JP2005117705A - 磁気浮上装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素化や小型化、コストの低減化、信頼性の向上が図れる磁気浮上装置の提供。
【解決手段】浮上開始時から実際の値に近い空隙長情報を推定するとともに抵抗測定値に基づいて姿勢推定手段33のパラメータを変更し、磁石ユニット7の温度変動に依存しない空隙推定精度を維持することでギャップセンサとセンサターゲットを省略する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、吸引式磁気浮上により浮上体を非接触で支持する磁気浮上装置に関する。
常電導吸引式磁気浮上は、電磁石を強磁性部材に対向させ、電磁石の励磁によって強磁性部材との間に生じる吸引力を利用して浮上体を浮上させるものであり、騒音や発塵がなく、HSSTやトランスラピッド等の鉄道や半導体工場でのクリーンルーム内搬送システムですでに実用化が図られている。また、常電導吸引式磁気浮上はエレベータの非接触案内への適用が試みられ(特許文献1参照)、またドアへの常電導吸引式磁気浮上装置の適用が試みられている。
かかる常電導吸引式磁気浮上においては、磁気浮上系が本来的に不安定であり、これを安定化するために浮上ギャップ長、その速度さらには加速度や電磁石励磁電圧、同励磁電流を検出し、これらを吸引力制御手段にフィードバックして吸引力制御が行われている。
このため、システムの安定性を確保するに、従来の技術では、浮上ギャップ長の検出が必要であり、ギャップセンサの使用が避けられなかった。
また、強磁性部材と電磁石間のギャップ長をギャップセンサで検出するには、使用するギャップセンサに適したセンサターゲットが必要であり、強磁性部材に付随してセンサターゲットを敷設しなければならなかった。
このように、浮上ギャップ長を磁気浮上系の安定化に用いる場合、ギャップセンサやセンサターゲットが必要であり、装置のコストを上昇させていた。また、ギャップセンサの取付けスペースやセンサターゲット用のスペースを確保しなければならず装置の小型化の障害となっていた。特に、鉄道や搬送システムにおいては強磁性ガイドで構成される軌道に分岐個所が設けられるため、センサターゲットとガイドが交差してギャップ長の検出を妨げないような仕組みが必要であり、システムの複雑化を招いていた。
上述した問題を解決するため、例えば、電磁石励磁電流からオブザーバ(状態観測器)によりギャップ長を推定する方法(非特許文献1)や交流磁気浮上により生じる電磁石励磁電圧と励磁電流の位相差にギャップ情報を陰に含ませ、これを電磁石励磁電圧にフィードバックして安定化する方法(非特許文献2)、また、電磁石励磁電流値をヒステリシスコンパレータで励磁電流基準値と比較し、励磁電流が基準値より大きい場合には電磁石励磁電圧を負に、小さい場合は正に切替えてやることでスイッチング周波数を浮上ギャップ長に比例させ浮上系を安定化する(非特許文献3)等の方法が、ギャップセンサをなくすセンサレス化手法として提案されている。
しかし、こうした解決策であっても、オブザーバを使用する場合にあっては、オブザーバが浮上状態における磁気浮上系の線型モデルから導出されるため、浮上状態にないときの浮上ギャップ長の推定ができず浮上開始が困難であったり、一旦浮上体が他の構造物に接触すると再び浮上状態に復帰できない等の問題があった。
また、オブザーバ以外のギャップ情報を含む物理量で電磁石励磁電圧を制御する場合では、浮上制御系が非線型系になるため、安定判別が困難であったり、浮上体の質量変化や励磁による温度上昇で電磁石コイルに電気抵抗の変動があると浮上状態の維持が困難になるという問題もあった。
かかる問題に対処するため、特許文献2に見られるように、電磁石励磁電流からオブザーバによりギャップ長を推定するセンサレス化方法において、浮上体が浮上状態にない場合に浮上体の接触を検出してオブザーバの積分器を初期化するとともに、浮上体の接触状態から幾何学的に接触時のギャップ長を推定し、このギャップ長推定値に基づいてオブザーバの積分器に初期値を与えることで浮上状態への復帰を確実にした手法が提案されている。
しかるに、この手法を特許文献3で示す、いわゆるゼロパワー制御に適用する場合、浮上体が定常浮上状態にある時は前記電磁石の励磁電流がゼロに収束しているためなんらの問題も生じないが、浮上体に大きな変動外力が長時間加えられると電磁石コイルに過渡的な制御電流が流れ続け、電磁石コイルの温度が上昇することになる。電磁石の温度が上昇すると電磁石コイルの電気抵抗が大きくなり、電磁石励磁電流から浮上ギャップ長を推定するオブザーバの出力誤差が大きくなる。こうなると、次第に浮上状態の維持が困難になり、ついには浮上体が接触する。浮上体が接触すると浮上状態への復帰制御が試みられるが、浮上状態に復帰しても浮上時の浮上ギャップ長推定値の誤差が大きいため、再び浮上体は接触し、接触状態と浮上状態が交互に繰返されることになる。このようになると電磁石には大きな制御電流が流れつづけるため、ますます電磁石コイルの電気抵抗値が上昇し、ついには浮上体が接触したままで励磁電流が流れ続けるということになる。このために、浮上状態の信頼性が損なわれるばかりでなく、電磁石から発火するという可能性が増大するという問題もあった。
特開2001−019286号公報 水野,他:「変位センサレス磁気軸受の実用化に関する研究」,電気学会論文集D分冊,116,No.1,35(1996) 森山:「差動帰還形パワーアンプを用いたAC磁気浮上」1997年電気学会全国大会予稿集,No.1215 水野,他:「ヒステリシスアンプを利用したセルフセンシング磁気浮上」,計測自動制御学会論文集,32,No.7,1043(1996) 特開2003−204609号公報 特開昭61−102105号公報
このように、従来の磁気浮上装置にあっては、浮上体の安定な磁気浮上状態を浮上ギャップ長を吸引力制御手段にフィードバックして実現しており、ギャップセンサおよびセンサターゲットが不可欠となる。このため、装置が大型化して複雑になりコストアップを招くという問題があった。しかも、こうした問題を避けるためにギャップ長の情報をギャップセンサを用いずに吸引力制御手段にフィードバックしても浮上系の安定性が電磁石の電気抵抗値に依存するため、変動外力が予想される場合には浮上状態の信頼性が著しく損なわれるため、結局はギャップセンサを使わざるを得ず、装置の複雑化や大形化、コスト高の問題を回避することができなかった。
本発明の目的は、装置の簡素化や小型化、コストの低減化、信頼性の向上が図れる磁気浮上装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、電磁石を備えた磁石ユニットと、前記磁石ユニットで支持される浮上体と、前記磁石ユニットの磁極が空隙を介して対向し前記磁石ユニットの作用する吸引力で前記浮上体を非接触で支持するための強磁性部材と、前記電磁石の励磁電流を検出するセンサ部と、前記電磁石に励磁電流を流すための励磁手段と、前記励磁手段から前記電磁石に励磁電流を供給するための導電体を備えた配電手段と、前記配電手段および前記電磁石の電気抵抗を測定する抵抗測定手段と、前記センサ部および前記抵抗測定手段の出力に基づいて前記強磁性部材に対する前記浮上体の姿勢を推定する姿勢推定手段と、前記姿勢推定手段の出力に基づいて前記磁石ユニットが前記空隙および前記強磁性部材とで形成する磁気回路を安定化させる吸引力制御手段とを備えていることを特徴とする。
