JP2005119911A - コロイダルシリカの精製方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】触媒担体、クロマトグラフィー用充填剤、コーティング剤用添加剤、更には電子材料用研磨剤として用いられるコロイダルシリカの精製方法を提供する。
【構成】コロイダルシリカを酸性にする工程とオキシカルボン酸及び/またはオキシカルボン酸塩を添加する工程の後に、限外濾過により濃縮を行なう工程を有することを特徴とするコロイダルシリカの精製方法である。
【構成】コロイダルシリカを酸性にする工程とオキシカルボン酸及び/またはオキシカルボン酸塩を添加する工程の後に、限外濾過により濃縮を行なう工程を有することを特徴とするコロイダルシリカの精製方法である。
Description
本発明は、触媒担体、クロマトグラフィー用充填剤、コーティング剤用添加剤、更には電子材料用研磨剤として用いられるコロイダルシリカの製造方法に関するものであり、シリカ微粒子の表面に付着している重金属、およびコロイダルシリカの分散媒である水の中に溶解している重金属が極めて少ないことを特徴とする高純度コロイダルシリカの精製方法に関する。
コロイダルシリカとは、直径数nmから数百nmのシリカ(酸化珪素)微粒子が主に水などの溶媒に分散して流動性を示すゾル状態を呈するものを総称しており、繊維表面処理剤、耐火物バインダー、触媒バインダー、研磨剤、ハードコート剤、化粧品用添加剤、食品用添加剤など様々な製品に応用されている。これらの中で触媒、研磨剤、クロマトグラフィー担体など一部の特定の用途はにおいては特に高純度のコロイダルシリカが要請されている。就中、シリコンウェーハ、化合物半導体ウェーハ、半導体デバイスウェーハ等の電子材料の研磨工程での研磨剤として用いられるコロイダルシリカに関しては特に重金属の含有分が少ない高純度品に対する要望が急であり、これらの需要に応えるため、様々な技術が開示されている。
特許文献1および特許文献2では、陽イオン交換樹脂を水ガラスの希釈溶液を通し、脱アルカリした(活性)珪酸液を調製し、この珪酸液に酸を添加してpHを調製した後、熟成を行ない、熟成処理を行った珪酸液を用いて、コロイダルシリカを製造する方法が開示されている。特許文献3では、上記と同様陽イオン交換樹脂中を水ガラスの希釈溶液を通し、脱アルカリした(活性)珪酸液を調製し、この珪酸液に酸と過酸化水素を添加し、再度陽イオン交換樹脂を通過させた後、アンモニア性アルカリと混合して高純度のコロイダルシリカを製造する方法が開示されている。更に、特許文献4では珪酸化合物の溶液とフェノール性水酸基およびスルホン酸基を配位子とするキレート剤と接触させ、ついでこれを原料としてシリカを得る高純度シリカの製造法が開示されている。
特許文献5では、陽イオン交換樹脂に水ガラスの希釈溶液を通し、脱アルカリした(活性)珪酸液を調製し、この珪酸液に蓚酸と無機強酸を添加した後、撹拌を行ない、次いで十分な量の水酸基で置換した陰イオン交換樹脂に晒した後、再び陽イオン交換樹脂に晒すことにより、低金属珪酸溶液を形成させ、この低金属珪酸溶液を用いて高純度シリカゾルを製造する方法が開示されている。特許文献6では、陽イオン交換樹脂に水ガラスの希釈溶液を通し、脱アルカリした(活性)珪酸液を調製し、この珪酸液とキレート化剤を接触させた後、コロイド粒子を成長させ、限外濾過によりシリカを濃縮すると同時にキレート化された金属不純物を除去するコロイダルシリカを製造する方法が開示されている。
特許文献7では、コロイダルシリカ粒子を含有する研磨スラリーに重金属イオンと錯体を形成する水溶性物質を添加して、錯体を生成する工程と、該錯体水溶液からコロイダルシリカを除去する工程と、コロイダルシリカが除去された該錯体水溶液中の重金属濃度を定量分析する分析方法が開示されている。
特開昭61−158810号公報
特開平5−97422号公報
特開2002−173314号公報
日本国特許第2694163号公報
特開平5−97422号公報
特開2001−294417号公報
特開平9−260319号公報
