mass%以下、
    Cu:0.5超〜4.0mass%、
    Nb:0.02〜0.6mass%、
    N:0.1mass%以下を含有し、さらに、
    C,N,Nb,Cr,Si,Ni,Mn,MoおよびCuが、下記(1)および(2)式を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有すると共に、1000℃超えの温度から1℃/sec以上で冷却する焼入れ処理後の硬さがHRC32〜38であることを特徴とする耐焼戻し軟化性に優れたブレーキディスク。

    5Cr+10Si+15Mo+30Nb−9Ni−5Mn−3Cu−225N−270C < 42 ・・・(1)
    0.03 ≦ {C+N−(13/93)Nb} ≦ 0.09 ・・・(2)
  2. 上記焼入れ処理後のブレーキディスクは、650℃で1hr保持する焼戻し処理後の硬さがHRC30以上であることを特徴とする請求項1に記載のブレーキディスク。
  3. 上記成分組成に加えてさらに、Mo:0.01〜2.0mass%、Co:0.01〜1.0mass%の中から選ばれた1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキディスク。
  4. 上記成分組成に加えてさらに、Ti:0.02〜0.3mass%、V:0.02〜0.3mass%、Zr:0.02〜0.3mass%,Ta:0.02〜0.3mass%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のブレーキディスク。
  5. 上記成分組成に加えてさらに、B:0.0005〜0.0050mass%、Ca:0.0005〜0.0050mass%の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のブレーキディスク。
  6. C:0.1mass%以下、
    Si:1.0mass%以下、
    Mn:2.0mass%以下、
    Cr:10.5〜15.0mass%、
    Ni:2.0mass%以下、
    Cu:0.5超〜4.0mass%、
    Nb:0.02〜0.6mass%、
    N:0.1mass%以下を含有し、さらに、
    C,N,Nb,Cr,Si,Ni,Mn,MoおよびCuが下記(1)および(2)式を満たして含有するステンレス鋼板を円盤形状に加工し、その後、1000℃超えの温度に加熱してから1℃/sec以上で冷却する焼入れ処理を行うことを特徴とする耐焼戻し軟化性に優れたブレーキディスクの製造方法。

    5Cr+10Si+15Mo+30Nb−9Ni−5Mn−3Cu−225N−270C < 42 ・・・(1)
    0.03 ≦ {C+N−(13/93)Nb} ≦ 0.09 ・・・(2)
  7. 上記成分組成に加えてさらに、下記A〜C群のうちの少なくとも1群の成分を含有することを特徴とする請求項6に記載のブレーキディスクの製造方法。

    A群 Mo:0.01〜2.0mass%、Co:0.01〜1.0mass%のいずれか1種または2種
    B群 Ti:0.02〜0.3mass%、V:0.02〜0.3mass%、Zr:0.02〜0.3mass%およびTa:0.02〜0.3mass%のうちから選ばれた1種または2種以上
    C群:B:0.0005〜0.0050mass%、Ca:0.0005〜0.0050mass%のいずれか1種または2種
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