本発明の磁気浮上装置によれば、磁石ユニットの励磁電流からsギャップ長とその速度に関する情報を推定でき、ギャップセンサを省略した磁気浮上が可能となる。このため、ギャップセンサのコストが削減されるばかりでなくセンサターゲットが不要となり、装置の簡素化によるシステム全体のコストダウンが可能となる。また、線型制御理論が適用できるため、従来のセンサレス磁気浮上に比べ、浮上状態のロバスト安定性を確保でき、装置の信頼性を向上させることができる。
実施形態の説明に先立ち、先ず、本発明の原理について説明する。
図1には本発明の磁気浮上装置の原理を説明するための一質点系の磁気浮上装置が全体として符号1で示されている。
図1において、磁気浮上装置1は、永久磁石3および電磁石5で構成される磁石ユニット7と、磁石ユニット7と負荷荷重9からなる浮上体11と、磁石ユニット7が対向するとともに磁石ユニット7の作用する磁気的吸引力で浮上体11を非接触で支持するための強磁性部材で構成されるガイド13と、磁石ユニット7の吸引力を制御して浮上体11を安定に非接触支持するための吸引力制御手段15と、吸引力制御手段15の出力に基づいて電磁石5を励磁するための励磁手段としてのドライバ16とで構成されている。
電磁石5は継鉄17a、17bにコイル19,19’を巻装して構成され、永久磁石3の両磁極端部にそれぞれ継鉄17a、17bが配置されている。コイル19,19’は電磁石5の励磁によってガイド13〜継鉄17a〜永久磁石3〜継鉄17b〜ガイド13で形成される磁路の磁束が強まる(弱まる)ように直列に接続されている。
また、吸引力制御手段15はギャップセンサ21で得られる浮上ギャップ長および電流センサ23で得られる励磁電流から電磁石5を励磁する電圧を演算する励磁電圧演算部25を備えている。
そして、ドライバ16は配電手段としてのリード線28を介してその出力電流をコイル19,19’に供給している。
このとき、磁気浮上装置1の磁気浮上系は、磁石ユニット7の吸引力が浮上体11の重量と等しくなるときの浮上ギャップ長z0の近傍で線型近似し、以下の微分方程式で記述される。
Figure 2005117705
数1式中、Fzは磁石ユニット7の吸引力、mは浮上体11の質量、Rはコイル19,19’とリード線28を直列に接続したときの電気抵抗、zは浮上ギャップ長、izは電磁石5の励磁電流、φは磁石ユニット7の主磁束、ezは電磁石5の励磁電圧、Δは定常浮上状態(z=z0,iz=iz0)からの偏差、記号“・”はd/dt、偏微分∂/∂h(h=z,i)は定常浮上状態(z=z0,iz=iz0)における被偏微分関数のそれぞれの偏微分値、Lz0は、
Figure 2005117705
を表す。
数1の浮上系モデルは次の状態方程式となる。
Figure 2005117705
ただし、状態ベクトルx、システム行列A、制御行列bおよび外乱行列dは、
Figure 2005117705
であり、usは外力、
Figure 2005117705
となる。式3中、状態ベクトルxの各要素が浮上系の状態量であり、Cは出力行列で、ezの計算に用いる状態量の検出方法により決定される。磁気浮上装置1ではギャップセンサ21と電流センサ23を使用しており、ギャップセンサ21の信号を微分して速度を得る場合にはCは単位行列となる。ここで、Fを状態ベクトルxの比例ゲイン補償器、Kiを積分ゲインとして励磁電圧ezを例えば、
Figure 2005117705
で与えれば、磁気浮上装置1は特開昭62−7304号公報に見られるゼロパワー制御で浮上する。ここで、励磁電圧演算部25において式6が演算されることは言うまでもない。
式1の磁気浮上装置1においてギャップセンサ15を使用せずに、励磁電流Δizから浮上ギャップ長偏差Δzおよびその速度d(Δz)/dtを推定するための推定手段として、例えば同一次元状態観測器(以下オブザーバという)を適用する場合を考える。このとき、線型制御理論によれば、オブザーバは
Figure 2005117705
Figure 2005117705
で与えられる。このとき、励磁電圧演算部25においては例えば、
Figure 2005117705
ここで、推定当初の誤差が大きいと、式9で異常な励磁電圧が演算されるため、浮上状態の安定化ができなくなる。
したがって、図2に示す本発明に係わる磁気浮上装置1′にあってはギャップセンサ21が省略され、替りに浮上体11およびその近傍に非接触状態から接触状態になったことを例えば圧電ゴム29で検出する接触検出手段30と接触時の浮上体の姿勢を維持する補助支持手段31が備えられている。また、吸引力制御手段15には、前記接触検出手段30に加えて、励磁電流Δizから浮上ギャップ長偏差Δzおよびその速度d(Δz)/dtを推定する例えばオブザーバで構成される姿勢推定手段33と、補助支持手段31で維持された姿勢から浮上状態へ移行する場合のオブザーバの初期値となるべきx0を演算する姿勢演算手段35と、接触によりオブザーバの出力値を初期状態に戻すための推定初期化手段37と、初期化されたオブザーバに姿勢演算手段で計算されたx0を初期値として設定するための初期値設定手段39が備えられている。そして、推定された励磁電流Δiz、浮上ギャップ長偏差Δzおよびその速度d(Δz)/dtが励磁電圧演算部25に入力され、ドライバ16を介して電磁石5が励磁される。このように、オブザーバを初期化するとともに所定の初期値を与えてやることにより、停止状態から浮上する場合や外力やその他の理由によりに浮上状態から接触状態になった場合でも励磁電流Δizから浮上ギャップ長偏差Δzおよびその速度d(Δz)/dtを推定当初から誤差を抑えて推定でき、浮上体11を確実に浮上状態へ移行するとともにその浮上状態が維持される。
浮上状態にある浮上体11に過渡的な外力が持続的に加えられると外力に対して浮上状態を保つための吸引力制御がなされるため、コイル19,19’とリード線28には励磁電流が持続的に流れることになる。こうなるとコイル19,19’およびリード線28の温度が上昇し、電気抵抗Rが増加する。すると、式4中のa33が増大するが、吸引力制御手段15中の式7のオブザーバではa33は設定時のままとなる。このため、実際の磁気浮上系とオブザーバの間に差異が生じ、励磁電流Δiz、浮上ギャップ長偏差Δzおよびその速度d(Δz)/dtの実際の値と推定値が乖離する。本来不安定な常電導吸引式磁気浮上系では実際の値と推定値の乖離はフィードバック制御による浮上状態の安定化を非常に困難なものにする。
しかし、磁気浮上装置1′には直列に接続されているコイル19,19’およびリード線28の電気抵抗Rを測定するための抵抗測定手段40が備えられている。抵抗測定手段40は、例えば、励磁電圧ezの電圧方程式から下式に基づいて電気抵抗Rを測定する。
Figure 2005117705
しかるに、本発明にあってはゼロパワー制御で浮上体11が浮上するため、過渡的かつ持続的な外力に起因する励磁電流Δizがゼロ点をクロスする。励磁電流Δizがゼロになると式10の除算を不可能にするため、式10を次のように書きなおす。
Figure 2005117705
ただし、εはε<<1で、式11で得られらる値のノイズの大きさや必要な測定測定精度に基づいて適当な値に設定される。
そして、式11の出力に、例えば低域通過フィルターや平均値演算等の適当なノイズ除去処理を施せば電気抵抗Rの値を測定することができる。
こうして測定で得られた電気抵抗Rを抵抗測定手段40から出力し、前記姿勢推定手段33に導入して式7中のa33を変更すれば、温度上昇により増大した式4中のa33の値と式7のa33を値が一致するため、実際の磁気浮上系とオブザーバの間に構造上の差異が生じることがなく、励磁電流Δiz、浮上ギャップ長偏差Δzおよびその速度d(Δz)/dtの実際の値と推定値が乖離することもない。
