JP2005125945A - 車両の前部構造 - Google Patents

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Kenichi Inoue
健一 井上
Yoshiyuki Tanabe
佳之 田辺
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Abstract

【課題】 コストアップを図ることなく十分なシール性を確保することのできる車両の前部構造を提供する。
【解決手段】 走行風を取り入れるバンパー開口1を有するバンパーフェイス2と、このバンパーフェイス2の裏面に取り付けられるとともにバンパー開口1を車幅方向から挟む位置に配置される一対のエアガイド10,10と、これらエアガイド10,10の後面に設けた切欠11,11内に配置されるとともに車幅方向に延びたバンパーレインフォース3と、このバンパーレインフォース3を取り付けるとともに熱交換器4を保持したラジコアサポートメンバ20とを備え、バンパーフェイス2で熱交換器の前面側を覆うとともに、バンパー開口2から取り入れた走行風をエアガイド10,10で熱交換器4へ案内するようにした車両の前部構造であって、バンパーレインフォース3の前面3Aに対向する切欠11の側面11Aにその前面に当接するリブ14を設けた。
【選択図】 図1

Description

この発明は、バンパー開口から取り入れた走行風をエアガイドで熱交換器へ案内するようにした車両の前部構造に関する。
従来から、走行風を取り入れる開口を有するバンパーフェイスと、このバンパーフェイスを取り付けるバンパーレインフォースと、前記開口を取り囲む補強部材とを備えた車両の前部構造が知られている(特許文献1参照)。
また、バンパー開口から取り入れた走行風を効率よく熱交換器へ送るために、バンパーフェイスと熱交換器との間から走行風が漏れないようにその間をエアガイドで塞ぎ、このエアガイドをラジコアサポートメンバとバンパーフェイスとの間に配置した車両の前部構造が提案されている。
特開平11−245743号公報
しかしながら、このような車両の前部構造にあっては、走行風の風圧によってエアガイドは変形しないように所定の硬さを有している。このため、ラジコアサポートメンバとバンパーフェイスの部品寸法のバラツキや、バンパーフェイスが(温度差で膨張・収縮したり、手で押される等して)変位した場合でも、ラジコアサポートメンバとバンパーフェイスとの間にエアガイドが配置できるように、エアガイドの前後方向の幅より広い隙間を確保する必要がある。このため、エアガイドとバンパーフェイスとの間やエアガイドとラジコアサポートメンバとの間に隙間ができることになり、このため、十分なシール性を確保することができないという問題があった。
また、上記問題を解決するために、エアガイドにスポンジを貼ったり、二色成型で弾性部を設け、この弾性部によって部品寸法のバラツキを吸収することによりシール性を確保することができるが、別部品の追加や成型工程の追加によりコストアップしてしまう問題がある。
この発明の目的は、コストアップを図ることなく十分なシール性を確保することのできる車両の前部構造を提供することにある。
請求項1の発明は、走行風を取り入れるバンパー開口を有するバンパーフェイスと、このバンパーフェイスの裏面に取り付けられるとともに前記バンパー開口を車幅方向から挟む位置に配置される一対のエアガイドと、これらエアガイドの後面に設けた切欠内に配置されるとともに車幅方向に延びたバンパーレインフォースと、このバンパーレインフォースを取り付けるとともに熱交換器を保持したラジコアサポートメンバとを備え、前記バンパー開口から取り入れた走行風を前記エアガイドで熱交換器へ案内するようにした車両の前部構造であって、
前記バンパーレインフォースの前面に対向する前記切欠の側面にその前面に当接するリブを設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、前記バンパーレインフォースを締結する作業穴の位置に前記リブを位置させたことを特徴とする。
請求項3の発明は、前記バンパーレインフォースの作業穴の近傍に前記リブに向けて突出した突起を設けたことを特徴とする。
請求項4の発明は、前記バンパーフェイスとバンパーレインフォースとの間にエネルギー吸収部材が配置され、このエネルギー吸収部材が前記エアガイドと一体成型されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、前記エアガイドの後面に上下方向に延びるスリットを設け、このスリットに圧入する突起を前記ラジコアサポートメンバに設けたことを特徴とする。
請求項1および請求項2の発明によれば、リブにより部品寸法のバラツキを吸収することができ、このためコストアップを図ることなく十分なシール性を確保することができる。また、バンパーフェイスを所定の位置に取り付けることができる。
請求項3の発明によれば、突起によりリブが部分的に壊れることで、エアガイドとバンパーフェイスとの間の密着度を向上させることができる。
請求項4の発明によれば、エネルギー吸収部材とエアガイドとが一体成型されているものであるから、部品点数を増加させるこなく安価な車両の前部構造を提供することができる。
請求項5の発明によれば、スリットにより部品寸法のバラツキを吸収することができ、このためコストアップを図ることなく十分なシール性を確保することができる。また、バンパーフェイスを所定の位置に取り付けることができる。
以下、この発明に係る車両の前部構造の実施例を図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように車両の前部構造は、走行風を取り入れるバンパー開口1を有する樹脂製のバンパーフェイス2(図2において省略)と、このバンパーフェイス2の裏面に取り付けられるとともにバンパー開口1を車幅方向から挟む位置に配置される一対のエアガイド10,10と、これらエアガイド10,10の後面に設けた切欠11,11内に配置されるとともに車幅方向に延びたバンパーレインフォース3と、このバンパーレインフォース3を取り付けるとともに熱交換器4を保持したラジコアサポートメンバ20と、バンパーレインフォース3に取り付けられるエネルギー吸収部材6とを備えている。
エアガイド10は、例えば発泡PP(ポリプロピレン)から構成され、図3に示すようにバンパーフェイス2の裏面に密着されている。エアガイド10の切欠11は、エアガイド10の上下方向に対する中間位置に位置されるとともに断面形状がコ字状となっている。また、切欠11を挟むエアガイド10の上下部12,13がラジコアサポートメンバ20に取り付けられる取付部となっている。
バンパーレインフォース3の前面3Aに対向する切欠11の側面11Aには、図4および図5に示すように、上下に延びるとともに後方へ突出したリブ14が形成されている。このリブ14の突出量(高さ)Hは、バンパーフェイス2,エアガイド10,バンパーレインフォース3の部品の寸法のバラツキや取付寸法のバラツキが最大となっても、エアガイド10とバンパーレインフォース3との間に隙間が生じないように、図6に示すように、必要なクリアランスKa(切欠11の側面11Aとバンパーレインフォース3の前面3Aとの間の隙間)に、余剰寸法X(図8参照)を加えた値に設定されている。
