JP2009262714A - 車両用エアダムスカートの取付構造 - Google Patents

車両用エアダムスカートの取付構造 Download PDF

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Abstract

【課題】エアダムスカートの形状を簡易にし、エアダムスカートの製造を容易に行い、組付作業性および取付強度の向上を図ることが可能な車両用エアダムスカートの取付構造を提供することにある。
【解決手段】本発明は、フロントバンパー3の下方にエアダムスカート1を取付ける構造において、フロントバンパー3の下方のロアカバー2に下方に開口する溝2fを設け、溝2fに帯板状のエアダムスカート1の上端を差込み、挟持させた状態で固定している。
【選択図】図3

Description

本発明は、バンパーの下方に取付けるエアダムスカートの取付構造に関し、さらに詳しくは、エアダムスカートの形状の簡易化による製造性の向上と、バンパーまたはロアカバーへの組付性の向上が図れる車両用エアダムスカートの取付構造に関する。
従来より、自動車の車体前部には、フロントバンパーの下方への走行風の流れをスムーズにし、空気抵抗の低減を目的として、フロントバンパーの下方に板状のエアダムスカートを設けたものがある。
このようなエアダムスカートの取付構造としては、例えば、特許文献1〜特許文献3に開示されているものがある。これらの特許文献の取付構造では、コの字断面形状に形成した係合部をエアダムスカートの上端に設け、当該係合部をバンパーの縁端に係合させて、スクリュー等により固定している。
実開昭62−25283号公報 実用新案登録第2587207号公報 実開平6−49231号公報
しかしながら、上述した従来の取付構造にあっては、エアダムスカートの上端にコの字断面形状の係合部を形成しているので、エアダムスカートの成形加工が複雑となり、製造工数の増加をもたらし、コスト高を招くという問題があった。また、従来の取付構造では、エアダムスカートの取付作業時におけるスクリュー等の孔の位置合わせに多くの時間が掛かるため、作業効率上、好ましくなかった。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、エアダムスカートの形状を簡易にし、エアダムスカートの製造を容易に行い、組付作業性および取付強度の向上を図ることが可能な車両用エアダムスカートの取付構造を提供することにある。
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、バンパーの下方にエアダムスカートを取付ける構造において、前記バンパーの下方に直接または間接的に下方に開口する溝を設け、該溝に帯板状のエアダムスカートの上端を差込み、挟持させた状態で固定している。
また、本発明においては、前記溝を形成する一対の壁のうち、一方の壁を部分的に切欠き、この切欠き部の箇所において前記エアダムスカートの上端を他方の壁に固定している。
さらに、本発明においては、前記切欠き部となる壁の端部にリブを設け、該リブを、前記エアダムスカートの固定箇所を囲う形状に形成している。
そして、本発明においては、前記切欠き部を、車両前後方向の後方側の壁に設けている。
上述の如く、本発明に係る車両用エアダムスカートの取付構造は、バンパーの下方にエアダムスカートを取付ける構造において、前記バンパーの下方に直接または間接的に下方に開口する溝を設け、該溝に帯板状のエアダムスカートの上端を差込み、挟持させた状態で固定しているので、エアダムスカートを簡易な形状にすることが可能となり、適用するエアダムスカートの製造方法や材料の自由度を高めることができ、レイアウト上有利である。また、本発明の取付構造によれば、溝の広い壁面で均等にエアダムスカートを挟持することが可能となるため、自動車走行中の前方から受ける空気抵抗によってエアダムスカートが外れるのを防止できる。しかも、エアダムスカートを挟持している壁面に外部からの負荷を分散させることにより、エアダムスカートにおけるクリップの固定部に応力が集中するのを防ぐことができるとともに、取付強度を高めることができる。
