JPH05199614A - 浮上式搬送装置 - Google Patents

浮上式搬送装置

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JPH05199614A
JPH05199614A JP25864592A JP25864592A JPH05199614A JP H05199614 A JPH05199614 A JP H05199614A JP 25864592 A JP25864592 A JP 25864592A JP 25864592 A JP25864592 A JP 25864592A JP H05199614 A JPH05199614 A JP H05199614A
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magnetic
electromagnet
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Akihira Morishita
明平 森下
Teruo Azusawa
照男 小豆澤
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  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】消費電力の低減化を図れるばかりか、装置全体
の単純化および省スペース化を図れる浮上式搬送装置を
提供する。 【構成】強磁性体で形成されたガイドレール21に沿っ
て走行自在に配置された搬送車22には、ガイドレール
21の下面と空隙を介して対向し、励磁されたときにガ
イドレール21との間に重力方向と反対方向の磁気的吸
引力を発生する複数の電磁石34、35が搭載されてい
る。これら電磁石、ガイドレールおよび空隙で構成され
る磁気回路中には搬送車22を浮上させるのに必要な起
磁力を供給する永久磁石40が設けられている。搬送車
22には、前記磁気回路中の変化を検出するセンサ部お
よびこのセンサ部の出力に基づいて搬送車22に作用す
る外力の有無に拘らず前記電磁石に流れる励磁電流の定
常値を零にするように前記電磁石に流す励磁電流を制御
する制御部を有した制御装置が搭載されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小物類を搬送する浮上
式搬送装置に係り、特に、省エネルギ、省スペース化を
図れるようにした浮上式搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オフィスオートメーション、ファ
クトリーオートメーションの一環として、建屋内の複数
の地点間において、伝票、書類、現金、資料等を搬送装
置を用いて移動させることが広く行われている。
【0003】このような用途に用いられる搬送装置は、
搬送物を速やかに、かつ静かに移動させ得るものである
ことが要求される。このため、この種の搬送装置におい
ては、ガイドレール上で搬送車を非接触に支持すること
が行われている。
【0004】搬送車を非接触に支持するには、空気力や
磁気力を用いるのが一般的である。中でも搬送車を磁気
力で支持する方式は、ガイドレールに対する追従性や、
騒音低減効果に優れており、最も有望な支持手段である
といえる。
【0005】ところで、搬送車を磁気力で支持するよう
にした従来の浮上式搬送装置は、搬送車を電磁石で支持
し、この電磁石への励磁電流を制御することによって搬
送車を安定に支持するようにしている。したがって、電
磁石のコイルを常時付勢しなければならず、消費電力が
大きいという欠点を回避することができなかった。
【0006】そこで、電磁石に要求される磁気力の大部
分を永久磁石で付与し、消費電力の低減化を図るように
した装置も考えられている。しかし、この場合でも、例
えば搬送すべき物を搬送車に搭載するなどして、搬送車
に外力が作用する場合には、定常位置へ搬送車を押し戻
そうとする力を常時電磁石で与える必要があるため、こ
れによる消費電力の増大が問題であった。また、このよ
うに搬送車へ外力が作用することによって電磁石に付与
する電力が大きくなると、電磁石を付勢するための電源
として大容量の電源を使用しなければならず、結局、装
置全体の大型化を招くという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、磁気力を
用いて搬送車を非接触支持するようにした従来の浮上式
搬送装置にあっては、搬送車を浮上させるためのエネル
ギ消費が多いという問題があった。そこで本発明は、消
費電力の低減化を図れるばかりか、装置全体の単純化お