したがって、上述した原理に従うことで、長時間持続的に外力が浮上体11に加えられても浮上状態の安定性を維持することが可能になる。このように浮上状態の安定性が維持できれば、信頼性の向上が図れ、ギャップセンサの省略による装置の簡素化や小型化、コストの低減化が実現できる。
以上の詳述した本発明の原理に従う、磁気浮上装置実施形態を図に基づいて詳説する。
(第1実施形態)
図3乃至図6には磁気浮上装置の第1実施形態における装置41の主要部が示されている。図4は実施の形態における全体的な構成を示す平面図、図5(a)は同立面図、図5(b)は同正面図である。
図3に示すように、この装置輪41は、建物の天井を構成する天板42の下面に所定の取付方法で敷設された強磁性部材としてのガイドレール44と、ガイドレール44を天井42に敷設することにより生じた凹凸を天井42の所定の範囲において平面に修正する非磁性体の平面補正部材45とで構成される上部支持部材46と、床48に所定の形状に溝50を掘って構成される下部支持部材52、この上部支持部材46と下部支持部材52との間に介在し、上部支持部材46と下部支持部材52の間隔によって幾何学的に転倒することが妨げられている仕切体54、ガイドレール44の下面所定位置に穿たれ断面が逆U字形状で仕切体54の上部を案内するための上部ガイド溝56で構成されている。
仕切体54は、仕切体54に取り付けられ、仕切体54をガイドレール44に対して非接触で支持する2つの磁石ユニット60a,60bと、仕切体54を非接触で支持するために磁石ユニット60(60a,60b)の吸引力を制御する制御装置70と、磁石ユニット60a,60bおよび制御装置70に必要な電力を供給する電源装置72と、磁石ユニット60a,60bが台板62を介して取り付けられているフレーム部80と,フレーム部80にはめ込まれ、たとえばガラスやアルミ、木材や紙等で構成された仕切板82とで構成されている。
磁石ユニット60は、永久磁石64と電磁石66,66’で構成されており、電磁石66,66’の先端がガイドレール44の下面と対向するように全体としてU字形状に組み立てられている。電磁石66,66’は角柱状の鉄心68(68′)をコイル69(69′)に挿入して構成され、コイル69,69’は励磁時に互いの磁束を強め合うように直列に結線されている。電磁石66,66’の先端部には、電磁石66,66’が励磁されていない時に永久磁石64の吸引力で磁石ユニット60a、60b’がガイドレール44に吸着して固着することを防止し、かつ吸着状態でも仕切体54の移動に支障が出ないよう個体潤滑部材で表面処理した圧電ゴム73a、73bが取付けられている。ここで圧電ゴム73a、73bは磁石ユニット60a,60bのそれぞれのガイドレール44への接触時に吸引力により電気抵抗がゼロに近くなる性質を有しており、仕切体54の接触を検出するには好適である。
フレーム部80は、断面が逆U字形状でフレーム部80の上部に取付けられた固定台83と,固定台83に固着された支持棒84と,支持棒84の先端部に回転可能に取り付けられ上部ガイド溝56に嵌入して仕切体54の上部をガイドレール44に沿って案内する案内シュー86と、溝50に嵌入し仕切体54の下部を溝50に沿って案内する2つの案内車輪88,88’と、仕切体54が壁面に沿って移動する際に挟まれ事故を防止するために柔軟な材料たとえば軟質ゴム等で構成されるガード部材89と、断面がU字形状でその凹部で左右から仕切板82を挟み込むための側面フレーム91と、左右の側面フレーム91の下側端面に所定の方法で固定され下面両端所定位置に案内車輪88,88’の車軸93を有する底面フレーム95と、硬質の圧電ゴムで構成され底面フレーム95の下面に貼付られて磁石ユニット60の吸引力喪失時等の場合に底面フレーム95が直接床48の上面に当たるのを防ぐとともに浮上体としての仕切体54の接触を検出する緩衝部材97と、上部基台101、下部基台103および側板104で箱状に構成されその内部にそれぞれ2分割された前記制御装置70および前記電源装置72を備えるとともに上部基台101上面に磁石ユニット60が取り付けられ下部基台103下面に左右の側面フレーム91の上側端面が所定の方法で固定された上部フレーム105とで構成されている。前記上部フレーム105の上部には側面に沿って磁石ユニット60a,60bを視界から遮るカバー107が取り付けられており、磁気浮上装置41の意匠性を高めている。
磁石ユニット60a,60bの各吸引力は制御装置70により制御され、仕切体54がガイドレール44に対して非接触に支持される。
制御装置70は図5(a)に示すように分割されてはいるが、たとえば、図7に示すように、全体として1つに構成されている。なお、以下のブロック図において、矢印線は信号経路を、また棒線はコイル69周辺の電力経路を示している。さらに、磁石ユニット60aにおいて2つの直列に接続されたコイル69,69’をまとめてコイル69aとし、同様に磁石ユニット60bの2つのコイル69,69’をコイル69bとする。
図4及び図5に示すように、制御装置70は、フレーム部80に取付けられて磁石ユニット60a,60bの励磁電流を検出するセンサ部111と、磁石ユニット60a,60bに仕切体54を非接触支持させるべく各コイル69a,69bへの印加電圧ea,ebをセンサ部111からの信号に基づいて演算する吸引力制御手段としての演算回路112と、演算回路112の出力に基づいて各コイル69a,69bに電力を供給する励磁手段としてのパワーアンプ113a,113bと、パワーアンプ113a,113bの出力電流をコイル69a,69bに供給するための配電手段としてのリード線114a,114bとで構成されており、これらで2つの磁石ユニット60a,60bの吸引力をz軸方向およびy軸周りについて独立に制御している。なお、パワーアンプ113a,113bは冷却のため上部基台101上面に取り付けられた冷却フィン115に装着されている。
電源装置72はパワーアンプ113a,113bに電力を供給すると同時に、演算回路112に一定電圧で電力を供給する定電圧発生装置118にも電力を供給している。この電源装置72はパワーアンプに電力を供給するため、図示しない電源線で仕切体54の外部から供給される交流をパワーアンプへの電力供給に適した直流に変換する機能を有している。
図7に示す定電圧発生装置118は、パワーアンプ113への大電流の供給などにより電源装置72の電圧が変動しても常に一定の電圧で演算回路112に電力を供給する。このため、演算回路112は常に正常に動作する。
センサ部111は各コイル69の電流値を検出する電流検出器121a,121bで構成されている。
演算回路112は、図3に示される運動座標系ごとに仕切体54の磁気浮上制御を行っている。すなわち、仕切体54の重心のz座標に沿った上下動を表すzモ−ド(上下動モード)、仕切体54の重心回りのピッチングを表すξモ−ド(ピッチモード)である。この2つのモードに対し、上述の発明の原理にもとづいて磁石ユニット60a,60bのコイル励磁電流が検出され、磁気浮上制御が行われる。
