JP2005120433A - リング状線材の加熱装置および加熱方法 - Google Patents

リング状線材の加熱装置および加熱方法 Download PDF

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Abstract

【課 題】 線材熱処理ラインに適用して、迅速にかつ均一に所定の加熱温度に再加熱することが可能なリング状熱間圧延線材の加熱装置および加熱方法を提供する。
【解決手段】 リング状線材の周囲に発生させる交番磁界の方向が異なる少なくとも2つ以上の誘導コイルを、リング状線材の搬送方向の同一位置に重ねて配置する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、線材熱処理ラインに適用して、迅速に且つ均一に所定の加熱温度に加熱することができるリング状線材の加熱装置および加熱方法に関する。
鋼線材は、熱間圧延等により所定の径に加工された後、一般に巻取装置により図8(a)、(b)に示す如くリング状に巻き取られ、この形状のまま搬送コンベアにより集束装置の設置位置に搬送され、図9(a)に示す如くコイル状に集束されて製造されている。図9(a)中、符号Dは、集束装置により集束されたコイル状熱間圧延線材Mのコイル径を示し、符号dは、線材の直径を示す。
このような過程で製造される線材は、一般に、仕上圧延機により所定の仕上温度範囲内、減面率で仕上圧延され、その後水冷帯で所定温度に冷却され、引き続き、搬送コンベア上において所定の熱処理を受ける。例えば、搬送コンベア上においてリング状に巻き取られた線材には、放冷もしくは衝風、或いは冷却水により冷却する熱処理や、搬送コンベアを保熱カバーで覆って冷却速度を遅くする熱処理が施されている。
このような熱処理を施された鋼線材の冷間加工性は、例えば、高圧縮率で冷間加工される部品に対しては必ずしも十分なものではない。そこで、冷間鍛造性に優れた線材とするには、その後、線材圧延ラインと別設されたオフライン熱処理設備に運び、コイル状線材Mに対して炭化物の球状化焼鈍または軟化焼鈍を行って製造されていた。このため、効率が悪く、冷間鍛造性に優れた線材を効率的に製造できる線材熱処理ラインが必要とされていた。
ところで、冷間鍛造性に優れた線材を線材圧延ラインで製造するには、仕上圧延され、その後、水冷帯で所定温度にまで冷却されたリング状の熱間圧延線材をインラインで所定の加熱温度に再加熱し、所定の加熱温度に到達させてから緩冷却することが有効である。これを実現するのには、迅速に且つ均一に所定の加熱温度に再加熱することができるリング状線材の加熱装置と加熱方法が必要である。
ここで、搬送コンベア上を搬送されるリング状の線材の形状について説明する。巻取装置により巻き取られた線材形状は、代表例を図8(a)に例示した如く、巻取装置が線材を1巻する毎に線材の位置が移送方向に所定量だけずれることにより形成される。例えば、巻取装置の最初の2巻では、図8(b)に示す如く、1巻目においてL〜Lの線材により、LとL間が移送方向に所定量だけずれたリングが形成され、2巻目においてL〜Lの線材により、LとL間が移送方向にずれているリングが形成される。
図8(b)中、符号P1、、は、移送方向にずれているリング同士が交差し、重なっている部分である。
このように巻取装置により巻き取られた線材を、以下、リング状線材Lともいうが、リング状線材Lは、搬送コンベア上を搬送さているうえに、上述したとおり、リング同士が重なっている部分を有しているので、均一に且つ迅速に再加熱することが困難である。
これに対して、熱処理の自由度を格段に拡大させた熱処理ラインが特許文献1に示されている。特許文献1に記載の熱間圧延線材の熱処理ラインは、電気ヒータやラジアントチューブなどを有する保熱カバーで搬送コンベアを覆うことにより、リング状熱間圧延線材Lの冷却速度を遅くできるように構成されている。