よび省スペース化を図れる浮上式搬送装置を提供するこ
とを目的にしている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る浮上式搬送装置は、少なくとも一部が
強磁性体で形成されたガイドレールと、このガイドレー
ルに沿って走行自在に配置された搬送車と、前記ガイド
レールと空隙を介して対向するように前記搬送車に取付
けられ、前記ガイドレールとの間に重力方向と反対方向
の磁気的吸引力を発生する複数の電磁石と、これら電磁
石、前記ガイドレールおよび前記空隙で構成される磁気
回路中に配置されるとともに前記搬送車に取付けられ、
前記搬送車を浮上させるのに必要な起磁力を供給する永
久磁石と、前記搬送車に取付けられて前記磁気回路中の
変化を検出するセンサ部およびこのセンサ部の出力に基
づいて前記搬送車に作用する外力の有無に拘らず前記電
磁石に流れる励磁電流の定常値を零にするように前記電
磁石に流す励磁電流を制御する制御部を有した制御装置
とを備えている。
【0009】
【作用】本発明を説明するに当り、まず本装置における
制御方式がいかなる根拠に基づくものかを説明する。図
6には本装置における磁気支持部の代表的な構成が示さ
れている。
【0010】すなわち、図中1はガイドレールであり、
このガイドレールの下面に対向する部分には空隙Pを介
して2つの電磁石2,3が対向配置されている。これら
2つの電磁石2,3は、継鉄4,5にそれぞれコイル
6,7を巻装して構成されたものである。そして、両継
鉄4,5の一端側は、永久磁石8によって磁気的に結合
されている。コイル6,7は、励磁電流が流れたときに
互いに加算される向きの磁束を発生するように直列に接
続され、さらに電源9に接続されたものとなっている。
そして、電磁石2,3、永久磁石8および電源9は、ガ
イドレール1に沿って走行する図示しない搬送車に取付
けられている。上記構成から判るように、継鉄4,5お
よび永久磁石8は、これらでU字状の磁芯を構成し、こ
の磁芯の両磁極面がガイドレール1の下面に対向するよ
うに搭載されていることになる。
【0011】このように構成された磁気支持部におい
て、いまガイドレール1、空隙P、継鉄4,5、永久磁
石8からなる磁気回路について考察する。なお、簡単の
ために、この磁気回路における漏れ磁束は無視すること
にする。この磁気回路の磁気抵抗Rmは、 Rm={2z+(L/μS )}/μ0 S …(1)
【0012】で表すことができる。ここに、μ0 は真空
の透磁率、Sは磁気回路の断面積、zは空隙長、μS
空隙部分以外の非透磁率、Lは空隙部分以外の磁気回路
長である。
【0013】また、コイル6,7に励磁電流が流れてい
ない時に空隙Pに生じる磁界の強さをHm、永久磁石8
の長さをLm、コイル6,7の総巻数をN、コイル6,
7への励磁電流をIとすると、この磁気回路に発生する
全磁束Φは、 Φ=(NI+HmLm)/Rm …(2) となる。したがって、ガイドレール1と各継鉄4,5と
の間に働く全吸引力Fは、 F=−S(Φ/S)2 /μ0 =−(NI+HmLm)2 /(μ0 Rm2 S) …(3) で表わせる。ここで、zで示す向きを重力方向として搬
送車の運動方程式を導くと、
【0014】
【数1】
【0015】となる。なお、ここに、mは前記磁気支持
部に加わる負荷および当該磁気支持部の全質量、gは重
力加速度であり、Umは搬送車に印加される外力の大き
さである。一方、直列に接続されたコイル6,7が鎖交
する磁束数ΦN は、 φN =(NI+HmLm)N/Rm …(5) であるから、コイル6,7の電圧方程式は、コイル6,
7の全抵抗をRとして、
【0016】
【数2】 となる。ここで、Rmは、(1) 式から明らかなように、
空隙長zの関数である。
【0017】そこで、いま、I=0の時に吸引力Fと重
力mgとが釣合う際のギャップ長をz0 、全磁気抵抗を
Rm0 として、上記(5) ,(6) 式を空隙長z=z0 、速
度dz/dt =0、電流I=0の近傍で線形化する。この場
合、z,dz/dt ,Iは、
【0018】
【数3】 で表わせる。そこで、上記(3) 式の吸引力Fを定常点
(z,dz/dt ,I)=(z0 ,0,0)の近傍で線形化
すると、
【0019】
【数4】 となり、
【0020】
【数5】 とおくと、
【0021】
【数6】 となる。したがって、前記(4) 式は次のようにまとめる
ことができる。
【0022】
【数7】 同様に、前記(6) 式を定常点(z,dz/dt ,I)=(z
0 ,0,0)の近傍で線形化すると、
【0023】
【数8】 となる。上記(7) ,(8) 式は、次のような状態方程式に
まとめることができる。
【0024】