また、エアガイド10の取付部12,13の後面12A,13Aには、図4および図5に示すように、上下に延びるとともに所定の深さを有するスリット15,16が形成されている。このスリット15の入口15Aは図7に示すように幅が広くなっている。スリット16も同様に入口16Aの幅は広くなっている。スリット15,16の幅tは後述するプレート25,26の幅Tより小さく設定されている。
バンパーレインフォース3の前壁部3Kには、図1に示すように左右両側に4つの作業穴3hがそれぞれ設けられており、この作業穴3hを利用してバンパーレインフォース3をサイドメンバー5にスポット溶接を施して取り付けるようになっている。
ラジコアサポートメンバ20は、車幅方向に延びるとともに両端が斜め後方へ延びたフレーム部21と、このフレーム部21の中央部22の両側から下方に延びて熱交換器4の両側部に取り付けられた保持部23,23とを有している。
保持部23にはサイドメンバー5の先端部が挿入される穴24が形成され、保持部23の前面には、穴24を上下から挟む位置に上下方向に延びるとともに前方へ突出したプレート25,26が設けられている。このプレート25,26は、エアガイド10のスリット15,16に圧入するようになっている。
そして、プレート25,26の突出量(高さ)Lは、図9に示すように、バンパーフェイス2,エアガイド10,ラジコアサポートメンバ20の部品寸法のバラツキや取付寸法のバラツキが最大となっても、エアガイド10とラジコアサポートメンバ20との間に隙間が生じないように、必要なクリアランスFaに、余剰寸法Yを加えた値に設定されている。
[組み付け]
車両の前部構造の組み付けは、サイドメンバー5の先端部をラジコアサポートメンバ20の穴24に挿入し、このサイドメンバー5の先端部にバンパーレインフォース3を従来と同様にして取り付ける。
次に、エアガイド10のリブ14をバンパーレインフォース3の作業穴3hに位置させて、エアガイド10の切欠11にバンパーレインフォース3を挿入するとともに、エアガイド10のスリット15,16にラジコアサポートメンバ20のプレート25,26を圧入してエアガイド10をラジコアサポートメンバ20に取り付ける(図3参照)。
そして、エネルギー吸収部材6をバンパーレインフォース3に取り付けた後、バンパーフェイス2の裏面にエアガイド10を密着させてバンパーフェイス2をラジコアサポートメンバ20に取り付ける。この際に、バンパーフェイス2が所定位置に取り付けられるように、エアガイド10をラジコアサポートメンバ20に押し付けて、ラジコアサポートメンバ20のプレート25,26をエアガイド10のスリット15,16にさらに圧入させていく。
このように、エアガイド10をラジコアサポートメンバ20に押し付けることにより、図8に示すように、エアガイド10のリブ14がバンパーレインフォース3の作業穴3hに逃げるので、バンパーフェイス2,エアガイド10,バンパーレインフォース3の部品寸法のバラツキや取付寸法のバラツキがあっても、バンパーフェイス2を所定の位置に取り付けることができ、しかも、リブ14の高さHが所定の高さに設定されていることにより、その部品寸法のバラツキや取付寸法のバラツキがあっても、エアガイド10の切欠11の側面11Aとバンパーレインフォース3との間の隙間をリブ14によって無くすことができ、このためエアガイド10とバンパーレインフォース3との間のシール性を向上させることができる。
さらに、エアガイド10の切欠11にリブ14を設けただけなので、部品点数が増加することなく、すなわちコストアップを図ることなくエアガイド10とバンパーレインフォース3との間のシール性を十分に確保することができる。
また、ラジコアサポートメンバ20のプレート25,26がエアガイド10のスリット15,16に圧入するので、バンパーフェイス2,エアガイド10,ラジコアサポートメンバ20の部品寸法のバラツキや取付寸法のバラツキがあっても、すなわち、そのバラツキが最大のとき図10に示すようにラジコアサポートメンバ20のプレート25,26の全部がエアガイド10のスリット15,16に圧入し、そのバラツキがない場合には、図9に示すように、ラジコアサポートメンバ20のプレート25,26の一部がエアガイド10のスリット15,16に圧入する。
このため、そのバラツキに拘わらずバンパーフェイス2を所定の位置に取り付けることができ、しかもそのバラツキに拘わらずラジコアサポートメンバ20のプレート25,26がエアガイド10のスリット15,16に圧入するので、エアガイド10の取付部12,13とラジコアサポートメンバ20の保持部23,23との間の隙間を無くすことができ、このためエアガイド10とラジコアサポートメンバ20との間のシール性を向上させることができる。
さらに、エアガイド10にスリット15,16を設け、ラジコアサポートメンバ20にプレート25,26を設けたものであるから、部品点数が増加することなく、すなわちコストアップを図ることなくエアガイド10とラジコアサポートメンバ20との間のシール性を十分に確保することができる。
上記実施例では、バンパーレインフォース3にエネルギー吸収部材6を取り付けているが、このエネルギー吸収部材6を省略してもよい。
図11は他の例の車両の前部構造を示したものである。この例では、バンパーレインフォース3の作業穴3hを挟む位置に突起3Tを設け、この突起3Tによってエアガイド10のリブ14を部分的に壊すことにより、エアガイド10のバンパーフェイス2への密着度をより向上させることができる。
突起3Tは、バンパーレインフォース3を例えばアルミ押し出し成型等で形成すれば、バンパーレインフォース3の断面形状の変更のみでよく、部品の追加が不要となる。
また、上記実施例では、エアガイド10とエネルギー吸収部材6とが別部材となっているが、エネルギー吸収部材6を発泡PPで構成し、図12および図13に示すように、エアガイド10とエネルギー吸収部材6とを一体にしてもよい。この場合、エアガイド10とエネルギー吸収部材6とを一体成型することにより部品点数を削減することができる。
この発明に係る車両の前部構造を示した分解斜視図である。 バンパーフェイスを省略した車両の前部構造の斜視図である。 車両の前部構造を示した断面図である。 図1の前部構造のエアガイドを示した斜視図である。 図4のエアガイドの断面図である。 車両の前部構造の一部を示した平断面図である。 エアガイドのスリットとラジコアサポートメンバのプレートとを示した説明図である。 車両の前部構造の一部を示した部分拡大断面図である。 エアガイドのスリットにラジコアサポートメンバのプレートが圧入された状態を示した説明図である。 バラツキが最大のときのエアガイドのスリットにラジコアサポートメンバのプレートが圧入された状態を示した説明図である。 他の例の実施例を示した説明図である。 エアガイドとエネルギー吸収部材とを一体にしたもの示した斜視図である。 エアガイドとエネルギー吸収部材とを一体にした場合の車両の前部構造を示した説明図である。
符号の説明
1 バンパー開口
2 バンパーフェイス
3 バンパーレインフォース
3A 前面
4 熱交換器
10 エアガイド
11 切欠
11A 側面
14 リブ
20 ラジコアサポートメンバ