特開2000−345244号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の線材の熱処理ラインは、リング状線材Lを所定の加熱温度に再加熱しようとすると、電気ヒータやラジアントチューブなどを有する保熱カバーを用いているから、加熱温度に到達するまでに長時間かかるという問題があった。
また、特許文献1に記載の線材の熱処理ラインは、電気ヒータやラジアントチューブなどを有する保熱カバーを用いているため、リング同士が重なっている部分を有しているリング状熱間圧延線材Lを短時間に且つ均一に所定の加熱温度に再加熱するのが困難であるという欠点があった。
また、特許文献1に記載の線材の熱処理ラインは、リング状線材Lを再加熱するに際し、所定の加熱温度に到達するまでに時間がかかり、加熱時間に見合った長さの搬送コンベアが必要となるため、ラインが長大となるという問題もあった。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するものであり、線材熱処理ラインに適用して、迅速にかつ均一に所定の加熱温度に再加熱することが可能なリング状線材の加熱装置およびその加熱方法を提供することを目的とする。
(1)搬送されるリング状線材の周囲に誘導コイルにより交番磁界を発生させて、前記リング状線材を加熱するリング状線材の加熱装置であって、リング状線材の周囲に発生させる交番磁界の方向が異なる少なくとも2つ以上の誘導コイルを、前記リング状線材の搬送方向の同一位置に重ねて配置したことを特徴とするリング状線材の加熱装置である。
(2)搬送されるリング状線材の周囲に交番磁界を発生させて、前記リング状線材を誘導加熱する方法であって、前記リング状線材の搬送方向同一位置にて、磁界方向が異なる交番磁界を交互に発生させて前記リング状線材を誘導加熱することを特徴とするリング状線材の加熱方法である。
本発明によれば、線材熱処理ラインにおいて、迅速にかつ均一に所定の加熱温度に再加熱することができる。このため、本発明を適用した線材熱処理ラインにおいて、熱間圧延線材の炭化物の球状化焼鈍または軟化焼鈍を行うことができ、冷間鍛造性に優れた熱間圧延線材を効率よく製造することが可能である。
以下、図面を用いて本発明の実施例の形態について説明する。
図1は、本発明の実施例の形態に係るリング状熱間圧延線材の加熱装置を適用した線材熱処理ラインの説明図であり、図2は、図1に示す線材熱処理ラインの要部を示す縦断面模式図である。図3〜5は、本発明の実施例の形態に係るリング状熱間圧延線材の加熱装置の構成を示す概略図である。
先ず、本発明を適用した線材熱処理ラインについて図を用いて説明する。
この本発明を適用した線材熱処理ラインは、図1、図2において、符号を付した装置を使用するラインである。すなわち、仕上圧延機1、水冷帯2、巻取装置3、搬送装置としての搬送コンベア4、加熱装置5、集束装置6、およびトラバース装置7、トンネル型徐冷炉8、取り出し室9を使用する。
この線材熱処理ラインにおいては、仕上圧延機1で仕上圧延され、水冷帯2により所定の温度に水冷された熱間圧延線材を巻取装置3によりリング状に巻き取った後、リング状熱間圧延線材Lを搬送コンベア4で搬送しつつ、加熱装置5により所定の加熱温度に再加熱し、第1の集束装置6により集束してコイル状熱間圧延線材Mとする。引き続き、この線材熱処理ラインでは、コイル状熱間圧延線材Mを第1の集束装置6に連設したトンネル型徐冷炉8を通過させる。このようなライン構成とすることで、加熱装置5により所定の加熱温度に再加熱されたコイル状熱間圧延線材を0.5℃/秒以下の冷却速度で徐冷できる。
仕上圧延機1は、供給された中間素材に所望の減面率、所定の温度範囲で仕上圧延を施して、水冷帯2に仕上圧延された熱間圧延線材を送給可能に構成され、また、水冷帯2は、仕上圧延された熱間圧延線材を水冷により効率よく冷却し、仕上圧延された熱間圧延線材の温度を該鋼のAr1変態点以下の温度に冷却することができる。所定の温度に冷却された熱間圧延線材は、巻取装置3に送給される。巻取装置3は、所定の温度に冷却された熱間圧延線材を巻き取って、リング状熱間圧延線材Lとすることができる。搬送コンベア4は、搬送ローラ4Aを有し、巻取装置3によって巻き取られ、リング状熱間圧延線材Lを集束装置6まで搬送可能に構成されている。加熱装置5については後述する。