【数9】 ただし、a21,a23,a32,a33,b31,d21は、それ
ぞれ、
【0025】
【数10】 である。ここで、簡単のため上記(9) 式を、
【0026】
【数11】 と表わす。この(9) 式で表わされる線形システムは、一
般には不安定な系であるが、
【0027】
【数12】
【0028】印加電圧Eを種々の方法で求め、系にフィ
ードバック制御を施すことによって安定化を図ることが
できる。例えば、Cを出力行列(この場合単位行列)と
し、印加電圧を、
【0029】
【数13】 (ただし、F1 ,F2 ,F3 はフィードバック定数)と
すれば、(10)式は、
【0030】
【数14】 となり、さらに、この(10)式をラプラス変換してxを求
めると、
【0031】
【数15】 となる。なお、ここに、lは単位行列、x0 はxの初期
値である。上記(13)式において、Umをステップ状の外
力とすれば、xの安定性は、状態推移行列Φ(s) すなわ
ち、
【0032】
【数16】 の行列式 det|Φ(s) |の特性根がsの複素平面上で全
て左半面上に保存すれば保障される。(9) 式の場合、Φ
(s) の特性方程式 det|Φ(s) |=0は、
【0033】
【数17】 となる。
【0034】したがって、F1 ,F2 ,F3 の値を適宜
決定することにより、 det|Φ(s)|=0の特性根の複
素平面上での配置を任意に決定することができ、磁気浮
上系の安定化を達成することができる。磁気支持部にこ
の様なフィードバック制御を施した場合の磁気浮上系の
ブロック図を図7に示す。すなわち、制御対象11に
は、フィードバックゲイン補償器12が付加されてい
る。なお、同図中yはCxを表す。
【0035】このような磁気浮上系においては、ステッ
プ状の外力Umおよび印加電圧Eのバイアス電圧e0
変化に伴ない、系の安定状態時の空隙長偏差Δzおよび
電流偏差Δiに以下に示すような定常偏差ΔzS および
ΔiS が生じる。
【0036】
【数18】
【0037】本発明装置では、上記(16)、(17)式で表さ
れる定常偏差のうち、電流定常偏差ΔiS をステップ状
の外力Umの有無に拘らず零にするように、磁気支持部
にフィードバック制御を施すようにしている。本発明
は、このように電流定常偏差ΔiS を零に制御するた
め、例えば次のような制御方法を採用したものとなって
いる。 (A) 外力Umを状態観測器によって観測し、この観測値
Umに適当なゲインを持たせて磁気浮上系にフィードバ
ックする方法、
【0038】(B) ギャップ長偏差Δz、その時間微分で
ある速度偏差、および電流偏差Δiに全てが同時に零で
ない適当なゲインを持たせ、それぞれの値をsの一次系
を構成するフィルタを介して磁気浮上系にフィードバッ
クする方法、 (C) 電流偏差Δiを積分補償器を用いて積分し、その出
力値に適当なゲインを持たせて磁気浮上系にフィードバ
ックする方法、 (D) 上記(A) ,(B) あるいは(C) の方法を併用する方
法、 等である。ここでは、一例として、(C) の方法について
説明する。
【0039】上記(C) の方法を用いた磁気浮上系のブロ
ック図は図8に示される。すなわち、上記の方法は、前
述したフィードバックゲイン補償器12に加え、さらに
積分補償器13を付加したものとなっている。この積分
補償器13のゲインKは、K=〔0,0,K3 〕で表わ
される行列であり、K3 は電流偏差Δiの積分ゲインで
ある。したがって、この磁気浮上系における印加電圧E
は、
【0040】
【数19】 で表わせる。前述と同様にして状態推移行列Φ(s) を求
めると、
【0041】
【数20】 となる。外力Umを入力とし、y=Cxで表わされるy
を出力とした時の伝達関数G(s) は、G(s) =sΦ(s)
E,すなわち、
【0042】
【数21】 ただし、 Δ(s) =s4 +(b313 −a33)s3 +{b313 −a21+a23(b312 −a32)}s2 +{a23311 −a21(b313 −a33)}s −a21313 …(21) と表わすことができる。
【0043】伝達関数G(s) の特性根は、上記(21)式で
表わされるΔ(s) を、Δ(s) =0として求めることがで
き、F1 ,F2 ,F3 ,K3 を適宜決定することによ
り、図8の磁気浮上系の安定化を実現できる。ここで、
もし同図の磁気浮上系が安定であるとすれば、外力Um
に対する偏差電流Δiの応答は、ラプラス変換を用い
て、
【0044】
【数22】 と求めることができる。この(22)式において前記外力U
mがステップ状外力であることから、F0 を外力の大き
さとすれば、Um(s) =F0 /sとなり、(22)式は、
【0045】