従来の技術に示したように、原料の水ガラスより高純度コロイダルシリカを製造するには多くの工数と大量の薬剤を要する。本発明者は少ない工数で安価に高純度コロイダルシリカを製造する目的で種々の検討を行った。その中で、コロイダルシリカに含まれる重金属の存在状況を詳細分析した結果、重金属の存在状態は以下に示す3つの類型に分類されることを解明した。即ち、
1)シリカ微粒子の中に閉じこめられた状態の重金属、
2)シリカ微粒子の表面に吸着している状態の重金属、
3)分散媒に溶解している状態の重金属
である。
1)シリカ微粒子の中に閉じこめられた状態の重金属、
2)シリカ微粒子の表面に吸着している状態の重金属、
3)分散媒に溶解している状態の重金属
である。
鋭意研究の結果、上記の中で、1)シリカ微粒子の中に閉じこめられた状態の重金属は、溶媒のpH、温度、添加剤の種類、量が変化しても変動することはないことが確認され、一方、2)シリカ微粒子の表面に吸着している状態の重金属と、3)溶媒中に溶解している状態の重金属は、吸着平衡の状態にあり、溶媒のpHや温度、添加剤の種類や量の影響によって、その平衡バランスが変化することが確認された。ここにおいて、シリカ粒子の中に閉じこめられた重金属は極めて安定に存在し、通常の外的要因では溶出しないことが確認できたことから、本発明者はシリカ粒子の中に閉じこめられた重金属は、各用途において重金属に起因する機能低下の原因とはなり得ないことを解明したのである。
従って、上記3つの状態の重金属のうち、2)および3)の状態の重金属の量を削減することにより、実質的に重金属フリーの高純度コロイダルシリカが得られることを見出したものである。即ち、上記2)および3)の状態の重金属は上述の通り、吸着平衡の状態にあるものであるので、溶媒のpHを適宜調整することにより、容易に2)の状態にある重金属を溶媒中に溶解した状態、つまり3)の状態に変化せしめることが可能であり、本発明者は2)および3)の状態の重金属の量を全て3)の状態にし、その状態の重金属を限外濾過の手法を用いて除去することにより、実質的に重金属フリーの高純度コロイダルシリカが得られることを見出したものである。
本発明にいう重金属とは、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、鉛、銅、亜鉛、カドミウム等の金属元素を指すものであり、特にシリコンウェーハ、デバイスウェーハ等の研磨工程、CMP工程用の研磨剤用途に用いられる場合は、鉄、クロム、銅の含有量が少ないことが強く要求される。
即ち、本発明において本発明者は、上記の考え方に基づいて、シリカ粒子の表面に吸着している状態の重金属の量および溶媒に溶解している状態の重金属の量との総量が極めて少ないコロイダルシリカ、およびその製造法について鋭意検討を行ったのである。その検討の結果、本発明者は、少ない工数で安価に、シリカ粒子の表面に吸着している状態の重金属の量と溶媒に溶解している状態の重金属の量との総量が極めて少ないコロイダルシリカを精製する方法を確立することができたのである。本発明は、シリカ粒子の表面に吸着している状態の重金属の量と溶媒に溶解している状態の重金属の量との総量が極めて少ないコロイダルシリカの精製方法の提供を目的とする。
上述の目的は、コロイダルシリカを酸性にする工程とオキシカルボン酸及び/またはオキシカルボン酸塩を添加する工程を行なった後に、限外濾過により濃縮を行なうことを特徴とするコロイダルシリカの精製方法により達成される。本発明において製造されるコロイダルシリカは、コロイド状シリカ微粒子の表面に吸着している状態の重金属の量と、溶媒中に溶解している状態の重金属の量との総量が極めて少ない状態、具体的には定量限界以下であることを特徴とする。
本発明にいうコロイダルシリカとは、水を主成分とする溶媒に直径数nmから数百nmの酸化珪素(シリカ)微粒子がコロイド状に分散している状態のものを示すものであり、粒子径、pH、添加剤、製造方法あるいは原料等による限定を受けるものではない。
シリカ微粒子の表面に吸着している状態の重金属は、コロイダルシリカの分散媒である水のpHを7以下の状態、すなわち酸性とすることにより、分散媒中に溶出される方向に作用するのであり、そのpHが低いほど溶出の状態がよくなる。そしてその程度はpH1台であれば極めて良好である。また、オキシカルボン酸、オキシカルボン酸塩の添加も重金属の分散媒中への溶出につながるものである。