また、本発明によれば、前記溝を形成する一対の壁のうち、一方の壁を部分的に切欠き、この切欠き部の箇所において前記エアダムスカートの上端を他方の壁に固定しているので、エアダムスカートを固定する孔の位置合わせが容易になり、かつ固定手段をクリップとすることにより、締付工具の使用が不要となり、組付作業性を向上させることができる。それに加えて、エアダムスカートをクリップで直接押さえることが可能となるため、エアダムスカートの固定部のガタ付きを防止できる。また、エアダムスカートを取付けるロアカバーなどの成形型の構造が複雑になることを防げるため、型費を低減できる。
さらに、本発明によれば、前記切欠き部となる壁の端部にリブを設け、該リブを、前記エアダムスカートの固定箇所を囲う形状に形成しているので、エアダムスカートの固定部を明確にし、壁部を補強する効果を得ることができる。
また、本発明によれば、前記切欠き部を、車両前後方向の後方側の壁に設けているので、前方側の壁を連続した滑らかな面に形成することができ、走行安定性に影響を及ぼす乱流の発生を防ぐことができる。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態の取付構造が適用される自動車の車体前部の斜視図、図2は図1の矢印Xの方向から見た斜視図、図3は上記実施形態のロアカバーにエアダムスカートを取付ける前の状態を示す斜視図、図4は上記実施形態のロアカバーにエアダムスカートを取付けた状態を示す断面図、図5は柔軟な材質で製造したエアダムスカートの曲げる前の状態と曲げた後の状態を示す斜視図、図6は上記実施形態のロアカバーに図5のエアダムスカートを取付ける前の状態を示す斜視図、図7は上記実施形態のロアカバーに図5のエアダムスカートを取付けた状態を示す斜視図、図8は上記実施形態のロアカバーの溝の詳細な構造を示す斜視図、図9は上記実施形態のロアカバーにエアダムスカートを樹脂クリップで固定する状態を示す斜視図、図10は上記実施形態のロアカバーにエアダムスカートを樹脂クリップで固定した状態を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の実施形態の取付構造が適用される自動車10の車体前部には、樹脂製フロントバンパー3が取付けられている。このフロントバンパー3の下端には、図2に示すように、樹脂成形などにより形成された長尺のロアカバー2が樹脂クリップ4を用いて固定され、該ロアカバー2を介して帯板状のエアダムスカート1が固定されている。
本実施形態に係るロアカバー2には、図3および図4に示すように、下方に臨んで開口する溝2fが当該ロアカバー2の長手方向(車幅方向)に渡って設けられており、エアダムスカート1は、その上端を溝2f内に差込むことにより、当該溝2fを形成する一対の壁面にて挟持された状態で固定されている。そのため、エアダムスカート1の上下方向の大部分は、フロントバンパー3およびロアカバー2より下方へ向かって突出して配置されることになる。なお、エアダムスカート1の上端には、後述の樹脂クリップ5を挿入する複数のクリップ孔1aが長手方向へ所定の間隔を開けて穿設されている。
このような構造において、エアダムスカート1は、単純な形状の板状体を用いて形成されているため、適用車種などに応じて、種々の材質(例えば、EPDM、PVC、EVA、PE、PP等)や製造方法(板状材料からの切り出し成形、押し出し成形、インジェクション成形等)を最適に選択することにより、製造費用を低く抑えることが可能になっている。
例えば、図5(a)に示すように、細長い長尺形状であって、ゴムなどの柔軟な板状体の材料で製造したエアダムスカート1は、図5(b)のように、中間部分を湾曲させながら左右両側部を折り曲げることが容易である。したがって、図6に示すように、ロアカバー2の長手方向の広い範囲で設けられた溝2fにエアダムスカート1の上端を差込んで挟持することにより、図7に示すように、ロアカバー2の曲率に合わせて曲げた状態で固定することが可能となる。
また、上記ロアカバー2の溝2fは、車両前後方向に位置する一対の壁2a,2cによって形成されており、一方の壁(車両後方側の壁)2aは、図8に示すように、ロアカバー2の長手方向に連続して設けられておらず、一定の間隔で部分的に切欠いた不連続な壁として設けられている。そして、図9および図10に示すように、この切欠いた切欠き部2bの箇所において、エアダムスカート1の上端が樹脂クリップ5により他方の壁(車両前方側の壁)2cに固定されるようになっている。このため、他方の壁2cには、エアダムスカート1のクリップ孔1aと対応して、樹脂クリップ5を挿入する複数の固定孔2dが長手方向へ所定の間隔を開けて穿設されている。