Claims (5)

  1. 走行風を取り入れるバンパー開口を有するバンパーフェイスと、このバンパーフェイスの裏面に取り付けられるとともに前記バンパー開口を車幅方向から挟む位置に配置される一対のエアガイドと、これらエアガイドの後面に設けた切欠内に配置されるとともに車幅方向に延びたバンパーレインフォースと、このバンパーレインフォースを取り付けるとともに熱交換器を保持したラジコアサポートメンバとを備え、前記バンパー開口から取り入れた走行風を前記エアガイドで熱交換器へ案内するようにした車両の前部構造であって、
    前記バンパーレインフォースの前面に対向する前記切欠の側面にその前面に当接するリブを設けたことを特徴とする車両の前部構造。
  2. 前記バンパーレインフォースを締結する作業穴の位置に前記リブを位置させたことを特徴とする請求項1の車両の前部構造。
  3. 前記バンパーレインフォースの作業穴の近傍に前記リブに向けて突出した突起を設けたことを特徴とする請求項2に記載の車両の前部構造。
  4. 前記バンパーフェイスとバンパーレインフォースとの間にエネルギー吸収部材が配置され、このエネルギー吸収部材が前記エアガイドと一体成型されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の車両の前部構造。
  5. 前記エアガイドの後面に上下方向に延びるスリットを設け、このスリットに圧入する突起を前記ラジコアサポートメンバに設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の車両の前部構造。
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