また、トラバース装置7は、コイル状熱間圧延線材を集束装置6の位置からトンネル型徐冷炉8の入側位置へ搬送する、例えば、搬送台車などを有する装置とされている。トンネル型徐冷炉8は、入口、出口の遮蔽扉と、上、下の複数箇所に設置されたラジアントチューブと、回転可能な複数の循環ファンよび複数の搬送ローラを有するものとすることができる。図1、図2中、符号M、M、M、M…Mは、各過程でのコイル状熱間圧延線材を示す。
ここで、符号4Aは、巻取装置3から集束装置6までの間に配置された搬送ローラを示す。リング状熱間圧延線材Lは、搬送ローラ4Aにより搬送されながら、加熱装置5により所定の加熱温度に再加熱される。
図3〜5を用いて、本発明の実施例の形態に係るリング状熱間圧延線材の加熱装置5について説明する。この場合、発生する磁界方向が異なる誘導コイルを二つとし、それぞれ図3、図4に示す如く、符号5Aで示す内側の誘導コイルと、符号5Bで示す外側の誘導コイル(5B1,5B2)とした。図3中、D’は、リング状熱間圧延線材Lの移送幅を示す。内側の誘導コイル5Aと外側の誘導コイル5Bは、移送方向同一位置に重ねて配置されている。また、符号S、S、T、T、U、Uはそれぞれの誘導コイルのコイル端を示し、図5(a)、(b)に示す如く、内側の誘導コイル5Aのコイル端S、Sは、交流電源21に接続され、外側の誘導コイル5B(5B1,5B2)は、交流電源22に接続されている。内側の誘導コイル5Aとしては、ソレノイド型誘導コイルを採用し、外側の誘導コイル5Bとしては、移送方向に対して直交する断面がコの字状誘導コイル5B1、5B2をリング状熱間圧延線材Lの仮想中心線41を挟んで線対称に配置した対称コの字状誘導コイル5Bとした。
なお、図5(a)中、符号42は、内側のソレノイド型誘導コイル5Aが発生する磁界方向を示し、図5(b)中、符号43は、外側の対称コの字状誘導コイル5Bが発生する磁界方向を示す。
ソレノイド型誘導コイル5Aは、導線を曲げてコイル内をリング状熱間圧延線材Lが通過可能なように成形したもので、図5(a)に示す如く、導線が、リング状熱間圧延線材Lの上方および下方の面上で、移送方向に対して直角となるように巻いてある。
そのため、一方側のソレノイド型誘導コイル5Aの内部、すなわちリング状熱間圧延線材Lの周囲に発生する磁界方向42は、リング状熱間圧延線材Lの移送方向に平行となる。
これに対して、他方側の誘導コイル5Bの発生する磁界方向43は、リング状熱間圧延線材Lの周囲で、移送方向に対して90°となることを以下に説明する。
対称コの字状誘導コイル5Bを構成する一対のコイル5B1,5B2はそれぞれ、図5(b)に示す如く、導線がリング状熱間圧延線材Lに対して上方の面上で逐次、移送方向と直角な方向、移送方向、移送方向と直角な方向と折り曲げられた後、下方の面に向けて折り曲げられ、下方の面上で上記と同様、逐次、移送方向と直角な方向、移送方向、移送方向と直角な方向と折り曲げられ、さらに上記の折り曲げが繰り返され、リング状熱間圧延線材Lの移送方向には一部を、リング状熱間圧延線材Lの移送方向と直角な方向(移送幅方向)には、リング状熱間圧延線材Lの略半分を覆うように形成されたコイルであり、一対のコイル5B1,5B2により上下面でリング状熱間圧延線材Lの移送幅全面を覆っている。
上述した一対のコの字状誘導コイル5B1、5B2は、図5(b)に示す如く、誘導コイル5B1のコイル端T、Tと誘導コイル5B2のコイル端U、Uがそれぞれ交流電源22に接続されている。そこで、導線が上方の面上で移送方向に対して平行な部分と導線が下方の面上で移送方向に対して平行な部分には、互いに逆向の交番電流が流れ、対称コの字状誘導コイル5Bが発生する磁界方向43は、リング状熱間圧延線材Lの位置においては、移送方向に対して90°となる。