本発明者は、更にこのオキシカルボン酸、オキシカルボン酸塩の添加による、シリカ微粒子表面に吸着状態の重金属の分散媒中への溶出について十分なる検討を行なって本発明を完成するに至ったものである。すなわち、オキシカルボン酸、オキシカルボン酸塩による重金属の分散剤中への溶出は、pH5以上では十分でなく、またpHを2ないし5の領域の状態におくことにより、重金属類の溶出を、効果的にかつ定量的に進むことを解明したものである。すなわち、本発明の肝要は、pHを酸性の状態におくとともに、オキシカルボン酸及び/またはオキシカルボン酸塩を併用して、シリカ微粒子表面に吸着状態の重金属の分散媒中への溶出を効果的にし、pHを極端に下げることによる後の工程への負荷を軽くすることにある。
本発明において、コロイダルシリカを酸性にする工程とオキシカルボン酸及び/またはオキシカルボン酸塩を添加する工程は、どちらを先に実施しても良い。コロイダルシリカを酸性にする工程とオキシカルボン酸を添加する工程で、コロイダルシリカ中のシリカの濃度は特に限定されないが、1ないし25重量%であることが好ましく、3ないし10重量%であればより好ましい。シリカ濃度が低すぎると、後の限外濾過工程の負荷が増加する。また、シリカ濃度が高濃度になると、濾過速度の減少を招き好ましくない。
コロイダルシリカを酸性にする方法については特に限定されるものではないが、陽イオン交換樹脂にコロイダルシリカを接触させ陽イオンを取り除き酸性にする(pHを下げる)方法、あるいは鉱酸及び/または有機酸を添加して酸性にする(pHを下げる)方法などが可能である。
酸性の領域は、pH5以下であることが好ましく、pH2から5がより好ましく、pH3.0から4.5さらに好ましい領域である。pH5より高くなると鉄などの重金属元素がコロイダルシリカ微粒子表面から完全に脱離しない。pH2以下では、陰イオン濃度が高くなりすぎ、後の限外濾過工程のみでは十分洗浄できない。
オキシカルボン酸は、酸、およびオキシカルボン酸塩どちらの状態で加えてもかまわない。オキシカルボン酸の種類については特に限定されるものではないが、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸であることが本発明目的達成のために特に好ましい。オキシカルボン酸塩の種類は特に限定されるものではないが、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩であることが好ましい。
オキシカルボン酸及び/またはオキシカルボン酸塩の添加量は、特に限定を受けるものではなく、大量に加えても良いが、あまり多すぎると後の限外濾過工程の負荷増大を招き好ましくない。好ましい添加量は、コロイダルシリカ中に含まれるシリカ(酸化珪素)の量1Kgに対して1gから30gである。
限外濾過工程に用いる限外濾過膜の分画分子量は5000ないし20000であることが好ましく、10000ないし15000であればより好ましい。分画分子量は5000以下では濾過速度の低下を招き、分画分子量は20000以上では微小粒子の流出を生じる。限外濾過膜の種類は限定されないが、ポリサルホン、ポリアクリルニトリル製などが使いやすい。また、限外濾過で濃縮したのち、再び純水等で希釈をして再度限外濾過を行い精製を行うことができる。
以下、実施例、比較例に従い本発明の実施態様を具体的に説明するが、これにより限定を受けるものではない。また、以下の実施例、比較例において言及する重金属は鉄、銅およびクロムに止めているが、これは代表的な重金属として鉄、銅、クロムの三元素を選定したことによるものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
鉄、銅、クロムの含有量が1ppb以下の高純度コロイダルシリカ(平均粒子径 72nm、pH10.0、シリカ濃度5wt%)に、 鉄、銅およびクロムの原子吸光分析用標準液を各元素の含有量がコロイダルシリカ全体に対して100ppbになるよう添加した。