このように、ロアカバー2の溝2fを形成する一対の壁2a,2cのうちで一方側の壁2aに切欠き部2bを設けるのは、エアダムスカート1の上端をロアカバー2の壁2aに樹脂クリップ5で直接固定するためであり、これによって両者の固定部の強度を高めることが可能になる。
これに対して、溝2fに挟持した箇所でエアダムスカート1の上端を樹脂クリップ5によって固定した場合、樹脂クリップ5は一対の壁2a,2cを貫通する状態で固定されることになるため、エアダムスカート1は、溝2fの隙間分の余裕の中でガタを生じるおそれがある。しかし、本実施形態のように、ロアカバー2の溝2fを形成する一方の壁2aを切欠いた切欠き部2bの箇所にエアダムスカート1の上端を樹脂クリップ5で固定することにより、樹脂クリップ5の頭部で直接エアダムスカート1のクリップ孔1aの周縁部をロアカバー2の壁2cに押し付けて固定することが可能となる。これによって、エアダムスカート1のロアカバー2へのがた付きを防ぐことができる。
また、溝2fに挟持した箇所でエアダムスカート1の上端を樹脂クリップ5によって固定した場合、一対の壁2a,2cの孔とエアダムスカート1のクリップ孔1aの3つの孔を位置合わせした状態で樹脂クリップ5を挿入しなければならない。一方、本実施形態のように、ロアカバー2の溝2fを形成する一方の壁2aを切欠いた切欠き部2bの箇所にエアダムスカート1の上端を樹脂クリップ5で固定する場合には、エアダムスカート1のクリップ孔1aとロアカバー2の固定孔2dの2つの位置合わせのみを行えば良いため、作業性の向上が図れることになる。しかも、ロアカバー2の溝2fを形成する両方の壁2a,2cを貫通するような孔が設けられていないことにより、ロアカバー2の成形型の構造が複雑になることを防ぐことができる。それと同時に、溝2fの成形部分は金型が細長くなるために強度が弱くなるが、切欠き部2bで溝2fを分断することは金型の強度を高めるのに有効である。
さらに、本実施形態の取付構造では、ロアカバー2の溝2fを形成する一方の壁2aを切欠いた端部にリブ2eが設けられている。このリブ2eは、エアダムスカート1を固定するためのロアカバー2の固定孔2d(固定箇所)の両側を囲うような形状に形成されており、ロアカバー2の溝2fを形成する一方の壁2aを補強する効果を有している。また、樹脂クリップ5を取付ける際には、リブ2eの存在で固定孔2dの位置が明確となるため、作業性の向上が図れる。
なお、ロアカバー2の切欠き部2bおよびリブ2eは、自動車10の走行安定性に影響する風の流れの面を考慮して、車両前後方向の後方側の壁2aに設けられている。この構成によって、ロアカバー2の前方側の壁2cを連続した滑らかな面に形成することが可能となり、乱流の発生が防止されることになる。
また、ロアカバー2の溝2fの短手方向(車両前後方向)の幅は、図4に示すように、エアダムスカート1の板厚と同等、もしくは狭くなるように設定されている。そのため、ロアカバー2の溝2fにエアダムスカート1の上端を差込んで挟持させれば、樹脂クリップ5で固定するまでの間にロアカバー2の溝2fから外れることが無いため、取付作業性の一層の向上が図れることになる。
本発明の実施形態の取付構造によって、エアダムスカート1をロアカバー2に取付けるには、まず、フロントバンパー3の下端面の所定位置にロアカバー2の上面を重ね合わせ、樹脂クリップ4を図示しない固定孔に差込んで固定する。
次いで、エアダムスカート1を持ち、図3に示すように、下方からロアカバー2の溝2f内にエアダムスカート1の上端を差込んで挟持させる(図4参照)。この状態で、図9に示すように、樹脂クリップ5をクリップ孔1aおよび固定孔2dに挿入すれば、エアダムスカート1は、ロアカバー2に固定されることになり、取付作業は終了する(図2および図10参照)。
このように、本発明の実施形態の取付構造においては、フロントバンパー3の下端に固定されるロアカバー2に下方に臨んで開口する溝2fが当該ロアカバー2の長手方向に渡って設けられており、この溝2fに帯板状という単純な形成のエアダムスカート1の上端を差込み、挟持させた状態で樹脂クリップ5によりエアダムスカート1がロアカバー2に固定されているため、自動車10の種類やグレードなどに応じて、最適の方法や材料を用いて製造したエアダムスカート1をロアカバー2に取付けることができる。
また、本発明の実施形態の取付構造においては、ロアカバー2の溝2fを形成する一対の壁2a,2cの広い壁面でエアダムスカート1の上端が挟持されているため、外部からの負荷を分散させることが可能となり、樹脂クリップ5の固定部に応力が集中するのを防ぐことができる。
