JP2005124802A - ショーケースの棚構造 - Google Patents

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利雄 田所
Katsunobu Kagawa
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Abstract

【課題】棚板を前方に引出したときに、棚板の後端側への商品の補充を容易に行うことのできるショーケースの棚構造を提供する。
【解決手段】傾斜した状態の棚板30を前方に移動させると、棚板30が略水平になるようにしたので、棚板30を前方に移動させた際、棚板30の上方に商品を陳列する際に必要な空間を十分に確保することができ、棚板30の後端側への商品の陳列作業を容易に行うことができる。また、棚受40に、棚板30の下面の後端側が摺動する支持板45を設けたので、棚板30を前方に移動させた際、棚板30の下面の後端側が支持板45の上面に沿って摺動することによって棚板30を略水平にすることができ、棚板30の後端側への商品の陳列作業を容易に行うことができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、冷凍または冷蔵の商品を陳列するショーケースの棚構造に関するものである。
従来、この種のショーケースの棚構造としては、商品棚の棚板をショーケース本体の前後方向に移動自在に設け、棚板を前方に引出すことにより、例えば先に陳列されている商品の後方に新たな商品を補充できるようにしたものが知られている。
また、前記商品棚の商品載置面を前下りに傾斜させるように構成し、棚板に載置された商品を棚板の傾斜方向に移動させることにより、常に商品が棚板の前端側に位置するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−272568号公報
しかしながら、従来のショーケースの棚構造では、棚板を支持する棚受に棚板を傾斜させてボルト等で固定したり、商品棚全体を傾斜させてショーケース本体に取付けるようにしているため、棚板を前方に引出した場合に、傾斜した状態で棚板が引出されることから、棚板の後端側に商品を補充する際に、上方の棚と接触して陳列作業が困難になるという問題点があった。
また、商品棚の長期間の使用により棚板上面の滑りが悪くなったり、商品の形状や重さによって棚板の前端側に商品を移動させることができない場合など、棚板の傾斜角度を変更したい場合でも、棚板には商品が陳列されているため、商品載置面の傾斜角度を容易に変更することができないという問題点があった。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、棚板を前方に引出したときに、棚板の後端側への商品の補充を容易に行うことのできるショーケースの棚構造を提供することにある。
また、本発明の他の目的とするところは、前記目的に加え、商品が陳列された状態でも棚板の傾斜角度を容易に変更することのできるショーケースの棚構造を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、商品を載置する棚板と、棚板を前後方向に移動自在に支持する棚受とを備え、棚板を商品載置面が前下りに傾斜するように設けたショーケースの棚構造において、前記棚板を前方に移動させると棚板の商品載置面が略水平をなすように棚板を傾動させる傾動手段を備えている。これにより、棚板を前方に移動させた際に商品載置面が略水平になることから、棚板の上方に商品を陳列する際に必要な空間を確保することが可能となる。
また、本発明は、前記構成において、前記傾動手段を、棚板の下面後端側を摺動自在に支持する前下りに傾斜した支持部材により構成し、前記支持部材の傾斜角度を任意に変更可能に構成している。これにより、前記作用に加え、商品が棚板に載置されていても、棚板を前方に引出せば商品の荷重が支持部材に加わることがない。
本発明によれば、棚板を前方に移動させた際、棚板に商品を陳列する際に必要な空間を確保することができるので、棚板の後端側への商品の陳列作業を容易に行うことができる。
また、棚板の摩擦抵抗及び、棚板に載置する商品の重量に拘らず、商品を棚板の前端側に移動させることができるので、ショーケースの長期的の使用による棚板の摩擦抵抗の増加及び商品の重量に対応した傾斜角度を得ることができる。
図1乃至図10は本発明の一実施形態を示すもので、図1はショーケースの全体斜視図、図2は商品棚の斜視図、図3は商品棚の棚板を引出した状態を示す斜視図、図4は棚受の斜視図、図5は可動側部材を引出した状態の棚受の斜視図、図6は傾斜機構を示す斜視図、図7は傾斜機構の分解斜視図、図8は傾斜の状態を示す商品棚の側面図、図9及び図10は商品棚の引出し動作を示す側面断面図である。
このショーケースは、前面を開口したショーケース本体10と、ショーケース本体10に上下複数段に配置された商品棚20とから構成されている。