そして、図3に示すように、交流電源21、22はコイル切替手段50からの稼動指令に基づいて、それぞれ誘導コイル5A、5Bに電力を供給するようにされている。
上述した加熱装置の作用について、図6を用いて説明する。
図6(a)は、図3に示した加熱装置の誘導コイルへの電力供給方法を説明するグラフである。また、同図(b)は、図3に示した加熱装置の作用の説明図である。同図(c)は、同図(b)に用いたリング周方向位置を表す角度αの定義図である。
上記の加熱装置を用いた場合の加熱方法は、リング状熱間圧延線材Lを、発生する磁界方向が互いに異なる二つの誘導コイル5A、5Bの移送方向同一配置位置に搬送し、そして、コイル切替手段50が電源21と22とを交互に稼動させ、図6(a)に示す如く、各誘導コイル5A、5Bへの電力供給を交互に行う。図6(a)中、τは、内側の誘導コイル5Aが使用状態となっている時間を示し、一方、τは、外側の誘導コイル5Bが使用状態となっている時間を示す。τは、両方の誘導コイルが不使用状態となっている時間を示す。
従って、移送方向同一位置に重ねて配置した各誘導コイル5A、5Bの発生する磁界が互いに干渉することなく、有効にリング状熱間圧延線材Lに作用し、リング状熱間圧延線材Lには、この磁界方向が互いに異なる交番磁界によってリング状熱間圧延線材Lのリング周方向にわたり、図6(b)に示す如く、互いに補い合う誘導電流が生じる。この結果、この誘導電流によりリング状熱間圧延線材Lは、均一にかつ急速に再加熱される。
但し、図6(b)は、上述した誘導コイルが配置された移送方向同一配置位置にリング状熱間圧延線材Lを搬送したときに、リング周方向位置に生起される、リング周方向単位長さ当たりの誘導電流量の分布を示す模式図であり、実線(イ)は、内側の誘導コイル5Aによって生起されるリング周方向単位長さ当たりの誘導電流量を示し、破線(ロ)は、外側の誘導コイル5Bによって生起されるリング周方向単位長さ当たりの誘導電流量を示す。2点鎖線(ハ)は、2つの誘導コイル5A、5Bによりそれぞれ生起された誘導電流の合計量を示す。
ここで、内側のソレノイド型誘導コイル5Aの作用について詳述する。
リング状熱間圧延線材Lに対して、上下面からレノイド型誘導コイル5Aにより磁界方向42の交番磁界が与えられると、これに対応する誘導電流(渦電流とも称され、この渦電流は、線材の長手方向直角断面で見て、線材の周方向を周回するように流れる)が生起されるが、渦電流の浸透深さに対して線材の直径が細い場合、線材の軸方向と磁界方向42が近いリング部分(図6(c)に示すリング周方向位置を表す角度α(α:リング周方向位置Qにおける外向き法線と移送方向とのなす角α=90°、270°…に近い部分)には誘導電流が多く流れるものの、線材の軸方向が磁界方向42に対してなす角度が90°である部分(すなわち、上記のリング周方向位置を表す角度α=0、180°、360°…の部分)には、誘導電流が生起されない。従って、ソレノイド型誘導コイル5Aを一つ用いただけでは、リング状熱間圧延線材Lを均一に再加熱することができないことがわかった。このため本発明では、内側の誘導コイル5Aによって生起される誘導電流を外側の誘導コイル5Bによって生起される誘導電流により補い、リング周方向全長にわたって発熱量を均一としたのである。
上述したように実施例の形態に係るリング状熱間圧延線材の加熱装置によれば、リング状熱間圧延線材Lを急速にかつ均一に再加熱することができ、従来のラジアントチューブあるいは電気ヒータなどを用いた間接加熱方式の加熱装置に比べて、短時間で所定の加熱温度に再加熱することができるから、熱処理ライン長を短縮することができる。
但し、本発明の実施例の形態に係るリング状熱間圧延線材の加熱装置としては、図3に示した2つの誘導コイルに代わり、図7に示すような2つの誘導コイル5A’、5B’を移送方向同一位置に重ねて配置した装置とすることもできる。
図7(a)は平面図、同図(b)は、X−X側面図である。θは、内側の誘導コイル5A’がその内部に発生させる磁界方向44と移送方向とのなす角を示し、θは、外側の誘導コイル5B’ がその内部に発生させる磁界方向45と移送方向とのなす角を示す。