演算回路112は次のように構成されている。電流検出器121a,121bからの励磁電流検出信号ia,ibよりそれぞれの電流設定値ia0,ib0を減算して得られる電流偏差信号Δia,Δibを演算する減算器123a,123bと、z方向の運動に関わる電流偏差Δiz、同重心のまわりのピッチングに関わる電流偏差Δiξを演算するモード励磁電流演算部としての励磁電流偏差座標変換回路125と、電流検出器121a,121bからの励磁電流検出信号ia,ibおよび当該演算回路112の出力ea,ebよりコイル69aおよびリード線114aとの直列抵抗とコイル69bおよびリード線114bとの直列抵抗を測定しこれらの平均値を出力する抵抗測定手段126と、抵抗測定手段126の出力Rと励磁電流偏差座標変換回路125の出力Δiz,Δiξよりz,ξの各モ−ドにおいて仕切体54の重心の所定位置からの上下偏差Δzおよびその速度d(Δz)/dtを推定する上下動モード姿勢推定手段127a、仕切体54のピッチ偏差Δξおよびその速度d(Δξ)/dtを推定するピッチモード姿勢推定手段127b、圧電ゴム73a,73bおよび緩衝部材97の電気抵抗値から仕切体54の上部支持部材46または下部支持部材52への接触を検出する接触検出手段129、接触検出手段129からの接触信号に基づいて接触時の仕切体54の姿勢からzモ−ドにおける上下偏差Δz0を計算する姿勢演算手段131aと、同ξモ−ドにおけるピッチ偏差Δξ0を計算する姿勢演算手段131bと、姿勢演算手段131aの出力Δz0を姿勢推定の初期値として上下動モード姿勢推定手段127aに与える上下動モード初期値設定手段133aと、姿勢演算手段131bの出力Δξ0を姿勢推定の初期値としてピッチモード姿勢推定手段127bに与える初期値設定手段133bと、接触直前までの上下動モード姿勢推定手段127aが推定していた上下偏差Δz、その速度d(Δz)/dtおよび励磁電流偏差Δizの推定値をリセットする上下動モード推定初期化手段135aと、接触直前までのピッチモード姿勢推定手段127bが推定していたピッチ偏差Δξ、その速度d(Δξ)/dtおよび励磁電流偏差Δiξの推定値をリセットするピッチモード推定初期化手段135bと、仕切体54を安定に磁気浮上させるモ−ド別電磁石制御電圧ez,eξをそれぞれ上下動モード姿勢推定手段127aおよびピッチモード姿勢推定手段127bの出力に基づいて演算する励磁電圧演算部136としての上下動モ−ド制御電圧演算回路137aおよび同ピッチモ−ド制御電圧演算回路137bと、各モードの制御電圧演算回路137a、137bの出力ez,eξより前記磁石ユニット60a,60bのそれぞれの電磁石励磁電圧ea,ebを演算する励磁電圧演算部136としての制御電圧座標逆変換回路139とで構成されている。そして、制御電圧座標逆変換回路139の演算結果、つまり上述したea,ebがパワ−アンプ113a,113bに与えられる。
ここで、仕切体54の接触時において上部支持部材46と下部支持部材52で仕切体54の姿勢が維持されるので、本実施例においては上部支持部材46と下部支持部材52が補助支持手段となっている。
また、仕切体54の接触時の姿勢には、
1.磁石ユニット60a,60bが圧電ゴム73a,73bを介して上部支持部材46に接触している姿勢(磁石ユニット60aのギャップ長がza1、磁石ユニット60aのギャップ長がzb1)
2.底面フレーム95が緩衝部材97を介して下部支持部材52に接触している姿勢(磁石ユニット60aのギャップ長がza2、磁石ユニット60aのギャップ長がzb2)、
3.磁石ユニット60aが圧電ゴム73aを介して上部支持部材46に接触するとともに底面フレーム95が緩衝部材97を介して下部支持部材52に接触している姿勢(磁石ユニット60aのギャップ長がza3、磁石ユニット60aのギャップ長がzb3)、
4.磁石ユニット60bが圧電ゴム73bを介して上部支持部材46に接触するとともに底面フレーム95が緩衝部材97を介して下部支持部材52に接触している姿勢(磁石ユニット60aのギャップ長がza4、磁石ユニット60aのギャップ長がzb4)
の4つのパターンが存在する。
接触検出手段129ではこれらの接触姿勢パターンに対応して例えば、6、1、5、3が出力される。これ以外のパターンは浮上状態とみなすため接触検出手段129が0を出力することは言うまでもない。
上下動モード姿勢演算手段131aでは接触検出手段129の出力に応じて、
Figure 2005117705
が計算される。つまり、接触検出手段129の出力が6の場合にはzaにza1、zbにzb1が代入される。ここで、z0は所定の浮上状態にあるときの磁石ユニット60a、60bの浮上ギャップ長の平均値である。接触検出手段129の出力が1の場合にはzaにza2、zbにzb2が代入され、5の場合にはzaにza3、zbにzb3が代入される。そして、接触検出手段129の出力が3の場合にはzaにza4、zbにzb4が代入されて接触検出手段129の出力に基づいた接触時の上下偏差(z0が計算される。同様にして、ピッチモード姿勢演算手段131bでは、lξを磁石ユニット60a,60bの中心間距離として
Figure 2005117705
により接触検出手段129の出力に基づいて接触時のピッチ偏差Δξ0が計算される。
上下動モード姿勢推定手段127aは上下動モード初期値設定手段133aおよび上下動モード推定初期化手段135aとともに図8のように構成されている。すなわち、上下モードにおけるオブザーバを実現するために、上下動モード姿勢推定手段127aは励磁電流偏差座標変換回路125の出力Δizを入力とするゲイン補償器141,143,145と、積分器147,149,151と、積分器147の出力を入力するゲイン補償器153と,積分器149の出力を入力するゲイン補償器155,157と、積分器151の出力を入力するゲイン補償器159,161,163と、上下動モ−ド制御電圧演算回路137aの出力ezを入力とするゲイン補償器165と、ゲイン補償器141,155,159の出力を加算して積分器147への入力を出力する加算器167と、ゲイン補償器143,153,161の出力を加算して積分器149への入力を出力する加算器169と、ゲイン補償器145,157,163,165の出力を加算して積分器151への入力を出力する加算器171と、各積分器147,149,151のそれぞれに付随する初期値設定手段173,175,177と,同じく各積分器147,149,151のそれぞれに付随する推定初期化手段179,181,183と、ゲイン補償器153への分岐後の積分器147の出力を所定値の範囲内に制限する推定出力制限手段としてのリミッタ184とを備えている。各積分器147,149,151は同一構成であり、例えば積分器147とこれに付随する初期値設定手段173および推定初期化手段179は図10のように構成されている。すなわち、加算器167の出力が入力される抵抗185とコンデンサ187とオペアンプ189で構成される積分器147はコンデンサ187を短絡するリレー部191を備えている。接触検出手段129の出力が接触の検出によりゼロでなくなるとリレー部191が動作してコンデンサ187が短絡し、積分器147の積分結果はゼロにリセットされる。本実施例では接触検出手段129の接触検出により短絡するリレー部191が上下動モードの推定初期化手段135’を構成している。一方、積分器147の出力は抵抗193に接続されている。この抵抗193と、接触検出手段129の接触検出により上下動モード姿勢演算手段131aの出力するΔz0を入力しΔz0に対応する電圧を発生する初期値電圧発生装置195と、初期値電圧発生装置195につながれた抵抗197と、抵抗199,201と、オペアンプ203とが上下動モードの初期値設定手段133’を構成している。他の積分器149、151も同一構成であるが、これらに付随する初期値電圧発生装置195は積分器149、151に対応する初期値としてゼロを出力するようになっている。これら三つの積分器147,149,151に付随する推定初期化手段135’および初期値設定手段133’が全体として上下動モード推定初期化手段135aおよび上下動モード初期値設定手段133aを構成しており、差動構成されるオペアンプ203の出力が各積分器147,149,151の出力となる。つまり、上下動モード姿勢推定手段127aの推定結果である上下偏差Δz、その速度d(Δz)/dtおよび励磁電流偏差Δizのそれぞれの推定値が出力される。