さらに、本発明の実施形態の取付構造においては、エアダムスカート1の取付作業がロアカバー2の溝2fへの差込みと、位置合わせの容易なクリップ孔1aおよび固定孔2dへの樹脂クリップ5の挿入であるため、組付性が良好であって、作業能率を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
例えば、エアダムスカート1は既述の実施の形態における形状以外にも、図11〜図13に示すような形状のエアダムスカート11a,11b,11cを容易に製作することが可能である。図11に示すエアダムスカート11aは、長手方向の中間部分が切欠かれ、図12に示すエアダムスカート11bは、長手方向の中間部分を除いて両側が切欠かれ、図13に示すエアダムスカート11cは、長手方向の中央部の両側で部分的に切欠かれている。このように、エアダムスカート1は種々の形状に容易に変更可能であるため、車両研究開発の際に実車を用いた実験確認を行いながら、最適な形状のエアダムスカートを選定することができる。
また、既述の実施の形態では、エアダムスカート1がロアカバー2を介してフロントバンパー3に固定されているが、図14に示すように、フロントバンパー6の下端に既述の実施の形態のロアカバー2の溝形状を一体で成形することにより、エアダムスカート1をフロントバンパー6に直接固定することも可能である。
本発明の実施形態の取付構造が適用される自動車の車体前部を示す斜視図である。 図1の矢印Xの方向から見た斜視図である。 上記実施形態のロアカバーにエアダムスカートを取付ける前の状態を示す斜視図である。 上記実施形態のロアカバーにエアダムスカートを取付けた状態を示す断面図である。 (a)は柔軟な材質で製造したエアダムスカートの曲げる前の状態を示す斜視図、(b)は(a)におけるエアダムスカートの曲げた後の状態を示す斜視図である。 上記実施形態のロアカバーに図5のエアダムスカートを取付ける前の状態を示す斜視図である。 上記実施形態のロアカバーに図5のエアダムスカートを取付けた状態を示す斜視図である。 上記実施形態のロアカバーの溝の詳細な構造を示す斜視図である。 上記実施形態のロアカバーにエアダムスカートを樹脂クリップで固定する状態を示す斜視図である。 上記実施形態のロアカバーにエアダムスカートを樹脂クリップで固定した状態を示す断面図である。 本発明の実施形態の変形例に係るエアダムスカートを示す斜視図である。 本発明の実施形態の他の変形例に係るエアダムスカートを示す斜視図である。 本発明の実施形態の更に他の変形例に係るエアダムスカートを示す斜視図である。 本発明の実施形態の変形例に係るものであり、フロントバンパーに上記実施形態のロアカバーを一体で成形したものの、図1の矢印Xの方向から見た斜視図である。
符号の説明
1 エアダムスカート
1a クリップ孔
2 ロアカバー
2a 車両後方側の壁
2b 切欠き部
2c 車両前方側の壁
2d 固定孔
2e リブ
2f 溝
3 フロントバンパー
4 樹脂クリップ
5 樹脂クリップ
6 フロントバンパー
10 自動車
11a,11b,11c エアダムスカート

Claims (4)

  1. バンパーの下方にエアダムスカートを取付ける構造において、前記バンパーの下方に直接または間接的に下方に開口する溝を設け、該溝に帯板状のエアダムスカートの上端を差込み、挟持させた状態で固定したことを特徴とする車両用エアダムスカートの取付構造。
  2. 前記溝を形成する一対の壁のうち、一方の壁を部分的に切欠き、この切欠き部の箇所において前記エアダムスカートの上端を他方の壁に固定したことを特徴とする請求項1に記載の車両用エアダムスカートの取付構造。
  3. 前記切欠き部となる壁の端部にリブを設け、該リブを、前記エアダムスカートの固定箇所を囲う形状に形成したことを特徴とする請求項2に記載の車両用エアダムスカートの取付構造。
  4. 前記切欠き部を、車両前後方向の後方側の壁に設けたことを特徴とする請求項2または3に記載の車両用エアダムスカートの取付構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017043178A (ja) * 2015-08-25 2017-03-02 本田技研工業株式会社 抵抗低減部材
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