内側の誘導コイル5A’および外側の誘導コイル5B’は、導線を曲げてコイル内をリング状熱間圧延線材Lが通過可能なように成形され、それぞれリング状熱間圧延線材Lの上方および下方の面上で、導線が移送方向に対して45°をなし、かつ互いに反対方向に傾斜させて巻いてある。
この加熱装置は、内側の誘導コイル5A’のコイル端は、交流電源23に接続され、外側の誘導コイル5B’のコイル端は交流電源24に接続され、交番電流を二つの誘導コイルに流すことができる。この加熱装置における作用効果は、図3に示した加熱装置の場合と同様であるので説明を省略する。
以上説明した本発明の実施の形態に係るリング状熱間圧延線材の加熱装置を、図1、図2に示した線材熱処理ラインに適用することにより、軟化焼鈍処理あるいは炭化物の球状化焼鈍処理を行うことができる。このような熱処理を施した再加熱線材は、例えば、高圧縮率で冷間加工される部品に好適に使用することができる。
また、上述したリング状熱間圧延線材の加熱装置における誘導コイルの巻き数および誘導コイルに供給する電力は、加熱温度、加熱速度、線材の材質、線材の径d、コイル径D等により適宜決めることができる。ただし、リング状熱間圧延線材が加熱装置に入ってから出るまでの間に誘導コイル5Aによる加熱と誘導コイル5Bによる加熱との両方がなされる必要があるので、リング状熱間圧延線材の搬送速度、誘導コイル5A、5Bの搬送方向全長、誘導コイル5A、5Bの切替サイクルを決める必要がある。
なお、上述した実施形態では、リング状熱間圧延線材の加熱装置および加熱方法に、本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限定せず、リング状の線材を搬送中に加熱する場合には好適に用いることができる。
図1、2に示した線材の圧延ラインを用いて、規格JIS SCM415(C:0.15mass%、Si:0.20mass%、Mn:0.30mass%、P:0.01mass%、S:0.01mass%、Cr:1.1mass%、Mo:0.18mass%、残部Feおよび不可避的不純物)を直径4.0mmφに仕上圧延した後、冷却帯2にて650℃まで冷却し、ついで、巻取装置3でコイル径Dが1000mm、移送方向のずれ量が10mmのリング状熱間圧延線材とし、その後に加熱装置5を用いて加熱するにあたり、加熱装置5として以下に示した3種類の加熱装置を用いた。
(発明例)
加熱装置:誘導加熱
誘導コイル配置:誘導コイル5A、5Bを移送方向同一位置に配置(図3参照)
加熱装置の移送方向全長:15m
リング状熱間圧延線材の通過時間:15秒
供給電力:誘導コイル5A、5Bに、それぞれ1600kWの電力を3.5秒ずつ交互に供給
(比較例1)
加熱装置:誘導加熱
誘導コイル配置:誘導コイル5Aを単独で配置(図5(a)参照)
加熱装置の移送方向全長:8m
リング状熱間圧延線材の通過時間:15秒
供給電力:常時1600kW
(比較例2)
加熱方式:誘導加熱
誘導コイル配置:誘導コイル5Bを単独で配置(図5(a)参照)
加熱装置の移送方向全長:8m
リング状熱間圧延線材の通過時間:15秒
供給電力:常時1600kW
(比較例3)
加熱方式:電気ヒータによる炉加熱
設定炉温度:800℃
加熱炉の移送方向全長:8m
リング状熱間圧延線材の通過時間:15秒
そして、加熱装置出側における鋼材温度を放射温度計により測定した。放射温度計はリング状熱間圧延線材のライン幅方向中央部(図6(c)においてα=0°となる位置)、ライン幅方向端部(図6(c)においてα=90°となる位置)、および、ライン幅方向中央から353mm幅方向にずらした位置(図6(c)においてα=45°となる位置)の温度を測定できるように配置した。ライン幅方向中央部とライン幅方向端部の測定結果を表1に示す。
Figure 2005120433
表1に示す結果から、本発明の加熱装置によればリング状線材を周方向に均一に加熱することが可能となる。