次に、表1のpHになるよう水酸化テトラメチルアンモニウムと酢酸を添加した後、オキシカルボン酸の塩であるクエン酸1アンモニウムを表1に示す量添加し、限外濾過を実施した。限外濾過膜は、ポリサルホン製分画分子量10000のものを使用した。排出された濾液中の鉄、銅およびクロム各元素の分析を行った。分析には、ICP発光分光分析装置(SPS3000、セイコーインスツルメンツ社)を使用した。結果を表1.に示す。濾液中の鉄、銅およびクロムの定量限界は各元素とも1ppb以下であった。
本実施例では、鉄、銅、クロムの含有量が1ppb以下の高純度コロイダルシリカを使用し、コロイダルシリカ由来の鉄、銅、クロムを無視できる条件で、後から添加した鉄、銅およびクロムの挙動を調べた。本発明の特徴であるpHを酸性にする工程を行なう前の原液、即ちpH10.8の条件においては、濾液中に鉄、銅、クロムが存在しなかった。この結果から、後から添加した鉄、銅、クロムのほぼ全量はコロイダルシリカの微粒子表面に吸着していると推察される。pHを低くする、すなわち酸性条件にすることにより、銅およびクロムは濾液中に存在するようになり、この2つの重金属元素はpHを調整することで微粒子表面に吸着した状態から分散液中に溶解する状態に移行し、その傾向は銅の方が顕著であることが判った。一方、鉄の場合、pHを低くしても濾液中にほとんど検出されず、単純にpHを下げるのみでは鉄は分散液中に溶解する状態に移行することはほとんどないことが判った。
本実施例ではオキシカルボン酸としてクエン酸を使用したが、これを加えることにより、pHを低くすれば、鉄、銅、クロムの添加した全量が濾液中に検出された。すなわち、pHを低くするだけでは分散液への移行が不十分であったクロム、移行がほとんど行われなかった鉄もすべて分散液中へ移行することが確認された。この結果から見て、オキシカルボン酸の併用の効果は明らかである。すなわち、オキシカルボン酸であるクエン酸を併用することにより、pH5以下の状態で重金属元素、就中、pHの低下のみでは移行が不十分なクロムも、移行しない鉄も微粒子表面に吸着した状態から分散液中に容易に溶解する状態に移行することが判った。
水ガラスを原料とするコロイダルシリカ(平均粒子径 68nm、pH9.8、シリカ濃度40wt%)を純水で希釈し、シリカ濃度5.0wt%のコロイダルシリカを作製した。次いで、H型強酸性陽イオン交換樹脂(DOWEX 50WX8)を充填したカラムに、前記シリカ濃度5.0wt%のコロイダルシリカを通した。通過した後のコロイダルシリカのpHを測定したところ、3.0であった。
得られたpH3.0のコロイダルシリカにオキシカルボン酸の塩であるクエン酸1アンモニウムをシリカ1Kgあたり4gになるように添加した。添加後の液のpHは3.1であった。上述のようにして得られたコロイダルシリカ、即ち、所定量のクエン酸1アンモニウムを添加したコロイダルシリカを1時間放置後、限外濾過により濃縮を行った。限外濾過膜は、ポリサルホン製分画分子量10000のものを使用した。シリカ濃度33wt%になるまで濃縮を行った。排出された濾液中の鉄と銅の量を定量分析したところ、鉄:50ppb、銅:2ppbであった。
上述のシリカ濃度33wt%のコロイダルシリカに純水を添加し、シリカ濃度5.0wt%になるように調製し、次いで2回目の限外濾過を行ないシリカ濃度が再度33wt%になるまで濃縮を行った。排出された濾液中の鉄と銅を分析したところ、鉄:4.3ppb、銅:1ppb以下であった。更に上述と同一の操作で3回目の限外濾過を行いシリカ濃度30wt%になるまで濃縮を行った。濃縮に伴い、系外に排出された濾液中の鉄と銅の含有量の定量分析を行なったところ、鉄:1ppb以下、銅:1ppb以下であった。
本実施例は、水ガラス法で製造されたコロイダルシリカを試料とし、陽イオン交換樹脂を通過させることによりpHを3程度に下げ、オキシカルボン酸の塩であるクエン酸1アンモニウムを併用し、3回の限外濾過を行なうという本発明方法の実施例である。最初の濾過では濾液中に鉄、銅の存在が検出されたが、限外濾過を繰り返すことによりその検出量は減少し、重金属の除去が実施されたことが確認できた。