【数23】 結局、外力Um の有無に拘らず、電流定常偏差ΔiS
零に近付ける手段は、現実に存在することは明らかであ
る。なお、状態ベクトルxの各要素を検出するには、例
えば、 (a) 全ての要素を適当なセンサを用いて直接測定する方
法、
【0046】(b) 適当なギャップセンサ、速度センサあ
るいは加速度センサ等のいずれか一つの出力信号を、必
要に応じて積分器あるいは微分器を用いて積分または微
分して、Δzやこれを時間微分した値などを検出する方
法、
【0047】(c) 状態ベクトルのうちの2要素を(a) ま
たは(b) の方法で検出し、残りの一つを必要であれば前
記外力Umと合わせて状態観測器で観測する方法などが
挙げられる。
【0048】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。図1乃至図3には本発明の一実施例に係る浮上式搬
送装置が示されている。
【0049】これらの図において、番号21は少なくと
も下面部分が強磁性材で形成されたガイドレールを示し
ている。このガイドレール21上には、搬送車22がガ
イドレール21に沿って走行自在に配置されている。
【0050】搬送車22には、磁気支持装置23が搭載
されており、この磁気支持装置23とガイドレール21
との間に生じる磁気的吸引力によって、搬送車22はガ
イドレール21に対して完全に浮上した状態に支持され
ている。
【0051】搬送車22の下面には支持板24を介して
リニア誘導電動機25の可動要素である導体板26が固
定されており、ガイドレール21に沿ったベース部分2
7にはリニア誘導電動機25の固定子28が固定されて
いる。また、搬送車22の下面には、磁気支持装置23
に制御信号を与える制御装置29と、この制御装置29
や磁気支持装置23に電力を供給する電源30が搭載さ
れている。ガイドレール21は、アングル状部材21
a,21bを平行に敷設して構成されている。
【0052】搬送車22は、被搬送物の搬送を容易化す
るため、偏平な容器22aで構成されている。そして、
その下面には非常時等において搬送車22をガイドレー
ル21上で支持する車輪31が取付けられている。
【0053】磁気支持装置23は、搬送車22の四隅位
置と対向する位置に配置された4つの磁気支持部33
と、これら磁気支持部33を搬送車22にそれぞれ固定
するための4つのL字状の取付け部材32とで構成され
ている。
【0054】各磁気支持部33は、一端面がガイドレー
ル21の下面に僅かの空隙を介して対向した2つの継鉄
34,35およびこれら継鉄34,35に巻装されたコ
イル36,37からなる2つの電磁石38,39と、継
鉄34,35間に挿設された永久磁石40とで構成され
ている。コイル36,37は、励磁電流が流れたときに
互いに加算される向きの磁束を発生するように直列に接
続されている。上記構成から判るように、継鉄34,3
5および永久磁石40は、これらでU字状の磁芯を構成
し、この磁芯の両磁極面がガイドレール21の下面に対
向するように搬送車22に搭載されていることになる。
制御装置29は図4に示すように構成されている。な
お、この図において矢印は信号経路をまた棒線は電力経
路を示している。
【0055】この制御装置29は、図8に示した方法に
よる制御を実現するものであり、具体的には搬送車22
に取付けられて磁気支持部33によって形成される磁気
回路の変化を検出するセンサ部46と、このセンサ部4
6からの信号に基づいてコイル36,37へ供給すべき
電力を演算する演算回路47と、この演算回路47から
の信号に基づいてコイル36,37に電力を供給するパ
ワーアンプ48とで構成されている。
【0056】センサ部46は、前記継鉄34または35
に固定されて各磁気支持部33とガイドレール21との
間の空隙長を検出するギャップセンサ51と、このギャ
ップセンサ51からの信号を前処理する変調回路52
と、前記コイル36,37の電流値を検出する電流検出
器53とで構成されている。
【0057】演算回路47は、一方においては、ギャッ
プセンサ51の出力信号を変調回路52を介して導入
し、減算器54によって空隙長設定値z0 を減算すると
ともに、この減算器54の出力を直接、また微分器55
を介してそれぞれフィードバックゲイン補償器56,5
7に導き、他方においては電流検出器53の出力信号を
フィードバックゲイン補償器58に導き、さらに電流検
出器53の出力信号を減算器59で0信号と比較し、こ
の減算器59の出力を積分補償器60で補償した信号
と、前記3つのフィードバックゲイン補償器56〜58
の出力を加算器61で加算した信号とを減算器62で比
較し、その偏差を前記パワーアンプ48に出力するもの