ピッチモード姿勢推定手段127b、ピッチモード初期値設定手段133bおよび上下動モード推定初期化手段135bも同様に図9、図10のように構成されている。簡単のため、対応する入出力信号を信号名で示し説明は省略する。ただし、ピッチモードでは積分器147に付随する初期値電圧発生装置195はピッチモード姿勢演算手段127bの出力するΔξ0を入力しΔξ0に対応する電圧を発生するものとなっている。ピッチモードの各積分器147,149,151からはピッチモード姿勢推定手段127bの推定結果であるピッチ偏差Δξ、その速度d(Δξ)/dtおよび励磁電流偏差Δiξの推定値が出力される。
上下動モ−ド制御電圧演算回路137aは例えば図11のように構成されている。すなわち、上下偏差Δz、その速度d(Δz)/dtおよびΔizの推定値に適当なフィ−ドバックゲインを乗じるゲイン補償器205と、電流偏差目標値発生器207と、Δizを電流偏差目標値発生器207の目標値より減じる減算器209と、減算器209の出力値を積分し適当なフィ−ドバックゲインを乗じる積分補償器211と、ゲイン補償器205の出力値の総和を演算する加算器213と、積分補償器211の出力を入力として所定の範囲内で入力と等しい値を出力するとともに入力が同範囲の上限値を越える場合には上限値を下限値を下回る場合には下限値を出力する積分出力制限手段215と、加算器213の出力値を出力制限手段215の出力値より減じてzモ−ドの電磁石励磁電圧ezを出力する減算器217と、減算器217の出力を所定値の範囲内に制限する電圧出力制限手段としてのリミッタ218とで構成されている。なお、積分出力制限手段215の動作については特願平12−073406号広報にも詳しく述べられており、詳説は省略する。
ピッチモ−ド制御電圧演算回路137bもまた上下動モ−ド制御電圧演算回路137aと同様に構成されており、対応する入出力信号を信号名で示し、説明は省略する。
抵抗測定手段126は図12のように構成されている。すなわち、電流検出器121aからの励磁電流検出信号iaを導入しiaの時間微分を計算する微分器220と、微分器220の出力に仕切体54が浮上状態に有るときの所定の浮上ギャップ長におけるコイル60aの自己インダクタンスLz0に略等しいゲインを乗じるゲイン補償器222と、励磁電流検出信号iaを導入してその励磁電流検出値の二乗を演算する乗算器224と、当該演算回路112の出力eaを導入しこの値から前記ゲイン補償器222の出力を減算する減算器226と、励磁電流検出信号iaを導入してその励磁電流検出値に前記減算器226の出力を乗じる乗算器228と、前記乗算器224の出力に所定の値εを加算する加算器230と、前記乗算器228の出力を前記加算器230の出力で除算する除算器232と、除算器232の出力をフィルタリングしS/N比の良好な信号を出力するフィルタ234とを備えた第1の抵抗測定器236と、抵抗測定器236と同一構成で電流検出器121bからの励磁電流検出信号ibおよび当該演算回路112の出力ebを導入する第2の抵抗測定器236’と、抵抗測定器236および抵抗測定器236’の出力の平均値を演算する平均値演算器238とで構成されている。そして、抵抗測定器236ではコイル60aおよびリード線114aの直列接続抵抗値が、抵抗測定器236’では、コイル60bおよびリード線114bの直列接続抵抗値が、それぞれ式11に基づいて測定されることはいうまでもない。
抵抗測定手段126の出力は上下動モード姿勢推定手段127aおよびピッチモード姿勢推定手段127bに導入され、抵抗測定値Rの値に基づいて両モードの姿勢推定手段127(a,b)中のゲイン補償器163の値が変更される。
Figure 2005117705
次に、以上のように構成された第1実施形態に係る仕切体支持装置の動作について説明する。
装置が停止状態にあるときは、磁石ユニット60a,60bの鉄心68(68’)の先端が、圧電ゴム73を介してガイドレール44の下面に吸着している。この状態で装置を起動させると、制御装置70では圧電ゴム73の働きにより接触検出手段129は仕切体54の上部支持部材46への接触を検出して6を出力し、姿勢演算手段127a、127bでは磁石ユニット60aのギャップ長がza1、磁石ユニット60aのギャップ長がzb1であるに基づいて式12、式13によりzモード上下偏差の推定初期値Δz0とξモードピッチ偏差の推定初期値Δξ0が演算される。各モードの姿勢推定手段127a,127bでは初期値設定手段133a,133bにより推定初期値が設定される。このとき、推定初期化手段135a、135bでは接触検出手段129の出力がゼロでないため、リレー部191がONとなり、積分器147,149,151が短絡されて積分結果がクリアされ、姿勢推定手段127a、127bが初期化される。すると、初期値設定手段133aの働きにより姿勢推定手段127aから出力される上下偏差Δz、その速度d(Δz)/dtおよびΔizの推定値はそれぞれΔz0,0,0、初期値設定手段133bの働きにより姿勢推定手段127bから出力されるピッチ偏差Δξ、その速度d(Δξ)/dtおよび励磁電流偏差Δiξの推定値はそれぞれΔξ0,0,0となる。
各モードの制御電圧演算回路137a,137bは、姿勢推定手段127a,127bの推定結果が入力されると上下偏差Δz0,ピッチ偏差Δ0をゼロにするよな励磁電圧ez,eξを計算する。制御電圧座標逆変換回路139では制御電圧演算回路137a,137bの励磁電圧計算結果を受けてコイル69a,69bの励磁電圧ea,ebが計算され、パワーアンプ113a,113bを介して磁石ユニット60a,60bの吸引力が制御される。この状態で、制御装置70は永久磁石64が発生する磁束と逆向きの磁束を各電磁石66,66′に発生させ、磁石ユニット60a,60bとガイドレール44との間に所定の空隙長を維持させるべく各コイル69a,69bに流す電流を制御する。これによって、仕切体54はガイドレール44の下面から離れて浮上状態に移行する。仕切体54が浮上状態に移行すると、接触検出手段129は0を出力し、これによりに推定初期化手段135a、135bではリレー部191がOFFとなり、積分器147,149,151が積分を開始する。このとき、初期値設定手段133a,133bでは接触検出手段129が0を出力しているので直前の接触時の出力値が維持される。これにより、浮上開始状態では、姿勢推定手段127aでは初期値を(Δz0,0,0)、姿勢推定手段127bでは初期値を(Δ0,0,0)として推定が開始される。姿勢推定手段127a,127bの推定誤差は式8によれば初期値の誤差が少ないほど時間の経過とともに急速に減少する。本実施例では、浮上開始時の上下偏差とピッチ偏差が推定初期値と一致しているため推定開始時の誤差が小さくなり、推定値が実際の値に急速に収束する。また、仕切体54の姿勢は上部支持部材46と下部支持部材52により制限されるがリミッタ184には上下偏差とピッチ偏差の上下限値が飽和範囲として設定されており、推定値が実際の値に収束するまでの過渡期において姿勢推定手段127a,127bが異常な値を出力することもない。したがって、制御電圧演算回路137a,137bで演算される各モードの励磁電圧ez,eξも異常な値となることがなく、制御電圧座標逆変換回路139では制御電圧演算回路137a,137bの励磁電圧計算結果を受けてコイル69a,69bの励磁電圧ea,ebが計算され、パワーアンプ113a,113bを介して磁石ユニット60a,60bの吸引力が異常なく制御される。このように浮上開始時において異常なく吸引力制御が行われると、図7に示すように、永久磁石64〜鉄心68〜空隙G〜ガイドレール44〜空隙G′〜鉄心68’〜永久磁石64の経路からなる磁気回路Mcが安定化され、空隙G,G′におけるギャップ長は、永久磁石34の起磁力による各磁石ユニット60a,60bの磁気的吸引力が仕切体54の重心に作用するz軸方向重力、同y軸回りのトルクと丁度釣合うような長さになる。制御装置70はこの釣合いを維持すべく仕切体54に外力が作用すると電磁石66a,66bの励磁電圧制御を行い、いわゆるゼロパワー制御がなされることになる。