水ガラスを原料とするコロイダルシリカ(平均粒子径 68nm、pH9.8、シリカ濃度40wt%)を純水で希釈し、シリカ濃度5.0wt%のコロイダルシリカを作製した。次に、このシリカ濃度5.0wt%のコロイダルシリカに酢酸を加えpHをpH3.0に調製した。次いで前記pH3.0のコロイダルシリカに酒石酸酸1アンモニウムを、シリカ1Kgあたり5gになるよう添加した。添加後のコロイダルシリカのpHは3.3であった。
上述のように調製した酒石酸酸1アンモニウム含有コロイダルシリカを1時間放置後、限外濾過により濃縮を行った。限外濾過膜は、ポリサルホン製分画分子量10000のものを使用した。シリカ濃度30wt%になるまで濃縮を行った。排出された濾液中の鉄、銅及びクロムを分析したところ、鉄:44ppb、銅:2ppb、クロム:1ppb以下であった。
シリカ濃度30wt%のコロイダルシリカに純水を添加し、シリカ濃度5.0wt%に調製し2回目の限外濾過を行いシリカ濃度30wt%になるまで濃縮を行った。排出された濾液中の鉄、銅及びクロムを分析したところ、鉄:6.5ppb、銅:1ppb以下、クロム:1ppb以下であった。更に、同一の操作で3回目の限外濾過を行いシリカ濃度30wt%になるまで濃縮を行った。排出された濾液中の鉄と銅を分析したところ、鉄:1ppb以下、銅:1ppb以下で、クロム:1ppb以下あった。
本実施例は、水ガラス法で製造されたコロイダルシリカを試料とし、酸を添加することによりpHを3程度に下げ、オキシカルボン酸の塩である酒石酸1アンモニウムを併用し、3回の限外濾過を行なうという本発明方法の実施例である。最初の濾過では濾液中に鉄、銅の存在が検出されたが、限外濾過を繰り返すことによりその検出量は減少し、重金属の除去が実施されたことが確認できた。
以上述べたように、本発明方法にて調製したコロイダルシリカは、実質的に重金属汚染の要因となりうる微粒子の表面に吸着している状態の重金属の量と、溶媒中に溶解している状態の重金属を削減するのであるから、例えば、半導体ウェーハ等の精密研磨工程において、研磨材であるコロイダルシリカ中に含まれる重金属による半導体ウェーハへの汚染を実質的に減少することができる。しかも、精製工程において最も難易度が高く、かつコスト的にも費用がかかる、シリカ粒子中に含まれる重金属の除去を行なわなくてよいため、粒子中に含まれる重金属の除去を含めた従来の精製工程に比較して、格段に方法が容易となり、かつコストも低くなったことは明らかである。
Claims (6)
- コロイダルシリカを酸性にする工程とオキシカルボン酸及び/またはオキシカルボン酸塩を添加する工程を行なった後に、限外濾過により濃縮を行なうことを特徴とするコロイダルシリカの精製方法。
- コロイダルシリカを酸性にする工程が陽イオン交換樹脂にコロイダルシリカを接触させ酸性にする方法であることを特徴とする請求項第1項に記載のコロイダルシリカの精製方法。
- コロイダルシリカを酸性にする工程がコロイダルシリカに鉱酸および/または有機酸を添加して酸性にする方法であることを特徴とする請求項第1項に記載のコロイダルシリカの精製方法。
- コロイダルシリカのpHを2から5の範囲内に調製することを特徴とする請求項第1項ないし第3項のいずれかに記載のコロイダルシリカの精製方法。
- オキシカルボン酸及び/またはオキシカルボン酸塩の添加量が、コロイダルシリカ中に含まれるシリカ(酸化珪素)の量1Kgに対して1gから30gであることを特徴とする請求項第1項ないし第4項のいずれかに記載のコロイダルシリカの精製方法。
- オキシカルボン酸及び/またはオキシカルボン酸塩がリンゴ酸、酒石酸、クエン酸およびそれらの塩から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項第1項ないし第5項のいずれかに記載のコロイダルシリカの精製方法。
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-
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