となっている。
【0058】なお、電源30は、比較的大電力を必要と
するパワーアンプ系統と小電力の演算回路系統とにそれ
ぞれ別個に電力を供給するために、2つの電源部30
a,30bを備えたものとなっている。これら電源部3
0a,30bは、それぞれ他の磁気支持部33へも電力
を供給している。
【0059】このように構成された本実施例に係る浮上
式搬送装置は次のように動作する。すなわち、磁気支持
部33において、永久磁石40が作る磁束は、継鉄3
4,35、空隙、ガイドレール21の強磁性体部分を通
過して磁気回路を形成する。この磁気回路は、搬送車2
2に外力が作用していない定常状態で、電磁石38,3
9による磁束を全く必要としないような磁気吸引力を持
たせるように所定の空隙長z0 を保っている。
【0060】この状態で外力Umが作用すると、ギャッ
プセンサ51はこれを検知して変調回路52を介して演
算回路47に検出信号を送出する。演算回路47は、減
算器54によって上記信号から空隙長設定値z0 を減算
し、空隙長偏差信号Δzを算出する。この空隙長偏差信
号Δzは、フィードバックゲイン補償器56に入力され
るとともに、微分器55によってΔzを時間微分した速
度偏差信号に変換された後にフィードバックゲイン補償
器57に入力される。
【0061】一方、電流偏差信号Δiは、電流検出器5
3の計測信号によって得られ、フィードバックゲイン補
償器58に入力される。また、電流偏差信号Δiは、減
算器59によって零レベルと比較され、その差信号が積
分補償器60に入力される。そして、加算器61によっ
て加算された3つのフィードバックゲイン補償器56〜
58の出力信号と、積分補償器60の出力信号とは、そ
れぞれ所定のゲインを付与されてパワーアンプ48にフ
ィードバックされる。
【0062】したがって、外力Umが作用したときに
は、電磁石38,39のコイル36,37に外力Umに
応じた大きさおよび方向の励磁電流が流れ、これによっ
て継鉄34,35とガイドレール21との間の磁気吸引
力が増加または減少するように制御され、搭載要素を含
む搬送車22の荷重と永久磁石40により磁気吸引力と
が釣り合う浮上位置へ搬送車22が移動した時点、つま
り上記電流偏差Δiが零になった状態で系が安定化する
ことになる。
【0063】このように、本実施例によれば、コイル3
6,37には、搬送車22に外力が作用して磁気回路に
変動が生じた際の過渡的状態のみ電流が流れ、定常状態
では外力の有無に拘らずその電流が零であるので、電源
の負担を大幅に軽減でき、省エネルギ化を図ることがで
きる。
【0064】また、電磁石38,39で重力方向と反対
方向の磁気吸引力だけを制御すればよいので、電磁石3
8,39の上方のみにガイドレール21を設ければよ
く、つまり定常浮上に必要なガイドレールと過渡状態の
収束に必要なガイドレールとを共用できるので、全体を
単純化でき、省スペース化を図ることができる。
【0065】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではない。たとえば、上記実施例では電流偏差
Δiを積分補償器を用いて積分し、これに適当なゲイン
を持たせてフィードバックする方法を採用しているが、
前述した他の方法によって制御するようにしてもよい。
【0066】また、前述したようにギャップセンサ51
および電流検出器53の代わりに速度センサや加速度セ
ンサを用いるようにしても良い。図5には、ギャップセ
ンサ51の代わりに加速度センサ65および2つの積分
器66,67を用いた実施例が示されている。このよう
に、加速度センサ65の出力を2回積分して磁気支持部
33とガイドレール21との間の空隙長を検出するよう
にしてもよく、この場合には、特にセンサの設定位置を
それぞれの磁気支持部33の加速度が検出できる範囲で
任意に決定できるという利点がある。さらには、本発明
は、アナログ式の制御を行なうものに限定されず、デジ
タル式の制御要素を備えた装置を構成することもでき
る。このように、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で
種々変形して実施することができる。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、電磁石に要求される磁
気力に相当する部分を永久磁石で補償するようにし、さ
らに上記電磁石に流れる励磁電流の定常値を、搬送車に
作用する外力の有無に拘らず零にするようにしているの
で、上記電磁石のコイルには、搬送車に外力が作用した
際に過渡的に電流が流れるのみである。したがって、コ
イルで消費される電力を従来に較べて大幅に少なくする