ここで、本実施例に係わる磁気浮上装置10をして図13に示す引き戸を構成した場合について説明する。この引き戸は壁面240の開口部に取り付けられた磁気浮上装置10で構成されており、ガイドレール44は開口部左端かつ壁面240側に向かって(x方向および−y方向に向かって)僅かに傾斜して取り付けられており、ゼロパワー制御で非接触支持されている仕切体54は外部から力を加えない状態で扉が閉じた状態を形成する。この状態において、磁石ユニット60a,60bが対向するガイドレール44の対向面は磁性体が張り出している部位A、B,Cがあり、磁石ユニット60a,60bにはこの部位への吸引力が係留力として作用する。このため、風や建物の僅かな揺れで仕切体54が開くことはない。今、この扉を開ける場合、仕切体54に−x方向の力を印加すると、案内車輪88,88’が溝50の直線部に沿って、案内シュー86が上部案内溝56に沿って移動可能なため、非接触支持されている仕切体54は軽くかつ滑らかに移動して扉が開くことになる。開いた扉はガイドレール44の傾斜に沿って滑走し、再び扉が閉じた状態を形成する。一方、閉じている扉をy方向に押す場合には案内車輪88が溝50の曲線部に沿って移動するため、仕切体54は案内車輪88’の車軸93および案内シュー86の支持棒84を中心として回転を開始する。このとき車軸93および支持棒84のそれそれの軸中心が一致していることは言うまでもない。回転を開始した仕切体54は二つの車軸93間に引いた直線L1〜L7で表される姿勢に順次移行しながら−x方向に移動する。つまり、本実施例に係わる磁気浮上装置では、仕切体の重量を非接触支持することにより扉の操作力や開閉時の騒音を著しく軽減しているばかりか、仕切体に滑らかな二次元的移動を付与することを可能にしており、車椅子から引き戸を開けるような場合でも、扉を押すことで容易に引き戸を開けることができ、操作性並びに操作感を著しく向上させている。
また、仕切体54が非接触支持されている際には案内車輪88,88’および案内シュー86がそれぞれ溝50および上部ガイド溝56に嵌入しているため、過大な水平方向の外力に対して仕切体54が転倒することがない。
一方、過大な外乱により仕切体54が上部支持部材46もしくは下部支持部材52との間に接触を生じても、本発明の磁気浮上装置にあっては、上述の仕切体54の接触時の姿勢1〜4が接触検出手段129により検出され、姿勢演算手段131、初期値設定手段133、推定初期化手段135の作用により、姿勢推定手段127は正常な推定値を出力する。このため、仕切体54は支障なく浮上状態に復帰する。
ここで、さらに過大な外乱により仕切体54が上部支持部材46もしくは下部支持部材52との間に衝突を生じたような場合には、姿勢推定手段127の推定値が急激に変化する。こうした急激な変化では上下偏差の速度推定値およびピッチ偏差の速度推定値も急激に変化する。すると、各モードの制御電圧演算回路137a,137bからは電源装置72の能力以上の励磁電圧が出力される。こうなると姿勢推定手段127a,127bに入力される励磁電圧ez,eξが実際にea,ebから得られるモード別励磁電圧の値と異なることになる。すると、姿勢推定手段127a,127bにおいて正常な姿勢推定が行えなくなり、浮上状態の安定化が困難となる。しかし、本実施の形態にかかわる磁気浮上装置10にあっては、励磁電圧演算部136の上下動モ−ド制御電圧演算回路137aおよびピッチモ−ド制御電圧演算回路137bがそれぞれの電圧出力制限手段としてリミッタ218を備えている。リミッタ218には電源装置72の能力限界に係わる各モードにおける電圧値が飽和値として設定されており、姿勢推定手段127a,127bに入力される励磁電圧ez,eξが実際にea,ebから得られるモード別励磁電圧の値と異なることがない。このため、さらに過大な外乱により仕切体54が上部支持部材46もしくは下部支持部材52に衝突しても姿勢推定手段127a,127bは支障なく動作し、仕切体54は再び浮上状態にもどることになる。
また、こうした過大な外乱が繰返し加えられたり、小さな周期的外力が長時間持続して作用した場合には、制御装置70により仕切体54の浮上状態を持続させるべく電磁石60a,60bが長時間励磁されるため、コイル69a,69bおよびリード線114a,114bの温度が上昇する。こうなるとコイル69a(69b)およびリード線114a(114b)の直列抵抗値が上昇し、姿勢推定手段127a,127bの推定誤差が拡大して浮上状態の安定化が困難となる。しかし、本実施の形態にかかわる磁気浮上装置10にあっては、抵抗測定手段126によりコイル69a(69b)およびリード線114a(114b)の直列抵抗値が測定され、その測定値に基づいてゲイン補償器163のゲインが変更されるため、コイル69a(69b)およびリード線114a(114b)の直列抵抗値に拘らず姿勢推定手段127a,127bは常に正常な姿勢推定値を出力する。このため、コイル69a(69b)およびリード線114a(114b)に外乱による温度上昇が発生しても姿勢推定手段127a,127bは支障なく動作し、仕切体54の浮上状態が維持されることになる。このように、本発明による磁気浮上装置にあっては浮上状態の信頼性が非常に高くなっている。
また、図4および図12に示すようにガイドレール44に分岐個所が存在する場合、従来のギャップセンサを有する磁気浮上装置では、ギャップセンサの軌跡に沿ってセンサの検出原理に適合した材質のセンサターゲットが必要であったが、本発明の磁気浮上装置にあってはギャップセンサが不要なため、センサターゲットを省略することができ、装置の簡素化、低コスト化を図ることができる。
かくして、安定な浮上状態を維持していた磁気浮上装置10を停止させる場合は、例えば、zモードの電流目標値発生器207の電流目標値をゼロから負の所定の値に変化させれば良く、これにより仕切体54は上部支持部材46に吸着する。ここで電源装置72の図示しないスイッチをOFFすることにより装置の動作は停止する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図14に基づいて説明する。第1実施形態では、磁石ユニットが浮上体側に取付けられていたが、これは磁石ユニットの取付け位置をなんら限定するものでなく、図13に示したように磁石ユニットを地上側に配置しても良い。なお、説明の簡単化のために、以下、第1実施形態と共通する部分には同一の符号を用いて説明する。
磁気浮上装置300は、断面がコ字形状で非磁性体例えばアルミ部材で形成され、地上に設置された補助支持手段302と、補助支持手段302の上部下面に下向きに取付けられた磁石ユニット60と、磁石ユニット60に対向する断面がコ字形状の強磁性部材たとえば鉄で形成されたガイド304と、ガイド304を底部上面に備え全体としてコ字形状に形成された防振台テーブル306と、防振台テーブル306の側面に取付けられ地上に対して垂直方向にのみ動きの自由度を防振台テーブル306に付与するリニアガイド308と、磁石ユニット60の吸引力を制御して防振テーブルを非接触支持するための吸引力制御手段15と、前記吸引力制御手段15の出力に基づいて前記磁石ユニット60を励磁するための図示していない電源に接続されたパワーアンプ113と、磁石ユニット60の励磁電流を検出する電流センサ23とを備えている。