ショーケース本体10は内側に商品収納部11を有し、商品収納部11内は図示しない冷却装置によって冷却されるようになっている。また、商品収納部11内には各商品棚20を支持するための上下方向に延びる左右一対の棚柱12が設けられ、各棚柱12には多数の取付孔12aが上下方向に間隔をおいて設けられている。
各商品棚20は商品を載置する棚板30と、棚板30の左右両端を支持する一対の棚受40とから構成されている。
棚板30は商品の落下を防止するための棚ガード31が周端側に配置され、前端側にはプライスカード等を保持するカード保持部32が設けられている。また、棚板30の下面の前端側には、左右方向に延びる棒状の部材の両端側を屈曲することにより、棚受40に係止される係止部材33が設けられている。
各棚受40は、ショーケース本体10に取付けられる固定側部材41と、棚板30の前端側が係合され、前後方向に移動する可動側部材42と、棚板30を任意の角度に傾斜させる傾斜機構43とから構成され、可動側部材42は周知のスライドレール44を介して固定側部材41に連結されている。
固定側部材41は前後方向に延びる板状の部材からなり、その前端側には可動側部材42の前方への移動を規制するロック部材41aが設けられている。ロック部材41aは前後方向に延びる板状の部材からなり、前端側の上端の一部を外側面に屈曲されることにより、操作部41bを形成している。ロック部材41aの後端側は下端の一部を内側面に屈曲されることにより係止部41cを形成しており、係止部41cは可動側部材42に固定されているスライドレール44の前面に当接するようになっている。ロック部材41aは後端側を支軸41dを介して固定側部材41に回動自在に連結され、前端側が自重によって下方に回動するようになっている。また、固定側部材41の後端側には棚柱12の取付孔12aに係合する係合片41eが設けられ、係合片41eによって商品棚20が商品収納部11内の任意の高さ位置に取付けられるようになっている。
可動側部材42は、前後方向に延びる板状の部材からなり、前端側の上部にはクランク状に切欠かれ、棚板30の係止部材33と係合して棚板30を係止する係止部42aが設けられている。
傾斜機構43は、棚板30を傾斜させる支持板45と、支持板45を任意の位置で保持する支持板保持部材46から構成されている。支持板45は、固定側部材41の外側面及び上面を覆うように断面L字状に形成された前後方向に延びる部材からなり、上面には棚板40の下面が摺動する棚摺動部45aが設けられている。棚摺動部45aには、棚板40の摺動を円滑にするためのフィルム状の部材等が用いられる。また、支持板45の後端側には、上下方向に延びる円弧状の長孔45bが設けられ、長孔45bは固定側部材41の後端側に支軸45cを介して連結されている。更に、支持板45は、前端側を支軸45dを介して固定側部材41の前端側に上下方向に回動自在に連結され、後端側の長孔45bの範囲内で回動するようになっている。また、支持板45の後端側の側面には支持板保持部材46と係合する係合孔45dが上下方向に間隔をおいて2箇所設けられている。支持板保持部材46は棒状の部材からなり、その一端側を固定側部材41の側面に設けられた孔46aに挿入され、その他端側を固定側部材41の内側面に設けられたバネ受46bの孔46cに挿入されている。また支持板保持部材46はコイルバネ46dを挿通され、固定側部材41とコイルバネ46dの間にとめ輪46eを取付けることにより、固定側部材41側への挿入位置を規制されている。これにより、棚板30の商品載置面の傾斜角度は、図8の(a)に示すように支持板保持部材46が支持板45の内側面に当接する状態で水平面、図8の(b)に示すように支持板保持部材46が支持板45の上部の係合孔45dと係合することにより得られる第1の傾斜角度、図8の(c)に示すように支持板保持部材46が支持板45の下部の係合孔45dと係合することにより得られる第2の傾斜角度及び図8の(d)に示すように支持板保持部材46が支持板45の下部に位置することにより得られる第3の傾斜角度に設定可能となる。
以上のように構成されたショーケースの棚構造において、棚板30が水平面を形成しているときに傾斜角度の変更を行う場合は、その状態から支持板45の後端側を上方に持上げると、支持板45が上方に移動し、支持板保持部材46が上部の係合孔45dに係合することにより、第1の傾斜角度で棚板が固定される。また、棚板30の商品載置面が第1〜第3の傾斜角度のときは、商品棚20の下面から左右両側面に位置する各支持板保持部材46をそれぞれ内面方向に操作することにより、支持板45との係合が解除され、傾斜角度の変更が可能となる。