ことができ、電源の負担を軽減させることができ、省エ
ネルギ化に大きく寄与できる。
【0068】また、電磁石で重力方向と反対方向の磁気
吸引力だけを制御すればよいので、電磁石の上方のみに
ガイドレールを設ければよく、定常浮上に必要なガイド
レールと過渡状態の収束に必要なガイドレールとを共用
できるので、全体を単純化でき、省スペース化を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る浮上式搬送装置におけ
る要部の斜視図
【図2】同要部を図1におけるA−A線に沿って矢印方
向に見た図
【図3】同要部を一部切欠して示す側面図
【図4】同浮上式搬送装置の制御装置およびその周辺の
電気的構成を示すブロック図
【図5】本発明の他の実施例に係る浮上式搬送装置の制
御装置を示すブロック図
【図6】本発明の主要部分をなす磁気支持部を示す図
【図7】磁気支持部の安定化のための従来の制御方法を
示すブロック図
【図8】本発明で採用している磁気支持部の制御方法を
示すブロック図
【符号の説明】
1,21…ガイドレール 2,3,3
8,39…電磁石 4,5,34,35…継鉄 6,7,3
6,37…コイル 8,40…永久磁石 9,30…電
源 11…制御対象 12,56〜58…フィー
ドバックゲイン補償器 13,60…積分補償器 22…搬送車 23…磁気支持装置 25…リニア
誘導電導機 33…車輪 46…センサ
部 47…演算回路 55…微分器 66,67…積分器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一部が強磁性体で形成されたガ
    イドレールと、このガイドレールに沿って走行自在に配
    置された搬送車と、前記ガイドレールと空隙を介して対
    向するように前記搬送車に取付けられ、前記ガイドレー
    ルとの間に重力方向と反対方向の磁気的吸引力を発生す
    る複数の電磁石と、これら電磁石、前記ガイドレールお
    よび前記空隙で構成される磁気回路中に配置されるとと
    もに前記搬送車に取付けられ、前記搬送車を浮上させる
    のに必要な起磁力を供給する永久磁石と、前記搬送車に
    取付けられて前記磁気回路中の変化を検出するセンサ部
    およびこのセンサ部の出力に基づいて前記搬送車に作用
    する外力の有無に拘らず前記電磁石に流れる励磁電流の
    定常値を零にするように前記電磁石に流す励磁電流を制
    御する制御部を有した制御装置とを具備してなることを
    特徴とする浮上式搬送装置。
  2. 【請求項2】前記制御装置は、前記センサ部の出力値か
    ら前記外力の大きさを観測する状態観測器と、この状態
    観測器で観測された前記外力の大きさに所定のゲインを
    持たせて前記励磁電流にフィードバックする手段とを備
    えてなることを特徴とする請求項1に記載の浮上式搬送
    装置。
  3. 【請求項3】前記制御装置は、前記電磁石と前記ガイド
    レールとの間の空隙長、前記搬送車の前記空隙長方向の
    速度および前記電磁石の励磁電流の各偏差に全てが同時
    に零でない所定のゲインを持たせ、これらを一次伝達関
    数を有するフィルタを介して前記励磁電流にフィードバ
    ックする手段を備えてなるものであることを特徴とする
    請求項1に項記載の浮上式搬送装置。
  4. 【請求項4】前記制御装置は、前記励磁電流の偏差を所
    定のゲインを持たせて積分する積分補償器と、この積分
    補償器の出力値を前記励磁電流にフィードバックする手
    段とを備えてなるものであることを特徴とする請求項1
    に記載の浮上式搬送装置。
  5. 【請求項5】前記センサ部は、前記電磁石と前記ガイド
    レールとの間の空隙長、この空隙長の変化速度、上記空
    隙長の変化加速度および前記電磁石の励磁電流のうちの
    少なくとも1つの検出値を得るものであることを特徴と
    する請求項1に記載の浮上式搬送装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114043879A (zh) * 2022-01-13 2022-02-15 西南交通大学 基于图像处理的中低速磁悬浮列车过轨道接缝控制系统

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS53132112U (ja) * 1977-03-25 1978-10-19

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