吸引力制御手段15は、磁石ユニット60への励磁電流および励磁電圧からリード線28およびコイル19および19’の直列抵抗値を測定するための抵抗測定手段40と、補助支持手段302の底部上面に取付けられたマイクロスイッチ310と磁石ユニット60の磁極面に張られた圧電ゴム312を備えた接触検出手段314と、接触検出手段314の接触検出信号から防振テーブル306の補助支持手段302もしくは磁石ユニット60への接触時の浮上ギャップ長を計算する姿勢演算手段316と、前記抵抗測定手段40の出力および磁石ユニット60への励磁電流,励磁電圧から防振テーブル306の浮上姿勢を推定する姿勢推定手段318と、姿勢演算手段316の出力に基づいて姿勢推定手段318に推定初期値を設定する初期値設定手段320と、接触検出手段314の出力に基づいて姿勢推定手段25を初期化する推定初期化手段322と、姿勢推定手段25の出力に基づいて防振テーブル306を磁気浮上させるための磁石ユニット60への励磁電圧を演算する励磁電圧演算部324とを備えている。
磁石ユニットをこのように配置すると防振テーブルの重量を磁石ユニットの分だけ軽減できるという利点がある。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図15に基づいて説明する。
上記の第1、第2実施形態では、姿勢推定手段として同一次元状態観測器が用いられていたが、これは姿勢推定手段の構成をなんら限定するものでなく特許請求の範囲内であればいかなる推定手段であっても差し支えない。たとえば、図14に示す最小次元オブザーバを用いた場合の構成であっても良い。
たとえば、図13の磁気浮上装置300にあっては次式の最小次元オブザーバで構成された姿勢推定手段400を用いることができる。すなわち、
Figure 2005117705
姿勢推定手段400は、Δizを入力とするゲイン補償器402,404,406,407と、積分器408,410と、積分器408の出力を入力するゲイン補償器412と,積分器410の出力を入力するゲイン補償器414,416と、励磁電圧演算部324の出力ezを入力とするゲイン補償器418,420と、ゲイン補償器404,406,414の出力を加算して積分器408への入力を出力する加算器422と、ゲイン補償器412,416,418,420の出力を加算して積分器410への入力を出力する加算器424と、ゲイン補償器402と積分器408の出力を加算する加算器426と、ゲイン補償器407と積分器410の出力を加算し、速度d(Δz)/dtの推定値を出力する加算器428と、加算器426の出力を所定値の範囲内に制限する推定出力制限手段としてのリミッタ430とを備えている。ここでリミッタ430の出力が上下偏差Δzの推定値となることは言うまでもない。さらに、当該姿勢演算手段400にはΔizの入力端に切替え手段432が備えられている。当該切替え装置432では接触検出手段314が接触を検出している間はそれまで入力されていたΔizをゼロに切替え、接触が検出されなくなるとゼロをΔizに切替える機能を有している。姿勢推定手段として最小次元オブザーバを用いる場合、Δizがゲイン補償器402〜加算器426〜リミッタ430を介して直接上下偏差Δzの推定値として出力されるので、接触時において設定された積分器408の接触時の防振テーブル306の姿勢情報にα1Δizが加算されることになる。すると、姿勢演算手段400の上下偏差Δzの推定値が実際と異なることになり、防振テーブル306の浮上状態への移行に支障を来すこととなる。この場合では切替え手段432の作用により接触時に防振テーブル306の姿勢情報にα1Δizが加算されることはなく、姿勢演算手段400の出力は実際の値に近いものとなる。また、本実施の形態においては抵抗測定手段40の抵抗測定結果に基づいて式14中のa33を含むゲイン補償器404およびゲイン補償器418の値が変更される。こうなると防振テーブル306の浮上状態への移行に支障を来すことがなくなるばかりでなく、地上側の持続的な振動でコイル19,19’の温度が上昇しても浮上状態が維持されて信頼性が向上する。本実施例ではΔizの入力端に切替え手段432が備えられたが、これは姿勢推定手段の接触時の推定値を実際の値に近づけるための手段であり、姿勢推定手段の構成によってはezの入力端に切替え手段432を設けてもなんら差し支えない。本実施の形態では姿勢演算手段に最小次元オブザーバを適用しているが、この場合、積分器を減らせるという利点がある。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を図16に基づいて説明する。上記の第1実施形態では、抵抗測定手段に入力される電磁石励磁電流としてコイル69a,69bの励磁電流値ia,ibを、電磁石励磁電圧として制御電圧座標逆変換回路の出力値ea,ebを入力しているが、これは抵抗測定手段の構成をなんら限定するものでなく特許請求の範囲内であればいかなる推定手段であっても差し支えない。たとえば、図16に示すように励磁電流座標変換回路125と同一の演算を行う励磁電流座標変換回路125’を介してia,ibから上下動モードにおける励磁電流izおよびピッチモードにおける励磁電流iξを求め、電磁石励磁電流としてizおよびiξを、電磁石励磁電圧として各モードの制御電圧演算回路出力ezおよびeξを用いても良い。また、複数の抵抗測定値を平均演算手段238で平均しているがどちらか一方の抵抗測定器236(236’)の出力を抵抗測定手段の出力として何ら差し支えない。
加えて、上記各実施の形態では、磁気浮上制御を行う制御装置はアナログ制御的に説明されているがこれは、アナログ、デジタルの制御方式を何ら限定するものではなくデジタル制御を演算回路に適用してもよい。
また、上記各実施の形態では、パワーアンプに電圧形のものを用いているが、これはパワーアンプの方式を何ら限定するものではなくたとえばPWM形のものであって何ら差し支えない。
さらに、上記各実施の形態では、磁石ユニットにU字形状のものを用いているがこれは磁石ユニットの形状を何ら限定するものでなく、たとえば特願平11−192224に見られるようにE字形状のものであってなんら差し支えない。
加えて、上記各実施の形態では、磁石ユニットに永久磁石を用いているが、これは磁石ユニットの構成をなんら限定するものでなく、永久磁石を持たない通常の電磁石で磁石ユニットを構成してなんら差し支えない。
なお、本願発明は、上記各実施形態に限定されるものでなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合、組み合わされた効果が得られる。さらに、上記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
本発明の原理を説明するための構成図。 本発明の原理を説明するための他の構成図。 本発明の第1実施形態の全体的な構成を示す斜視図。 同実施の形態における全体的な構成を示す平面図。 同実施の形態における全体的な構成を示す立面図及び正面図。 同実施の形態における磁石ユニットの構成を示す立面図。 同実施の形態における制御装置内の構成を示すブロック図。 同実施の形態における制御装置内の姿勢推定手段の構成を示すブロック図。 同実施の形態における姿勢推定手段の積分器周辺の構成を示す回路図。 同実施の形態における制御装置内の制御電圧演算回路の構成を示す回路図。 同実施の形態における制御装置内の抵抗測定手段の構成を示すブロック図。 同実施の形態における仕切体の動作を説明するための平面図。 本発明の第2実施形態の全体的な構成を示すブロック構成図。 本発明の第3実施形態における姿勢推定手段の構成を示すブロック図。 本発明の第4実施形態における制御装置内の構成を示すブロック図。