これに対し、比較例1は誘導コイルにより発生する交番磁界方向がリング状線材の移送方向のみであるため、リング状線材のライン幅方向中央部が加熱されなかった。また、比較例2は、誘導コイルにより発生する交番磁界の磁界方向がリング状線材の移送方向と直角な方向のみであるため、リング状線材のライン幅方向端部が加熱されなかった。また、比較例3の電気ヒータによる炉加熱の場合には、昇温速度が遅いため15秒間ではリング状線材の温度上昇がほとんど認められなかった。
なお、上記の発明例においては、リング状線材の移送方向に磁界を発生させる誘導コイル5Aと、移送方向に直角な方向に磁界を発生させる誘導コイル5Bとの2つの誘導コイルを移送方向同一位置に重ねて配置したが、本発明はこれに限定されず、例えば同一位置に重ねる誘導コイルを3つとして、それぞれ磁界の発生させる方向を60°づつずらすようにし、これらの誘導コイルを交互に対して一づつ交互に電力を供給するようにしてもよい。
本発明の実施例の形態に係るリング状熱間圧延線材の加熱装置を適用した線材熱処理ラインの説明図である。 図1に示す線材熱処理ラインの要部を示す縦断面模式図である。 本発明の実施例の形態に係るリング状熱間圧延線材の加熱装置の構成を示す概略図である。 図3に示した加熱装置のX−X断面図である。 (a)は、図3に示した内側の誘導コイルの概略斜視図、(b)は、外側の誘導コイルの概略斜視図ある。 (a)は、図3に示した加熱装置の誘導コイルへの電力供給方法を説明するグラフ、(b)は、図3に示した加熱装置の作用の説明図、(c)は、(b)に用いたリング周方向位置を表す角度αの定義図である。 図3に示した加熱装置に代わる他の加熱装置の構成を示す概略図であって、(a)は平面図、(b)は、X−X断面図である。 (a)は、リング状熱間圧延線材Lの形状を示す平面図であり、(b)はその説明図である。 (a)は、コイル状熱間圧延線材Mの形状を示す正面図、(b)は、線材の断面図である。
符号の説明
L リング状熱間圧延線材
M(M、M、M、M…M) コイル状熱間圧延線材
D コイル径
d 線材の直径
D’ リング状熱間圧延線材Lの移送幅
1 仕上圧延機
2 水冷帯
3 巻取装置
4 搬送コンベア(搬送装置)
4A 搬送コンベア4の搬送ローラ
5 加熱装置
6 集束装置
7 トラバース装置
8 トンネル型徐冷炉
9 取り出し室
5A、5A’ 内側の誘導コイル
5B、5B’ 外側の誘導コイル
、S、T、T、U、Uコイル端
21、22、23、24 交流電源
41 リング状熱間圧延線材の仮想中心線
42、43、44、45 磁界方向
50 コイル切替手段

Claims (2)

  1. 搬送されるリング状線材の周囲に誘導コイルにより交番磁界を発生させて、前記リング状線材を加熱するリング状線材の加熱装置であって、
    リング状線材の周囲に発生させる交番磁界の方向が異なる少なくとも2つ以上の誘導コイルを、前記リング状線材の搬送方向の同一位置に重ねて配置したことを特徴とするリング状線材の加熱装置。
  2. 搬送されるリング状線材の周囲に交番磁界を発生させて、前記リング状線材を誘導加熱する方法であって、
    前記リング状線材の搬送方向同一位置にて、磁界方向が異なる交番磁界を交互に発生させて前記リング状線材を誘導加熱することを特徴とするリング状線材の加熱方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110923414A (zh) * 2019-12-26 2020-03-27 江苏英杰光缆科技有限公司 一种光缆用热处理工艺

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CN110923414A (zh) * 2019-12-26 2020-03-27 江苏英杰光缆科技有限公司 一种光缆用热处理工艺
CN110923414B (zh) * 2019-12-26 2021-07-23 江苏英杰光缆科技有限公司 一种光缆用热处理工艺

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