また、棚板30を前方に引出す場合は、図9に示すように、ロック部材41aの操作部41bを上方へ押上げることにより、係止部41cが下方に回動して、可動側部材42に固定されているスライドレール44の前面との当接が解除され、棚板30の前方への移動が可能となる。このとき、棚板30は、図10に示すように、前端側が可動側部材42と係合するとともに、棚摺動部45aを摺動しながら引出されるため、引出された棚板30の商品載置面は第1〜第3の傾斜角度に拘らず略水平となる。また、棚板30を後方に移動すると、可動側部材42に固定されているスライドレール44の下面がロック部材41aの係止部41cと当接しながら後方に移動し、スライドレール44の前方に係止部41cが位置することにより、係止部41cによって棚板21の前方への移動が規制される。
また、棚板30を前方に引出すことにより、商品棚20の上面からも支持板保持部材46の操作が可能となり、傾斜角度の変更が可能となる。
このように、本実施形態の棚構造によれば、傾斜した状態の棚板30を前方に移動させると、棚板30が略水平になるようにしたので、棚板30を前方に移動させた際、棚板30の上方に商品を陳列する際に必要な空間を十分に確保することができ、棚板30の後端側への商品の陳列作業を容易に行うことができる。
また、棚受40に、棚板30の下面の後端側が摺動する支持板45を設けたので、棚板30を前方に移動させた際、棚板30の下面の後端側が支持板45の上面に沿って摺動することによって棚板30を略水平にすることができ、棚板30の後端側への商品の陳列作業を容易に行うことができる。
また、支持板45の傾斜角度を任意に変更可能に構成したので、棚板30の摩擦抵抗及び、棚板30に載置する商品の重量に拘らず、商品を棚板30の前端側に移動させることができ、ショーケースの長期的の使用による棚板30の摩擦抵抗の増加及び商品の重量に対応した傾斜角度を得ることができる。
また、支持板45に設けられた2箇所の係合孔45dと棚受に設けられた支持板保持部材46との係合を変更することにより、支持板45の棚受40に対する傾斜角度を変更するようにしたので、簡単な構造で支持板45の傾斜角度を変更することができる。その際、商品が棚板30に載置されていても、棚板30を前方に引出せば商品の荷重が支持板45に加わることがないので、棚板30の傾斜角度を容易に変更することができる。
また、棚板30が水平な状態から支持板45の後端側を上方に移動させると、下方の係合孔45dと支持板保持部材46が係合するようにしたので、支持板45を上方へ持上げる操作のみで棚板30を第1の傾斜角度で固定することができ、簡単な操作で操作により棚板30を容易に傾斜させることが可能となる。
また、棚板30の前方への移動を規制するロック部材41aを棚受40に回動自在に設け、ロック部材41aを自重によって棚板30の移動を規制する位置まで回動させるようにしたので、スプリング等の付勢部材を用いることなく、棚板30の前方への移動を規制することができ、部品点数を減らすことができるとともに、棚板30の前後方向への移動の規制を確実に行うことができる。
本発明の一実施形態を示すショーケースの全体斜視図 商品棚の斜視図 商品棚の棚板を引出した状態を示す斜視図 棚受の斜視図 可動側部材を引出した状態を示す棚受の斜視図 傾斜機構を示す斜視図 傾斜機構の分解斜視図 傾斜の状態を示す商品棚の側面図 商品棚の引出し動作を示す側面断面図 商品棚の引出し動作を示す側面断面図
符号の説明
30…棚板、40…棚受、ロック部材…41a、43…傾斜機構、45…支持板、45d…係合孔、46…支持板保持部材。

Claims (6)

  1. 商品を載置する棚板と、棚板を前後方向に移動自在に支持する棚受とを備え、棚板を商品載置面が前下りに傾斜するように設けたショーケースの棚構造において、
    前記棚板を前方に移動させると棚板の商品載置面が略水平をなすように棚板を傾動させる傾動手段を備えた
    ことを特徴とするショーケースの棚構造。
  2. 前記傾動手段を、棚板の下面後端側を摺動自在に支持する前下りに傾斜した支持部材により構成した
    ことを特徴とする請求項1記載のショーケースの棚構造。
  3. 前記支持部材の傾斜角度を任意に変更可能に構成した
    ことを特徴とする請求項2記載のショーケースの棚構造。
  4. 前記支持部材に互いに上下方向に間隔をおいて設けられた複数の係合部と、棚受に設けられた係合部材とを備え、
    係合部材を任意の係合部に係合することにより支持部材の傾斜角度を変更可能に構成した
    ことを特徴とする請求項3記載のショーケースの棚構造。
  5. 前記棚板の商品載置面が略水平状態から支持部材の後端側を上方に移動させると、所定の係合部に係合部材が係合するように構成した
    ことを特徴とする請求項4記載のショーケースの棚構造。
  6. 前記棚受に棚板の前方への移動を規制するロック部材を回動自在に設け、
    ロック部材を自重によって棚板の移動を規制する位置まで回動ように構成した
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のショーケースの棚構造。
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