符号の説明
1,1′,41,300…磁気浮上装置、3,64…永久磁石、5,66,66′…電磁石、7,60,60a,60b…磁石ユニット、9…負荷重量、11…浮上体、13,304…ガイド、15…吸引力制御手段、17a,17b…継鉄、19a,19b,69,69′,69a,69b…コイル、21…ギャップセンサ、23…電流センサ、25,324…励磁電圧演算部、27…ドライバ、28,114a,114b…リード線、29,73a,73b,312…圧電ゴム、30,129,314…接触検出手段、31,302…補助支持手段、33,127a,127b,318,400…姿勢推定手段、35,131a,131b,316…姿勢演算手段、37,135a,135b,173,175,177,322…推定初期化手段、39,133a,133b,179,181,183,320…初期値設定手段、40,126…抵抗測定手段、42…天井、44…ガイドレール、45…平面補正部材、46…上部支持部材、48…床、50…溝、52…下部支持部材、54…仕切体、56…上部ガイド溝、62,62′…台座、68,68′…鉄心、70…制御装置、72…電源装置、80…フレーム部、82…仕切板、83…固定台、84…支持棒、86…案内シュー、88,88′…案内車輪、89…ガード部材、91…側面フレーム、93…車軸、95…底面フレーム、97…緩衝部材、101…上部基台、103…下部基台、104…側板、105…上部フレーム、107…カバー、111…センサ部、112…演算回路、113,113a,113b…パワーアンプ、115…冷却フィン、118…定電圧発生装置、121a,121b…電流検出器、123a,123b,209,217…減算器、125…励磁電流偏差座標変換回路、127a…上下動モ−ド姿勢推定手段、127b…ピッチモ−ド姿勢推定手段、136…制御電圧演算部、137a…上下動モード制御電圧演算回路、137b…ピッチモード制御電圧演算回路、139…制御電圧座標逆変換回路、141,143,145,153,155,157,159,161,163,205,222,402,404,406,407,412…ゲイン補償器、147,149,151,408,410…積分補償器、167,169,171,213,230,422,424,426,428…加算器、184,218,430…リミッタ、185,193,197,199,201…抵抗、187…コンデンサ、189,203…オペアンプ、191…リレー部、195…初期値電圧発生装置、207…電流目標値発生器、215…出力制限手段、220…微分器、226…減算器、228…乗算器、232…除算器、234…フィルター、236,236’…抵抗測定器、240…壁面、306…防振テーブル、308…リニアガイド、310…マイクロスイッチ。

Claims (16)

  1. 電磁石を備えた磁石ユニットと、
    この磁石ユニットで支持される浮上体と、
    前記磁石ユニットの磁極が空隙を介して対向し前記磁石ユニットの作用する吸引力で前記浮上体を非接触で支持するための強磁性部材と、
    前記電磁石の励磁電流を検出するセンサ部と、
    前記電磁石に励磁電流を流すための励磁手段と、
    前記励磁手段から前記電磁石に励磁電流を供給するための導電体を備えた配電手段と、
    前記配電手段および前記電磁石の電気抵抗を測定する抵抗測定手段と、
    前記センサ部および前記抵抗測定手段の出力に基づいて前記強磁性部材に対する前記浮上体の姿勢を推定する姿勢推定手段と、
    前記姿勢推定手段の出力に基づいて前記磁石ユニットが前記空隙および前記強磁性部材とで形成する磁気回路を安定化させる吸引力制御手段と
    を具備することを特徴とする磁気浮上装置。
  2. 前記磁石ユニットは、前記空隙において前記電磁石の磁束と磁路を共有するように配置される永久磁石を備えていることを特徴とする請求項1に記載の磁気浮上装置。
  3. 前記吸引力制御手段は、前記センサ部の出力に基づいて前記電磁石の励磁電流をゼロへ収束させながら前記磁気回路を安定化させるゼロパワー制御手段を備えていることを特徴とする請求項2記載の磁気浮上装置。
  4. 前記ゼロパワー制御手段は、前記姿勢推定手段であることを特徴とする請求項3記載の磁気浮上装置。
  5. 前記姿勢推定手段は、前記電磁石の励磁電流および当該励磁電流を発生させている励磁電圧に基づいて前記浮上体の前記強磁性部材に対する姿勢および当該姿勢の時間変化を推定することを特徴とする請求項1記載の磁気浮上装置。
  6. 前記抵抗測定手段は、前記電磁石の励磁電流および当該励磁電流を発生させている励磁電圧に基づいて前記配電手段および前記電磁石の直列電気抵抗を測定することを特徴とする請求項1記載の磁気浮上装置。
  7. 前記吸引力制御手段は、前記姿勢推定手段の出力に基づいて前記電磁石の励磁電圧を演算する励磁電圧演算部を備えていることを特徴とする請求項1記載の磁気浮上装置。
  8. 前記励磁電圧演算部は、前記推定出力制限手段の出力に基づいて、前記浮上体の運動の自由度に寄与する吸引力を発生させるべく前記電磁石励磁電圧の線形結合であらわされるモード別励磁電圧を演算するモード励磁電圧演算部を備えていることを特徴とする請求項7記載の磁気浮上装置。
  9. 前記吸引力制御手段は、前記浮上体の運動の自由度に寄与する吸引力を発生させる前記電磁石励磁電流の線形結合であらわされるモード別電流を演算するモード励磁電流演算部を備えていることを特徴とする請求項7記載の磁気浮上装置。
  10. 前記姿勢推定手段は、前記電磁石の前記モード別励磁電流演算部の出力および前記モード励磁電圧演算部の出力に基づいて前記浮上体の前記強磁性部材に対する姿勢および当該姿勢の時間変化を推定することを特徴とする請求項9記載の磁気浮上装置。
  11. 前記抵抗測定手段は、前記電磁石の前記モード別励磁電流演算部の出力および前記モード励磁電圧演算部の出力に基づいて前記配電手段および前記電磁石の直列電気抵抗を測定することを特徴とする請求項9記載の磁気浮上装置。
  12. 前記抵抗測定手段は、前記電磁石の励磁電流を微分する微分手段を備えていることを特徴とする請求項6記載の磁気浮上装置。
  13. 前記抵抗測定手段は、前記電磁石の前記モード別励磁電流演算部の出力を微分する微分手段を備えていることを特徴とする請求項11記載の磁気浮上装置。
  14. 前記浮上体は、前記磁石ユニットを備えていることを特徴とする請求項1記載の磁気浮上装置。
  15. 前記浮上体は、浮上状態にないとき前記浮上体と前記ガイドの位置関係を所定の状態に維持する補助支持手段を備え、
    前記吸引力制御手段は、前記浮上体と前記ガイドとの接触を検出する接触検出手段と、前記接触検出手段の出力に基づき接触時の前記ガイドに対する前記浮上体の姿勢を出力する姿勢演算手段と、前記接触検出手段の出力に基づき接触時に前記姿勢推定手段を初期化する推定初期化手段と、前記姿勢推定手段が初期化される際に前記姿勢演算手段の出力値を前記姿勢推定手段の初期値として設定する初期値設定手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の磁気浮上装置。
  16. 前記吸引力制御手段は、前記姿勢推定手段の出力を入力し当該入力が所定の飽和範囲内にあるときは入力値を所定の飽和範囲外であるときは飽和値を出力する推定出力制限手段を備えていることを特徴とする請求項15記載の磁気浮上装置。
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